粗忽な夕べの想い

落語の演目(粗忽長屋)とモーツアルトの歌曲(夕べの想い)を合成しただけで深い意味はありません

市民団体の圧力に敢然と

2012-07-27 14:27:13 | ガレキ広域処理問題

大阪市のがれき広域処理政策は、受け入れの是非をめぐり大詰めを迎えている。大阪市議会は与党大阪維新の会が33で最大議席を持つが、野党の自民党と公明党の議席を合わせると過半数を超える。橋下市長がすすめるがれき広域処理もこの2つの野党が反対に回れば、予算が通らない。自民党は既に反対の意向であり、今後公明党の動向が採決の鍵となる。

なぜ自民党が広域処理に反対するのか解せない。橋下市長憎しの過去の経緯があるのだろう。そして、反対運動を繰り広げる市民団体は、態度を保留している公明党に反対に回るよう、市の党事務局に対して実力行動を仕掛けようとしている。

例の木下黄太氏率いる反原発市民グループが中心だ。というより、まるで「がれき広域処理反対運動の専売特許」のごとく、単独唯一といってよいほどだ。彼らのサイトに公明党事務局の電話番号とTAX番号を紹介してネットの賛同者たちに直接圧力をかけさせようという意図だ。

こうした広域処理問題でのやり方はほとんど木下氏を中心としたグループによる常套手段といってよい。市役所の担当部課やそれに関わる有識者、特定政党に攻勢をかけているのが現状だ。以前大飯原発再稼働に関しても、重要な鍵を握る福井県の原子力専門委員会の学者たちにたいしてもそうだった。どこからか彼らのメールアドレスを探し出しネットで公表して稼働を認可しないようメール攻勢で圧力をかけていた。もちろんそんな圧力など専門家たちには通じなかったのは当然だ。

要するに、こうした市民団体の活動の本質は、自治体の政策に正面から対応するのでなく、担当課や委員会の専門家、政党事務局などいわば行政の「急所」というべきところを「ピンポイント」で攻撃するところにある。これは本来の市民活動ととてもいえない。禁じ手もあえて辞さない圧力団体というべきだろう。

近日中には大阪市でがれき受けイルの是非を問う議案の採決が行なわれる。最近橋下市長は、存外のスキャンダルに襲われ逆風にあるが、自身が進める広域処理問題には、持ち前の突破力で押し通して欲しい。西日本の要の大都市でがれき受け入れが実現すれば、なかなか先の見えないこの問題の打開に大きな弾みがつくものと期待する。