粗忽な夕べの想い

落語の演目(粗忽長屋)とモーツアルトの歌曲(夕べの想い)を合成しただけで深い意味はありません

風評被害で訴えたい相手

2012-07-28 11:39:23 | 煽りの達人

千葉の生協が原発事故の風評被害による売上げ減で、東電に対し4700万円の損害賠償を求めたが、裁判では1000万円しか認められなかったという。これを不服として要求額全額を支払うよう提訴した。

記事だけでは生協が事故で、具体的にどのような風評被害を受けたのか知る由もない。原発事故以外でも、震災直後の物資不足やその後の大水害なども影響としてあっただろう。また風評被害そのものも数値化がむずかしい。

もちろん、風評被害の源は原発事故であることは間違いない。しかし、東電が好んで風評被害を仕掛けようとしたわけでない。むしろ、東電自身は風評被害が広がることを極力抑えようとしたのも事実である。

風評被害は、消費者が事故による放射能の影響を正しく理解しようとせず、過剰に反応したことが直接の原因である。したがって消費者の方にも責任はある。しかし一番の問題は意図的に放射能汚染を過激に煽った学者、ジャーナリスト、メディアにこそあると思う。彼らは、その意味で「確信犯」といえるのではないか。今でこそ、講演会で小銭を稼ぐ一部大学教授たちを除き、その煽りも鳴りを潜めている。しかし事故当時は、煽りの大合唱だった。

こうした煽りが、消費者にどれだけの悪影響を与えたかは想像できない。いわば原発事故の「2次災害」と呼んでもよい。しかし不思議なことに、いまだにこれら学者やジャーナリストがそれを理由に告訴されたという話は聞いたことがない。

学者やジャーナリストは煽ることによって、メディアの寵児となり出演料や著書の印税を稼いだ。週刊誌は発行部数を大幅に伸ばした。いわば「原発事故成金者」が続出した。

これから国民が冷静になって事故での影響を見つめようとする時期に来ている。おそらくこれら煽りの当事者を提訴すれば、風評被害のメカニズムが相当明らかにされるはずだ。具体的な加害を数値に表すことは難しいかもしれない。しかしかれらの言説が如何に科学的な実証性からかけ離れているかは明白になると思う。決して『逃げ得」だけは許されない。