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●山口県上関町…《僅か2週間足らずの期間に、電力会社や自治体上層部の幾人かの勝手な決断によって、トントン拍子で事を前に動かしていく》

2023年11月02日 00時00分12秒 | Weblog

元福井県高浜町助役から関西電力側への資金提供のイメージ (東京新聞2019年9月27日)↑]


(2023年10月10日[火])
この勢いでどんどんと関西電力の核のごみを受け入れる方向に暴走する気満々。狂気を感じる。
 関電で思い出すのはやはりこのこと ―――――― やっぱり金のなる巨大木に蝟集し、金を還流、政治家 (閣僚、しかも行政府の長・首相) に濁流。(リテラ)《まさか、現役の総理大臣にも直接、原発マネーが流れていたとは──》《公共性が高い企業から、よりにもよって現役の総理大臣が事実上の献金を受け取っていたという事実は、極めて重大な問題がある。いや、それどころか「口利きさえ疑われかねない問題だ》った。さしずめ、いまは、《吹田愰の娘婿西村康稔経産相あたりか。

   『●「原子力は血液」……ではなく、「原子力=核」は「麻薬」
   『●「けん制」? いや、「恫喝」でしょ?  
      関西電力八木誠社長が大津地裁と「地元」市民を脅す!
    《美浜原発3号機(福井県)の廃炉を検討していると一部で報じられた
     ことに対しては「検討している事実はない。活用していきたい」と述べた》

   『●関西電力八木誠社長のあの高浜原発: 
      「プルサーマル原発」に続き「寿命原発」を動かしたいそうです
   『●砂上にペラペラの壁を造ってまでも
       再稼働したくなる浜岡原発という「金のなる巨大木」
   『●やはり核発電は「金のなる巨大木」だった…
     高浜「原発マネー」が八木誠会長ら関西電力経営陣個人に見事に《還流》
   『●(リテラ)《まさか、現役の総理大臣にも直接、原発マネーが流れて
      いたとは──》《それどころか「口利き」さえ疑われかねない問題》
   ●《「まるで反社以下の関電」…今も経済産業省と岸田政権に守られてぬく
     ぬくと生き延びている》《関電と経産省、岸田総理は「亡国トリオ」》

 そんな「まるで反社以下の関電」の核のごみを、なぜに山口県上関町に〝捨てる〟のか?
 関電の核のごみをなぜに山口県上関町中間貯蔵(という名の最終処分)を? 中電や経産省、国が散々市民を分断してきた山口県上関町、《問われる町衰退の責任》(長周新聞)。そして、何より、祝島の皆さんがお気の毒で仕方ない。絶対にコンナモノを受け入れてはいけない。(長周新聞)《「なぜ山口県が関電の原発のゴミ捨て場にされないといけないのか」と山口県中で驚きを持って話題にされている。中電の必要性というより、客観的に見ると関電の必要性のために上関を差し出すような格好》、《さんざん町民を分断してきた挙げ句に郷土を核のゴミ捨て場正真正銘の原発の墓場にするという動きに反発が高まっている》、《「なぜ関電の原発のゴミをわたしたち上関が引き受けなければいけないのか」と疑問を口にしていた。40年以上も原発騒動でもめてきて、上関原発建設計画については実質的に破綻して建設のメドもないなかで、今度は中間貯蔵施設というわけで、要するに上関をゴミ捨て場にする…》。
 長周新聞の記事【吹田愰の娘婿が持って来た? “核の便所”扱いされる山口県 西村康稔経産大臣面会後に一気呵成 兵庫9区に持って行け】(https://www.chosyu-journal.jp/yamaguchi/27414)によると、《山口県熊毛郡上関町に原発から出る使用済み核燃料の中間貯蔵施設を建設する計画が突如浮上したことを巡り、山口県内では波紋が広がっている。地元自治体である上関町では、例の如く調査受け入れの是非について町議会で採決に諮るでもなく、盆明けの818日には西哲夫町長が調査受け入れを表明。計画が降ってわいた8月初旬から僅か2週間足らずの期間に、電力会社や自治体上層部の幾人かの勝手な決断によって、トントン拍子で事を前に動かしていく様に山口県中で反発が強まっている》

   『●祝島…《調停を申し立てた側の中電が「法律論争をするつもりはない」
     といって議論を避け、調停は不成立…法律論争は不利と判断したから》
   『●《「原発ができれば町が活性化する」という空疎なスローガンのもとで、
      町の基幹産業…漁業…など生産振興や生活の向上をめざす活動は停滞》』 
   『●はぁ? 東京新聞【「原発マネー」で生まれた奇策 使用済み核燃料の
      中間貯蔵施設を上関町に 中国電力と関西電力で苦肉の共同開発案】
   『●山口県上関町…《さんざん町民を分断してきた挙げ句に郷土を核のゴミ
     捨て場…正真正銘の原発の墓場にするという動きに反発が高まっている》
   『●《「まるで反社以下の関電」…今も経済産業省と岸田政権に守られてぬく
     ぬくと生き延びている》《関電と経産省、岸田総理は「亡国トリオ」》
   『●長崎県対馬市長、《文献調査…「市民の合意形成が不十分だ」…処分場に
     ついて「将来的な想定外の要因による危険性が排除できない」とも語った》
   『●破綻した核燃サイクル、中間貯蔵施設は最終処分場と化す…使用済み核燃料
     プールの現状は? どこを最終処分場にするかの議論の前にやることは?

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https://www.chosyu-journal.jp/yamaguchi/27414

吹田愰の娘婿が持って来た? “核の便所”扱いされる山口県 西村康稔経産大臣面会後に一気呵成 兵庫9区に持って行け
山口県 2023年8月27日

     (登庁前に西町長(中央奥)の車を取り囲む住民たち
      (18日、上関町役場前))

 山口県熊毛郡上関町に原発から出る使用済み核燃料の中間貯蔵施設を建設する計画が突如浮上したことを巡り、山口県内では波紋が広がっている。地元自治体である上関町では、例の如く調査受け入れの是非について町議会で採決に諮るでもなく、盆明けの8月18日には西哲夫町長が調査受け入れを表明。計画が降ってわいた8月初旬から僅か2週間足らずの期間に、電力会社や自治体上層部の幾人かの勝手な決断によって、トントン拍子で事を前に動かしていく様に山口県中で反発が強まっている。山口県内における反応や現地の様子について、取材にあたる記者たちで状況を集中してみた。


衆院山口2区でケリつけよう

 A 盆休みを挟んで上関町では町議会の全員協議会で町長が説明し、調査受け入れを巡る議決をとるとみられていたが、14日に予定していた中電による議会への説明会は祝島をはじめとした原発反対派の住民たちが役場を取り囲んで抗議行動をくり広げ、開催には至らなかった。そして、盆明けの18日に臨時議会を開催し、使用済み核燃料の中間貯蔵施設設置にかかわる立地可能性調査の実施について議論した。議長を含む10人の町議がそれぞれ意見をのべたうえで、採決はおこなわず最終的に町長が調査受け入れを表明した。
 庁舎前には反対派住民が押しかけ、西町長を車から出られないように取り囲み、一時周辺は騒然として警察まで出動する事態となった。また、傍聴を希望する人が多数いたため、抽選となった。さらに庁舎ロビーでも議会中継がおこなわれた。
 西町長は「議員の皆様の意見を聞いて総合的に判断したい」とのべていたが、臨時議会が開かれる前からメディア関係者には「議員が意見をのべ、町長が調査受け入れを表明し、中電にFAXを流して会見をおこなう。FAXした内容はマスコミにも配布する」とすべての段取りが明かされており、事態はその通りに進行した。有り体にいえば茶番だ。
 原発41年間のすべてにいえることだが、初めからすべてが出来レースで、こうした「抗議行動にあってしばらく揉める」の演出と物撮りまで含めてセレモニーと化している一面は否めない。“上関仕草”といったらアレだが、ガス抜きしつつ押し切っていったり、あるいは「反対が強く(着工その他)できません…」の理由付けになったりもする。そんなことに毎度エネルギーを費やさなければならない住民の苦労はそれとしてある。

 B 18日の臨時議会は午前9時からの予定だったが、8時前からマスコミ各社が押し寄せていた。大手新聞やテレビ取材班が各社複数人体制で乗り込み、福井県や愛媛県、島根県など他県からも地方紙記者が来ていて、全国的な注目度の高さを物語っていた。議場に入ることができるのは各社一人ずつに制限されたが、それでも取材ブースは身動きがとれないほど記者やテレビカメラなどでごった返していた。
 上関あるいは山口県だけのローカルな問題などではないのだ。むつ市に続く、国内2番目の大型中間貯蔵施設の建設、すなわち使用済み核燃料のゴミ溜め候補に名乗りを上げている訳で、世界的にも忌諱(きい)されている迷惑施設このご時世に喜んで誘致したがる地方自治体というのは上関町を除いてほかにはない。それだけ存在としては特異ではあるが、世間の常識が通用しない中電支配の町でそれらがくり広げられているのだ。

 A 9時の開会にあわせて町議たちは議場入りしていたが、町長は町役場の駐車場で反対派住民が取り囲んで抗議をおこなったため、しばらく車から出られない状態が続いた。最終的に警察が介入して、力ずくでドアを開けてもみ合いになりながら、西町長は9時ギリギリに議場に姿をあらわした。

     (上関町議会が開いた臨時議会の様子(18日))

 臨時議会は「議員の意見を聞く」とはいいつつ、実際には出来レースだった。そもそも中電が申し入れたこの立地可能性調査に対しては議会の採決など必要ない「行政報告」とし、形だけ議員の意見を聞いてあとは町長判断で受け入れを表明するというものだった。
 議会では、原発反対を標榜する3人の議員が調査受け入れに反対。推進の立場の7人(議長・岩木を含む)が賛成を表明した。反対したのは秋山、清水、山戸の3人。賛成したのは柏田、古泉、右田、海下、山村、山谷、岩木。ちなみに、上関町議会も定数が10まで減っているなかで、表向きこれらの議員が「議会制民主主義」の建前のもとでは住民代表という格好にはなっているものの、前回の町議選は無投票で、投票行動によって選ばれた面々ではないことははっきりさせておく。

     (西哲夫・上関町長)

 B 行政報告や囲み取材の過程で西町長が何度も強調していたのは「これは調査の受け入れであって、中間貯蔵施設の設置を認めるというものではない」「調査と建設は別物」ということだった。そして、「人口が年間約100人減少し、高齢化率は約59%と中国5県でもっとも高い状況」「若い人がこの町で生活し、お子さんを育て、“持続可能な上関”を次世代に繋げることが使命」だとし、そのための地域振興策につながる選択肢の一つになりうるとりくみとして調査を受け入れる考えをのべた。調査受け入れにともなって町に入る関連の交付金は年間1・4億円。10月までに申請すれば間に合うのだそうだ。それならふるさと納税を頑張ればすぐに稼げる金額ではないかとも思うが、とどのつまり、そのカネが欲しいのだろう地獄の沙汰もカネ次第とはいうが、地獄を見るにしてはあまりにも端金ではないかと思えてならない。
 囲み取材のなかで西町長は、記者から「40年間ずっと原発を待っていて中間貯蔵施設というのはどうなのかという話もあるが、町民に対して中間貯蔵施設に切り替わることについてどう説明するのか」と聞かれ、「国が原発の新増設についてまったく触れていないなかで、いつまでも待っていては町は疲弊する一方だ。今、中間貯蔵施設をやらなければ財政的にも厳しくなるし、町内の商工業者も経営が厳しくなるので、まずはやれることからやる」といっていた。原発新設を諦めるのかという問いには、「私の口からやめる、やめないということは、これは大きな問題だからいえない」というものだった。

 C 原発については、まったくメドがないことは推進派が一番よくわかっている。新増設が動きもすごきもしないし、そのなかで一部上層部のなかに、中間貯蔵施設ならいけるんじゃない? が動いているわけだ。その他の山口県民や周辺自治体の住民からすると「上関は本当にいい加減にしろよ!」の声も強いが、核のゴミでも何でも食ってやろうというのだろう。
 4年前の柏原前町長の時から水面下では中間貯蔵施設誘致の話が動いており、そのさいは1人でも反対する議員がいるなら前には進めないという態度を柏原はとっていた。その後も議会として視察に行っているくらいで、反対派議員が水面下の動きをまるで知らなかったというのもまたあり得ない。柏原が病気を理由に町長を退いた後、西哲夫が町長になってから中間貯蔵施設の誘致に本格的に身を乗り出した。


西村経産相と関電の取引 山口・上関は生け贄か

 推進派の面々に事情を聞いてみると、この間、町長の西と議長の岩木が西村康稔経産大臣に呼ばれて東京に出向き、そこから中間貯蔵施設建設の話が一気呵成で動き始めたという。ほとんどの町民は寝耳に水だ。これは要するに西村すなわち経産省が国策として動かしている話ということだ。
 上関側が願望したからできるという代物ではなく、中央政府をしてダボハゼみたくカネを欲しがっている上関町のような過疎自治体を飴と鞭で釣り上げていくという構図だ。原発計画を巡って41年にもわたってすったもんださせた挙げ句に、最後は使用済み核燃料の「中間貯蔵施設」という名最終処分場にするというものだ。

     (西村康稔・経済産業相)

 A 西村康稔といえば、自民党山口県連の関係者のなかでは「吹田愰(ふきだ・あきら)の娘婿」として誰もが知っている。吹田愰(2017年に90歳で没)は代議士引退後も土改連(全国土地改良事業団体連合会)のボスとして隠然として力をふるっていたが、現役時代には自治大臣や国家公安委員長をしていた山口県選出の清和会所属代議士だ。岸信介が引退した後に代議士ポストを引き継ぎ、県東部を中心に吹田派をまとめていた言わずと知れた自民党山口県連のボスだ。
 20年近く前だったか、経済産業省のエリート官僚を吹田が娘の婿にしているのだが、コイツをどこの選挙区から国会議員にさせようか…と岸派の御大たちが話題にしていたのを思い出す。まだ西村康稔が国会議員になる前の話だ。やれ、無所属で挑んだが落選したとかの話ではあった。その後、兵庫県を地盤に自民党代議士となり、清和会のなかで登用されて現在に至る。安倍内閣で出世したのも、安倍家を支える側近だったからにほかならない。そして、清和会の重鎮として、安倍晋三亡き後の派閥の跡目争いにまで名前が取り沙汰されるまでになった

 B この男が経産大臣として、吹田愰の地盤であった山口2区、そのなかでも原発建設計画に揺れる上関町に中間貯蔵施設建設を持ち込んだ格好になっている。本人の選挙区の兵庫県は関西電力の管内だが、福井で困っている関電のゴミを山口県に持ってきて恩を売ろうとでもいうのだろうか。関西電力からするとそれはもう万々歳で、西村の選挙については統一教会以上に応援に熱が入るかもしれない山口県は吹田愰のおかげで娘婿郷土を差し出されたかのようだとんでもない話だ
 そのように、見ようによっては山口県民にとっては吹田愰繋がりでとんだとばっちりを食らっているようにも見えるのだが、「西村経産大臣が直々に町長と議長を呼び出して以後、一気呵成で動き始めた」と推進派が話題にしており、事は国レベルで動いているのだ。
 従って関電と中電が主体となって動いているというより、どうも経産省の存在感、なかでも西村康稔の存在感が大きいようだ。40年かけて山口県に原発1基作れない中電があろうことか「中間貯蔵施設を作ります」などと大きく出たものだから、どの口がいっているのだろうか? オマイら正気か? と一般的には思うが、カルテル問題で700億円の追徴課税をくらったりして経営トップの首が飛び、監督官庁には逆らえないなかで、恐らく無理難題を押しつけられているのだろう。中電にとってのメリットが何も見えないし、要するに誰がどう見ても「関電のゴミを押しつけられる中電・上関」なのだ。
 西村自身が経産省の官僚出身で、大臣としても原子力政策の中心にいる。得点を稼いでさらに中央政界でのし上がるというなら、その生け贄にされるのが上関という関係にほかならない。人の見方にもよるが、そのように見なされたっておかしくないのだ。


身売りを迫る自民党 未来永劫核政策で翻弄

 C だから山口県民としては是非とも2区で決着をつけなければならない話になってくる。清和会のヒヨコである岸信千世も無関係ではいられない関係だ。これまたとばっちりではあるが、岸派―吹田派の後継者として2区に君臨する以上、西村康稔の弾よけになるほかない。自民党山口県連としては被弾して倒れた場合、恨むなら「吹田愰の娘婿」を恨めということだ。その引きずり引っ張りが郷土山口県を使用済み核燃料のゴミ捨て場にするというのなら、山口県中で「やめろ!」の大運動を展開していくほかない。
 2区の保守層も怒っているし、「どうして関西のゴミを山口県に受け入れるのか」「山口県はゴミ捨て場なのか?」「上関は毎度身勝手に暴走して、いい加減にしろ!」と大半の人が憤りつつ疑問に感じている。当たり前に考えて、到底受け入れられない筋の通っていない計画なのだ。
 原発も建っていないのに、原発から出て行き場のない何万年と厳重に冷却管理しなければならない核のゴミをもらって、「トイレなきマンショントイレになるというものだ。山口県や上関町は公衆便所ではない!と山口県民が怒るのは当然だ。上関町民ももっと怒らないといけない。日本中の原発の便所にされかねないという屈辱的な話に、おカネになる!」などと有頂天になっているわけにはいかない。そんなものを誘致したらますます人は住めない町になるし、核の墓場との共生などあり得ない町は決して豊かにはならない。上関出身者は郷土には帰ってこなくなるだろうし、移住したがるような人間もいない。わかりきった話だ。

 A 役場前に抗議行動に来ていた祝島の住民とも話したが、「原発で出た核のゴミの処分場もなく、核燃サイクルも破綻しているにもかかわらず、無謀にも原発を続けていること自体がおかしい。そもそも電気も余っている状況で、日本中の原発を止めれば核のゴミも出ない。簡単なことじゃないか」と話していた。原発を止めれば使用済み核燃料は増えないのだ。
 あと、「これまで原発の話がストップしてきたなかで、祝島では移住者が少しずつ増え、島内の人口ピラミッドの形も少しずつ変わっている子どもも増え、閉まっていた小学校も復活した。別に大きなお金を産み出さなくても、自分たちに必要なお金を稼ぎ、自然とともに共生して生活していけば、それこそ持続可能なまちづくりができるということを祝島は背中で示していると思う。それだけのポテンシャルがあるのだ。こんなことをしていては、外からの移住者は上関に来なくなる」と話していた。
 あと、抗議行動に参加していた祝島の住民に対して、本土側の推進派住民が「今回ばっかりはあんたらと同じ意見だ」といって激励の言葉をかけていったという。

 C 上関町内で推進派、反対派にかかわりなく話を聞いて回ってみたところ、従来の推進派に属していた人々のなかでも、「どうして関電のゴミを上関に持ってくるのか」という素朴な疑問を口にする人は多かった。「ゴミはいらん!」と吐き捨てるように口にする人もいた。
 中電は約1000軒の住民を訪ねて説明したというが、これは説明が目的ではなく、住民のファーストインプレッションをリサーチしているに過ぎない。アドバルーンを上げて、面通しにて反応を伺っているのだ。中電のいつもの手口だ。とはいえ、近年は尾熊毛の立地事務所も体制としてやる気がなく、上関については投げ出している様を実感してきたし、いまさら中電がなにを驕(おご)り高ぶっているのか、という感情は推進派住民のなかにもある。福浦地区にある立地事務所職員たちの社宅なんてガラガラのもぬけの殻で、立地マンたちもかつてのような精鋭揃いとは訳が違う。上関原発のメドはないとわかっていながら撤回するとはいえず、かといって経産省や電力業界の睨みもあるなかで生殺しにしてきたのだ。

 A 住民のなかでは、41年間も原発で揉めに揉め、地域コミュニティのなかで疑心暗鬼になったり、圧力をくらったり、物言えぬ生活を余儀なくされてきた経緯もあるだけに、今度は中間貯蔵施設の計画が持ち込まれて引き続き国の原子力政策に翻弄されるという事態について、そろそろ堪忍袋の緒が切れるというか、「いい加減にしろよ!」という思いが鬱積している。要はカネでやりたいように町を乗っとり、中電支配の構造だけは温存して、西哲夫なり飼い慣らしてきた町議連中を動員して、最終的に上関を核のゴミ捨て場にするというのだ。


なぜ町が寂れたか 意図的に芽摘んだ40年

 B 西哲夫が何度も「人口は年間100人の減少が続き、高齢化率も約59%と中国五県で一番高い状況」と口にするように、確かに町は惨憺たる状況に直面している。これはこの間、取材に入ってみても痛感する。とりわけ長島奥地の四代、白井田の廃屋だらけの現実には愕然とするものがある。
 室津や上関地区も同じで、廃れ方が尋常ではない。かつて推進、反対の旗を振っていた御大たちも多くが鬼籍に入り、よく取材で話を伺っていた住民たちも次々と亡くなってしまい、「あのおっちゃんによく怒鳴られていたっけな…」とか、二度三度会いに行くうちに仲良くなって、毎回漁でとってきた魚をくれてたよな…とか、色んな顔を思い出して寂しさすら感じるほどだ。新聞社としても計画浮上からの40年で記者たちは世代をまたいで追いかけてきたし、小さな町が国策に翻弄される様をこの目で見てきた。原子力政策の罪作りな実態を広く世間に訴える責任があると思う。

 C 原発騒動の40年で人口は4分の1まで減少し、2000人そこらにまで激減してしまった。これは偶然そうなったのではなくて、「原発ができれば」ばかりを唱え、町の産業振興策をまるで実行してこなかったことの弊害だ。
 原発建設が行き詰まってダメなので、「ならば中間貯蔵施設を」ではなく、まずは原子力政策で翻弄したこの40年に対して、国や電力会社に責任をとらせなければ話にならない。国策によって町の発展を阻害されたわけで、戦後賠償を求めるべき性質のものだ。それだけ住民の暮らしは蹂躙されたのだ。そして、なるべくして廃れた。これは偶然の代物などではない。
 国そのものが衰退の道をたどっているなかで、バラ色の未来などどこにもないが、せめて住民が安心して暮らせる環境、衣食住が保たれる生活環境や地域にすることは必要だ。
 人口激減のなかで上関では食料品を買える店もなくなり、医療機関は柳井や周辺地域まで出向かなければならず、介護は受けたくても受けられず、極端な話が上関全体を姥(うば)捨て地域かと思うほど寂れさせ、人がますますいなくなったところで中間貯蔵施設の話が湧いている。これまた偶然の代物などではない。
 人口が減る=抵抗要素が減る=管理しやすいを意味しており、原発なり原子力関連施設を持ち込む側からすると、むしろ好都合なのだ。従って豊かな町に発展させるわけがないことを念頭に考えなければならない。郷土を差し出させる側の都合からすると、住民が豊かに暮らす必要などないし、「いなくなればいいのに…が本音だろう。生殺し状態からの町の衰退はその過程に過ぎないことを物語っている。ここからの転換が上関にとっては喫緊の課題であるし、これ以上国策に振り回されることはない。

 A すんなりこの中間貯蔵施設の話が動くとは思えないほど、住民の反発は強い。中電支配の町で大きい声ではいえないが、電力会社の驕りに対する憤りでもある。同時に、山口県内では「上関だけで勝手に進めるな!」という世論が高まっているし、周辺住民の反発はそれどころではない。
 まずは山口2区で岸信千世が洗礼を受けるべきだろうし、「吹田愰の娘婿」は何をしてくれてんだ! の世論を形にしていくことが重要だ。中間貯蔵施設を作るなら兵庫9区に作りやがれ! といったら兵庫9区の住民に叱られるが、経産大臣が嫁の親元を過疎地だからといって生け贄に差し出すというのだから、山口県民が西村康稔に抱く感情はわかってもらわないといけない。山口県を核のゴミ捨て場・便所にするな! ということだ。山口県でダメなものはどこでもダメで、ゴミ捨て場がないならゴミを出すな、だいたいゴミ(使用済み核燃料)を生み出す原発をやめてしまえ! ということだ。
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●《「まるで反社以下の関電」…今も経済産業省と岸田政権に守られてぬくぬくと生き延びている》《関電と経産省、岸田総理は「亡国トリオ」》

2023年09月26日 00時00分56秒 | Weblog

元福井県高浜町助役から関西電力側への資金提供のイメージ (東京新聞2019年9月27日)↑]


(2023年08月20日[日])
核発電は「金のなる巨大木」…蝟集する核発電「麻薬中毒者」ども。
 やっぱり金のなる巨大木に蝟集し、金を還流、政治家 (閣僚、しかも行政府の長・首相) に濁流。(リテラ)《まさか、現役の総理大臣にも直接、原発マネーが流れていたとは──》《公共性が高い企業から、よりにもよって現役の総理大臣が事実上の献金を受け取っていたという事実は、極めて重大な問題がある。いや、それどころか「口利きさえ疑われかねない問題だ》った。

   『●「原子力は血液」……ではなく、「原子力=核」は「麻薬」
   『●「けん制」? いや、「恫喝」でしょ?  
      関西電力八木誠社長が大津地裁と「地元」市民を脅す!
    《美浜原発3号機(福井県)の廃炉を検討していると一部で報じられた
     ことに対しては「検討している事実はない。活用していきたい」と述べた》

   『●関西電力八木誠社長のあの高浜原発: 
      「プルサーマル原発」に続き「寿命原発」を動かしたいそうです
   『●砂上にペラペラの壁を造ってまでも
       再稼働したくなる浜岡原発という「金のなる巨大木」
   『●やはり核発電は「金のなる巨大木」だった…
     高浜「原発マネー」が八木誠会長ら関西電力経営陣個人に見事に《還流》
   『●(リテラ)《まさか、現役の総理大臣にも直接、原発マネーが流れて
      いたとは──》《それどころか「口利き」さえ疑われかねない問題》

 さらには。関電の核のごみをなぜに山口県上関町中間貯蔵(という名の最終処分)を? 中電や経産省、国が散々市民を分断してきた山口県上関町、《問われる町衰退の責任》(長周新聞)。そして、何より、祝島の皆さんがお気の毒で仕方ない。絶対にコンナモノを受け入れてはいけない。(長周新聞)《「なぜ山口県が関電の原発のゴミ捨て場にされないといけないのか」と山口県中で驚きを持って話題にされている。中電の必要性というより、客観的に見ると関電の必要性のために上関を差し出すような格好》、《さんざん町民を分断してきた挙げ句に郷土を核のゴミ捨て場正真正銘の原発の墓場にするという動きに反発が高まっている》、《「なぜ関電の原発のゴミをわたしたち上関が引き受けなければいけないのか」と疑問を口にしていた。40年以上も原発騒動でもめてきて、上関原発建設計画については実質的に破綻して建設のメドもないなかで、今度は中間貯蔵施設というわけで、要するに上関をゴミ捨て場にする…》。
 dot.のコラム【関電と経産省、岸田総理は「亡国トリオ」だ 古賀茂明】(https://dot.asahi.com/articles/-/198163)。《「まるで反社以下の関電」と聞いて、すぐにその意味がわかる人は多くはないかもしれない。しかし、関西電力という会社は驚くようなスキャンダルを量産し続け、しかも、ほとんど何の痛手も被らずに、今も経済産業省と岸田政権に守られてぬくぬくと生き延びている》、《これだけの反社会的行動をとっている関電23年度の純利益の見通しは、3050億円。06年3月期に記録した過去最高益(1610億円)を大幅に上回る》、《大嘘つきの関電、これに完全にからめ捕られた経産省、そして安倍内閣を超える原発ゴリ押しの岸田内閣。私は、これを亡国トリオと呼ぶことにした》。

   『●祝島…《調停を申し立てた側の中電が「法律論争をするつもりはない」
     といって議論を避け、調停は不成立…法律論争は不利と判断したから》
   『●《「原発ができれば町が活性化する」という空疎なスローガンのもとで、
      町の基幹産業…漁業…など生産振興や生活の向上をめざす活動は停滞》』 
  『●はぁ? 東京新聞【「原発マネー」で生まれた奇策 使用済み核燃料の
      中間貯蔵施設を上関町に 中国電力と関西電力で苦肉の共同開発案】
   『●山口県上関町…《さんざん町民を分断してきた挙げ句に郷土を核のゴミ
     捨て場…正真正銘の原発の墓場にするという動きに反発が高まっている》

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https://dot.asahi.com/articles/-/198163

関電と経産省、岸田総理は「亡国トリオ」だ 古賀茂明
政官財の罪と罰
2023/08/08/ 06:00

 「まるで反社以下の関電」と聞いて、すぐにその意味がわかる人は多くはないかもしれない。

 しかし、関西電力という会社は驚くようなスキャンダルを量産し続け、しかも、ほとんど何の痛手も被らずに、今も経済産業省と岸田政権に守られてぬくぬくと生き延びている

 今回は、少し長くなるが、その許し難い構造について、ごく一部だけでも見ていただいて、それでも、憤りを感じないで済むかどうかを確認していただきたい。

 関電の不祥事と言えばすぐ思い出すのが、2019年9月に発覚した、岩根茂樹社長(当時)ら歴代経営幹部83人が福井県高浜町の元助役(故人)から金品を受け取っていた事件だ。公益事業のトップらが長年にわたって大金を受け取ることを習慣化していたことに国民は驚愕した。受領した金品の総額は約3億7000万円相当。内訳は、現金が1億4500万円、商品券6300万円分、金貨365枚(1枚約15万円相当)、小判型金貨3枚、金杯8セット、金500グラム、スーツ75着などで、一人で1億2367万円相当を受け取った者もいた。

 しかも、関電経営陣は、この金品受領事件で所得税の追加納税を余儀なくされた元役員1人に計120万円を支払い、追加納税分を補填すると決めたことが発覚している。これは、関電が金銭受領問題について何ら反省をしておらず、むしろとんだ事故に巻き込まれたという程度の認識しか持っていなかったということの証左である。

 次に、2022年12月に発覚した顧客情報の盗み見事件もまた世間を驚かせた。大手電力7社で行われていた不正だが、中でも関電など5社は悪質だとして経産省から業務改善命令を受けている。とりわけ私が注目したのは、関電では事件が発覚した後に、システム上は盗み見をやめたことになっていたのに、引き続き一部社員が盗み見を続けていたことだ。この会社の特質、悪いことがバレた後でも決して反省しないというところがここでもよく表れている。

     (関西電力美浜原子力発電所。(左から)1号機、2号機
      3号機=2023年7月27日、福井県美浜町)

 関電は、この他にも、建設工事に関する社員らの国家資格不正取得や、一部送配電営業所での検査不正なども報じられているが、最も衝撃的だったのは、カルテル主導事件だ。法人向けに顧客の争奪戦を回避するカルテルを行っていたとして、公正取引委員会が、中国電力など4社に総額1000億円超の課徴金を課したのだが、そのカルテルを主導していたのが関電だったのだ。電力自由化の根幹を崩壊させるようなとんでもない事件である。

 ここでも関電はその悪質性を存分に発揮した。自分が主導した犯罪であるのに、公取委に仲間を売ったのだ。独占禁止法には最初に犯罪を申告して捜査に協力すれば責任を免れるという制度(リニエンシー)があるが、関電は最初に自主申告して良い子になり、処分を免れた。本当に悪かったと反省しているのであれば、なぜ自分だけでなく、仲間に一緒に申告しようと声をかけなかったのか。悪に手を染めるだけでなく、仁義にも悖(もと)る。反社の暴力団が聞けば、「俺たちよりも酷い」と言われるだろう

 本件では、このカルテルを主導したとされる森本孝・前社長は、この事件を公取委に報告したのちも特別顧問として高額の報酬を受けていたそうだ。ここでも、腹の中では全く反省していなかったことが見てとれる。

 そして、これから注目を浴びるタチの悪い詐欺的行為が、核のゴミ処理のやるやる詐欺である。

 放射性廃棄物の処分は答えのない大問題だ。本来は、これを解決しないまま原発を動かすことなど許されないはずであるが、実際には全く見通しが立たない。

 とりわけ、7基の原発が稼働する予定の関電は大量の核のゴミを現在も生産中で、その処理策を示すことは地元のみならず、社会全体に対する責任である

 ところが、関電は、ゴミを何とかしろと言われると、「はいわかりました」と安易に答えるだけで本気では何もしない。数え方にもよるが、私が知る限り、これまでに、5回も大嘘をついてきた。

 最初は、1998年に中間貯蔵施設福井県外につくると約束した。その見返りに燃料プールの容量を増やすことを認めてもらった。

 次の嘘は2015年、高浜原発の再稼働を認めてもらうために、20年ごろの中間貯蔵施設の県外建設により核のゴミを県外に持ち出すと約束。もちろん、大嘘だった。

 17年に大飯原発再稼働を認めてもらう際には、18年中に候補地を決めると約束した。その後、関電は、18年に東京電力と日本原電が建設中の青森県むつ市の中間貯蔵施設に関電が出資して相乗りするという虫の良い計画を立てたが、むつ市長が不快感を示したことで頓挫。さらに、懲りない関電は、今度は、電気事業連合会を使って、むつ市の中間貯蔵施設の電力大手による共同使用案を検討させようとした。しかし、さらにむつ市長の怒りを買い、「むつ市は核のゴミ捨て場ではない」と激怒されて、結局この案もお蔵入りとなった。

 そして、関電は運転期間40年超の美浜3号機高浜1、2号機の再稼働を認めてもらう必要に迫られると、中間貯蔵施設の候補地を23年末までに決めるとし、「できなければ美浜3号機、高浜1、2号機の運転を停止する」と、とんでもない空約束をした。もちろん、口から出まかせだということは誰の目にも明らかだった。

 23年の半ばになりいよいよ追い詰められた関電は、経産省と結託して、とんでもない「解決策」を発表した。高浜原発の使用済みMOX燃料10トンに普通の使用済み燃料190トンを混ぜて行う再処理の実証試験をフランスで行うというのだ。これで合計200トンの使用済み燃料をフランスに搬出することになるのだが、関電の廃炉を決めた原発を除く原発7基では年約130トンの使用済み燃料が発生するという。200トンなどあっという間に超過してしまう。しかも200トンは、関電が保有する核のゴミ全体の5%程度でしかない。現状のままでは、貯蔵用のプールは、5~7年で満杯になる予定で、今回の計画は全くの焼け石に水だ。

 しかし、関電の森望社長は「県外に搬出されるという意味で、中間貯蔵と同等の意義がある」と胸を張った。中間貯蔵施設建設候補地の決定と同じというのだが、あまりの図々しさに呆れてしまう。もちろん、地元も世論も強い反発を示したのだが、そんなことは計算済みだ。関電は経産省に手を回し西村康稔経産相に「中間貯蔵と同等の意義があると言わせて、国のお墨付きを得た。ふざけるなという話である。

 さらに、関電は、「ズルの上塗り」を進めようとしている。

 8月2日、中国電力山口県上関町に新設を計画する上関原発周辺の所有地に、中間貯蔵施設の建設を検討する方針を発表した。矢面に立つのは中国電だが、実は、関電と組んで進めるという。関電は中国電を後ろで操り、地元との調整は中国電にやらせる関電は成果だけを享受するわけだ。カルテルの時も関電が主導して利益を得ながら、最後は中国電だけでも700億円超の課徴金を課され、関電は無傷で逃げ切った。今回この計画が頓挫しても、傷を負うのは中国電だけという図式である。

 とんだとばっちりに遭ったのが上関の町民だ。中国電の原発建設計画を反対運動で何とか止めているのに、またもや「札束で横面を張る」やり方で、強引に核のゴミ捨て場にされそうになっている。その裏には関電がいて、さらには経産省と原発ゴリ押しの岸田内閣がいる。大変な相手との闘いがもう一つ増えたわけだ。

 ここまで書いてきて、わかるのは関電という企業の稀に見る悪質性である。単にスキャンダルまみれだというのにとどまらない。関電の特徴は、第一に企業トップが犯罪を主導するということ。第二に、発覚すると表向きは謝罪するが、裏では経営トップが不正を行った者に損失補填をするなど、腹の中では全く反省していないということ。第三に、自己が利益を得るためなら他人を裏切ることなど何とも思わないというヤクザも驚くような不誠実さである。こんな企業が原発という危険なものを動かして良いのだろうか

 とりわけ、関電の原発は日本海側に集中している。岸田政権は、北朝鮮のミサイルの脅威を強調し、中国の危険性も強調する。もしこれが正しいのであれば、日本海側にある原発は直ちに稼働を止めて、核燃料などは、地中深くの施設に移してミサイル攻撃を受けないようにすべきであることは誰にもわかる。原発そのものがミサイル攻撃で破壊されれば大惨事になるが、それよりも脆弱な構造の核燃料プールが破壊されても同じことが起きるし、それらの施設ではなくても電源を完全に断つような攻撃で大変なことが起きる。

 それにもかかわらず、関電が漫然と自社の利益を求めるために老朽化原発まで動かそうとするのを政府は後押しし、関電の嘘をむしろ庇いながら、原発再稼働に邁進している。現有の原発が安全保障上日本の最大の弱点になっていることを全く無視しているのはどういうことなのか。

 これだけの反社会的行動をとっている関電23年度の純利益の見通しは、3050億円。06年3月期に記録した過去最高益(1610億円)を大幅に上回る。その最大の理由が原発再稼働が進んでいることだというが、競争を回避する体質で電気料金が高止まりしている効果も大きい。いずれにしても、電気代上昇に喘ぐ我々国民から見れば理不尽としか思えない

 大嘘つきの関電、これに完全にからめ捕られた経産省、そして安倍内閣を超える原発ゴリ押しの岸田内閣。私は、これを亡国トリオと呼ぶことにした。

 ここまで読んでいただければ、私が冒頭で紹介した「まるで反社以下の関電」という意味を理解していただけると思うのだが、いかがだろうか。
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●反核発電に、高度な工学的知識は不要である…(樋口英明さん)《原発の耐震性は信頼度も基準値も一般住宅より、はるかに劣る》のだから

2021年06月30日 00時00分08秒 | Weblog

[※ ↑「原発さえなければと思います」(週刊金曜日、2021年03月12日、1320号)]


 (2021年06月20日[日])
日刊ゲンダイのインタビュー記事【注目の人 直撃インタビュー/樋口英明氏「耐震性に着目すれば全ての原発を止められる」】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/290370)。

 《コロナ禍のドサクサ紛れに掟破りだ。福島第1原発事故の惨事を機に定めた「運転は40年までの原則が骨抜き。運転開始から40年を超える関西電力の老朽原発が23日にも再稼働する。この暴挙に、かつて原発運転を差し止めた元裁判長が「不都合な真実」を喝破する。「老朽原発はもちろん、日本には強い地震に耐えられる原発はひとつたりともない」と――。》

   『●60年間稼働させたい高浜原発:
     「電気代が高い低いの問題とを並べて論じること自体、許されない」
   『●「老いた馬」ではなく「狂ったゴジラ」:
      「麻薬」患者の関電がプルサーマルに続いて「寿命核発電所」…
   『●「仏様のおかげ」はもう期待しない方がいい: 
     高浜原発、「このゴジラが最後の一匹だとは思えない」
   『●なぜ命を軽々しく賭して、「たかが電気」のために 
     核発電する必要があるのか? 次も神様・仏様は居るか?
   『●「あとの祭り」: 核発電「麻薬」中毒患者、増殖中
                 …どんどん壊れ行くニッポン
   『●高浜「寿命核発電所」延命、「安全より
      経済優先の時代へと逆戻り」…「規制緩和」委員会(©東新)
   『●寿命核発電所再稼働:「世界は既に廃炉時代
        時代の先端を行く方が、地域の実りははるかに多い」
   『●東京電力核発電人災から10年経って、この有様…アンダーコントロール
         どころか人災は継続中、しかも、まだ核発電を続けたいという…
   『●「狂ったゴジラ」「老朽原発」「寿命核発電所」…40年超核発電所の
         稼働という「麻薬」に手を出す核発電「麻薬」中毒者らの暴走

 「狂ったゴジラ」「老朽原発」「寿命核発電所」さえ、再稼働したいそうだ。処理水という名の汚染水を海洋放出したいそうだ。新規原発さえ、作りたいそうだ。
 狂っています、核発電「麻薬」中毒者ら

   『●裁判所も歪む…《国が開発の政策的な枠組みを決め、その下で
       電力会社に》核発電所を…《そして裁判所も一体となり…》
   『●2014年5月大飯原発運転差し止め判決…樋口英明さんは《基準地震動を
           超える地震が来ないと言えるかどうか…他の原発と共通の問題》
   『●元福井地裁裁判長・樋口英明さん《地震大国の日本には、
       北海道から沖縄まで原発を動かせる場所はどこにもない》
    《二〇一四年五月に福井地裁の裁判長として、関西電力
     大飯原発3、4号機(福井県)の運転差し止め判決を出した。
     今も自分が正しいと確信を持っている。大飯原発の基準地震動
     (耐震設計上の想定の揺れ)は七〇〇ガル(揺れの勢いを示す加速度の
     単位)で、重大事故につながる限界点は一・八倍の一二六〇ガルだと
     関電は主張していた。私は裁判前は、三〇〇〇ガルのような強い揺れに
     原発が耐えられるかどうかが争点になると予想していた。ところがふたを
     開けてみれば、一二六〇ガルが来たらおしまいだというのは争いが
     なかった。主な争点は「敷地内に一二六〇ガルを超える地震は来ない」
     という関電の主張の信用性だった。それが争点なら難しい工学的判断は
     不要で、理性と良識があれば簡単に解ける問題となる。地震大国の
     日本では、原発で基準地震動を超える地震が頻発しており、大飯も
     「ロシアンルーレット状態だった。日本の国策は「安全な原発
     動かす」であって、「何が何でも動かす」ではない。私の「極めて
     危険だから動かしてはいけない」という判断は、国策にも忠実だった
     と思っている。仮に私が日本原子力発電(原電)東海第二原発の
     差し止め訴訟を指揮するなら、ポイントは三つあると思う。一つは、
     基準地震動を超える地震が来ないと言えるかどうか
     これは他の原発と共通の問題だ》



[※『原発に挑んだ裁判官』(磯村健太郎・山口栄二) 朝日新聞出版(https://publications.asahi.com/ecs/detail/?item_id=21028)↑]

 樋口英明さんは、以前から、《地震大国の日本には、北海道から沖縄まで原発を動かせる場所はどこにもない》と。まともな裁判官が、もっと増えないものか…。《老朽原発はもちろん、日本には強い地震に耐えられる原発はひとつたりともない》。高度な工学的知識や科学的な知識は不要だ、だって、《原発の耐震性は一般住宅よりもはるかに脆弱》《原発の耐震性は信頼度も基準値も一般住宅より、はるかに劣る》のだから。《住民や電力会社、弁護士や裁判官までもが「難しいに違いない」と“魔法にかかってしまう》必要などない。
 《毎年のように頻発する、やや強めの地震に襲われても危険ということです。原子炉は強い地震に耐えられても、原子炉に繋がっている配管や配電の耐震性は低い上に耐震補強も難しい。断水しても停電しても原発は大事故につながる。それが福島の教訓です》…何の教訓も得ていません。そのためには、最後に、樋口英明さんは《あらゆる運転差し止め訴訟で裁判官に原発の脆弱な耐震性を知らしめ、電力会社の非科学性と非常識を理解させることによって、日本の全ての原発は必ず停止できます》と仰っています。

   『●東電旧経営陣に無罪判決…《誰も事故の責任を
     取らなければ企業に無責任体質がはびこり、また同じことが起きる》
   『●JOC臨界事故で何が起きたでしょうか?…《人が制御
     できないなんて恐ろしい。政府は…本当のことを言っていない》

   『●永渕健一裁判長、東電旧経営陣の刑事裁判で「無罪」《判決の
      中身もさることながら、その理由があまりにもひどすぎる》

   『●東京新聞の小野沢健太記者によるシリーズ記事【<原発事故
      「無罪」>】…《判決に表情変えず 遺族ら「うそー」悲鳴》
   『●裁判所も歪む…《国が開発の政策的な枠組みを決め、その下で
       電力会社に》核発電所を…《そして裁判所も一体となり…》
   『●《今なお続く福島の「不条理」》:東電の初期の主張は「無主物」
             …裁判所は《放射性物質…農家が所有》と言い放った
   『●伊方原発3号機、広島高裁(森一岳裁判長)が運転差し止めの
     仮処分決定…種々の問題に加えて《約10秒》《2~3秒》全電源喪失
   『●森一岳裁判長《原発の危険性検証には『福島原発事故のような
     事故を絶対に起こさないという理念にのっとった解釈が必要…』》
   『●《良心に従い職権を行使する独立した存在》ではない
     大久保正道裁判長である限り、アベ様忖度な「行政判断」が続く
   『●東京電力核発電人災の刑事裁判: 東京地裁永渕健一裁判長の
     判決は、あまりに酷い理由も含めて《司法犯罪とも言える不当判決》
   『●「イチケイのカラス」第2話 ――― 裁判官らの謝罪と憲法第76条
     「すべて裁判官は、その良心に従い独立してその職権を行い、この…」
   『●裁判所も歪む…《国が開発の政策的な枠組みを決め、その下で
       電力会社に》核発電所を…《そして裁判所も一体となり…》

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https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/290370

注目の人 直撃インタビュー
樋口英明氏「耐震性に着目すれば全ての原発を止められる」
公開日:2021/06/14 06:00 更新日:2021/06/14 06:00

     (樋口英明氏(撮影)タカオカ邦彦)

樋口英明(元福井地裁裁判長)

 コロナ禍のドサクサ紛れに掟破りだ。福島第1原発事故の惨事を機に定めた「運転は40年までの原則が骨抜き。運転開始から40年を超える関西電力の老朽原発が23日にも再稼働する。この暴挙に、かつて原発運転を差し止めた元裁判長が「不都合な真実」を喝破する。「老朽原発はもちろん、日本には強い地震に耐えられる原発はひとつたりともない」と――。

 ◇  ◇  ◇

 ――再稼働する美浜3号機の運転開始は1976年。45年も昔です。

 45年前の家電を今も使いますか? 大量生産の家電は壊れても最新技術の製品に買い替えればいいけど、原発は大量生産できない。技術は旧態依然で、1つの計器が故障しただけで原発の「止める・冷やす・閉じ込める」の安全3原則は綻び、重大事故が起きかねません


 ――再稼働にあたり国は、1発電所につき25億円の新たな交付金を立地地域にぶら下げました。

 何を考えているのか、理解不能です。


 ――福井県知事の合意表明が4月28日。たった2カ月足らずのスピード再稼働にも驚きます。

 住民が差し止め訴訟を起こすにも、手続きには月単位の時間がかかる。それを見越した上での素早い動きでしょう。


 ――老朽原発が「高い安全性」を確保できるか否かが最大の危惧です。

 地震大国の日本で原発の高い安全性を担保するのは、信頼できる強度な耐震性に尽きます。原発の耐震設計基準を「基準地震動」と呼び、施設に大きな影響を及ぼす恐れがある揺れを意味します。美浜3号機の基準地震動は993ガル(揺れの強さを示す加速度の単位)。しかし、この国では1000ガル以上の地震が過去20年間で17回も起きているのです。


 ――具体的には?

 2008年の岩手・宮城内陸地震(M7.2)は最大4022ガル、11年の東日本大震災(M9)は最大2933ガルなどです。誤解して欲しくないのは「17カ所」で観測されたわけではないこと。東日本大震災では、震源地から離れた数多くの観測点で1000ガルを超えました。


■「原発の耐震性は一般住宅よりもはるかに脆弱」

 ――基準地震動を超える地震がいつ襲ってきてもおかしくはない、と。

 しかも、美浜3号機の基準地震動は建設当時の405ガルからカサ上げされています。建物の耐震性は老朽化すれば衰えるのに、原発だけは時を経るにつれて耐震性が上がるとは不可思議です。電力会社は「コンピューターシミュレーションで確認できた」と言い張りますが、計算式や入力する数値でどうにでも変わる。住宅メーカーの耐震実験は建物を実際に大きな鉄板の上で揺さぶります。その結果、三井ホームの住宅の耐震設計は5115ガル、住友林業は3406ガル。2社が飛び切り高いのではなく、改正後の建築基準法は一般住宅も震度6強から震度7にかけての地震に耐えられるよう義務づけています。ガルで言うと1500ガル程度の地震には耐えられます。一方、日本の原発の基準地震動は、ほぼ600ガルから1000ガル程度です。つまり、原発の耐震性は信頼度も基準値も一般住宅より、はるかに劣るのです。


 ――衝撃です。

 政府は福島の原発事故後の新規制基準を「世界一厳しい」と自負していますが、耐震性に関しては当てはまりません。


 ――いつ、その事実に気づかれたのですか。

 2012年11月に福井県の住民が中心となって関西電力を相手に提訴した「大飯原発3、4号機の運転差し止め請求訴訟」を担当した際です。原発の耐震性に着目し、調べてみると、すぐ分かりました。当時は大飯原発を含め、大半の原発の基準地震動は700ガル程度。700ガル以上の地震は過去20年間で17回どころではなく30回に跳ね上がります。毎年のように頻発する、やや強めの地震に襲われても危険ということです。原子炉は強い地震に耐えられても、原子炉に繋がっている配管や配電の耐震性は低い上に耐震補強も難しい。断水しても停電しても原発は大事故につながる。それが福島の教訓です

     (2014年に福井地裁で大飯原発の運転差し止め判決
                     (C)共同通信社)


■電力会社の「地震は来ない」は虚妄

 ――それにしても、基準地震動の設定が低すぎませんか。

 地震学者の間では長年、関東大震災(震度7)でも400ガル程度との認識が主流で、地球の重力加速度(980ガル)以上の地震は来ないとも推測されていました。この考えに従い、昭和時代の原発は建設されたと思います。しかし、1995年の阪神・淡路大震災を契機に、2000年頃には全国の約5000カ所に地震計が設置され、観測網が整備されました。すると、震度7が1500ガル以上に相当することが科学的に判明したのです。


 ――震度の過小評価に気づけば、原発の運転は諦めるべきでは?

 そこで電力会社が「不都合な真実」を隠すのに持ち出すのが「地震予知」です。差し止め訴訟で「原発の敷地に700ガル以上の地震は来るんですか」と聞くと、関西電力は「まず来ません」と答えた。科学で一番難しいのは将来予測。中でも地震の予知は困難を極めます。考察に資するリソースも20年分しかない。「来ない」と断言できっこないのです。地震予知は「予言」に等しく、信じるか否かは「理性と良識」の問題です。だから速やかに差し止め判決を出せたのです。


 ――その2014年の福井地裁判決を、2018年には名古屋高裁金沢支部の控訴審判決が取り消しました。

 退官翌年です。あの確定した判決は、原審で指摘した危険性を認めながら突然、論旨を変えて「原発の是非は司法の役割を超えているので政治的判断に委ねる」と結論づけた。運転停止を求める住民に対して、さも「政治活動」をしているかのレッテルを貼り、論点をスリ替え、司法の役割を放棄したのです。こんな粗雑な判決を放置するわけにはいかないと思い、原発の危険性を広く訴えようと決意しました。


 ――元同僚の方々の反応は?

 特に悪い評判は聞きません。「裁判官は弁明せず」との格言を持ち出すような頭の固い人とは、あまり付き合ってこなかったからかなあ? 裁判官への政治圧力もないですよ。昔は政府方針に従わなかった裁判官が、ひどいドサ回りをさせられたのは事実。けれど、最近は露骨な左遷などありません。


■学術論争の“魔法”から目を覚ませ

 ――福島の事故後も、原発の運転差し止めを認めた司法判断は必ず上級審で覆ります。その理由をどう考えますか。

 先例主義の悪弊です。裁判官が原発訴訟を扱うのは、まれです。滅多に当たらない訴訟を担当すると、裁判官はつい過去の判決を調べてしまう。いくら司法修習生の頃に「自分の頭で考えろ」と叩き込まれても、自分の頭で考えなくなる。判例に頼れば通常は大きな間違いをせずに済むし、何より楽ですから。その傾向は上級審の裁判官ほど強い。そして、ある“魔法”も効いています。


 ――魔法とは?

 1992年に確定した伊方原発訴訟の最高裁判例です。原発訴訟を「高度の専門技術訴訟」とし、今でも最高裁は原発差し止め訴訟を「複雑困難訴訟」と呼ぶ。あくまで一般論に過ぎないのに、最高裁に言われると、住民や電力会社、弁護士や裁判官までもが「難しいに違いない」と“魔法にかかってしまう。法廷は理解不能な専門用語が飛び交う学術論争の場となり、もともと文系の裁判官はロッカーいっぱいの専門資料にチンプンカンプン。だから、過去の判例を踏襲する判決を出しがちになるのです。

 ――困ったものです。

 裁判官を“魔法”から解き放つには、まず住民側の弁護士が目を覚まさなくてはいけない。熱意ある弁護士でも先例に縛られ、複雑な学術論争を繰り出すのが実情です。住民側弁護士が原発の危険性をシンプルかつ論理的に伝えれば、裁判官も認めざるを得ません。伊方最高裁判例には「原発の安全性の適否判断は規制基準に不合理な点があるかという観点から行うべき」と記してある。はたして地震予知を許す規制基準は合理的なのか。20年間の詳細な地震観測による新たな知見、すなわち「1000ガルを超える地震はいくらでも来ますという動かしがたい事実に基づく判断こそが合理的であり、「真の科学」と言えます


 ――なるほど。

 現在、広島地裁で係争中の伊方原発3号機の運転差し止め仮処分申し立て事件では、住民側の弁護団が耐震性に着目。四国電力の「南海トラフ地震が原発直下で起きても、伊方原発敷地には181ガル震度5弱相当しか来ない」との試算を追及し、原発訴訟にパラダイムシフトを起こすと宣言しました。あらゆる運転差し止め訴訟で裁判官に原発の脆弱な耐震性を知らしめ、電力会社の非科学性と非常識を理解させることによって、日本の全ての原発は必ず停止できます

(聞き手=今泉恵孝/日刊ゲンダイ)


樋口英明(ひぐち・ひであき) 1952年生まれ、三重県出身。京大法学部卒。司法修習第35期。各地裁・家裁の判事補・判事を歴任。2006年に大阪高裁判事、09年に名古屋地家裁半田支部長を経て、12年から福井地裁判事部総括判事。14年5月に大飯原発3、4号機の運転差し止めを命じる判決を下した。17年8月、名古屋家裁部総括判事で定年退官。現在は原発の危険性を訴える講演活動にいそしむ。今年3月出版の「私が原発を止めた理由」(旬報社)がベストセラーに。
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●「狂ったゴジラ」「老朽原発」「寿命核発電所」…40年超核発電所の稼働という「麻薬」に手を出す核発電「麻薬」中毒者らの暴走

2021年05月17日 00時00分20秒 | Weblog

[※ 『ふくしま原発作業員日誌-イチエフの真実、9年間の記録』(片山夏子、朝日新聞出版、2020年2月刊、1700円)↑]


(2021年05月01日[土])
東京新聞の3つの記事、【福井県知事、40年超原発の再稼働に同意 全国初 国から計50億円の交付金提示】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/100986)と、
小川慎一記者による記事【脱炭素で原則40年なし崩し 着々と進む原発再稼働、福井の老朽原発「同意」で新局面】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/101000)と、
小川慎一・山本洋児・今井智文の3記者による記事【「脱炭素」の声に押され…老朽原発が再稼働へ 使用済み核燃料の行方も決まらず見切り発車】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/101090)。

 《運転開始から40年を超えた福井県の関西電力美浜原発3号機(美浜町)、高浜原発1、2号機(高浜町)の再稼働について、「地元同意」の最終判断を担う杉本達治知事が28日、県庁で会見し、「地元の町、県議会などの意見を総合的に勘案した」と述べ、再稼働に同意する考えを示した。同日中に梶山弘志経済産業相に伝達する。東京電力福島第一原発事故後、原発の運転期間を原則40年と定めた法律下で、全国で初めての最大20年の延長運転に入ることになった ◆知事、関電に「安全神話に陥ることなく進めて」》。
 《原発が集中立地する福井県で、運転期間40年を超えた関西電力の老朽原発3基について、杉本達治知事が再稼働に同意した。世界最悪レベルとなった東京電力福島第一原発事故後に、原発の運転は原則40年と定められ、運転延長は「例外的」とされていた。しかし、今後は政府と電力会社が「脱炭素」「地球温暖化対策」を前面に押し出し、ルールがなし崩しになるのは避けられない。…◆運転延長に頼る政府、地元に「アメ」
 《運転期間40年を超えた関西電力の老朽原発3基の再稼働に、福井県知事が28日同意した。ただ、知事が条件とした使用済み核燃料の県外搬出は、実現の見通しすらない。政府による「脱炭素」の声に押された見切り発車で、例外的とされた運転延長の道へ先陣を切った》。

   『●汚染水の海洋放出…《避難したままの人たちは、いまだ4万人を
      超える。どれだけ多くの人たちがさらに傷つけられればいいのか》?

 《アンダーコントロール》も出来ず、二進も三進もいかない核発電所。汚染水を海洋放出するという。《避難したままの人たちは、いまだ4万人を超えるどれだけ多くの人たちがさらに傷つけられればいいのか》?
 「濁流」さえ疑われる、関西電力による「還流」問題は一体どうなったのか? 九州電力も似たようなものです。

   『●自公議員投票の大罪: 「九電元幹部は「政治家側から
                 支援を頼んでくるのが昔からの伝統」」
   『●核発電は「金のなる巨大木」…《自民党の最近のルールは
        「返せば問題ない」と、なかったことにできるというもの》
    「《還流》だけでなく、自民党やお維のセンセ方への「濁流」も、
     各党で調べた方がよくはないのかな? 他の電力会社も、特に
     九州電力は「クリーン」なのでしょうかね? ウルトラ差別主義者
     副首相と浅からぬ関係ですけど。

   『●《稲田朋美…世耕弘成…安倍側近が…関電受注企業から献金…
        証人喚問を含め、国会の場で徹底的に調査するほかない》
   『●「桜を見る会」税金接待というアベ様模倣犯・世耕弘成経産相
          関西電力〝濁流〟問題でも《関電受注企業から献金》
   『●関西電力美浜原発3号機再稼働に同意した戸嶋秀樹美浜町長や
     竹仲良広町議会議長らは、《大阪地裁訴訟の原告》達の声を聞いたのか?

 《地元に「アメ」》《国からは美浜、高浜原発合わせて計50億円の交付金が提示されている》…それは麻薬です。核発電「麻薬」中毒者らに、麻薬を渡すようなもの。日本中が「地元」であり、「地元」の市民はたまったものではない。例外中の例外が、もはや通例に。狂っています。「狂ったゴジラ」「老朽原発」「寿命核発電所」…九州電力も〝通例〟を求めているようだ。《杉本知事は報告を踏まえ「再稼働後も安全神話に陥ることなく安全最優先で進めてほしい」と関電に求めた》…核発電は、《安全》と対極にある概念だ。 

   『●九電玄海原発も廃炉に
    《玄海原発、想定以上の劣化か 専門家指摘「廃炉に」
     原子炉は運転年数を経るにつれ、中性子を浴びて次第にもろくなる。
     その程度を調べるため、電力各社は圧力容器内に容器本体と同じ材質の
     試験片を置き、もろさの指標である「脆性遷移(ぜいせいせんい)温度
     を測っている。温度が上がるほど、もろさが増しているとされる。
      1975年に操業を始めた玄海原発1号機は九電管内で最も古い原発で、
     想定している運転年数は2035年までの60年間。脆性遷移温度は
     76年、80年、93年に測定し、それぞれ35度、37度、56度
     
だった。ところが、09年には98度と大幅に上昇した。
      九電はこの測定値から、容器本体の脆性遷移温度を80度と推計。
     「60年間運転しても91度になる計算で、93度未満という
     新設原子炉の業界基準も下回る数値だ」と説明している》

   『●東京電力原発人災以降も続く無責任の連鎖
    「経済産業省原子力安全・保安院は玄海原発1号機の老朽化問題について、
     検討を終え、報告書をまとめるそうだ。「脆性遷移温度が急激に
     高まっているにもかかわらず、「十分に健全だ」と主張している。
     「1993年に取り出した金属片は56度だったのが、2009年は
     98度にまで上昇」し、「予測値を14度超えていた」にも係らず
     である。つまり、高い温度でも原子炉の材料がガラスのように
     脆くなり、破壊されてしまう恐れが高まっていることを意味している。
     保安院は「事故時に原子炉を急激に冷やすと壊れないか検証」し、
     原子炉内に設置していた金属片について「取り出した金属片を分析し、
     圧力容器の溶接部を調べたが、異常は見つからなかった」ので、
     「急激に冷やしても圧力容器が耐えられることも確認した」そうである。
     どこが原子炉が破壊されない「確認」になっているのか。むしろ、
     リスクが上がっていることが確認されたのではないのか。
     電力会社や原子力ムラの住人のいい加減さ、それを見過ごした専門家や
     我々一般市民・利用者にも責任があったはずだ。東京電力原発人災で
     少なくとも我々は気づいたはずで、このままズルズルと原発再稼働・
     原発輸出・原発建設再開という「無責任」を続けてはならない」
 
 「脆性遷移温度」が急激に高まっているのではないか。データは公開され、十分に検証されているのか。

   『●60年間稼働させたい高浜原発:
     「電気代が高い低いの問題とを並べて論じること自体、許されない」
   『●「老いた馬」ではなく「狂ったゴジラ」:
      「麻薬」患者の関電がプルサーマルに続いて「寿命核発電所」…
   『●「仏様のおかげ」はもう期待しない方がいい: 
     高浜原発、「このゴジラが最後の一匹だとは思えない」
   『●なぜ命を軽々しく賭して、「たかが電気」のために 
     核発電する必要があるのか? 次も神様・仏様は居るか?
   『●「あとの祭り」: 核発電「麻薬」中毒患者、増殖中
                 …どんどん壊れ行くニッポン
    《原子力規制委員会は3日、定例会合を開き、運転開始から40年の
     法定寿命が近づいている老朽原発の関西電力美浜3号機(福井県)
     について、新規制基準を満たしているとする「審査書案」を了承》

   『●高浜「寿命核発電所」延命、「安全より
      経済優先の時代へと逆戻り」…「規制緩和」委員会(©東新)
    《これでは“規制緩和委員会”。そんな声も聞こえてきそう。安全より
     経済優先の時代へと逆戻りしたかのような、関西電力高浜原発
     延命適合。熊本地震に不安を抱く、人々の目にはどう映る》

   『●寿命核発電所再稼働:「世界は既に廃炉時代
        時代の先端を行く方が、地域の実りははるかに多い」
    「東京新聞の記事【「40年廃炉」なし崩し 老朽原発に初の延長認可
     高浜1・2号機に最長20年】…と、
     社説【高浜原発 延命よりも新産業だ】…。
     《四十年廃炉が原則だが、条件を満たせば一回に限り二十年の延長が
     認められる。延長は例外中の例外とされてきたが、初の適用例が
     決まった。ただ、再稼働するには、大規模な改修工事が必要で、
     三年ほど先になる見通し》。
     《原子力規制委員会が、運転四十年を超える関西電力 高浜原発(福井県)
     の延長を初めて認可した。世界は既に廃炉時代。無理な延命を図るより、
     時代の先端を行く方が、地域の実りははるかに多い》」

   『●東京電力核発電人災から10年経って、この有様…アンダーコントロール
         どころか人災は継続中、しかも、まだ核発電を続けたいという…
    「東京新聞の【<社説>老朽原発 新しい未来図描く時】…
     東京電力核発電人災から、10年が過ぎ、未だにこの有様だ。
     《例外》が通例に…核発電「麻薬」中毒者が暴走し、「老朽原発」さえも
     再稼働させたいらしい。狂っている。関西電力だけでなく、九州電力、
     さらには、東京電力、マトモではない」

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/100986

福井県知事、40年超原発の再稼働に同意 全国初 国から計50億円の交付金提示
2021年4月28日 12時48分

 運転開始から40年を超えた福井県の関西電力美浜原発3号機(美浜町)、高浜原発1、2号機(高浜町)の再稼働について、「地元同意」の最終判断を担う杉本達治知事が28日、県庁で会見し、「地元の町、県議会などの意見を総合的に勘案した」と述べ、再稼働に同意する考えを示した。同日中に梶山弘志経済産業相に伝達する。東京電力福島第一原発事故後、原発の運転期間を原則40年と定めた法律下で、全国で初めての最大20年の延長運転に入ることになった。

     (事故対策工事が進む関西電力高浜原発=2021年2月、
      福井県高浜町で、本社ヘリ「まなづる」から)

◆知事、関電に「安全神話に陥ることなく進めて」

 老朽化した3基の原発の安全性を巡っては、県原子力安全専門委員会が今月22日、「必要な対策が講じられている」との報告書を杉本知事に提出。杉本知事は報告を踏まえ「再稼働後も安全神話に陥ることなく安全最優先で進めてほしい」と関電に求めた。

 国からは美浜、高浜原発合わせて計50億円の交付金が提示されている。国の将来的な原子力政策については27日、杉本知事とオンライン会談した梶山経産相が、持続的に原発を活用する方針を打ち出した。

 政府は2050年の温室効果ガス排出実質ゼロを定め、菅義偉首相も今月、温室効果ガス排出量の30年度削減目標を13年度比で46%減に上方修正したことから、既存原発の活用を積極的に進めたい考え。一方で老朽化した原発の安全性や、周辺自治体にも及ぶ事故時の避難計画の実効性の懸念は根強く残る。


◆使用済み核燃料、搬出先未定なら「停止」

 また、県が県外への搬出を求めている原発の使用済み核燃料を一時保管する中間貯蔵施設について、関電は青森県むつ市を候補地として提示したが、同市は受け入れないことを明確にしている。関電は23年末までに施設の計画地を確定できない場合、3基の原発を停止すると明言している。

 再稼働を巡っては地元の美浜、高浜町が同意し、県議会も容認していた。
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/101000

脱炭素で原則40年なし崩し 着々と進む原発再稼働、福井の老朽原発「同意」で新局面
2021年4月28日 12時45分

 原発が集中立地する福井県で、運転期間40年を超えた関西電力の老朽原発3基について、杉本達治知事が再稼働に同意した。世界最悪レベルとなった東京電力福島第一原発事故後に、原発の運転は原則40年と定められ、運転延長は「例外的」とされていた。しかし、今後は政府と電力会社が「脱炭素」「地球温暖化対策」を前面に押し出し、ルールがなし崩しになるのは避けられない。


◆段階的に進む再稼働

 福島第一原発事故後、原発の再稼働は基数は少ないものの、着々と進んでいった。これまでを振り返ると、原発再稼働の道は3つのステップがあった。

 第一に、福島第一原発(沸騰水型)とは異なる発電方式である加圧水型の原発が、相次いで再稼働した。西日本に立地する関電、四国電力、九州電力の5原発9基は、司法判断で停止を余儀なくされた原発もあるが、地元同意を得て運転を継続している。

 第二に、東日本大震災で被災した原発が、再稼働へ向かっている。昨年11月、東北電力女川原発2号機(宮城県)の再稼働に宮城県知事が同意した。宮城県は、多くの住民が避難生活を続けている福島に隣接し、原発事故の影響をなお受けている自治体だそのトップが、原発の稼働にゴーサインを出した。東日本に立地する原発を保有する電力会社にとっては、これ以上の「追い風」はない


◆2030年には老朽原発15基に

 第三に、今回の老朽原発の再稼働だ。関電の美浜原発3号機高浜1、2号機は最長20年の運転延長が認められている。関電が巨額を投じた事故対策と、それを認めた原子力規制委員会の判断を、住民の安全に責任を有す自治体トップが「是」とした。運転延長を目指す他の電力会社にとって、良い先例とされる。

 東日本では、日本原子力発電の東海第二原発(茨城県)が運転延長を認められている。他に、規制委が認可した原発はないが、2030年には、全国で新たに11基が運転開始から40年を迎え、40年超えは計15基になる。老朽原発の稼働の是非は、原発立地自治体にとって他人ごとではない。


◆運転延長に頼る政府、地元に「アメ」

 菅義偉首相は昨年10月、2050年までに二酸化炭素(CO2)を主とする温室効果ガスの排出実質ゼロ(カーボンニュートラル)を目指すと宣言した。発電時にCO2を排出しない原発は「脱炭素電源」としての存在感が高まっている。

 ただ、政府は原発の新増設には消極的だ。あくまでも既存原発のフル活用を目指す立場で、その要が運転延長だ。再稼働している関電高浜原発3、4号機や九電川内原発1、2号機(鹿児島県)は4、5年で運転40年を迎え、延長手続きのリミットが迫る。

 菅首相は4月22日、30年度の温室効果ガス削減目標を「13年度比46%」と、これまでより20%引き上げた。目標達成へ、政府は原発に頼ろうとしている。そのため政府は今回、老朽原発の再稼働に計50億円の交付金を地元に「アメ」として示し、知事同意につなげた。

 古ければ古いほど原発はリスクが高まるが、運転延長で原子炉が交換されるわけではない老朽原発再稼働という道を拓いた福井県知事の判断は、事故リスクから目を背けられない「いばらの道」への一歩でもある。(小川慎一
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/101090

「脱炭素」の声に押され…老朽原発が再稼働へ 使用済み核燃料の行方も決まらず見切り発車
2021年4月29日 06時00分

 運転期間40年を超えた関西電力の老朽原発3基の再稼働に、福井県知事が28日同意した。ただ、知事が条件とした使用済み核燃料の県外搬出は、実現の見通しすらない。政府による「脱炭素」の声に押された見切り発車で、例外的とされた運転延長の道へ先陣を切った。(小川慎一、山本洋児、今井智文)


◆「いたずらに延ばすわけには…」

 「(県原子力安全専門委員会に)5年前から安全性を確認してもらい、避難計画も1月に出された。いたずらに延ばすわけにはいかない」。杉本達治知事は県庁での定例記者会見で、同意表明を急いだのではという質問にこう答えた。

 老朽原発の再稼働という全国初の手続きは、4月に入って急加速した。知事は県議会に、再稼働すれば国から県に計50億円の交付金が入ることなどを提示。県議会はすぐに応じ、2週間余りで容認した。

 「関電の現場から再稼働を急ぎたいとの声が上がっていた」と、ある中堅県議は取材に明かした。高浜原発1、2号機はテロ対策施設の工事が間に合わず、設置期限の6月9日以降は完成まで運転できない。それでも同県議は「再稼働すれば、短期間でも10年間動かしていない原発の不具合を確かめられる」と指摘した。


◆県外搬出が再稼働の条件だったが…

 同意表明を巡っては、知事の態度軟化もあった。福井県は、関電が3つの原発で出る使用済み核燃料を県外に搬出するよう求め、候補地の提示が再稼働の議論の条件と突き付けてきた

 関電は実現を約束したものの、昨年末に県外候補地の自力提示を断念。その代わりに電力業界と国が、東京電力と日本原子力発電の使用済み核燃料の保管先である青森県むつ市の中間貯蔵施設の共同利用案を提示し、関電は2023年末までに候補地を示すとした。できなければ、「老朽原発を運転しない」と約束した

 杉本知事は関電の背水の陣の覚悟に対して「一定の回答があった」と評価し、途端に前のめりに。ところが、むつ市の宮下宗一郎市長は共同利用案に否定的で、本紙の取材に「受け入れの可能性はゼロと断言。実現の見通しはない。

 杉本知事は27日、関電の森本孝社長と梶山弘志経済産業相とのオンラインの面会で約束を守るよう念押ししたが、いずれも「むつ市」に言及しなかった。


◆自治体と関電の思惑が一致

 「梶山経産相から、将来的にも原子力を活用すると言い切りの形での表明がされた」。杉本知事は会見で、同意表明の理由の一つに政府の原子力政策の方向性が示されたことを挙げた。

 菅義偉首相が50年までに二酸化炭素(CO₂)を主とする温室効果ガスの排出を実質ゼロにすると宣言して以降、発電時にCO₂を排出しない原発は脱炭素電源として存在感が高まっている。老朽原発の運転延長は、原発に地域経済を依存する自治体と、化石燃料コストを削減できる関電の思惑が一致した面も強い。

 ただ、政府は太陽光や風力による再生可能エネルギーに注力する方針で、原発の新増設や建て替えに消極的だ。運転延長という既存原発のフル活用で、30年度の電源構成で原発を20%台にすることを目指すが、それには30基程度の稼働が必要となる。日本には建設中の3基も含め計36基しかなく、「不可能だ」という声が経産省や電力会社からさえ出ている。
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コメント
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●東京電力核発電人災から10年経って、この有様…アンダーコントロールどころか人災は継続中、しかも、まだ核発電を続けたいという…

2021年03月21日 00時00分18秒 | Weblog

[※↑ 双葉町で牧場経営していた鵜沼さんがキクハナと再会希望の牧場にて報道特集 2021年03月06日[土])]


(20210307[])
東京新聞の【<社説>老朽原発 新しい未来図描く時】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/87794?rct=editorial)と、
東京新聞の二つの記事【福島発「再生可能エネルギー発電」へ、草の根からの挑戦の記録「魂の発電所」出版】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/88892)、
【本紙の片山夏子・福島特別支局長「ふくしま原発作業員日誌」が早稲田ジャーナリズム奨励賞】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/86372)。

 《長年の酷使で劣化の危険が指摘される「老朽原発」の延命が、なし崩しに進む。再生可能エネルギーへの追い風が、国内でもようやく吹き始めた今、原発依存に立地地域の未来はあるのだろうか。福井県高浜町美浜町が、二月に入って相次いで、町内に立地する高浜原発1、2号機美浜原発3号機の再稼働に同意した。いずれも運転開始から四十年を超える関西電力の「老朽原発」だ。原子炉等規制法が改正され、原発の運転寿命が四十年と定められたのは、東日本大震災の翌年のことだった。ただし、原子力規制委員会の審査に通れば、一度限り二十年までの延命を認めるという例外規定が設けてある》。
 《放射能汚染で牛が飼えなくなった飯舘村では和牛農家が社長になり「飯舘電力」を設立、会津の喜多方市では酒造店当主が「会津電力」を設立した。本書は電力の「素人」たちが再エネ拡大に後ろ向きな行政や大手電力と厳しい交渉を繰り広げながら、発電所を実現させる苦難の道のりを描いた。飯舘では出力1000キロワットの大規模発電所をつくる予定が東北電に「送電線に余裕がない」と拒否され頓挫。小規模発電所を多数つくる戦略に転換。会津では「豪雪で太陽光発電は不可能」といわれる中、実証設備を手作り。一冬、毎日観察し、発電できて雪も滑り落ちるパネルの最適角度を突き止めた》。
 《「石橋湛山記念早稲田ジャーナリズム大賞」の授賞作が16日発表され、公共奉仕部門の奨励賞に本紙の片山夏子・福島特別支局長の著書「ふくしま原発作業員日誌 イチエフの真実、9年間の記録」=写真=が選ばれた。東京電力福島第一原発事故で働く作業員に粘り強く取材し、本紙で131回掲載している「ふくしま作業員日誌」に加筆。廃炉現場の過酷さ、作業員の家族への思いなどを伝えている》。

 東京電力核発電人災から、10年が過ぎ、未だにこの有様だ。《例外》が通例に…核発電「麻薬」中毒者が暴走し、「老朽原発」さえも再稼働させたいらしい。狂っている。関西電力だけでなく、九州電力、さらには、東京電力、マトモではない。

   『●原子力「促進」委員会の危険なメンツの危険な判断
   『●60年間稼働させたい高浜原発:
     「電気代が高い低いの問題とを並べて論じること自体、許されない」
   『●関西電力八木誠社長のあの高浜原発: 
      「プルサーマル原発」に続き「寿命原発」を動かしたいそうです
   『●「老いた馬」ではなく「狂ったゴジラ」:
     「麻薬」患者の関電がプルサーマルに続いて「寿命核発電所」…
   『●熊本大分大地震の最中、「狂ったゴジラ」
      =関西電力高浜原発1、2号機を野に放つ原子力「規制」委員会
   『●高浜「寿命核発電所」延命、「安全より
      経済優先の時代へと逆戻り」…「規制緩和」委員会(©東新)
   『●熊本大分大地震の最中、
      伊方プルサーマル核発電所を再稼働…アタマオカシイ
   『●寿命核発電所再稼働:「世界は既に廃炉時代…
      時代の先端を行く方が、地域の実りははるかに多い」
   『●「あとの祭り」:
      核発電「麻薬」中毒患者、増殖中…どんどん壊れ行くニッポン
   『●2014年5月大飯原発運転差し止め判決…樋口英明さんは《基準地震動を
         超える地震が来ないと言えるかどうか…他の原発と共通の問題》

 内橋克人さんのFEC

   『●『不安社会を生きる』読了(2/2)
   『●『新版 悪夢のサイクル/ネオリベラリズム循環』読了(4/4)
   『●原発絶対断固反対!
   『●FECにつながる「地給率」
   『●SLAPPと祝島
   『●まさに、FEC自給圏を目指せ
   『●内橋克人さんインタビュー: 
      〝貧困マジョリティー〟の形成と『FEC自給圏』への志向
   『●衆院選の惨敗と参院選という正念場:
       FEC自給圏・「浪費なき成長」と「暗闇の思想」
   『●原子力ムラに対して、開き直ろう!: 
       こういう挑発や脅し、騙しに乗ってはならない
   『●居直ろう!: 〈毒食わば皿まで〉?  
       「一度認めた以上、どこまでも認めるという論理の一貫性」?
   『●電源構成(エネルギーミックス)案という貧相な「未来図」:
                     泥棒やその子分に縄をなわせる愚
    「ニッポンにとって、デンマークはとても参考になると思うのですが?
     内橋克人さんのFEC自給圏の確立を」

   『●「始まりの地、福島から日本を変える」:
     シェーナウ電力、会津電力、飯舘電力…内橋克人さんのFEC

 核発電「麻薬」中毒者らが政権を握っているようではニッポンに未来はない。
 AERAのコラム【浜矩子「菅首相の『グリーン成長戦略』が驚くべきトンデモ政策だと言い切れる理由」】(https://dot.asahi.com/aera/2021030200015.html)によると、《このような状況を是正するためにグリーン化が急がれるのである。それなのに、やはり所信表明演説の中で、スカノミクス親爺は「もはや、温暖化への対応は経済成長の制約ではありません」などと言っている。おいおい。経済成長をそれなりに制約することによって、温暖化を少しでも食い止める。それが筋というものだろう。さらには、施政方針演説の方に、何と、次のくだりがある。「グリーン成長戦略を実現することで、2050年には年額190兆円の経済効果と大きな雇用創出が見込まれます」 ついに、グリーン成長戦略などという表現が飛び出してきてしまった》。

   『●(筆洗)《「コブラ効果」とは問題解決のための政策や判断が
        裏目に出て、かえって状況を悪化させることをいうそうだ》
   『●《継承》《前例踏襲ばかり》の大惨事アベ様政権・スガ様…《故
     吉岡斉さん…「原発はリスクを伴う。過大な投資のつけは国民に回る」》
   『●政策スカスカオジサン《第1…日本学術会議の任命拒否問題》《第2…
      温室効果ガス排出量…実質ゼロ》《第3…新型コロナウイルス対策》

 ゴールデンラジオ (2021年03月07) のゲストは東京新聞・片山夏子記者でした。

   『●原発で働く: 「コスト優先」、「命は二の次」
    「東京電力原発人災の処理にあたる作業員の言葉はなかなか伝わって
     こない。「◇まるで戦場」「◇命は二の次」「◇コスト優先」など、
     見出しだけでも憂鬱になる言葉が並ぶ」

   『●特定秘密隠蔽法と恫喝:
      被曝労働の上に世間に「声」を発することも許されず
   『●東京都知事選: 福島からの眼……
     「反対はしないが、その前にすることがあるのではないか」
   『●核発電人災のアノ東電の柏崎刈羽核発電所に、
     「寄生」委がお墨付き!? 凄いよなぁ、ニッポン…愚かだ
   『●《「袴田事件」で死刑判決を書きながら、後に「無罪の心証だった」
        と明かした元裁判官熊本典道さん》がお亡くなりになりました

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/87794?rct=editorial

<社説>老朽原発 新しい未来図描く時
2021年2月24日 07時25分

 長年の酷使で劣化の危険が指摘される「老朽原発」の延命が、なし崩しに進む。再生可能エネルギーへの追い風が、国内でもようやく吹き始めた今、原発依存に立地地域の未来はあるのだろうか。

 福井県高浜町美浜町が、二月に入って相次いで、町内に立地する高浜原発1、2号機美浜原発3号機の再稼働に同意した。いずれも運転開始から四十年を超える関西電力の「老朽原発」だ。

 原子炉等規制法が改正され、原発の運転寿命が四十年と定められたのは、東日本大震災の翌年のことだった。ただし、原子力規制委員会の審査に通れば、一度限り二十年までの延命を認めるという例外規定が設けてある。

 原発の建設は一九九〇年代までに集中しており、二〇三〇年までに十一基が寿命を迎えることになる。これまでに延命の申請があったのは東海第二も含め三原発四基。規制委の認可を受けた後、立地自治体が再稼働に同意するのは、高浜町が全国初だ。

 電力事業者との紳士協定により、再稼働の最終同意権を持つ福井県の杉本達治知事は、原発から出る使用済み核燃料を県外へ持ち出すよう求めており、県外での一時保管先が見つかっていないことを理由に「議論の入り口には立っていない」との立場を取ってきた。

 関電の森本孝社長は今月十二日に杉本知事と面談、二三年末を最終期限として保管先を確定すると約束し、「青森県むつ市で東京電力などが運営する中間貯蔵施設を利用させてもらう」という案を提示した。

 これに、むつ市は猛反発。「関電の選択肢になることはあり得ない」と全面否定の構えである。

 なのに知事は姿勢を一転。「三基の再稼働について議論に着手していただきたい」と開会中の県議会に促した。不可解だ

 高浜町の野瀬豊町長が再稼働同意の理由について「原発が稼働することが、町の将来に資すると考えた」と述べたのは、歳入や雇用の多くを交付金など「原発マネーに依存せざるをえない過疎地の現実の裏返しでもあるだろう。美浜町も同様だ。

 福島の事故で安全対策費がかさみ、原発は経済的に見合わなくなっている。原発に未来はない。だが一方で、依存からの脱却は簡単なことではない。

 交付金と引き換えに過疎地への立地を進めてきたのは国だ。脱原発依存の未来図をともに描く責任が国にはある。
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/88892

福島発「再生可能エネルギー発電」へ、草の根からの挑戦の記録「魂の発電所」出版
2021年3月2日 06時00分

 福島第一原発事故以来、本紙が報道してきた福島の人々による再生可能エネルギー発電の取り組みをノンフィクションにつづった「魂の発電所―負けねど福島 オレたちの再エネ十年物語」=写真=が1日発売された。仕事も暮らしも奪われた人々が再エネに希望を見つけ、ふるさと再生をかけ挑戦してきた記録だ。

 「原発に頼らない電気を自分たちでつくろう」―。放射能汚染で多くの人が長期避難し、風評で農作物も不振に陥った福島。太陽光や水力などを生かした発電所をつくる機運が市民から高まり本紙はその展開を継続報道してきた。池尾伸一経済部長がノンフィクションとしてまとめた。

 放射能汚染で牛が飼えなくなった飯舘村では和牛農家が社長になり「飯舘電力」を設立、会津の喜多方市では酒造店当主が「会津電力」を設立した。本書は電力の「素人」たちが再エネ拡大に後ろ向きな行政や大手電力と厳しい交渉を繰り広げながら、発電所を実現させる苦難の道のりを描いた。飯舘では出力1000キロワットの大規模発電所をつくる予定が東北電に送電線に余裕がないと拒否され頓挫。小規模発電所を多数つくる戦略に転換。会津では「豪雪で太陽光発電は不可能」といわれる中、実証設備を手作り。一冬、毎日観察し、発電できて雪も滑り落ちるパネルの最適角度を突き止めた。

 菅義偉内閣は「2050年温暖化ガスゼロ」を公約するが大手主導と原発依存は不変だ。金子勝・立教大特任教授は「本書が光を当てた地域の自然を活用した電気を地域で使う分散型発電にこそ未来への希望がある」と話す。徳間書店。1870円。280ページ。

【関連記事】<原発のない国へ 福島からの風>屋根で発電 農業ハウス 会津電力の地産地消
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/86372

本紙の片山夏子・福島特別支局長「ふくしま原発作業員日誌」が早稲田ジャーナリズム奨励賞
2021年2月16日 20時26分

 「石橋湛山記念早稲田ジャーナリズム大賞」の授賞作が16日発表され、公共奉仕部門の奨励賞に本紙の片山夏子・福島特別支局長の著書「ふくしま原発作業員日誌 イチエフの真実、9年間の記録」=写真=が選ばれた。東京電力福島第一原発事故で働く作業員に粘り強く取材し、本紙で131回掲載している「ふくしま作業員日誌」に加筆。廃炉現場の過酷さ、作業員の家族への思いなどを伝えている。連載は特報面に随時掲載中。

【関連リンク】片山記者が語る取材の裏側、音声番組はこちら
【関連記事】むのたけじジャーナリズム賞に片山夏子本紙記者の「ふくしま作業員日誌」

     (福島特別支局長 片山夏子)

 「長年にわたって作業員たちの話を聞き取った努力は並大抵ではない。作業員一人ひとりの、また著者のうめくような声が聞こえてくる」(選考委員の吉岡忍氏)と高い評価を受けた。片山支局長は「現場で実際に何が起きているのかは、箝口かんこう令下にある多くの作業員に聞かなければ、分からないことばかりでした。作業員一人一人の闘いと生き様を伝えたかった。約10年間取材し続けたことがジャーナリズムとして評価されたことをうれしく思います」とコメントした。

 公共奉仕部門の大賞は西日本新聞のかんぽ生命不正販売問題を巡るキャンペーン報道と毎日新聞の「桜を見る会」の一連の追及報道。草の根民主主義部門大賞は三上智恵さんの著書『証言 沖縄スパイ戦史』、同奨励賞はNHKBS1スペシャル「封鎖都市・武漢~76日間 市民の記録~」、文化貢献部門奨励賞は静岡新聞「サクラエビ異変」。

【関連記事】「痛いっ!」横揺れでベッドから振り落とされ、なだれのように棚から本が…窓の外からは子を呼ぶ声 震度6強が襲った福島特別支局長の現地報告
【関連リンク】原発のない国へ
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●東電核発電人災での国の責任も放棄…《あの未曾有の福島第一原発事故を招いた“最大の戦犯”》アベ様の責任は追及され続けるべき

2020年10月29日 00時00分46秒 | Weblog


添田孝史氏による、AERAの記事【津波リスク「計算して大騒ぎするのを避ける」とのメモも 原発事故で国が隠し続けた真実】(https://dot.asahi.com/aera/2020100800039.html)。

 《隠していたのは保安院だけではない。政府事故調査委員会も、重要な事実を知りながら、報告書に書いていないことがある。内閣府が今年7月に開示した文書から、事故調による国の責任隠しも見えてきた》。

   『●「生業を返せ、地域を返せ!」…原告団馬奈木厳太郎弁護士
      「国の対応、東電の責任を厳しく断罪する判決となっている。一審よりも…」
   『●「原子力災害伝承館」《批判…口封じ》…《安倍政権では「被災地
      切り捨て」政策がつづけられてきたが、それを菅政権も「継承」》

 原子力郷土の発展豊かな未来」「原子力明るい未来のエネルギー」「原子力正しい理解で豊かな暮らし…もうすぐ10年が経とうとしている。
 《あの未曾有の福島第一原発事故を招いた“最大の戦犯”が、他ならぬ…安倍晋三》様だ。

   『●(リテラ)「あの未曾有の福島第一原発事故を招いた
       “最大の戦犯”が、他ならぬ現内閣総理大臣・安倍晋三」

 《国の責任隠し》についてのこの記事には触れられていませんが、何食わぬ顔で《最大の戦犯》なアベ様。しかも、菅直人氏についてのデマメルマガ事件」の犯人もアベ様だ。今も何食わぬ顔で、原子力「寄生」委員会のデタラメな「お墨付き」の下、核発電所再稼働を強行し、司法も役立たず、核発電所まで輸出しようと暴走していた…大迷惑な核発電「麻薬」中毒者のトップがアベ様。《最大の戦犯》が犯罪を犯し続けており、それさへも《継承》する大惨事アベ様政権。いまだに《ベースロード電源》などと寝言を言っている始末。

   『●「想定外」という言い訳は許されない
    《実は、東電の福島第一は津波に弱く、炉心溶融の危険性があることは、
     5年前から指摘されていた想定外などではない。福島第一で
     想定されている津波、チリ地震津波クラスに遭遇すると、大きな引き波に
     よって冷却用の海水を取水できなくなるといわれる。この引き波による
     取水停止が、炉心溶融に発展する可能性を、2006年に国会で共産党の
     吉井英勝議員が質問している。
       二階俊博経産相(当時)は善処を約したが、東電は具体的な改善を
     行なわなかった。東電には地元から改善の要望書も出されているので、
     津波による炉心溶融の「危険性の指摘」を知らなかったはずはない
     百も承知だったのに、素知らぬ顔ですべての原因が想定外の巨大地震に
     あるかのように振舞っているとしたら、なかなかの役者である》

   『●”原子力発電”という箱を開ける覚悟と、(とりようの無い)開けた責任
    《この日、これまでに原発問題を国会で追及してきた吉井英勝衆院議員
     (共産)が質問。原子力安全・保安院の寺坂信昭院長は昨年5月の同委で、
     電源喪失は「あり得ないだろうというぐらいまでの安全設計はしている」
     と発言していたが、この日は「当時の認識について甘さがあったことは
     深く反省をしている」と述べた。 
       これまでの法廷証言などで電源喪失の可能性を否定してきた班目春樹
     ・原子力安全委員長は「事故を深く反省し、二度とこのようなことが
     起こらないようにしたい」と答えた。 
       また、過去に同様の見解を示してきた前原子力安全委員長
     (現・日本原子力研究開発機構理事長)の鈴木篤之氏も「国民の皆様に
     大変申し訳ないと思っている。痛恨の極み」。電源喪失の事態に備えて
     こなかったことは「正しくなかった」とした》

   『●SLAPPと原発、沖縄
    《[CML 019566] 甘利明の名誉棄損訴訟にSLAPP批判
       甘利明・自民党衆議院議員がテレビ東京を提訴した名誉棄損訴訟が
     恫喝訴訟SLAPPであると批判されている。甘利氏は安倍政権の
     経済産業大臣であった。テレビ東京『週刊ニュース新書』は2011年
     6月18日に甘利氏へのインタビューを放送した。
       インタビューで取材陣は福島原発事故を自公政権の安全対策の
     不備に起因するのではないかと追及した。甘利氏は「津波は想定外」と
     責任回避するが、取材陣は日本共産党の吉井英勝・衆議院議員の
     「巨大地震の発生に伴う安全機能の喪失など原発の危険から国民の
     安全を守ることに関する質問主意書」を提示した。そこでは津波被害など
     による電源喪失に起因する原発事故の危険が指摘されている。
       福島原発事故が想定外でないことを示す事実
であるが、この趣意書を
     突き付けた直後にインタビューは中断された。インタビュー中断の事実は
     番組で報道された。この番組放送に対して甘利氏は名誉毀損として
     1000万円もの損害賠償を求めてテレビ東京を提訴した》

   『●『DAYS JAPAN』
      (2013,SEP,Vol.10,No.9)の最新号についてのつぶやき
    「さらに、斎藤美奈子さんの二つの指摘。「第一次安倍内閣時代…
     吉井英勝…「巨大地震の発生…原発の危機から国民の安全を守る
     ことに関する質問主意書」…提言を無視した結果がご覧の通りの事故である」」

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https://dot.asahi.com/aera/2020100800039.html

津波リスク「計算して大騒ぎするのを避ける」とのメモも 原発事故で国が隠し続けた真実
添田孝史 2020.10.11 08:00 AERA #原発

     (20年4月、撤去作業が終了した東京電力福島第一原発
      1、2号機の共用排気筒(c)朝日新聞社)

 東京電力福島第一原発の事故について、9月30日、仙台高裁は「国にも責任がある」とする判決を出した。東電に津波対策をとらせる立場にあった、経済産業省の旧原子力安全・保安院全くその役割を果たしていなかったことなど、国の責任を示す事実が次々に明らかになったためだ。AERA 2020年10月12日号では、国が隠し続けた原発事故の真実に迫った。

*  *  *

 隠していたのは保安院だけではない。政府事故調査委員会も、重要な事実を知りながら、報告書に書いていないことがある。内閣府が今年7月に開示した文書から、事故調による国の責任隠しも見えてきた。

 保安院は事故1年前の10年4月に、傘下の旧独立行政法人原子力安全基盤機構(JNES)に指示して、東北電力女川原発の津波想定が妥当か確かめさせた。そのおよそ半年前の09年9月、保安院は東電から、869年の貞観津波が再来すれば福島第一の敷地に津波が遡上する可能性があるという報告も受けていた。


■部下に送ったメール

 当然、福島第一でも貞観津波のリスクを精査しなければならない。ところが保安院は「JNESのクロスチェックでは、女川と福島の津波について重点的に実施する予定になっているが、福島の状況に基づきJNESをよくコントロールしたい(無邪気に計算してJNESが大騒ぎすることは避ける)」と東電に話していた(東電作成のメモ)

 事故調は、女川原発についてJNESが作成した報告書を集めていたことが内閣府の開示でわかった。10年の時点で、保安院やJNESは貞観津波を想定すべき確実なものと判断していたと、事故調は知っていたのだ。

 しかし事故調は、このことを報告書に全く書いていない。

 東電作成のメモにある「福島の状況に基づき」とは、東電が福島第一でプルサーマルを進めようとしていたことを指す。プルトニウムをウランに混ぜて原発で燃やすプルサーマルの実施は、核燃料サイクルを維持するために経産省が推進してきた。

 福島県の佐藤雄平知事(当時)は10年2月、プルサーマル実施の前に、国に耐震安全性の確認を求めた。保安院の森山善範審議官(当時)は同年3月24日、部下にこんなメールを送っている。

「耐震安全性の確認では、貞観の地震による津波評価が最大の不確定要素である旨、院長、次長、黒木(慎一)審議官に話しておきました」「福島は、敷地があまり高くなく、もともと津波に対しては注意が必要な地点だが、貞観の地震は敷地高を大きく超えるおそれがある」「貞観の地震について検討が進んでいる中で、はたして津波に対して評価せずにすむのかは疑問」


■開示請求「3年かかる」

 森山審議官はメールについて検察にこう説明していたことが、19年に明らかになった。

「貞観地震について審議が活発化すれば、10年8月に予定していたプルサーマル実施までに審議が終了せず、プルサーマルを推進する立場の資源エネルギー庁などから非難される可能性がありました」

 仙台高裁は、「喫緊の対策措置を講じなければならなくなる可能性を認識しながら、そうなった場合の影響の大きさを恐れるあまり、そのような試算自体を避け、あるいはそのような試算結果が公になることを避けようとしていたものと認めざるを得ない」と判断した。

 かつて九州大学副学長を務め、事故調の委員だった故・吉岡斉氏は、こう話していた。

「他の政府審議会と同様、事故調は役人主導。事務局が用意した文案にもとづいて検討する」「霞が関官僚に対して甘い傾向がある。政府が設置することの問題点はここに現れた」

 「加害者」である国の調査報告では、まだ隠されたままの事実もあるだろう。事故調が集めた文書リストの中から、疑わしい文書約60点の追加開示を7月に請求すると、「開示は3年後になる」と内閣府から通知がきた。「著しく大量である」「担当部局において、請求事案が多数ある」などの理由だった。

 最高裁で決着がつくまで、不利な情報は隠し通すつもりなのだろうか。(ジャーナリスト・添田孝史)

※AERA 2020年10月12日号より抜粋
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●空虚な《地域振興》…《核のごみ問題で過疎の町に「最大20億円」財源の魅力 識者「札束で頬を叩くのはやめるべき」》(野村昌二氏)

2020年10月22日 00時00分44秒 | Weblog


野村昌二氏による、AERAの二つの記事。【核のごみ問題で過疎の町に「最大20億円」財源の魅力 識者「札束で頬を叩くのはやめるべき」】(https://dot.asahi.com/aera/2020100700019.html)と、
【核のごみ最終処分場で渦中の寿都町長が激白 「4、5年先を考えたら、今から手を打たねば」】(https://dot.asahi.com/aera/2020100800082.html)。

 《風光明媚な北海道の小さな町と村が、「核のごみ」で大きく揺れている。8日、北海道寿都町は国の選定プロセスの第1段階「文献調査」に応募すると発表した。だが、その元となる使用済み核燃料も、すでに「満杯」に近づいている》。
 《原発の使用済み核燃料から出る高レベル放射性廃棄物、いわゆる「核のごみ」の最終処分場をめぐって、北海道寿都(すっつ)町は、8日、国の選定プロセスの第1段階となる「文献調査」に応募すると発表した。2年間の文献調査で最大20億円の交付金が得られ、地域振興に期待するという。これに先立ち、AERAでは9月24日に片岡春雄・寿都町長にインタビュー。応募の「真意」を尋ねた》。

   『●原子力発電環境整備機構(NUMO)の担う役割と実績
   『●なぜ反核の元長崎市長が長崎に核燃料廃棄物の最終処分場誘致…?
   『●1000000年間「死の灰」を管理、「国が科学的に
        有望な候補地を絞り込」むと云う「科学的」とは?
   『●核発電所からの「死の灰」最終処分場をどうするのか?、
        を今ごろ考えている「麻薬」中毒患者たちの無責任
   『●ニッポン科学の勝利!! 10,0000年間管理可能な
          地域が「科学的特性マップ」上に30~65%も
   『●元福井地裁裁判長・樋口英明さん《地震大国の日本には、北海道から
               沖縄まで原発を動かせる場所はどこにもない》

 AERAの記事【関電“倍返し”金品受け取り問題発覚から1年 新旧経営陣いまだ対立】(https://dot.asahi.com/wa/2020100700030.html)によると、《現金に米ドル、金貨に小判……。関西電力役員らが、原発のある福井県高浜町の元助役(故人)から多額の金品を受け取っていた問題の発覚から約1年。すでに新体制となった関電だが、新経営陣と旧経営陣が対立し、いまだにゴタゴタが続く。実力派の元相談役が“圧力電話”をかけるなど、法廷の外でもあつれきが表面化している》。
 《還流》以外に、政治家への濁流は無かったのでしょうかね? 核発電「麻薬中毒」の皆様ときたら、薄汚い。

   『●自公議員投票の大罪: 「九電元幹部は「政治家側から
                支援を頼んでくるのが昔からの伝統」」
   『●核発電は「金のなる巨大木」…《自民党の最近のルールは
      「返せば問題ない」と、なかったことにできるというもの》
    「《還流》だけでなく、自民党やお維のセンセ方への「濁流」も、
     各党で調べた方がよくはないのかな? 他の電力会社も、特に
     九州電力は「クリーン」なのでしょうかね? ウルトラ差別主義者
     副首相と浅からぬ関係ですけど。

   『●《稲田朋美…世耕弘成…安倍側近が…関電受注企業から献金…
        証人喚問を含め、国会の場で徹底的に調査するほかない》
   『●「桜を見る会」税金接待というアベ様模倣犯・世耕弘成経産相
          関西電力〝濁流〟問題でも《関電受注企業から献金》

 さて、本題。
 《余りに安易》な町長の決断…愚かすぎます。《賛成、反対は抜きにして学ぼう》…立候補しなくたって、《学》べます。
 《脱原発へ政策のかじを切り、際限のない健康被害の脅威に歯止めをかける。それが最終処分場問題の解決に向けた国民議論の最低条件》。

   『●《脱原発へ政策のかじを切り、際限のない健康被害の脅威に歯止めを
      かける。それが最終処分場問題の解決に向けた国民議論の最低条件》
    《高レベル放射性廃棄物の最終処分場選定に手を挙げそうな北海道
     寿都町。町内に不安が広がり道や隣接自治体との亀裂も深まって
     いる巨額の交付金で誘致を促す手法。このままでいいのだろうか》
    《原発から出る核のごみを最終的にどこで処分するのか。国民に
     突き付けられた課題であることは間違いない。とはいえ町の判断は
     地域の行く末を委ねる手段としては余りに安易ではないか》。

 核発電の賛否に関係なく、放火なんて論外なのは当然。
 地域の分断を生むだけであり、《住民や近隣地域が負う代償》はあまりに大きい。空虚な《地域振興に期待》。自公政権は「札束で頬を叩くのはやめるべき」だ。《過疎の町に「最大20億円」財源の魅力》…それは「血」ではなく、「麻薬」です。「血液」の輸「血」と騙されて、《平和利用」に誘われて》「麻薬」中毒に。
 日刊ゲンダイ【寿都町長宅を放火…核のゴミと20億円がもたらしたドロドロ】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/newsx/279768)によると、《片岡町長が処分場選定の第1段階である「文献調査」への応募を言い出したのは今年8月。学習会を開いて町民の賛同を得ようとし、一方、町民の一部は反対するなど、町を二分する騒ぎになっている。9人いる町議は、5人が文献調査の賛成派で、4人が反対派だ》。

   『●「原子力は血液」……ではなく、「原子力=核」は「麻薬」
   『●関西電力八木誠社長のあの高浜原発:
      「プルサーマル原発」に続き「寿命原発」を動かしたいそうです
   『●烏賀陽弘道さん
      『ヒロシマからフクシマへ原発をめぐる不思議な旅』読了
   『●やはり核発電は「金のなる巨大木」だった…高浜「原発マネー」が
             八木誠会長ら関西電力経営陣個人に見事に《還流》
   『●濁流…《塩浜工業…高浜をはじめ全国の原発で安全対策などの
       工事を受注。玄海での実績は…確認できない》そうだけれど…
   『●東電核発電人災から9年: 金(カネ)色の五つの輪《オリンピック
            聖火リレーを前に「福島はオリンピックどごでねぇ」》
   『●三浦英之記者の質問「今でも『アンダーコントロール』だとお考えで
      しょうか」? アベ様のお答え「…その中で正確な発信をした…」!?

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https://dot.asahi.com/aera/2020100700019.html

核のごみ問題で過疎の町に「最大20億円」財源の魅力 識者「札束で頬を叩くのはやめるべき」
野村昌二 2020.10.9 08:00 AERA

     (核のごみの最終処分場の応募検討を表明した、北海道寿都町。
      カキの養殖やホッケ漁などの漁業が基幹産業だ(寿都町提供))

 風光明媚な北海道の小さな町と村が、「核のごみ」で大きく揺れている。8日、北海道寿都町は国の選定プロセスの第1段階「文献調査」に応募すると発表した。だが、その元となる使用済み核燃料も、すでに「満杯」に近づいている。 AERA 2020年10月12日号で掲載された記事を紹介する。

原発にたまり続ける使用済み核燃料はどのくらいある? データはこちら

*  *  *

 住民には「寝耳に水」だった。

「驚きました。寿都はまだまだ死に体ではなく水産や製造、観光で伸びしろがあります。それを、核のごみというカードを出してきて、町長のやり方はアウトとしかいいようがない」

 日本海に面した北海道寿都(すっつ)町。町で30年近く、商店を経営する吉野寿彦さん(60)は、そう憤る。

 8月13日、同町の片岡春雄町長は突如、核のごみの最終処分場を巡る候補地選定に向けた「文献調査」への応募を検討する方針を表明したのだ。住民だけでなく多くの漁業関係者や道内の自治体も猛反発。鈴木直道・北海道知事も、寿都町の動きを「拙速」と批判した。

 片岡町長は本誌の取材に、表明した理由をこう述べた。

「町はこれまで風力発電などいろいろなことにチャレンジし財源確保に努めてきた。だが、新型コロナがあって経済が疲弊して4、5年先どうなるかわからなくなった。いま手を打てるものは打っていかないと」

 寿都は過疎の町だ。人口は約3千人で、この20年間で約3割減った。65歳以上の高齢者は4割近く。交付金や補助金への依存度が高く、財政難の町にとって2年間の文献調査に応じるだけで入る最大20億円の交付金は大きな魅力だ。

「核のごみ」とは、原発の使用済み核燃料から出る高レベル放射性廃棄物のことだ。


■核のごみの保管場所

 原発は、燃料のウランを核分裂させて出す大量の熱で湯を沸かし、蒸気でタービンを回して発電する。日本は、使い終わった核燃料は再処理し、抽出されたプルトニウムを再び発電に使う「核燃料サイクル政策」を維持している。しかしこの時、約5%は再利用できない廃液が残る。これが「核のごみ」だ。

 このごみは極めて強烈な放射能を持つ。そのため溶かしたガラス原料と一緒に固め「ガラス固化体」として封印し、10万年近く、地下300メートル以上に埋める「地層処分」を国策として決めた。

 1966年に日本初の商業用原発が運転を開始して半世紀以上。これまでたまった核のごみは2492本。それらは今、青森県六ケ所村の一時貯蔵施設に2176本、茨城県東海村の日本原子力研究開発機構の再処理施設に316本が保管されている(3月末現在)。日本には再処理工場がないため、大半は英仏に委託し戻ってきたものだ。

 ただ六ケ所村は、あくまで「一時保管」。国内に核のごみの最終処分場はない。そこで国は2000年に法律をつくり、自治体から公募を始め、第1段階の「文献調査(2年程度)」に応じるだけで最大20億円、第2段階の「概要調査(4年程度)」に至れば最大70億円を、立地の成否に関係なく交付することにしたのだ。

 この間、唯一、高知県の東洋町が手を挙げたが、住民の猛反発で応募は撤回された。以来、正式に応募した自治体はなかった。

 NPO法人「原子力資料情報室」(東京都)の伴英幸・共同代表は、国のやり方は「アメとムチ」の構図だと批判する。

「昔から、日本の原子力政策は『札束で頬を叩く』と非難されてきました。交付金をちらつかせ誘致の動機にする方法は、やめるべきだと思う」

 北海道大学の小野有五(ゆうご)名誉教授(環境地理学)は、そもそも寿都は核のごみを持ってくる場所としては問題があると指摘する。


■危険な活断層が集中

 経済産業省が17年に公表した最終処分場の適地を示した「科学的特性マップ」によると、寿都町の大半は「適地」となっている。だが、小野名誉教授は、寿都から太平洋側の長万部(おしゃまんべ)にかけ「黒松内(くろまつない)低地断層帯」と呼ばれる32キロほどの活断層帯がほぼ南北に延び、寿都にマグニチュード7.3程度の大地震を引き起こす可能性があると語る。

「活断層の真上が危ないのはもちろんですが、18年に北海道で起きた胆振東部地震の震源地は、活断層から十数キロ離れた場所でした。また、16年の熊本地震では二つの断層が連動して起きている。黒松内低地断層帯も短い活断層が何本も走っていて、それがすべて連動すれば大地震になる。この断層帯は、北海道でもっとも危険な活断層が集中する地域。そのような場所に最終処分場をつくるべきではない」

 前出の片岡町長は9月29日に住民説明会を実施、その後、記者団に対し10月8日に予定されている町議会全員協議会の後にも国などに応募を伝える考えを明らかにした。ただ、地震のリスクについては、活断層から離れた場所はボーリング調査をし、安全性を確かめると話す。

「危険とわかれば文献調査はストップします」

 さらに9月11日、今度は、寿都町と同じ後志(しりべし)地域の神恵内(かもえない)村の商工会が、文献調査の応募検討を求める請願を村議会に提出したことがわかった。同26日、国などは住民説明会を村内で開いた。

 先の小野名誉教授は、厳しく非難する。

「神恵内村は、科学的特性マップでは大半が『不適地』であり、さらに海底の活断層がすぐ目の前にある。最終処分場にはふさわしくない」


■核燃料サイクルの要

 最終処分場だけではない。核のごみの元となる、使用済み核燃料も袋小路に迷い込んでいる。

 使用済み核燃料は、長期間熱を発し続けるため継続的な冷却が欠かせず、各原発の原子炉建屋内の核燃料プールで冷やされているが、そのプールが満杯に近づいているのだ。現在、国内17の原発の貯蔵可能量は2万1400トン。しかし、貯蔵量はすでに約1万6千トンと、全体の75%が埋まっている(3月末時点)。

 敷地内の使用済み核燃料プールはあと何年で満杯になるのか。現在発電中の原発は3基。そのうち高浜4号機・大飯(おおい)4号機と、発電中の原発2基を抱える関西電力は、このまま発電を続けると高浜原発はあと「6年程度」、大飯原発はあと「8年程度」で満杯になると回答。対策については、こう答えた。

六ケ所再処理工場が順調に稼働することにより、使用済み燃料ピット(竪穴)の満杯は回避できるものと考えています

 六ケ所再処理工場とは、六ケ所村に建設している施設のことだ。核燃料サイクルのとされ1993年に建設が始まったが、トラブル続きで遅れに遅れ、今年7月、ようやく原子力規制委員会の安全審査に正式に合格した。だが、老朽化した設備や機器の検査など多くのハードルが残る。

 先の伴共同代表は、もはや日本の核燃料サイクル政策は事実上破綻しているとしてこう語る。

「ここまで揉めるのは、日本の原発事業は核のごみの最終処分地を決めないまま進めた結果。原発政策を進める際、原子力事業者は効率的な原子炉をつくることには熱心だったが、核のごみについては『原発は国策』という理由で国任せ国は国で、ごみの発生者である原子力事業者に責任を押しつけてきたのが原因です。政策を転換し、脱原発に舵を切り、再生可能エネルギー政策をとるべきです」


■目の届くところで管理

 すでに六ケ所村にある核のごみについて、小野名誉教授は「製造物責任」の観点から、電力会社が自分たちですべて引き取り保管・管理すべきだと提言する。

「敷地内の空き容量が不足なら施設を増やし、より安全な形にして保管する。そして、地上の目の届くところで管理する。見えない場所に埋めるのが一番怖い。人間の技術は進歩しますから、よりよい処分法が見つかるまで、そうやって10万年間、保管・管理するしかないのです。人類の英知が試されます」

(編集部・野村昌二)

※AERA 2020年10月12日号
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https://dot.asahi.com/aera/2020100800082.html

核のごみ最終処分場で渦中の寿都町長が激白 「4、5年先を考えたら、今から手を打たねば」
野村昌二 2020.10.9 11:30 AERA #AERAオンライン限定

     (片岡春雄・寿都町長(c)朝日新聞社)

 原発の使用済み核燃料から出る高レベル放射性廃棄物、いわゆる「核のごみ」の最終処分場をめぐって、北海道寿都(すっつ)町は、8日、国の選定プロセスの第1段階となる「文献調査」に応募すると発表した。2年間の文献調査で最大20億円の交付金が得られ、地域振興に期待するという。これに先立ち、AERAでは9月24日に片岡春雄・寿都町長にインタビュー。応募の「真意」を尋ねた。

     (【写真】カキの養殖やホッケ漁が盛んな寿都町は
      こんなにも美しい)

*  *  *

――原発の使用済み核燃料から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)最終処分場の文献調査への応募を検討したのはどうしてですか?

 実は昨年まで、さほど関心はありませんでした。寿都町は30年も前から、全国に先駆け風力発電事業を始めた自治体です。そうしたことから、他にも有効活用できるエネルギー政策は何だろうかと、昨年4月から議会や産業団体と一緒にエネルギー全般に関する勉強会を開いていて、その中で出てきたのが核のごみ。当初は関心がなかったのですが、今年になって新型コロナウイルスの感染が広がり、相当長引くと感じました。そうなると、町は、当面は風力発電やふるさと納税の利益で財政がひっ迫することはありませんが4、5年先を考えた時、今から何か手を打っておかないといけない。何ができるか考えた時にタイミング的にも一番よかったのが、今回の文献調査でした。

――核のごみの受け入れについては、いままでどの自治体も手を挙げてきませんでした。それだけ風評被害も含め心配があると思います。

 2007年に高知県の東洋町の町長が思い切って手を挙げると住民の猛反発を受け、結局、出直し町長選で敗れて撤回された。しかし、寿都町は30キロ圏内に泊原発があり、核廃棄物が出ています。この始末をどうするのか。どこかの地域で受け入れなければならないのなら、前向きに議論をするべきではないか、と。

――ということは、核のごみ問題に「一石を投じたい」という思いですか。

 そう。そこが一番です。いきなり最終処分場をつくって核のごみを町に持ってくるという話ではありません。「賛成か反対か」と結論を急ぐのではなく、まず「核のごみとはなんぞや」というところから勉強していきましょうと言っているのです。

――しかし、寿都町の町民有志の団体が8月末に行った署名では、町の人口約2900人の2割に達する695人が応募の撤回を求めました。民意をどう考えていますか。

 署名運動の仕方にもよると思います。「核のごみを持ってくる」と言われたら、「そんなものはいらない」と答えるでしょう。また核のごみがよくわからない中で、あまりにも核のイメージが先行してしまい、みなさん不安に感じるのは当然だと思います。

――専門家の中には、寿都から太平洋側の長万部にかけて延びる黒松内(くろまつない)低地断層帯という活断層の危険性を指摘している人もいます。地震のリスクはどう捉えていますか。

 専門家の方たちは誰も断定的なことは言っていません。活断層の上が危ないのはもちろんですが、そこから離れた場所でも「危ないだろう」と可能性の話をしています。だから私は、活断層から10キロ、20キロ離れた場所はボーリングをして、どういう地層になっているのか調査をします。

――ボーリングの結果、「安全でない」とわかったら、調査は打ち切るということですか?

 当然、できるわけないじゃないですか。いくら国が望んでも最終処分場の建設はストップします。

――途中でストップできるでしょうか?

 国はいつでも止められると言ってくれています。「文献調査」の後に「概要調査」、その次に「精密調査」と3段階あります。その都度、いつでも辞退することができると、国は言ってくれています。「国なんか信用できない」という意見もずいぶんあります。だから私は、梶山弘志経済産業大臣から「市町村長の意に反して第二段階に進まない」という一筆をいただいています。

――では町長自身、仮に寿都町に最終処分場をつくるとなった場合、どうしますか?

 今は結論が出せるわけではない。国が言っている説明が本当で最終処分場は安全なのか。その答えをいま私に求められてもわからない。だから今は、賛成、反対は抜きにして学ぼうと。単純な話なんです。

(構成・文/編集部・野村昌二)

※AERAオンライン限定記事
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●姫野洋三さんの「若狭の海」: 核発電銀座…《地元の人間にしてみれば原発があっても怖いし、なくても怖い》…

2020年08月01日 00時00分33秒 | Weblog


2020年3月の東京新聞の社説【原発銀座の50年 あっても、なくても】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2020033002000107.html)。

 《世界は再生可能エネルギーの時代になった。半世紀-。原発の真の受益者は、地方が送る電気を使い繁栄を謳歌(おうか)してきた都会の電力消費者だった。若狭のような供給地の未来をどうするか。消費者もともに考える時。例えば村本さんの原発ネタが、きっかけになればいい》。

 再度、以下の映像を貼らせていただきます。


【【金子勝の言いたい放題】NO5 世界は電力タダの時代に エネ転が拓く経済転換(飯田哲也さんと) 20191230】
https://www.youtube.com/watch?v=eMDjFFFo3qY&t=186s

 社説を読んで、姫野洋三さんの「若狭の海」を思い浮かべました。

   『●小出裕章さんの謝罪
    「自民党の政治屋の皆さんをはじめとして原発を推進して甘い汁を
     吸ってこられた方に、この講演会の最後…に流された姫野洋三
     「若狭の海」…を聞いてみて欲しい」

   『●第八回竜一忌、涙が出ました:
      松下竜一さん「暗闇の思想」を語る小出裕章さん
    《姫野洋三さんの「若狭の海
     原発のうたは良かったです。
      「夜をあんなにあかるくしといて
       夏をあんなにさむくしといて
       まだまだ 足りないなんて~♪」》

 核発電銀座、「原発銀座」。「血液」の輸「血」と騙されて、《平和利用」に誘われて》「麻薬」中毒に。《原発は『プルトニウムをつくる装置』》(内橋克人さん)であり、《平和利用》な訳もなし。

   『●小出裕章さん、核=原子力は「違憲」という視点
   『●「原子力」と「核」、言葉は違えど「原発=原爆」である
   『●「原子力」は「核」へのポテンシャル
   『●3.11後にヒロシマで原発推進・輸出を語れるその神経……
   『●「核と人類は共存し得ない」
   『●原発マネーに群がる ~読売が最悪~
   『●核・原子力汚染された雑誌群
   『●「原子力は血液」……ではなく、「原子力=核」は「麻薬」
   『●「けん制」? いや、「恫喝」でしょ?
      関西電力八木誠社長が大津地裁と「地元」市民を脅す!
    《美浜原発3号機(福井県)の廃炉を検討していると一部で報じられた
     ことに対しては「検討している事実はない。活用していきたい」と述べた》

   『●関西電力八木誠社長のあの高浜原発:
      「プルサーマル原発」に続き「寿命原発」を動かしたいそうです
   『●烏賀陽弘道さん
      『ヒロシマからフクシマへ原発をめぐる不思議な旅』読了
   『●やはり核発電は「金のなる巨大木」だった…高浜「原発マネー」が
             八木誠会長ら関西電力経営陣個人に見事に《還流》
   『●濁流…《塩浜工業…高浜をはじめ全国の原発で安全対策などの
       工事を受注。玄海での実績は…確認できない》そうだけれど…
   『●東電核発電人災から9年: 金(カネ)色の五つの輪《オリンピック
            聖火リレーを前に「福島はオリンピックどごでねぇ」》
   『●三浦英之記者の質問「今でも『アンダーコントロール』だとお考えで
      しょうか」? アベ様のお答え「…その中で正確な発信をした…」!?

 東京新聞の記事【関電金品受領で役員ら93人処分 経産省に改善計画提出】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/list/202003/CK2020033102000167.html)によると、《金品を受け取った役員ら八十二人の処分も発表、既に発表した岩根茂樹前社長らを含め処分対象者は計九十三人となった。取締役が注意義務を怠り、関電に損害賠償責任を負うかどうかを今後二カ月程度で判断する「取締役責任調査委員会」を同日付で新設した》。
 また、西日本新聞の社説【関電問題報告書 原発動かす資格はあるか】(https://www.nishinippon.co.jp/item/n/596534/)によると、《ひとたび深刻な原発事故が起これば、周辺住民の暮らしはもとより社会全体に壊滅的な影響を与える。東京電力福島第1原発事故で学んだことだ。そんな原発の運転を、こんな組織に任せて大丈夫なのか。関西電力への不信は強まる一方である》。
 凄まじき核マネーの《還流》、そして、有耶無耶にされつつある政治家への「濁流」…「麻薬」中毒な関西電力に、「資格」などあろうはずがない、「大丈夫」な訳がない。

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2020033002000107.html

【社説】
原発銀座の50年 あっても、なくても
2020年3月30日

 <福井県の、ぼく、おおい町出身でね、知ってます? 原発の町、おおい町です>

 時事ネタで人気のお笑いコンビ、ウーマンラッシュアワーの村本大輔さんは、こう切り出した。昨年暮れにフジテレビ系で放映された「THE MANZAI」のひとこまだ。

 <おおい町の隣は、高浜町ね。高浜町には疑惑だらけの高浜原発がありまして、その隣には美浜原発がありまして、その隣には敦賀の『もんじゅ』があったんです。でも、おおい町には夜の七時以降は開いてる店がほとんどない。真っ暗になる。これ叫ばせてください。電気はどこへ行く~

 ここで客席、大爆笑。

 <地元の人間にしてみれば原発があっても怖いし、なくても怖い。あったらあったで地震があったら怖い。なかったらなかったで経済が回らないから怖いですよね>

 ふるさとの本音を代弁するかのようなマシンガントークが続く。客席は何度も笑いに包まれる-。「原発銀座」と呼ばれる福井県の若狭湾沿岸部は、世界に類のない原発の密集地。村本さんが言うように、関西電力大飯高浜美浜日本原子力発電敦賀、そして日本原子力研究開発機構の実験炉「もんじゅ」と「ふげん」-。廃炉が決まったものも含めて、計十五基の原子炉が湾内にひしめく、まさに銀座の様相だ

 ヘリコプターで高度千五百メートルから見下ろした。複雑な海岸線。もやの中、岬の陰に身を隠すように、原子炉が立ち並ぶ。

 美浜、もんじゅ、敦賀の三カ所は、一枚の写真に納まるほどの近さにあった。


◆「平和利用」に誘われて

 原発銀座の一丁目、第一号となる敦賀原発=写真、本社ヘリ「まなづる」から=の運転開始から、今月で五十年が経過した。

 一九五三年、アイゼンハワー米大統領の「アトムズ・フォー・ピース(原子力の平和利用」演説をきっかけに、唯一の被爆国日本にも原子力ブームが巻き起こる

 福井県は五七年、産学官の代表による「福井県原子力懇談会」を組織して原発誘致に乗り出した。

 繊維に代わる新しい“地場産業”がほしかった。太平洋側の発展に「追いつけ追い越せ」の機運もあった。

 核分裂同様、原発立地も連鎖する。原発が立地されると、見返りに電源三法交付金など「原発マネーが流れ込み、庁舎や保養施設のような、立派なハコモノが建設される。それを見て、近隣の自治体が名乗りを上げる。時あたかも高度経済成長期。電力需要も右肩上がり。若狭の浜辺はこうして「原発銀座」になった

 だが、やがて期待はしぼんでいった。元福井県原子力安全対策課長の来馬克美さんは書いている。

 「原子炉建設によって道路などのインフラは整備された。また、建設労働者の流入により、一時的に地域経済が潤いもした。しかし、それは土木建設業界が活躍する建設工事の初期までであり、機器設備類の組立や実際の稼働に入る頃には、原子力発電所建設による利益を受けるのは立地市町周辺に限られることが明らかになっていた」(「君は原子力を考えたことがあるか」)

 立地自治体の住民があまねく恩恵を受けたわけでもない。

 村本さんと同じおおい町に生まれた作家水上勉は、こう書いた。

 「人を信じるしかあるまい。関電の技師さんを信じるしかあるまい。原発の安全は人間を信じることだ。ひとつそれがくずれれば、イカ釣り舟も地獄の宴(うたげ)だ」(「若狭がたり」)。多くの人が不安を押し殺し、原発との共存を自らに強いてきたのではなかったか。

 福島第一原発の事故を境に若狭湾の潮目も変わり、うち続く電力会社の不祥事は、地元との信頼関係に、とどめを刺した感がある。


◆「百年」はあり得ない

 老朽化した敦賀1号機は廃炉が決まり、2号機直下には大地震を起こす恐れのある活断層の存在が指摘されている。3、4号機の建設予定地は更地のままだ。新増設の見込みはない。原発銀座に「百年」はあり得まい。世界は再生可能エネルギーの時代になった

 半世紀-。原発の真の受益者は、地方が送る電気を使い繁栄を謳歌(おうか)してきた都会の電力消費者だった。若狭のような供給地の未来をどうするか。消費者もともに考える時。例えば村本さんの原発ネタが、きっかけになればいい。
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●【2012年3月11日 原発の町・佐賀県玄海町で開かれた「会」】、「明るい未来への道筋 原発興国論!」…核発電「麻薬」中毒

2020年03月15日 00時00分57秒 | Weblog

[※ 関電金品受領問題と玄海町長への現金提供東京新聞 2020年01月23日)↑]



毎日新聞の記事【2012年3月11日 原発の町・佐賀県玄海町で開かれた「会」】(https://mainichi.jp/articles/20200311/k00/00m/040/078000c)の抜粋。
九電やらせメール事件や九電-玄海町ズブズブ関係その他について、2011年12月30日付の西日本新聞の2つの記事【【九電 九州考】(1)の1 やらせ後も「関係」不変】(https://www.nishinippon.co.jp/item/o/16371/)と、
【【九電 九電考】(1)の2 「全戸に100万円配れ」】(https://www.nishinippon.co.jp/item/o/16395/)。

 《東日本大震災から1年となる2012年3月11日九州電力 玄海原発が立地する佐賀県玄海町で、当時の町長を支援する有力者らの定例会が開かれていた。会が始まったのは震災発生時間(午後2時46分)に近い午後3時半。歴代の原発所長らの姿もあり原発推進の資料も配られた。震災から1年のその日は日本全体が追悼ムードに包まれる中、原発の町で定例会はなぜ開かれたのだろうか》。

   『●原発安全神話の「結果」と「未来」
   『●ババをつかまされた!?
   『●第二の突破口
   『●こうしてどんどんと原発廃止・脱原発の外堀が埋められていく
   『●原発関連交付金・固定資産税などで「財政豊かな」玄海町で、
                3.11東京電力原発人災後初の町長選
    《■玄海町長選の顔ぶれ(届け出順)
       岸本英雄 61 〈元〉県議     無現
       中山敏夫 59 〈元〉町議     無新
       山口徳信 63 飲食店経営     無新
          ◇
     〈玄海町と原発マネー〉 町の今年度一般会計予算(歳入)
      約100億円のうち、約7割を玄海原発関連の交付金や
      固定資産税などが占める。町は、財政が豊かなため1995年度から
      地方交付税交付金を受けない、全国でも数少ない自治体
      (不交付団体)になっている…》

   『●「豊かな玄海町」へ: 「原子力郷土の発展豊かな未来」
               「原子力正しい理解で豊かな暮らし」
    「【再稼働積極派の現職が3選 佐賀・玄海町長選】…、
     【佐賀)再稼働推進候補と「ツーツー」 県議会特委委員長】…
     【玄海町長に岸本氏3選 原発論戦は低調】」

   『●核発電所からの「死の灰」最終処分場をどうするのか?、
         を今ごろ考えている「麻薬」中毒患者たちの無責任
   『●濁流…《塩浜工業…高浜をはじめ全国の原発で安全対策などの
      工事を受注。玄海での実績は…確認できない》そうだけれど…
    「岸本英雄氏が3期務めたのち、2018年7月29日に脇山伸太郎氏が
     玄海町長に…」

 原子力郷土の発展豊かな未来」「原子力明るい未来のエネルギー」「原子力正しい理解で豊かな暮らしを崇拝しているような「豊かな玄海町」、原発関連交付金・固定資産税などで「財政豊かな」玄海町、《国策の町》(毎日新聞)。3.11東京電力核発電人災に際しても、揺ぎ無い核発電信奉。あぁ、「心 夢みる アトムの町」玄海町。《仕込み質問》《やらせメール》など、何も体質の変わらない九州電力とズブズブ《ツーツー》でいいの?
 そのわずか1年後、【2012年3月11日 原発の町・佐賀県玄海町で開かれた「会」】にて「明るい未来への道筋 原発興国論!」だったそうですよ。核発電「麻薬」中毒者の救いようのなさ。《それでも、九電と玄海町は変わらない。何事もなかったように-。》(西日本新聞)。

   『●カマトト「九電原発再開賛成やらせメール事件」
   『●ババをつかまされた!?
   『●玄海原発プルサーマル賛成派質問者8人中7人が仕込みだった!
   『●九州電力指定の第三者委員会の報告を否定して、自社の立場を危うく?
   『●なめられたものだし、だらしのないマスコミ報道陣
   『●原発推進やらせ・仕込み: 誤誘導した事実をひっくり返す訳でもなし
   『●九電「原発やらせメ-ル事件」後日譚
   『●自公議員投票の大罪: 「九電元幹部は
       「政治家側から支援を頼んでくるのが昔からの伝統」」
   『●核発電所「地元」としてマトモな反応…九州電力玄海原発
          「再稼働反対は民意。市民の声を代弁している」

 先日の《九州電力玄海原発がある佐賀県玄海町脇山伸太郎町長(63)が初当選直後の二〇一八年七月、福井県敦賀市の建設会社「塩浜工業」側から現金百万円を受け取っていたことが分かった》というニュースに接し、「核発電マネーの濁流の一端が垣間見えます。玄海町長への「お祝い金100万円」ですので、九州電力管内ということになります。九電は「クリーン」なイメージのままいれるでしょうかね?」…という感慨を抱きました。《核発電マネーの濁流の一端》は、東京電力核発電人災後も脈々と。
 毎日新聞の記事【国策の町 玄海原発との半世紀 信念持ち、故郷守る闘い/佐賀】(https://mainichi.jp/articles/20200302/ddl/k41/040/127000c)によると、《「難しいよ、その答えは」。九州電力玄海原発が立地する玄海町で半世紀以上、反原発運動を続けてきた元住職の仲秋喜道(90)は珍しく返答に迷った。町長の脇山伸太郎(63)が福井県敦賀市の建設会社から現金100万円を受領し、記者会見で謝罪した翌日の1月24日。町役場1階ロビーで、「このような問題が起きる玄海町とはどういう町か」と尋ねた時だった。仲秋はすぐに続けた。「複雑怪奇な町ですよ。原発もそうだけど、分からないことだらけですよ。だって隠したり嘘(うそ)を言ったりするんだから、本当難しいですよ」》。
 もう一つの記事【玄海町、新年度当初予算案 総額72億8500万円/佐賀】(https://mainichi.jp/articles/20200307/ddl/k41/010/225000c)によると、《玄海町は6日、総額72億8500万円の2020年度一般会計当初予算案を発表した。町内に立地する九州電力玄海原発で稼働に必要な安全対策などにより固定資産税収入が約30億円前年度比約10億増)となる見通しで、一般会計の総額は19年度比13・6%増。歳入のうち電源立地地域対策交付金など原発関係が占める割合は約62%となる。予算案や条例案など29議案を9日開会の定例町議会に提出する。新規事業では、町内の薬草園で栽培する甘草などの商品を販売する「地域総合商社」を設立する設計費に約3700万円を計上した。20年度中には株式会社として商品販売を始めたいとしている》。
 《九州最初の「原子の火」がともった1975年以来、玄海町に注がれた「原発マネー」は国の電源立地交付金だけで計265億円。さらに九電は独自にカネも人も費やし、地元対策に膨大なエネルギーを注いできた》(西日本新聞)。

   『●自公議員投票の大罪: 「九電元幹部は「政治家側から
                支援を頼んでくるのが昔からの伝統」」
   『●核発電は「金のなる巨大木」…《自民党の最近のルールは
      「返せば問題ない」と、なかったことにできるというもの》
    「《還流》だけでなく、自民党やお維のセンセ方への「濁流」も、
     各党で調べた方がよくはないのかな? 他の電力会社も、特に
     九州電力は「クリーン」なのでしょうかね? ウルトラ差別主義者
     副首相と浅からぬ関係ですけど。

   『●《稲田朋美…世耕弘成…安倍側近が…関電受注企業から献金…
        証人喚問を含め、国会の場で徹底的に調査するほかない》
   『●「桜を見る会」税金接待というアベ様模倣犯・世耕弘成経産相
         …関西電力〝濁流〟問題でも《関電受注企業から献金》

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https://mainichi.jp/articles/20200311/k00/00m/040/078000c

2012年3月11日 原発の町・佐賀県玄海町で開かれた「会」
会員限定有料記事 毎日新聞 2020年3月11日 12時00分(最終更新 3月11日 12時13分)

     (九州電力玄海原発=佐賀県玄海町で2016年11月6日、
      本社ヘリから津村豊和撮影)

 東日本大震災から1年となる2012年3月11日九州電力 玄海原発が立地する佐賀県玄海町で、当時の町長を支援する有力者らの定例会が開かれていた。会が始まったのは震災発生時間(午後2時46分)に近い午後3時半。歴代の原発所長らの姿もあり原発推進の資料も配られた。震災から1年のその日は日本全体が追悼ムードに包まれる中、原発の町で定例会はなぜ開かれたのだろうか。

 2枚の写真がある。1枚目には、スーツ姿の男性18人が前後2列に並ぶ。10人並んだ後列の右から4人目には当時の玄海町長、岸本英雄さん(66)が笑顔を見せていた。後方の横断幕には「平成24年3月 11日会 第500回記念大会」と書かれている。写真は、岸本さんを父親の代から応援する町の有力者が毎月集う「11日会」が、500回目を迎えたことを記念する大会の様子だった。

 写真は参加者のうちの一人から入手した。複数の出席者によると、記念大会は町民会館で午後3時半~同5時まで開かれたという。同じ日の午前中には元住職の仲秋喜道さん(90)らが参加した原発反対集会が町内であった。それとは対照的に、講演会などがあった記念大会には町の商工会や漁業、旅館関係者らが集まり「明るい未来への道筋 原発興国論!」と題する資料が配られたという。

 「覚えていない」。岸本さんをはじめ、写真に写る県職員や歴代の玄海原発所長らは記念大会のことを聞くと口を閉ざ………。
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https://www.nishinippon.co.jp/item/o/16371/

【九電 九州考】(1)の1 やらせ後も「関係」不変
2012/7/4 2:02

     (町内にさしかかる場所に立つ佐賀県玄海町の標識。
      「心 夢みる アトムの町」とある)

 窓から唐津湾に浮かぶ島々の明かりが見える。

 佐賀県唐津市の海沿い、唐津城近くにある武家屋敷風の老舗割烹(かっぽう)。昼の会席料理でさえ5千円以上という高級店で開かれる忘年会に、今年もほぼ同じ顔触れが集まった。


 「ご迷惑をおかけしております」

 頭を下げたのは九州電力玄海原子力発電所の所長。目の前には、玄海町の岸本英雄町長らがいた。22日夜。九電の真部利応社長が辞任の意向を表明する4日前のことだ。

 出席者は、九電側が玄海原発所長、次長ら幹部玄海町側は町長、副町長のほか、町議のほぼ全員が顔をそろえた

 「(原発が)全部停止したら、ヒマになるやろ」「いやいや、忙しいんですよ」。そんな軽口が飛ぶ。2階の座敷には、玄界灘の海の幸をふんだんに使った和食や酒が運ばれた。

 支払いについて出席した町議の一人は「九電持ちだった」。町幹部は取材に「自分はよく分からない」と言葉を濁した。

 東北地方を大地震と大津波が襲い、福島第1原発事故が起きた。九州では「やらせメール」問題が発覚し、原発再稼働の是非を判断する立地先自治体と、電力会社の「不透明な関係」が列島中から痛烈に批判された。

 それでも、九電と玄海町は変わらない何事もなかったように-。町幹部は淡々と話した。「意見交換は大事だし、毎年恒例ですから」

 九州最初の「原子の火」がともった1975年以来、玄海町に注がれた「原発マネー」は国の電源立地交付金だけで計265億円。さらに九電は独自にカネも人も費やし、地元対策に膨大なエネルギーを注いできた。

 その「原点」は30年ほど前にさかのぼる。

 玄海原発に3、4号機を増設したい-。78年末、九電は佐賀県と玄海町に正式に申し入れた。

 出稼ぎ者が年間500人に上り、「陸の孤島」とも呼ばれた玄海町にとって原発は地域浮揚の切り札だった。だが79年の米スリーマイルアイランド原発事故を機に一気に空気が変わる。反対する農協青年部を中心に町を二分する町長リコール運動に発展し、九電は「一大危機に立たされた」(『九州電力三十年史』より)。

 反対派が集めた署名は29人分足りず、リコールは不発に終わる。が、九電の永倉三郎社長(当時)は「一から出直す」と宣言したという。

 リコールに署名した農業男性は思い返す。「あの反対運動が転機。九電は、町のすみずみまで目配りが必要と感じたんじゃないか」

 そのころについて取材するうちに、驚くべき事実を語る町幹部に出会った。反対運動を抑えるために、地権者や漁業者への補償とは別に、全世帯にくまなく100万円をばらまく-。そんな計画が画策されたというのだ。「当時の町長と九電が相談して決めた話です」と町幹部は証言する。

 1戸100万円ずつもらえるらしか」「よかったねぇ」-。80年代初頭、20代だった町民の男性は、そんな会話が交わされたのを覚えている。「九電のカネという意識はなかったけどね」

   *   *

 地域に独占的に電気を供給し、九州経済に大きな力を振るってきた九州電力が、やらせ問題で揺れている。九電、そして九州は今後、どう変わるべきなのか考える。

=2011/12/30付 西日本新聞朝刊=
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https://www.nishinippon.co.jp/item/o/16395/

【九電 九電考】(1)の2 「全戸に100万円配れ」
2012/7/3 20:44

     (玄海原発にほど近い値賀神社。本堂そばの改築記念碑には
      無病息災、家内安全と並び、「原発の安定安全運転を願い」
      と記されている 佐賀県玄海町)

 全世帯に100万円ずつ配る-。1970年代末、動きだした九州電力玄海原子力発電所の3、4号機増設計画をめぐり、佐賀県玄海町内の反対運動を封じるために浮上した前代未聞のもくろみは、実現はしなかった。「町民に直接配ると7割以上が税金にとられる。それでは町民に実益がないから」(町幹部)という理由からだった。

 九電は代わりに町に計30億円を寄付する。83年に20億円、84年に10億円。町はこのうち町役場建設費10億円などを除いた17億円を基金に積み立てた。1戸100万円換算で26の自治会に割り振り、今も公民館建設や自治会費に使われている

 反対運動という洗礼を浴びた九電は震災後も、地元対策に余念がない

 10月16日午後、玄海原発に近い値賀神社の境内にカラオケの歌声が響いた。約200人が集まった例祭に、発電所幹部ら九電社員の姿もあった。

 「九電の方から『参加させてくれ』と言ってきて以来、春秋の祭りには必ず来る」(地区の住民)。宮司が唱える祝詞には「原発の安全祈願」も含まれている。社員は午前中の神事から参加。境内にござを敷いて行われた宴会では、酔った社員が立ちあがって踊った。

 今春、町議の一人は知人から就職先について相談を受け、九電社員に電話をかけた。「履歴書を用意してください」。社員はほどなく書類を受け取りに現れた。試験を受けた上、知人が希望した九電のグループ会社の内定が出た。

 「現場の社員は一生懸命だ」。多くの町民が話す。

 それでも九電は警戒を緩めていない。

 地元対策に関わってきた九電社員は、地元の飲み屋に通う。社名は明かさず、カウンターで隣り合った客と雑談する。「欲しいのは情報議員の背後に誰がいるか、地域の人間関係はどうか…

 玄海原発が仮に来年再稼働すれば、2014年にも、使用済み燃料の貯蔵量が満杯になる。九電にとって中間貯蔵施設の確保は喫緊の課題だ。昨春、真部利応社長は「今後1、2年後には方向性を出す」と述べている。

 福島第1原発事故で、立地自治体が危険にさらされる様を目の当たりにした。町内に「原発は怖い」という声がないわけではない。だが、町幹部は「中間貯蔵施設は『貸倉庫』みたいなもの。いずれ時期が来れば…」と将来の誘致をほのめかす

 震災後も、揺るぎない九電と地域の関係。それは九電が長年の地元対策で築き上げた成果なのだろう。しかし、過信もにじむ。やらせ問題とその後の迷走は、自分たちは大抵のことをやっても、地域はきっと理解してくれるというおごりが招いたのではないか。

 盤石に見える九電と地域にほころびも透ける。

 2005年末。佐賀県唐津市のホテルでプルサーマルに関する討論会が開かれた。玄海原発の関連会社に勤めていた町民男性は、顔なじみの九電社員が挙手し、素人のような顔で仕込み質問」するのを目の前で見た。

 当時は「サクラや」と笑って済ませた。その後やらせメールまで発覚し、けじめをつけられない経営陣を見せつけられた今は違う。「ごまかしはいかん。やっぱ九電は変わってもらわな」

=2011/12/30付 西日本新聞朝刊=
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●伊方原発3号機、広島高裁(森一岳裁判長)が運転差し止めの仮処分決定…種々の問題に加えて《約10秒》《2~3秒》全電源喪失

2020年01月28日 00時00分17秒 | Weblog

[『原発に挑んだ裁判官』(磯村健太郎・山口栄二) 朝日新聞出版(https://publications.asahi.com/ecs/detail/?item_id=21028)↑]



東京新聞の記事【MOX燃料取り出し完了 伊方3号機】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/202001/CK2020011602000246.html)。
琉球新報の【<社説>伊方差し止め 原発ゼロへ転換すべきだ】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1059877.html)。
東京新聞の社説【伊方差し止め 過小評価は許されない】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2020012102000163.html)。
アサヒコムの記事【伊方原発で電源一時喪失 定期検査見合わせ、原因調査へ】(https://www.asahi.com/articles/ASN1V03K2N1TPFIB007.html?iref=comtop_8_04)。

 《プルサーマル発電で使い終わったプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料十六体の取り出しを十五日午後七時二十六分に完了…政府や電力会社は、使用済みのウラン燃料を化学的に処理(再処理)し、プルトニウムを取り出し再利用する「核燃料サイクル」の一環として、普通の原発でMOX燃料を燃やすプルサーマルを推進している。使用済みMOX燃料も再利用する構想だが、再処理できる施設が国内になく搬出先は未定。四国電は当面、原発内のプールに保管する》。
 《四国電力伊方原発3号機(愛媛県伊方町)について、広島高裁が運転を認めない仮処分決定をした。伊方3号機の運転を禁じる司法判断は、2017年の広島高裁仮処分決定以来2回目だ。再び出た差し止め決定を業界や政府は重く受け止めるべきである》。
 《四国電力伊方原発3号機の運転差し止めを認めた広島高裁の決定は、原子力規制委員会審査姿勢に疑問を投げかけた。本当に、住民の安全最優先の審査をしているか》。
 《四国電力は25日、伊方原発(愛媛県伊方町)への外部からの電力供給が止まり、電源を一時喪失するトラブルがあったと発表した。すぐ回復し、放射能漏れなどもなかったという》。

 「原発は『プルトニウムをつくる装置』」と「閉じない環」。使用済みのMOX燃料の処理・処分、保管場所さへ決まっていない。一体、何年間保管しなければいけないのか…。何世代にわたり、子孫に保管させるつもり?



 《日本一細長い佐田岬半島の付け根に位置する伊方原発は、周辺住民にとって、“日本一避難しにくい原発》。広島高裁(森一岳裁判長)が運転差し止めの仮処分決定の判断を下した。《地震や噴火によるリスクが疑われる限り、司法も「安全」を最優先に判断を下すべきではないか。「疑わしきは住民の利益」であるべきだ》。
 広島高裁の森一岳裁判長は、《だが高裁は「敷地2キロ以内にある中央構造線自体が横ずれ断層である可能性は否定できない」ことを根拠に挙げ、「四国電は十分な調査をしないまま安全性審査を申請し、規制委も問題ないと判断したが、その過程は過誤ないし欠落があった」と指摘》した。また、《だが今回は「破局的噴火に至らない程度の噴火も考慮すべきだ」として、その場合でも噴出量は四国電想定の3~5倍に上り、降下火砕物などの想定が過小だと指摘した。それを前提とした規制委の判断も不合理だと結論付けた》。

   『●核発電の「高裁レベルでの運転差し止め判断は初めて」
              …その先には腐敗した司法の大きな壁が…
    《国の原発政策に一石を投じるか――。13日、広島高裁が四国電力
     伊方原発3号機(愛媛県伊方町)の運転を差し止める命令を出した。
     高裁レベルでの運転差し止め判断は初めてだ》
    「核発電の「高裁レベルでの運転差し止め判断は初めて」…
     その先には最「低」裁を頂点とした司法の大きな壁が待ち受けている。
     《脱原発ドミノが始まるのか》どうかは、まだまだ未定」

   『●「日本一細長い佐田岬半島の付け根に位置する伊方原発は、
          周辺住民にとって、“日本一避難しにくい原発”」
    「アベ様政権に忖度し、司法判断を放棄した政治判断…捏造された
     「社会通念」で核発電所再稼働を容認。2017年12月、
     折角の広島高裁・野々上友之裁判長の「司法判断」だったのですが、
     2018年10月、1年を待たずして同じ広島高裁・
     三木昌之裁判長の「政治判断」で、あの伊方原発の再稼働に向けての
     デタラメ判決が下されていました」

 オマケに全電源喪失、《約10秒》《2~3秒》とはいえブラックアウト。絶対に起きないと言い続けていた想定不適当事故がこうもやすやすと起こっているんですが?

 《政府は依然、原発を重要なベースロード電源と位置付け、2030年度に電源構成に占める割合を20~22%に引き上げる計画だ。脱原発を求める国民世論とは大きな乖離があり、再生可能エネルギーを拡大させている世界の潮流からも取り残されつつある》。あぁ、救いようのない国だ。

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/202001/CK2020011602000246.html

MOX燃料取り出し完了 伊方3号機
2020年1月16日 夕刊

 四国電力は十六日、定期検査中の伊方原発3号機(愛媛県伊方町)で、プルサーマル発電で使い終わったプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料十六体の取り出しを十五日午後七時二十六分に完了したと発表した。四国電によると、本格的なプルサーマル発電でMOX燃料を取り出したのは全国初。MOX燃料は三月、新たに五体装填(そうてん)する予定。

 四国電は十三日午後九時ごろから全体の燃料取り出しを始め、一体目のMOX燃料の取り出しは同午後十一時五十七分に終えた。ウラン燃料を含む原子炉内全ての燃料百五十七体の取り出し完了は十六日午前十時十六分。

 政府や電力会社は、使用済みのウラン燃料を化学的に処理(再処理)し、プルトニウムを取り出し再利用する「核燃料サイクル」の一環として、普通の原発でMOX燃料を燃やすプルサーマルを推進している。使用済みMOX燃料も再利用する構想だが再処理できる施設が国内になく搬出先は未定四国電は当面、原発内のプールに保管する

 燃料取り出しは昨年十二月二十六日からの定検の一環で、今月十三日午前零時ごろからの予定だった。だが十二日の取り出し準備作業中、原子炉容器上部の装置を引き上げようとした際、制御棒一体が一緒につり上がり、原子炉から約七時間引き抜かれるトラブルがあり遅れた。

 三月二十九日に送電を開始し、四月二十七日に営業運転に入る計画だったが、トラブルが影響する可能性もある。
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https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1059877.html

<社説>伊方差し止め 原発ゼロへ転換すべきだ
2020年1月20日 06:01

 四国電力伊方原発3号機(愛媛県伊方町)について、広島高裁が運転を認めない仮処分決定をした。伊方3号機の運転を禁じる司法判断は、2017年の広島高裁仮処分決定以来2回目だ。再び出た差し止め決定を業界や政府は重く受け止めるべきである。

 今回主な争点となったのは、耐震設計の目安となる地震の揺れ(基準地震動)や、約130キロ離れた熊本県・阿蘇カルデラの火山リスクに関する四国電や原子力規制委員会の評価の妥当性だった。

 地震に対する安全性について四国電は、伊方原発がある佐田岬半島北岸部に活断層は存在せず、活断層が敷地に極めて近い場合の地震動評価は必要ないと主張していた。

 だが高裁は「敷地2キロ以内にある中央構造線自体が横ずれ断層である可能性は否定できない」ことを根拠に挙げ、「四国電は十分な調査をしないまま安全性審査を申請し、規制委も問題ないと判断したが、その過程は過誤ないし欠落があった」と指摘した。

 火山の危険性を巡っては、最初の禁止判断となった17年の仮処分決定は阿蘇カルデラの破局的噴火による火砕流到達の可能性に言及したが、その後の原発訴訟などでリスクを否定する判断が続いた。

 だが今回は「破局的噴火に至らない程度の噴火も考慮すべきだ」として、その場合でも噴出量は四国電想定の3~5倍に上り、降下火砕物などの想定が過小だと指摘した。それを前提とした規制委の判断も不合理だと結論付けた。

 東京電力福島第1原発事故で得られた教訓は「安全に絶対はない」という大原則だ。最優先されるべきは住民の安全であり、災害想定の甘さを批判した今回の決定は当然である。

 四国電は「極めて遺憾で、到底承服できない」と反発し、不服申し立てをする方針を示した。政府も原発の再稼働方針は変わらないとしている。だがむしろ原発ありきの姿勢を改める契機とすべきだ。

 共同通信の集計によると原発の再稼働や維持、廃炉に関わる費用の総額は全国で約13兆5千億円に上る。費用はさらに膨らみ、最終的には国民負担となる見通しだ。原発の価格競争力は既に失われている。電力会社には訴訟などの経営リスクも小さくない。

 一方、関西電力役員らの金品受領問題では原発立地地域に不明瞭な資金が流れ込んでいる実態が浮かび上がった。原発マネーの流れにも疑念の目が向けられている。

 政府は依然、原発を重要なベースロード電源と位置付け、2030年度に電源構成に占める割合を20~22%に引き上げる計画だ。脱原発を求める国民世論とは大きな乖離(かいり)があり、再生可能エネルギーを拡大させている世界の潮流からも取り残されつつある

 政府や電力業界は原発神話の呪縛からいい加減抜け出し、現実的な政策として原発ゼロを追求すべきである。
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2020012102000163.html

【社説】
伊方差し止め 過小評価は許されない
2020年1月21日

 四国電力伊方原発3号機の運転差し止めを認めた広島高裁の決定は、原子力規制委員会の審査姿勢に疑問を投げかけた。本当に、住民の安全最優先の審査をしているか。これを機に自問を求めたい。

 争点は活断層と火山噴火。キーワードは「過小評価」だ。

 原発の沖合六百メートルを走る佐田岬半島沿岸の中央構造線(地質境界)が、大地震を引き起こす恐れのある活断層か、そうではないか。

 今回の即時抗告審の一審に当たる山口地裁岩国支部は「海上音波探査を行い、活断層がないことを確認済み」とする四国電力側の主張をいれて、運転差し止めの申し立てを退けた。

 しかし、広島高裁は「現在までのところ(十分な)探査がなされていないために活断層と認定されていない」という国の地震調査研究推進本部の長期評価をもとに、「中央構造線自体が活断層である可能性は否定できない」とした。

 阿蘇山の巨大噴火による影響に関しても、評価は「過小」と言い切った

 にもかかわらず、「問題なし」とした原子力規制委員会の判定を、高裁は「その過程に過誤ないし欠落があったと言わざるを得ない」と厳しく批判した。

 電力事業者側の調査データに多くを依存する規制委の審査の在り方に、司法が疑問を投げかけたとも言えるだろう。

 決定が出た十七日は、阪神大震災からちょうど二十五年に当たる日だった。当時は「関西で大地震は起きない」と言われていたのに、起きた。大地震のたびに新たな活断層が“発見”されている。

 一昨年九月の北海道地震のように、近くを走る断層帯との関連性が定かでないような地震もある。

 日本は地震列島。いつ、どこでどんな地震が起きてもおかしくない。こと自然災害に関しては、過大評価とみられるくらいでちょうどいい。過小評価に陥ることを懸念する司法からの警告を規制委も重く受け止めるべきではないか。

 四国電力が不服を申し立てれば、同じ高裁の別の裁判官に判断を委ねることになる。

 伊方原発再稼働の是非に関しては、これまでも判断が分かれており、そのこと自体はやむを得ないだろう。

 だが、地震や噴火によるリスクが疑われる限り、司法も「安全」を最優先に判断を下すべきではないか。「疑わしきは住民の利益」であるべきだ。
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https://www.asahi.com/articles/ASN1V03K2N1TPFIB007.html?iref=comtop_8_04

伊方原発で電源一時喪失 定期検査見合わせ、原因調査へ
2020年1月26日 0時40分

     (四国電力伊方原発3号機(上)=愛媛県伊方町、本社ヘリから)

 四国電力は25日、伊方原発(愛媛県伊方町)への外部からの電力供給が止まり、電源を一時喪失するトラブルがあったと発表した。すぐ回復し、放射能漏れなどもなかったという。昨年末に3号機が定期検査入りした後、トラブルが相次いでいるため、四電は定期検査を当面見合わせ、トラブルの原因究明などにあたるとしている。

 四電によると、電力供給が止まるトラブルは25日午後3時44分、高圧送電線の装置交換作業中に発生。予備系統の送電線に切り替えたり、非常用ディーゼル発電機からの送電を始めたりしたが、3号機は10秒、四電が廃炉を決めている1号機と2号機は2~3秒電源を喪失した。原因は不明という。

 伊方原発では12日、3号機で核燃料を原子炉から取り出す作業の準備中、核分裂反応を抑える制御棒1本を誤って引き上げるミスが発生。20日にも、プールに保管中の燃料を点検用ラックに入れる際、ラックの枠に乗り上げるトラブルがあった。

 愛媛県は「看過できない事態と受け止めており、今後厳しく対応していきたい」としている。
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●やはり核発電は「金のなる巨大木」だった…高浜「原発マネー」が八木誠会長ら関西電力経営陣個人に見事に《還流》

2019年09月28日 00時00分35秒 | Weblog

元福井県高浜町助役から関西電力側への資金提供のイメージ東京新聞2019年9月27日)↑]



東京新聞の二つの記事【原発マネー還流か 関電会長らに1.8億円 福井・高浜町元助役から】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201909/CK2019092702000131.html)と、
【関電20人、3.2億円受領 原発マネー「還流認識ない」】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201909/CK2019092702000283.html)。

 《関西電力八木誠会長(69)や岩根茂樹社長(66)、豊松秀己元副社長(65)を含む役員ら六人が二〇一七年までの七年間に、関電高浜原発が立地する福井県高浜町の元助役森山栄治氏(今年三月に九十歳で死亡)から、計約一億八千万円の資金を受け取っていた…森山氏は原発関連工事を請け負う地元建設会社から約三億円を受領していたことも判明。国税局に対し、関電側への資金提供について「お世話になっているから」と説明しており、工事費として立地地域に流れた「原発マネー」が経営陣個人に還流した可能性がある》。

   『●砂上にペラペラの壁を造ってまでも再稼働したくなる
              浜岡原発という「金のなる巨大木」
    「東京新聞の3つの記事、森本智之記者による【「中部電
     浜岡地元に30億円」 住民組織にも原発マネー】…、
     小沢慧一・森本智之・勝間田秀樹記者による【浜岡地元に
     30億円 住民側リーダーの故鴨川源吉さん 
     原発受け入れ晩年まで自問】…、
     夏目貴史記者によるインタビュー【浜岡原発停止5年 
     御前崎前市長・石原茂雄さん「金なる木 甘えあった」】」
    「地元の住民組織にまで「麻薬」が配られていたそうです。
     中部電力と「なれ合って」いた訳です。おカネは何に使われて、
     どこに消えたのでしょうね。唖然とします。
      核発電所立地の地元民までが、砂上にペラペラの壁を造って
     までも再稼働したくなる訳です。核発電「麻薬」中毒患者が実り、
     3.11人災のような、そして、地域の分断のような「悲劇」が
     実る「金のなる巨大木」だったようです。」

 やはり核発電は「金のなる巨大木」のようです。浜岡原発に絡んで、中部電力から住民組織「佐倉地区対策協議会(佐対協)」に流れた原発マネーはどこに消えたのか不思議でした。政治家に流れたのか…? 
 しかし、今回は、高浜「原発マネー」が八木誠会長ら関西電力経営陣個人に明確に、見事に《還流》されています。驚きです。「原発マネー」をお返しすれば済む、という単純な話ではないでしょう。

   『●原発マネーに群がる ~読売が最悪~
   『●核・原子力汚染された雑誌群
   『●「原子力は血液」……ではなく、「原子力=核」は「麻薬」
   『●「けん制」? いや、「恫喝」でしょ?  
      関西電力八木誠社長が大津地裁と「地元」市民を脅す!
    《美浜原発3号機(福井県)の廃炉を検討していると一部で報じられた
     ことに対しては「検討している事実はない。活用していきたい」と述べた》

   『●関西電力八木誠社長のあの高浜原発: 
      「プルサーマル原発」に続き「寿命原発」を動かしたいそうです

 関西電力八木誠会長は電気事業連合会電事連)の会長を、2011年4月~2016年6月の間、勤めています。知らなかったのですが、現在の電事連の会長は岩根茂樹社長。
 ウィキペディアの電気事業連合会の項に以下の記述があります: 「福島第一原子力発電所事故が発生した2011年、東京電力から連合会宛に年会費として18億円が支払われていた事が判明した(同時期には公的資金での財政支援が行なわれている)が、納入された会費の具体的使途を連合会は開示していない…東電、電事連へ会費18億円 11年度、料金に上乗せ 朝日新聞デジタル2013年3月31日」。
 下記ブログの通りです。

   『●東京電力原発人災が続くさ中に「会費」なるものを
                 払うというその無神経さ

 《関電の岩根茂樹…「常識の範囲を超える金品は受け取りを拒んだり、返却を試みたりしたが、強く拒絶されたため一時的に個人の管理下で保管していた」と説明。…岩根社長は会見で原子力事業に影響が出るのではないかとためらい返せなかったと話した》…一体、どんな言い訳なのでろう。唖然とする。
 《菅原一秀経済産業相は二十七日の閣議後会見で「事実であれば極めて言語道断ゆゆしき事態だ。事実関係を徹底解明して、厳正に処する」》そうだが、どこまで本気なのか。結果が見ものだ。

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201909/CK2019092702000131.html

原発マネー還流か 関電会長らに1.8億円 福井・高浜町元助役から
2019年9月27日 朝刊



【元福井県高浜町助役から関西電力側への資金提供のイメージ
 (https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201909/images/PK2019092702100052_size0.jpg)】

 関西電力八木誠会長(69)や岩根茂樹社長(66)、豊松秀己元副社長(65)を含む役員ら六人が二〇一七年までの七年間に、関電高浜原発が立地する福井県高浜町の元助役森山栄治氏(今年三月に九十歳で死亡)から、計約一億八千万円の資金を受け取っていたことが、金沢国税局の税務調査で分かった。複数の関係者が共同通信の取材に明らかにした。

 森山氏は原発関連工事を請け負う地元建設会社から約三億円を受領していたことも判明。国税局に対し、関電側への資金提供について「お世話になっているから」と説明しており、工事費として立地地域に流れた「原発マネー」が経営陣個人に還流した可能性がある。

 関電広報室は二十六日夜、社内に調査委員会を設置して調べたとし「現時点では儀礼の範囲内以外のものは既に返却を完了した」とコメントした。

 八木会長は取材に「森山さんは地元の有力者で、原子力に対しても理解のある方。そういう意味でお付き合いがあった」と述べた。資金の授受については「広報に聞いてほしい」と繰り返した。岩根社長は「中元とか歳暮はあった。通常の付き合い以上のものはいけないという認識でお返しした」と話した。

 森山氏は一九七七~八七年、高浜町助役を務めた。

 複数の関係者によると、金沢国税局は昨年一月、高浜原発や大飯原発(福井県おおい町)の関連工事を請け負う高浜町の建設会社への税務調査に着手。この会社から工事受注に絡む手数料として森山氏へ約三億円の資金が流れていることが確認された。さらに森山氏の税務調査を進めると、森山氏が関電役員ら六人の個人口座に送金したり、現金を入れた菓子袋を関電側に届けたりしていたことが判明。総額は七年間で約一億八千万円に上る

 工事経歴書によると、高浜町の建設会社は一五~一八年、原発関連工事を少なくとも二十五億円受注していた。

 森山氏は、受け取った約三億円を所得として申告していなかったため、金沢国税局は申告漏れを指摘し、追徴課税した。
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201909/CK2019092702000283.html

関電20人、3.2億円受領 原発マネー「還流認識ない」
2019年9月27日 夕刊

      (厳しい表情で記者会見する関西電力の岩根茂樹社長
       =27日午前、大阪市で)

 関西電力の八木誠会長(69)を含む役員ら六人が関電高浜原発が立地する福井県高浜町の元助役の故森山栄治氏(今年三月に九十歳で死亡)から多額の金品を受領していた問題を受け、関電の岩根茂樹社長(66)が二十七日、大阪市の本店で臨時の記者会見を開き「二〇一一年からの七年間で二十人が計三億二千万円を受け取っていた」と明らかにした。辞任は否定した。

 「常識の範囲を超える金品は受け取りを拒んだり、返却を試みたりしたが、強く拒絶されたため一時的に個人の管理下で保管していた」と説明。既に自身と八木会長は報酬減の処分を受けたとし「それ以外の処分人数と内容は差し控える」と語った。

 「調査の結果、見返りとなるような行為はなかった。(原発関連工事費が経営陣に還流したという認識はない」「(工事の)発注プロセスに問題がない」と強調した。

 菅原一秀経済産業相は二十七日の閣議後会見で「事実であれば極めて言語道断ゆゆしき事態だ。事実関係を徹底解明して、厳正に処する」と述べた。同日午前に関電側から事情を聴いていることも明らかにした。

 関係者によると、森山氏への金沢国税局による税務調査の過程で六人は一七年までの七年間に計約一億八千万円を受領していたことが確認された。四人は調査が始まった昨年、すぐに全部や一部の返還を始めた。ただ、受領から既に相当の期間が経過し、自身の所得に当たるとみなされる可能性があったため、自主的に雑所得として税務申告もした。

 岩根社長は会見で原子力事業に影響が出るのではないかとためらい、返せなかったと話した。

 関係者によると、国税局は税務調査の結果、森山氏が高浜原発などの関連工事を請け負う高浜町の建設会社から、工事受注に絡む手数料名目で約三億円を受領していたことをつかんだ。さらに調査を進め、森山氏から関電役員ら六人への資金の流れを確認したという。

 資金は個人口座に送金したり、現金入りの菓子袋を届けたりして関電側に渡したとされる。森山氏は国税局に「関電にはお世話になっているから」と説明したという。

 工事経歴書によると、高浜町の建設会社は一五~一八年、原発関連工事を少なくとも二十五億円受注原発関連の工事費として立地地域に流れた原発マネーが経営陣個人に還流した可能性がある。

     ((左)故森山栄治氏(右)八木誠会長)


◆社長一問一答「関係悪化恐れた」

 岩根茂樹関西電力社長の二十七日午前の記者会見での一問一答は次の通り。

 -金品受領の概要を。
 「二十人が計三億二千万円を受け取っていた。報酬減の処分を受けている」

 -社長の責任は。
 「会社として対処すべきものが個人の管理となっており、トップのリーダーシップの問題を感じている」

 -社長や(岩根氏が務める)電気事業連合会会長職の辞任は。
 「再発防止を行うことで責任を全うする」

 -金品の原資への認識は。発注した原発工事の資金が還流したのか。
 「そのような認識はない」

 -背広券を使ったとの話もある。
 「儀礼的なもので返却できていないものはある」

 -福井県高浜町の元助役の故森山栄治氏から金品を拒めなかった理由は。
 「地元の有力者で、地域調整の観点でお世話になっている。先方も厳しい態度で返却を拒まれたので関係悪化を恐れた」

 -岩根社長自身が金品を受け取った状況は。
 「社長就任後に本社にごあいさつに来られた。原子力事業運営と地域に関して話した後、直接受け取った。役員から高額なものかもしれないと言われ別に管理した」

 -税務調査前に返す努力はしたか。
 「私が直接ではないが、社としては試みた」

 -東日本大震災後の節電時期も金品を受け取っていた。
 「原子力の信頼を回復する必要がある時で、心よりおわびする」

 -元助役が、原発関連工事を請け負う建設会社と関連している認識はあったか。
 「認識はあった
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●「日本一細長い佐田岬半島の付け根に位置する伊方原発は、周辺住民にとって、“日本一避難しにくい原発”」

2018年12月03日 00時00分51秒 | Weblog


東京新聞の社説【伊方原発容認 安全神話の復活なのか】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2018111702000137.html)。

 《噴火も地震も取るに足らない、避難計画は不完全でもいいと言うのだろうか。四国電力 伊方原発の運転差し止めを求める住民の訴えを司法はまたもや退けた安全神話の亡霊を見る思いである》

 司法も核発電「麻薬」中毒…「伊方原発は、日本一細長いという佐田岬半島の付け根にあり、その西の海側には約五千人が暮らしている」というのに。高松高裁の神山隆一裁判長は、《日本一避難しにくい原発》に、再稼働をお墨付き。

   『●「原発さえなければ…」:  
       それでも川内原発や伊方原発を再稼働したいの?
   『●「伊方原発は、日本一細長いという佐田岬半島の
      付け根にあり、その西の海側には約五千人が暮らしている」
    「狂気としか言いようがない……《伊方原発は、日本一細長い
     という佐田岬半島の付け根にあり、その西の海側には
     約五千人が暮らしている》。こんなところで一体どんな
     避難計画を作り得るのか? そんな《住民避難計画を了承》した
     そうです。再稼働するためなら、何でもやる「麻薬」患者たち。
     カネの亡者。
      《安倍晋三首相は「万一事故があった場合は政府として責任
     持って対処する」と強調》……このバカ発言を見て下さい! 
     東京電力原発人災に一切の「責任」を負わず、いまも無策・無責任に
     汚染水を垂れ流し続けているアベ様ら自公議員たちの酷さ。
     それを「信頼」したふりをする「地元」首長・議員たち。
     言っちゃぁ悪いが、頭の回路が切れているとしか思えません」

   『●四国電力がそんな破滅的な思考をしていなければ 
      いいのですが…伊方1号機廃炉の代わりの3号機再稼働?
   『●熊本大分大地震の最中、
      伊方プルサーマル核発電所を再稼働…アタマオカシイ
   『●「「過ちは繰り返しません」。広島の、福島の嘆きが
           胸に突き刺さ」らないとは…吉岡茂之裁判長
    「東京新聞の記事【伊方3号機の差し止め認めず 広島地裁決定】…と、
     社説【伊方仮処分却下 何をそんなに急ぐのか】」

   『●核発電の「高裁レベルでの運転差し止め判断は初めて」
              …その先には腐敗した司法の大きな壁が…
    《国の原発政策に一石を投じるか――。13日、広島高裁が四国電力
     伊方原発3号機(愛媛県伊方町)の運転を差し止める命令を出した。
     高裁レベルでの運転差し止め判断は初めてだ》
    「核発電の「高裁レベルでの運転差し止め判断は初めて」…
     その先には最「低」裁を頂点とした司法の大きな壁が待ち受けている
     《脱原発ドミノが始まるのか》どうかは、まだまだ未定」

   『●アベ様政権に忖度し、司法判断を放棄した政治判断…
          捏造された「社会通念」で核発電所再稼働を容認

 アベ様政権に忖度し、司法判断を放棄した政治判断…捏造された「社会通念」で核発電所再稼働を容認。2017年12月、折角の広島高裁・野々上友之裁判長の「司法判断」だったのですが、2018年10月、1年を待たずして同じ広島高裁・三木昌之裁判長の「政治判断」で、あの伊方原発の再稼働に向けてのデタラメ判決が下されていました。

 それに追い打ちをかけるように…高松高裁でも、またしても「政治判断」。
 東京新聞の記事【伊方3号機 停止認めず 「破局的噴火 根拠不十分」】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201811/CK2018111502000272.html)によると、《四国電力伊方原発3号機(愛媛県伊方町)の運転差し止めを求め、愛媛県の住民が申し立てた仮処分の即時抗告審で、高松高裁は十五日、申し立てを退けた松山地裁決定を支持し、運転を認める決定をした。四国電は十月二十七日に3号機を再稼働させており、運転を継続する。神山隆一裁判長…一方で避難計画について「住民の輸送能力や放射線防護施設の規模が不十分」と指摘し、改善を求めた》。
 神山隆一裁判長はよくもこんなデタラメな判決を出せるよなぁ、まさにアベ様らに忖度した「政治判断」。

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2018111702000137.html

【社説】
伊方原発容認 安全神話の復活なのか
2018年11月17日

 噴火も地震も取るに足らない、避難計画は不完全でもいいと言うのだろうか。四国電力 伊方原発の運転差し止めを求める住民の訴えを司法はまたもや退けた安全神話の亡霊を見る思いである。

 「原子力規制委員会の審査には合理性があり、四国電力が策定した最大の地震の揺れや噴火の影響についての評価も妥当」-。

 高松高裁は、四国電力が示したデータに基づいて、規制委がくだした新規制基準への「適合判断を丸ごと受け入れたかのように、住民側の訴えを退けた

 破局的噴火は予知できない、地震の揺れの評価方法に問題がある-という専門家の指摘も顧みず、九月の広島高裁、大分地裁、そして今回と、繰り返される判断だ

 一方で高松高裁は、原発周辺の自治体が策定を義務づけられた避難計画に関しては、陸路も海路も輸送手段に懸念があって、屋内退避施設も不足しており、「不十分だと認めている

 再三指摘してきたように、日本一細長い佐田岬半島の付け根に位置する伊方原発は、周辺住民にとって、“日本一避難しにくい原発”との声もある。

 実際に事故が起きたとき、原発の西側で暮らす約四千七百人の住民は、船で九州・大分側へ逃れる以外にないのである。

 海が荒れれば船は出せない。地震で港湾施設が被害を受けたらどうなるか。避難者を港へ運ぶバスなども、確保できる保証はないその上、屋内退避場所さえ、足りていないというのである。

 現状では、多くの住民が避難も屋内退避もできず、放射線の危険にさらされる恐れが強い。そのような認識がありながら、司法はまたも住民の訴えを退けた。避難計画の軽視が過ぎる。

 規制委が基準に「適合」すると認めた以上、福島のような過酷事故は起こり得ない、との大前提に立つからだろう。

 これでは、安全神話の復活と言うしかないではないか。

 規制委は、原発のシステムが規制基準に「適合」すると認めただけで、安全の保証はしていない。規制委自身も認めていることだ。避難計画の評価もしないそれなのに規制委の審査結果を司法は追認するだけだ。こんなことでいいのだろうか。

 責任は棚上げにしたままで、原発の稼働が次々許される

 「安全神話」が前提にある限り、福島の悲劇はいつかまた、繰り返される
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●「新潟の野党勢力は今こそ、踏ん張り時」! 東京電力に柏崎刈羽核発電所を再稼働させるなんて狂気な凶器

2018年04月28日 00時00分10秒 | Weblog


日刊ゲンダイの記事【米山知事辞職で状況急変 小躍りする自民と原子力マフィア】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/227489)。

 《米山知事は「県政の混乱を招いた責任を取った。県民の信頼を裏切り、心よりおわびしたい」と語ったが、この突然の辞職に小躍りして喜んでいるのが自民党と原子力マフィアだろう》。

 大変に残念なニュース…大喜びする核発電「麻薬」中毒患者達。《自公などの推薦を受けた前長岡市長の森民夫さん…自民県連の関係者は『次の棚ボタ選挙は楽勝なんて喜んで…》…悔しいなぁ、何やってんだ一体もぅ…。泉田裕彦新潟元県知事ダークサイドに堕ち核発電「麻薬」中毒患者達は柏崎刈羽核発電所再稼働に向けて、遮二無二突進するでしょうね。新潟県民の皆さん、何とか踏ん張ってほしいい。《新潟の野党勢力は今こそ、踏ん張り時だ》!

   『●発言に人格が現れ、呼ばれ方に
          人間性が表れる: 「石原元「ト」知事」と「栄佐久さん」
    《私だけでなく、福島の知り合いや「福島の女たち」などに、
     現知事、佐藤雄平をよく言う者はおりません。
     そもそも、今一番危険なイチエフ4号機、3号機に置かれている
     MOX燃料は、雄平が知事就任後すぐにプルサーマル
     承認したために搬入されたものです
     前知事、佐藤栄佐久さんは、度重なる東電の事故隠しや隠蔽体質に
     自分が福島を守らなければと、県の原子力安全対策課の職員に
     勉強会を開かせ、原発で働く人たちからの内部告発をもとに
     東電や国に申し入れもしていました。
     私は、栄佐久さんが県知事でいる限りは、福島でのプルサーマルは
     ないと安心していましたし、県民からの信頼も厚く、みんな、
     佐藤知事ではなく、親しみを込めて栄佐久さんと呼んでいました
     プルサーマルに反対し続ける栄佐久さんに、東京都の石原知事は、
     「一千三百万東京都民の生活に必要な電力を供給するのが、
     原発立地県の勤めなのに、一県知事が何を言うかとのたまった
のです。
     そして、東電と、原発の利権に群がる者たちの姑息な手段により、
     抹殺されたのです》

   『●安孫子亘監督映画「『知事抹殺』の真実」の
      佐藤栄佐久元知事冤罪…泉田裕彦新潟県知事「事件」の背景に?
    《5期18年務めた福島県の佐藤栄佐久元知事(77)が「謎の収賄事件」で
     突然、政治生命を絶たれてから10年。“冤罪”まがいの「収賄額0円」
     という前代未聞の有罪判決が確定しているが、なぜ佐藤がつぶされたのか。
     ドキュメンタリー映画「『知事抹殺』の真実」(安孫子亘監督)…》

   『●よりによって自民党から出馬…「反東電ですが、
       反原発ではありません」な泉田裕彦前新潟県知事…
    《応援の森裕子参院議員(61)が
     「泉田候補はダークサイドに落ちたなと強烈に批判

   『●米山隆一新潟県知事は「県に運転停止の権限」、
           「私は、根拠のない“ケンカ”はしません」と…
    「三反園訓鹿児島県知事はヒヨリ、泉田裕彦前新潟県知事ダークサイド
     堕ちて…。別件ながら、『本体工事=辺野古沖の埋め立て工事は
     「翁長知事があらゆる知事権限を駆使すれば絶対できない」』はず
     だったのに、じりじりと沖縄の「山」や「海」が殺され行く」

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https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/227489

米山知事辞職で状況急変 小躍りする自民と原子力マフィア
2018年4月20日

     (辞職願を提出した米山隆一知事(C)日刊ゲンダイ)

 新潟県の米山隆一知事が18日、臨時会見を開き、県議会議長に辞職願を提出したことを明らかにした。

 突然の知事辞職は、19日発売の「刊文春」で、知事就任前から金銭を払って女子大生と交際していた――との記事が掲載されることが引き金になったのは間違いない。米山知事は「県政の混乱を招いた責任を取った。県民の信頼を裏切り、心よりおわびしたい」と語ったが、この突然の辞職に小躍りして喜んでいるのが自民党と原子力マフィアだろう。

 米山知事は東電柏崎刈羽原発再稼働に慎重姿勢で、知事任期中の再稼働はほぼ絶望的とみられていたが、事態が大きく変わる可能性が出てきたからだ。公選法の規定では、辞職の申し出を受けた議長が県選管に通知した翌日から50日以内に知事選が行われる。

   「16年10月の知事選では、約53万票を獲得した米山知事に対し、
    自公などの推薦を受けた前長岡市長の森民夫さんが約47万票。
    米山さんの意思を引き継ぐ後継候補が決まらない中で、自公は
    再び森さんを担ぐ可能性が高い。野党の足並みが揃わなければ、
    森さんはそのまま当選。そうなれば原発再稼働はグッと近づく
    自民県連の関係者は次の棚ボタ選挙は楽勝なんて喜んでいますよ
    (新潟県政担当記者)

 新潟の野党勢力は今こそ、踏ん張り時だ
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●核発電の「高裁レベルでの運転差し止め判断は初めて」…その先には腐敗した司法の大きな壁が…

2017年12月19日 00時00分41秒 | Weblog


日刊ゲンダイの記事【伊方3号機に運転差し止め命令 脱原発ドミノが始まるのか】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/219510)。

 《国の原発政策に一石を投じるか――。13日、広島高裁が四国電力伊方原発3号機(愛媛県伊方町)の運転を差し止める命令を出した。高裁レベルでの運転差し止め判断は初めてだ》。

 東京新聞の記事【伊方3号機の運転差し止め、広島 高裁段階で初判断、原発に再打撃】(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2017121301001344.html)によると、《四国電力伊方原発3号機(愛媛県伊方町)の運転差し止めを求め、広島市の住民らが申し立てた仮処分の即時抗告審で、広島高裁(野々上友之裁判長)は13日、運転を差し止める決定をした。対象期間は来年9月30日まで。四国電が3号機の稼働を定期検査後の来年1月に再開する計画は事実上不可能》。

 広島地裁では、「過ちは繰り返しません」の歎きは却下。

   『●「「過ちは繰り返しません」。広島の、福島の嘆きが
          胸に突き刺さ」らないとは…吉岡茂之裁判長

 週刊朝日の記事【定年を目前に控え、伊方原発の運転停止命令を下した裁判官の素顔とは?】(https://dot.asahi.com/dot/2017121600007.html)によると、《野々上氏をよく知るという元判事の井戸謙一弁護士(63)は「裁判官として非常に優れた資質を持った人」と評する。「人柄がよくて部内の人望も厚いうえ、上司の顔色をうかがって仕事をするようなこともない。国の責任を認めるような判決を出す傾向があると分かっていても、判事としての実力がある以上、人事部局でもそれなりの処遇をせざるを得ないのです」》
 どうやら、裁判官に恵まれたようだ? でも、残念ながら、定年を目前に控えているとのこと…。

 核発電の「高裁レベルでの運転差し止め判断は初めて」…その先には最「低」裁を頂点とした司法の大きな壁が待ち受けている。《脱原発ドミノが始まるのか》どうかは、まだまだ未定。

 東京新聞の記事【伊方差し止め 火山国の怖さを説いた】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2017121402000141.html)によると、《阿蘇山の巨大噴火が起きたら、火砕流が到達する可能性が否定できない-。広島高裁は四国電力の伊方原発の運転差し止めを命じた。自然の脅威を甘く見る風潮こそ、3・11は戒めていたが。…福島第一原発の事故後、初めてとなる高裁レベルの原発運転差し止めの司法判断だ。理詰めの決定ではあるが、思い知らされるのは、われわれが世界有数の地震国、火山国に住んでいるということだ》。
 我が国で運転して良い核発電所など存在しない。
 「日本一細長いという佐田岬半島の付け根にあり、その西の海側には約五千人が暮らしている」。再稼働しようという核発電「麻薬」中毒患者達の気が知れない。日本中が「地元」です。

   『●「原発さえなければ…」:  
       それでも川内原発や伊方原発を再稼働したいの?
   『●「伊方原発は、日本一細長いという佐田岬半島の
      付け根にあり、その西の海側には約五千人が暮らしている」
    「狂気としか言いようがない……《伊方原発は、日本一細長い
     という佐田岬半島の付け根にあり、その西の海側には
     約五千人が暮らしている》。こんなところで一体どんな
     避難計画を作り得るのか? そんな《住民避難計画を了承》した
     そうです。再稼働するためなら、何でもやる「麻薬」患者たち。
     カネの亡者。
      《安倍晋三首相は「万一事故があった場合は政府として責任を
     持って対処する」と強調》……このバカ発言を見て下さい! 
     東京電力原発人災に一切の「責任」を負わず、いまも無策・無責任に
     汚染水を垂れ流し続けているアベ様ら自公議員たちの酷さ。
     それを「信頼」したふりをする「地元」首長・議員たち。
     言っちゃぁ悪いが、頭の回路が切れているとしか思えません」

   『●今中哲二さん「被災した人々にもたらされた災難の大きさは、
                     放射線測定器で測ることはできない」
   『●熊本大地震…「「いつでも、どこでも、強大な地震は起こる」。
                    地震国日本では、これこそ社会通念」
   『●「専門家に「常識が通じない」と言わしめた地震」…
             いま、「減災」に向け立ち止まって考えるべき
   『●原子力「規制」委員会の田中俊一委員長、
       川内原発に「安全上の問題が起きるわけではない」…
   『●高浜「寿命核発電所」延命、「安全より経済優先の時代へと逆戻り」
                            …「規制緩和」委員会(©東新)
   『●「川内原発を地図からトリミング」というのは
       穿ち過ぎかと思ってたら、「アベ様の犬HK」ときたら…
   『●四国電力がそんな破滅的な思考をしていなければ 
      いいのですが…伊方1号機廃炉の代わりの3号機再稼働?
   『●熊本大分大地震の最中、
      伊方プルサーマル核発電所を再稼働…アタマオカシイ

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https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/219510

伊方3号機に運転差し止め命令 脱原発ドミノが始まるのか
2017年12月14日

     (脱原発ドミノの始まりか(C)共同通信社)

 国の原発政策に一石を投じるか――。13日、広島高裁が四国電力伊方原発3号機愛媛県伊方町)の運転を差し止める命令を出した。高裁レベルでの運転差し止め判断は初めてだ

 2015年、伊方原発3号機は原子力規制委員会新規制基準に基づく安全審査に「合格」し、昨年8月に再稼働した。広島と愛媛両県の住民は「安全対策が疑問」として運転差し止めの仮処分を申請したが、広島地裁は今年3月に申し立てを却下。今回の高裁の決定は、地裁の判断を退けた形である。

   「3号機は、今年10月から定期検査に入り、来年1月に運転再開の
    予定でした。しかし、高裁が運転停止期間を来年9月30日としたので、
    四電からすると稼働に向けたスケジュールが狂ってしまった。
    『到底承服できない』として、執行停止を申し立てる方針です」(地元関係者)

 脱原発弁護団全国連絡会の共同代表で、弁護団のひとりである河合弘之弁護士はこう言う。

   「政府やメディアの『再稼働やむなし』の雰囲気にあらがって、
    運転差し止めの判断が下されたことは、非常に意義がある。現在、
    稼働している原発は、川内(九州電力)の1、2号機と高浜(関西電力)の
    3、4号機の計4基ですが、脱原発への流れは強まるでしょう。
    とりわけ今回、火山活動が焦点となり、リスク評価の点で
    新規制基準に欠点があると判断されました。原発のほとんどは、
    火山活動地域にあります。川内原発に関する訴訟も争点は火山です。
    伊方原発の運転差し止めと同じ論理で、止められると期待しています」

 連絡会の調査によると、脱原発について係争中の案件は計37件(訴訟29件、仮処分8件)だ。そのうち、川内原発については、規制委員会の適合性審査処分に対する取り消し訴訟が行われている。

   「昨年6月、福岡地裁に提起しました。川内原発は桜島から約50キロ
    活火山地域にあるので、火山活動によるリスクが高い。伊方原発の
    運転差し止めが追い風になるでしょう」(原告団代表の青柳行信氏)

 “脱原発ドミノ”が始まるかもしれない。
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●「「過ちは繰り返しません」。広島の、福島の嘆きが胸に突き刺さ」らないとは…吉岡茂之裁判長

2017年04月06日 00時00分32秒 | Weblog


東京新聞の記事【伊方3号機の差し止め認めず 広島地裁決定】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201703/CK2017033102000139.html)と、
社説【伊方仮処分却下 何をそんなに急ぐのか】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2017040102000181.html)。

 《四国電力 伊方原発3号機(愛媛県伊方町)の運転を差し止めるよう瀬戸内海を挟んだ広島県の住民らが申し立てた仮処分について、広島地裁は三十日、却下する決定…吉岡茂之裁判長は東京電力福島第一原発事故後に策定された原発の新規制基準について、教訓を踏まえ最新の知見を反映しているとして「不合理とは言えない」と指摘》
 《目前に世界最大級の地震の海しか逃げ場がない人たち。それでも、四国電力伊方原発に差し迫った危険はないという。「過ちは繰り返しません」。広島の、福島の嘆きが胸に突き刺さる》。

   『●予想されたこととはいえ、大津地裁山本善彦裁判長の
         「国民の命を守る司法からの重いメッセージ」を破棄…
    《稼働中の原発を止めた全国初の司法判断は約一年で覆った…
     高裁の山下郁夫裁判長》。
    《「画期的な司法判断」は、またもすっかり覆された。関西電力
     高浜原発3、4号機を止めておく法の鎖は解き放たれた。
     3・11以前へのあと戻りを懸念する多くの住民の不安と不信を
     募らせて。「国民の命を守る司法からの重いメッセージ」 昨年三月、
     稼働中の原発を初めて止めた大津地裁の決定を、私たちはそう評価した》

 忖度に次ぐ、忖度。ニッポンは、忖度社会。核発電所再稼働関連の訴訟で、連敗。

   『●「原発さえなければ…」:  
       それでも川内原発や伊方原発を再稼働したいの?
   『●「伊方原発は、日本一細長いという佐田岬半島の
      付け根にあり、その西の海側には約五千人が暮らしている」
    「狂気としか言いようがない……《伊方原発は、日本一細長い
     という佐田岬半島の付け根にあり、その西の海側には
     約五千人が暮らしている》。こんなところで一体どんな
     避難計画を作り得るのか? そんな《住民避難計画を了承》した
     そうです。再稼働するためなら、何でもやる「麻薬」患者たち。
     カネの亡者。
      《安倍晋三首相は「万一事故があった場合は政府として責任を
     持って対処する」と強調》……このバカ発言を見て下さい! 
     東京電力原発人災に一切の「責任」を負わず、いまも無策・無責任に
     汚染水を垂れ流し続けているアベ様ら自公議員たちの酷さ。
     それを「信頼」したふりをする「地元」首長・議員たち。
     言っちゃぁ悪いが、頭の回路が切れているとしか思えません」

   『●今中哲二さん「被災した人々にもたらされた災難の大きさは、
                     放射線測定器で測ることはできない」
   『●熊本大地震…「「いつでも、どこでも、強大な地震は起こる」。
                    地震国日本では、これこそ社会通念」
   『●「専門家に「常識が通じない」と言わしめた地震」…
             いま、「減災」に向け立ち止まって考えるべき
   『●原子力「規制」委員会の田中俊一委員長、
       川内原発に「安全上の問題が起きるわけではない」…
   『●高浜「寿命核発電所」延命、「安全より経済優先の時代へと逆戻り」
                            …「規制緩和」委員会(©東新)
   『●「川内原発を地図からトリミング」というのは
       穿ち過ぎかと思ってたら、「アベ様の犬HK」ときたら…
   『●四国電力がそんな破滅的な思考をしていなければ 
      いいのですが…伊方1号機廃炉の代わりの3号機再稼働?
   『●熊本大分大地震の最中、
      伊方プルサーマル核発電所を再稼働…アタマオカシイ

 《伊方原発は、日本一細長いという佐田岬半島の付け根にあり、その西の海側には約五千人が暮らしている》…なのに、プルサーマル核発電所を再稼働。その運転停止の仮処分について、対岸の広島の市民の申し出は、あっさりと却下。地裁レベルで「司法判断」することなく、既にアベ様らに忖度し、「政治判断」。
 吉岡茂之裁判長も「ヒラメ」さんだったようです。大変に残念。《新規制基準について、教訓を踏まえ最新の知見を反映しているとして「不合理とは言えない」》…裁判長は、真面目に検討したのでしょうか? ヒロシマの地だからこそ、「原発は『プルトニウムをつくる装置』」を理解できるはずなのに。《「過ちは繰り返しません」。広島の、福島の嘆きが胸に突き刺さ》らなかった広島地裁吉岡茂之裁判長。《ヒロシマやフクシマの不安と嘆きを置き去りに、誰のため、何のために、今再稼働を急ぐのか》?

   『●吉永小百合さん、「核と人は共存できない」
            「ゲームやコミックスで知っている戦争ではないか?」』 

   『●「あれだけの事故を起こして被害を出して、
      だれか1人でも責任とってやめたか。申し訳ないと謝罪したか」
    「「原発さえなければ」「福島の百姓は終わりだ」…せめて、そんなことが
     二度と起きない「未来図」を描かないといけないでしょ!
     「核兵器と原発による核の被害」なき「未来図」、
     「人々が核兵器や原発に苦しまない」「未来図」が必要」
    「「陰謀論丸出し」でアベ様の取り巻きが攻撃を開始しても、
     怯まぬ吉永小百合さん。あらゆる核を否定し、
     「核なき世界」への願いを次世代」へ、と言う吉永さん。
     そういう「未来図」は可能だと信じる」

   『●肥田舜太郎さん「せめて未来の子どもたちのために、
         放射能の心配のない日本を残していけるよう…努力」を
    「「核兵器なき世界」ですら、デンデン王国「裸の王様」アベ様は
     ヤル気がないということが明白。ましてや、核発電「麻薬」中毒であり、
     「原発は『プルトニウムをつくる装置』」な訳で、
     「核なき世界」など全く眼中になし」

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201703/CK2017033102000139.html

伊方3号機の差し止め認めず 広島地裁決定
2017年3月31日 朝刊

     (四国電力伊方原発3号機の運転差し止めを求めた仮処分
      申し立てが却下され、掲げられた垂れ幕=30日午後3時5分、
      広島市中区の広島地裁前で(沢田将人撮影))

 四国電力 伊方原発3号機(愛媛県伊方町)の運転を差し止めるよう瀬戸内海を挟んだ広島県の住民らが申し立てた仮処分について、広島地裁は三十日、却下する決定をした。住民側は広島高裁に即時抗告する方針。 

 同様の仮処分では、大阪高裁も二十八日、関西電力高浜原発3、4号機(福井県高浜町)の運転を差し止めていた昨年三月の大津地裁決定を取り消しており、住民側には再び厳しい判断となった。

 吉岡茂之裁判長は東京電力福島第一原発事故後に策定された原発の新規制基準について、教訓を踏まえ最新の知見を反映しているとして「不合理とは言えない」と指摘。四国電は、安全の基準となる地震の揺れや津波を詳細な地盤調査をした上で不確かさも考慮しており、適正だと判断し「住民が放射線被ばくにより重大な被害を受ける具体的な危険はない」と結論付けた。

 一方、四国電による地震想定の合理性には慎重な検討を要する問題もあると言及。こうした問題を検証する際、地震学者や原子力規制委員会の関係者を通じて学説の状況や審査経緯などを調べるのは、仮処分手続きにはなじまないとした。

 四国電は「安全性が確保されているとの主張が認められ、妥当な決定」とコメントした。

 住民らは伊方原発が南海トラフ巨大地震の震源域にあり、基準地震動を過小評価していると訴えていた。


◆広島地裁決定骨子

▼原発の新規制基準の内容が不合理だとはいえない

▼四国電力は詳細な地盤構造などの調査を行い、安全性の基準となる地震の揺れや津波の規模を適正に定めている

▼これらを新基準に適合するとした原子力規制委員会の判断にも不合理な点はない

▼四国電は伊方原発の安全性を一定程度立証しており、住民らの人格権侵害の恐れはない



◆対岸に原発 被爆者「引き下がらぬ

 「このまま引き下がるわけにはいかない」。三十日、四国電力伊方原発3号機の仮処分で運転差し止めを認めなかった広島地裁決定。並行して地裁に係属する訴訟の原告団長を務める堀江壮(そう)さん(76)=広島市佐伯区=は、七十二年前の被爆体験を原動力として、仲間らの闘いを見守ってきた

 「自分たちのような原子力の被害者はもう出さない」との思いで裁判に参加。決定後の記者会見では「次の世代のために頑張りたい」と神妙な面持ちで話した。

 広島市で四歳の時に被爆。五十五歳で甲状腺腫を患い原爆症認定も受けた。今も影響を及ぼす原爆の恐ろしさを語ってきた。

 堀江さんを突き動かしたのは東京電力福島第一原発事故ひとたび事故が起きれば、長く被害が続く点は原爆と変わらないと感じる。「自分は放射能の恐ろしさを知っている原爆と原発はコインの裏と表だ。平和利用であっても核と人類は共存できない

 伊方原発の運転差し止めを目指して法的手段に打って出たのは、被爆者としての責任感からだ原爆を実体験として語れる最後の世代。「もしまた事故が起きたとき怖さを知っていたのに何もしなかったのかとは絶対に言われたくない」。堀江さんの闘いは続く。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2017040102000181.html

【社説】
伊方仮処分却下 何をそんなに急ぐのか
2017年4月1日

 目前に世界最大級の地震の海しか逃げ場がない人たち。それでも、四国電力伊方原発に差し迫った危険はないという。「過ちは繰り返しません」。広島の、福島の嘆きが胸に突き刺さる。 

 あと戻りが加速する-

 「日本で最も動かしてはいけない原発」。伊方原発を、そう呼ぶ人は少なくない。

 世界最大級の断層帯である中央構造線が間近を走り、南海トラフ巨大地震の想定震源域にも近い。

 三月末で高知大防災推進センターを退任した岡村真・前特任教授は、中央構造線の活動性を指摘し「計算通りに地球は動かない」と警告した。

 地元愛媛新聞が先月までに実施した愛媛県民の世論調査では、再稼働に否定的な意見が七割近くに上る。六割以上が避難計画の実効性に疑問を感じ、過半数が放射線被ばくの不安を訴える。

 伊方原発は、日本一細長い佐田岬半島の付け根にある。半島唯一の国道197号は地滑りの危険地帯。つまり、逃げ場がない

 それでも広島地裁は、原子力規制委員会に地震動の過小評価はなく避難計画の是非は棚上げにして「住民が放射線被ばくにより重大な被害を受ける危険はないと結論づけた人格権も侵害されていないとして住民らの運転差し止めの申し立てを却下した。

 昨年十一月、愛媛県は重大事故を想定し、原発三十キロ圏内の住民ら二万三千人が参加する大規模な避難訓練を実施した。

 重大な被害の危険がないなら、このような訓練をしたり、安定ヨウ素剤を配布したりする必要もないではないか。

 「原子炉施設から放射性物質が放出されることのない安全性を確保することは、少なくとも今の科学技術では不可能だ。わが国の社会がどの程度の危険性であれば容認するかの社会通念を基準とするしかない」。昨年四月、九州電力川内原発1、2号機の運転差し止め請求を退けた、福岡高裁宮崎支部が提示した判断の枠組みだ。

 松山など三つの地裁に同様の請求がなされており、全国各地で原発運転差し止めの裁判が続く中、今回の決定は、現在唯一の高裁判断である福岡高裁の枠組みに従うべきだという考え方の上に立つ。

 電力事業者、政府、そして司法にも、あらためて問い直したい

 ヒロシマやフクシマの不安と嘆きを置き去りに、誰のため、何のために、今再稼働を急ぐのか
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コメント (1)
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