先日の日経に年初来の資金流入額トップ10が掲載されていた。今年のテーマESGとDX関連が上位となっている。
トップは「グローバルESGハイクオリティ成長株式ファンド」で7月20日に設定されたばかりなのに7552億円も売れた。2位が3498億円だからいかにESGのインパクトが大きいかが判る。12月25日現在14.56%増と好成績だ。組み入れ銘柄を見ると1アマゾン・ドット・コム 米国、 2TALエデュケーション・グループ 中国、3 マスターカード 米国、4 サ-ビスナウ 米国、5 アドビ 米国、6 HDFC銀行 インド、7ズ-ム・ビデオ米国 、8 ビザ 米国、9スポティファイ米国、10 アルファベット 米国
と米国銘柄が71.1%とダントツ、次が中国8.7%、インド4.8%、デンマーィク4.6%、カナダ3.2%、日本、イタリア2.8%、フランス1.9%となっていて、日本の比重がインド以下となっている。スイス企業が入っていないのも気になる。
同ファンドの主なESG評価のポイントとして
プラスチック製品の代替製品を開発・製造する企業、 質の高い教育の提供やオンライン活用による教育機会の創出が事業拡大につながる教育関連企業、金融教育の普及が新たな顧客開拓につながる金融関連企業、革新的な働き方改革や多様な人材の採用が優秀な人材確保につながる企業、二酸化炭素排出量ゼロなど、徹底した環境への取り組みがブランド向上に繋がる企業をあげている。
全世界を対象とする点は安定性から評価するが、信託報酬が1.848%とほかのESG投信と比較すると高い。販売もみずほ系の銀行と証券だけで、手数料も3.3%取られる。9月のブログESG投信の比較を参照されたい。
第2位のデジタル・トランスフォーメーション株式ファンドは設定7月20日以来3498億円売れ、成績は12月25日現在13.3%上昇している。優秀ファンドの部類だが、やはりコストが高い。
組入上位10銘柄(銘柄数:62銘柄)は1 ROKU INC米国、2 SEA LTD-ADR シンガポール 3 SLACK TECHNOLOGIES米国、 4 TWILIO 米国、5 MEITUAN-CLASS 中国 、6 TENCENT HOLDINGS 中国、7 FACEBOOK、 8 NETFLIX 、9 SNAP 米国10 SPOTIFY TECHNOLOGY SA米国とARKのアドバイスが垣間見える。
国・地域別組入上位10ヵ国はアメリカ 63.9%、中国 17.3%、シンガポール 4.8%、日本 3.4%、ルクセンブルク 2.5%、台湾 2.2%、カナダ 1.6%、イギリス 1.2%、オランダ 1.2%、オーストラリア 1.0%と多彩だ。
ARKが絡んでいるので成長期待はある。また地方銀行でも買えるメリットはあるが、販売手数料3.3%、信託報酬は1.7985%と高い。このファウンドは米国の「破壊的イノベーション集団」ARKとの提携料が入っているからだろう。
DXといってもITなのだから米国ETFQQQとかVOOを買えば、信託報酬は1%未満で済む。
3位のアライアンス・バーンスタイン米国成長株投信毎月決算型は予想分配金を提示(注)するので年金生活者向けなのが受けたのか、2942億の流入額だ。成績は1年間で24.6%増、この6ヶ月で14.5%増と優秀ファンドの部類といえる。中身はGAFA+MをはじめS&P500のおおどころを揃えている。販売手数料はネット証券ならゼロ、信託報酬は1.727%と高い。ハイテク銘柄は殆ど配当してないので毎月値上がり収益の中から分配金をひねり出している。利回りは17%と高く、魅力的だ。しかしそのコストは高い。同じS&P500米国ETFバンガードのVOOならコストは1%未満、但し配当利回りは1.6%、思案のしどころだ。
注、
毎計算期末の前営業日の基準価額により分配金額(1万口あたり、税引前)決定
11,000円以上12,000円未満→分配額200円
12,000円以上13,000円未満→分配額300円
13,000円以上14,000円未満→分配額400円
14,000円以上 →分配額500円