[↑ ※「地震列島の原発安全性に警告」(週刊金曜日 1457号、2024年01月26日号)] (2024年03月31日[日])
《東日本大震災2933ガル、08年岩手・宮城内陸地震4022ガル、16年熊本地震1700台…多くの核発電所1000ガル以下…》《大飯原発…856ガルまで大丈夫だとされたが、他の原発も1000以下が多い。一方、三井ホームの耐震性は5115ガル、住友林業の住宅は3406ガル》。
老朽原発を含む関電美浜・高浜核発電所の運転差し止め訴訟、基準地震動は妥当で、《老朽化対策も合理的》と福井地裁・加藤靖裁判長は判断したそうだ。3.11東京電力福島第1核発電所人災から13年、何の教訓も得ない愚かな裁判官。能登半島地震からわずか3カ月、あの惨状を目の当たりにしても、「警告」を理解できない愚かな裁判官。
『●東電核発電人災から13年: 汚染水海洋投棄を強行し、柏崎刈羽核発電所
を再稼働したい東電…3.11の教訓は? 能登半島地震の「警告」を無視…』
『●能登半島地震と珠洲核発電所建設計画凍結と断層の上に建つ志賀核発電所
…「悪夢のような民主党政権」と比較して、今のキシダメ政権の無残さ』
『●能登半島地震と珠洲核発電所建設計画凍結と断層の上に建つ志賀核発電所
…それでも再稼働・新規建設したいという核発電〝麻薬〟中毒患者ら』
『●【能登を襲った巨大地震/狙撃兵】《役立たずかと思うほど鈍くさい動き
に、思わずこの連中に「人の心」は宿っているのだろうかと思うほどである》』
『●「想定外」!? 【震度5強の志賀原発で「想定外」続々…なのに規制委は
動かない 「安全上影響ない」「一定の時間かかる」とは?】(東京新聞)』
『●斎藤貴男さん《日本列島は地震の巣なのに、原子力の利用を「国の責務」と
うたうGX(グリーントランスフォーメーション)法案にかまけて》いた…』
『●これまでの教訓は何処に? 決して「想定外」と言う勿れ…能登半島地震
と珠洲核発電所建設計画凍結と断層の上に建つ北陸電力志賀核発電所』
『●本当に賢明な判断だった…珠洲核発電所《建設を阻止したのは、住民らの長
年にわたる根強い反対運動だった…無言電話や不買運動に耐えた阻止活動》』
『●石川県志賀町・稲岡健太郎町長「北陸電力は再稼働を目指すとのこと
だが、首長として以前のように安全性をアピールすることは難しい」と…』
『●3.11東京電力核発電人災の教訓はどこに? 能登半島地震の警告は?
正気だろうか? 東電に核発電所を運転する資格や能力は在るのかね?』
『●小出裕章さん《今回一番学ばなければいけないことは、志賀原発が止まって
いてよかったということ。…原発が1年間稼働すれば、広島原爆が…》』
『●《志賀原発…すぐ近くで地盤が4m隆起…取水口が海面から離れることに
より冷却水が取れなくなる恐れ…原発の建屋が損傷する恐れもあった》』
『●「閉じない環」破綻した核燃サイクル…《1993年から26回の延期…核
燃料サイクル政策は要の再処理工場の稼働が見通せず、「破綻」》が露わ』
『●日刊ゲンダイ【注目の人 直撃インタビュー/ジャーナリスト青木美希氏が
100人超の取材で辿り着いた結論「首相が決断すれば原発は止められる」】』
東京新聞の記事【美浜、高浜原発の差し止め認めず 2件の仮処分で福井地裁が決定】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/318087)。《関西電力美浜原発3号機(福井県美浜町)と、関電高浜1~4号機(同県高浜町)の運転差し止めを福井県などの住民がそれぞれ求めた2件の仮処分で、福井地裁(加藤靖裁判長)は29日、いずれも差し止めを認めない決定を出した。美浜3号機は福井県の住民らが申し立て、地震に対する安全性が確保されていないと主張。基準地震動(耐震設計の目安となる揺れ)は低く設定されているとし、施設は老朽化し、避難計画も実効性が乏しいと訴えていた。高浜1~4号機の差し止めを求めた福井県とさいたま市の住民2人は、原発は耐震性が不足して危険と指摘。老朽化した設備では重大事故が起きる危険性があると主張していた》。
柴山雄太記者による、毎日新聞の記事【美浜、高浜原発の運転認める 福井地裁、住民の仮処分申請却下】(https://mainichi.jp/articles/20240328/k00/00m/040/332000c)。《2件の仮処分申請で、住民側は老朽化に伴う設備の劣化で事故発生のリスクが高まっていると訴えた。耐震設計の際に考慮する最大規模の揺れ「基準地震動」も妥当ではないと指摘。美浜3号機では、地震の震源になり得る断層が原発そばにあるのに、地震動の策定で十分な余裕を考慮していないとも主張した。これに対し、関電側は「施設の経年劣化を加味して安全性を確保している」などと反論。》
《40年超運転認可「合理的」》だそうだ、3.11の教訓や能登半島地震の「警告」を無視する無責任裁判官。能登半島地震から、たった3か月、「合理的」と判断できる神経を理解できない。
アサヒコムの記事【老朽原発差し止め却下 美浜・高浜 40年超運転認可「合理的」 福井地裁】(https://www.asahi.com/articles/DA3S15899842.html?iref=pc_ss_date_article)。《運転開始から40年を超える老朽原発を含む関西電力美浜3号機(福井県美浜町)と高浜1~4号機(同県高浜町)について、地元住民らが運転の差し止めを求めた仮処分申請で、福井地裁(加藤靖裁判長)は29日、いずれも却下する決定をした。住民側は名古屋高裁金沢支部への即時抗告を検討している。差し止めを求め…》。
正気? ← 《基準地震動…は東京電力福島第1原発事故を踏まえた新規制基準に基づき地域特性を踏まえ策定されている》。
東京新聞の記事【美浜、高浜原発の差し止め認めず 危険性否定し活用追認、福井地裁】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/318087)。《地震に対する安全性について、加藤裁判長は決定理由で、基準地震動(耐震設計の目安となる揺れ)は東京電力福島第1原発事故を踏まえた新規制基準に基づき地域特性を踏まえ策定されていると指摘。「関電の調査と原子力規制委員会の判断の過程に過誤は見当たらない」とし、老朽化対策も合理的だとした》。
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【https://mainichi.jp/articles/20240328/k00/00m/040/332000c】
美浜、高浜原発の運転認める 福井地裁、住民の仮処分申請却下
2024/3/29 13:06(最終更新 3/29 13:51)
(「不当決定」と書かれた旗を掲げる住民ら=福井市内で
2024年3月29日午後1時5分、高橋隆輔撮影)
福井県内にある関西電力美浜原発3号機と高浜原発1~4号機について、地元住民らが関電に運転の差し止めを求めた2件の仮処分申請で、福井地裁(加藤靖裁判長)は29日、いずれも運転を認める決定を出した。美浜3号機と高浜1、2号機は1970年代から稼働する「40年超原発」で、関電の安全対策を追認する形となった。
仮処分を申し立てたのは、美浜3号機が福井県の住民9人。高浜1~4号機は福井、埼玉両県の住民2人。
2件の仮処分申請で、住民側は老朽化に伴う設備の劣化で事故発生のリスクが高まっていると訴えた。耐震設計の際に考慮する最大規模の揺れ「基準地震動」も妥当ではないと指摘。美浜3号機では、地震の震源になり得る断層が原発そばにあるのに、地震動の策定で十分な余裕を考慮していないとも主張した。
これに対し、関電側は「施設の経年劣化を加味して安全性を確保している」などと反論。訴えを退けるよう求めていた。
原発の運転期限を巡っては東京電力福島第1原発事故を受け、「原則40年」とするルールが定められた。ただ、点検などを経て国の原子力規制委員会が認可すれば最長60年まで延長できるようになり、70年代に運転を始めた美浜3号機や高浜1、2号機に適用されている。関電は運転開始から来年で40年となる高浜3、4号機も運転期間延長認可を規制委に申請している。【柴山雄太】
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【https://www.tokyo-np.co.jp/article/318087】
美浜、高浜原発の差し止め認めず 危険性否定し活用追認、福井地裁
2024年3月29日 20時27分 (共同通信)
(関西電力美浜原発3号機と、高浜原発1~4号機の
運転差し止めを認めない福井地裁の決定を受け、
地裁前で「不当決定を許さない!」などと書かれた
垂れ幕を掲げる住民ら=29日午後1時7分)
関西電力美浜原発3号機(福井県美浜町)と、関電高浜1~4号機(同県高浜町)の運転差し止めを福井県などの住民がそれぞれ求めた2件の仮処分で、福井地裁は29日、いずれも差し止めを認めない決定を出した。加藤靖裁判長は「(原発事故の)具体的危険があると認めることができない」と判断した。
美浜3号機と高浜1、2号機は営業運転開始から50年近くたち、住民側は老朽化への懸念を訴えた。昨年、60年超運転が可能になる法律が成立し、決定は原発の最大限活用を掲げる国の方針を追認する形となった。
美浜3号機で申し立てた福井県の住民9人は「不当な判断」との声明を発表。関電側は「主張を理解いただいた」とのコメントを出した。
地震に対する安全性について、加藤裁判長は決定理由で、基準地震動(耐震設計の目安となる揺れ)は東京電力福島第1原発事故を踏まえた新規制基準に基づき地域特性を踏まえ策定されていると指摘。「関電の調査と原子力規制委員会の判断の過程に過誤は見当たらない」とし、老朽化対策も合理的だとした。
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[↑ ※「地震列島の原発安全性に警告」(週刊金曜日 1457号、2024年01月26日号)] (2024年03月14日[木])
3.11の教訓は? 能登半島地震の「警告」を無視…《原発回帰》《原発復権》へと暴走する狂気なキシダメ政権。
《東京電力福島第1原発事故の影響で、今も全国で約2万9千人が避難生活を送る》理由は何ですか? その多くが核発電人災による影響なのではないのですか。さっさと東電と政府が《原状回復》し、周辺に飛び散った全ての放射性物質を3.11以前のように福島第一核発電所の原子炉内に戻して見せてくれればよいだけなのに、キシダメ政権や自公お維コミは全くやる気なし。
《圓龍寺の塚本真如(まこと)住職(78)…「能登半島地震が起きてからは(原発計画を止めて)『西日本を救ってくれてありがとう』という電話がかかってくる。日本に原発を動かせる場所はない。本当にそう思います」》(東洋経済オンライン)。
沖縄タイムスの【[社説]東日本大震災13年 命守る教訓をつなごう】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/1322491)。《原発事故と地震の複合災害への備えは不十分だ。東京電力福島第1原発の事故を受け、原子力規制委員会は災害対策指針を策定。原発からの距離ごとに住民の避難計画を示した。だが、能登半島地震では道路が寸断され、唯一の避難経路が失われた。北陸電力志賀原発でもし事故が発生しても避難できない事態に陥ったのである。今年1~3月に共同通信が実施した原発に関する全国世論調査では、原発事故に備えて自治体が定める避難計画を「見直す必要がある」とした人は94%に達している。原発事故により福島県では今も7市町村で帰還困難区域が残る。第1原発の廃炉の道筋は見えず、除染で出た土などの廃棄物搬出も不透明だ。それにもかかわらず岸田文雄首相は原発回帰に転換した。事故の教訓に背を向けているのではないか。…福島の原発事故を受け、各地で避難生活を送る人はいまだに約2万9千人に上る》。
東洋経済オンラインの記事【能登地震、現地で見た「原発事故で避難不能」の怖さ 志賀原発とかつての原発予定地の現状が問うもの/青木 美希】(https://toyokeizai.net/articles/-/736154)。《日本では大きな地震の都度、「原発は大丈夫か」と懸念されるようになっている。新年早々に起きた能登半島地震からおよそ50日。最大震度7を観測した現地ではまだ大勢の住民が避難生活を続けているが、志賀原発周辺や原発予定地だった珠洲市はどうなっているのだろうか。原発事故の際、避難は可能なのか。そもそも原発は地震に耐えられるのか。現地を訪れた》。
琉球新報の【<社説>東日本大震災13年 教訓を確認し引き継ごう】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-2887782.html)。《東京電力福島第1原発事故の影響で、今も全国で約2万9千人が避難生活を送る。福島県では7市町村で原則立ち入り禁止のエリアが残っている。かつての日常を取り戻す復興の歩みは道半ばだ。…日本世論調査会による世論調査によると、今後の原発利用について「今すぐゼロ」が4%、「将来的にゼロ」は55%で約6割が「ゼロ」を望んだ。理由を尋ねると「福島第1原発事故のような事態を再び招く恐れがある」が最多で80%だった。政府はこの結果を重く受け止めるべきだ》。
東京新聞のシリーズ記事【雨風が吹き込み、横にもなれない家に「屋内退避」しろと? 原発事故対策の絵空事を能登で見た】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/314516)。《<連載・能登から見る 3.11後の原発防災>㊥ …能登半島地震では、2011年の福島原発事故後に見直された避難と事故対策のあり方に致命的な問題が露呈した。原発と共存できるのか、能登の被災地で考える》《◆「危険」を示す赤い紙が貼られた家屋… ◆破れた屋根「外にいるのと何も変わらん」… ◆放射性物質を防ぐはずの施設が機能喪失… ◆肝心の放射線量もデータが取れない… ◆「無計画な避難を避けるため」屋内退避を設定》。
『●能登半島地震と珠洲核発電所建設計画凍結と断層の上に建つ志賀核発電所
…「悪夢のような民主党政権」と比較して、今のキシダメ政権の無残さ』
『●能登半島地震と珠洲核発電所建設計画凍結と断層の上に建つ志賀核発電所
…それでも再稼働・新規建設したいという核発電〝麻薬〟中毒患者ら』
『●【能登を襲った巨大地震/狙撃兵】《役立たずかと思うほど鈍くさい動き
に、思わずこの連中に「人の心」は宿っているのだろうかと思うほどである》』
『●「想定外」!? 【震度5強の志賀原発で「想定外」続々…なのに規制委は
動かない 「安全上影響ない」「一定の時間かかる」とは?】(東京新聞)』
『●斎藤貴男さん《日本列島は地震の巣なのに、原子力の利用を「国の責務」と
うたうGX(グリーントランスフォーメーション)法案にかまけて》いた…』
『●これまでの教訓は何処に? 決して「想定外」と言う勿れ…能登半島地震
と珠洲核発電所建設計画凍結と断層の上に建つ北陸電力志賀核発電所』
『●本当に賢明な判断だった…珠洲核発電所《建設を阻止したのは、住民らの長
年にわたる根強い反対運動だった…無言電話や不買運動に耐えた阻止活動》』
『●石川県志賀町・稲岡健太郎町長「北陸電力は再稼働を目指すとのこと
だが、首長として以前のように安全性をアピールすることは難しい」と…』
『●3.11東京電力核発電人災の教訓はどこに? 能登半島地震の警告は?
正気だろうか? 東電に核発電所を運転する資格や能力は在るのかね?』
『●小出裕章さん《今回一番学ばなければいけないことは、志賀原発が止まって
いてよかったということ。…原発が1年間稼働すれば、広島原爆が…》』
『●《志賀原発…すぐ近くで地盤が4m隆起…取水口が海面から離れることに
より冷却水が取れなくなる恐れ…原発の建屋が損傷する恐れもあった》』
『●「閉じない環」破綻した核燃サイクル…《1993年から26回の延期…核
燃料サイクル政策は要の再処理工場の稼働が見通せず、「破綻」》が露わ』
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【https://toyokeizai.net/articles/-/736154】
能登地震、現地で見た「原発事故で避難不能」の怖さ
志賀原発とかつての原発予定地の現状が問うもの
青木美希 : ジャーナリスト
2024/02/23 9:00
(倒壊した圓龍寺(珠洲市)の庫裡(くり)(以下、被災地の
写真はいずれも1月20~22日、筆者撮影))
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日本では大きな地震の都度、「原発は大丈夫か」と懸念されるようになっている。新年早々に起きた能登半島地震からおよそ50日。最大震度7を観測した現地ではまだ大勢の住民が避難生活を続けているが、志賀原発周辺や原発予定地だった珠洲市はどうなっているのだろうか。原発事故の際、避難は可能なのか。そもそも原発は地震に耐えられるのか。現地を訪れた。
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■原発建設予定地だった寺では住職の妻が下敷きに
能登半島の先端に位置する石川県珠洲市では1975年に原発立地構想が浮上した。関西電力は135万キロワット級の原発を高屋地区に、中部電力も寺家(じけ)地区に造る、と具体化させていったが、30年近くに及ぶ住民らの強い反対運動で計画は停滞。コスト増もあって2003年に両原発は計画断念に追い込まれた。
(原発計画を断念した際に中部電力などの発表した
資料から=2003年12月)
能登半島地震が起きた際、その高屋地区には住民や帰省してきた家族100人ほどがいた。震源地の近くだったこともあり被害は甚大で、山道は複数個所で崩落。地区は孤立した。実際、原発立地予定地内だった圓龍寺を筆者が訪れたところ、住職らの住居になっていた庫裡(くり)は大きく崩れていた。
住職の妻は地震で下敷きになった。住職が引っ張りだしたが、妻の足は翌日から紫色に腫れ、「痛い痛い」と訴え続けていたという。
高屋地区の海岸では海底が2メートル近く隆起し、船が近づけない。1月3日になって自衛隊がゴムボートで上陸し、ヘリがけがをした住職の妻や体調の悪い高齢女性、出産間近の女性を金沢市の病院に搬送した。
集落はその後も孤立状態が続く。1月4日になると、起伏が激しい場所でも前進できる自衛隊車両のみが通行できる状態となった。5日には地元の有志が道路への倒木や地割れなどの補修を実施。10日ごろに自衛隊による道路補修用の砂利搬入が始まり、12日になってようやく集落の出口まで道路は開通した。
■現地で目の当たりにした地震の爪痕
筆者が高屋地区に向かったのは、発災から3週間後の1月21日である。
現地に行くまで、「高屋まで行ける」「行けない」と情報は錯綜。高屋とバイクで行き来していた男性の案内で車を走らせたものの、行く手には崩落箇所に鉄板を敷いた仮設道路しかない。道幅も車のすれ違いは困難なほど狭い。
(高屋地区に続く道)
(高屋地区の入り江。海辺が隆起し、岩礁が露出した)
細い砂利道を進み、山を越えると、眼下に高屋地区の入り江が広がっていた。しかし、青い海が広がっているはずの場所に海はない。海岸から数メートル先まで土地が隆起し、白い岩礁が露出しているのだ。
高屋漁港には数十センチ程度の段差が何カ所も生じていた。漁船が10数隻係留されていたが、船は岸壁より2メートルほども低い位置にある。はしごを掛けて降りなければ、乗り込めない。地震の前は普通の港と同様、岸壁からひょいと漁船に乗りこめる状況だったという。岸壁側が2メートルほど隆起したのだろう。
(高屋漁港で並ぶ漁船)
地区を歩くと、屋根の瓦が崩れ落ちた家が多く、土砂崩れにのまれた家もある。住民の多くは避難し、約100人のうち残っているのは9人だった。
集会所に行くと、黄色いジャンパーを着た長靴姿の男性がきびきびと動いている。谷口直生(なおき)さん(38)。「この集落で一番若いので(働いています)」。電気も水道も復旧しておらず、1月1日から3週間も風呂に入っていないという。
けが人がいるのに救助の手がどこからも来ないという状態が発災直後に続き、車中泊を続けた人もいる。仮に珠洲原発の計画が頓挫せずに完成し、そして万が一の事故が起きたら住民らの避難路になっていたはずの道。そこが寸断し、当初は救助も支援もまともに来ない、かといって脱出もできなかった。
そして筆者が訪れた3週間後でも水道、電気は回復していなかった。谷口さんも「珠洲原発があったら目も当てられない状態だったと思う」と言葉少なだった。
現地を案内してくれた珠洲市議の小谷内毅さん(63)はこう言った。
「珠洲に原発があれば、隆起で配管が破断し、大惨事になっていたのでは。この国で原発を使うのであれば、隆起時の実験を行ってからにすべきだ。もし事故を起こしていたとしたら、とても逃げられる状況ではなかった」
■圓龍寺の住職が語ったこと
珠洲市で原発立地計画が進んでいた当時、反対の声を上げた住民のリーダーの1人は、圓龍寺の塚本真如(まこと)住職(78)だった。建物が壊れ、妻が下敷きになったあの寺だ。塚本さんは避難先だった加賀市内のホテルで取材に応じてくれた。
(塚本真如住職。30代のときに原発の計画を聞いて
勉強し、反対のリーダーを担った)
原発計画を聞いたとき、塚本さんは30代だったという。原発について知識がなかったため、原発建設の是非を自分で判断しようと、「推進派と反対派の本をそれぞれ100冊ずつ読んだ」そうだ。
福井県の敦賀原発など他の現場にも足を運んだ。敦賀原発は1981年に放射性廃液の大量流出事故もあり、女性たちが健康影響を心配していた。
「うそを固めてできたのが原発と思った。どうしても『原発がいい』という結論が自分の中で出なかった」
塚本さんらは原発建設予定地に土地を持つ人たちを説得し、そのうち数人の土地を共有化して容易に買収できないようにした。
「能登半島地震が起きてからは(原発計画を止めて)『西日本を救ってくれてありがとう』という電話がかかってくる。日本に原発を動かせる場所はない。本当にそう思います」
筆者は、志賀原発の状況も取材した。原発の入り口には他の原発と同様に検問所のようなゲートがあり、黒っぽい上下の警備員が歩いている。行きかう車の台数は他の原発よりも少ない。時折車両が行き来する程度で、警察官を輸送するバスの行き来のほうが目立つほどだ。
(志賀原発1号機(右)と、再稼働を申請中の2号機)
北陸電力には内部取材について問い合わせているが、返事はなかった。原発そばにある原発PR館「アリス館志賀」を訪れると、職員2人が中から出てきて「入れません」「休館中です」と繰り返す。
■「北陸電力から情報が出てこない」
能登半島の住民や取材者の間では「北陸電力から情報が出てこない」とよく言われる。ホームページで資料を出してはいるが、東京電力のように記者会見のYouTube公開もない。志賀原発の海水の取水口が耐えられる隆起は20センチ+αとされているが、これも記者会見で質問を浴びた北陸電力が答えたことだ。広く一般には公開していない情報であり、会見に参加した記者たちが報道しない限り、住民も国民も知らされない。
志賀原発の周辺も回った。
志賀町富来地区は震度7を記録し、甚大な被害が出た。瓦屋根が地面に接地している家、ブルーシートで入り口が覆われている家……壊滅的な風景が続く。乗用車が屋根に押しつぶされている家もあった。
原発事故が発生したら原発からおおむね5~30キロ圏内の住民は屋内退避するように、との方針を政府は示しているが、志賀町の状況を見ると、「屋内退避」の非現実性が実感できる。
(志賀原発から北に9キロの富来地区。
屋根が崩れた家が目立った)
志賀町の避難所にいた高齢夫婦に話を聞くと、夫(86)は1988年着工の志賀原発で建設作業に従事していたという。能登半島地震の後でも「原発は安全だ」と言い切る夫。その隣で妻(77)は「地震で揺れるたびに原発が心配です」と首を横に振る。
志賀町議の堂下健一さん(69)は、志賀原発から20キロの地点に自宅がある。地震の後は、周辺の県道51号線が土砂崩れとなり、孤立してしまった。自身を含めた住民は運よく土砂崩れの前に避難できたが、自宅にはその後、近づくことができない。
この県道は、石川県の防災計画で能登半島の北部に避難する「基本的な避難ルート」の1つとされているが、2月18日現在も通れないままだ。
堂下さんは言う。
「これで原発は、地震に対応できないことがはっきりしました。それが一番心配です」
■町人口は1万8000人、防護施設の定員は2500人
放射能を防ぐ防護施設も足りない。志賀町によると、町人口の1万8000人に対し、防護施設の定員は2500人しかない。原子力規制庁や政府、県の原子力災害時の現地対応拠点となる「オフサイトセンター」には今回の地震で1月1~2日の2日間に町民130人が避難に駆け込み、職員が対応する事態になった。避難施設ではないが、放射線防護機能があるためだ。県によると、2日夕方に避難所に移ってもらったという。
志賀町長の稲岡健太郎氏は「万が一の場合、全町民を受け入れる容量はない。施設を何倍も増設する必要がある」とし、志賀原発については「以前のように安全性をアピールすることは難しい」と語っている(東京新聞・2月4日朝刊)。
もっとも、被災地から遠く離れてしまうと、原発への懸念は消えたのか、再稼働による「原発回帰」の声が強くなる。
1月30日には関西経済連合会と、原子力発電所が立地する福井県の4市町(敦賀市、美浜町、高浜町、おおい町)の意見交換会が大阪市内で開かれ、エネルギー安全保障や経済を支える観点から国に原子力政策の推進を求めていくことで見解が一致した。
関経連の金花芳則副会長(川崎重工業会長)は「原発稼働を継続する重要性を再確認した」と発言し、美浜町の金花芳則町長は「今年策定される国の次期エネルギー基本計画に原発推進を明確に位置付けてほしい」と求めている。
翌31日には北陸電力の松田光司社長が「(能登半島地震でトラブルが相次いだ志賀原発は)安全上問題はなかった」「原子力は電力の安定供給や二酸化炭素排出の面から素晴らしい電源には間違いない。重要性は変わらない」と記者会見で語っている。
珠洲市や原発立地自治体の人たちは2月2日、原子力規制委員会に「能登半島地震の知見がまとまるまで、(各地の原発再稼働に関する)審査を凍結してほしい」と要望書を出したが、規制委の山中伸介委員長は2月7日の記者会見で「そのような考えはない」と拒んだ。
(原子力規制委の山中委員長=2月14日)
先述したように、国の原子力災害対策指針は、原発から5~30キロ圏内は「住民等が比較的容易に採ることができる対策」として屋内退避を掲げている。家屋や公共施設などの建物内にとどまれ、という意味だ。
しかし、今回の能登半島地震では屋内退避ができない場合が存在することが明らかになった。実際、規制委の山中委員長も地震後の会見で、「屋内退避ができないような状況が発生したのは事実だ。その点の知見をきちんと整理したうえで、もし、災害対策指針を見直す必要があれば、見直していきたい」と述べていた。
■発言から1カ月後に態度を一変
ところが、その発言からおよそ1カ月後の2月14日になると、山中委員長は「避難もできない、屋内退避もできないということは今回の検討の中では考えない」と発言。態度を一変させた。
家屋の倒壊が相次ぎ屋内退避もできない、道路が至るところで壊れて避難もできない。そんな状況が現実に起きたのに、規制委のトップが対応を「考えない」というのだ。規制委が考えずして、いったい誰が被曝防護を考えるのか。
東日本大震災に伴う福島第一原発の事故では、避難区域から餓死状態で見つかった人たちがいた。その教訓から学ばず、能登半島地震の教訓からも学ばないのであれば、また同じことが起きるかもしれない。
国内では現在、12基の原発が再稼働しているが、さらに中国電力の島根原発2号機、東北電力の女川原発2号機が今年、8〜9月の再稼働に向けて手続きが進行中だ。住民の命に直結する課題を棚上げにしたままで、日本は「原発を最大限活用する」(岸田政権)道を走り続けている。
あおき みき / Miki Aoki
札幌市出身。北海タイムス(休刊)、北海道新聞を経て全国紙に勤務。東日本大震災の発生当初から被災地で現場取材を続けている。「警察裏金問題」、原発事故を検証する企画「プロメテウスの罠」、「手抜き除染」報道でそれぞれ取材班で新聞協会賞を受賞した。著書「地図から消される街」(講談社現代新書)で貧困ジャーナリズム大賞、日本医学ジャーナリスト協会賞特別賞など受賞。近著に「いないことにされる私たち」(朝日新聞出版)
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【https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-2887782.html】
<社説>東日本大震災13年 教訓を確認し引き継ごう
公開日時 2024年03月11日 05:00
東日本大震災から今日で13年となった。地震の規模を示すマグニチュードは日本の観測史上最大の9.0を記録し、死者1万5900人、行方不明者2520人、震災関連死は3802人に上った。
東京電力福島第1原発事故の影響で、今も全国で約2万9千人が避難生活を送る。福島県では7市町村で原則立ち入り禁止のエリアが残っている。かつての日常を取り戻す復興の歩みは道半ばだ。
今年元日には能登半島地震が起き、防災や減災に関する課題が多く浮き彫りになった。原発事故や津波などによって甚大な被害をもたらした東日本大震災の教訓を風化させてはならない。再確認し、将来に引き継いでいきたい。
東日本大震災が残した大きな教訓の一つが原発に頼らないエネルギー政策、すなわち脱原発である。政府は震災後、「原発に依存しない社会」を掲げ、30年代に「原発ゼロ」を目指すと宣言した。しかし現在、政府は原発利用を推進している。震災の教訓を忘れたのだろうか。当初目標に立ち返るべきだ。
日本世論調査会による世論調査によると、今後の原発利用について「今すぐゼロ」が4%、「将来的にゼロ」は55%で約6割が「ゼロ」を望んだ。理由を尋ねると「福島第1原発事故のような事態を再び招く恐れがある」が最多で80%だった。政府はこの結果を重く受け止めるべきだ。
今も課題は山積している。使用済み核燃料、いわゆる「核のごみ」の最終処分地や再処理工場の完成は不透明だ。建設中を含む国内19原発の30キロ圏にある自治体のうち18道府県計109市町村で、地震など災害時の緊急輸送道路が土砂崩れなどにより寸断される恐れがあることが共同通信社の分析で判明した。避難に不可欠な道路整備への十分な財政措置が求められる。東日本大震災の教訓を伝える語り部が、担い手の高齢化や資金難で継続が難しくなっている。
能登半島地震では、電気や水道といったライフラインの耐震性の強化や、マンパワーや宿泊場所の確保などの課題が顕著だ。東日本大震災の課題と合わせ、行政と民間が一体となって課題の解決に取り組まねばならない。
一方、沖縄では、最大クラスの津波発生時に被害が想定される「津波災害警戒区域」に、高齢者や障がい者ら「要配慮者」が使用する施設が少なくても628カ所ある一方、避難確保計画の作成は83カ所にとどまることが琉球新報の調べで分かっている。避難所に女性専用避難室などを設けている自治体は3市町村しかないことも判明した。要配慮者や女性の立場に立った避難計画が必要だ。
私たち一人一人は、沖縄が強い地震や大きな津波に襲われた場合を想定し、普段から備えたい。避難方法の確認をはじめ、水や食料、燃料の備蓄、通信手段の確保などを実行することが肝要だ。
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[元福井県高浜町助役から関西電力側への資金提供のイメージ (東京新聞2019年9月27日)↑] (2023年08月20日[日])
核発電は「金のなる巨大木」…蝟集する核発電「麻薬中毒者」ども。
やっぱり金のなる巨大木に蝟集し、金を還流、政治家 (閣僚、しかも行政府の長・首相) に濁流。(リテラ)《まさか、現役の総理大臣にも直接、原発マネーが流れていたとは──》《公共性が高い企業から、よりにもよって現役の総理大臣が事実上の献金を受け取っていたという事実は、極めて重大な問題がある。いや、それどころか「口利き」さえ疑われかねない問題だ》った。
『●「原子力は血液」……ではなく、「原子力=核」は「麻薬」』
『●「けん制」? いや、「恫喝」でしょ?
関西電力八木誠社長が大津地裁と「地元」市民を脅す!』
《美浜原発3号機(福井県)の廃炉を検討していると一部で報じられた
ことに対しては「検討している事実はない。活用していきたい」と述べた》
『●関西電力八木誠社長のあの高浜原発:
「プルサーマル原発」に続き「寿命原発」を動かしたいそうです』
『●砂上にペラペラの壁を造ってまでも
再稼働したくなる浜岡原発という「金のなる巨大木」』
『●やはり核発電は「金のなる巨大木」だった…
高浜「原発マネー」が八木誠会長ら関西電力経営陣個人に見事に《還流》』
『●(リテラ)《まさか、現役の総理大臣にも直接、原発マネーが流れて
いたとは──》《それどころか「口利き」さえ疑われかねない問題》』
さらには。関電の核のごみをなぜに山口県上関町に中間貯蔵(という名の最終処分)を? 中電や経産省、国が散々市民を分断してきた山口県上関町、《問われる町衰退の責任》(長周新聞)。そして、何より、祝島の皆さんがお気の毒で仕方ない。絶対にコンナモノを受け入れてはいけない。(長周新聞)《「なぜ山口県が関電の原発のゴミ捨て場にされないといけないのか」と山口県中で驚きを持って話題にされている。中電の必要性というより、客観的に見ると関電の必要性のために上関を差し出すような格好》、《さんざん町民を分断してきた挙げ句に郷土を核のゴミ捨て場…正真正銘の原発の墓場にするという動きに反発が高まっている》、《「なぜ関電の原発のゴミをわたしたち上関が引き受けなければいけないのか」と疑問を口にしていた。40年以上も原発騒動でもめてきて、上関原発建設計画については実質的に破綻して建設のメドもないなかで、今度は中間貯蔵施設というわけで、要するに上関をゴミ捨て場にする…》。
dot.のコラム【関電と経産省、岸田総理は「亡国トリオ」だ 古賀茂明】(https://dot.asahi.com/articles/-/198163)。《「まるで反社以下の関電」と聞いて、すぐにその意味がわかる人は多くはないかもしれない。しかし、関西電力という会社は驚くようなスキャンダルを量産し続け、しかも、ほとんど何の痛手も被らずに、今も経済産業省と岸田政権に守られてぬくぬくと生き延びている》、《これだけの反社会的行動をとっている関電の23年度の純利益の見通しは、3050億円。06年3月期に記録した過去最高益(1610億円)を大幅に上回る》、《大嘘つきの関電、これに完全にからめ捕られた経産省、そして安倍内閣を超える原発ゴリ押しの岸田内閣。私は、これを亡国トリオと呼ぶことにした》。
『●祝島…《調停を申し立てた側の中電が「法律論争をするつもりはない」
といって議論を避け、調停は不成立…法律論争は不利と判断したから》』
『●《「原発ができれば町が活性化する」という空疎なスローガンのもとで、
町の基幹産業…漁業…など生産振興や生活の向上をめざす活動は停滞》』
『●はぁ? 東京新聞【「原発マネー」で生まれた奇策 使用済み核燃料の
中間貯蔵施設を上関町に 中国電力と関西電力で苦肉の共同開発案】』
『●山口県上関町…《さんざん町民を分断してきた挙げ句に郷土を核のゴミ
捨て場…正真正銘の原発の墓場にするという動きに反発が高まっている》』
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【https://dot.asahi.com/articles/-/198163】
関電と経産省、岸田総理は「亡国トリオ」だ 古賀茂明
政官財の罪と罰
2023/08/08/ 06:00
「まるで反社以下の関電」と聞いて、すぐにその意味がわかる人は多くはないかもしれない。
しかし、関西電力という会社は驚くようなスキャンダルを量産し続け、しかも、ほとんど何の痛手も被らずに、今も経済産業省と岸田政権に守られてぬくぬくと生き延びている。
今回は、少し長くなるが、その許し難い構造について、ごく一部だけでも見ていただいて、それでも、憤りを感じないで済むかどうかを確認していただきたい。
関電の不祥事と言えばすぐ思い出すのが、2019年9月に発覚した、岩根茂樹社長(当時)ら歴代経営幹部83人が福井県高浜町の元助役(故人)から金品を受け取っていた事件だ。公益事業のトップらが長年にわたって大金を受け取ることを習慣化していたことに国民は驚愕した。受領した金品の総額は約3億7000万円相当。内訳は、現金が1億4500万円、商品券6300万円分、金貨365枚(1枚約15万円相当)、小判型金貨3枚、金杯8セット、金500グラム、スーツ75着などで、一人で1億2367万円相当を受け取った者もいた。
しかも、関電経営陣は、この金品受領事件で所得税の追加納税を余儀なくされた元役員1人に計120万円を支払い、追加納税分を補填すると決めたことが発覚している。これは、関電が金銭受領問題について何ら反省をしておらず、むしろとんだ事故に巻き込まれたという程度の認識しか持っていなかったということの証左である。
次に、2022年12月に発覚した顧客情報の盗み見事件もまた世間を驚かせた。大手電力7社で行われていた不正だが、中でも関電など5社は悪質だとして経産省から業務改善命令を受けている。とりわけ私が注目したのは、関電では事件が発覚した後に、システム上は盗み見をやめたことになっていたのに、引き続き一部社員が盗み見を続けていたことだ。この会社の特質、悪いことがバレた後でも決して反省しないというところがここでもよく表れている。
(関西電力美浜原子力発電所。(左から)1号機、2号機、
3号機=2023年7月27日、福井県美浜町)
関電は、この他にも、建設工事に関する社員らの国家資格不正取得や、一部送配電営業所での検査不正なども報じられているが、最も衝撃的だったのは、カルテル主導事件だ。法人向けに顧客の争奪戦を回避するカルテルを行っていたとして、公正取引委員会が、中国電力など4社に総額1000億円超の課徴金を課したのだが、そのカルテルを主導していたのが関電だったのだ。電力自由化の根幹を崩壊させるようなとんでもない事件である。
ここでも関電はその悪質性を存分に発揮した。自分が主導した犯罪であるのに、公取委に仲間を売ったのだ。独占禁止法には最初に犯罪を申告して捜査に協力すれば責任を免れるという制度(リニエンシー)があるが、関電は最初に自主申告して良い子になり、処分を免れた。本当に悪かったと反省しているのであれば、なぜ自分だけでなく、仲間に一緒に申告しようと声をかけなかったのか。悪に手を染めるだけでなく、仁義にも悖(もと)る。反社の暴力団が聞けば、「俺たちよりも酷い」と言われるだろう。
本件では、このカルテルを主導したとされる森本孝・前社長は、この事件を公取委に報告したのちも特別顧問として高額の報酬を受けていたそうだ。ここでも、腹の中では全く反省していなかったことが見てとれる。
そして、これから注目を浴びるタチの悪い詐欺的行為が、核のゴミ処理のやるやる詐欺である。
放射性廃棄物の処分は答えのない大問題だ。本来は、これを解決しないまま原発を動かすことなど許されないはずであるが、実際には全く見通しが立たない。
とりわけ、7基の原発が稼働する予定の関電は大量の核のゴミを現在も生産中で、その処理策を示すことは地元のみならず、社会全体に対する責任である。
ところが、関電は、ゴミを何とかしろと言われると、「はいわかりました」と安易に答えるだけで本気では何もしない。数え方にもよるが、私が知る限り、これまでに、5回も大嘘をついてきた。
最初は、1998年に中間貯蔵施設を福井県外につくると約束した。その見返りに燃料プールの容量を増やすことを認めてもらった。
次の嘘は2015年、高浜原発の再稼働を認めてもらうために、20年ごろの中間貯蔵施設の県外建設により核のゴミを県外に持ち出すと約束。もちろん、大嘘だった。
17年に大飯原発再稼働を認めてもらう際には、18年中に候補地を決めると約束した。その後、関電は、18年に東京電力と日本原電が建設中の青森県むつ市の中間貯蔵施設に関電が出資して相乗りするという虫の良い計画を立てたが、むつ市長が不快感を示したことで頓挫。さらに、懲りない関電は、今度は、電気事業連合会を使って、むつ市の中間貯蔵施設の電力大手による共同使用案を検討させようとした。しかし、さらにむつ市長の怒りを買い、「むつ市は核のゴミ捨て場ではない」と激怒されて、結局この案もお蔵入りとなった。
そして、関電は運転期間40年超の美浜3号機、高浜1、2号機の再稼働を認めてもらう必要に迫られると、中間貯蔵施設の候補地を23年末までに決めるとし、「できなければ美浜3号機、高浜1、2号機の運転を停止する」と、とんでもない空約束をした。もちろん、口から出まかせだということは誰の目にも明らかだった。
23年の半ばになりいよいよ追い詰められた関電は、経産省と結託して、とんでもない「解決策」を発表した。高浜原発の使用済みMOX燃料10トンに普通の使用済み燃料190トンを混ぜて行う再処理の実証試験をフランスで行うというのだ。これで合計200トンの使用済み燃料をフランスに搬出することになるのだが、関電の廃炉を決めた原発を除く原発7基では年約130トンの使用済み燃料が発生するという。200トンなどあっという間に超過してしまう。しかも200トンは、関電が保有する核のゴミ全体の5%程度でしかない。現状のままでは、貯蔵用のプールは、5~7年で満杯になる予定で、今回の計画は全くの焼け石に水だ。
しかし、関電の森望社長は「県外に搬出されるという意味で、中間貯蔵と同等の意義がある」と胸を張った。中間貯蔵施設建設候補地の決定と同じというのだが、あまりの図々しさに呆れてしまう。もちろん、地元も世論も強い反発を示したのだが、そんなことは計算済みだ。関電は経産省に手を回し、西村康稔経産相に「中間貯蔵と同等の意義がある」と言わせて、国のお墨付きを得た。ふざけるなという話である。
さらに、関電は、「ズルの上塗り」を進めようとしている。
8月2日、中国電力が山口県上関町に新設を計画する上関原発周辺の所有地に、中間貯蔵施設の建設を検討する方針を発表した。矢面に立つのは中国電だが、実は、関電と組んで進めるという。関電は中国電を後ろで操り、地元との調整は中国電にやらせる。関電は成果だけを享受するわけだ。カルテルの時も関電が主導して利益を得ながら、最後は中国電だけでも700億円超の課徴金を課され、関電は無傷で逃げ切った。今回この計画が頓挫しても、傷を負うのは中国電だけという図式である。
とんだとばっちりに遭ったのが上関の町民だ。中国電の原発建設計画を反対運動で何とか止めているのに、またもや「札束で横面を張る」やり方で、強引に核のゴミ捨て場にされそうになっている。その裏には関電がいて、さらには経産省と原発ゴリ押しの岸田内閣がいる。大変な相手との闘いがもう一つ増えたわけだ。
ここまで書いてきて、わかるのは関電という企業の稀に見る悪質性である。単にスキャンダルまみれだというのにとどまらない。関電の特徴は、第一に企業トップが犯罪を主導するということ。第二に、発覚すると表向きは謝罪するが、裏では経営トップが不正を行った者に損失補填をするなど、腹の中では全く反省していないということ。第三に、自己が利益を得るためなら他人を裏切ることなど何とも思わないというヤクザも驚くような不誠実さである。こんな企業が原発という危険なものを動かして良いのだろうか。
とりわけ、関電の原発は日本海側に集中している。岸田政権は、北朝鮮のミサイルの脅威を強調し、中国の危険性も強調する。もしこれが正しいのであれば、日本海側にある原発は直ちに稼働を止めて、核燃料などは、地中深くの施設に移してミサイル攻撃を受けないようにすべきであることは誰にもわかる。原発そのものがミサイル攻撃で破壊されれば大惨事になるが、それよりも脆弱な構造の核燃料プールが破壊されても同じことが起きるし、それらの施設ではなくても電源を完全に断つような攻撃で大変なことが起きる。
それにもかかわらず、関電が漫然と自社の利益を求めるために老朽化原発まで動かそうとするのを政府は後押しし、関電の嘘をむしろ庇いながら、原発再稼働に邁進している。現有の原発が安全保障上日本の最大の弱点になっていることを全く無視しているのはどういうことなのか。
これだけの反社会的行動をとっている関電の23年度の純利益の見通しは、3050億円。06年3月期に記録した過去最高益(1610億円)を大幅に上回る。その最大の理由が原発再稼働が進んでいることだというが、競争を回避する体質で電気料金が高止まりしている効果も大きい。いずれにしても、電気代上昇に喘ぐ我々国民から見れば理不尽としか思えない。
大嘘つきの関電、これに完全にからめ捕られた経産省、そして安倍内閣を超える原発ゴリ押しの岸田内閣。私は、これを亡国トリオと呼ぶことにした。
ここまで読んでいただければ、私が冒頭で紹介した「まるで反社以下の関電」という意味を理解していただけると思うのだが、いかがだろうか。
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(2023年01月02日[月])
こんな簡単なことも理解できない裁判長…《生き物にも機械にも「不老不死」はあり得ない》、ましてや地震大国ニッポンで。
樋口英明さんは、以前から、《地震大国の日本には、北海道から沖縄まで原発を動かせる場所はどこにもない》と。まともな裁判官が、もっと増えないものか…。《老朽原発はもちろん、日本には強い地震に耐えられる原発はひとつたりともない》。高度な工学的知識や科学的な知識は不要だ、だって、《原発の耐震性は一般住宅よりもはるかに脆弱》《原発の耐震性は信頼度も基準値も一般住宅より、はるかに劣る》のだから。《住民や電力会社、弁護士や裁判官までもが「難しいに違いない」と“魔法”にかかってしまう》必要などない。
《毎年のように頻発する、やや強めの地震に襲われても危険ということです。原子炉は強い地震に耐えられても、原子炉に繋がっている配管や配電の耐震性は低い上に耐震補強も難しい。断水しても停電しても原発は大事故につながる。それが福島の教訓です》…何の教訓も得ていません。そのためには、最後に、樋口英明さんは《あらゆる運転差し止め訴訟で裁判官に原発の脆弱な耐震性を知らしめ、電力会社の非科学性と非常識を理解させることによって、日本の全ての原発は必ず停止できます》と仰っています。
(樋口英明さん)《私が大飯原発を止めた理由は4つです。①原発事故のもたらす被害はきわめて甚大。だから、②原発には高度の安全性(事故発生確率が低いこと)が求められるべき。③地震大国日本において高度の安全性があるということは、高度の耐震性があるということにほかならない。④しかし、我が国の原発の耐震性はきわめて低い。ですから原発の運転は許されないのです。これは「樋口理論」と呼ばれています》。
『●核発電所停止期間を控除 ――― この地震大国ニッポンで、「原則
40年、最長60年」さえも無視して、実質的に60年以上運転したいと…』
東京新聞の【<社説>老朽原発の追認 不老不死はあり得ない】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/221218?rct=editorial)によると、《老朽化による危険があるとして、全国で唯一、四十年を超えて稼働する関西電力 美浜原発3号機(福井県美浜町)の運転差し止めを求めた地元住民の訴えを、大阪地裁は退けた。「原発復権」を加速する政府の方針を追認するような判断だ》。
ギロチン破断事故 (蒸気噴出事故) の美浜原発3号機を稼働って、正気なのかね、関電や原子力〝寄生〟委員会、経産省、自公政権やお維。そして、司法。
『●大飯原発再稼働の恐〝負〟の連鎖:
40年間も動かした美浜原発2号炉をさらに10年稼働延長』
『●東京電力人災が続く中、なに寝ぼけてんだか!?』
《11人が死傷した関西電力美浜原発3号機(福井県美浜町)の
蒸気噴出事故から丸8年となった9日、同原発で追悼式典が開かれ、
八木誠社長が慰霊碑の前で「事故の反省と教訓を風化させることなく、
安全の実績を積み重ねるべく全力を尽くす」と再発防止を誓った》
『●関西電力大飯原発再稼働差し止め、画期的勝訴:
もし敗訴していたら大変なことに……』
《「判決を聞いて5人の仲間のことを思った」
原告の一人で元原発作業員の山本雅彦さん…=福井県敦賀市=は
判決後の記者会見でそう話し、04年にあった美浜原発3号機の
蒸気噴出事故で亡くなった5人の作業員を悼んだ》
『●「原子力は血液」……ではなく、「原子力=核」は「麻薬」』
『●「けん制」? いや、「恫喝」でしょ?
関西電力八木誠社長が大津地裁と「地元」市民を脅す!』
《美浜原発3号機(福井県)の廃炉を検討していると一部で報じられた
ことに対しては「検討している事実はない。活用していきたい」と述べた》
『●「あとの祭り」: 核発電「麻薬」中毒患者、増殖中
…どんどん壊れ行くニッポン』
『●関西電力美浜原発3号機再稼働に同意した戸嶋秀樹美浜町長や
竹仲良広町議会議長らは、《大阪地裁訴訟の原告》達の声を聞いたのか?』
『●「狂ったゴジラ」「老朽原発」「寿命核発電所」…40年超核発電所
の稼働という「麻薬」に手を出す核発電「麻薬」中毒者らの暴走』
そして、核発電人災を起こした東電。はぁぁ…正気なんだろうか? まず、福島を「原状回復」して見せてよ。全ての《生業(なりわい)》を返して見せてくれよ。出来ないのならば、即時、全炉で廃炉作業に入るべきだ。この11年間、何やってたの?
小野沢健太・増井のぞみ両記者による、東京新聞の記事【原発賠償基準を9年ぶり見直し 東京電力の不誠実な姿勢に「警告」】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/221175)によると、《◆東電社長、それでも「柏崎刈羽原発の再稼働目指す」 指針改定が決まった20日、経済産業省は東電の小早川智明社長を呼び出し、迅速な賠償を求めた。「福島への責任を果たす」と、沈痛な表情の小早川氏。報道陣の取材で、政府の原発活用策への対応を問われ「柏崎刈羽原発(新潟県)の再稼働を目指したい」と答えた。果たしてこれが被災者に寄り添う姿勢なのか、疑問は尽きない。(小野沢健太、増井のぞみ)》。
『●「あれだけの事故を起こして被害を出して、だれか1人でも
責任とってやめたか。申し訳ないと謝罪したか」』
《馬奈木厳太郎弁護士…樽川さんのお怒りは、まっとうなものなんです。
今回の福島の被害の象徴と言ってもいいかもしれない。
彼が求めていることは「責任をとってくれ」です。
「あれだけの事故を起こして被害を出して、だれか1人でも責任とって
やめたか。申し訳ないと謝罪したか」と。そう思っているのは、
樽川さんだけではない。国と東京電力を相手に、事故から2年後の
2013年3月11日に福島地裁に起こした
「生業(なりわい)を返せ、地域を返せ!」福島原発訴訟(生業訴訟)
には約4千人の原告がいて、樽川さんもそのお一人です》
『●《原発再稼働や増設を唱える連中の頭の中を掻っ捌いて、中身を見て
みたい》(鈴木耕さん)――― なぜ今直ぐ「原状回復」しないの?』
《40年間も運転し続ければ、脆性劣化と呼ばれる金属疲労が起きて危険性が
増す、というのは2011年3月の福島第一原発事故の大爆発以前から、
ずっと言われてきたことではなかったか。そのために、何度も
過酷事故(シビアアクシデント)の瀬戸際まで行ったことがあった
ではないか。
美浜原発3号機(関西電力、福井県)では、2004年8月9日に
配管破断という大事故を起こし、11名が被災、うち5名が死亡している。
その美浜3号機がこの6月23日に再稼働したのだ。もう一度事故を
起こさないと懲りないのか!》
『●核発電の《オープンな議論を通じて国民の幅広い理解を得ることが
不可欠》? まずは福島を《原状回復》して見せてくれ、議論はそれから』
『●東電核発電人災の被害者が「私たちは生きている限り、原発の時代を
背負ったということ」と強調、一方、政府や電力会社は核発電の継続と…』
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【https://www.tokyo-np.co.jp/article/221218?rct=editorial】
<社説>老朽原発の追認 不老不死はあり得ない
2022年12月21日 07時00分
老朽化による危険があるとして、全国で唯一、四十年を超えて稼働する関西電力 美浜原発3号機(福井県美浜町)の運転差し止めを求めた地元住民の訴えを、大阪地裁は退けた。「原発復権」を加速する政府の方針を追認するような判断だ。
美浜原発3号機は、一九七六年十二月に運転開始。福島第一原発事故後の停止期間を経て、二〇一六年十一月、原子力規制委員会に運転延長を認められ、二一年六月に再稼働した。
裁判では、四十年超の長期運転による原発設備への影響が争点になった。
原告住民は、炉内で発生する中性子の照射によって原子炉圧力容器がもろくなるなど設備の劣化が進み、「事故の恐れが飛躍的に高まる」と訴えた。
これに対して関電側は、劣化状況を適切に把握し、改修を施した上で、3・11後の新規制基準に「適合」とされており「高経年化に問題はない」と主張した。
大阪地裁は「関電による経年劣化対策に不合理な点はなく、耐震性にも問題はない」と、関電側の主張をそのまま受け入れた。
ロシアのウクライナ侵攻によるエネルギー危機と脱炭素の要求を背景に、政府は「原発復権」に大きくかじを切った。
3・11の教訓を踏まえて定めた「原則四十年、最長六十年」の運転期限を撤廃し、三十年目から十年以内ごとの審査に通れば、無期限に運転が可能になるような仕組みづくりを進めている。政府の方針に“お墨付き”を与えたような大阪地裁の判断は疑問である。
そもそも原発の“健康管理”には限界がある。原子炉の本体である圧力容器の交換は不可能だ。
配管延長は数十キロにも及び、部品数は一千万点に上るという。点検漏れのリスクも付きまとう。
美浜原発3号機でも〇四年、長年点検リストから漏れていた配管が劣化して破れ、噴き出した熱水と蒸気を浴びた作業員五人が死亡する惨事が起きている。
「六十年超」の原発は、現在世界にない。規制手法にも前例がなく、「老朽化」を「高経年化」と言い換えて延命を図るのは、危険である。
生き物にも機械にも「不老不死」はあり得ない。そんな基本に立ち返り、原発の運転期限を維持しつつ、依存を弱めていくべきだ。
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[※ 『ふくしま原発作業員日誌-イチエフの真実、9年間の記録』(片山夏子、朝日新聞出版、2020年2月刊、1700円)↑] (2021年05月01日[土])
東京新聞の3つの記事、【福井県知事、40年超原発の再稼働に同意 全国初 国から計50億円の交付金提示】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/100986)と、
小川慎一記者による記事【脱炭素で原則40年なし崩し 着々と進む原発再稼働、福井の老朽原発「同意」で新局面】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/101000)と、
小川慎一・山本洋児・今井智文の3記者による記事【「脱炭素」の声に押され…老朽原発が再稼働へ 使用済み核燃料の行方も決まらず見切り発車】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/101090)。
《運転開始から40年を超えた福井県の関西電力美浜原発3号機(美浜町)、高浜原発1、2号機(高浜町)の再稼働について、「地元同意」の最終判断を担う杉本達治知事が28日、県庁で会見し、「地元の町、県議会などの意見を総合的に勘案した」と述べ、再稼働に同意する考えを示した。同日中に梶山弘志経済産業相に伝達する。東京電力福島第一原発事故後、原発の運転期間を原則40年と定めた法律下で、全国で初めての最大20年の延長運転に入ることになった ◆知事、関電に「安全神話に陥ることなく進めて」》。
《原発が集中立地する福井県で、運転期間40年を超えた関西電力の老朽原発3基について、杉本達治知事が再稼働に同意した。世界最悪レベルとなった東京電力福島第一原発事故後に、原発の運転は原則40年と定められ、運転延長は「例外的」とされていた。しかし、今後は政府と電力会社が「脱炭素」「地球温暖化対策」を前面に押し出し、ルールがなし崩しになるのは避けられない。…◆運転延長に頼る政府、地元に「アメ」》
《運転期間40年を超えた関西電力の老朽原発3基の再稼働に、福井県知事が28日同意した。ただ、知事が条件とした使用済み核燃料の県外搬出は、実現の見通しすらない。政府による「脱炭素」の声に押された見切り発車で、例外的とされた運転延長の道へ先陣を切った》。
『●汚染水の海洋放出…《避難したままの人たちは、いまだ4万人を
超える。どれだけ多くの人たちがさらに傷つけられればいいのか》?』
《アンダーコントロール》も出来ず、二進も三進もいかない核発電所。汚染水を海洋放出するという。《避難したままの人たちは、いまだ4万人を超える。どれだけ多くの人たちがさらに傷つけられればいいのか》?
「濁流」さえ疑われる、関西電力による「還流」問題は一体どうなったのか? 九州電力も似たようなものです。
『●自公議員投票の大罪: 「九電元幹部は「政治家側から
支援を頼んでくるのが昔からの伝統」」』
『●核発電は「金のなる巨大木」…《自民党の最近のルールは
「返せば問題ない」と、なかったことにできるというもの》』
「《還流》だけでなく、自民党やお維のセンセ方への「濁流」も、
各党で調べた方がよくはないのかな? 他の電力会社も、特に
九州電力は「クリーン」なのでしょうかね? ウルトラ差別主義者の
副首相と浅からぬ関係ですけど。
『●《稲田朋美…世耕弘成…安倍側近が…関電受注企業から献金…
証人喚問を含め、国会の場で徹底的に調査するほかない》』
『●「桜を見る会」税金接待というアベ様模倣犯・世耕弘成経産相
関西電力〝濁流〟問題でも《関電受注企業から献金》』
『●関西電力美浜原発3号機再稼働に同意した戸嶋秀樹美浜町長や
竹仲良広町議会議長らは、《大阪地裁訴訟の原告》達の声を聞いたのか?』
《地元に「アメ」》《国からは美浜、高浜原発合わせて計50億円の交付金が提示されている》…それは麻薬です。核発電「麻薬」中毒者らに、麻薬を渡すようなもの。日本中が「地元」であり、「地元」の市民はたまったものではない。例外中の例外が、もはや通例に。狂っています。「狂ったゴジラ」「老朽原発」「寿命核発電所」…九州電力も〝通例〟を求めているようだ。《杉本知事は報告を踏まえ「再稼働後も安全神話に陥ることなく、安全最優先で進めてほしい」と関電に求めた》…核発電は、《安全》と対極にある概念だ。
『●九電玄海原発も廃炉に』
《玄海原発、想定以上の劣化か 専門家指摘「廃炉に」…
原子炉は運転年数を経るにつれ、中性子を浴びて次第にもろくなる。
その程度を調べるため、電力各社は圧力容器内に容器本体と同じ材質の
試験片を置き、もろさの指標である「脆性遷移(ぜいせいせんい)温度」
を測っている。温度が上がるほど、もろさが増しているとされる。
1975年に操業を始めた玄海原発1号機は九電管内で最も古い原発で、
想定している運転年数は2035年までの60年間。脆性遷移温度は
76年、80年、93年に測定し、それぞれ35度、37度、56度
だった。ところが、09年には98度と大幅に上昇した。
九電はこの測定値から、容器本体の脆性遷移温度を80度と推計。
「60年間運転しても91度になる計算で、93度未満という
新設原子炉の業界基準も下回る数値だ」と説明している》
『●東京電力原発人災以降も続く無責任の連鎖』
「経済産業省原子力安全・保安院は玄海原発1号機の老朽化問題について、
検討を終え、報告書をまとめるそうだ。「脆性遷移温度」が急激に
高まっているにもかかわらず、「十分に健全だ」と主張している。
「1993年に取り出した金属片は56度だったのが、2009年は
98度にまで上昇」し、「予測値を14度超えていた」にも係らず
である。つまり、高い温度でも原子炉の材料がガラスのように
脆くなり、破壊されてしまう恐れが高まっていることを意味している。
保安院は「事故時に原子炉を急激に冷やすと壊れないか検証」し、
原子炉内に設置していた金属片について「取り出した金属片を分析し、
圧力容器の溶接部を調べたが、異常は見つからなかった」ので、
「急激に冷やしても圧力容器が耐えられることも確認した」そうである。
どこが原子炉が破壊されない「確認」になっているのか。むしろ、
リスクが上がっていることが「確認」されたのではないのか。
電力会社や原子力ムラの住人のいい加減さ、それを見過ごした専門家や
我々一般市民・利用者にも責任があったはずだ。東京電力原発人災で
少なくとも我々は気づいたはずで、このままズルズルと原発再稼働・
原発輸出・原発建設再開という「無責任」を続けてはならない」
「脆性遷移温度」が急激に高まっているのではないか。データは公開され、十分に検証されているのか。
『●60年間稼働させたい高浜原発:
「電気代が高い低いの問題とを並べて論じること自体、許されない」』
『●「老いた馬」ではなく「狂ったゴジラ」:
「麻薬」患者の関電がプルサーマルに続いて「寿命核発電所」…』
『●「仏様のおかげ」はもう期待しない方がいい:
高浜原発、「このゴジラが最後の一匹だとは思えない」』
『●なぜ命を軽々しく賭して、「たかが電気」のために
核発電する必要があるのか? 次も神様・仏様は居るか?』
『●「あとの祭り」: 核発電「麻薬」中毒患者、増殖中
…どんどん壊れ行くニッポン』
《原子力規制委員会は3日、定例会合を開き、運転開始から40年の
法定寿命が近づいている老朽原発の関西電力美浜3号機(福井県)
について、新規制基準を満たしているとする「審査書案」を了承》
『●高浜「寿命核発電所」延命、「安全より
経済優先の時代へと逆戻り」…「規制緩和」委員会(©東新)』
《これでは“規制緩和委員会”。そんな声も聞こえてきそう。安全より
経済優先の時代へと逆戻りしたかのような、関西電力高浜原発の
延命適合。熊本地震に不安を抱く、人々の目にはどう映る》
『●寿命核発電所再稼働:「世界は既に廃炉時代
時代の先端を行く方が、地域の実りははるかに多い」』
「東京新聞の記事【「40年廃炉」なし崩し 老朽原発に初の延長認可
高浜1・2号機に最長20年】…と、
社説【高浜原発 延命よりも新産業だ】…。
《四十年廃炉が原則だが、条件を満たせば一回に限り二十年の延長が
認められる。延長は「例外中の例外」とされてきたが、初の適用例が
決まった。ただ、再稼働するには、大規模な改修工事が必要で、
三年ほど先になる見通し》。
《原子力規制委員会が、運転四十年を超える関西電力 高浜原発(福井県)
の延長を初めて認可した。世界は既に廃炉時代。無理な延命を図るより、
時代の先端を行く方が、地域の実りははるかに多い》」
『●東京電力核発電人災から10年経って、この有様…アンダーコントロール
どころか人災は継続中、しかも、まだ核発電を続けたいという…』
「東京新聞の【<社説>老朽原発 新しい未来図描く時】…
東京電力核発電人災から、10年が過ぎ、未だにこの有様だ。
《例外》が通例に…核発電「麻薬」中毒者が暴走し、「老朽原発」さえも
再稼働させたいらしい。狂っている。関西電力だけでなく、九州電力、
さらには、東京電力、マトモではない」
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【https://www.tokyo-np.co.jp/article/100986】
福井県知事、40年超原発の再稼働に同意 全国初 国から計50億円の交付金提示
2021年4月28日 12時48分
運転開始から40年を超えた福井県の関西電力美浜原発3号機(美浜町)、高浜原発1、2号機(高浜町)の再稼働について、「地元同意」の最終判断を担う杉本達治知事が28日、県庁で会見し、「地元の町、県議会などの意見を総合的に勘案した」と述べ、再稼働に同意する考えを示した。同日中に梶山弘志経済産業相に伝達する。東京電力福島第一原発事故後、原発の運転期間を原則40年と定めた法律下で、全国で初めての最大20年の延長運転に入ることになった。
(事故対策工事が進む関西電力高浜原発=2021年2月、
福井県高浜町で、本社ヘリ「まなづる」から)
◆知事、関電に「安全神話に陥ることなく進めて」
老朽化した3基の原発の安全性を巡っては、県原子力安全専門委員会が今月22日、「必要な対策が講じられている」との報告書を杉本知事に提出。杉本知事は報告を踏まえ「再稼働後も安全神話に陥ることなく、安全最優先で進めてほしい」と関電に求めた。
国からは美浜、高浜原発合わせて計50億円の交付金が提示されている。国の将来的な原子力政策については27日、杉本知事とオンライン会談した梶山経産相が、持続的に原発を活用する方針を打ち出した。
政府は2050年の温室効果ガス排出実質ゼロを定め、菅義偉首相も今月、温室効果ガス排出量の30年度削減目標を13年度比で46%減に上方修正したことから、既存原発の活用を積極的に進めたい考え。一方で老朽化した原発の安全性や、周辺自治体にも及ぶ事故時の避難計画の実効性の懸念は根強く残る。
◆使用済み核燃料、搬出先未定なら「停止」
また、県が県外への搬出を求めている原発の使用済み核燃料を一時保管する中間貯蔵施設について、関電は青森県むつ市を候補地として提示したが、同市は受け入れないことを明確にしている。関電は23年末までに施設の計画地を確定できない場合、3基の原発を停止すると明言している。
再稼働を巡っては地元の美浜、高浜町が同意し、県議会も容認していた。
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【https://www.tokyo-np.co.jp/article/101000】
脱炭素で原則40年なし崩し 着々と進む原発再稼働、福井の老朽原発「同意」で新局面
2021年4月28日 12時45分
原発が集中立地する福井県で、運転期間40年を超えた関西電力の老朽原発3基について、杉本達治知事が再稼働に同意した。世界最悪レベルとなった東京電力福島第一原発事故後に、原発の運転は原則40年と定められ、運転延長は「例外的」とされていた。しかし、今後は政府と電力会社が「脱炭素」「地球温暖化対策」を前面に押し出し、ルールがなし崩しになるのは避けられない。
◆段階的に進む再稼働
福島第一原発事故後、原発の再稼働は基数は少ないものの、着々と進んでいった。これまでを振り返ると、原発再稼働の道は3つのステップがあった。
第一に、福島第一原発(沸騰水型)とは異なる発電方式である加圧水型の原発が、相次いで再稼働した。西日本に立地する関電、四国電力、九州電力の5原発9基は、司法判断で停止を余儀なくされた原発もあるが、地元同意を得て運転を継続している。
第二に、東日本大震災で被災した原発が、再稼働へ向かっている。昨年11月、東北電力女川原発2号機(宮城県)の再稼働に宮城県知事が同意した。宮城県は、多くの住民が避難生活を続けている福島に隣接し、原発事故の影響をなお受けている自治体だ。そのトップが、原発の稼働にゴーサインを出した。東日本に立地する原発を保有する電力会社にとっては、これ以上の「追い風」はない。
◆2030年には老朽原発15基に
第三に、今回の老朽原発の再稼働だ。関電の美浜原発3号機と高浜1、2号機は最長20年の運転延長が認められている。関電が巨額を投じた事故対策と、それを認めた原子力規制委員会の判断を、住民の安全に責任を有す自治体トップが「是」とした。運転延長を目指す他の電力会社にとって、良い先例とされる。
東日本では、日本原子力発電の東海第二原発(茨城県)が運転延長を認められている。他に、規制委が認可した原発はないが、2030年には、全国で新たに11基が運転開始から40年を迎え、40年超えは計15基になる。老朽原発の稼働の是非は、原発立地自治体にとって他人ごとではない。
◆運転延長に頼る政府、地元に「アメ」
菅義偉首相は昨年10月、2050年までに二酸化炭素(CO2)を主とする温室効果ガスの排出実質ゼロ(カーボンニュートラル)を目指すと宣言した。発電時にCO2を排出しない原発は「脱炭素電源」としての存在感が高まっている。
ただ、政府は原発の新増設には消極的だ。あくまでも既存原発のフル活用を目指す立場で、その要が運転延長だ。再稼働している関電高浜原発3、4号機や九電川内原発1、2号機(鹿児島県)は4、5年で運転40年を迎え、延長手続きのリミットが迫る。
菅首相は4月22日、30年度の温室効果ガス削減目標を「13年度比46%」と、これまでより20%引き上げた。目標達成へ、政府は原発に頼ろうとしている。そのため政府は今回、老朽原発の再稼働に計50億円の交付金を地元に「アメ」として示し、知事同意につなげた。
古ければ古いほど原発はリスクが高まるが、運転延長で原子炉が交換されるわけではない。老朽原発再稼働という道を拓いた福井県知事の判断は、事故リスクから目を背けられない「いばらの道」への一歩でもある。(小川慎一)
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【https://www.tokyo-np.co.jp/article/101090】
「脱炭素」の声に押され…老朽原発が再稼働へ 使用済み核燃料の行方も決まらず見切り発車
2021年4月29日 06時00分
運転期間40年を超えた関西電力の老朽原発3基の再稼働に、福井県知事が28日同意した。ただ、知事が条件とした使用済み核燃料の県外搬出は、実現の見通しすらない。政府による「脱炭素」の声に押された見切り発車で、例外的とされた運転延長の道へ先陣を切った。(小川慎一、山本洋児、今井智文)
◆「いたずらに延ばすわけには…」
「(県原子力安全専門委員会に)5年前から安全性を確認してもらい、避難計画も1月に出された。いたずらに延ばすわけにはいかない」。杉本達治知事は県庁での定例記者会見で、同意表明を急いだのではという質問にこう答えた。
老朽原発の再稼働という全国初の手続きは、4月に入って急加速した。知事は県議会に、再稼働すれば国から県に計50億円の交付金が入ることなどを提示。県議会はすぐに応じ、2週間余りで容認した。
「関電の現場から再稼働を急ぎたいとの声が上がっていた」と、ある中堅県議は取材に明かした。高浜原発1、2号機はテロ対策施設の工事が間に合わず、設置期限の6月9日以降は完成まで運転できない。それでも同県議は「再稼働すれば、短期間でも10年間動かしていない原発の不具合を確かめられる」と指摘した。
◆県外搬出が再稼働の条件だったが…
同意表明を巡っては、知事の態度軟化もあった。福井県は、関電が3つの原発で出る使用済み核燃料を県外に搬出するよう求め、候補地の提示が再稼働の議論の条件と突き付けてきた。
関電は実現を約束したものの、昨年末に県外候補地の自力提示を断念。その代わりに電力業界と国が、東京電力と日本原子力発電の使用済み核燃料の保管先である青森県むつ市の中間貯蔵施設の共同利用案を提示し、関電は2023年末までに候補地を示すとした。できなければ、「老朽原発を運転しない」と約束した。
杉本知事は関電の背水の陣の覚悟に対して「一定の回答があった」と評価し、途端に前のめりに。ところが、むつ市の宮下宗一郎市長は共同利用案に否定的で、本紙の取材に「受け入れの可能性はゼロ」と断言。実現の見通しはない。
杉本知事は27日、関電の森本孝社長と梶山弘志経済産業相とのオンラインの面会で約束を守るよう念押ししたが、いずれも「むつ市」に言及しなかった。
◆自治体と関電の思惑が一致
「梶山経産相から、将来的にも原子力を活用すると言い切りの形での表明がされた」。杉本知事は会見で、同意表明の理由の一つに政府の原子力政策の方向性が示されたことを挙げた。
菅義偉首相が50年までに二酸化炭素(CO₂)を主とする温室効果ガスの排出を実質ゼロにすると宣言して以降、発電時にCO₂を排出しない原発は脱炭素電源として存在感が高まっている。老朽原発の運転延長は、原発に地域経済を依存する自治体と、化石燃料コストを削減できる関電の思惑が一致した面も強い。
ただ、政府は太陽光や風力による再生可能エネルギーに注力する方針で、原発の新増設や建て替えに消極的だ。運転延長という既存原発のフル活用で、30年度の電源構成で原発を20%台にすることを目指すが、それには30基程度の稼働が必要となる。日本には建設中の3基も含め計36基しかなく、「不可能だ」という声が経産省や電力会社からさえ出ている。
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(2021年03月21日[日])
東京新聞の二つの記事【【速報】東海第二原発の運転禁じる 水戸地裁が住民側の訴え認める】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/92269)と、
【【速報】伊方原発3号機の運転容認 広島高裁が四国電力の異議認める】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/92268)。
《茨城県東海村にある日本原子力発電(原電)の東海第二原発=東日本大震災で被災し停止中=を巡り、周辺住民らが運転の差し止めを求めた訴訟の判決で、水戸地裁(前田英子裁判長)は18日、住民側の訴えを認めて、運転を禁じた。東京電力福島第一原発事故から10年、首都圏に唯一立地し、運転期間が40年を超えている原発の運転を、司法は認めなかった》。
《四国電力伊方原発3号機(愛媛県)の運転禁止を命じた広島高裁の仮処分決定(2020年1月)を不服とした四国電力の申し立てによる異議審で、広島高裁(横溝邦彦裁判長)は18日、四国電力の異議を認め、運転を容認する決定を出した》。
『●元福井地裁裁判長・樋口英明さん《地震大国の日本には、
北海道から沖縄まで原発を動かせる場所はどこにもない》』
《二〇一四年五月に福井地裁の裁判長として、関西電力
大飯原発3、4号機(福井県)の運転差し止め判決を出した。
今も自分が正しいと確信を持っている。大飯原発の基準地震動
(耐震設計上の想定の揺れ)は七〇〇ガル(揺れの勢いを示す加速度の
単位)で、重大事故につながる限界点は一・八倍の一二六〇ガルだと
関電は主張していた。私は裁判前は、三〇〇〇ガルのような強い揺れに
原発が耐えられるかどうかが争点になると予想していた。ところがふたを
開けてみれば、一二六〇ガルが来たらおしまいだというのは争いが
なかった。主な争点は「敷地内に一二六〇ガルを超える地震は来ない」
という関電の主張の信用性だった。それが争点なら難しい工学的判断は
不要で、理性と良識があれば簡単に解ける問題となる。地震大国の
日本では、原発で基準地震動を超える地震が頻発しており、大飯も
「ロシアンルーレット」状態だった。日本の国策は「安全な原発を
動かす」であって、「何が何でも動かす」ではない。私の「極めて
危険だから動かしてはいけない」という判断は、国策にも忠実だった
と思っている。仮に私が日本原子力発電(原電)東海第二原発の
差し止め訴訟を指揮するなら、ポイントは三つあると思う。一つは、
基準地震動を超える地震が来ないと言えるかどうか。
これは他の原発と共通の問題だ》
《東海第二原発の運転禁じる》、水戸地裁・前田英子裁判長がまともな裁判長で本当によかった!
『●四十年廃炉ルール無視、特例中の特例のはずが…
日本原電は東海第二原発の再稼働をしたいらしい…』
一方、《伊方原発3号機の運転容認》、広島高裁・横溝邦彦裁判長…まともでない裁判長で哀しい。《日本一細長い佐田岬半島の付け根に位置する伊方原発は、周辺住民にとって、“日本一避難しにくい原発”》。折角、森一岳裁判長が下した伊方原発3号機の運転差し止め仮処分決定は正鵠を得ていたというのに…。全電源喪失後《43分間》核燃料プール冷却停止まで発生。
『●「日本一細長い佐田岬半島の付け根に位置する伊方原発は、
周辺住民にとって、“日本一避難しにくい原発”」』
「アベ様政権に忖度し、司法判断を放棄した政治判断…捏造された
「社会通念」で核発電所再稼働を容認。2017年12月、
折角の広島高裁・野々上友之裁判長の「司法判断」だったのですが、
2018年10月、1年を待たずして同じ広島高裁・
三木昌之裁判長の「政治判断」で、あの伊方原発の再稼働に向けての
デタラメ判決が下されていました」
『●森一岳裁判長《原発の危険性検証には『福島原発事故のような
事故を絶対に起こさないという理念にのっとった解釈が必要…』》』
『●伊方原発3号機、広島高裁(森一岳裁判長)が運転差し止めの
仮処分決定…種々の問題に加えて《約10秒》《2~3秒》全電源喪失』
「《日本一細長い佐田岬半島の付け根に位置する伊方原発は、周辺住民に
とって、“日本一避難しにくい原発”》。広島高裁(森一岳裁判長)が
運転差し止めの仮処分決定の判断を下した。《地震や噴火による
リスクが疑われる限り、司法も「安全」を最優先に判断を下すべきでは
ないか。「疑わしきは住民の利益」であるべきだ》」
「オマケに全電源喪失、《約10秒》《2~3秒》とはいえブラックアウト。
絶対に起きないと言い続けていた想定不適当事故がこうもやすやすと
起こっているんですが?」
『●森一岳裁判長が下した伊方原発3号機の運転差し止め仮処分決定は
正鵠を得ていた…全電源喪失後《43分間》核燃料プール冷却停止』
また、《関西電力3原発の運転差し止め認めず》、大阪地裁・内藤裕之裁判長は何を考えているのか…。
東京新聞の記事【【速報】関西電力3原発の運転差し止め認めず 大阪地裁が仮処分決定】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/92042)によると、《原発事故が起きると新型コロナの影響で人が密集する避難所への避難ができず、深刻な被害を受ける恐れがあるとして、福井など4府県の住民6人が、関西電力の美浜、高浜、大飯の3原発(いずれも福井県)の運転差し止めを求めた仮処分で、大阪地裁(内藤裕之裁判長)は17日、申し立てを退ける決定を出した》。
『●2014年5月大飯原発運転差し止め判決…樋口英明さんは《基準地震動を
超える地震が来ないと言えるかどうか…他の原発と共通の問題》』
「東京新聞の【社説/大飯許可違法 誰がための規制委か】…
《関西電力 大飯原発3、4号機(福井県)の安全性に問題がある
として、大阪地裁は国の原子力規制委員会が関電に与えた原発の
設置許可を取り消した。国の原子力政策を根元から揺るがす判決だ。
「原子力規制委員会の判断に看過しがたい過誤、欠落がある」−。
大阪地裁は、強い言葉で規制委を指弾した。原発の稼働に際し、
想定すべき最大の揺れの強さを示す「基準地震動」の算定方法が、
最大の争点だった》」
「なんとしても、核発電「麻薬」中毒者の暴走を止めねければ…。
東京新聞の記事【原発40年超再稼働不同意を要望 大飯判決原告、
美浜議会に】…によると、《関西電力大飯原発3、4号機
(福井県おおい町)の設置許可の取り消し判決を出した大阪地裁訴訟の
原告の一部が8日、福井県美浜町議会に、運転開始から40年を超えた
関電美浜原発3号機の再稼働に同意しないよう求める要望書を提出した。
関電は美浜3号機を早ければ来年1月にも再稼働させる工程を示して
おり、町議会は近く同意の是非を示す見込み。町議会では、再稼働を
求める請願を審査する特別委員会が今月9日に予定されている。4日の
大阪地裁判決は、大飯3、4号機の耐震性が新規制基準に適合する
とした原子力規制委員会の判断は誤りだとして、設置許可を取り消した》」
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【https://www.tokyo-np.co.jp/article/92269】
【速報】東海第二原発の運転禁じる 水戸地裁が住民側の訴え認める
2021年3月18日 14時31分
(再稼働に向けた工事が進む東海第二原発=茨城県東海村、
本社ヘリ「おおづる」から撮影)
茨城県東海村にある日本原子力発電(原電)の東海第二原発=東日本大震災で被災し停止中=を巡り、周辺住民らが運転の差し止めを求めた訴訟の判決で、水戸地裁(前田英子裁判長)は18日、住民側の訴えを認めて、運転を禁じた。東京電力福島第一原発事故から10年、首都圏に唯一立地し、運転期間が40年を超えている原発の運転を、司法は認めなかった。
2012年7月から8年以上続いた裁判は、原電のみが被告。原告側は11の論点を提示し、東海第二原発の危険性を指摘してきた。主に問われたのは、地震・火山リスクや人口密集地での稼働の是非。
東海第二原発の30キロ圏内には、日本の原発立地地域としては全国最多の約94万人が暮らす。原告側は、人口密集地にある原発はそもそも立地地域として不適当で、国の指針に違反していると訴えていた。
東海第二原発 日本原子力発電が1978年11月に営業運転開始。出力は110万キロワットで、電気を東京電力や東北電力に供給していた。東日本大震災時は外部電源を失い、冷温停止まで3日半かかった。都心に最も近い原発で、都庁までの距離は福島第一からの半分程度の約120キロ。重大事故が起きた場合、首都圏全域に甚大な被害を及ぼす可能性がある。2018年11月に原子力規制委員会が最長20年の運転延長を認めた。再稼働の対策工事は22年12月に終わる見込み。再稼働には、東海村や水戸市など6市村の同意が必要となる。
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【https://www.tokyo-np.co.jp/article/92268】
【速報】伊方原発3号機の運転容認 広島高裁が四国電力の異議認める
2021年3月18日 14時03分
(四国電力 伊方原発。(右から)3号機、2号機、1号機
=10日、愛媛県伊方町(共同通信社ヘリから))
四国電力伊方原発3号機(愛媛県)の運転禁止を命じた広島高裁の仮処分決定(2020年1月)を不服とした四国電力の申し立てによる異議審で、広島高裁(横溝邦彦裁判長)は18日、四国電力の異議を認め、運転を容認する決定を出した。
伊方原発3号機は19年12月から定期検査で停止し、東京電力福島第一原発事故後にできた新規制基準で義務付けられたテロ対策施設(特定重大事故等対処施設)の工事を進めている。広島高裁の決定を受け、四国電力は定期検査と工事を終えた後、今年10月以降の再稼働を目指している。
昨年1月の広島高裁決定(森一岳裁判長)は「四国電の地震や火山リスクに対する評価や調査は不十分だ」と指摘した上で、安全性に問題がないとした原子力規制委員会の判断には誤りがあると判断。山口地裁岩国支部で係争中の訴訟の判決言い渡しまで、原発の運転を禁じていた。
仮処分は伊方原発の50キロ圏内にある山口県東部の三つの島に暮らす住民3人が申し立てた。原発が立地する佐田岬半島北岸部の活断層の有無、耐震設計の目安となる地震の揺れの想定や、約130キロ離れた熊本県・阿蘇カルデラの火山リスクの評価が主な争点。住民側は「四国電力の活断層の調査は不十分で、火山噴火の影響評価も過小だ」と訴えていた。
今回の異議審で、四国電力側は、詳細な海上音波探査で活断層がないことを確認し、巨大噴火も「差し迫っていない」と反論していた。
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[※↑ 双葉町で牧場経営していた鵜沼さんがキクハナと再会…希望の牧場にて (報道特集 2021年03月06日[土])] (2021年03月07日[日])
東京新聞の【<社説>老朽原発 新しい未来図描く時】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/87794?rct=editorial)と、
東京新聞の二つの記事【福島発「再生可能エネルギー発電」へ、草の根からの挑戦の記録「魂の発電所」出版】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/88892)、
【本紙の片山夏子・福島特別支局長「ふくしま原発作業員日誌」が早稲田ジャーナリズム奨励賞】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/86372)。
《長年の酷使で劣化の危険が指摘される「老朽原発」の延命が、なし崩しに進む。再生可能エネルギーへの追い風が、国内でもようやく吹き始めた今、原発依存に立地地域の未来はあるのだろうか。福井県高浜町と美浜町が、二月に入って相次いで、町内に立地する高浜原発1、2号機と美浜原発3号機の再稼働に同意した。いずれも運転開始から四十年を超える関西電力の「老朽原発」だ。原子炉等規制法が改正され、原発の運転寿命が四十年と定められたのは、東日本大震災の翌年のことだった。ただし、原子力規制委員会の審査に通れば、一度限り二十年までの延命を認めるという例外規定が設けてある》。
《放射能汚染で牛が飼えなくなった飯舘村では和牛農家が社長になり「飯舘電力」を設立、会津の喜多方市では酒造店当主が「会津電力」を設立した。本書は電力の「素人」たちが再エネ拡大に後ろ向きな行政や大手電力と厳しい交渉を繰り広げながら、発電所を実現させる苦難の道のりを描いた。飯舘では出力1000キロワットの大規模発電所をつくる予定が東北電に「送電線に余裕がない」と拒否され頓挫。小規模発電所を多数つくる戦略に転換。会津では「豪雪で太陽光発電は不可能」といわれる中、実証設備を手作り。一冬、毎日観察し、発電できて雪も滑り落ちるパネルの最適角度を突き止めた》。
《「石橋湛山記念早稲田ジャーナリズム大賞」の授賞作が16日発表され、公共奉仕部門の奨励賞に本紙の片山夏子・福島特別支局長の著書「ふくしま原発作業員日誌 イチエフの真実、9年間の記録」=写真=が選ばれた。東京電力福島第一原発事故で働く作業員に粘り強く取材し、本紙で131回掲載している「ふくしま作業員日誌」に加筆。廃炉現場の過酷さ、作業員の家族への思いなどを伝えている》。
東京電力核発電人災から、10年が過ぎ、未だにこの有様だ。《例外》が通例に…核発電「麻薬」中毒者が暴走し、「老朽原発」さえも再稼働させたいらしい。狂っている。関西電力だけでなく、九州電力、さらには、東京電力、マトモではない。
『●原子力「促進」委員会の危険なメンツの危険な判断』
『●60年間稼働させたい高浜原発:
「電気代が高い低いの問題とを並べて論じること自体、許されない」』
『●関西電力八木誠社長のあの高浜原発:
「プルサーマル原発」に続き「寿命原発」を動かしたいそうです』
『●「老いた馬」ではなく「狂ったゴジラ」:
「麻薬」患者の関電がプルサーマルに続いて「寿命核発電所」…』
『●熊本大分大地震の最中、「狂ったゴジラ」
=関西電力高浜原発1、2号機を野に放つ原子力「規制」委員会』
『●高浜「寿命核発電所」延命、「安全より
経済優先の時代へと逆戻り」…「規制緩和」委員会(©東新)』
『●熊本大分大地震の最中、
伊方プルサーマル核発電所を再稼働…アタマオカシイ』
『●寿命核発電所再稼働:「世界は既に廃炉時代…
時代の先端を行く方が、地域の実りははるかに多い」』
『●「あとの祭り」:
核発電「麻薬」中毒患者、増殖中…どんどん壊れ行くニッポン』
『●2014年5月大飯原発運転差し止め判決…樋口英明さんは《基準地震動を
超える地震が来ないと言えるかどうか…他の原発と共通の問題》』
内橋克人さんのFEC。
『●『不安社会を生きる』読了(2/2)』
『●『新版 悪夢のサイクル/ネオリベラリズム循環』読了(4/4)』
『●原発絶対断固反対!』
『●FECにつながる「地給率」』
『●SLAPPと祝島』
『●まさに、FEC自給圏を目指せ』
『●内橋克人さんインタビュー:
〝貧困マジョリティー〟の形成と『FEC自給圏』への志向』
『●衆院選の惨敗と参院選という正念場:
FEC自給圏・「浪費なき成長」と「暗闇の思想」』
『●原子力ムラに対して、開き直ろう!:
こういう挑発や脅し、騙しに乗ってはならない』
『●居直ろう!: 〈毒食わば皿まで〉?
「一度認めた以上、どこまでも認めるという論理の一貫性」?』
『●電源構成(エネルギーミックス)案という貧相な「未来図」:
泥棒やその子分に縄をなわせる愚』
「ニッポンにとって、デンマークはとても参考になると思うのですが?
内橋克人さんのFEC自給圏の確立を」
『●「始まりの地、福島から日本を変える」:
シェーナウ電力、会津電力、飯舘電力…内橋克人さんのFEC』
核発電「麻薬」中毒者らが政権を握っているようではニッポンに未来はない。
AERAのコラム【浜矩子「菅首相の『グリーン成長戦略』が驚くべきトンデモ政策だと言い切れる理由」】(https://dot.asahi.com/aera/2021030200015.html)によると、《このような状況を是正するためにグリーン化が急がれるのである。それなのに、やはり所信表明演説の中で、スカノミクス親爺は「もはや、温暖化への対応は経済成長の制約ではありません」などと言っている。おいおい。経済成長をそれなりに制約することによって、温暖化を少しでも食い止める。それが筋というものだろう。さらには、施政方針演説の方に、何と、次のくだりがある。「グリーン成長戦略を実現することで、2050年には年額190兆円の経済効果と大きな雇用創出が見込まれます」 ついに、「グリーン成長戦略」などという表現が飛び出してきてしまった》。
『●(筆洗)《「コブラ効果」とは問題解決のための政策や判断が
裏目に出て、かえって状況を悪化させることをいうそうだ》』
『●《継承》《前例踏襲ばかり》の大惨事アベ様政権・スガ様…《故
吉岡斉さん…「原発はリスクを伴う。過大な投資のつけは国民に回る」》』
『●政策スカスカオジサン《第1…日本学術会議の任命拒否問題》《第2…
温室効果ガス排出量…実質ゼロ》《第3…新型コロナウイルス対策》』
ゴールデンラジオ (2021年03月07) のゲストは東京新聞・片山夏子記者でした。
『●原発で働く: 「コスト優先」、「命は二の次」』
「東京電力原発人災の処理にあたる作業員の言葉はなかなか伝わって
こない。「◇まるで戦場」「◇命は二の次」「◇コスト優先」など、
見出しだけでも憂鬱になる言葉が並ぶ」
『●特定秘密隠蔽法と恫喝:
被曝労働の上に世間に「声」を発することも許されず』
『●東京都知事選: 福島からの眼……
「反対はしないが、その前にすることがあるのではないか」』
『●核発電人災のアノ東電の柏崎刈羽核発電所に、
「寄生」委がお墨付き!? 凄いよなぁ、ニッポン…愚かだ』
『●《「袴田事件」で死刑判決を書きながら、後に「無罪の心証だった」
と明かした元裁判官熊本典道さん》がお亡くなりになりました』
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【https://www.tokyo-np.co.jp/article/87794?rct=editorial】
<社説>老朽原発 新しい未来図描く時
2021年2月24日 07時25分
長年の酷使で劣化の危険が指摘される「老朽原発」の延命が、なし崩しに進む。再生可能エネルギーへの追い風が、国内でもようやく吹き始めた今、原発依存に立地地域の未来はあるのだろうか。
福井県高浜町と美浜町が、二月に入って相次いで、町内に立地する高浜原発1、2号機と美浜原発3号機の再稼働に同意した。いずれも運転開始から四十年を超える関西電力の「老朽原発」だ。
原子炉等規制法が改正され、原発の運転寿命が四十年と定められたのは、東日本大震災の翌年のことだった。ただし、原子力規制委員会の審査に通れば、一度限り二十年までの延命を認めるという例外規定が設けてある。
原発の建設は一九九〇年代までに集中しており、二〇三〇年までに十一基が寿命を迎えることになる。これまでに延命の申請があったのは東海第二も含め三原発四基。規制委の認可を受けた後、立地自治体が再稼働に同意するのは、高浜町が全国初だ。
電力事業者との紳士協定により、再稼働の最終同意権を持つ福井県の杉本達治知事は、原発から出る使用済み核燃料を県外へ持ち出すよう求めており、県外での一時保管先が見つかっていないことを理由に「議論の入り口には立っていない」との立場を取ってきた。
関電の森本孝社長は今月十二日に杉本知事と面談、「二三年末を最終期限として保管先を確定する」と約束し、「青森県むつ市で東京電力などが運営する中間貯蔵施設を利用させてもらう」という案を提示した。
これに、むつ市は猛反発。「関電の選択肢になることはあり得ない」と全面否定の構えである。
なのに知事は姿勢を一転。「三基の再稼働について議論に着手していただきたい」と開会中の県議会に促した。不可解だ。
高浜町の野瀬豊町長が再稼働同意の理由について「原発が稼働することが、町の将来に資すると考えた」と述べたのは、歳入や雇用の多くを交付金など「原発マネー」に依存せざるをえない過疎地の現実の裏返しでもあるだろう。美浜町も同様だ。
福島の事故で安全対策費がかさみ、原発は経済的に見合わなくなっている。原発に未来はない。だが一方で、依存からの脱却は簡単なことではない。
交付金と引き換えに過疎地への立地を進めてきたのは国だ。脱原発依存の未来図をともに描く責任が国にはある。
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【https://www.tokyo-np.co.jp/article/88892】
福島発「再生可能エネルギー発電」へ、草の根からの挑戦の記録「魂の発電所」出版
2021年3月2日 06時00分
福島第一原発事故以来、本紙が報道してきた福島の人々による再生可能エネルギー発電の取り組みをノンフィクションにつづった「魂の発電所―負けねど福島 オレたちの再エネ十年物語」=写真=が1日発売された。仕事も暮らしも奪われた人々が再エネに希望を見つけ、ふるさと再生をかけ挑戦してきた記録だ。
「原発に頼らない電気を自分たちでつくろう」―。放射能汚染で多くの人が長期避難し、風評で農作物も不振に陥った福島。太陽光や水力などを生かした発電所をつくる機運が市民から高まり本紙はその展開を継続報道してきた。池尾伸一経済部長がノンフィクションとしてまとめた。
放射能汚染で牛が飼えなくなった飯舘村では和牛農家が社長になり「飯舘電力」を設立、会津の喜多方市では酒造店当主が「会津電力」を設立した。本書は電力の「素人」たちが再エネ拡大に後ろ向きな行政や大手電力と厳しい交渉を繰り広げながら、発電所を実現させる苦難の道のりを描いた。飯舘では出力1000キロワットの大規模発電所をつくる予定が東北電に「送電線に余裕がない」と拒否され頓挫。小規模発電所を多数つくる戦略に転換。会津では「豪雪で太陽光発電は不可能」といわれる中、実証設備を手作り。一冬、毎日観察し、発電できて雪も滑り落ちるパネルの最適角度を突き止めた。
菅義偉内閣は「2050年温暖化ガスゼロ」を公約するが大手主導と原発依存は不変だ。金子勝・立教大特任教授は「本書が光を当てた地域の自然を活用した電気を地域で使う分散型発電にこそ未来への希望がある」と話す。徳間書店。1870円。280ページ。
【関連記事】<原発のない国へ 福島からの風>屋根で発電 農業ハウス 会津電力の地産地消
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【https://www.tokyo-np.co.jp/article/86372】
本紙の片山夏子・福島特別支局長「ふくしま原発作業員日誌」が早稲田ジャーナリズム奨励賞
2021年2月16日 20時26分
「石橋湛山記念早稲田ジャーナリズム大賞」の授賞作が16日発表され、公共奉仕部門の奨励賞に本紙の片山夏子・福島特別支局長の著書「ふくしま原発作業員日誌 イチエフの真実、9年間の記録」=写真=が選ばれた。東京電力福島第一原発事故で働く作業員に粘り強く取材し、本紙で131回掲載している「ふくしま作業員日誌」に加筆。廃炉現場の過酷さ、作業員の家族への思いなどを伝えている。連載は特報面に随時掲載中。
【関連リンク】片山記者が語る取材の裏側、音声番組はこちら
【関連記事】むのたけじジャーナリズム賞に片山夏子本紙記者の「ふくしま作業員日誌」
(福島特別支局長 片山夏子)
「長年にわたって作業員たちの話を聞き取った努力は並大抵ではない。作業員一人ひとりの、また著者のうめくような声が聞こえてくる」(選考委員の吉岡忍氏)と高い評価を受けた。片山支局長は「現場で実際に何が起きているのかは、箝口かんこう令下にある多くの作業員に聞かなければ、分からないことばかりでした。作業員一人一人の闘いと生き様を伝えたかった。約10年間取材し続けたことがジャーナリズムとして評価されたことをうれしく思います」とコメントした。
公共奉仕部門の大賞は西日本新聞のかんぽ生命不正販売問題を巡るキャンペーン報道と毎日新聞の「桜を見る会」の一連の追及報道。草の根民主主義部門大賞は三上智恵さんの著書『証言 沖縄スパイ戦史』、同奨励賞はNHKBS1スペシャル「封鎖都市・武漢~76日間 市民の記録~」、文化貢献部門奨励賞は静岡新聞「サクラエビ異変」。
【関連記事】「痛いっ!」横揺れでベッドから振り落とされ、なだれのように棚から本が…窓の外からは子を呼ぶ声 震度6強が襲った福島特別支局長の現地報告
【関連リンク】原発のない国へ
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(2021年02月21日[日])
西日本新聞の記事【福井・美浜町長、再稼働に同意】(https://www.nishinippon.co.jp/item/o/693065/)。
《運転開始から40年を超えた関西電力 美浜原発3号機(福井県美浜町)を巡り、同町の戸嶋秀樹町長は15日、竹仲良広町議会議長と面談し、再稼働に同意すると表明した》。
四十年廃炉ルール無視、特例中の特例のはずが…またしても、あの関西電力は美浜原発3号機の再稼働をしたいらしい…。正気じゃないね。《日本の国策は「安全な原発を動かす」》…《安全》な《原発》というのは、形容矛盾だと思います。
『●小出裕章さんの謝罪』
「自民党の政治屋の皆さんをはじめとして原発を推進して甘い汁を
吸ってこられた方に、この講演会の最後…に流された姫野洋三氏
「若狭の海」…を聞いてみて欲しい」
『●第八回竜一忌、涙が出ました:
松下竜一さん「暗闇の思想」を語る小出裕章さん』
《姫野洋三さんの「若狭の海」
原発のうたは良かったです。
「夜をあんなにあかるくしといて
夏をあんなにさむくしといて
まだまだ 足りないなんて~♪」》
『●四十年廃炉ルール無視、特例中の特例のはずが…
日本原電は東海第二原発の再稼働をしたいらしい…』
《日本原電は、来年四十年の運転期限を迎える東海第二原発の
二十年延命を、原子力規制委員会に申請した。3・11後の
安全強化で、原発はもはや割に合わなくなった。老朽化が進めば、
なおさらだ…3・11後、安全対策のハードルは高くなり、
四十年廃炉のルールもできた。延長は、本来例外的に認められるが、
さらに特別な対策が必要とされている》。
『●核発電は「金のなる巨大木」…《自民党の最近のルールは
「返せば問題ない」と、なかったことにできるというもの》』
『●《稲田朋美…世耕弘成…安倍側近が…関電受注企業から献金
証人喚問を含め、国会の場で徹底的に調査するほかない》』
『●「桜を見る会」税金接待というアベ様模倣犯・世耕弘成経産相
…関西電力〝濁流〟問題でも《関電受注企業から献金》』
政府や与党自公・癒党お維はどうしても発電機能付き「海暖め装置」を動かしたくて仕方ないらしい。「たかが電気のために」。地球温暖化対策の切り札とでも嘯きながら。よほど美味しいおカネの「濁流」があるようだ。
『●姫野洋三さんの「若狭の海」: 核発電銀座…
《地元の人間にしてみれば原発があっても怖いし、なくても怖い》…』
『●元福井地裁裁判長・樋口英明さん《地震大国の日本には、
北海道から沖縄まで原発を動かせる場所はどこにもない》』
《二〇一四年五月に福井地裁の裁判長として、関西電力
大飯原発3、4号機(福井県)の運転差し止め判決を出した。
今も自分が正しいと確信を持っている。大飯原発の基準地震動
(耐震設計上の想定の揺れ)は七〇〇ガル(揺れの勢いを示す加速度の
単位)で、重大事故につながる限界点は一・八倍の一二六〇ガルだと
関電は主張していた。私は裁判前は、三〇〇〇ガルのような強い揺れに
原発が耐えられるかどうかが争点になると予想していた。ところがふたを
開けてみれば、一二六〇ガルが来たらおしまいだというのは争いが
なかった。主な争点は「敷地内に一二六〇ガルを超える地震は来ない」
という関電の主張の信用性だった。それが争点なら難しい工学的判断は
不要で、理性と良識があれば簡単に解ける問題となる。地震大国の
日本では、原発で基準地震動を超える地震が頻発しており、大飯も
「ロシアンルーレット」状態だった。日本の国策は「安全な原発を
動かす」であって、「何が何でも動かす」ではない。私の「極めて
危険だから動かしてはいけない」という判断は、国策にも忠実だった
と思っている。仮に私が日本原子力発電(原電)東海第二原発の
差し止め訴訟を指揮するなら、ポイントは三つあると思う。一つは、
基準地震動を超える地震が来ないと言えるかどうか。
これは他の原発と共通の問題だ》
『●2014年5月大飯原発運転差し止め判決…樋口英明さんは《基準地震動を
超える地震が来ないと言えるかどうか…他の原発と共通の問題》』
関西電力 美浜原発3号機(福井県美浜町)再稼働に同意した戸嶋秀樹町長や、竹仲良広町議会議長らは、《大阪地裁訴訟の原告》達の声を聞いたのか? 「美浜のギロチン事故、ギロチン破断」が再び起こった時、「若狭の海」どころか、日本中が御終いでしょうに。どう責任をとってくれるのですか?
なんとしても、核発電「麻薬」中毒者の暴走を止めねければ…。
以前も引用させていただいたが、東京新聞の記事【原発40年超再稼働不同意を要望 大飯判決原告、美浜議会に】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/73074?rct=national)によると、《関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の設置許可の取り消し判決を出した大阪地裁訴訟の原告の一部が8日、福井県美浜町議会に、運転開始から40年を超えた関電美浜原発3号機の再稼働に同意しないよう求める要望書を提出した。関電は美浜3号機を早ければ来年1月にも再稼働させる工程を示しており、町議会は近く同意の是非を示す見込み。町議会では、再稼働を求める請願を審査する特別委員会が今月9日に予定されている。4日の大阪地裁判決は、大飯3、4号機の耐震性が新規制基準に適合するとした原子力規制委員会の判断は誤りだとして、設置許可を取り消した》。
『●大飯原発再稼働の恐〝負〟の連鎖:
40年間も動かした美浜原発2号炉をさらに10年稼働延長』
『●東京電力人災が続く中、なに寝ぼけてんだか!?』
《11人が死傷した関西電力美浜原発3号機(福井県美浜町)の
蒸気噴出事故から丸8年となった9日、同原発で追悼式典が開かれ、
八木誠社長が慰霊碑の前で「事故の反省と教訓を風化させることなく、
安全の実績を積み重ねるべく全力を尽くす」と再発防止を誓った》
『●関西電力大飯原発再稼働差し止め、画期的勝訴:
もし敗訴していたら大変なことに……』
《「判決を聞いて5人の仲間のことを思った」
原告の一人で元原発作業員の山本雅彦さん(57)=福井県敦賀市=は
判決後の記者会見でそう話し、04年にあった美浜原発3号機の
蒸気噴出事故で亡くなった5人の作業員を悼んだ》
『●「原子力は血液」……ではなく、「原子力=核」は「麻薬」』
『●「けん制」? いや、「恫喝」でしょ?
関西電力八木誠社長が大津地裁と「地元」市民を脅す!』
《美浜原発3号機(福井県)の廃炉を検討していると一部で報じられた
ことに対しては「検討している事実はない。活用していきたい」と述べた》
『●「あとの祭り」: 核発電「麻薬」中毒患者、増殖中
…どんどん壊れ行くニッポン』
まもなく、東京電力核発電人災から10年。あの人災から何の教訓を得ることもなく、何も変わらないニッポン。民主党政権末期・野田政権、アベ様・カースーオジサンによる《悪夢のような》、〝地獄〟の自民党政権は、核発電〝麻薬中毒〟から抜け出せないままです…。
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【https://www.nishinippon.co.jp/item/o/693065/】
福井・美浜町長、再稼働に同意
2021/2/15 9:56 (2021/2/15 9:57 更新)
(関西電力美浜原発3号機=福井県美浜町)
(再稼働の同意を伝えた町議会議長との面談後、取材に応じる
戸嶋秀樹福井県美浜町長=15日午前、美浜町役場)
運転開始から40年を超えた関西電力 美浜原発3号機(福井県美浜町)を巡り、同町の戸嶋秀樹町長は15日、竹仲良広町議会議長と面談し、再稼働に同意すると表明した。地元町長が40年超再稼働に同意するのは、関電高浜原発1、2号機(同県高浜町)に続き2例目となる。
町長の同意後は県議会や知事の判断となる。杉本達治知事は、今月16日に開会する県議会で議論を促す方針を示しているが、自身の判断時期のめどは「全くない」としている。関電は当初、美浜3号機を1月に再稼働させる計画だった。
美浜町では昨年12月、町議会が同意し、戸嶋氏は「重く受け止める」としていた。
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[※ 『原発に挑んだ裁判官』(磯村健太郎・山口栄二) 朝日新聞出版↑](2020年12月13日[日])
東京新聞の【社説/大飯許可違法 誰がための規制委か】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/72853?rct=editorial)。
《関西電力 大飯原発3、4号機(福井県)の安全性に問題があるとして、大阪地裁は国の原子力規制委員会が関電に与えた原発の設置許可を取り消した。国の原子力政策を根元から揺るがす判決だ。「原子力規制委員会の判断に看過しがたい過誤、欠落がある」−。大阪地裁は、強い言葉で規制委を指弾した。原発の稼働に際し、想定すべき最大の揺れの強さを示す「基準地震動」の算定方法が、最大の争点だった》。
琉球新報の【<社説>大飯原発違法判決 全ての原発審査を見直せ】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1237175.html)によると、《日本の原子力行政が根底から否定された。関西電力 大飯原発(福井県)3、4号機の耐震性を巡る訴訟で、4日の大阪地裁判決は原発設置許可を違法として取り消した。判決は原子力規制委員会の判断に対し「地震規模の想定で必要な検討をせず、看過しがたい過誤、欠落がある」と厳しく指摘した。規制委の審査が不十分であることが司法によって示されたのだ。大飯だけでなく、再稼働を目指す東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)や東北電力女川原発(宮城県女川町、石巻市)など、審査に合格した施設でも規制委の審査が十分だったのか疑問符が付く》
《どこまで巨費をつぎ込めば安定稼働できるのか》…核発電「麻薬」中毒者たち…核発電と《安全》は対極にあるものだということを決して理解しようとしない。
同核発電所については、《二〇一四年五月に福井地裁の裁判長として、関西電力大飯原発3、4号機(福井県)の運転差し止め判決を出した》樋口英明元裁判長は、のちに、《基準地震動を超える地震が来ないと言えるかどうか。これは他の原発と共通の問題だ》と仰っています。本来であれば、過去最大の地震動に、さらに、《想定外》を考慮して〝上乗せ〟すべきであるのに、なんと、関電方式では過去の地震動の平均値を基準地震動としているというでたらめ。さらには、それを許容する核発電「推進」委員会・核発電「寄生」委員会。
樋口さんの経歴は、《<ひぐち・ひであき> 1952年、三重県鈴鹿市生まれ、京都大法学部卒。83年、判事任官。静岡、名古屋などの地裁・家裁、大阪高裁などを経て、2014年5月に福井地裁で大飯原発差し止め判決、15年4月に高浜原発再稼働差し止めの仮処分決定を出した。17年8月、名古屋家裁を最後に定年退官》。
『●元福井地裁裁判長・樋口英明さん《地震大国の日本には、
北海道から沖縄まで原発を動かせる場所はどこにもない》』
《二〇一四年五月に福井地裁の裁判長として、関西電力
大飯原発3、4号機(福井県)の運転差し止め判決を出した。
今も自分が正しいと確信を持っている。大飯原発の基準地震動
(耐震設計上の想定の揺れ)は七〇〇ガル(揺れの勢いを示す加速度の
単位)で、重大事故につながる限界点は一・八倍の一二六〇ガルだと
関電は主張していた。私は裁判前は、三〇〇〇ガルのような強い揺れに
原発が耐えられるかどうかが争点になると予想していた。ところがふたを
開けてみれば、一二六〇ガルが来たらおしまいだというのは争いが
なかった。主な争点は「敷地内に一二六〇ガルを超える地震は来ない」
という関電の主張の信用性だった。それが争点なら難しい工学的判断は
不要で、理性と良識があれば簡単に解ける問題となる。地震大国の
日本では、原発で基準地震動を超える地震が頻発しており、大飯も
「ロシアンルーレット」状態だった。日本の国策は「安全な原発を
動かす」であって、「何が何でも動かす」ではない。私の「極めて
危険だから動かしてはいけない」という判断は、国策にも忠実だった
と思っている。仮に私が日本原子力発電(原電)東海第二原発の
差し止め訴訟を指揮するなら、ポイントは三つあると思う。一つは、
基準地震動を超える地震が来ないと言えるかどうか。
これは他の原発と共通の問題だ》
《あの未曾有の福島第一原発事故を招いた“最大の戦犯”》元行政府の長・アベ様は司法も掌握していたようで…《大飯原発…福井地方裁判所の樋口英明裁判長…運転差止めという判決を出した原発だ。…この判決後、露骨な圧力を思わせる事態が起きる。…名古屋家裁に“懲罰左遷”》《大飯原発…福井地方裁判所の樋口英明裁判長…運転差止めという判決を出した原発だ。…この判決後、露骨な圧力を思わせる事態が起きる。…名古屋家裁に“懲罰左遷”》(https://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/e35cfa8de5d1762f13e0c7534b05a7bd)。
一方、福井地裁の名判決そのものは、その後どういう経緯をたどったのか? ――― 《極めて多数の人々の生存そのものにかかわる権利と、電気代が高い低いの問題とを並べて論じること自体、許されない》…経済活動よりも生存に関わる人格権を優先。核発電「麻薬」中毒患者・関西電力の大飯原発についての福井地裁の名判決…。《住民の人格権を認めた画期的判決》でした。なのに、司法判断放棄な内藤正之裁判長、大飯核発電所《危険性は社会通念上、無視しうる程度にまで管理・統制》? 《住民の「人格権」を尊重し…大飯…の運転差し止めを認めた一審の判断は、いともあっさり覆された。「原発の是非は政治に委ねる」という裁判所。一体誰のため》(https://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/9e50e3695c9a006efb2a073a3fad1548)?
引用した東京新聞の【社説/大飯許可違法 誰がための規制委か】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/72853?rct=editorial)には、《関電幹部も悲鳴を上げているというが、再生可能エネルギーが世界の主力電源になりつつある今、安全対策に無限とも思える投資をし続けてまで原発の維持を図ることにこそ、どだい無理があるのだろう。今回の司法判断は、国の原発政策そのものにも、疑問を投げかけているようだ》。
何度も何度もすいませんが…何度でも、貼ります。《世界は電力タダの時代に》…核発電を続けたい、という「麻薬」中毒者達の気が知れない。「復興五輪」どころか、「復興原発」などというふざけた言葉も耳に入ってくる。最近は、「経済性を度外視して、核発電をやらなけらばならない」といった支離滅裂な言説も出てきているようだ。ニッポンは世界中に迷惑を振りまき続けている…。
【【金子勝の言いたい放題】NO5 世界は電力タダの時代に エネ転が拓く経済転換(飯田哲也さんと) 20191230】
(https://www.youtube.com/watch?v=eMDjFFFo3qY&t=186s)
【国内の発電電力量と二酸化炭素(CO2)の推移】
[https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/202003/images/PK2020031002100041_size0.jpg]
さらに、デモクラシータイムスでの対談の第二弾。
【【金子×飯田の言いたい放題】目指せ!分散革命ニューディール~電力の転換が生む新しい未来 20201024】
(https://www.youtube.com/watch?v=wME6ynlCXWQ)
刑事裁判として、画期的な今回の判決。気になることは、今回の素晴らしい判決を出してくれた大阪地裁森鍵一裁判長。生まれ変わったのでしょうか? 沖縄でだけ、冷酷なのだろうか?
《那覇地裁(森鍵一裁判長)…「県の訴えは裁判の対象にならない」として却下した。実質的な中身に立ち入らず、門前払いした。工事差し止めの仮処分申し立ても退けた》(https://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/922d08b904750712aeb2f6b8cac4f449)。
琉球新報の記事【与那国陸自配備、住民の工事差し止め訴えを却下 那覇地裁「武力衝突ない」】(https://ryukyushimpo.jp/news/entry-201438.html)においても、《[2016年1月10日]与那国島への陸上自衛隊沿岸監視部隊配備に反対する住民30人が国を相手に駐屯地の工事差し止めを求めた仮処分命令申し立てについて、那覇地裁(森鍵一裁判長)は9日までに却下》しています。
なんとしても、核発電「麻薬」中毒者の暴走を止めねければ…。
東京新聞の記事【原発40年超再稼働不同意を要望 大飯判決原告、美浜議会に】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/73074?rct=national)によると、《関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の設置許可の取り消し判決を出した大阪地裁訴訟の原告の一部が8日、福井県美浜町議会に、運転開始から40年を超えた関電美浜原発3号機の再稼働に同意しないよう求める要望書を提出した。関電は美浜3号機を早ければ来年1月にも再稼働させる工程を示しており、町議会は近く同意の是非を示す見込み。町議会では、再稼働を求める請願を審査する特別委員会が今月9日に予定されている。4日の大阪地裁判決は、大飯3、4号機の耐震性が新規制基準に適合するとした原子力規制委員会の判断は誤りだとして、設置許可を取り消した》。
『●大飯原発再稼働の恐〝負〟の連鎖:
40年間も動かした美浜原発2号炉をさらに10年稼働延長』
『●東京電力人災が続く中、なに寝ぼけてんだか!?』
《11人が死傷した関西電力美浜原発3号機(福井県美浜町)の
蒸気噴出事故から丸8年となった9日、同原発で追悼式典が開かれ、
八木誠社長が慰霊碑の前で「事故の反省と教訓を風化させることなく、
安全の実績を積み重ねるべく全力を尽くす」と再発防止を誓った》
『●関西電力大飯原発再稼働差し止め、画期的勝訴:
もし敗訴していたら大変なことに……』
《「判決を聞いて5人の仲間のことを思った」
原告の一人で元原発作業員の山本雅彦さん(57)=福井県敦賀市=は
判決後の記者会見でそう話し、04年にあった美浜原発3号機の
蒸気噴出事故で亡くなった5人の作業員を悼んだ》
『●「原子力は血液」……ではなく、「原子力=核」は「麻薬」』
『●「けん制」? いや、「恫喝」でしょ?
関西電力八木誠社長が大津地裁と「地元」市民を脅す!』
《美浜原発3号機(福井県)の廃炉を検討していると一部で報じられた
ことに対しては「検討している事実はない。活用していきたい」と述べた》
『●「あとの祭り」: 核発電「麻薬」中毒患者、増殖中
…どんどん壊れ行くニッポン』
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【https://www.tokyo-np.co.jp/article/72853?rct=editorial】
社説
大飯許可違法 誰がための規制委か
2020年12月7日 07時42分
関西電力 大飯原発3、4号機(福井県)の安全性に問題があるとして、大阪地裁は国の原子力規制委員会が関電に与えた原発の設置許可を取り消した。国の原子力政策を根元から揺るがす判決だ。
「原子力規制委員会の判断に看過しがたい過誤、欠落がある」−。大阪地裁は、強い言葉で規制委を指弾した。
原発の稼働に際し、想定すべき最大の揺れの強さを示す「基準地震動」の算定方法が、最大の争点だった。
規制委は、関電が算出したデータに基づいて、福島第一原発の事故後に厳格化された新規制基準に「適合」すると判定し、二〇一七年五月に設置許可を出していた。
しかし、大阪地裁は「関電が算定に用いた数式は、過去に発生した地震の平均値にすぎない。国の審査ガイドにも、ばらつき(平均値からかけ離れた強さ)が出る恐れを考慮するとある」と指摘。「ばらつきによる上乗せの必要性を検討せずに、許可を与えたのは違法である」と断じた。
大飯原発3、4号機に関しては、元規制委員長代理の島崎邦彦・東京大名誉教授(地震学)も「関電の計算式では、基準地震動が過小評価される恐れがある」と、別の訴訟の法廷などでも証言に立ち、訴えてきた。
原子力規制委員会は福島第一原発の惨事を踏まえ、「想定外」による事故を二度と繰り返してはならないと、設立された機関のはずだ。過小評価の指摘を見過ごすということは、「想定外」を許容するということにはならないか。
もしそうなら、規制委の存在自体の基盤が揺らぐ。
関電が用いた計算式は、国内のほぼすべての原発で、基本データとして重要視されているという。
福島の事故後に各地で相次いだ運転差し止めの司法判断でも、想定される地震の揺れや火山リスク、避難方法などに関する想定の甘さが指摘されてきた。電力側のデータによって立つ現状も含め、すべての原発で、審査過程の再検証が必要だろう。
「どこまで巨費をつぎ込めば安定稼働できるのか」
関電幹部も悲鳴を上げているというが、再生可能エネルギーが世界の主力電源になりつつある今、安全対策に無限とも思える投資をし続けてまで原発の維持を図ることにこそ、どだい無理があるのだろう。今回の司法判断は、国の原発政策そのものにも、疑問を投げかけているようだ。
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東京新聞の二つの記事【上関原発、近く埋め立て許可へ 山口県、中国電力に条件付き】(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2016080201002479.html)、
【関電美浜3号機「審査合格」 老朽原発で2例目】(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2016080301001049.html)。
《中国電は08年10月に免許を取得。09年10月に着工したが、反対派住民の抗議活動で工事は進まず、東京電力福島第1原発事故を受けて工事は中断》。
《原子力規制委員会は3日、定例会合を開き、運転開始から40年の法定寿命が近づいている老朽原発の関西電力美浜3号機(福井県)について、新規制基準を満たしているとする「審査書案」を了承》。
どんどんと壊れていくニッポン。何の規制もしない「寄生」委=原子力「規制緩和」委員会(©東京新聞)、その親分・田中俊一「寄生」委員長といい、山口県・福井県といい、中国電力・関西電力といい、核発電「麻薬」中毒患者が増殖中。東京電力核発電所の人災から何の教訓も得ることのできない人達、参院選の終わった今となっては「あとの祭り」。誰があんなに与党・「癒(着)」党議員に投票したのでしょうかね。
『●上関原発反対! ~祝い島島民の会blog~』
『●『DAYS JAPAN』(2014,APR,Vol.11,No.4)の
最新号についてのつぶやき』
『●「闇社会」との関係まで疑われるとは!? アベ様、ダークすぎます』
『●「お金はいらない、この海の恵みを受けて暮らしたい」:
大間原発のあさこハウスと上関原発の祝島』
『●立ち止まるなら今・・・「原発政策を福島第一原発
事故以前に先祖返りさせたのが自民党安倍政権」』
《■祝島の閧いは終わらない一政府、中国電力の非道》
《ところで人口3300人の上関町は原発誘致に熱心なようだが、
巨大な原発2基から入ってくる莫大(ばくだい)な金(上関町には
1984年度以降原発関連交付金として約70億円が支払われている)を、
何に使おうとしているのだろうか。財政需要額の小さな町に多額の金が
入ってきて町政が、いや町全体が狂うことはないだろうか。
老婆心ながら心配になる》
『●大飯原発再稼働の恐〝負〟の連鎖:
40年間も動かした美浜原発2号炉をさらに10年稼働延長』
『●東京電力人災が続く中、なに寝ぼけてんだか!?』
《11人が死傷した関西電力美浜原発3号機(福井県美浜町)の
蒸気噴出事故から丸8年となった9日、同原発で追悼式典が開かれ、
八木誠社長が慰霊碑の前で「事故の反省と教訓を風化させることなく、
安全の実績を積み重ねるべく全力を尽くす」と再発防止を誓った》
『●関西電力大飯原発再稼働差し止め、画期的勝訴:
もし敗訴していたら大変なことに・・・・・・』
《「判決を聞いて5人の仲間のことを思った」
原告の一人で元原発作業員の山本雅彦さん(57)=福井県敦賀市=は
判決後の記者会見でそう話し、04年にあった美浜原発3号機の
蒸気噴出事故で亡くなった5人の作業員を悼んだ》
『●「原子力は血液」・・・・・・ではなく、「原子力=核」は「麻薬」』
『●「けん制」? いや、「恫喝」でしょ?
関西電力八木誠社長が大津地裁と「地元」市民を脅す!』
《美浜原発3号機(福井県)の廃炉を検討していると一部で報じられた
ことに対しては「検討している事実はない。活用していきたい」と述べた》
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【http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2016080201002479.html】
上関原発、近く埋め立て許可へ 山口県、中国電力に条件付き
2016年8月3日 01時52分
山口県が、中国電力(広島市)が申請している上関原発(同県上関町)の建設予定地の公有水面を埋め立てるのに必要な免許の延長に関し、近く条件付きで許可する方針を固めたことが2日、関係者への取材で分かった。
山口県は中国電が免許の延長を申請した2012年10月以降、延長の可否判断を先送りしていたが、延長を許可した場合、中国電が建設に向けた動きを本格化させる可能性もある。
中国電は08年10月に免許を取得。09年10月に着工したが、反対派住民の抗議活動で工事は進まず、東京電力福島第1原発事故を受けて工事は中断した。
(共同)
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【http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2016080301001049.html】
関電美浜3号機「審査合格」 老朽原発で2例目
2016年8月3日 12時30分
原子力規制委員会は3日、定例会合を開き、運転開始から40年の法定寿命が近づいている老朽原発の関西電力 美浜3号機(福井県)について、新規制基準を満たしているとする「審査書案」を了承した。事実上の審査合格で、老朽原発では関電高浜1、2号機(同県)に続き2例目。
規制委は約1カ月間の意見公募を踏まえ審査書を確定させ、正式合格とする。11月末の期限までにさらに、運転延長に特化した審査への合格などが必要だが、今回で大きなヤマを越えた形。老朽原発を継続活用する流れが本格化してきた。
(共同)
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東京新聞の記事【「40年廃炉」なし崩し 老朽原発に初の延長認可 高浜1・2号機に最長20年】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201606/CK2016062102000127.html)と、
社説【高浜原発 延命よりも新産業だ】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2016062102000138.html)。
《四十年廃炉が原則だが、条件を満たせば一回に限り二十年の延長が認められる。延長は「例外中の例外」とされてきたが、初の適用例が決まった。ただ、再稼働するには、大規模な改修工事が必要で、三年ほど先になる見通し》。
《原子力規制委員会が、運転四十年を超える関西電力 高浜原発(福井県)の延長を初めて認可した。世界は既に廃炉時代。無理な延命を図るより、時代の先端を行く方が、地域の実りははるかに多い》。
『●熊本大分大地震の最中、
伊方プルサーマル核発電所を再稼働…アタマオカシイ』
言葉は悪いが、アタマオカシイのでは?
寿命核発電所を再稼働させるそうだ。社説が言うように、《世界は既に廃炉時代…時代の先端を行く方が、地域の実りははるかに多い》というのに…。電力は余っており、結果として、何年にもわたって停止したものを、しかも、寿命を迎えた核発電所を再稼働すれば、問題発生のリスクは計り知れない。
何度も言ってきたが、何の規制もしない「寄生」委、原子力「規制緩和」委員会(©東京新聞)である。特に、責任逃れの記者会見を連発する、田中俊一「寄生」委員長の酷さは目に余る。3.11東京電力核発電所人災で一体誰が責任をとったのか? 自公議員、電力会社、誰でもいいので、100.0000…%の安全を担保出来ない核発電所を再稼働・稼働させて良い、その根拠を示して下さい。問題の影響が∞な可能性をはらむものを再稼働・稼働させようという「自信」はどこから?
もう、ホトンド病気である。カネ儲けしか頭にない核発電「麻薬」患者に付き合わされたのではたまらない。
『●原子力「促進」委員会の危険なメンツの危険な判断』
『●60年間稼働させたい高浜原発:
「電気代が高い低いの問題とを並べて論じること自体、許されない」』
『●関西電力八木誠社長のあの高浜原発:
「プルサーマル原発」に続き「寿命原発」を動かしたいそうです』
『●「老いた馬」ではなく「狂ったゴジラ」:
「麻薬」患者の関電がプルサーマルに続いて「寿命核発電所」…』
『●熊本大分大地震の最中、「狂ったゴジラ」
=関西電力高浜原発1、2号機を野に放つ原子力「規制」委員会』
『●高浜「寿命核発電所」延命、「安全より
経済優先の時代へと逆戻り」…「規制緩和」委員会(©東新)』
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【http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201606/CK2016062102000127.html】
「40年廃炉」なし崩し 老朽原発に初の延長認可 高浜1・2号機に最長20年
2016年6月21日 朝刊
原子力規制委員会は二十日、運転開始から四十年超の関西電力高浜原発1、2号機(福井県高浜町)で、最長二十年の運転期間の延長を認めた。四十年廃炉が原則だが、条件を満たせば一回に限り二十年の延長が認められる。延長は「例外中の例外」とされてきたが、初の適用例が決まった。ただ、再稼働するには、大規模な改修工事が必要で、三年ほど先になる見通し。
老朽化した原発の再稼働には、新しい規制基準に適合させる方針と具体的な工事計画を規制委が認めるほか、原子炉や建屋の健全性チェックにもパスする必要がある。
規制委は、原子炉格納容器上部の放射線を遮る能力が低いことから、遮蔽(しゃへい)用のドームを設置し、ケーブルに防火シートを巻き、事故時の対策拠点を新設するなどすれば、新基準に適合すると既に判断している。この日、関電が特別点検で得たデータなどを基に「運転六十年の時点でも安全性は保たれる」と認めた。劣化した配管などは取り換えれば問題ないと判断した。
関電は、ドーム設置など全ての改修工事は三年後の二〇一九年十月までに終える計画。一方、西川一誠知事は地元同意について「もう少し手続きや問題点がはっきりしないと」と話し、まだ判断できる時期ではないとの認識を示している。
四十年廃炉のルールを巡っては、出力の小さい原発では、新基準に対応する改修費に見合わないとして関電美浜1、2号機(福井県美浜町)など六基の廃炉が決まっている。
ただし、これら六基より新しい他の原発は出力が八十万キロワットを超える規模がほとんど。何千億円もの工事費をかけても、回収できるとなれば、四十年廃炉の原則は崩れ、なし崩し的に運転延長を目指す動きが続く可能性が高い。既に関電は、十一月に運転四十年となる美浜3号機の延長も規制委に申請している。
高浜1、2号機を巡っては、十四都府県の住民が運転延長は危険性が高いとして、規制委に延長を認めないように求める訴訟を名古屋地裁に起こしている
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【http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2016062102000138.html】
【社説】
高浜原発 延命よりも新産業だ
2016年6月21日
原子力規制委員会が、運転四十年を超える関西電力高浜原発(福井県)の延長を初めて認可した。世界は既に廃炉時代。無理な延命を図るより、時代の先端を行く方が、地域の実りははるかに多い。
もの皆すべてに寿命がある。生き物と同じである。
3・11後に定められた四十年という原発の法定寿命は、原子炉の圧力容器の内部が絶え間ない中性子の照射を受けて劣化するまでの目安という。
運転後四十年もたてば、原子炉も相当傷んでいるだろうと心配するのは当然だ。延命期間も安全に稼働できるという十分な根拠こそ、電力会社も原子力規制委員会ももっと詳しく示してほしい。
3・11後、老朽原発廃炉は世界の潮流だ。安全対策に費用がかかりすぎるからである。
四国電力は、来年九月で運転開始四十年になる伊方原発(愛媛県)1号機の廃炉を決めた。
燃えやすい電源ケーブルを燃えにくいものに取り換えたり、原子炉格納容器上部の遮蔽(しゃへい)性を高めるなど、大規模な工事が必要になるからだ。
ところが関電は、ケーブルの六割を燃えにくいものに替えるだけ、あとは防火シートで包むという“簡易型”の対策で延長を申請し、規制委もこれを了承した。
「より厳しい審査を経て」という大前提はのっけから骨抜きだ。
延長容認の基準は「安全性」ではなく「経済性」、3・11の教訓はもうほごか-。このように受け取られてもやむを得ない判断だ。
先例にされては、危険である。
原発廃炉で立地地域の雇用喪失を心配する声は根強い。
二〇二二年までの原発廃止を決めたドイツでは、「廃炉事業は成長産業」との声が高まっている。
廃炉には、四十年という時間がかかる。しかも、前例の少ない手探りの大事業。関連企業を集約できれば、原発を上回る長期雇用も十分期待可能である。
新型転換炉「ふげん」(福井県)の廃炉作業を進める日本原子力研究開発機構によると、昨年度携わった延べ約二百六十社のうち、約七割が地元企業だったという。
ドイツには、原発建屋の撤去跡地に再生可能エネルギーの関連工場を誘致した例もある。
廃炉時代は確実に訪れる。“原発銀座”と呼ばれるほどに原子力の時代を支えた福井県が、新しい時代の先陣を切れるよう、政府も施策を打つべきだ。
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東京新聞の社説【東日本大震災4年 原発のまちに未来図を】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2015031102000153.html)。
「あの日から四年。福島の傷はまだ癒やされない。だからこそ、原発に依存しない地域の未来図を、描き始めてもいいころだ。私たちも、原発のある町も」。
自公支持者・翼賛野党支持者、「眠り猫」の皆さん、原子力「ムラ寄生」委員会、電力会社・・・・・・無責任にも原発を再稼働し、フルMOX原発を建設し、原発輸出をするという愚かな「未来図」しか描けていない。
『●東電原発人災: あ~アベ様の言う
「完全にブロックされている」「状況はコントロール」の悲惨な現実』
『●東京電力原発人災から『X年後』
・・・・・・取り返しのつかないことが現実化してはいまいか?』
『●「暴走するゾウ、ゴジラを解き放とうという
「愚」」な東電をどのように「信頼」すればよいのか?』
『●屁理屈にもなっていない
・・・菅義偉官房長官「汚染水の『影響』は完全にブロック」』
『●東京電力原発人災4年目のアベ様の酷い記者会見:
情報公開、信頼関係、オンカロ、将来的、自立、除染』
『●深刻な原発事故の教訓として
「汚染水の『影響』は完全にブロック」・・・なんて言えるわけがない』
引用しませんが、日本ジャーナリスト会議のウエッブページに声明が出ています。【【声明】原子力発電所の再稼働に反対します=昭和43年東京大学理学部化学科卒業生有志】(http://jcj-daily.seesaa.net/article/415486519.html)、そこには、「1.日本の原発は極めて危険な環境に設置されている。・・・2.原発の事故は甚大な環境破壊をもたらす。・・・3.地球環境問題の解決は原子力発電がなくてもできる。・・・4.エネルギー政策は原子力発電を除外したエネルギー源のベストミックスへ転換する。」・・・・・・とあります。賛同します。「原発に依存しない地域の未来図を」描くことは可能だ。社説に言う「地産地消」は、内橋克人さんのFEC自給圏。
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【http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2015031102000153.html】
【社説】
東日本大震災4年 原発のまちに未来図を
2015年3月11日
あの日から四年。福島の傷はまだ癒やされない。だからこそ、原発に依存しない地域の未来図を、描き始めてもいいころだ。私たちも、原発のある町も。
四年前のきょう、元福井県美浜町議の松下照幸さん(66)は、東日本大震災の映像を見て「福島原発が大変なことになるぞ」と直感したという。
原発銀座と呼ばれる福井県若狭地方で、反原発を唱え続ける少数派。「原発は地震に弱いと常々思っていたが、想像を絶する事故が起きた」と振り返る。
◆ふるさとはどうなるの
「地震にやられたら、おしまいや」という近所の声を、松下さんもしばしば聞いている。
「いつかあること」。原発のある町で暮らす人なら、そんな不安にとらわれることがあるはずだ。予感は現実になったのだ。
福島原発の被災者は、放射能でふるさとさえも失った。あまりに過酷な現実の渦中にある。再び原発と共存できるとは思うまい。
他の原発立地地域にも、もはや原発の安全神話を信じる人はいないだろう。
だが、原発がなくなれば、仕事は、暮らしはどうなるの。
過疎化する町は、老後は、どうなってしまうのか。
「原発がある不安」と「原発がなくなる不安」のはざまで、住民は今も揺れ続けている。
松下さんは、かつては原発推進派に身を置いた。しかし、一九八六年のチェルノブイリ原発事故を境に、考えを改めた。
そして三年前の九月、欧州視察の成果を踏まえ、美浜町長に宛てた脱原発の提言書をしたためた。その中で次のように書いている。
<都市部の多くの人たちは、『危険な原発は止めればよい』という思いなのでしょうが、私にはそうはいきません。原子力発電所で働いている人たちの生活があります。自治体の財政問題もあります。それらを解決しようとせずにただ『止めればよい』と言うのであれば、私は都市部の人たちに反旗を翻さざるを得ません>
立地地域の暮らしの不安を解消できないうちは、大手を振って脱原発とは言い難い。
電力事業者は、原発再稼働の勢いに乗り、老朽化した小型原発を廃炉にし、大型に建て替える計画を進めている。
ところが、3・11以降、世界的にも原発の安全基準が厳格化され、建て替えの費用もかさむ。原発大国フランスさえ、新設に二の足を踏むような状況だ。
◆キーワードは地消地産
少なくとも先進国では、原発は割に合わないという認識が進んでいる。四十年という原子炉の法定寿命が守られる限り、近い将来、国内の原発はゼロになる。
原発に代わる産業、雇用、財源をどうするか。
たとえ今ある原発の再稼働がスムーズに進んでも、立地自治体が早晩直面する課題である。
廃炉や核のごみの中間貯蔵を受け入れて、一時的に雇用を生み出すことはできるだろう。しかしそれでは、放射能の不安から逃れることはできないし、大企業の下請け的体質から抜け出せない。
松下さんは、脱原発依存のキーワードとして、「地産地消」ではなく、「地消地産」を提唱する。地域で消費するものを地域で自給することから始めよう、という考え方だ。
人口約一万人の美浜町全体の光熱費は、年間五十億円に上るという試算がある。そのエネルギーは町外から買っている。
新築の住宅は、大手のハウスメーカーなどが建てている。町内に豊富な森林資源が活用できていない。
たとえば、木材のかけらや廃棄物(バイオマス)を燃やして沸かしたお湯を送り込む事業を起こす。ドイツでは総発電量の7%をバイオマスで賄っている。
百世帯に一社の割合で、そのような熱供給の会社ができれば、エネルギーとお金が地域で回る。送電網の必要な発電事業とは違い、給湯の配管網なら地元で無理なくインフラも整えられる。
過疎地にある原発で大量につくった電気を、はるかな都会に送り込むのとは、正反対の考え方だ。
近々、同じ若狭のおおい町で、木材チップと太陽熱のハイブリッド(併用)による熱供給のモデルづくりに着手する計画という。
◆真の地方創生モデル
大切なのは、小さな成功例を積み上げて、地域が自信を持つことだ。大都市本位で原発を推進してきた国は、結果として立地地域の自立の芽を摘んできた。その反省を踏まえ、「地消地産」の活動に支援を惜しむべきではない。
大企業の恩恵に頼らない、地域にあるものを生かした地域のための産業おこし、これこそ本物の「地方創生」なのである。
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東京新聞の記事【30キロ圏自治体「妥当」は2割 再稼働同意 立地自治体に限定】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2015010502000122.html)。
「「川内方式」を「妥当」としたのは、全国の原発の半径三十キロ圏に入る百六十自治体のうち、約二割の三十五自治体にとどまる」。
3.11東京電力原発人災で日本中が「地元」であることを嫌というほど分かったはずなのに・・・・・・「川内方式」を「妥当」と判断できる「原子力安全対策等特別委員会」「市議会」「県議会」、そしてそれを許す「地元」って一体何なんだろう?
『●川内原発の原子力安全対策等特別委員会で
「原発「ツーツー」「ズブズブ」関係者=委員」が再稼働推進票』
原発人災が起こった時に、薩摩川内市内や30キロ圏内で被害が収まるのか? 「「川内方式」を「妥当」としたのは・・・・・・約二割の三十五自治体」にも呆れてしまいます。
『●日本中が「地元」・・・・・・大間原発と高浜原発の再稼働問題、
「30キロ圏内の声を聴け」ではダメ』
民を救わない自民党やアベ様に一体何を期待しているのでしょう?
『●『放射能を浴びたX年後』:
「国はこれまで福竜丸以外の船員の追跡調査をしてこなかった」』
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【http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2015010502000122.html】
30キロ圏自治体「妥当」は2割 再稼働同意 立地自治体に限定
2015年1月5日 朝刊
原発再稼働の地元同意手続きについて、対象を九州電力川内原発の立地自治体の鹿児島県と薩摩川内市に限定した「川内方式」を「妥当」としたのは、全国の原発の半径三十キロ圏に入る百六十自治体のうち、約二割の三十五自治体にとどまることが共同通信のアンケートで分かった。
政府は他の原発の手続きも「川内原発の対応が基本的」(菅義偉官房長官)としているが、三割強の五十五自治体が「妥当でない」と回答。立地以外の自治体も事故時に被害が及ぶ恐れがあり、同意手続きに加われないことへの不満が強いことが浮き彫りになった。
同意を求める地元の範囲も、事故時の避難計画を策定する必要がある「三十キロ圏の自治体」(四十二自治体)との回答が「立地自治体のみ」(二十九自治体)を上回った。
また原子力規制委員会の審査に合格した原発の再稼働に関し「容認する」と「条件付きで容認する」は計三十六自治体と約二割にとどまった。
川内方式について「妥当」は十六自治体、「どちらかといえば妥当」が十九自治体に対し、「妥当でない」が三十三自治体、「どちらかといえば妥当でない」は二十二自治体だった。
批判的な計五十五自治体は全て立地以外だった。川内方式への反発は強く、今後の同意手続きが難航する可能性がある。
川内に次いで再稼働に向けた手続きが進む関西電力 高浜原発(福井県)の三十キロ圏に入る滋賀県は「妥当でない」を選択。「三十キロ圏に一部でも入る自治体には同意を求めるべきだ」と指摘した。
一方、関電美浜原発がある福井県美浜町は「妥当」とした上で「町民の理解など問題を解決しながら原子力に貢献してきたのは立地市町と県」と強調。評価を避けた自治体も多く「分からない」「その他・無回答」が計七十自治体だった。
川内原発の地元同意は、薩摩川内市議会、市長、鹿児島県議会、知事の順で了承。手続きは比較的順調に進み、今春以降の再稼働が見込まれる。
アンケートは昨年十一月の鹿児島県知事の同意表明後、年末にかけて実施。建設中の電源開発 大間原発(青森県)も含め、各原発の三十キロ圏に入る二十一道府県と百三十九市町村を対象にした。
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asahi.comの記事【(核リポート 原発銀座:3)影響はございません】(http://www.asahi.com/articles/ASG6Z5R1RG6ZPTIL01Q.html?iref=comtop_fbox_d2_04)。
「出るわ、出るわ、だった。原発はトラブルの山――。国内最多の原発15基(廃炉作業中の新型転換炉「ふげん」含む)を抱える福井県・嶺南地域で取材した実感である・・・・・・環境に影響を与えるほどの放射性物質を外部に漏らしていない、職員、作業員は被曝(ひばく)していないことを意味している。この文言を聞くたび、憤りを感じた」・・・・・・。
3.11東京電力原発人災以前に何とかすべきだった・・・・・・。「原子力は血液」・・・・・・ではなく、「原子力=核」は「麻薬」であることに早く気付くべきだった。いまこそ、川内原発再稼働に舵をきるこの国に、九州の「草の根」の勁き力を見せつける時だ。これ以上、世界に「恥」を曝さないために、世界を破滅させないために、今なら間に合う。「原子力は街の血液。これなしには生きていけない」という禁断症状にゾッとする。
『●有益どころか「危険・損・無意味」・・・最悪』
「==============
【・・・・・・】
[CML002840](九州) プルサーマル裁判準備集会 2月21日
佐賀県の・・・です。我が国初のプルサーマルこと商業用
プルトニウム核分裂発電が佐賀県で12月に始められてしまい
ました。京都大学 原子炉実験所の小出裕章先生に言わせれば
「技術的には危険、経済的には損、資源的には何の意味もない」
プルサーマルです。これをやめさせるべく九州電力 株式会社を
相手に裁判を起こします。その準備集会のご案内です。・・・・・・
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小出裕章さんの「「技術的には危険、経済的には損、
資源的には何の意味もない」プルサーマル」という言葉の意味を
考えてもらいたい。有益どころか、危険・損・無意味・・・
なんのためにやる必要があるのだろうか。かって「巨費を使えば
使うほど儲かるシステム」が公的電力企業にも認められていた
訳だが、電力私企業に富をもたらす仕掛けが今も健在なのか?
松下竜一センセの云う「もう、もうけもほどほどにしましょうや」・
「ほどほどにとどめよう」、あるいは、内橋克人さんの唱える
「浪費なき成長」や「FEC」に素直に耳を傾けるべきではないのか。
電力を使いつつも、開き直ってわれわれも主張して良いのではないか。」
『●『松下竜一未刊行著作集5/平和・反原発の方向』読了(前半)』
『●当事者能力がなくなっても原発を動かしたいという中毒症状』
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【http://www.asahi.com/articles/ASG5X51FLG5XPTIL018.html?】
(核リポート 原発銀座:1)お父さん、放射線って何?
大阪社会部・室矢英樹 2014年6月12日18時17分
(小学校の渡り廊下にあった放射線をはかる機械。
「ほうしゃせん見守り隊」と記されていた=福井県敦賀市)
(国内最多の原発15基の取材拠点となっている朝日新聞敦賀支局。
コンクリートの壁で覆われている=福井県敦賀市)
(交通標識は「原発」と表記しない。敦賀原発も「敦賀原電
(Tsuruga Genden)」だ=福井県敦賀市)
(核燃料サイクル政策の中核施設にあたる日本原子力研究開発機構の
高速増殖原型炉「もんじゅ」=福井県敦賀市)
(断層問題に直面する日本原子力発電敦賀原発1、2号機と、
廃炉作業が進む日本原子力研究開発機構の新型転換炉
「ふげん」(下)=福井県敦賀市)
(関西電力美浜原発1~3号機。1、2号機は運転開始から40年を
超えている=福井県美浜町)
(関西電力大飯原発1~4号機。福島の原発事故後、3、4号機は
国内の原発で初めて再稼働した=福井県おおい町)
(関西電力高浜原発1~4号機。3、4号機(右下)はプルサーマル発電に
よる再稼働の可能性が指摘されている=福井県高浜町)
「お父さん、放射線って、なに?」。夕食のカレーライスを食べながら、小学生の息子が不思議な表情を浮かべている。新学期のこと。転校したばかりの小学校に、見たことのない大きな箱があるのだという。
後日、授業参観日で学校を訪ねると、校舎をつなぐ渡り廊下にその箱はあった。放射線の線量率をみる測定器だった。「こんな所にもあるんだね」。妻が不安げに言った。
2012年4月、記者は福井県にある敦賀支局に異動した。その2カ月前、当時の社会部長に「原発問題に取り組んでほしい」と内示を受けた。1年ほど前に起きた東京電力福島第一原発事故の記憶は生々しい。異動直前に福島の被災地を回り、軒先の洗濯物が干したままの光景を目の当たりにした。原発事故が起きたら……。そんな不安がある中での息子の質問だった。
◇
福井県は、形がオタマジャクシに似ていると言われる。しっぽの部分にあたるのが若狭地方だ。嶺南地域とも呼ばれ、国内最多の原発15基(廃炉作業中の新型転換炉「ふげん」含む)が集中している。
嶺南地域の中心都市・敦賀市は、江戸時代には北海道と関西を結ぶ北前船の中継港として栄えた。明治時代になると、敦賀―ウラジオストクの定期航路が開かれ、東京・新橋との間に欧亜国際連絡列車の運行が始まり、大陸の玄関港としても発展した。嶺南地域が面する日本海・若狭湾はサバやグジ(アマダイ)など京料理に欠かせない食材の宝庫でも知られる。
そんな交易と漁業が盛んな地域は1960年代に変わる。62年9月、敦賀市議会が原発誘致を決議し、5年後、日本原子力発電が敦賀原発1号機を着工。70年3月に営業運転を始め、大阪・万博会場に「原子の灯」を送電した。
以後、敦賀半島に敦賀原発1、2号機、日本原子力研究開発機構の高速増殖原型炉「もんじゅ」と新型転換炉「ふげん」、関西電力の美浜原発1~3号機が次々と建った。関電はおおい町に大飯原発1~4号機を、高浜町の高浜原発1~4号機をそれぞれつくった。日本原電はさらに敦賀半島に国内最大級の敦賀原発3、4号機の本体着工をもくろんでいる。
国の機関や研究施設も数多い。原子力規制庁、文部科学省、資源エネルギー庁の現地事務所があり、絶えず原発の巡回、地元自治体との連絡に飛び回っている。警察も保安上の理由から常時警戒にあたっている。
原発城下町にあって、敦賀支局は建物の造りからしてひと味違う。壁全体が分厚いコンクリートで覆われており、先輩記者からは「放射線を防ぐためだ」と教わった。1階に非常用ディーゼル発電機があり、2階の事務所には線量計、防護服やマスク、安定ヨウ素剤が配備されている。敦賀市役所が配布する防災ラジオも置いている。原発取材の最前線基地の位置づけなのだ。
嶺南地域で車を走らせていると、交通標識の文字が目をひく。この地では、原発とは書かない。敦賀原発なら「敦賀原電」、美浜原発なら「美浜原電」と記されている。なぜ、原電なのか。敦賀市の河瀬一治市長に理由を聞いたことがある。「原発は、原爆の言葉の響きと似ている。これを避けている」。河瀬市長は原発を抱える自治体などでつくる全国原子力発電所所在市町村協議会の会長である。原発に対する世論の反発は身に染みてよく知っている。
似たようなことは、電力会社の言葉遣いにも表れる。使用済み核燃料を再処理し、原発でもう一度使う「核燃料サイクル政策」。関電の八木誠社長は必ず「原子燃料サイクル」と呼ぶ。核は、核兵器の核に聞こえるから避けている、と電力会社の社員から聞いたことがある。文字・言葉一つとっても原発問題はデリケートなのだ。
原発関連で働く人が多いことも実感した。息子が入っていたサッカークラブは、保護者が電力会社の社員だったり、原発の定期検査で全国から集まる作業員向けの民宿の経営者だったりした。2012年夏の大飯原発の再稼働時には、取材拠点となった旧原子力安全・保安院の現地事務所で、息子の同級生のお父さんにばったりと会った。関電社員、新聞記者と初めて分かり、互いに戸惑いながら「いつも子どもがお世話になっています」と頭を下げたこともあった。
そんな街で住んでいると、電力会社のボーナスカットなどを聞くと、こうしたお父さん、お母さんたちの顔を思い浮かべた。住宅ローンは、教育費は、とひとごとには思えず心配したのも事実だ。
多くの地方都市では、盆や年末年始になると、帰省客でにわかに街が活気づく。ところが、敦賀市の場合、普段でも少ない人通りがさらに減る。原発関連で働く人たちの多くが単身赴任だったり、数カ月の期間工だったりするからだ。この人たちが地元に帰る。
敦賀市の人口は約6万8千人。全国転勤が多い敦賀海上保安部の幹部は「人口10万人以下の街で、これほど全国チェーンのお店が多い所は初めてだ」と驚いていた。幹線道を走ると、大手のレストラン、家電量販店、カー用品店が軒を連ねる。市役所は正確な数字を把握していないが、住民票を持たない人たちが千人規模でいるとみている。
原発で取材する機会が多かったが、原子炉建屋など放射線管理区域で働く女性の姿はほとんど見たことがない。もんじゅの場合、放射線管理区域がある施設には女子トイレがない。同僚の女性記者と取材する際は、あらかじめ水分補給を控えるようにお願いしていた。男女共同参画が進む時代にあって、原発は男性仕様のマッチョな職場だった。
◇
東京電力福島第一原発事故の1年後、原発報道の最前線の一つとなった福井県・嶺南地域。大飯原発の再稼働問題、敦賀原発の断層問題、高速増殖原型炉「もんじゅ」の不祥事……。ニュースの表舞台から見えにくい原発城下町の素顔をリポートします。次回は、原発マネーが行き渡る現場を紹介する予定です。
◇
むろや・ひでき 1996年に入社。鳥取支局、大阪・西部社会部、大阪生活文化部に勤務し、警察や司法、教育、社会保障、調査報道などを担当。2012年4月~14年3月、敦賀支局長だった。それ以前は原発取材の経験がなかった。今年4月に大阪社会部に戻り、原発問題を担当している。43歳。(大阪社会部・室矢英樹)
【http://www.asahi.com/articles/ASG5Y4288G5YPTIL00N.html?】
(核リポート 原発銀座:2)原子力は街の血液
大阪社会部・室矢英樹 2014年6月18日17時40分
(色鮮やかな球技場。向かいの半島に関西電力大飯原発がある
=福井県おおい町)
原発へのスタンスはともかく、「原発城下町」と言われる福井県敦賀市で暮らしてみると、原発から切り離された暮らしを送るのはほぼ困難ということを知った。
子どもが風邪や歯の治療などで、何度も病院で診てもらったことがあった。窓口で医療費を支払い、後日、市役所から還付手続きの封筒が届いた。小学生の医療費は、原則として月に500円。これを超える額は戻ってくる仕組みになっていた。
原資は「原発マネー」だった。
原発があることを理由に、地元自治体が「地域振興」を主な名目に受け取るお金で、「迷惑料」との指摘もある。原発マネーは、電源三法交付金と呼ばれる国の交付金、県の核燃料税、電力会社の寄付金や原子力施設の固定資産税、法人住民税などだ。
敦賀市には敦賀原発1、2号機と高速増殖原型炉「もんじゅ」、新型転換炉「ふげん」(廃炉作業中)がある。国の電源三法交付金は1974年に制度化され、市は2013年度までに522億円を得ている。
市の14年度当初予算の一般会計は263億円。このうち電力関連は56億円と歳入の約2割を占める。内訳は電源三法交付金17億8830万円▽日本原子力発電など電力事業者の固定資産税37億606万円▽福井県の核燃料税交付金2億円。原発関連で働く市民の住民税や自宅などの固定資産税なども含めれば、原発関連が市財政に占める割合は大きい。
敦賀市では、電源三法交付金で子どもの医療費助成、お年寄り向けの介護タクシーのクーポン券が配布されたり、病院や図書館、保育園、公民館、清掃センターなど暮らしに直結する職場の人件費がまかなわれたりしている。
「原子力は街の血液。これなしには生きていけない」。原発で働く労働者の送迎をしているバス会社の社員の言葉である。
【http://www.asahi.com/articles/ASG6Z5R1RG6ZPTIL01Q.html?iref=comtop_fbox_d2_04】
(核リポート 原発銀座:3)影響はございません
大阪社会部・室矢英樹 2014年7月1日17時19分
(高速増殖原型炉「もんじゅ」で発覚したトラブルについて
説明する日本原子力研究開発機構の幹部職員
=2013年6月、福井県敦賀市)
出るわ、出るわ、だった。
原発はトラブルの山――。国内最多の原発15基(廃炉作業中の新型転換炉「ふげん」含む)を抱える福井県・嶺南地域で取材した実感である。
敦賀支局には2012年4月~14年3月の2年間勤務した。関西電力大飯原発3、4号機の再稼働など、全国から注目される大きなニュースもあったが、その陰で全国版に載らない様々な原発がらみのトラブル、不祥事の取材に追われた。
例を挙げると――。(年月は発表時)
◇
◆高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)
2012年7月:ナトリウム漏れ警報機が誤作動→配管が近くのエアコンで冷やされ、結露した水がナトリウム検出器のフィルターに付着して警報が鳴る。配管に断熱材を巻き付けて対処
同11月:協力会社の作業員が使用済み核燃料プールに腕章を過って落とす→別の職員が網ですくって回収
2013年5月:非常用ディーゼル発電機から黒煙→弁の閉め忘れが原因
同6月:原子炉の温度などを国の防災ネットワーク機器へデータ送信する装置が送信不能に→装置の電源切れが原因
同9月:核燃料の貯蔵タンクでナトリウム漏れ監視装置が計測不能に→ふだん開いているはずの装置内の弁が閉まっていたのが原因
2014年1月:中央制御室の当職職員のパソコン1台がウイルスに感染→原因調査中
◆新型転換炉「ふげん」(敦賀市)
2013年2月:補助ボイラーを解体作業中、吸気フィルターから発煙→バーナーで配管を切断していた際に火花が燃え移る
同3月:放射性物質のトリチウムが外部に漏れる→原子炉補助建屋で放射性物質を含む重水から不純物を取り除く際、職員が蒸気を水に戻す装置のスイッチを入れ忘れる
同7月:海水ポンプが故障し、使用済み核燃料プールと非常用ディーゼル発電機を冷やせなくなる→ポンプのモーターの軸部分が高温となったのが原因。モーター交換で対処
◆敦賀原発(敦賀市)
2012年5月:2号機の工事現場で協力会社の作業員が重傷→ダンプカーの荷台にかけたはしごから2メートル下に転落
同7月:2号機近くに埋設された配管をくりぬく。配管は発電機のタービンを回した蒸気を冷やし、水に戻す復水器につながっていた→活断層の疑いが指摘される2号機直下の断層を掘削調査する際に過って穴を開けたのが原因
同8月:協力会社の作業員が2号機で大けが→津波対策で通路に水密扉を取り付ける際、重さ510キロの扉の枠が倒れて下敷きに
2013年9月:1号機の放射線管理区域内にある廃棄物処理施設で浸水→大雨で排水が追いつかず
2014年3月:2号機の原子炉冷却水の水温計の一部が破損→金属疲労が原因
◆美浜原発(美浜町)
2013年2月:1号機の非常用ディーゼル発電機から黒煙→出力を上げる部品が破損
◆大飯原発(おおい町)
2012年8月:4号機の蒸気発生器に2次冷却水を送る主給水ポンプで異常→弁の部品が固定不十分で外れたのが原因
2013年9月:3号機の低圧タービンで火災を示す警報機が作動。水蒸気が漏れる→職員が手順書を守らなかったのが原因
◆高浜原発(高浜町)
2013年9月:1号機で作業員が線量計を着用せずに放射線管理区域に入る→休憩時に線量計を外し、机の上に置いたままに
◇
こうした事例は一部に過ぎない。設備の故障もあるが、軽率な人為ミスが目立つ。トラブルが起きたとき、事業者の説明はこんな言葉から始まる。
「影響はございません」
「問題はございません」
これは、環境に影響を与えるほどの放射性物質を外部に漏らしていない、職員、作業員は被曝(ひばく)していないことを意味している。この文言を聞くたび、憤りを感じた。
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東京新聞社説「自民の原発公約 「変節」は見過ごせない」(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013062102000151.html)、asahi.comの「2年やそこらで忘れてはならない/世論がなめられている」(http://astand.asahi.com/magazine/wrscience/2013061600003.html?ref=comtop_fbox_d2)、asahi.com「原発ゼロ議論の委員会廃止へ 経産省、審議会再編」(http://www.asahi.com/politics/update/0625/TKY201306250127.html)、gendai.net「復興予算 デタラメ流用1兆円超」(http://gendai.net/articles/view/syakai/143172)、asahi.com「原発と政治―未来にツケを回すのか」(http://www.asahi.com/paper/editorial.html?ref=com_top_pickup、6月29日)。
「電力会社は福島を犠牲にして生き残りを図っている」(金子勝さん)。そんなことを許す社会ってなんでしょう。そんなことをやっている自公政権って何? 自公の支持者や自公への投票者の方々に伺いたい。
自公への支持者・投票者の皆さん、「品格」「資質」です。
『●田中優子さん「誰の名前を書くのか、その人の品格が問われている」』
『●映画『放射線を浴びた『X年後』』:
「こんな巨大な事件が、・・・日本人としての資質が問われる」』
どこに入れるべきか分からない、投票するところがない、メンドクサイ、だから選挙に行かない? 自公に手を貸してはいけません。
『●「真っ当に憲法を考えている政党はどこだ?」
『週刊金曜日』(2013年6月21日、948号)について』
「矢崎泰久さん【発言2013】、「腰を抜かすほど驚いて、
「君の一票の棄権は、バカの一票が倍になることだ・・」
・・民主主義の大敵は投票に行かないことだ・・。
・・とにかく投票に行く。このことによってしか、
悪政は拒否できない・・棄権は危険だ!」」
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【http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013062102000151.html】
【社説】
自民の原発公約 「変節」は見過ごせない
2013年6月21日
自民党の参院選公約は、原発再稼働に大きく踏み出した。昨年の衆院選で公約した、原子力に依存しない経済・社会の確立も、すっぽり抜け落ち、ほごにされた。変節を見過ごすわけにはいかない。
参院選は七月四日公示、二十一日投票の予定だ。補欠選挙を除くと、昨年十二月の第二次安倍内閣発足後初の国政選挙。約半年間の安倍政権の中間評価が問われる。
有権者は昨年の衆院選で、公約を基に自民党に再び政権を委ねた。この公約は議員任期の四年間有効な有権者と自民党との契約だ。よほどの状況変化が生じたならまだしも、一方的に変えることは許されない。
自民党がきのう発表した参院選公約はどうか。見過ごせない点がいくつかある。まずは原発だ。
公約は再稼働を前提に「地元自治体の理解が得られるよう最大限努力する」と踏み込んだ。安倍内閣の成長戦略「日本再興戦略」に原発再稼働が盛り込まれたため、それに合わせたのだろう。
しかも、衆院選で公約した「原子力に依存しなくてもよい経済・社会構造の確立を目指す」との文言は全く抜け落ちている。
再生可能エネルギー導入に死力を尽くした上での方針転換ならまだしも、舌の根も乾かぬうちに原発依存に転換するのは有権者を裏切る行為だ。二〇〇九年衆院選マニフェスト違反の消費税増税を強行した民主党とどこが違うのか。
「原発事故で死者が出ている状況ではない」として原発再稼働に踏み込んだ高市早苗政調会長に、脱原発を掲げる自民党福島県連が抗議するのも当然である。
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の返還問題も同じ構図だ。
党本部は公約に名護市辺野古への「県内」移設推進を明記したが、基地負担の抜本的軽減を求める地元沖縄県連は「県外」移設を地域公約に盛り込む方針だという。
党本部はなぜ地域の事情や思いを十分くんで公約に反映しようとしないのか。それとも「二枚舌」で構わないと考えているのか。
今年に入り静岡県や名古屋、さいたま両市など主要首長選で自民党推薦候補が相次いで敗れた。安倍内閣の支持率は依然高いが、地域と向き合わない姿勢が、これまで自民党の強みとされていた地方での支持離れにつながっているのではないか。
選挙のときには甘言を弄(ろう)し、政権に就いてしまえば、あとはやりたい放題が続くのなら、有権者の政治不信は高まるばかりである。
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【http://astand.asahi.com/magazine/wrscience/2013061600003.html?ref=comtop_fbox_d2】
2年やそこらで忘れてはならない/世論がなめられている
2013年06月17日
竹内敬二
2年前の3・11直後、福島第一原発の1号機と3号機の建屋が水素爆発を起こした。分厚い鉄筋コンクリート製の壁が粉々に壊れ、高く上空に吹き上がる様を見て、私は二つのことを思った。一つは「建屋の内側にある格納容器は大丈夫だろうか?壊れていれば、どんな大規模汚染が起きるのか想像もできない」ということ。もう一つは、「爆発の映像は日本の原発を終わりに向かわせるだろう」だった。
しかし、参院選を控えた今の日本の状況はどうだろう。「原発を減らす」という明確な目標がないまま、再稼働を急ぐ声ばかりが大きくなっている。子ども被災者らの支援を担当する復興庁の官僚がツイッターで暴言を吐いていたが、暴言の内容よりも、そこから読み取れる「まあ復興もこの程度やっておけばいい」というへらへらした雰囲気が絶望的だ。
今、日本の社会は試され、岐路に立っているのだと思う。3・11後に盛り上がった「原発を減らせ」あるいは「脱原発」の世論がなめられ、無視されるのか、あるいは、世論を政策に反映させるところまで押し込むのか、という岐路である。原発事故を2年やそこらで忘れてはならない。
3・11は日本の原発・エネルギーの問題点をあぶり出した。それは3点に要約できる。
1)原子力への過度の依存。
2)電力制度改革が遅れている(発送電分離など電力の自由化が必要)。
3)自然エネルギーが極端に少ない。
民主党政権は、短い期間だったが、これらの点について、それなりにまじめに議論した。とくに1)については、「将来の原子力発電の依存度をどの程度にするか」という命題をたてて、国民的議論を提起した。意見聴取会や討論型世論調査を行った結果、「2030年にゼロ%」という意見が多かったため、2012年9月14日に出した「革新的エネルギー・環境戦略」で、少し緩和して「2030年代の原発ゼロをめざす」を打ち出すに至った。原発依存を続けていた戦後のエネルギー政策を180度転換する衝撃的な方針転換だった。
しかし、自民党に政権が移った瞬間、この政策は無視される。安倍政権は「原発ゼロに向かう」政策を白紙に戻す、と全面否定し、早期の再稼働をめざしている。
ここまでは、政権交代による方針変更といえるが、驚くのは、このほどまとまった「エネルギー白書2012年度版」に、民主党の「30年代全発ゼロ方針」のことを書いていないことだ(6月14日朝日新聞夕刊)。12年の国民的議論では「原発ゼロをめざす」への支持が最も多かった事実も載せていない。3・11後、日本で盛り上がった「脱原発」の動きをほぼ消し去っている。
いくら民主党時代のことだといっても、「革新的エネルギー・環境戦略」は2012年に政府が出した正式なエネルギー政策である。「なかったこと」にして歴史から消すのは国民をなめている。
では、多くの国民はいま何を思っているのか。3・11の後、いくらか揺れながらも原発への依存を減らしたいという点でははっきりしているのではないか。朝日新聞の世論調査(6月11日朝刊)によれば、「成長戦略に原子力発電の利用」という安倍政権の方針について「反対」が59%だった。(賛成27%、その他・わからない14%)。「停止中の原発の再稼働」についても反対58%、賛成28%だった。
今の政権の特徴は、多くの国民が賛成する「原発を減らす」という改善的政策を提示することなく、「脱原発は不可能だ」というだけで、「原発をどれくらい減らすべきか」という議論を提起しないことだ。時間が過ぎる中で、原発反対の世論もまた多少息切れしつつある。確かに世論を政策にのせる(脱原発を本気で掲げる)大きな政党がいない社会での運動継続は苦しい。継続という点では、我々メディアも得意ではない。
しかしながら、とにかく現状をみれば、まだ「3・11を乗り越えて前に進む」というような段階にはないことは確かだ。事故の後始末はまったく進んでいない。3基の原発の同時炉心溶融という前代未聞の過酷事故が起きたわけだが、まだ、炉心の核燃料がどんな風に溶けて、どんな状態になっているのかさえ分かっていない。たまり続ける汚染水をどうするかに右往左往しているだけだ。
被災者の賠償も遅れている。現場では加害者の東電が被災者に強い態度で交渉に臨み、被災者が低い額で泣き寝入りする構図になっている。とりわけ困っているのが、住宅の再建だ。放射能汚染地域に残してきた家の補償費が安く、新しい家がまったく買えないのである。
最近では、原発に近い病院からの救出が遅れ、死亡した患者4人の遺族が、東電に損害賠償を求める訴訟も起こしている。遺族の一人は「お金の問題ではない。父が死亡した理由を裁判で明らかにし、東電に謝罪して欲しい」と述べている。事故の原因解明も廃炉対策も、被災者への賠償も全く進んでいない。
現在、原発の再稼働がストップしているのは、原子力規制委員会(田中俊一委員長)の厳しい姿勢だ。電力業界や原子力ロビーからの独立性は、以前の保安院や原子力安全委員会とは全く異なり、3・11がかろうじて生み出した「前向きな存在」ともいえる。しかし、時間の経過とともに、原発の再稼働がままならない電力業界や地元自治体はいらいらを増し、過酷事故対策の不十分さをタナにあげ、規制委員会に圧力をかけている。
今回の事故の発生を許し、被害を広げた一因は、長時間の停電や炉心溶融などの「過酷事故」が「日本では起きない」として、その準備をしていないことだった。米国などは近年「B5b」という過酷事故対策を整備したが、日本は米国からその概略を教えてもらいながら、「よく意味がわからない」という情けない理由と、「日本では必要ないだろう」といういつもの無責任な論理で無視してきた。これをやっていれば、少なくとも使用済み燃料プールの冷却切れなどにはきちんと対処できたと言われている。今回の事故の裏には規制当局の大失態があったのである。
新たにできた規制委員会は規制基準を厳しくし、これから原発を一基ずつチェックしていく。地元自治体には過酷事故が起きた場合の地域防災計画の作成を求めている。
この防災計画が問題だ。過酷事故が起きた場合を考えると、机上の計画でさえなかなかできないのである。
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【http://www.asahi.com/politics/update/0625/TKY201306250127.html】
2013年6月25日14時40分
原発ゼロ議論の委員会廃止へ 経産省、審議会再編
茂木敏充経済産業相は25日、経産省所管の審議会を再編すると発表した。194ある分科会や小委員会などを105に減らす。総合資源エネルギー調査会の下部組織で、民主党政権下で「原発ゼロ」の是非を議論した基本問題委員会も廃止する。安倍政権が進める原発ゼロ政策の見直しを象徴している。
基本問題委は東京電力福島第一原発事故後、政府のエネルギー基本計画の見直しを議論する新組織として2011年10月に発足し、委員の3分の1を脱原発派が占めた。その後、民主党政権は「2030年代原発ゼロ」を打ち出すが、基本問題委が基本計画をとりまとめる前に政権交代した。
自民党政権は、上位部会の総合資源エネルギー調査会総合部会(基本政策分科会に名称変更)で基本計画を見直すことを決め、それ以降、基本問題委は開かれていなかった。
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【http://gendai.net/articles/view/syakai/143172】
復興予算 デタラメ流用1兆円超
2013年6月29日掲載
これを許していいのか お人好しの国民
<大震災復興のためと称して増税された所得税、住民税が官僚とヤクザに山分けされている>
復興予算の流用がまた発覚した。今度は電力会社の優遇策に消えていた。28日付の朝日新聞がスッパ抜いたもので、原発停止による負担増の穴埋め策として、約100億円の復興予算を「基金」にプール。電力会社が原発の代わりに火力発電所を稼働させる際、基金が新たな借り入れの利子分を肩代わりしていた。
被災者を救うはずの税金を被災地をズタズタにした電力会社のために流用するとは、デタラメの極み。原発事故の避難住民だけじゃなく、全国の納税者もこれを許していたらダメだ。
復興予算の大半は臨時増税で賄われる。今年1月から25年間もの長い間、所得税に税額の2.1%分が上乗せされ、さらに来年6月から10年間は住民税にも年1000円が加えられる。震災復興のためと称して搾取されたカネを、こんな使い方をされたら腹の虫が治まらない。
だいたい、政府は昨年秋に復興予算を「被災地以外では使わない」と決めたばかりだ。自民党も野党時代には、沖縄の国道整備や反捕鯨団体の対策費などへの流用を批判していた。
政権交代後に安倍政権は「5年で19兆円」という復興予算の枠を取り払って24兆円まで拡大。根本復興相は「厳しく精査を行っている」と語ったが、その後も新たな流用はゾロゾロ。復興予算のうち実に1兆1570億円が天下り法人や自治体が管理する「基金」に配られ、被災地以外で野放図に使われていた。
「特にヒドイのが、被災地以外の38都道府県の基金に渡った
『震災等緊急雇用対応事業』です。被災地向けの『緊急雇用』のはずが、
雇われた被災者は全体の3%。仕事の中身もゆるキャラやご当地アイドルの
PR活動に、ウミガメを数える監視など、復興と無縁のものばかり。
こんなインチキ事業に約1085億円の復興予算が使われたのです」
(野党関係者)
安倍政権はこの問題で5月に参院決算委から警告決議を突きつけられた。慌てて基金を運営する自治体や公益法人に、予算の執行停止と国庫への返還を指示したが、すでに手遅れ。大半はすっかり使い切られ、わずかに残った金も「業者と契約済み」などと返還を渋られた。
結局、戻ったのは1000億円ちょっとで、1兆円を超える復興予算がウヤムヤに消えてしまった。
「なぜ流用がまかり通るのか。実態を明るみに出し、原因を徹底究明するのが
納税者への務めです。なのに安倍政権は今も流用実態にフタをし、
ロクに調査も指示していません。これでは流用を後押しするようなもの。
ただでさえ、基金に税金をプールされると、毎年の決算を免れ、
チェックが届きにくい。今後もひそかに流用される恐れは強いのです。
ここまでチェックが甘いと、目ざとい連中がかぎつけ、基金に巣くいかねません。
過去にも暴力団が基金を資金源として悪用した事件は多数あります」
(流用問題を追及するジャーナリストの福場ひとみ氏)
被災地のための血税を官僚とヤクザが山分けなんて冗談じゃない。安倍は福島で参院選の第一声に臨む意向だが、「どのツラ下げて」と思えてくる。
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【http://www.asahi.com/paper/editorial.html?ref=com_top_pickup、6月29日】
2013年6月29日(土)付
原発と政治―未来にツケを回すのか
あの日。地震と津波の脅威にがく然としていた私たちに追いうちをかけたのが、「福島第一原発で全電源を喪失」「原子炉の冷却不能」というニュースだった。
爆発で原子炉建屋が吹き飛ばされる映像を目にして、背筋が凍った。
そのことを、よもや忘れたわけではあるまい。
安倍政権の原発政策である。
自民党は参院選の公約で、原発の再稼働について地元の理解を得ることが「国の責任」と明記した。
「安全性が確認された原発は動かす」が、安倍政権の基本方針だ。首相は国会閉会後の記者会見で「原子力規制委員会の基準を満たさない限り再稼働しない」と言い回しを変えたが、規制委さえクリアすれば、原発というシステムには問題ないという認識のようだ。
折しも7月8日に、新しい規制基準が施行され、既存の原発が新基準に適合しているかどうかの審査が始まる。
確かに、新基準はさまざまな点で改善はされている。
旧来は規制当局が電力会社に取り込まれ、電力側が基準づくりや審査を都合よく誘導していた面があった。
新基準は、活断層を厳しく吟味するほか、地震・津波対策やケーブルの不燃化、電源・冷却手段の多重化、中央制御室のバックアップ施設などを求める。
今後も新たな基準を設けた場合、既存原発に例外なく適用することになったのは前進だ。過酷事故が起きることを前提に対策を求めた点も評価する。
しかし、新しい基準への適合は「安全宣言」ではない。規制委が、「安全基準」から「規制基準」へ名称を変えたのも、そのためだ。安倍政権はそこから目をそらしている。
なにより、福島の事故があぶり出したのは、安全対策の不備だけではない。
たとえば、原発から出る危険なゴミの問題である。
使用済み核燃料や廃炉で生じる高レベルの放射性廃棄物をどこにどうやって処分するか、まったく手つかずのままだ。当座の保管場所さえ確保できていないのが現状である。
安倍政権は発足当初から、使用済み核燃料を再処理して利用する核燃料サイクル事業の継続を表明した。6月の日仏首脳会談でも、両国が協力して推進していく姿勢を強調した。
しかし、計画の主役だった高速増殖炉は失敗続きで見通しがつかない。使用済み燃料から取り出したプルトニウムとウランを混ぜたMOX燃料を商業炉で使うプルサーマル発電に頼るしかないが、これまでに取り出したプルトニウムを消化しきるのも難しい。
ましてや、青森県六ケ所村の再処理工場を動かせば、プルトニウムをさらに増やすことになり、核不拡散を定めた国際公約に違反する。
こうした負の側面に目をつぶり、課題を先送りするような原発回帰は「政治の無責任」としかいいようがない。
原発というシステム全体の見直しを怠るなかでの再稼働は、矛盾を拡大させるだけだ。
規制委の審査も、リスクの高い原発をふるい落とす仕分け作業と位置づけるべきである。「NO」とされた原発は、政府がすみやかに廃炉措置へと導く手立てを講ずる。
基準への適応が認められた原発も、再稼働するには「本当に必要か」という需給と経済面からの検討が欠かせない。
事故当時に比べると、節電意識や省エネ投資が進み、少なくとも需給面では乗り切れる情勢になった。
あとは、原発が動かないことによる電気料金の値上げがどの程度、生活や経済活動の重荷になっているかという問題だ。
負担感は人や立場によって異なるだろう。議論には根拠のあるデータが欠かせない。
民主党政権時代に試行したコスト等検証委員会や需給検証委員会のような枠組みをつくり、国民に公開された場で合意を形成しなければならない。
その際、火力発電の燃料代の増加といった目先の負担や損失だけでなく、放射性廃棄物の処理費用や事故が起きた場合の賠償など中長期に生じうるコストも総合して考える必要がある。 未来世代に確実にツケが回る問題に手を打つことこそ、政治の仕事である。
原発と政治―「地元」をとらえ直そう
原発が事故を起こせば、極めて広範囲に打撃を与える。
この最低限の教訓さえ、まだきちんと生かされていない。
国は福島の事故後、防災対策を準備する「重点区域」を、原発の8~10キロ圏から30キロ圏に広げた。対象の自治体は45市町村から135市町村に増えた。
原発を再稼働するなら、これら「地元自治体」から同意を得るのが不可欠だろう。
実際、関係する自治体は電力会社に、再稼働時は同意を条件とする立地自治体並みの協定を結ぶよう求め始めている。
だが、交渉は難航している。関西電力が早期の再稼働をめざす福井県の高浜原発では、30キロ圏内に入る京都府や滋賀県の自治体が関電と交渉中だが、関電は認めようとしない。
立地自治体の側にも、被害地域を広く想定する国の方針に反発する動きがある。
福井県は全国最多の14基の原発が集中立地し、大きな災害が起きれば原発が相次いで事故を起こす心配がある。
ところが、県は「国の避難基準があいまい」などとして、隣接する他府県の自治体との交渉を後回しにし、避難先を県内に限る計画をつくった。
その結果、美浜原発の過酷事故を想定した6月の避難訓練では、美浜町民は原発から遠ざかる滋賀県ではなく、県の計画に従い、大飯原発のある県内のおおい町へ逃げた。これが、住民の安全を第一に考えた対応だと言えるだろうか。
背景には、原発事業者と立地自治体との特別な関係がある。事業者は自治体に寄付金や雇用の場を提供し、自治体は危険な原発を受け入れる。
「地元」が広がれば、事業者にとっては再稼働のハードルが上がり、立地自治体もこれまで通りの見返りが得られる保証はない。事故の現実を目の当たりにしてもなお、双方に、そんな思惑が見え隠れする。
こんないびつな関係を続けることは、もう許されない。
事業者は30キロ圏内の自治体と協定を結び、監視の目を二重三重にする。自治体は広域で協力し、発言力を強める。そして万一の際の避難計画をつくる。
もたれあいでなく、住民の安全を第一に、緊張感のある関係を築かねばならない。
しかも、これからは新しい規制基準のもと、再稼働できない原発も出てくる。
国策に協力してきた自治体にとっては厳しい事態ではある。原発への依存から方向転換するのは容易ではない。
ただ、福井県も「エネルギー供給源の多角化」を掲げ、液化天然ガス(LNG)の受け入れ基地の誘致に動き出すなど、脱原発依存に向けた試みが垣間見える。
安倍政権は、再稼働への理解に努力するのではなく、新たな自立への支援にこそ、力を入れていくべきだ。
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