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~頭を使ってではなく、カラダ(感性)で子育てしてみませんか~

おっぱい足りないのかな症候群

2012年04月07日 | エッセー
 なんでママが、赤ちゃんが泣くとすぐおっぱいを頼るようになるのかというと、おっぱいが足りていないんじゃないかという不安に陥るから。
 おっぱいってどれだけ出ているかわからないから、不安になるんだよね。
 それと、自律調乳を勧められているから。泣けばすぐおっぱいを与えることが正しいと教えられる。

 近くのA産婦人科は、いつの頃からか母乳育児を推奨するようになった。
 認定をもらうのにかなり難易度の高いといわれるユニセフの『赤ちゃんに優しい病院』を目指し始めたのだという。
 それは、とってもいいことだったけれど、母乳にこだわりすぎて、結果、多くのママたちを苦しめた。
 赤ちゃんの訪問に行くと、母乳育児にノイローゼ気味になったママたちの心の呪縛を解いて、安心して母乳育児ができるようお手伝いすることが結構あった。
 聞けば、お産で入院中も、毎日、いえいえ、母乳を飲ませるたびに、毎回、前後で体重を測っていたというではないか。
 とんでもない。
 オッパイの前後に、はりつけの刑にされるようなもの。バンバン出ているママはいい。でも、足りないママにとっては、毎回、毎回が恐怖だったと思う。
 足りないという言葉に、超敏感になって退院したママたちに待っているのは、孤独の中でオッパイという成績表と格闘する生活に明け暮れる日々だった。
 泣けば、さっきおっぱいを飲ませたばっかりなのに、足りないかも恐怖により、ついついおっぱいを飲ませてしまう日々を送っていた。
 母乳育児を推奨する方にぜひ、このことだけは伝えたい。
 「赤ちゃんが、泣くときは、①気持ち悪いから何とかして②お腹空いた③不安を発散したいからママに抱きしめてもらって思いっきり泣きたい・・・の三つがあるから、夜中に3時間以上おっぱいの間隔が空いているのなら、おっぱいは十分出ているので、泣いてすっきりしたいのかもしれない。だから、昼間も3時間くらいは空けてみてちょっと泣かせてあげて・・・・とママたちに伝えられるよう、赤ちゃんの気持ちもちゃんとお勉強してください。」・・・・・と。

 つづく

 個人的に、私は、家族だから・・とか友達だから・・・とか絆は大事・・・とか母乳育児・・・とか赤ちゃんが泣いたら抱っこするのがグッドママ・・・・とか自然なお産・・・とか育児に理解あるイクメンパパ・・・とか平和のために・・・とか男女平等でしょ・・・とかを前面に出すようなシステムは好みではない。
 もちろん、それは、願ってやまない理想の姿ではあり、目指すべき方向ではある。
 ただし、それを前面に出すと、必ず、苦しい気持ちになる人が出てくる。
 順風満帆な人が、それを口にすると脅迫状になるような気がする。
 
 そうしたくってもそうできない人を追い込まない空気が、一番大切なんじゃないかと思う。

 だから、私は、どうしようもない人たちがいる・・という空気が好きだし、どうしようもない人たちに感謝している。
 もし、どうしようもない人たちがいなかったら、優等生だけの空気の中で、私みたいな、そうしたくってもそうできない環境に身をおく人間は、窒息してしまう。
 

 福祉というと、微妙に、なんだか社会的に弱い人たちを社会的に満たされた人たちが助ける・・みたいなニュアンスで受け取っているんじゃないかと思うことがある。

 そうかなぁ・・・。わたしは、どさくさにまぎれてその日暮らしをしている、よりよく生きるという意味では優先順位をつけるのが苦手なしょうもない人たちの存在のおかげで、随分と生きやすい社会にさせていただいているんじゃないかと思えてならない。こんな表現も失礼なことなのかもしれないけれど・・・。
自分がへまやっちゃうたんびに、どうしようもない人たちの姿が浮かんできて、なんだか胸の奥がじんわりあったかくなる。そして、心の中で『ありがとう』ってつぶやいている。

 できるひとばっかりの社会って、きついよ。
 うつ病が増えているのも、できる人が認められる社会が加速しているからじゃないのかなぁって思う。

 だから、『赤ちゃんが泣いたら抱っこしてあげましょう。』という有名な小児科医の脅迫状に、世の多くのおっぱい足りてないのかな症候群ママたちは、できるママと思われたい気持ちがきっとどこかにあって、腱鞘炎になるまでノイローゼ寸前になるまで赤ちゃんを抱き続けてしまうのだと思う。きっと。
 

 最近、ブータンという国が脚光を浴びている。
 世界一、幸せ指数の高い国だそう。
 たぶん、できることが一番という価値観とは正反対な国なんだと思う。行ったことはないけれど・・・。


 泣くにまつわる物語は、まだまだたくさんあるけれど、おっぱい足りないかなという気持ちを赤ちゃんの泣きが一層強固なものにさせてママを苦しめているので、次からは、おっぱいアドバイス編を書きます。

 
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