行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

台風19号が背中を押した国策としての送配電分離

2019-10-15 18:43:41 | 災害

今回の台風は、東京へまっしぐらに迫り、今までにない停電への不安・恐怖を感じた。前回の台風15号で千葉での電柱がズタズタにされた映像を毎日見たせいだ。報道では、東電が原発事故で体力がなくなり、送電網の老朽化を更新する資力も人員も減らしたことが影響しているとのことだが、日本全体で見ても、電力会社は送電網の新設・更新投資は大きく減らしている。鉄塔で見ると、1970年がピークで約8000基から1990年前後では約5000基、2015年には1000基と激減だ。電線は70年代年約2900~4700キロ新設更新されていたのが、2015年は1400Kmへ減少している。

電力会社は地域会社なので先ず発電をすることに経営の注力を注ぐ、まして金の掛かる原発をかかえていては送電インフラはどうしても二の次となる。九州では制御の難しい原発の電力優先で、太陽光発電を抑制すらしている。また、東日本の送電網も再生エネルギーを送電しようにも5割から8割空きがないという。しかし、空きがないというのは原発再稼働に備えて各電力会社が実際発電してない原発分の送電分を抑えているためだ。空席は抑えておいてお客のいない電車を走らせているようなものだ。2012年から、太陽光発電が買い取り制度導入によりそのウエイトが大きくなったが、送電網が使えなければ宝の持ち腐れだ。まして風力発電のように遠隔地立地だと東京まで送電するのに電線がなければただの風車だ。再生エネルギー企業に送電網の負担を持たせるには規模が小さすぎて負担できない。

2020年には送配電分離が決まっているが、送配電会社は巨大な国策会社として全国隈無くインフラ整備が可能で、地球環境優先再生エネルギーを効率よく送配電が出来なければならない。国土強靱計画と政治家は言うが、本気で電線地下計画も含めかけ声だけでなく実行して貰いたい。国策会社には広く国民から出資を募ることも必要だ。停電の恐怖を味わったのだから、国民も賛成してくれるだろう。


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