一主婦の「正法眼蔵」的日々

道元禅師の著書「正法眼蔵」を我が家の猫と重ねつつ

猫は後かたづけをしない(寂静の世界)

2009年05月07日 | Weblog
 猫をみていると寂静の世界にいます。猫が自分でどうにかしなかくては、と焦燥にかられてる思いをしているのをみたことがありません。

 自分でどうにかしなくては、と焦燥にかられると、自分がこの世の中で一人しかいないような孤独感や、真っ暗な袋に閉じこめられたような閉塞感を感じます。私はそういう焦燥感や閉塞感がいやで、猫はどうしてこの焦燥感や閉塞感がないんだろうと猫を観察してしまいます。

 猫を見て気がついたのですが、猫は自分でどうにかしなくてはと焦燥にかられる代わりに、常に目の前のことをジーッと見ています。

 猫が目の前のことをジーッとみているのは、猫が縁の世界にいるからではないかと思ったのです。縁の世界は私たちをとりまく流れに逆らわず生きていくことです。だから目の前のことをジーッとみてなくてはなりません。流れに逆らわずに流れにまかせていくことで自分の100%のエネルギーがだせます。猫をみていると自分が100%のエネルギーをもっていれば自然に内から智慧や行動力が現れてくるのがどんなものかとわかります。智慧や行動力が内から自然に湧いてくることを信じられれば自分でどうにかしなくてはと焦燥にかられません。
 
 私はこの自分でどうにかしなくてはの焦燥感がいやなので、自然に湧いてくる智慧や行動力のためならば、猫のように旅行にいかなくてもいい、そんなにおいしいものを食べなくてもいい、人に褒められなくてもいい、ただ寂静の世界にいたいと思います。

 自分でどうにかしなくてはがいやで、煩わしいものを避けて寂静の世界を作ろうとしても、後片づけをしなくてはならないようになります。後片づけをしない寂静の世界をつくるためには縁の世界を探すしかないように思うのですが。