進化する魂

フリートーク
AKB48が中心。
気の赴くままに妄想をフル活用して語ります。

売れなくてもシングルCDを出し続けることに意味はある。コンテンツとメディアの価値を混同したらアカン。

2013-01-27 09:21:32 | AKB48_軽ネタ
音楽の価値とは??
http://blog.livedoor.jp/givemeyour/archives/52080337.html

音楽の価値とは?? の続き??
http://blog.livedoor.jp/givemeyour/archives/52080455.html


数日前にTwitterで流れてきて少々話題のようですが、

「コンテンツの価値」「メディアの価値」を混同するありがちな議論ですな。


たとえばCDアルバムは生産金額の総量は減少してますが、年間ランキングの上位の売上はあまり変化が見られないですね。

そしてランキングに登場するアーティストが多様です。

一方、シングルに関しては、ランキングは一部アイドルグループに集中しており、他は下降するばかりです。


これは一過性の現象かもしれませんが、ここから何を読み取るか、ですね。



【シングル・ラインキング:2012】
***1位 : 182.0万枚 … AKB48 「真夏のSounds good !」
***2位 : 143.7万枚 … AKB48 「GIVE ME FIVE!」
***3位 : 130.3万枚 … AKB48 「ギンガムチェック」
***4位 : 121.5万枚 … AKB48 「UZA」
***5位 : 107.3万枚 … AKB48 「永遠プレッシャー」
***6位 : *64.9万枚 … 嵐 「ワイルド アット ハート」
***7位 : *62.0万枚 … 嵐 「Face Down」
***8位 : *59.3万枚 … SKE48 「片想いFinally」
***9位 : *58.8万枚 … SKE48 「キスだって左利き」
**10位 : *58.2万枚 … SKE48 「アイシテラブル!」
**11位 : *55.9万枚 … 嵐 「Your Eyes」
**12位 : *44.9万枚 … NMB48 「ナギイチ」
**13位 : *39.1万枚 … NMB48 「ヴァージニティー」
**14位 : *37.6万枚 … NMB48 「純情U-19」
**15位 : *37.5万枚 … エイトレンジャー 「ER」
**16位 : *35.5万枚 … Kis-My-Ft2 「WANNA BEEEE!!!/Shake It Up」
**17位 : *35.3万枚 … NMB48 「北川謙二」
**18位 : *32.2万枚 … Kis-My-Ft2 「We never give up!」
**19位 : *32.0万枚 … 関ジャニ∞ 「愛でした。」
**20位 : *30.5万枚 … NEWS 「チャンカパーナ」



【アルバム・ラインキング:2012】
***1位 : 117.0万枚 … Mr.Children 「Mr.Children 2005-2010<macro>」
***2位 : 110.5万枚 … Mr.Children 「Mr.Children 2001-2005<micro>」
***3位 : 103.0万枚 … AKB48 「1830m」
***4位 : *84.8万枚 … 嵐 「Popcorn」
***5位 : *76.7万枚 … EXILE/EXILE ATSUSHI 「EXILE JAPAN/Solo」
***6位 : *75.8万枚 … 桑田佳祐 「I LOVE YOU -now & forever-」
***7位 : *69.4万枚 … コブクロ 「ALL SINGLES BEST 2」
***8位 : *61.3万枚 … Mr.Children 「[(an imitation) blood orange]」
***9位 : *55.0万枚 … 松任谷由実 「松任谷由実 40周年記念ベストアルバム 日本の恋と、ユーミンと。」
**10位 : *51.9万枚 … 山下達郎 「OPUS ~ALL TIME BEST 1975-2012~」
**11位 : *51.8万枚 … 安室奈美恵 「Uncontrolled」
**12位 : *41.4万枚 … いきものがかり 「NEWTRAL」
**13位 : *39.5万枚 … ゆず 「YUZU YOU[2006-2011]」
**14位 : *38.2万枚 … EXILE 「EXILE BEST HITS -LOVE SIDE/SOUL SIDE-」
**15位 : *36.7万枚 … 関ジャニ∞ 「8EST」
**16位 : *32.6万枚 … Kis-My-Ft2 「Kis-My-1st」
**17位 : *31.4万枚 … 西野カナ 「Love Place」
**18位 : *29.6万枚 … KARA 「スーパーガール」
**19位 : *27.8万枚 … SMAP 「GIFT of SMAP」
**20位 : *26.6万枚 … FUNKY MONKEY BABYS 「ファンキーモンキーベイビーズ4」

【アルバム・ラインキング:2011】
***1位 : *90.8万枚 … 嵐 「Beautiful World」
***2位 : *83.0万枚 … AKB48 「ここにいたこと」
***3位 : *74.3万枚 … EXILE 「願いの塔」
***4位 : *65.9万枚 … レディー・ガガ 「ボーン・ディス・ウェイ」
***5位 : *64.2万枚 … 少女時代 「GIRLS' GENERATION」
***6位 : *48.4万枚 … 安室奈美恵 「Checkmate!」
***7位 : *45.1万枚 … KARA 「スーパーガール」
***8位 : *41.5万枚 … 桑田佳祐 「MUSICMAN」
***9位 : *41.4万枚 … SMAP 「SMAP AID」
**10位 : *39.7万枚 … いきものがかり 「いきものばかり~メンバーズBESTセレクション~」
**11位 : *38.3万枚 … B'z 「C'mon」
**12位 : *37.4万枚 … aiko 「まとめI」
**13位 : *36.8万枚 … アヴリル・ラヴィーン 「グッバイ・ララバイ」
**14位 : *34.7万枚 … Superfly 「Mind Travel」
**15位 : *34.6万枚 … 西野カナ 「Thank you,Love」
**16位 : *34.2万枚 … aiko 「まとめII」
**17位 : *34.0万枚 … BUMP OF CHICKEN 「COSMONAUT」
**18位 : *32.8万枚 … JUJU 「YOU」
**19位 : *30.5万枚 … 加藤ミリヤ 「M BEST」
**20位 : *29.4万枚 … 東方神起 「TONE」

【アルバム・ラインキング:2010】
***1位 : 105.3万枚 … 嵐 「僕の見ている風景」
***2位 : *90.6万枚 … いきものがかり 「いきものばかり」
***3位 : *64.5万枚 … 西野カナ 「to LOVE」
***4位 : *61.3万枚 … FUNKY MONKEY BABYS 「ファンキーモンキーベイビーズBEST」
***5位 : *59.7万枚 … Mr.Children 「SENSE」
***6位 : *57.4万枚 … 安室奈美恵 「PAST<FUTURE」
***7位 : *56.9万枚 … 東方神起 「BEST SELECTION 2010」
***8位 : *56.0万枚 … いきものがかり 「ハジマリノウタ」
***9位 : *54.4万枚 … 福山雅治 「THE BEST BANG!!」
**10位 : *46.9万枚 … 木村カエラ 「5years」
**11位 : *46.6万枚 … EXILE「FANTASY」
**12位 : *44.1万枚 … AKB48 「神曲たち」
**13位 : *42.3万枚 … JUJU 「Request」
**14位 : *40.6万枚 … レディー・ガガ 「ザ・モンスター」
**15位 : *39.8万枚 … 徳永英明 「VOCALIST 4」
**16位 : *39.4万枚 … EXILE 「愛すべき未来へ」
**17位 : *38.6万枚 … コブクロ 「ALL COVERS BEST」
**18位 : *37.1万枚 … 倖田來未 「BEST~third universe~&8th AL”UNIVERSE”」
**19位 : *34.2万枚 … 嵐 「All the BEST!1999-2009」
**20位 : *33.4万枚 … 宇多田ヒカル 「Utada Hikaru SINGLE COLLECTION VOL.2」



まず、我々が捨てなければならない既成概念は、「我々が対価を支払って購入しているのはコンテンツだけではない。」という事実です。

「コンテンツの価値」=「商品の価格」というのは普通は成立しません。

普段、面倒なのでそういうことにしてますが。

(この辺りを理解していないから、AKB48のCD売上に関する批判もトンチンカンなものが多いわけですが)



「顧客が認知する商品の価値(顧客価値)」を考えるにあたっての重要なヒントの一つを提示します。

「顧客のシステム経済性」という概念です。

「消費チェーン」と言う方がわかりやすいかも)






音楽業界に関連していうと、上記を踏まえて成功したビジネスモデルが存在します。

「iTunes Music Store」です。


AKB48とフリーミアム
http://blog.goo.ne.jp/advanced_future/e/967345b9aeaa28b123bdca39a426e4d8

フリーミアムというのは、95%の無料ユーザに「時間」を使わせて、5%の金持ちユーザに「金」を使わせるのだ。


例えば、子供の時は、お金よりも時間を多く持っている。

だから、手間がかかっても無料のMP3ファイルの交換をするしかない。

かつてスティーブ・ジョブズは次のように指摘した。

P2Pのサービスで音楽をダウンロードすれば、問題のあるファイルフォーマットを扱うことになりやすい。

アルバム情報がなかったり、目当てでない歌がダウンロードされたり、音質が悪かったりする可能性がある。

お金を払わないために時間をかけることは、最低賃金以下で働いていることを意味するのだ。

それでも、時間がたくさんあってお金がなければ、それは合理的行動になる。

そういう人にとってはタダは正当な価格なのだ。

だが、歳を取って時間とお金の関係が逆になると、正規のダウンロードにかかる99セントはたいした金額に思えなくなる。

そうすると、フリーミアムの世界において、お金を払う顧客になるのだ。

(これがiTunesというサービスの理念的な支柱である)

(ちなみにライブ重視に変化してきている状況は、「フリー」の中で述べられているので、そちらを参照してみてください。)


「シングルが売れなくても、アルバムが売れる。」ということが一過性でも起きるのは、アルバムが提供しているものが「コンテンツの価値」だけではなく、「品質のよい音楽の探索コストとプレイリスト作成コストを無しに視聴できる。」というものだから、と考えることもできるのではないでしょうか。

顧客がトータルコストを無意識的に考慮に入れながら、対価を支払う判断をしているのです。

「デジタル・ネイティブ」などというバズワードに振り回されてはいかんのです。

我々が今見ているものは、ホモ・サピエンスが生物学的な変化をした結果ではなく、人間が行動原理に基づいて環境変化に適応した結果です。

数千年の単位では人間は変わりませんので、世代の違いによる変化を脅威として捉える必要などありません。



で、表題の「売れなくてもシングルCDを出し続けることに意味はある。」についてです。

シングルが売れないからアルバムだけを作りますとやった場合、アルバムが売れる可能性は低くなると思います。

顧客が楽曲1つ1つに対価を支払う価値を感じなくても、楽曲を束にした時に、本エントリで述べたような価値が生まれるからです。

楽曲が3曲あったら、1+1+1=3という「足し算」ではなく、「べき乗算」的変化によって価値が生まれるということです。

「べき乗算」ですから、1つ1つの楽曲の価値が全くないのではアルバムになっても価値がないでしょう。

ですので、シングルを出すというプロセスを通じて、1の楽曲を1.1や1.2になるようにすることが、重要になるのです。