粗忽な夕べの想い

落語の演目(粗忽長屋)とモーツアルトの歌曲(夕べの想い)を合成しただけで深い意味はありません

政治がらみのオスプレイ配備問題

2012-07-26 12:20:24 | 沖縄の虚像と実像

二井山口県知事と福田岩国市長が、森本防衛相と玄葉外相を相次いで訪れオスプレイの岩国基地陸揚げに抗議した。地元民の不安を払拭できないというのが理由だが、これを額面通りに受け止めることはできない。実は山口県知事選がらみであることは間違いない。今月29日に行なわれる選挙では当初自民党と公明党が推薦している国交省出身の保守新人候補が優勢だったが、反原発論者で有名な飯館哲也氏が急激に追い上げている。

保守候補は地元の上関原発建設を容認しているが、原発事故以来県民には当然批判的空気が強く、それが飯田氏支持急伸の原動力となっている。そしてここへ来てのオスプレイ問題。保守陣営がこれに曖昧な態度を取ると形勢は逆転する情勢だ。

山口県知事や岩国市長も自民党出身で、この保守候補を応援している。したがって選挙を有利に進めるためには、これら自治体の長がオスプレイ配備に厳しい姿勢をみせないわけにはいかない。したがって今回の防衛相と外相訪問は一種のポーズにさえ思えてくる。それをメディアが「山口県民の民意」のごとく持ち上げるだけでは、本質を見誤るだろう。自民党の石原幹事長や石破元防衛相が同様の「懸念」を表明しているのも、あくまでも選挙がらみと見るべきだ。

しかしオスプレイ問題は決して政局の道具にすべきものではない。今後の国防の根幹に関わる問題だ。データを見る限りとオスプレイの事故率は決既存のヘリコプターと比べても事故率は高くない。「安全が確認されていない限りオスプレイ配備に同調すべきでない」とメディアや政治家が批判しているが、軍事の専門家でない人々はどんな説明や事故報告で納得できるのだろうか。「危険だからいらない」では全く先に進まないばかりか、結果的に日本の国益を損なうことにもなる。