行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

統一通貨ユーロのピンチ

2010-05-14 13:55:56 | Weblog
ついこの間まで理想の統一通貨ユーロは輝いていた。これを見てアジア統一通貨などと言ったどこかの首相もいたが最近では聞かない。ユーロ導入の時にドイツ人の友人に何故マルクからユーロなのと聞いたら貿易取引が簡単になるからと言う答えが返ってきた。

メリットだけが強調され、デメリットについて国民はよく理解してなかったのではないか、長年の理想EUが実現して高揚感の中で通貨まで統一したわけだが、英国はさすがにポンドを捨てるわけにはいかなかった。ユーロまでの過程はバスケット通貨をまず導入し、慎重であったがユーロ参加条件の財政赤字GDP3%以内が守られなかったところに今度のギリシャのような問題が出てきた。ギリシャはこれまで一度もこの条件を満たしていない。

ギリシャのGDPは愛知県ほどの規模、マイナーで大きな問題にはならないという意見もあったが、巨額な財政赤字を埋める国債をEU諸国だけでなく米国の銀行も保有している。ギリシャがデフォルトに落ちれば、国際金融危機へつながる恐れがある。ユーロを構成するギリシャの問題はすなわちユーロの信用力の低下となる。

それを防ぐためにユーロ諸国は巨額の財政支援をしなくてはならない。自分の国の通貨の暴落になるからだ。ドイツではこの支援に自分たちの税金を投入するのは反対とばかりに抗議行動が起こり、地方選挙では与党が負けている。国民が上から下まで脱税が日常茶飯事といったギリシャのだらしない財政運営がはっきりしてくると他の加盟国の支援は国民に反対される。

人間の知恵で作り出したユーロが信用できないと、大昔からの通貨、金の値段が急騰している。ユーロが安くなり、フランスの輸入ワインが安くなり、年金生活者もボルドーのワインが飲めるようになった今月だが、我が通貨、円について考えると世界一の財政赤字の残高を思い出し、酔いも覚めてしまう。

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