粗忽な夕べの想い

落語の演目(粗忽長屋)とモーツアルトの歌曲(夕べの想い)を合成しただけで深い意味はありません

韓国政治の未熟

2012-07-14 08:57:35 | 国際時事

韓国政府による慰安婦問題での日本への執拗な干渉が収まらない。在韓日本大使館前の「慰安婦像」の設置に続いて、韓国外相が今後は「性奴隷という名称使用も検討している」と述べている。この問題は日韓条約とそれに伴う賠償で日韓双方が解決済みとしているはずだが、近年国家賠償の対象にせよと韓国政府が蒸し返している。

韓国政府でも、金大中や盧武鉉らの親北政権なら分からないこともない。しかし今は李明博の保守政権である。北朝鮮に対して日韓で協調姿勢をとることを政策としている政権である。

最近韓国経済は大企業主導の経済発展も陰りをみせる一方、これまで批判されてきた貧富の格差拡大がより深刻になってきている。李政権は年内で終了するが、このままでは保守政権の継続が厳しいとされている。政権の不満を解消しようとして、国民のナショナリズムに訴える戦術をとる。そこで日本たたきがおこる。国内の不振を外交で取り戻そうとするやり方はどこの国でもよく使う常套手段だ。

しかし政治的に成熟している国では、もはやなかなかそんな神通力は通用しなくなってきている。また責任ある大国として、こうした荒療治は逆効果で世界の反発を招くことになる。

その点では失礼ながら、韓国はまだ政治的に未成熟だと思う。政権末期にかならず露見する大統領親族による汚職事件はその代表だ。世界でも最も過酷な独裁国家に融和的な「親北」なる勢力がいまだ根強い。今の韓国国内では日本の嘗ての日教組のような左翼の組合が教育現場で猛威を振るっており、親北反日教育が行なわている。

こうした親北勢力が、国民の不満を民族主義に訴えて現政権を揺さぶっている。それを保守政権は先手を打つことで親北勢力の台頭をかわそうとする。これが現在韓国の政治状況ではないだろうか。

思えば日本も1970年代は社共の左翼勢力が元気な時代だった。しかし国民の政治意識もそんなイデオロギーを離れて成熟していったと考えられる。もはや社会党も共産党も決して政治の主流にはなりえない。

しかし韓国ではいまだ親北のイデオロギー色の強い勢力が健在だ。保守党もその勢力を無視できない。結果対日強硬という、我々日本人からすれば、違和感を覚える政策が繰り返される。