握手会に行くのをやめたヲタはいる?(AKB48まとめんばー)
http://akb48matome.com/archives/51862026.html
そういえば最近は握手会に関連する問題で盛り上がることが少なくなったなと感じる。
一昔前と違って「AKB48の握手会」は良くも悪くも市民権を得たということだろう。
当たり前のことを、あえて語る人は少数派だ。
だが、当たり前のことを語り直すことで、見えてくるものがあったりもする。
まず、決して外してはならないのは、「握手会にはCDを売る以上の目的がある。」ということだ。
だから握手会を辞めることはできない。
いや、より厳密にいえば、「未来のCDを売るために握手会は存在する。」ということになろうか。
これについては後述する。
それゆえ、握手会そのものを否定するのはナンセンスなのであり、握手会の「量」について考えるべきなのだ。
この問題は、資源配分に関する戦略をどう練り上げるかに尽きる。
で、今回は「CDを売る以上の目的」とは何か、について簡単に整理することにしよう。
まず、「顧客視点の獲得」である。
メンバーが直接顧客とのコミュニケーションを持つ意味は、非常に大きい。
大企業が衰退する一つの大きな理由は、分業化によって顧客視点が失われ、組織内から価値統合機能が喪失することにある。
(組織内の価値観を統合する理念を持っていれば、それで代替は可能。)
『従業員』の誕生 ~時代遅れになった経営管理思想~
http://blog.goo.ne.jp/advanced_future/e/3b47570c6eaf0e12ed74bac960e3f2d8
握手会は、電波の向こう側にいる見えない相手にではなく、目の前にいる顧客に触れ合う絶好の機会である。
何かのメーカー企業の社員なら、自分たちの開発した製品に対する聞きたくない意見に直面することになるわけだが、
顧客の意見を肯定するにせよ、否定するにせよ、その意見から逃げるようでは、おそらくそのメーカーに未来はない。
中には辛らつな意見もあるだろう。
接したくない顧客も存在する、それは事実だ。
しかし、だとしても、問題を消すことを考えるのはナンセンスだ。
握手会問題 松井玲奈の主張に共感したので、全く役に立たないアドバイスをしてみる。
http://blog.goo.ne.jp/advanced_future/e/d1aedba76e9f278c737b3edcc362744a
伝える技術のない顧客を支援する仕組みが必要なのだと思う。
次に、「メンバーの淘汰プロセス」である。
握手会でメンバーと顧客の接点を作ることで、メンバーにAKB48メンバーとしての自覚を促しながら、主力メンバーの選抜プロセスを兼ねることができる。
この握手会を通して這い上がれるメンバーでなければ、主力メンバーになれる可能性はほとんどない。
この先のAKB48としての活動の中に待ち構えているであろう、様々な苦難を乗り越えることができる忍耐や創意工夫の能力を試されていると思ったほうがいい。
自覚の芽生えないメンバーや、向上心のないメンバーを、握手会を通して離脱を促す効果が期待できる。
いわば、ふるいだ。
握手会は適性のないメンバーを淘汰させる機能を持っている。
(当Blogではこれまで繰り返し述べているが、これは能力がないという意味ではなく、より適性のある場所を目指すべきだという意見。)
自然は命をムダにする
http://blog.goo.ne.jp/advanced_future/e/e98d828c318cbd4d9677b82f653b26c8
他にも「人材育成」「プロモーション」「組織力強化」がある。
組織力強化についてだけ、簡単に触れておく。
(これまで何度も書いてきたことだが)
AKB48は1年のうちにいつ何をするかというタイムラインが非常にしっかりしている。
このタイムラインを基礎として、その上に様々な創意工夫でデコレーションをするのが、AKB48の基本戦略の一つとしてある。
タイムラインの安定性が高いからこそ、創意工夫をする余裕ができるのだ。
組織としては、タイムラインの堅牢性を高く保つために、オペレーションに関する能力を常に磨かなければならない。
そのため、オペレーションをうまく回す基礎体力をつけておくために、組織に不断の努力を強いるのである。
だから、組織としての能力を高めていくためにも、CDのリリースタイミングと握手会には大きな意味がある。
個人的には、CDリリースと握手会の間隔をもっと縮める努力がAKB48運営にもっと必要だ。
仕込から収穫までの時間が長すぎる。
半年では在庫回転率が悪過ぎる。
「ジャスト・イン・タイム」に取り掛かって欲しい。
ということで、如何にして、限りある資源を有効に使って握手会の意義を最大化できるように、握手会を設計できるか。
これが握手会を運営する側の問題意識だ。
まず、以上を踏まえて議論をするといいのではないか、と思う。
↓この意味もきっとわかることだろう。
あと、本当は新劇場があったら出来る事がいっぱいあるのだが、この手が禁じられているために、
(おそらく財務的な理由よりも理念的な理由で)
そうすると、握手会イベントをうまく設計して、劇場公演を代替させることを考えるしかない。
という側面もあるのだろう。
握手会イベントを単なる「握手会」ではなくて、
もっとライブやお祭り的な要素を組み込んだ総合的なイベントへと変化させるのだ。