粗忽な夕べの想い

落語の演目(粗忽長屋)とモーツアルトの歌曲(夕べの想い)を合成しただけで深い意味はありません

寺島実郎氏の正論

2012-07-22 14:04:39 | 反原発反日メディア

毎週日曜朝のテレビは、なぜか関口宏のサンデーモーニングを見てしまう。正直この番組は左翼的で反原発の姿勢が強くて好きではない。古館伊知郎の報道ステーションと双璧を成すが、両方とも視聴率が高いのが不思議だ。

ただサンデーモーニングは時々番組の方向性とは「異質」のコメンテーターが登場して「KY」の発言をする。それを楽しみにしてつい視聴してしまう。

今日の寺島実郎氏のコメントが、まさにそれであり、自分が日頃考えていたことを代弁し、溜飲をさげてくれた。今回は最近話題になったエネルギー政策に関する意見聴取会についてだ。発言者に電力会社の人間が含まれていることをこの番組も問題視していたが、寺島氏はこれに真っ向から異議を唱えていた。

やらせで作為的にやっているなら大問題だが、ルールに基づく意見聴取会にちゃんと抽選に応募して当たった人が発言すること、つまり会社に働いていう人間がエネルギー問題にどういう考えを持っているのかは、会社がもっている問題とは別の問題だ。

公民権停止になっているわけではないのだから、こういう立場の人にしゃべらせることも大事だ。

魔女狩り的空気で腹立ち紛れにこんな奴らにしゃべらせるべきではないとメディアの空気が行きがちだが、現場を支えている人たちが、むしろこれだけ苦しんでいる問題にどういう意見をもっているのか、耳を傾けて見ようという空気もバランスとして必要ではないか。

こうした発言は今のメディアの空気に敢然と立ち向かうものであり、逆に聞いていて清々しさえ感じた。しかしこれに驚いた関口キャスターが慌てて「軌道修正」しようとしたのが見苦しかった。

現場の声も必要だが、どうも中身がない。ただ推進、推進といっているだけで、どういう理由で推進なのか僕ら短いニュースでしか知らないが 何とも理解し難い。

「中身がないのは、関口さん、あんただよ」と思わずテレビに向かって言い返したくなった。寺島氏への反論になっていない。電力会社社員がどれだけ現実を踏まえた中身のある発言をしているか、「短いニュース」などと言い訳しないで関口氏はもっと発言内容を汲み取って欲しい。(白髪の手入れをする時間があるのなら)

後に続くコメンテーターも皆反原発派ばかりだが、抽象論先行で「中身」がなかった。寺島氏の意見に満足に反論できる人はいなかった。佐高信氏に至っては「電力会社の社員には個人(という立場)はない」とまで言い切っていた。

意見聴取会で発言していたのは、東北電力や中部電力の社員であり、東京電力の人間ではない。東電社員であっても、個人的に発言するのは問題はないと思うが、まして事故当事会社でない他の電力会社社員ならなおさらだ。なぜに「個人はない」のかさっぱりわからない。寺島氏が「魔女狩り」といみじくも述べていたが、事故から1年4ヶ月たってもその空気は変わらず、その澱みが今も日本全体を覆っている。