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●《首相の演説にやじを飛ばしただけで、警官に排除される時代…こんな「表現の不自由」な社会を誰が望んだ》?

2019年08月31日 00時00分46秒 | Weblog

[※ 《#ケチって火炎瓶》「選挙妨害を暴力団に発注した方は、素直に挙手願います!東京新聞2018年8月27日)↑]



日刊スポーツのコラム【政界地獄耳/治安維持のためなら何でもありか】(https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201908210000132.html)。
桐山桂一さんの、東京新聞のコラム【【私説・論説室から】「反戦」を狙うのか?】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2019082102000179.html)。

 《北海道警が首相・安倍晋三が7月、札幌市で参院選の街頭演説をした際、ヤジを飛ばした複数の市民らを排除…参院選で製作された立候補者の選挙公報について全国9道県の選挙管理委員会がホームページ上の掲載を削除…鹿児島県内の5つの図書館で鹿児島県警から任意の「捜査関係事項照会」と呼ばれる依頼を受け、うち4図書館で利用者の個人情報が提供》。
 《まるで反戦思想、「左翼」と呼ばれる人々を狙い撃ちにしたかのような取り締まりだった。日弁連は当時、「表現の自由への重大な危機」を、国連も「懸念」を表明した。たとえ微罪であっても積み重なると、社会ではモノを言うこと自体が萎縮し始める。今日では既に、首相の演説にやじを飛ばしただけで、警官に排除される時代である。こんな表現の不自由な社会を誰が望んだであろうか。 (桐山桂一)》。

   『●《平和なアジアという井戸…先人の掘った
     井戸の水を濁らせている》人々…企画展「表現の不自由展・その後」を破壊
    「札幌など参院選ではあれだけアベ様に〝忖度〟して大活躍だったのに、
     今回は、な~んにもしない警察。市民の表現の自由言論の自由
     踏みにじって止まない愚者たち」

   『●あとの《増税》祭り…《家計に痛みを強いる施策が
      続々と動きだす》…自民党議員全員が第Ⅳ象限なのでは?
    「《安倍晋三首相(自民党総裁)にやじを飛ばした男女が、北海道警の
     警察官らに現場から相次いで排除された》…それでも、自公お維に
     投票するのだからオメデタイ限りだ。《警察は政党の手先ではない
     訳がない…悲惨な社会」

   『●《人権を軽々に扱っている…。合憲違憲が争われた
      戦後の重要な民事裁判の記録多数を全国の裁判所が既に廃棄処分》

 桐山桂一さんの仰る通り、《今日では既に、首相の演説にやじを飛ばしただけで、警官に排除される時代である。こんな表現の不自由な社会を誰が望んだであろうか》? 
 《鹿児島県警から任意の「捜査関係事項照会」と呼ばれる依頼を受け、うち4図書館で利用者の個人情報が提供》…。《警察は政党の手先ではない訳がないし警察は正義の味方と呼ぶこともできない…悲惨な社会。最「低」裁を頂点とした司法も、検察や警察も、いまやアベ様に忖度する時代。《岸の末裔が首相では日本に未来はない》。

   『●「政治家にしてはいけないレベルの人材を
      チヤホヤして勘違いさせ、党を挙げて見抜けない「節穴責任」」
    「日刊ゲンダイに出ていたインタビュー記事(【注目の人 直撃インタビュー
     /小澤俊夫氏が警鐘 「共謀罪で言論の息の根が止められる」】…)
     に続き、リテラに出ていた記事【小沢健二の父・小澤俊夫が
     共謀罪と安倍政権批判 オザケン自身も権力の詐術を暴く鋭すぎる論評】…。
     《「岸の末裔が首相では日本に未来はない」…その実態は権力による
     恣意的な逮捕を可能にする平成の治安維持法」であることは自明で、
     公権力による監視社会化をよりいっそう加速させるものだ…
     ドイツ文学者の小澤俊夫氏…「親父は「日本から満州に来た官僚の中で
     一番悪いのは岸信介」と言っていました。「地上げをし、現地人は苦しめ、
     賄賂を取って私財を増やした」と。だから、岸が自民党総裁になったときに
     「こんなヤツを総裁にするなんて、日本の未来はない」とハッキリ言った。
     その岸の末裔が首相になって日本は本当に未来がなくなっちゃったね」》」

   『●軍隊は住民を守らない: 《情報保全隊…住民の調査・
       監視のほか、島嶼戦争の際の対スパイ戦任務も想定》…
   『●《安倍首相と昵懇の元TBS記者・山口敬之氏からの
      性暴力》犯罪の裏で《官邸の関与》…最低の官房長官らは何を?
   『●『「安倍晋三」大研究』(望月衣塑子&特別取材班著)読了…
             《「なぜ安倍さんは〈噓〉をつくのか」という…疑問…》

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https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201908210000132.html

コラム
政界地獄耳
2019年8月21日9時8分
治安維持のためなら何でもありか

北海道警が首相・安倍晋三が7月、札幌市で参院選の街頭演説をした際、ヤジを飛ばした複数の市民らを排除したが、道警は正式に道議会でトラブル防止のための措置だった法的根拠を示さず肯定化した。10日にはその件で地元市民が集会と道警へのデモを行ったが、集会では元道警釧路方面本部長・原田宏二が「警察の現場では『治安維持のためなら多少の違法行為も許される』という間違った考え方がどんどん露骨になっている。それが表面化したのが今回の『排除』ではないか」と指摘した。

★そこでも道警は参加者を無断で撮影し続けたといい、同行した弁護士が「撮影の要件は何か」と問うと「適正な職務執行だった」と繰り返したという。いずれも警察の越権に基づく抗議をも、聞く耳を持たなかったという。北海道の事件は別のかたちで全国に広がっている。参院選で製作された立候補者の選挙公報について全国9道県の選挙管理委員会がホームページ上の掲載を削除していたと共同通信が報じた。当選落選のいかんにかかわらず、候補者が選挙中にどんなことを公約に掲げていたかは、その後の活動を有権者が確認・検証するための大切なツールとなる。本来ならば最低でも次の選挙までは残すべきで、ネット選挙解禁の意味もないし、選管自らが削除する意義が分からない。

★そして今度は鹿児島だ。南日本新聞は17日、1面で鹿児島県内の5つの図書館で鹿児島県警から任意の「捜査関係事項照会」と呼ばれる依頼を受け、うち4図書館で利用者の個人情報が提供されていたと報じた。裁判所の令状はない。これは氷山の一角かも知れない。北海道をはじめ法的根拠なく治安維持のために何でもできるようならば、警察は正義の味方と呼ぶこともおまわりさんと声をかけるにはいささか躊躇(ちゅうちょ)する存在といわざるを得ない。もう少し丁寧な説明があってしかるべきだろう。(K)※敬称略
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2019082102000179.html

【私説・論説室から】
「反戦」を狙うのか?
2019年8月21日

 公衆トイレに「反戦」と落書きした男性が罪に問われた。軽犯罪法違反(拘留または科料)ではなくて、五年以下の懲役と定める建造物損壊罪-。最高裁はそれを認め、初ケースとなった。二〇〇六年のことだ。

 「反戦ビラ」を東京・立川で配布した団体メンバーが逮捕される事件もあった。一審は無罪。形式的には住居侵入罪に当たるが、「法秩序全体の見地からして、刑事罰に処するほどの違法性はない」との判断だった。だが、二審で逆転し、最高裁で罰金刑が確定した。〇八年のことだ。

 いずれも当時の自衛隊のイラク派遣に反対する市民の意見の表明だった。そのころは微罪逮捕が相次いだ。四十年以上も政党ビラを配っていた僧侶が突然、住居侵入罪に問われたり、厚生労働省の職員が政党機関紙を配布したとして、国家公務員法違反で有罪判決を受けた。

 まるで反戦思想、「左翼と呼ばれる人々を狙い撃ちにしたかのような取り締まりだった。日弁連は当時、「表現の自由への重大な危機」を、国連も「懸念を表明した。たとえ微罪であっても積み重なると、社会ではモノを言うこと自体が萎縮し始める

 今日では既に、首相の演説にやじを飛ばしただけで、警官に排除される時代である。こんな「表現の不自由な社会を誰が望んだであろうか。 (桐山桂一
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●外交音痴な害遊・害交のアベ様ら…《互いの利益を考えながら、全身全霊で相手に対峙》したことなんてあるの?

2019年08月30日 00時00分11秒 | Weblog

[※ 自公選挙公約「子育て…」小躍りするアベ様日刊ゲンダイ(2017年12月19日)↑]



マガジン9の記事【こちら編集部/おもてなし外交のなれの果て(助田好人)】(https://maga9.jp/190703-2/)。

 《文在寅韓国大統領との面談を拒否していなければ事前に耳打ちされたかもしれない。当の河野外務大臣はG20開催中、ツイッターに会場の写真をアップし、タローを探せというお遊びをしていました。相手と真っ当な議論ができず、「お・も・て・な・し」で仲良くなるか、居丈高な態度で怯ませようとするか、で問題を解決しようとする外交のなれの果てといわざるをえません。歓待すれば来賓は喜び、一緒に笑顔でカメラに安倍首相とツーショットで収まってくれる。「外交の安倍」と呼ばれる本質は、そんな画像や映像に過ぎないのではないでしょうか…しかし、交渉の最後には「あなたは絶対的に友好でない人だから、これからも何回もきなさい」と言われ、何度も議論を重ねました。野中氏が互いの利益を考えながら、全身全霊で相手に対峙していることが北朝鮮側が伝わったのでしょう。しかし、そのパイプも失われました》。

   『●「3本の矢」「女性活躍」「1億総活躍」「働き方改革」「人づくり革命」
                            …そんなものを有難がってる…
    《「外交の安倍」を自負しているようだが、外交政策も、北朝鮮問題は
     「蚊帳の外」に置かれ、北方領土は1ミリも返還されず、
     TPP離脱の米国には2国間貿易交渉を迫られる始末だ。
     安倍政権の政策ことごとく失敗に終わっている》

   『●「何十年と付き合っていますけど、
      総理は嘘をつくような人じゃない…」(山本一太氏)…《もはやカルト》
    《なにがどう転んでも、「トランプ大統領を支持します」ってひとつ覚えの人が、
     メディアの手にかかれば、外交の安倍ですって

   『●国益ならぬ僕益…「絆の強いお友達は、ちょっと動くだけで、
                 とんでもない見返りを求めてくるのですね。」
    《外交の安倍(マスコミが作ったイメージだけど)として、
     「米朝会談、蚊帳の外」といわれるのが屈辱だった。モリカケ問題の失態を、
     外交で一気に取り返したいこともあったろう。だからお土産をもって、
     トランプさんに会ってもらった。お土産とはうちらの財産
     安倍さんの動きは、本当に国益にかなったものなのか?

   『●鈴木耕さんの「東京オリンピック…は返上すべきじゃないだろうか」、
                           毬谷友子さん「五輪は返上します」
    《その上、みっともないことに、首脳会談ではプーチン大統領に2時間近くも
     待ちぼうけを食わされたという。外交の安倍が聞いて呆れる

   『●「私の妻や友人が関わってきた」と自ら暴露… 
      「2017年2月17日はアベ様のタンカ記念日」実行せよ!
    《…などと外交の安倍がいかに看板倒れであるかを自ら暴露した安倍首相》

   『●1/4の支持者と2/4の眠り猫な皆さんが作りだす…
         《弁舌で聴衆を引きつける能力がない》アベ様独裁
    《原発セールスも対ロ、対北朝鮮問題、日米貿易交渉でも何ひとつ成果を
     上げていないが、メディアは外交の安倍キャンペーンに協力し、
     “やっている感”だけの印象操作が横行する》

   『●《売国》どころか《安倍さんの安倍さんによる…
      “献国”とか“贈国”》。《前進どころか…後退してるわ》
   『●あのオモテナシ《ご機嫌取りの接待漬け》は「交」渉だったのか?   
                     「害遊・害〝行〟のアベ様」がイラン訪問?
   『●《極東の多くの国の国民は戦争でなく
    平和を望んでいることは間違いない》…蚊帳を吊るされたアベ様ら外交音痴
    「アベ様らには、《平和なアジアという井戸を掘る意思》など全く無し。
     蚊帳の外の《蚊》でしたとさ。害交害遊のアベ様は害虫の《蚊》だったわけ…
     そりゃぁ、蚊帳を吊るすでしょうょ」

 《相手と真っ当な議論ができず、「お・も・て・な・し」で仲良くなるか、居丈高な態度で怯ませようとするか、で問題を解決しようとする外交のなれの果てといわざるをえません》…見てて恥ずかしくなる。《相手に気に入ってもらおうとする態度ばかりが目立つ》…それって外交なのか? 《互いの利益を考えながら、全身全霊で相手に対峙》したことなんてあるのだろうか? 《あれだけ強硬な態度をとっていたのに、米国が柔軟な対応をした途端に態度を軟化するような》ニッポンを、誰が相手にしてくれようか。
 《超高額の戦闘機を購入すればそのしわ寄せは福祉や教育、あるいは新しい産業の育成などにきます。通商交渉の結果は中小企業の業績にもかかわってきます》。ニッポンは経済的にもズタズタ。
 さて、日本の友好国ってどこ? 《パイプ》の在る国ってどこ? 相手にもされない、哀しい国に成り下がり。子供じみた、外交音痴な「害遊・害〝行〟のアベ様」ら…あまりに酷い。

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https://maga9.jp/190703-2/

こちら編集部
おもてなし外交のなれの果て(助田好人)
By マガジン9編集部  2019年7月3日

「外交の安倍」と誰が呼んだのか

 一瞬フェイクニュースかと思いました。6月30日午後、トランプ米国大統領と金正恩朝鮮労働党委員長が板門店で会談し、2人で軍事境界線をまたいで超えるパフォーマンスの映像がテレビに流れたときです。
 先月、令和時代の最初の国賓としてトランプ大統領を日本に招聘し、新しい天皇陛下との会談を設け、大相撲が行われていた両国国技館の桟敷席に異例の椅子設置で歓待し、米国製ステルス戦闘機F35105機、1兆円以上で購入すると約束して、強固な日米同盟をうたう安倍首相が、G20が開催された大阪サミットの場で隣に座るトランプ大統領から何も知らされていなかった
 文在寅韓国大統領との面談を拒否していなければ事前に耳打ちされたかもしれない。当の河野外務大臣はG20開催中、ツイッターに会場の写真をアップし、タローを探せというお遊びをしていました。
 相手と真っ当な議論ができず、「お・も・て・な・し」で仲良くなるか、居丈高な態度で怯ませようとするか、で問題を解決しようとする外交のなれの果てといわざるをえません。歓待すれば来賓は喜び、一緒に笑顔でカメラに安倍首相とツーショットで収まってくれる。「外交の安倍」と呼ばれる本質は、そんな画像や映像に過ぎないのではないでしょうか。


トップが何を考えているのかわからない

 かつて安倍首相は、プーチン大統領との会見を前に、同大統領のことを「ウラジーミル」と呼びかけていました。
 相手をファーストネームで呼ぶことで親しみを伝えたかったのでしょう。しかし、ロシア語ではファーストネームをそのまま使うことはありません。たとえば、男性で「ドミトリー」であれば「ジーマ」、女性の「タチアーナ」であれば「ターニャ」。プーチン大統領(ウラジーミル・ウラジーミロヴィチ・プーチン)の場合は「ヴァロージャ」という愛称で呼ぶのが普通ですが、相手に敬意を込めて、「ウラジーミル・ウラジーミロヴィチ」とファーストネームと父称を合わせて呼びかけるべきでした。
 外務省のロシア語専門家は助言をしなかったのでしょうか。単に呼び捨てにされたプーチン大統領は「安倍首相」と返しました。
 2人は25回以上も首脳会談を重ねたにもかかわらず、北方領土交渉は何も進んでいないどころか後退した感さえあります。安倍首相には、北方領土は2島返還で決着させるのか、全島返還を譲らないのか、あるいはすべてを両国の共同管理にするなのか、最善のシナリオと最悪のシナリオを描いて交渉に臨むような様子も感じられず、相手に気に入ってもらおうとする態度ばかりが目立つのです。にもかかわらず、「北方領土を取り返すには戦争するしかない」という趣旨の発言を行った某議員に野党が提出した辞職勧告案に自民党は難色を示していたのですから、ロシア側の北方領を返還したら、その地に米軍基地ができるのではないかという警戒心はしごく当然でしょう。


喧嘩のできない首相

 かつて田中角栄元首相は初めて訪ロした際、当時のブレジネフ・ソ連共産党書記長に対して「自分は日本からシベリア上空を飛んできた。ソ連は広大な国。ほんのちっぽけな北方領土くらい返してくれてもいいだろう」と言って、唸らせたといいます。ブレジネフにしてみれば愉快ではない発言ですが、本音を語る田中角栄を信頼に足る人物とみなしたのではないでしょうか。
 また、昨年亡くなった野中広務氏は、中国の胡錦濤主席(当時)に、戦後、中国が日本に国家賠償を求めなかったお礼を伝えると同時に、同主席から日本の中国向けODA(政府開発援助)に対する感謝の言葉を引き出しました。また平壌を訪問し、朝鮮労働党幹部と行った会合では、「IAEA国際原子力機関)の核査察を受け入れろ」と主張して譲らず、相手を激昂させたこともあります。しかし、交渉の最後には「あなたは絶対的に友好でない人だから、これからも何回もきなさい」と言われ、何度も議論を重ねました。野中氏が互いの利益を考えながら、全身全霊で相手に対峙していることが北朝鮮側が伝わったのでしょう。
 しかし、そのパイプも失われました
 5月に「金正恩委員長と前提条件なしでの会談を目指す」と発言した安倍首相を北朝鮮が相手にしないのは、米朝関係の改善が進む中、乗り遅れまいとする安倍首相の焦りが見えるからでしょう。あれだけ強硬な態度をとっていたのに、米国が柔軟な対応をした途端に態度を軟化するような相手だから、放っておけば自分たちの方が有利になる――私が金正恩ならそう考えます。
 相手が本気なのか交渉に命を張っているのか。そういうものを相手は見極めようとします。お互い国を背負っている者同士、「お友だちになって問題を解決する」なんてありえません。
 安倍首相は本気の喧嘩ができない人なのだと思います。国会で野党との厳しい論戦に挑もうとしない同首相は、自らに対する批判への耐性が低いように思えます。たいていは逆切れしたり、論点をはぐらかす論法で切り抜けたり、官僚の作成したメモを棒読みしたり、これらを外交の場でやると相手の信頼を決定的に失います。いや、もう失ってしまっているのかもしれません。


外交を身近なテーマに

 外交は政府間のやりとりであり、機密情報なども絡んだりしますから、市民には語りにくい対象です。日常生活への影響は大きくないという思いも、関心を低くしている理由でしょう。しかし、超高額の戦闘機を購入すればそのしわ寄せは福祉や教育、あるいは新しい産業の育成などにきます。通商交渉の結果は中小企業の業績にもかかわってきます。
 外交を外務官僚や一部ジャーナリストのものにせず、もっと語り合うべき。人と人との関係を常識的に考えることのできる、私たちの普通の感性が一番大事なのだと思います。

(助田好人)

     (中国側から見る中朝ロ3国間国境。白い監視塔から手前が中国、
      川を挟んで左側遠方がロシア、川の右岸が北朝鮮、奥に見えるのは
      日本海。対米追従外交はもう限界。新しいアジアの時代を見据えた
      日本の外交を)
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●中曽根康弘元首相や「産経のドン」故・鹿内信隆氏らは、あの時、何をしていたのか? …《検閲国家》へと一歩一歩

2019年08月29日 00時00分59秒 | Weblog

[※ 『国民のしつけ方』(斎藤貴男著、インターナショナル新書010)…《それは調査報道…「番犬(ウォッチ・ドッグ)」としての役割》↑]



日刊スポーツのコラム【政界地獄耳/政治家に封殺された表現の自由】(https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201908060000073.html)。
リテラの記事【八代弁護士が「慰安婦問題は史実に基づかない」とネトウヨ並みのデマ! 中曽根の証言など日本軍慰安所設置の証拠は山程あるのに】(https://lite-ra.com/2019/08/post-4885.html)。

 《★政治家が先導して表現の自由を封殺する時代が戦後70年もたって起こるとは思わなかった。…表現の自由が政治によって追い込まれるのは少女像だけではない。すべての表現、ゲーム、アニメ、マンガの世界でも時の権力がけしからんと言えばまかり通る前例になりかねない。今回のことで留飲を下げている人たちもところ変われば検閲の対象になる》。
 《立川志らく…「…日本人にとっては多くの人が反日の像だと思ってるわけでしょ?…」…とくに聞き逃せないのは、八代弁護士が発した「慰安婦問題っていうものが史実に基づかないものである」とのセリフだろう》。

   『●《平和なアジアという井戸…先人の掘った
     井戸の水を濁らせている》人々…企画展「表現の不自由展・その後」を破壊
    《憲法が保障する表現の自由に不寛容な現在の日本の空気を映し出すことに
    《▼名古屋市の河村たかし市長には不快だったようだ。作品の評価は人それぞれ、
     自由である。しかし、芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」会場から撤去を要求する
     のは鑑賞や議論の機会を根こそぎ奪う行為で、間違いだった…そして
     表現の自由は、圧迫にあらがう者がいる限り死なない何度でも声を上げよう
     生きるために。(阿部岳)》

 21世紀のこの現代に、《検閲国家》とは呆れる。お隣のアジアの国々を嗤えない。ヨーロッパの国々から見れば、ニッポンは一体どんな国なのか、といったところかな。

 リテラの記事【大村知事が「公権力こそ表現の自由を尊重」の真っ当主張に、杉田水脈や維新の松井・吉村が醜悪な“圧力正当化”】(https://lite-ra.com/2019/08/post-4887.html)によると、《開幕からわずか3日で中止に追い込まれてしまった問題。ところが、ネットやテレビのワイドショーでは、テロ予告をした人間や圧力をかけ攻撃を煽った政治家を非難するのでなく、“慰安婦像”を展示した「あいちトリエンナーレ」や芸術監督の津田大介氏への非難が渦巻くという異常な事態》。
 《平和なアジアという井戸…の水を濁らせている》人々がデッカイ顔をしているって、どんな国?

   『●『朝日新聞』が「アベ様の犬HK」化しないことを望む:  
           相対的に「大変にマシな報道機関」はどこか?
    《…太平洋戦争時、日本陸軍経理課の軍人として慰安所設置の
     任務に就いた「産経のドン」故・鹿内信隆。産経新聞からリベラル色を
     一掃し、極右タカ派の論調でこの新聞を塗り固め自民党政権と
     深く結びつくことでマスコミ業界の大物として君臨した鹿内が、
     さらに驚くべきことを「自慢話」として得意げに語っていたことが
     判りました…》
    《もちろん、こうした事実を産経新聞をはじめとする右派、保守派が
     知らなかったわけはない。少し前に中曽根康弘元首相が
     「土人女を集め慰安所開設」していたという戦時記録を紹介したが、
     今回は自分たちが中興の祖とあおいでいる人物が自社の単行本で
     軍の組織的な関与を認めていたのだ》

   『●沖縄差別・沖縄破壊の「やりたい放題」…
      「歴史的暴言」から想起されるナチソネ氏や「産経のドン」等々
   『●「業界の失いつつある信頼」の回復への第一歩: 
       NNNドキュメント’15『南京事件 兵士たちの遺言』
    《『NNNドキュメント』(日本テレビ系)が、自民党が「否定」する
     「南京事件」を検証したのだ。その内容は、元日本軍兵士の証言や
     当時の日記といった“一次資料”を取りあげ、さらに矛盾や
     不自然な点がないか、番組取材班が徹底的に裏取りを試みる
     というものだった》

   『●加害者性と被害者性…「私たち一人一人が被害者となり、
              加害者となり得る戦争。戦争はどこかで今も…」
    「【記憶の澱/NNNドキュメント’17】…。
     《先の大戦の記憶を、今だからこそ「語り、残したい」という人々がいます。
     …心の奥底にまるでのようにこびりついた記憶には「被害」と「加害」、
     その両方が存在しました》」
    「リテラの記事【明石家さんまが「戦争のために税金を
     納めてるんじゃない!」「武器に金使うなら税金収めない」と
     国税局に抗議】…証拠隠蔽・虚偽答弁で昇格された佐川宣寿
     国税庁長官殿に聞かせてやりたいよ、全く」

   『●【南京事件Ⅱ―歴史修正を検証せよ】…
     「「公文書」がいかに重要な意味を持つかを、社会に毅然と示した」
    《番組を通じて「公文書」がいかに重要な意味を持つかを、
     社会に毅然と示した
    《戦中の軍による戦争犯罪・残虐行為を記録した日本側の公文書は、
     敗戦の1945年8月15日の前後に、その多くが焼却されている。
     証拠隠滅のためだ》
    《翻って現在、安倍政権下の日本では、公文書のあり方が問われている
     政府が、存在するものを「ない」と平気で嘘をつく役人が国民の
     知らぬところで文書を改ざんするあるいは「特定秘密」と言って、
     人々の目の届かないところに葬り去ろうとする。こうした政府による
     公文書の隠蔽や改ざんは現代社会の根底を揺るがすと同時に、
     のちの“事実の検証”を著しく困難にさせるものだ

   『●「戦争に関する資料が隠ぺいされたことにより、
       子孫たちに正しい歴史を伝えることができなくなった」

 《平和なアジアという井戸…の水を濁らせている》人々は、中曽根康弘元首相や「産経のドン」故・鹿内信隆氏らは、あの時、何をしていたのか、を調べてみては如何か? 《歴史修正主義丸出しのデマを口》にする愚かさ、《歴史的な事実》《客観的事実》《歴史学的にも議論の余地はない》こと、《歴史事実として裏付けされたもの》《軍主導であった事実》を消し去り、一方、歴史修正主義を許さない市民に対して《反日の○○》という刷り込みに躍起。醜悪で、見苦しい。
 《ワイドショーをはじめとするマスコミには、自分たちが取り返しのつかない状況を作り出しているという自覚はないのだろうか》…アベ様の政で〝唯一上手く行っている〟メディアコントロールの極致か? 《政府が先月実施した「ホワイト国除外」に関するパブリックコメントには、寄せられた4万666件の意見のうち、「除外」に賛成が実に約95%で、反対はわずか約1%…。…FNNと産経新聞…世論調査でも、「ホワイト国除外」を「支持する」が67.6%に登り、「支持しない」は19.4%にすぎなった》…壊れた国ニッポン。

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https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201908060000073.html

コラム
政界地獄耳
2019年8月6日8時7分
政治家に封殺された表現の自由

政治家が先導して表現の自由を封殺する時代が戦後70年もたって起こるとは思わなかったあいちトリエンナーレ表現の不自由展-その後」だ。展示にテロ予告や脅迫が相次いだという。県警はその捜査は行っているのか。その展示を行政が受け止め中止にしたという。だが、表現の不自由展実行委員会は一方的な中止の判断に対して抗議する声明を出した。表現の不自由展は過去に発表し、中止に追い込まれた作品を集めて表現の自由を改めて感じたり、かみしめる意味があったろう。

★ことの発端は名古屋市長・河村たかしがそりの合わない愛知県知事・大村秀章にケチをつけたい程度から始まったのか。日本維新の会代表で大阪市長・松井一郎が少女像の展示について「どうなってんだ」と電話があったという。松井は記者団に「日本で公金を投入しながらわれわれの先祖がけだもの的に取り扱われるような展示物が展示されるのは違うのではないか」とほえたが、松井の想像力豊かな感情論も表現の自由に含まれていることを理解しないといけない。

政治や行政が表現の自由に介入することの恐ろしさを松井や河村は「こちらの言うことが正しい」とか「正義」だと思っているようだが、それが検閲国家につながり、自分は検閲する側にいるという勘違いが一番恐ろしい。官房長官・菅義偉も「事実関係を精査し補助金を交付するかどうか慎重に検討する」と発言。こちらも今後の芸術家や展示を考える主催者を萎縮させるにたるガイドラインを示したといえる。表現の自由が政治によって追い込まれるのは少女像だけではない。すべての表現、ゲーム、アニメ、マンガの世界でも時の権力がけしからんと言えばまかり通る前例になりかねない。今回のことで留飲を下げている人たちも、ところ変われば検閲の対象になる。(K)※敬称略
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https://lite-ra.com/2019/08/post-4885.html

八代弁護士が「慰安婦問題は史実に基づかない」とネトウヨ並みのデマ! 中曽根の証言など日本軍慰安所設置の証拠は山程あるのに
2019.08.06 06:57

     (ネトウヨなみのデマ!  (『ひるおび!』より))

 安倍政権による韓国への輸出規制と「ホワイト国」除外、あいちトリエンナーレでの「平和の少女像」などの展示中止……。国交正常化以来最悪と言われる日韓関係のなか、日本中がグロテスクな嫌韓ムード歴史修正主義に染まっている。

 それは安倍政権周りの政治家やネット、右派メディアだけではない。地上波のワイドショーでもネトウヨとなんら変わらないヘイトや歴史修正主義が堂々と語られるようになった

 5日放送の『ひるおび!』(TBS)でも、慰安婦問題など含む作品を展示した「表現の不自由展・その後」が中止に追い込まれた件をとりあげるなか、八代英輝弁護士がこんな発言をしていた。

「当然、この社会的風潮のなか、この慰安婦像。この慰安婦問題っていうものが史実に基づかないものであること。あるいはこの慰安婦像に対して嫌悪感、反感をもつ方っていうのは多くいるってことは、当然認識した上での展示ですから。ある程度の反感というのは想定されたんでしょうけど、それが、私は『想定を超えてしまった』って認識は甘いんでないかというふうに思うんですよね」

 八代弁護士は「表現自体をさせないという風潮は危険だなと思う」などとエクスキューズをいれつつも、「私自身はこれ(少女像)を置いて、こんなものあってはならないと議論するということはアリだと思いますけどね」と続けるなど、嫌韓煽りを剥き出しにしていた。

 さらには、落語家の立川志らくも、いつもの物知り顔でこうコメントした。

「結局、こういうことをやると、日本人の多くは不愉快に思って許さないという結果が出た。これを『平和の少女像』って言う人がいることが、私は不思議でしょうがない。平和の少女像って言うなら、日本人の誰もが見て、これは平和だなって思えるならいいんだけれども。そりゃ韓国の人はそうかもしれないけど、日本人にとっては多くの人が反日の像だと思ってるわけでしょ? 本来、芸術ならば、これを反日像だと思っている人が見ても、思わず感動して涙を流す、そういうものを私は展示してほしい」

 本サイトでも解説した(https://lite-ra.com/2019/08/post-4880.html)ように、「平和の少女像」が「反日」だというのは完全にネトウヨの論理であり、歪曲した解釈だ。それを「みんなが思ってるんだから反日に決まってる」と言い張り、表現の自由を踏みにじる卑劣なテロ予告者ではなく、議論を換気しようとした展示や作品のほうを問題視する。その倒錯ぶりと付和雷同には、呆れ果てるしかない

 とくに聞き逃せないのは、八代弁護士が発した「慰安婦問題っていうものが史実に基づかないものである」とのセリフだろう。八代弁護士は、つい先日も朝日新聞を韓国の中央日報、ハンギョレ新聞と並べて反日三羽ガラスと揶揄するなど、テレビの全国放送ネトウヨぶりを全開していたが、今度は慰安婦それ自体がなかったかのような発言をしたのだ。

 はっきり言っておくが、慰安婦の存在は捏造でもなんでもなく。歴史的な事実だ。弁護士の資格を持つ人間が、地上波の昼間の番組で、保守派の学者でさえ言わないような歴史修正主義丸出しのデマを口にしていいのか。

 いや、八代弁護士だけではない。「平和の少女像」展示に圧力をかけ、「表現の不自由展」への攻撃を煽った河村たかし名古屋市長も、今日の会見で「やっぱり慰安婦ってあったのかと、そういうふうに見られる」などと発言していた。つまり、河村市長も慰安婦は存在しないと信じ込んでいるのだ。


■中曽根康弘元首相が海軍主計長時代に「土人女を集め慰安所を開設」の記録

 こうした連中の妄言の根拠は、2014年、朝日新聞が慰安婦関連記事の虚偽を認め、訂正・謝罪したことだ。朝日が訂正したのは、とっくのとうに虚偽であることが分かっていた吉田清治証言に関するものだけだったが、当時、ネトウヨや極右メディアがこの謝罪を意図的に拡大解釈し、あたかも戦中に「慰安婦」自体の存在がなかったのようなデマを喧伝しまくった。意図的かどうかは知らないが、八代弁護士や河村市長らはこのネトウヨ歴史修正の詐術に丸乗っかりしているということだろう。

 だとしたら、本サイトとしては何度でも、その欺瞞と詐術を明らかにしておく必要がある。戦中の日本軍が各地に慰安所をつくり、現地の女性たちや朝鮮半島の女性たちを慰安婦にして、兵士の性暴力の相手にさせられたのは客観的事実だからだ。

 日本軍が侵略したアジアの各地に慰安所をつくったことは残された軍の記録や通達からも明らかであり、歴史学的にも議論の余地はない。軍が斡旋業者を使って騙して女性を連れ出した証拠や、現地の支配者や村長に命じて女性を差し出させた証拠もいくらでもある。そして、慰安所で現地の女性や朝鮮半島から連行した女性を軍が性的搾取したことは、多くの被害女性だけでなく、当時の現地関係者や元日本兵、元将校なども証言していることだ。

 たとえば、海軍出身の中曽根康弘元首相は、回想記『終りなき海軍』のなかで、当時、設営部隊の主計長として赴任したインドネシアで〈原住民の女を襲う〉部下のために〈苦心して、慰安所をつくってやった〉ことを自慢話として書いている。この中曽根証言は、防衛省のシンクタンク・防衛研究所の戦史研究センターが所蔵している当時の文書「海軍航空基地第2設営班資料」において、〈気荒くなり日本人同志けんか等起る〉ようになったところで〈主計長の取計で土人女を集め慰安所を開設 気持の緩和に非常に効果ありたり〉と記されているように、歴史事実として裏付けされたものだ。


■産経の総帥も自著で軍時代の慰安所設立を自慢「女の耐久度とか消耗度も決めていた」

 また、陸軍出身の鹿内信隆・元産経新聞社長は、桜田武・元日経連会長との対談集『いま明かす戦後秘史』(サンケイ出版)のなかで、慰安所と慰安婦が軍主導であった事実をあけすけに語っていた。

「(前略)軍隊でなけりゃありえないことだろうけど、戦地に行きますとピー屋(引用者註:慰安所のこと)が……」
「調弁する女の耐久度とか消耗度、それにどこの女がいいとか悪いとか、それからムシロをくぐってから出て来るまでの“持ち時間”が将校は何分、下士官は何分、兵は何分……といったことまで決めなければならない(笑)。料金にも等級をつける。こんなことを規定しているのが『ピー屋設置要綱』というんで、これも経理学校で教わった」

 実際、靖国偕行文庫所蔵の『初級作戦給養百題』(1941年)という陸軍主計団記事発行部が発行した、いわば経理将校のための教科書の記述にも〈慰安所ノ設置〉が業務のひとつとされており、この鹿内証言も軍の資料と完全に一致する。

 朝鮮半島の女性たちを慰安婦にした証拠も枚挙にいとまがない。

 日本はアジア・太平洋戦争で東南アジア各国を侵略、傀儡政権を樹立したり、軍の統治下に置くなどの支配を進めていったが、たとえばシンガポールでは現地の華僑を粛清した後に、日本軍の宣伝班の下で刊行された新聞に“慰安婦募集の広告”が出ている。そうした慰安所に大勢の朝鮮人女性も動員されたことは「16歳の時にシンガポールの慰安所に連れて行かれた」という朝鮮人元慰安婦の証言だけでなく、近年発見されたビルマ(現・ミャンマー)とシンガポールの慰安所で帳場の仕事をしていた朝鮮人男性の日記からも明らかになっている。また、独立自動車第四二大隊にいた元日本軍兵士も「トタン塀」と呼んでいた慰安所には「娼妓は朝鮮人が多かったが、マライ人もいた」と証言している。


■米朝会談の舞台となったセントーサ島では朝鮮人女性が騙されて慰安婦に

 昨年、米朝会談の舞台となったシンガポール南端のセントーサ島(旧称・ブラカンマティ島)でもまた、朝鮮人女性たちが慰安婦として働かされていた。しかも、彼女たちは別の仕事だと騙されて連れてこられたのだ。

 当時、東南アジアで通訳として従軍していた永瀬隆氏が証言している。永瀬氏は、日本が戦中につくらせたタイとビルマを結ぶ泰緬鉄道で陸軍の通訳をしていたことで知られる日本人男性だ。日本軍による泰緬鉄道建設にあたっては、数万人のアジア人労働者や連合国軍の捕虜が非人道的な扱いを受け犠牲となっている。永瀬氏は戦後、反戦平和の立場から個人でその慰霊と償いの社会活動を続け、2011年に亡くなった。

 その永瀬氏が生前、月刊誌「MOKU」(黙出版)1998年12月号での高嶋伸欣琉球大学教授(現・名誉教授)との対談のなかで、セントーサ島での体験を語っていた。シンガポールでも数か月の間、陸軍の通訳として勤務しており、その時、慰安所の女性たちや軍の部隊長と話をしたことをこのように振り返っている。

「(セントーサ島には1942年の)十二月中旬までいました。十一月になって隊長が僕を呼んで、『実は朝鮮の慰安婦がこの部隊に配属になってくるんだが、彼女たちは日本語がたどたどしいから、日本語教育をしてくれ』というんです。僕は『嫌なことをいうな。通訳はそこまでしなきゃいけんのか』と思ったけど、その隊長はもう島の王様気取りでおるんです。仕方がないから、慰安婦の人たちに日本語を三、四回教えました」

 永瀬氏は「そのうちに、僕は兵隊じゃないから、慰安婦の人も話がしやすいんだな」と思ったという。そして、朝鮮人女性たちに慰安所にきた理由を聞くと、騙されて連れて来られたというのだ。

「それで僕も『あんたたちはどうしてここへ来たんだ』と聞いたら、『実は私たちは、昭南島(シンガポール)の陸軍の食堂でウエイトレスとして働く約束で、支度金を百円もらって軍用船でここへ来たんだけど、着いた途端に、お前たちは慰安婦だといわれた』というんです」
「それを聞いて、ひどいことをするなと思った。いま考えてみても、強制的に連行して慰安婦にするよりも、そうやって騙して連れてきて慰安婦にするほうが、僕は罪は深いと思います。
 とにかく、それから島の中に慰安所ができたんですが、隊長が慰安所の兵隊にくだしおかれる前に、慰安婦を毎晩代わりばんこに次から次へ味見しているという話を聞きました」


■「慰安婦は存在しなかった」の嘘が堂々とまかり通る恐ろしさ

 つまり、日本軍は、彼女たち朝鮮人女性に性的労働をさせることを告げず、まして嘘の説明で騙して慰安所に連れて行ったケースが明らかに存在した。そして、前述した中曽根元首相らの証言や当時の軍資料のように、日本軍が従軍慰安婦に積極的に関与していたことも歴史的な事実なのである。

 八代弁護士が言うような「慰安婦問題は史実に基づかない」というのが、いかにフェイクであるかが分かるだろう。歴史修正主義者たちは、こうして慰安婦問題を矮小化しているのだ。

 恐ろしいのは、こうした歴史的な事実を否認する発言が、当たり前のようにワイドショーで飛び出し、他のマスコミが検証を放棄した結果、少なからぬ視聴者が何ら疑念をもたないでいることだ。実際、八代弁護士の発言の嘘を検証したり、批判的に取り上げるマスコミは、いまのところ皆無。それどころか、Twitterでは「よくぞ言ってくれた!」というような賞賛まで受けている。

 繰り返すが、安倍政権が煽動する“嫌韓”を、応援団やマスコミが増幅し、それがごく当たり前のように社会に蔓延しているのが、いまの日本社会だ。その結果起きたのが、平和の少女像などの展示に対する異常なバッシングであり、放火テロまでほのめかす脅迫だった。歴史的事実や、それに向き合うための表現まで「反日」と糾弾され、封殺されてしまう状況は、もはや“嫌韓ファシズム”と呼ぶべきかもしれない。

 しかも、こうしたメディアの扇動によって、国民の世論じたいもどんどん冷静さを失っている

 政府が先月実施した「ホワイト国除外」に関するパブリックコメントには、寄せられた4万666件の意見のうち、「除外」に賛成が実に約95%で、反対はわずか約1%だったという。これは、安倍応援団やネトウヨの組織票の可能性が濃厚だが、他方、FNNと産経新聞が3、4日に実施した世論調査でも、「ホワイト国除外」を「支持する」が67.6%に登り、「支持しない」は19.4%にすぎなった

 ワイドショーをはじめとするマスコミには、自分たちが取り返しのつかない状況を作り出しているという自覚はないのだろうか。

(編集部)
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●「在日沖縄人」石川文洋さん… 《宗谷岬を出発し…沖縄まで約3500キロを約11カ月間かけて完歩》

2019年08月28日 00時00分34秒 | Weblog

[※ 石川文洋さん 【NNN ドキュメント'19/平成ニッポンを歩く 報道カメラマン80歳 日本縦断】(http://www.ntv.co.jp/document/backnumber/user_images/oa_190818.jpg)↑]



報道カメラマン石川文洋さんについての、NTVのドキュメントの前編【NNN ドキュメント'19/シリーズ平成 平成ニッポンを歩く 報道カメラマン80歳 日本縦断】(http://www.ntv.co.jp/document/backnumber/archive/80.html)と、
後編【NNN ドキュメント'19/平成ニッポンを歩く 報道カメラマン80歳 日本縦断(西日本編)】(http://www.ntv.co.jp/document/backnumber/archive/post-147.html)。
沖縄タイムスの記事【「古里に戻り安心」 写真家・石川文洋さん 日本縦断の旅で沖縄到着  基地問題撮影しゴールへ】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/423128)。
内間健記者による、沖縄タイムスのコラム【[大弦小弦]県出身の報道写真家・石川文洋さんが、日本列島を徒歩で縦断する旅で沖縄入り…】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/424531)。
琉球新報の記事【3500キロ歩いて日本列島縦断を達成! 写真家の石川文洋さん「人生最良の日」震災被災地訪問し辺野古、高江へも】(https://ryukyushimpo.jp/news/entry-933262.html)。

 《ベトナム戦争ベなど歴史的瞬間を取材してきた現役報道カメラマン石川文洋さん。80歳になった2018年7月、新たな旅に出た。日本最北端、北海道宗谷岬を出発、太平洋側を通り、沖縄那覇市まで徒歩で撮影しながら徒歩で縦断する》。
 《日本列島を徒歩で縦断する旅を続けている沖縄県出身の報道写真家、石川文洋さん(81)が22日、鹿児島県からフェリーで沖縄の本部港に到着した。名護市辺野古東村高江など基地問題の現場を経由しながら本島を縦断し、6月8日に那覇市のゴールを目指す》。
 《すでに約3300キロを踏破し、新基地建設工事が進む辺野古を改めて訪れ、「沖縄は国がつくり出した災害に苦しんでいる」と語った》。
 《日本列島を歩いて縦断する旅に挑戦してきた報道写真家の石川文洋さん(81)が8日、最終目的地の那覇市に到着した。2018年7月9日に北海道の宗谷岬を出発し、本州、四国、九州を経て沖縄まで約3500キロを約11カ月間かけて完歩した。石川さんは「歩き続けて良かった。私の人生の最良の日というぐらい幸せだ。古里でゴールを迎えることができてうれしい」と語った》。

 琉球新報のコラム【<金口木舌>文洋さんの旅に学ぶ】(https://ryukyushimpo.jp/column/entry-934713.html)によると、《▼県出身の報道写真家、石川文洋さんが日本列島3500キロ縦断の旅を終えた。原発事故の被害に苦しむ福島、新基地建設が進む沖縄と東京の遠い距離を身をもって実感したに違いない ▼「平和の礎」を訪れ「なぜ、このような状況になったのか。政治ですよね、軍隊ですよね」と語った。写真家はベトナム戦争で庶民の苦しみを直視したように、沖縄戦の苦しみを間近に見つめる ▼「沖縄は良い所だ。半面、大きな基地を抱えている。その中で沖縄の人たちは一生懸命に平和へ向かって生きている」。那覇市のゴールでこう語った石川さんは日本を縦断し、庶民の喜びや嘆きに触れ、カメラで記録した。東京の為政者たちとの距離も。その旅に学ぶことは多い》。


 80歳の現役報道カメラマン「在日沖縄人石川文洋さん、お疲れ様でした! 《宗谷岬を出発し、本州、四国、九州を経て沖縄まで約3500キロを約11カ月間かけて完歩》。6月に、無事にゴール、本当に素晴らしい! 尊敬するフォトジャーナリスト、「現実の戦争を知るベテランジャーナリスト」。

   『●沖縄と報道カメラマン・石川文洋さん
   『●辺野古破壊や高江『標的の村』などなど……
      「本土の人間が「沖縄だからいいや」と差別している」
   『●「在日沖縄人」石川文洋さんの写真集
       『基地で平和はつくれない――石川文洋の見た辺野古』
   『●「現実の戦争を知る
      ベテランジャーナリスト」石川文洋さんの言葉に耳を

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http://www.ntv.co.jp/document/backnumber/archive/80.html

NNN ドキュメント'19
2019年1月13日(日) 24:55
シリーズ平成
平成ニッポンを歩く
報道カメラマン80歳 日本縦断

ベトナム戦争など歴史的瞬間を取材してきた現役報道カメラマン石川文洋さん。80歳になった2018年7月、新たな旅に出た。日本最北端、北海道宗谷岬を出発、太平洋側を通り、沖縄那覇市まで徒歩で撮影しながら徒歩で縦断する。老練カメラマンの眼に、平成最後の1年をきった日本はどう映るか。石川さんの写真とエッセイを織り交ぜながら2回の放送に分けて、旅の全容を伝える。今回は北海道から福島までの東日本編。

ナレーター/小山茉美・松本光生  制作/日本テレビ  放送枠/30分

再放送
1月20日(日)11:00~ BS日テレ
1月20日(日)5:00~/24:00~ CS「日テレNEWS24」
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http://www.ntv.co.jp/document/backnumber/archive/post-147.html

NNN ドキュメント'19
2019年8月18日(日) 24:55
平成ニッポンを歩く
報道カメラマン80歳 日本縦断(西日本編)

ベトナム戦争など数々の戦場を取材してきた現役の報道カメラマン石川文洋(80)は2018年7月9日、北海道宗谷岬を出発し徒歩で日本縦断の旅に出た。11月末には旅の中間地点、東京日本橋に到着した。今回の第2弾は日本橋からゴールの沖縄那覇市に向かう様子を伝える。念願の東海道を歩き、時代は平成から令和へ。九州を経て6月、ついに生まれ故郷の沖縄に到着。石川文洋は何を感じどんな写真を撮りながら旅を続けたか-

ナレーター/小山茉美  朗読/松本光生  制作/日本テレビ  放送枠/30分

再放送
8月25日(日)11:00~ BS日テレ
8月25日(日)5:00~/24:00~ CS「日テレNEWS24」
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https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/423128

「古里に戻り安心」 写真家・石川文洋さん 日本縦断の旅で沖縄到着  基地問題撮影しゴールへ
2019年5月23日 06:39

 日本列島を徒歩で縦断する旅を続けている沖縄県出身の報道写真家、石川文洋さん(81)が22日、鹿児島県からフェリーで沖縄の本部港に到着した。名護市辺野古東村高江など基地問題の現場を経由しながら本島を縦断し、6月8日に那覇市のゴールを目指す。この日もさっそく本部町塩川まで2・5キロを歩いた石川さんは「沖縄の現状を本土に伝えたい」と意欲を示した。

     (日本列島縦断の旅を続け沖縄本島に到着した石川文洋さん
      =22日、本部港)
     (「基地のない沖縄を」Tシャツを示しながら沖縄路の意気込みを
      話す石川文洋さん=22日、本部港)

 2018年7月に北海道の宗谷岬から始まった旅で、これまで約3300キロを踏破してきた。北海道の自然や東日本大震災の爪痕、広島の原爆の語り部、神奈川県や山口県米軍基地を前にカメラを構えた。撮影枚数は1日100枚以上。「気持ちが動いた時にシャッターを切る。歩いているからこそだ」とほほ笑む。

 本部港では友人ら10人の出迎えを受け、顔をほころばせた。「遠くからでも伊江島タッチューが目立っていた。古里に帰ってきたという安心感があり、胸が熱くなった」と話した。

 沖縄路は「基地のない沖縄を」とプリントされたTシャツを着て臨む。残り約170キロ。「生きているうちに平和な沖縄を見たいという気持ちを支えに歩きたい」と表情を引き締めた。
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https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/424531

[大弦小弦]県出身の報道写真家・石川文洋さんが、日本列島を徒歩で縦断する旅で沖縄入り…
2019年5月26日 09:00

 県出身の報道写真家・石川文洋さん(81)が、日本列島を徒歩で縦断する旅で沖縄入りした。すでに約3300キロを踏破し、新基地建設工事が進む辺野古を改めて訪れ、「沖縄は国がつくり出した災害に苦しんでいる」と語った

▼昨年7月に北海道の宗谷岬から那覇市を目指しスタート。歩きつつ1日100枚以上撮影する。13年前に心筋梗塞を発症し、障害者手帳を持つ身

▼以前、日本海側で縦断したことがあるが、今回80歳の節目に太平洋側のコースで2度目の挑戦に踏み切った。古里の沖縄や東日本大震災の被災地再訪も目的。「基地のない沖縄を」と記したシャツでアピールし歩いてきた

▼本紙文化面の石川さんの連載では随時、その旅路を紹介。東北では被災者の声に耳を傾け、特に子どもの被害には胸を痛めた。若き日に従軍取材したベトナム戦争の体験を重ね、悲劇を伝える重要性もつづった

▼そして県民の民意が顧みられることなく進む新基地建設の現場。病を乗り越え、長距離を一歩ずつ踏みしめてきた石川さんが身をもって示したのはあきらめないではないか

▼県内では約2週間歩く。米軍普天間飛行場や米軍牧港住宅地区跡地から発展を遂げた那覇市の新都心などを文字通り足で確認して回るという。徒歩の旅は6月8日に那覇市のパレットくもじ前でゴールする。(内間健)
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https://ryukyushimpo.jp/news/entry-933262.html

3500キロ歩いて日本列島縦断を達成! 写真家の石川文洋さん「人生最良の日」震災被災地訪問し辺野古、高江へも
2019年6月9日 06:30
列島縦断 報道写真家 歩いて縦断 日本一周 平和 震災

     (日本列島を歩いて縦断、温かい拍手に迎えられ笑顔で
      ゴールする石川文洋さん =8日午後1時57分、
      那覇市のパレットくもじ前広場(ジャン松元撮影))

 日本列島を歩いて縦断する旅に挑戦してきた報道写真家の石川文洋さん(81)が8日、最終目的地の那覇市に到着した。2018年7月9日に北海道の宗谷岬を出発し、本州、四国、九州を経て沖縄まで約3500キロを約11カ月間かけて完歩した。石川さんは「歩き続けて良かった。私の人生の最良の日というぐらい幸せだ。古里でゴールを迎えることができてうれしい」と語った。

 ゴール地点の那覇市のパレットくもじ前には妻の桂子さん(55)や県内外の友人、知人らが集まり横断幕を掲げ、拍手で出迎えた。花束を受け取った石川さんは真っ黒に日焼けした顔をほころばせ、喜んだ。

 65歳の時、日本海側を通るコースで約3300キロを列島縦断した。今回は太平洋側を通り東日本大震災や福島県の原発事故、阪神淡路大震災、熊本地震の被災地などを訪問した。5月22日に沖縄入りし、新基地建設が続く名護市辺野古、北部訓練場がある東村高江などに加え、平和の礎がある糸満市摩文仁も訪れた。

 石川さんは故郷でゴールし「イジュの花が咲き、三線、泡盛があり、沖縄はとても良い所だ。その半面、大きな基地を抱えている。その中で沖縄の人たちは一生懸命に平和へ向かって生きている」などと語った。

 2006年に心筋梗塞になり、心臓の血管を広げるステント(網状の筒)を入れた。今回はその体で約10キロのリュックやカメラを担ぎ、連日10時間前後歩いた。

 夕方から那覇市の八汐荘で報告会を兼ねた「日本列島縦断の成功を祝う会」が開かれ、友人や支援者らと喜びを分かち合った。
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●対馬丸事件の教訓…《この悲劇は、いったん戦争に巻き込まれればいかなる対象も、攻撃される対象となる危険性》

2019年08月27日 00時00分20秒 | Weblog


沖縄タイムスの記事【「いつまでも忘れないこと」 吉永小百合さん 対馬丸記念館へメッセージ 戦争で撃沈、犠牲の児童らに想い】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/461131)。
同紙の【社説[対馬丸撃沈75年]伝え続ける責任がある】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/460855)。

 《メッセージの中で対馬丸で犠牲になった子どもたちについて触れ、「私達はしっかりと胸に刻んで、いまを生きる。いつまでも忘れないことが大切です二度と戦争をしないという強い思いのなかで 吉永小百合」と色紙にしたためた》。
《集団疎開の学童や一般の疎開者ら1788人を乗せた「対馬丸」が米潜水艦に撃沈されてから、きょうで75年となる》。


 琉球新報の記事【あの子思い 75年 対馬丸慰霊祭】(https://ryukyushimpo.jp/news/entry-976223.html)によると、《幼い子どもたちを乗せた対馬丸が海の底に沈んで75年となった22日、慰霊祭が開かれた那覇市若狭の「小桜の塔」には例年より100人以上多い参列者が集まり、鎮魂の祈りをささげた。生還した肉親が経験した戦後の苦しみを理解してあげられなかったと悔やむ遺族、目の前で亡くした友人や家族を思い涙を流す生存者―。犠牲になった子どもたちが夢見た「未来」を生きる人たちが、平和を守り続けることを誓った》。
 (黒島美奈子さん)《対馬丸事件の教訓…「この悲劇は、いったん戦争に巻き込まれればいかなる対象も、攻撃される対象となる危険性を後世に伝えている」》。いま、その教訓が忘れ去られようとしていないか? 《日本は再び戦争のできる国》。「対馬丸」生存者…「あの戦争が頭から離れない。もう二度とごめんだ」と。
 《「私達はしっかりと胸に刻んで、いまを生きる。いつまでも忘れないことが大切です二度と戦争をしないという強い思いのなかで 吉永小百合」と色紙》に…対馬丸事件と吉永小百合さんの関係、初めて知りました。《悲劇を学び、伝え続ける責任がある》はずだ。

   『●「通貨が社会を変える?」
       『週刊金曜日』(2014年7月4日、998号)についてのつぶやき

      【黒島美奈子の政治時評/対馬丸事件の教訓を唾する「武力放棄」
       憲法下での異常 日本は再び戦争のできる国】、「この悲劇は、
       いったん戦争に巻き込まれればいかなる対象も、攻撃される対象と
       なる危険性を後世に伝えている

   『●「戦没 新聞人の碑」と「対馬丸犠牲者の慰霊碑 小桜の塔」
    《ただ先人たちの霊を慰めるだけでなく、先人たちの前に反戦平和を
     誓う場所がこの碑ではないか》

   『●沖縄出身脚本家上原正三さん、「民意を顧みず、
      基地を押し付け…沖縄を植民地としてしか見ていない証拠」
   『●「沖縄戦20万余の犠牲者、焼き場に立つ長崎の少年」や
              アジアでの慰霊につなげる意思が感じられない…
    「《「対馬丸事件」…。沖縄で事件を後世に伝える生存者たちは
     「今も続く沖縄の苦しみは『真珠湾』が原点。首相には、
     そこまで思いを至らせてほしい」と願っている》…でも、残念ながら
     アベ様には、《そこまで思いを至らせ》る、なんて無理というもの…」

   『●「対馬丸」生存者…「あの戦争が頭から離れない。
       もう二度とごめんだ」…「九条の碑」早期建立を呼び掛け
   『●2019年7月参院選、またしても
     今回も「眠り猫」だった皆さん…〝上手く行った〟メディアコントロール

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https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/461131

「いつまでも忘れないこと」 吉永小百合さん 対馬丸記念館へメッセージ 戦争で撃沈、犠牲の児童らに想い
2019年8月22日 19:56

 対馬丸記念館(沖縄県那覇市)の開館15周年に当たる今年、記念館のプロモーションビデオでナレーションを吹き込んだ女優の吉永小百合さんが記念会にメッセージを寄せた。プロモーションビデオは対馬丸の沈没の経緯や記念館の概要などを伝える内容で、対馬丸記念会が吉永さんにナレーションを依頼。開館前からPR活動で使用されていた。

     (吉永小百合さんが対馬丸記念館に寄せたメッセージ=22日、
      那覇市・対馬丸記念館)

 吉永さんはメッセージの中で対馬丸で犠牲になった子どもたちについて触れ、「私達はしっかりと胸に刻んで、いまを生きる。いつまでも忘れないことが大切です二度と戦争をしないという強い思いのなかで 吉永小百合」と色紙にしたためた。

 慰霊祭では、色紙と原寸大に印刷されたメッセージが参加者に配布され、受け取った人たちはじっくりと見入っていた。

 吉永さんは、過去に映画「あゝひめゆりの塔」(日活、1968年)で女学生を演じた。各地で原爆詩の朗読も長年続けている。
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https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/460855

社説[対馬丸撃沈75年]伝え続ける責任がある
2019年8月22日 10:24

 集団疎開の学童や一般の疎開者ら1788人を乗せた「対馬丸」が米潜水艦に撃沈されてから、きょうで75年となる。

 犠牲者は氏名が判明しただけで1484人。そのうち学童は半数以上の784人に上る

 「雪も富士山も見ることができる」。修学旅行気分で船に乗り込んだ子どもも多かった。あまりにも多くの夢、希望、未来が、暗い海にのみ込まれていった。

 「生と死は紙一重だった」

 垣花国民学校4年生だった上原清さん(85)は、あの日、あまりの蒸し暑さに船倉の寝場所を抜けだし甲板で寝ていた。そのため魚雷を受けてもいち早く海に飛び込めた。

 だが、「そこからが地獄の始まり」。上原さんは年長の少年3人と台風の影響が残る荒波を必死で救命いかだにしがみついた。日中は灼熱(しゃくねつ)の太陽が体中に刺さった。海水を飲んだが、しょっぱくてすぐに吐き出した。体中が熱くなり、氷やアイスケーキを思い浮かべることで、喉の渇きを癒やした。

 4日間、一滴も水を飲んでいなかった。

 「リッカ、シーバイ、ヌマ(おい、小便飲もう)」「ウヌママ、ソーチーネー、シヌンドー(このままだと死んでしまうぞ)」。3、4滴しか出なかったが、手のひらに浸して一気に飲み干した。

 奄美大島に流れ着くまでの6日間、食べたのは、仲間が素手で捕まえたカワハギ1匹。「4人で分け、刺し身一切れ分だったが生きる希望が湧いた」。生き延びたのは奇跡だった。

    ■    ■

 対馬丸が長崎向けに那覇港を出港したのは1944年8月21日。7月にサイパンが陥落。米軍の沖縄上陸は必至と判断した日本軍の要請を受け、政府は女性や子ども、高齢者を島外へ疎開させるよう沖縄県に命じた。

 軍の食糧を確保し、戦闘の足手まといになる住民を戦場から排除する目的もあった。

 対馬丸の沈没は、国策で進めていた疎開を妨げることから軍事機密として厳重なかん口令が敷かれた。県民に正確な情報が伝わらず、生存者は、事実を語れないことに苦しんだ。そして生存者たちは、戦後も「自分だけ助かってしまった」という負い目を抱き生きてきた。

 「亡くなった子どもたちのために本当のことを伝えたい」。上原さん自身、体験を語るまでに59年もの時間が必要だった

    ■    ■

 対馬丸撃沈は、その後の「10・10空襲」、凄惨(せいさん)な地上戦へと沖縄がのみ込まれていく中で起きた。

 悲劇から75年の歳月が流れた。生存者の語り部は4人。親・きょうだいから次の世代へ遺族の代替わりが進む中、対馬丸記念館は昨年度から遺族宅を訪問し、戦前戦後の暮らしなどを聞き取る作業を始めた。

 今を生きる私たちに求められているのは「生きたかった子どもたちの声に耳を澄ませ、戦争を知る努力を怠らないことだ

 悲劇を学び、伝え続ける責任がある。
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●金(カネ)色の五つの輪…《問題点を検証できる新聞のようなメディアが軒並みスポンサーに入ってしまっては…》

2019年08月26日 00時00分42秒 | Weblog

[※ 『国民のしつけ方』(斎藤貴男著、インターナショナル新書010)…《それは調査報道…「番犬(ウォッチ・ドッグ)」としての役割》↑]



室井佑月さんの、日刊ゲンダイの二つのコラム【室井佑月の「嗚呼、仰ってますが。」/熱中症も汚染水問題も東京五輪とつなげないテレビに疑問】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/259578)と、
【室井佑月の「嗚呼、仰ってますが。」/人命軽視の五輪 メディアは同じ過ちをくり返したいのか?】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/260356)。

 《きむらともさん…「普通の知能を持ってたら『熱中症続出→スポーツ危険→五輪中止に』ってなるはずだがね。」…それと、こちらはテレビで扱わないが、28日付の朝日新聞の記事「制御しきれぬ福島第一 汚染水の水位下がらず理由も不明」という記事…けど、東京オリンピックとは絶対につなげて話さない。…のちのち安倍さんの嘘とともに海外からこの国が訴えられるかもしれない案件なのに。テレビ、なにやってんだ?》
 《本間龍…さんの言葉。…「もともとオリンピックのスポンサーは原則的に『一業種一社』だったのが、電通が金儲けのためにその原則を崩してしまった。」らしい。「問題点を検証できる新聞のようなメディアが軒並みスポンサーに入ってしまっては、議論もできなくなってしまう。」》

   『●放射能汚染で「太平洋は終わり」との声が出るほどの
                 重大事故だというのに、この国は……
   『●世界に向けて「汚染水漏えい問題はない」と言い切ってしまったょ……

 2013年夏、今話題の小泉Jr.の御連れ合いがオ・モ・テ・ナ・シ…と東京五輪の開催権を獲得。でも、当時から、ウ・ラ・ア・リ…だらけ、だったのに。開催1年前の今現在も、東京電力核発電人災は何も解決していない、この一点をとってもデタラメだ。《アンダーコントロール》、〝復興五輪〟が聞いて呆れる。
 この酷暑、本間龍さんは《インパール作戦》とまで警告。死者が出たら、アベ様らはどう責任を取るのだろう?

 そして、今、CSO問題?、で大騒ぎ。下水処理場で意図的に放流している分には、塩素消毒だけはされているでしょうが、雨水吐き室からの分はどうなのでしょうね? 雨天時の未処理下水が混入した越流水であり、先行晴天日数がどの程度だったのか…、これが今回の「トイレ臭」の原因かどうかは分かりませんが、CSO問題は今に始まったことではなく、お台場でのオイルボール漂着など、随分昔からの問題。2013年時点で知らぬ訳も無いでしょうに。

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以下は、某日のつぶやき:

■速く下水道を普及させるため、合流式下水道を採用しています。雨水と汚水を1本の管渠で排除していますので、(晴天時の汚水量の数倍)雨天時に、未処理汚水の混じった雨水を量的に下水処理場で受け入れることができず、雨水吐室で意識的に水域に放流しています。ただの雨水ではなく、未処理汚水込み

■合流式下水道に接続されている下水処理場では、生物処理槽(二次処理、高度処理)をバイパスし、場合によっては、固形物の除去(一次処理)と塩素消毒のみは行っているかもしれません。ただ、雨水吐室から放流している未処理汚水混じりの雨水は、塩素消毒なんて出来ているのでしょうか?

■分流化すればいいのですが、直ぐには無理。雨水吐室の堰を嵩上げし、越流回数を少しでも減らすことが一つの手でしょうが、どこまで進んでいるのか? 
 お台場でのCSO(合流式下水道雨天時越流水)問題は、数十年前にも、(何を今さらながら)新聞紙上で騒がれており、今に始まった問題ではない
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   『●金(カネ)色の五つの輪のオモテナシにはトンデモなウラアリ…
                        「戦時体制に慣らすための予行演習」?
    《大会組織委は朝日、日経、毎日、読売の4社と契約した後、中日新聞、
     北海道新聞、西日本新聞などのブロック紙と交渉を進めてきたが、
     そうした最中に中日新聞東京本社が発行する東京新聞は新国立競技場の
     建設問題をはじめとして五輪絡みの不祥事を追及そのことに大会組織委会長の
     森喜朗が立腹し契約交渉のなかで東京新聞を外せと圧力をかけたのだ

   『●『国民のしつけ方』(斎藤貴男著)読了…
      《それは調査報道…「番犬(ウォッチ・ドッグ)」としての役割》
    「オリンピックスポンサーになることの意味合い。」

   『●「死を賭した五輪…特攻五輪」(斎藤美奈子さん)…
        五輪開催権を返上し、「玉砕」する前に「転進」すべき
    「《せめて協賛企業の一社でもこの日程ならスポンサーは降りると表明
     しないか待っているのだが》…中日新聞辺りがやらないものでしょうかね?
     東京新聞が内部から、それを突き上げないものか」

 それにしても、情けないのが大新聞…《報道機関であることを放棄して、今や五輪ビジネスの当事者》に成り下がっている。金(カネ)色の五つの輪…《問題点を検証できる新聞のようなメディアが軒並みスポンサーに入ってしまっては》ねぇ…。東京新聞、頑張ってくれないかな?

   『●穢れた金(カネ)色の五つの輪: 命を賭してボランティアしても
                   彼/彼女らのオカネ儲けに利用されるだけ
   『●金(カネ)色の五つの輪のオモテナシにはトンデモなウラアリ…
                        「戦時体制に慣らすための予行演習」?
   『●「死を賭した五輪…特攻五輪」(斎藤美奈子さん)…
        五輪開催権を返上し、「玉砕」する前に「転進」すべき
   『●「大学が学生を動員してアベ独裁に差し出すような行為…
          学問よりも権力への忠誠を優先するのが大学」か?
   『●鈴木耕さんの「東京オリンピック…は返上すべきじゃないだろうか」、
                           毬谷友子さん「五輪は返上します」
   『●「どっからどうもってきて出すのか」…軍事費を削り、
        弱者救済や災害復旧、防災にこそ血税を使って下さい
   『●カネ色の五つの輪: 「巨大なビジネスなのに
     ボランティアはタダ働きっておかしいと思うのは、私だけ?」
   『●《8011億円》って誰のお金? 
      金(カネ)色の五つの輪の《総コストは三兆円》…あまりに愚かしい
   『●五輪ボランティアを派遣するのは…偶然にも? 
        パソナや竹中平蔵氏へのウラアリなオ・モ・テ・ナ・シ
   『●金(カネ)色の五つの輪…タダ働き徴用高校生を
      《もっと差し出せとのお達し》で「強要」する東京「ト」教委
   『●《えっ、じゃあ日本はフランスより民度が高いの?》(鈴木耕さん) 
                    …金(カネ)色の五つの輪と刑事司法等々
   『●#粉飾された美しい国…《政治の目標に数字を合わせていけば
                政権の都合のいい数字になっていくのは当然》
   『●斎藤貴男さん《私は新聞を愛している。
     だから言わずにはいられない。誇張でも何でもなく、正念場…》
    《斎藤貴男 二極化・格差社会の真相 
     東京五輪パートナーである新聞大手4紙がやるべきこと
     …朝日、読売、毎日、日経の全国紙4社である。彼らはJOCとの間で
     オフィシャルパートナー契約を締結。報道機関であることを放棄して、
     今や五輪ビジネスの当事者以上でも以下でもない。
       だからこそ、一から十まで嘘まみれの五輪をまともに批判することもなく、
     政府の下僕として、国民を操ることに専心してきた。権力にオネダリして
     消費税の軽減税率をゲットした経緯もあり、読者の信頼は地に落ちた

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https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/259578

室井佑月の「嗚呼、仰ってますが。」
熱中症も汚染水問題も東京五輪とつなげないテレビに疑問
2019/08/02 06:00

     (福島第1原発に立ち並ぶ汚染水が入ったタンク(C)共同通信社)

「TVって面白いね。『梅雨明け、急激な気温上昇、熱中症続出、屋外スポーツ危険』っていう話題と、『東京五輪まであと1年!日本勢期待の選手!』っていう話題を、同じ番組内で別の国の出来事みたいに報じるもんね。(後略)」(きむらとも

 これは、元お医者さんで「医者とラーメン屋」という本も出されているきむらともさんの7月29日のTwitter。

 このあとに、

普通の知能を持ってたら熱中症続出→スポーツ危険→五輪中止に』ってなるはずだがね。」

 とつづく。

 いや、マジでそうなんよ。熱中症続出からぁの、来年の東京オリンピック大丈夫か? という話になぜならんのだろう。

 それと、こちらはテレビで扱わないが、28日付の朝日新聞の記事「制御しきれぬ福島第一 汚染水の水位下がらず理由も不明」という記事。

 いや、調べてみたら、3月10日に「汚染水増加“打つ手なし”福島第一原発事故から8年」というニュースをANNなどでやってたみたい。けど、東京オリンピックとは絶対につなげて話さない。あくまで別もののニュースとして流す。

 思い返せば2013年9月、安倍首相はブエノスアイレスにて、五輪の最終プレゼンテーションでこうスピーチした。

私が安全を保証します状況はコントロールされています

 どうすんだ? 汚染水、制御されてないわ。建屋の地下にたまる汚染水の水位が下がらない理由が不明だっつーんだもんな。ふたたび、巨大津波に襲われると、高濃度汚染水が海に流れるおそれがあるらしい。

 しゃーねーな、安倍さんもう一回こういうしかないか?

「私が安全を保証します。福島に津波は来ません」

 でも、それってこの国の一部の人たちにしか通じないこと。のちのち安倍さんの嘘とともに海外からこの国が訴えられるかもしれない案件なのに。テレビ、なにやってんだ?
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https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/260356

室井佑月の「嗚呼、仰ってますが。」
人命軽視の五輪 メディアは同じ過ちをくり返したいのか?
2019/08/16 06:00

     (日陰なく、かげろう立つ灼熱のなか、
      皇居周辺コースは危険ではないか?(C)共同通信社)

「(前略)どう考えても無理な計画が、軌道修正もないまま強行されていく東京オリンピックの状況は、まさに第二次世界大戦中におけるインパール作戦です。熱中症の対策はないから、取り敢えず『大和魂で突っ込め』みたいな。」(本間龍・作家)

 これはwezzyというネットサイトの「2020年東京五輪は“人命”を軽く扱っていないか。組織委員会とメディアが犯した罪・本間龍インタビュー」での本間さんの言葉。本間さんはオリンピックの利権などについて書かれてきた人だ。

「総務省は7月29日から8月4日までの1週間に熱中症で救急搬送された人は1万8347人にもおよび、このうちの57人が死亡したと発表した」という。なのに、東京オリンピックの「暑さ対策」がまともにできていない。そのことを本間さんは心から心配している。

 本間さんはいう。

「日本は招致の段階で『この時期の天候は晴れる日が多く、且つ温暖であるため、アスリートが最高の状態でパフォーマンスを発揮できる理想的な気候である』と嘘をついて招致をしてしまった。だから、もう引っ込みがつかない。」のだと。

 えーっ、国民の命より国のメンツが大事って? そして「そもそも、メディアがスポンサーになるということ自体がおかしい」のだという。

「もともとオリンピックのスポンサーは原則的に『一業種一社』だったのが、電通が金儲けのためにその原則を崩してしまった。」らしい。

問題点を検証できる新聞のようなメディアが軒並みスポンサーに入ってしまっては、議論もできなくなってしまう。」

 議論できずに引っ込みもつかずオリンピックを強行し、タダ働きさせたボランティアが死んだりしたらどうするんだ? 命の責任は誰が持つの? それは本間さんがいうように、第二次世界大戦中のインパール作戦のようなもの。メディアはまた同じ過ちをくり返したいのか
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コメント (1)
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●賭博場開帳…《ばくちで生きながらえる自治体になりたい》というカジノ誘致横浜市長の後ろ盾が最低の官房長官

2019年08月25日 00時00分15秒 | Weblog

[※ 自公選挙公約「子育て…」小躍りするアベ様日刊ゲンダイ(2017年12月19日)↑]



日刊ゲンダイのコラム【まだ横浜は独り勝ちしたいのか/政界地獄耳】(https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201908200000040.html)。

 《この上ない環境の横浜が、それでもなおカジノ誘致で独り勝ちしようというのかという全国の自治体からの疑問と、横浜市民がなぜカジノ誘致を望むのかということになる…誘致に積極的な大阪、白紙を装う北海道や東京も横浜の動向には注目だろうが、ばくちで生きながらえる自治体になりたいという市長の後ろ盾が官房長官・菅義偉だということも忘れてはならない》

   『●「まん延する差別」な、「御持て成し」どころでない
        「うらあり」だったニッポン…「病んだ空気」が蔓延
   『●《全国民を勝負師に》…「国民にギャンブルを
      奨励するギャンブル国家の道…憲政史上、由々しき法案」
   『●《全国民を勝負師に》…「さすがに六時間で可決させるのは
                無理だろうな」「だったら、賭けるか」(筆洗)
   『●室井佑月さん「安倍政権の掲げる成長戦略は…
      他人の不幸や不運を踏み台にしたものばかり。ろくでもない」
   『●アベ様広報官として、「「スゴイ、スゴイ」と安倍さんを 
            ヨイショしながら食べるしゃぶしゃぶは旨」いか?

 《この上ない環境の横浜が、それでもなおカジノ誘致で独り勝ちしようというのか》って、それは《勝ち》なのか? 《他人の不幸や不運を踏み台にするような成長戦略は極めて不健全》であり、そんなもので《》っても、ちっとも嬉しくはないでしょうに。

   『●石破茂氏「日本への核拡散」発言と
     山尾氏「私事」による離党の事の軽重…マスコミはわきまえているか?
    「大変に期待していた山尾志桜里議員については、
     「高額すぎるガソリン代」問題で若干失望し、横浜市長選での
     (自民党支援の)トンデモな林文子候補(現市長)応援問題で大きく失望し
     …続いて今回、脇が甘かったのか、陥れられたのかは知らないが、
     「私事」で民進党からの離党・追い出し」

 日刊ゲンダイの記事で【横浜市カジノ誘致へ 林市長「白紙」が態度一変で近く表明】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/260482)でも、《カジノを含む統合型リゾート(IR)誘致をめぐり、横浜市の林文子市長がまた態度を一変、誘致方針を近く表明するという。…「横浜カジノ」に前のめりの菅官房長官に近い林は誘致に前向きだったが、3選した2017年の市長選直前に争点化を避けるため「白紙状態」と慎重姿勢に転じた。その後、参入に前向きな民間企業からプッシュを受けるなど体裁が整い、再び誘致推進に方向転換した。市は9月の市議会定例会に約3億円の関連費を盛り込んだ補正予算案を提出。「IR推進室(仮称)」を新設する予定だ。立地先として、再開発が予定される山下埠頭が検討されているが、埠頭には誘致に反対する港湾関係者らの施設が多数あり、コトがスムーズに運ぶかは見通せない》。

 予想通りの林文子横浜市長の挙動。だからこそ、山尾氏は、市長選で支援するなどしてはいけなかった。如何わしさ満載の最低の官房長官との結びつきもあるような市長を支援して、一体どうするつもりだったのか…。案の定、このあり様だ。

   『●浜矩子さん《昼間は超効率的に労働させ…
      夜間は退廃の不夜城活動で経済活性化に貢献させる…》、あぁ…
   『●「働かせ方壊悪」…(斎藤美奈子さん)「こんな形で働かされたら
                      子育てなんかできない…少子化促進法」
   『●「米ラスベガス・サンズに日本に参入する免許を与えるよう
               強く要求」されておきながらアベ様は平気で…
    「《トランプ大統領が自身の大口献金者であるカジノ大手の
     ラスベガス・サンズに日本に参入する免許を与えるよう強く要求
     してたんじゃないのぉ! アベ様ときたら、あまりの予想通りの展開過ぎて、
     呆れたねぇ。憲政史上最悪の国会で、アベ様は《そんな事実は、
     これはまったく、一切なかったということをはっきりと申し上げておきたい
     と明言。息吐く様にウソをつく。《ニヤニヤと笑みを浮かべながら…、
     根も葉もないヨタ話と言わんばかりに笑い、鼻にもかけないような態度をとり、
     事実を完全に否定》しておきながら、なんじゃそりゃ」
    「《カジノに貿易、武器購入まで……。トランプに尻尾を振ることしかできない
     “忠犬”の安倍首相によって、日本はどこまでも売り渡されつづけていくのだろう
     …世界中の笑いものだ」

   『●大阪「ト」の万博、お維とアベ様らが賭博場開帳のために 
            《血税をつぎこむための隠れ蓑》…上前はどこに?
    「リテラの記事【大阪万博“カジノ利権”の証明! オフィシャルスポンサーに
     安倍首相がトランプにねじこまれた米カジノ企業3社が】…《いや、
     安倍首相だけではない。昨年9月には、松井大阪府知事、吉村大阪市長
     ラスベガス・サンズアデルソン会長会談。その際、アデルソン会長から
     当初の政府原案にあったカジノ面積15000平方メートルの上限撤廃を
     要求されたとみられている。すると、実際に国会へ提出された法案では
     その要求どおり上限規制が撤廃されていたのだ》」

 お維の橋下徹元大阪「ト」知事は、かつて、《日本再生の切り札》《全国民を勝負師に》と喧伝しておられました。石原慎太郎元東京「ト」知事もカジノ設置に夢中でした。如何わしさ満載です。賭博場開帳に群がり、集る人々の胡散臭さギャンブル中毒法案。カジノで観光客増加って、わざわざギャンブルしに日本に来るのか? 蚊帳の外の害虫《蚊》とばかりに、中国や韓国等との無為無策で外交音痴なアベ様らの害交のおかげで、特に九州では、観光客は激減中なのですが?

   『●最後の切り札だってさ!?
   『●《全国民を勝負師に》…「国民にギャンブルを奨励する
         ギャンブル国家の道…憲政史上、由々しき法案」

 そして、昨年の今ごろ。
 (リテラ)【カジノ法案強行採決!山本太郎安倍政権の被災地無視に吠えた! 「誰のために政治をやっているんだよ!」】…《委員会が開かれていること自体がおかしい》!
 しかも、「カジノより学校にエアコンを! …被災者を助けて!」…どこら辺が議場の秩序を乱し、品位を傷つける、のでしょうか? (週刊朝日)【室井佑月「品位なんて糞食らえ!」】…《「カジノより…」 当然のことでしょう?…〈伊達忠一議長はその場で…と注意した〉だって。議院の品位ってなんだよ?》 憲政史上最悪の国会でした。

   『●室井佑月さん「悪魔とはこういう顔か」!?
     ⇒ デンデン王国の国王御夫妻やウルトラ差別主義者らの御顔
    《西日本豪雨対応のため、野党は休会して災害対応しようと提案している。
     それを無視してカジノ法案審議を進めた…与党的にはIR法という
     賭博公認法のため、委員会を立ち上げた。この法案審議が、
     豪雨災害により被災した国民よりも優先すべきとは考えられない

   『●「カジノより学校にエアコンを! …被災者を助けて!」…
             どこら辺が議場の秩序を乱し、品位を傷つける?
    「《山本、森、糸数氏の行動は、国民の代弁者である議員として、まとも
     と思うけど。カジノ法案をごり押しする自公より、よっぽど人としての心があり、
     議員としての品位を失っていない行動だと思うけどね》…全く同感だ。
       《安倍首相は、公権力を使って、大胆に、大規模に、悪を行使する》…
     それを許す《憲政史上最悪の国会》だった。両院議長自身や各委員会の
     委員長にも相当な責任がある」

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https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201908200000040.html

コラム
政界地獄耳
2019年8月20日7時1分
まだ横浜は独り勝ちしたいのか

★まさに唐突にという言葉が適切だろう。19日、神奈川新聞は横浜市がカジノを横浜に誘致する方針を固めたと報じた。横浜市長・林文子は長く「白紙」としてきたが、9月2日からの市議会に「2億6000万円の一般会計補正予算案を提出する方針。47ヘクタールの敷地面積を持つ山下ふ頭(同市中区)を立地場所とし、議会の承認が得られれば、事業者の公募や選定に向けた準備などに着手する」と同紙は市長の皮算用を書いている。

★林はカジノ誘致に積極的だった時期もあるが、市長選前に白紙を言い出すも、構想案を民間から募るなど、あいまいな対応に始終していた。また7月3日の会見ではこの件で「住民投票をする考えはない」としており、結局実施に向けた伏線を張っていたといえる。横浜市は人口370万人を超す全国屈指の大都市だが、誘致の目的は超高齢化社会の到達や人口減による減収や、観光や地域振興という。しかし人口は全国の市で最も多くなっており、横浜市内総生産は15年の数値で13兆5000億を超えている。

★この数字が示すのはこの上ない環境の横浜が、それでもなおカジノ誘致で独り勝ちしようというのかという全国の自治体からの疑問と、横浜市民がなぜカジノ誘致を望むのかということになる。既に横浜の有力者、横浜港運協会会長・藤木幸夫が設立したカジノを必要としない山下ふ頭のリゾート再開発を掲げる「横浜港ハーバーリゾート協会」がどんな対応をするのか注目される。誘致に積極的な大阪、白紙を装う北海道や東京も横浜の動向には注目だろうが、ばくちで生きながらえる自治体になりたいという市長の後ろ盾が官房長官・菅義偉だということも忘れてはならない。(K)※敬称略
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●《人権を軽々に扱っている…。合憲違憲が争われた戦後の重要な民事裁判の記録多数を全国の裁判所が既に廃棄処分》

2019年08月24日 00時00分35秒 | Weblog


沖縄タイムスの【社説 [憲法裁判記録] 国民の共有財産 葬るな】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/455330)。
琉球新報の【<社説>憲法裁判の記録廃棄 後世の検証絶やす愚行だ】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-967343.html)。

 《裁判の記録が廃棄されていたことに、驚いた人は多かったのではないか。憲法に関わる戦後の重要な裁判記録の8割超が廃棄されていた…廃棄された中には、大田昌秀元県知事が在沖米軍基地強制使用に関する代行手続きを拒否した「代理署名訴訟」も含まれていた》。
 《人権を軽々に扱っていると思われても仕方がない。合憲違憲が争われた戦後の重要な民事裁判の記録多数を全国の裁判所が既に廃棄処分にしていることが判明した。代表的な憲法判例集に掲載された137件のうち廃棄されたのは118件(86%)に上る。保存は18件(13%)、不明1件という》。

   『●「最低裁」のコールが聞こえる…沖縄負担軽減担当相らの
            「辺野古が唯一の解決策」をオウム返しでしょう…
    《▼20年前の代理署名訴訟の最高裁判決の法廷で県側敗訴を
     言い渡したとき、傍聴席からは最低裁のコールがわき起こっ
     最高裁は再び同じ罵声を浴びることないよう沖縄の訴えに
     真摯(しんし)に向き合うべきだ

   『●「戦争屋のアベ様」やアノ木原稔氏のココロには
       響かない女性の訴え…「基地を造ったら沖縄が戦場になる」
    《▼大田さんは代理署名訴訟の最高裁で「行政の責任者として、さらに
     基地の強化・固定化を受け入れることは困難と拒否の正当性を訴え
     ▼安倍晋三首相は追悼の辞で沖縄の基地負担軽減を強調した。
     「現実の政治は言葉通りではない」(翁長知事)中で、首相の言葉を
     大田さんはどんな思いで聞いたのだろうか

 その時、《傍聴席からは「最低裁」のコールがわき起こった》。《人権を軽々に扱っていると思われても仕方がない。合憲違憲が争われた戦後の重要な民事裁判の記録多数を全国の裁判所が既に廃棄処分》《後世の検証を絶やす愚行》…アベ様らの憲法観がよく表れている。最「低」裁の裁判官は、いまや、安倍派ばかりと言われる。アベ様のオトモダチのオトモダチはオトモダチだ…加計問題、リテラの記事【安倍首相の親友が経営する“第二の森友”加計学園の関係者を最高裁判事に任命! 司法までオトモダチで支配】。オトモダチを好優遇し、そのオトモダチまでが…。

   『●最「低」裁(鬼丸かおる裁判長)、
     沖縄に弁論もさせずに「政治判断」…「司法判断」出来ない死んだ司法
   『●アベ様のオトモダチのオトモダチを最高裁判事に任命?  
                「政治判断」乱発の最「低」裁からも忖度?
   『●あのアベ様のオトモダチのオトモダチ・木澤克之氏… 
        《2017年最高裁判所裁判官国民審査》を迎える!!
   『●「完全に司法に影響を与えようとする露骨な圧力に
          ほかならない…暴挙」…着々と司法を掌握した効果
   『●ドロナワとオトモダチ大優遇問題: 
      「検察庁や裁判所も公務員であり、人事権が官邸にあるという弱点」
   『●壊れ行く最「低」裁…「これは「最高裁判決」に対する
         市民の反乱であり、その反乱が美しい形で決着した」
   『●御得意の証拠隠滅中? 内閣官房機密費についての 
        最「低」裁「一部開示」判決を無視してアベ様らは何を?』 
   『●司法判断放棄な内藤正之裁判長、 
     大飯核発電所《危険性は社会通念上、無視しうる程度にまで管理・統制》?
   『●「上告断念は、最高裁への抗議と不信任
     「最高裁にはもはや何も期待できない」」…アベ様支配の最「低」裁


 斎藤貴男さん、《人権を否定することに喜びを感じている変質者集団》与党自公や「癒」党お維…彼・彼女らに投票できる人たちの気が知れません。そして、いまや「人権の砦」《法の番人》のはずが最「低」裁…「司法判断」せずに、アベ様らのための「政治判断」を乱発する司法に成り下がった。「言論の府」も瀕死の状況ですものね。

   『●斎藤貴男さん「人権を否定することに喜びを感じている
           変質者集団」…「人権の砦」のはずが最「低」裁…』  

 東京新聞の社説【裁判記録廃棄 「司法史」は永久保存に】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2019080802000174.html)によると、《判決文が残っても裁判過程の文書が失われれば、歴史的な検証が不可能になってしまう。司法史を刻んだ重要裁判は永久保存せねばならない。…学者らからは「歴史的な検証作業ができなくなった」と批判の声が上がっている。最高裁は「学術的な要望があれば保存されるが、学術研究者からの要望が多くなかった」と述べている》。

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https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/455330

社説 [憲法裁判記録] 国民の共有財産 葬るな
2019年8月7日 07:59

 裁判の記録が廃棄されていたことに、驚いた人は多かったのではないか。

 憲法に関わる戦後の重要な裁判記録の8割超が廃棄されていたことが、共同通信の取材で明らかになった。

 廃棄された中には、大田昌秀元県知事が在沖米軍基地強制使用に関する代行手続きを拒否した「代理署名訴訟」も含まれていた。

 公権力の不当な行使に沖縄県民が異議を申し立てた裁判。沖縄のみならず、日本の裁判史の中でも極めて重要な訴訟だ。公正に裁判が行われたか検証する手がかりが失われたことになる。

 廃棄が分かったのは、代表的な憲法判例集に掲載された「裁判記録」137件のうちの118件(86%)。裁判記録とは、原告や被告が裁判所に提出した書類や法廷でのやりとりなど。判決文はおおむね残されていたが、審理過程を示すそれらの文書は廃棄されていた。

 憲法判断が示されたり、社会の耳目を集めるなど、後の史料や参考資料となる重要な裁判は特別保存として、原則永久保存することが裁判所の規定で義務付けられている

 通常の民事裁判は5年保存し廃棄される。重要裁判にもそれをそのまま適用し、特別保存しなかった形だ。廃棄は規定違反の疑いがある

 判例の一つ一つが社会を変え、歴史をつくってきた。そのすべての記録は国民の共有財産である。

 その意識の薄さが、ずさんな管理を招いたのではないか。国民の知る権利をないがしろにするものだ。

 重要な記録をあえて「捨てる」という行為は、歴史の審判を回避するものではないかと勘繰りたくなるほどだ。

    ■    ■

 重要裁判の記録保存は裁判所の内部規定で定められているだけだ。

 最高裁は「(廃棄は)各裁判所の個別の判断」としており、何を特別保存とするかも各裁判所任せだという。

 裁判記録を巡る基準は曖昧模糊(もこ)としており、今回の報道をきっかけに、最高裁は第三者委員会をつくり、保存の在り方について、厳格な制度づくりを進めるべきだ。

 米国では重要裁判記録は原則、永年保存される。

 多くの裁判所が記録をデータベース化し、登録すればインターネットで検索や閲覧、ダウンロードできるところもあり、利便性が高い。

 日本でも、裁判記録が効率的、適正に利用できる仕組みづくりが必要だ

    ■    ■

 「(外国系の)子どもたちの人生を変えたと思った。あの裁判、ちっぽけなことだったのか」

 フィリピン人の母を持つ三好真美さん(21)は日本国籍を求め、小学生のとき、国籍法違憲訴訟の原告として法廷に立った。国籍法改正につながった裁判記録が破棄されたことに戸惑いを隠さない。

 裁判記録は、原告の勇気ある訴えの軌跡だ。特に憲法裁判は基本的人権に関わることが多い。

 裁判記録に刻まれた人々の声が闇に葬られることがあってはならない。
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https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-967343.html

<社説>憲法裁判の記録廃棄 後世の検証絶やす愚行だ
2019年8月7日 06:01

 人権を軽々に扱っていると思われても仕方がない。

 合憲違憲が争われた戦後の重要な民事裁判の記録多数を全国の裁判所が既に廃棄処分にしていることが判明した。

 代表的な憲法判例集に掲載された137件のうち廃棄されたのは118件(86%)に上る。保存は18件(13%)、不明1件という。

 驚くのは長沼ナイキ訴訟や麹町中学校内申書訴訟など著名な重要裁判も含まれていることだ。

 長沼ナイキ訴訟はミサイル基地建設を巡り、自衛隊の合憲性が争われ、一審の札幌地裁が違憲判断を示した。麹町中内申書訴訟は生徒の思想信条の自由が論じられた。

 裁判所の規定では通常の民事裁判の場合、判決の確定や和解後に一審の裁判所が5年間保存し廃棄する。一方で特別保存の仕組みもあり、史料または参考資料となるべき裁判記録を事実上永久保存とするよう義務付けている

 しかし特別保存は今回の調査では6件だけという。政教分離が争われた津地鎮祭訴訟、空港周辺住民が夜間の飛行差し止めを求めた大阪空港訴訟などだ。

 重要裁判にまで裁判所規定などを漫然と適用していたのか、不都合な記録と恣(し)(い)的に捨てたのか、廃棄処分に至った原因は判然としないが、不適切極まりない。専門家からも規定などに違反する疑いが指摘されている。

 とりわけ県民にとって重大な問題は代理署名訴訟の記録が廃棄されたことである。

 米軍用地への土地提供を拒む地主の代理で署名を求められた知事が拒否したため、国が提訴した。1995年12月、当時の大田昌秀知事が代理署名を拒否した背景には同年9月に起きた米兵による少女乱暴事件があった。

 地主の思想・良心の自由、財産権、地方自治などを争点にする一方で、守れなかった個人の尊厳を背景に憲法の在り方を鋭く問いただした訴訟である。訴訟に込められた意義からも、一連の裁判記録は県民のみならず、国民の財産となるべき資料だ。廃棄処分は歴史を検証する上で大きな損失である。

 代理署名訴訟を含め判決などの文書はおおむね残されているが、訴状をはじめ弁論の書面や答弁書、法廷でのやりとりの記録などは廃棄された

 国家など強大な権力を法で拘束するのが憲法である。市民が政府や、時にはそれに匹敵する企業などを相手に憲法の直接、間接の適用を求め基本的権利を決めていくのが憲法裁判だ。

 裁判記録には、勇気を奮い起こして強大な権力に立ち向かい、人間らしい労働条件や平和、表現の自由などを求めた市民の人権獲得の歴史も記されている

 判決に至る審理過程を振り返ることは重要だ。歴史的な公文書を廃棄処分にすることは後世の検証を絶やす愚行と言わざるを得ない。
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●《安倍首相と昵懇の元TBS記者・山口敬之氏からの性暴力》犯罪の裏で《官邸の関与》…最低の官房長官らは何を?

2019年08月23日 00時00分09秒 | Weblog

[●『新聞記者』(望月衣塑子著)…《ひとつずつ真実を認めさせて、さらに裏を取っていくこと―――》↑]



リテラの記事【菅官房長官が“山口敬之氏への資金援助”を企業に要請の報道が! 詩織さん事件で逮捕を止めた警察官僚も菅の右腕だったが…】(https://lite-ra.com/2019/07/post-4829.html)。

 《当日には傍聴しようと長蛇の列ができたほど、社会的に大きな注目を浴びるこの裁判。山口氏は詩織さんに対して、1億3000万円の損害賠償を求める反訴を起こしており、併合して審理が行われている…性暴力を訴えた女性に対して、逆に1億3000万円もの損害賠償を請求するということ自体信じがたいが、そんななか、この裁判をめぐって新たにとんでもない疑惑が浮上した》。

 そりゃ、当然の権利でしょうが、「反訴」ねぇ…額もスゴイな。世界に恥をさらす判決が出ないことを祈るばかりだ。
 《TBS時代から“安倍の太鼓持ち”と呼ばれるほど、安倍首相と個人的に親しい関係を築いてきた》《安倍首相と昵懇の元TBS記者・山口敬之氏からの性暴力》の犯罪の裏で《官邸の関与》…最低の官房長官らは一体何を? 《菅官房長官の秘書官をつとめるなど懐刀”“菅の片腕》《菅義偉官房長官の子飼い》氏や、《“官邸のアイヒマン”の異名を持つ》方は、一体何をやっていたのか?

 ここ最近で最も驚いた記事タイトル、アサヒコムの記事【レイプされて…周りは「社会勉強になったと思ったら?」】(https://www.asahi.com/articles/ASM7Y2GH2M7YUHVA002.html?iref=comtop_8_02)。
 絶句…ニッポンは一体どんな《社会》なのか…。

   『●「森友、加計、準強姦事件の3つ…
      諸悪の根源である“主犯”は目の前にいるのだ」=アベ様御夫妻
    《安倍首相と近しい関係といわれる元TBSワシントン支局長の
     山口敬之氏に「レイプされた」と会見で訴えた詩織さんの
     「準強姦事件」も“本質”は同じ。事件を握り潰したと報じられたのは、
     菅官房長官の秘書官だった警視庁の中村格刑事部長(当時)。
     現在は共謀罪を担当することになる警察庁組織犯罪対策部長だ。
     犯罪を平気でもみ消す、と批判されている人権軽視の警察官僚が、
     犯罪を恣意的につくり出しかねないと懸念されている悪法の責任者
     就いているなんて、これぞ悪夢だ

   『●アベ様独裁下の《黙って見過ごすわけにはいかない
      日本の問題》があまりに多すぎる…躾けられてはいけない
    「山口敬之氏が反訴したそうだ。神経を疑う。最「低」裁を頂点とした司法も
     頼れず…。警察や検察がアベ様に忖度したように、司法も、今回も正しく
     「司法判断」することなく、何時もの「政治判断」だろうか。絶望的な国」

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https://lite-ra.com/2019/07/post-4829.html

菅官房長官が“山口敬之氏への資金援助”を企業に要請の報道が! 詩織さん事件で逮捕を止めた警察官僚も菅の右腕だったが…
2019.07.10 10:06

     (菅官房長官が口利きで山口氏を支援の疑惑…(菅義偉HP))

 ジャーナリスト・伊藤詩織さんが、安倍首相と昵懇の元TBS記者・山口敬之氏からの性暴力で精神的苦痛を受けたとして、1100万円の損害賠償を求めた民事訴訟で、7月8日、東京地裁に詩織さんと山口氏が出廷し、本人尋問が行われた。

 当日には傍聴しようと長蛇の列ができたほど、社会的に大きな注目を浴びるこの裁判。山口氏は詩織さんに対して、1億3000万円の損害賠償を求める反訴を起こしており、併合して審理が行われている。

 報道によれば、8日の口頭弁論のなかで、伊藤さんは「やめて、痛いと伝えてもやめてくれなかった」と証言、あらためて意思に反して性暴力被害を受けたと訴えた。一方の山口氏側は、性行為は合意のうえだったとして「就職相談を受けていたTBSを辞めたことへの逆恨み」「売名をはかった悪質な虚妄」などと主張。1億3000万円の損害賠償は、詩織さんの告発によってテレビ出演や会社の顧問料などがなくなった損失と、今後、名誉を回復して元の収入に戻るための時間から算出したという。

 性暴力を訴えた女性に対して、逆に1億3000万円もの損害賠償を請求するということ自体信じがたいが、そんななか、この裁判をめぐって新たにとんでもない疑惑が浮上した。

 というのも、山口氏はある企業から「毎月42万円の顧問料」や「交通費その他の経費」を受け取っていたのだが、実は、その企業の会長と菅義偉官房長官は親しい関係にあり、山口氏への資金援助を依頼したのも菅官房長官ではないかというのだ。

 本日の発売の「週刊新潮」(新潮社)が報じている。「週刊新潮」によれば、山口氏に「顧問料月額42万円」等を支払っていたのは、東京都のNKBという電車の中吊りなどを扱う交通広告の広告代理店。その会長である滝久雄氏が、長年、菅官房長官と懇意にしており、山口氏がTBSを退社した2016年の11月から、NKBの子会社と顧問契約を結んだという。

 記事には、「この滝会長と菅さんが仲良しなんです。山口がTBSを辞めた後に、菅さんが“山口にカネを払ってやってくれないか”と滝会長に依頼したそうです」との広告代理店関係者のコメントが掲載されている。さらに、この関係者は、山口氏は滝会長の子会社に一度も出社したことがなく、「週刊新潮」が2017年5月に準強姦疑惑の告発記事を出すと支払いを止めたことから、山口氏との顧問契約は「どうしても断れない特別な案件だったからと考えるのが自然」とも述べている。

 一方、「週刊新潮」は滝会長への“山口氏支援の依頼”に関して、菅官房長官を直撃しているが、言葉少なに関与を否定するだけで、「それ以上は言えない」などと、事実上、説明を拒絶したという。

 しかし、菅官房長官の名前は、山口氏が詩織さんの事件で逮捕される直前、警察庁の上層部がストップをかけたとされる問題でも、浮上していた。

 念のため振り返っておくが、この件をめぐっては、詩織さんからの相談を受けて当初、捜査を担当していた高輪署の捜査員が、逮捕状を持って成田空港で山口氏の帰国を待ち構えていた。ところがこの逮捕直前に上層部からストップがかかった。そして、この逮捕取りやめを指示したのが“菅義偉官房長官の子飼い”である当時の中村格警視庁刑事部長(現・警察庁官房長)だった。


■詩織さん事件で山口氏の逮捕を止めた中村格刑事部長は菅官房長官の元秘書

 中村氏は、第二次安倍政権発足時に菅官房長官の秘書官をつとめるなど懐刀”“菅の片腕といわれる警察官僚。山口氏の逮捕を取りやめるよう指示したことについて、本人が「週刊新潮」の直撃に対し、「私が決裁した」と認めている。

 詩織さんの著書『Black Box』(文芸春秋)には、詩織さんが直接、中村氏への取材を二度試みたくだりが出てくるのだが、それによれば、中村氏は一切の説明をせずに逃げたのだという。

〈出勤途中の中村氏に対し、「お話をさせて下さい」と声をかけようとしたところ、彼はすごい勢いで逃げた。人生で警察を追いかけることがあるとは思わなかった。
 私はただ、答えが欲しいのだ。中村氏にはぜひ、「私のした判断は間違いではなかった。なぜなら……」ときちんと説明して頂きたい。なぜ元警視庁刑事部長の立場で、当時の自分の判断について説明ができず、質問から逃げるばかりなのだろうか?〉(『Black Box』)

 いずれにしても、この件では、一度は山口氏に逮捕状がだされ、捜査員が今か今かと待ち構えるという局面まで進んだ。にもかかわらず、菅官房長官の片腕の警察官僚が直前で逮捕取りやめを指示したのだ。

 もし、菅官房長官が知り合いの企業経営者に山口氏への資金援助を要請するくらい山口氏と関係が深かったとすれば、この不可解な捜査中止も納得がいく。

 山口氏は8日の法廷で、逮捕中止について「仮に逮捕状が出ていれば、自分は被疑者なので知る手段がない。もみ消しはできない」と述べたという(朝日新聞デジタル7月8日)。

 だが、菅官房長官が資金援助要請まではしていなかったとしても、山口氏が、安倍官邸、そして菅官房長官と尋常ならざる関係を築いてきたのは事実だ。


■山口氏の著書『総理』に出てくる菅官房長官との運命共同体的エピソード

 そもそも、山口氏はTBS時代から“安倍の太鼓持ち”と呼ばれるほど、安倍首相と個人的に親しい関係を築いてきた。安倍首相は国会で山口氏について「取材対象として知っている(だけの関係)」などと言ってごまかしたが、山口氏の結婚披露宴に安倍首相が出席していたことを「FLASH」(光文社)が写真付きで報じている。

 そして、山口氏は、安倍首相の右腕である菅官房長官ともかなり前から“運命共同体”とも言えるような関係になっていた。山口氏のデビュー作である“安倍ヨイショ本”『総理』(幻冬舎)では、当初、安倍氏が出馬を迷っていた2012年自民党総裁選を巡って、菅との直接的やりとりをしていたことを自慢げに記している。

 同書によると、山口氏は安倍と代々木のレストランで食事をし、その席で「出馬見送り」の話を聞かされるのだが、山口氏はそのあと〈すぐに菅に電話を掛けた〉のだという。この電話を受けて、菅が安倍の私邸へ向かい、出馬するよう説得。安倍は心変わりして総裁選に出馬し、総裁に返り咲いたというわけだ。山口氏は安倍が総裁に決まったあと、菅とこんな会話をかわしたことを明かしている。

〈決選投票で総裁の座を射止めた直後、自民党本部4階で私と遭遇した菅は、満面の笑みで握手を求めてきた。
「○○だけは誤算だったな。あとはパーフェクトだったでしょ?」
 不適な笑みの最後に、こう付け加えた。
「あの夜の山口君の電話がなければ、今日という日はなかった。ありがとう」〉(『総理』)

 いわば、山口氏は菅官房長官をして「山口君がいなければ安倍総裁はなかった」と言わしめる存在なのだ。そして、この“第二次安倍政権誕生の陰の立役者”が性暴力事件で逮捕されそうになった直前、その菅官房長官の右腕といわれた警察官僚が逮捕を止めた。これは偶然なのか

 さらに、この件をめぐっては、「週刊新潮」に告発記事の第一弾を出された直後、山口氏が“官邸のアイヒマン”の異名を持つ北村滋内閣情報官とおぼしき「北村さま」へメールを送り、記事を巡る対応を相談していたことも判明している。

 今回、「週刊新潮」が報じた“菅官房長官が口利きで山口氏を支援していた”との疑惑報道によって、またひとつ、この問題をめぐる“官邸の関与”の状況証拠が増えたことになる。年内に結審するという裁判の行方はもちろん、引き続き、疑惑の真相究明を求めていきたい。

(編集部)
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●醜悪な、《なぜ安倍首相に心酔する》ファナティックな女性記者(広報屋)や政治屋が…? 一方、〝忖度〟しない者には…

2019年08月22日 00時00分34秒 | Weblog

『「安倍晋三」大研究』望月衣塑子&特別取材班著)…《「なぜ安倍さんは〈噓〉をつくのか」という…疑問…》↑]



室井佑月さんによる、リテラの連載対談「アベを倒したい!」シリーズ、第14回。
【室井佑月の連載対談「アベを倒したい!」第14回ゲスト 望月衣塑子(前編)/室井佑月と東京新聞・望月衣塑子、闘う2人の女が語った安倍政権の圧力、ネトウヨの攻撃、忖度メディア】(https://lite-ra.com/2019/08/post-4889.html)。
【室井佑月の連載対談「アベを倒したい!」第14回ゲスト 望月衣塑子(後編)/室井佑月も恐怖 望月衣塑子記者が語った菅官房長官の裏の顔! 圧力を批判されても「俺はあいつが嫌いなんだ」】(https://lite-ra.com/2019/08/post-4890.html)。

 《今回のゲストは、安倍政権に飼いならされた新聞・テレビのなかで、孤軍奮闘を続ける東京新聞・望月衣塑子記者。…官邸から信じがたい圧力や嫌がらせが加えられ、ネトウヨたちも連日、口汚い言葉でバッシングを繰り広げている。…彼女の著書を原案とした映画『新聞記者』も公開され、異例の大ヒットに》。
 《菅官房長官の嫌がらせやメディア支配のやり口、オフレコ懇談会のシステム、マスコミのなかにもある男女差別の問題、そして忖度が生まれる構造の分析まで……。いまのメディアでジャーナリズムの責務を真っ当に果たそうとしている女性がどんな状況に置かれているのか…》。

 リテラの連載対談「アベを倒したい!」シリーズに、望月衣塑子さんが登場。

   『●「平成の治安維持法」で、室井佑月さんや
     斎藤貴男さん「なんて、最初から一般人扱いされないだろうしな」
   『●今が「辞任」させる秋であり…市民に「忖度」する
      政治家や政党はどちらか?、いま、理解するべき
    「連載対談記事の後編【室井佑月連載対談「アベを倒したい!」 
     第4回ゲスト 山本太郎(後編)/室井佑月が「太郎ちゃん、
     安倍さんを倒して」と陳情! 山本太郎が本気で語った安倍政治を
     乗り越える政策論とは?】」

   『●立憲主義も理解できず…「行政の長である総理大臣が
      具体的な改憲日程を口にするのは完全に憲法違反」
    「「裸の王様」の天敵・小池晃さんとの対談【室井佑月の連載対談
     「アベを倒したい!」第5回ゲスト 小池晃(前編)/安倍首相は
     どういうときにキレるのか? 室井佑月と共産党・小池晃が安倍の
     デタラメ国会答弁を徹底分析】」

   『●大見得・啖呵「議員辞職」を有言実行しない
       《病的な嘘つき》アベ様…前川喜平氏の人間性と彼我の差

   『●大見得・啖呵「議員辞職」を有言実行しない
      《病的な嘘つき》アベ様…全てのアベ様の「政」のデタラメさ
    《室井佑月の連載対談「アベを倒したい!」第7回ゲスト 前川喜平

   『●松尾貴史さん×室井佑月さん対談、「安倍首相は、
      嘘も権力の私物化も恥ずかしいとすら思っていない」
   『●室井佑月さん×金平茂紀さん対談: 《安倍政権の
     言論弾圧体質によって、どんどん悪化している報道の萎縮》①
   『●室井佑月さん×金平茂紀さん対談: 《安倍政権の
     言論弾圧体質によって、どんどん悪化している報道の萎縮》②

 アベ様の政で唯一〝上手く行っている〟メディアコントロールの下で…奮闘する数少ない記者。しかし、それにしても、アベ様や最低の官房長官らの《メディアコントロール》がさらに酷いことになっている。

   『●暴言連発「あなたに答える必要はありません」
     「ここは質問に答える場所ではない」「その発言だったら、指しません」
   『●現独裁政権批判な映画『新聞記者』…
     東京新聞【政権批判で? テレビ番組PRゼロ…「忖度」ニモマケズヒット!】

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https://lite-ra.com/2019/08/post-4889.html

室井佑月の連載対談「アベを倒したい!」第14回ゲスト 望月衣塑子(前編)
室井佑月と東京新聞・望月衣塑子、闘う2人の女が語った安倍政権の圧力、ネトウヨの攻撃、忖度メディア
2019.08.08 11:31

     (熱弁する望月衣塑子氏(左)と室井佑月氏(右)(編集部撮影))

 室井佑月連載対談「アベを倒したい!」、今回のゲストは、安倍政権に飼いならされた新聞・テレビのなかで、孤軍奮闘を続ける東京新聞・望月衣塑子記者。菅義偉官房長官の記者会見で厳しい質問を投げかけ続けることですっかり有名になった望月記者だが、官邸から信じがたい圧力や嫌がらせが加えられ、ネトウヨたちも連日、口汚い言葉でバッシングを繰り広げている。しかし一方で、その圧力に怯まない姿勢、権力のチェックを続ける記者魂に称賛と応援の声がどんどん大きくなり、6月には、彼女の著書を原案とした映画『新聞記者』も公開され、異例の大ヒットになっている。

 かたや、ワイドショーで空気を読まず政権批判を続けている室井佑月も『新聞記者』を観て大感動!「望月さんにエールを送りたい」と、今回の対談が実現した。

 権力と闘い続ける2人の女が、安倍政権からの圧力やネトウヨの攻撃、そしてメディアの実態を語り合い、意気投合した最強対談。まずは前編をお読みいただきたい。きっと勇気が湧いてくるはずだ。

(編集部)


●テレビも映画『新聞記者』プロモーション拒否の裏にある噂が

室井 初めまして! 早速だけど映画『新聞記者』観たよ! 森友・加計問題や、伊藤詩織さんの事件とか、安倍さんが政権を握ってからの数々の悪事がてんこ盛りになっていた。内閣情報調査室の内幕も描かれていて。すごい面白かった。

望月 ありがとうございます。公開から1カ月ほどですが、配給会社によると動員33万人で、興行通信社の週末観客動員ランキングも3週連続トップ10入りしたそうです。

室井 知り合いの映画関係者も言ってた。政権を批判した社会派作品がここまで健闘するのは異例だって。でも、テレビとかあんまり取り上げてくれなかったんでしょ。プロモーションを拒否されたってリテラでも書いてあった。公開直後には公式サイトがサーバー攻撃にあったり。やっぱり、真っ向から安倍政権批判をして、官邸から睨まれている望月さんの原作だから、テレビとか完全に腰が引けたんだろうね。

望月 今回の映画宣伝はテレビではすごく難しかったと宣伝部の人も言ってました。それに加えて、参院選前に私が選挙に出るという噂が出回って。

室井 あっ、やっぱり。私も聞いた。望月さんが選挙に出馬するんじゃないかって話。そんな噂を聞いたから最初に絶対確認しておこうと思ってたんだ。そういう話、あったの?

望月 あるわけないじゃないですか。でも、宣伝部は、テレビ局から「望月さんが選挙に出るかもしれないから、取り上げるのはちょっと……」と難色を示されたと聞きました。

室井 映画の宣伝で露出してないなって不思議に思ってたけど、そんな事情があったのか。でも、それって宣伝を断る口実でしょ。安倍政権を批判する作品だから忖度マスコミ、特にテレビは取り上げたくなかったんだね。ただ、出馬に関しては望月さんは知名度も高くて、菅さん(菅義偉官房長官)と闘う女っていうイメージだから、野党系から結構声がかかっても不思議じゃないとは思う。もし声がかかっても、いまの立場を変えずに記者としてガンガン記事を書いて、声をあげ続けて欲しい。私も誘われたことあるけど「私、不倫するのとかなんとも思ってないんで無理です」って言って断った。逆に「出馬なんてことより先生のガールフレンドのひとりにしてください」って(笑)。

望月 ……(爆笑)。


■安倍首相と会食を繰り返すマスコミ幹部の異常、菅官房長官とも

室井 でもさ、ちょっと有名になるとすぐに出馬の噂が出るのは心外だよね。私も仕事として表現者として、物を書くことを一生懸命やっているし、案外評価もされている。なのに、なぜ「議員になったらいいじゃん」とか言われなきゃいけないんだろうって。

望月 同感です。いまの立場から発信し、発言するそれが私たちの仕事ですからね。発信といえば室井さん、最近ツイッターをやり始めたんですよね。リアルタイムで安倍政権の批判もしていて、ツイート回数も多くてがんばっているなと思いながら見ています。でも私もそうですが、かなりネガティブな反応も多いでしょう

室井 すっごく多いです。最初はやり方から何から全然わからなくて「くだらないことを送ってこないで」っていちいち返事していたら、みんなに「ブロックとかミュートとかすればいいだけだ」って言われて。初心者なのでそんなことも知らなかった。それで炎上騒ぎもあって。あっ、望月さんは炎上の先輩だ!

望月 (笑)。私も一時期はあまりにひどいものはブロックしていたんですけど、そうするとまた炎上している感じになるから、いまはもう放置しています。

室井 でも、ツイッターにしても映画にしても、政治的なことがアウト、タブーになるなんて本当に恐ろしい世の中だよ。本当に怖い。そんななか、望月さん、そして東京新聞はうんとがんばってるよ。

望月 ありがとうございます。中日新聞が母体だから、社長と会長が名古屋市にいるというのにも助けられているかもしれません。安倍さんはあまり地方紙とは会食をしていないですからね。全国紙や大手マスコミは、軒並み安倍さんとの会食を繰り返していますが、こうしたトップ同士の関係は現場に必ず影響していると思います。東京新聞では、たしか長谷川幸洋さんがいた頃の2013年5月、彼が間に入って中日新聞の当時の社長が一度安倍首相と会食しているんです。でも、それ以降はしていないと思う。もし会食するような関係が続いていたら、現場としては、やりづらくなりますね

室井 そうだよね。首相とマスコミのトップがベタベタの付き合いなんて先進国では考えられないし、報道機関、ジャーナリストとしてのプライドがないんじゃないかと思っちゃう。トップがそうなら現場も萎縮する。もうマスコミはすっかり安倍さんにやられて、忖度、自粛のオンパレードだもの。

望月 今年6月に国連人権理事会でデービッド・ケイ特別報告者から日本の報道の自主性に対し危惧する報告書がまた出ました。そのなかには「日本政府当局者が彼らに批判的な質問をする記者に圧力を加えている」という文言もあって。

室井 それって望月さんのことだよね。デービットさんは2017年5月にも安倍政権による報道圧力とメディアの萎縮について是正を勧告していたけど、その後もメディア圧力は是正されないどころか、どんどんひどくなっているからね。

望月 政権幹部とマスコミ幹部との会食がこれほど繰り返されるという状況は異常です。それだけでなく「桜を見る会」には芸能人をどんどん呼んで、メディア幹部だけでなく情報番組司会者、コメンテーターなど影響力のある人たちにも手を伸ばしはじめています。安倍政権になってからメディアの取り込みが露骨になっています。ただ、こうした会食への批判が大きくなったことも影響してか、一部テレビ局のトップが安倍首相との会食は断っていると聞きました。でも、その代わり菅官房長官と会食をしているそうです(苦笑)。何を話しているのかと言えば、民放連(日本民間放送連盟)の人事の話とか。菅氏は他のメディア幹部と会ったときも、官僚の人事話をしていたと聞きます。“官僚や政治家、メディア含め、俺があらゆる人間の人事を握っている”ということを内外に示すことが、自分の権力の源泉になるという意識があるのでしょう。

室井 菅さんなら新聞の動静に出ないものね。


■ギャラクシー賞を受賞した『報ステ』元CPを報道から追放したテレビ朝日

室井 望月さんの菅さんとのやりとり見ていてもそうだし、望月さんの著書『新聞記者』(角川新書)を読んでも、映画を観てもそうだけど、望月さんって新聞記者であることへのプロ意識がすごく高いんだなと思いました。男の人って、“記者”としてではなく、会社の“役職”がつくことにこだわりがちだけど、望月さんはそうじゃない。私はジャーナリストでも新聞記者でもないから、そんなプロの記事を読んで「私はこの記事を読んでこう思った」ということを、賛否両論になってもいいから広げる。それが役目なのかなと思ってます。

望月 室井さん、新聞から雑誌から書籍まで、ものすごい量を読んでますものね。テレビでの発言や週刊誌コラムなどを拝読していますが、相当読み込んでやってるなって。

室井 私、オタクだから(笑)。

望月 熱量のすごさを感じます。特にテレビは権力批判もできなくなり、危ないと思っているけど、室井さんやジャーナリストの青木理さんが発言しているのを見ると、「でもまだ希望があるな」と思います。ただ、最近でもすごくひどい人事がテレビ朝日であった。それがジャーナリズムの要として『報道ステーション』のチーフ・プロデューサーなどをやっていた松原文枝前経済部長が、報道局から総合ビジネス局のイベント事業戦略担当部長に異動したことです。彼女は現役の記者のなかでも、ずっとブレずに仕事を続けて。それで安倍政権になってから嫌がらせが続いても「それでもやらなきゃいけない」と発信し続けてきた。昨年4月の財務省・福田淳一事務次官(当時)のテレビ朝日社員へのセクハラ問題のとき、告発した社員の上司でもありました。それを逆手に取られ、「飛ばされるのではないか」という空気がありましたが、当時は伊藤詩織さんの#MeTooの流れがあって、この問題を『報ステ』でも小川彩佳アナ(当時)が取り上げ、反響を呼んでいました。女性記者たちが集まってできた団体「メディアで働く女性ネットワーク」(WiMN)でも、「声をあげた人たちを守ろう」と掲げていたんです。そうしたまっとうな方だったからこそ、相当前から政権に目をつけられていた。しかもいま、テレ朝は早河洋会長の体制下で、安倍首相や菅さんの応援団を自認する、幻冬舎社長の見城徹さんが放送番組審議会の委員長に入っている。(松原さんが)番組を外れる可能性は高いんじゃないかと危惧していたのですが、現実になってしまって。

室井 彼女は古賀茂明さんが『報ステ』を降板させられたときも、最後までかばった人でもあるよね。

望月 そうです。予兆もありました。2016年6月、『報ステ』で松原さんが経済部長時代に手がけた特集「独ワイマール憲法の“教訓”」がギャラクシー賞テレビ部門大賞を受賞した。「ドイツの民主的なワイマール憲法下でなぜ独裁者ヒットラーが生まれたか」という日本の憲法改正の動きとの比較で深く考察されたものでした。そんな栄誉ある賞なのに、政権に批判的に取れる内容なのでテレ朝内では喜ぶどころか“なかったこと”のようだったと聞きます。しかも「贈賞式に出るな」「コメントするな」って松原さんに対して圧力もあったらしくて。異動との関連ははっきりしませんが、松原さんは、憲法改正の国民投票でのテレビのCM規制についての民放連の動きも問題視していました。これまで民放連は「CM規制をかけることも含めた議論をすべきだ」としていたのに、民放連会長や専務理事が日テレに変わった途端、「表現の自由がある」として、「CM規制をかけない」と一変させた。松原さんはそれに対し、過去の国会の議事録などを調べ上げて分析、民放連の会見でも追及していたと聞きます。誰も聞かないから聞きに行かなければという意識だったそうです。政治部デスクにことわって聞きに行っていたそうですが、これをテレ朝の幹部が、問題視していたと聞きました。


■権力の肩を持ち、望月記者の足を引っ張る記者クラブに、室井が激怒

室井 憲法改正をしたい安倍さんへの忖度と金儲けってやつか。テレ朝は小川アナを追い出したり、逆にネトウヨアナの小松靖を『ワイド!スクランブル』に起用したり。テレビも安倍さんへの忖度と、広告収入や視聴率が下がっていくなかで、どんどん変な方向へ行っている気がする。そんななかで、望月さんにして松原さんにしても、権力と対峙してる。官邸に立ち向かっている。誇りを持って仕事してるんだなってわかる。でも、いろいろ大変なんでしょ。菅さんにガンガン質問してる姿は私たちからしたら拍手喝采だけど、記者クラブで足を引っ張られてるって聞いてる。質問する望月さんの悪口言う記者までいるっていうじゃない。昨年も、辺野古の赤土について質問したら菅さんが逆上して、望月さんの質問を制限しようとしたんでしょ。しかも、そんなひどいことに対して、一部の記者が「望月さんが質問をすればするほどクラブの知る権利が阻害される」なんていうコメントを共同通信にしてさ。その上、菅さんの主張はフェイクだったじゃない。

望月 そうなんです。日本新聞労働組合連合(新聞労連)や日本ジャーナリスト会議から抗議声明も出て、東京新聞でも社説や特集記事を掲載し、官邸前でのデモなどもあったのですが、でも記者クラブに関しては室井さんの言う通りかもしれません。実際、ある大手紙記者が「なんだよあいつ、いつまで来させるんだよ」と私についてあからさまに批判していたとも聞きました。それと最近、新聞労連の新聞研究部が、ここ2年以内で官邸にいた記者を対象に官邸会見について匿名アンケートをとり、幹事業務を担う19社、33人が回答を寄せたようですが、そのなかに私の批判もあった(笑)。「パフォーマンス」「自己アピールだ」だとか「質問が長い」とか。同時に、なかには「内部で官邸と繫がっている社がある限り、記者クラブとして身動きが取れない。苦しい」というような生々しい声もありました。彼らはわかっているけど、ジレンマに陥っている。

室井 どこかの独裁国家のメディアとほとんど変わんないね。現場の人から実態を聞くと、どんどん怖くなってくる。

後編に続く

……
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https://lite-ra.com/2019/08/post-4890.html

室井佑月の連載対談「アベを倒したい!」第14回ゲスト 望月衣塑子(後編)
室井佑月も恐怖 望月衣塑子記者が語った菅官房長官の裏の顔! 圧力を批判されても「俺はあいつが嫌いなんだ」
2019.08.09 11:42

     (2人が語る”民主主義を守る覚悟”とは(左・望月氏 右・室井氏 撮影・編集部))

 室井佑月の連載対談「アベを倒したい!」、今回のゲストは、菅義偉官房長官の会見で孤軍奮闘を続ける東京新聞・望月衣塑子記者。前編では、そのも望月記者から、メディアや記者クラブの予想以上の政権忖度の実態を聞いて、激怒した室井だったが、後半はさらに踏み込み、話はどんどん具体的になっていく。

 菅官房長官の嫌がらせやメディア支配のやり口、オフレコ懇談会のシステム、マスコミのなかにもある男女差別の問題、そして忖度が生まれる構造の分析まで……。いまのメディアでジャーナリズムの責務を真っ当に果たそうとしている女性がどんな状況に置かれているのか、最後まで読んで、その現実をぜひリアルに知ってほしい。(編集部)


前編はこちら

●望月衣塑子が菅官房長官の会見に出て、質問を続けている理由

室井
 望月さんの話を聞いてると、つくづく恐ろしくなるけど、でもそんな状況なのに記者クラブの人って、質問をしないでパソコンに向かってひたすらカタカタやっているんでしょ。質問しないのって記者としての誇り、能力がないじゃない。記者は質問して、納得できるまで食い下がるのが仕事でしょ。質問しないで菅さんの話を垂れ流すだけだったら子どもにでもできる。しかも同業なわけじゃん? 誇りがあるなら味方しろ! 記者クラブって本来、国民の知る権利を代弁する制度だし、もし同業他社でも権力から知る権利を奪われそうになったら、タッグ組んで「妨害はやめろ」「きちんと質問に答えろ」ってやるのが役目なんじゃないの? でも、日本はそうじゃない。逆にバッシングをするって本当におかしい。しかも、権力の批判や監視をするのが新聞やジャーナリズムの役割なんだから、権力者とお友だちになってどうする! 緊張関係が必要なのに、そうじゃない。いまの記者クラブはスクープがあったとき、1社に抜かれるのが怖いからというだけのために存在してるのかと思っちゃう。それに菅さんって、記者やテレビコメンテーター、芸能人なんかと、けっこう頻繁にご飯食べてるらしいし、人たらしなんでしょ。そんな菅さんに記者はひれ伏している。安倍政権がこんな長く続いているのも、逆に言えばそのキーパーソンは菅さんってことじゃないかと思うんです。

望月 そうですね。政権存続のため、裏で彼がメディアや官僚、政治家、企業の人たちと何をやっているのかを見ることは大切なことだと思います。一連の公文書改ざん問題や森友加計問題の発言のひとつひとつを見ていると、その背後に必ず菅さんの存在がある。今回の私に対する質問妨害もそう。最初は、内閣府の長谷川榮一氏(総理補佐官兼内閣広報官)から抗議文が来たけど、もちろん菅さんなんですよね。しかも、妨害行為が国会で問題視されて、周囲から「さすがにやめたほうがいい」と言っても、菅さんは「俺はあいつが嫌いなんだ!」って全然聞く耳を持たなかったと聞いています。そういう意味で、良くも悪くも裸の王様というか、自分の思ったことは何がなんでもやる。そうした菅さんら官邸の姿勢が公文書改ざんの問題の根底にある。その危うさを感じるからこそ、会見に出て質問しているのですが。

室井 さすが“影の総理大臣”と言われるだけある。でも、裏を返せば、そんな権力の中枢に望月さんは恐れられているってことでしょ。

望月 まあ、目障りなんでしょう(笑)。それまで菅さんは突っ込んだ質問をさせない土壌をつくり、記者もそれなりに従っているふうを装ってきた。そこに私が来て。


■菅官房長官がオフ懇の前に行う“儀式”を聞いて室井が「ひゃぁー怖っ」

望月 菅さんの会見では事前通告が現在、慣例化しているとも聞きます。匿名のアンケートにも「事前通告せずに質問したら官邸側から怒られた」とありました。菅さん側から「事前に質問は全部投げてほしい」と言われると、現在のパワーバランスのなかでは、記者もそれに従わざるを得ないのでしょう。先進国や外国人特派員協会のなかではあり得ない状況です。さらに会見が終わると、裏で番記者とオフレコ懇をやります。

室井 公の会見では記者は質問しない、菅さんは言いたいことだけ言う。なのにその裏でオフ懇をするってどういう了見なの。望月さんが菅会見に出るようになってから、オフ懇を拒否するようなこともあったんでしょ? やっても望月さんの悪口を吹き込むって聞いたことある。他の記者に望月さんを批判して、“おまえらどうにかしろ!”って。なんて姑息なんだ。自分たちに都合の悪い質問をする望月さんを排除するって。でも、それが安倍政権の本質でもあると思う。

望月 政府見解が必要なところは、それなりに毎回、記者は聞いています。でも、官邸がクラブに貼り出した私についての抗議文について質問した記者にある官邸の記者が、こう言ったそうです。「これは、国民の知る権利を守るのか、それとも我々記者クラブの知る権利を守るのか、この闘いだ。バランスもっと考えてね」って。

室井 それって菅さんからの“伝言警告”ってことでしょ。番記者はジャーナリストじゃなくて伝書鳩だったのか!

望月 オフ懇に関しては、新聞労連の新聞研究部がここ2年以内で官邸にいた記者を対象におこなった匿名アンケートでこんな指摘もありました。菅さんへのオフ懇や夜回りに来る記者が携帯電話やICレコーダーを事前に回収袋に入れると。これはオフ懇の内容が週刊誌で報じられたことがあって、菅さんが激怒したため、その予防策として、つまり記者が菅さんに忠誠を誓う“儀式”として行われていたということのようです。その後、雑誌やネットでこの事が公にされてから、その儀式は止めたようですが。

室井 ひゃぁー怖っ。菅さんも怖いけど、それに忠誠を誓う記者も恐ろしい。

望月 会見では質問以外にもいろいろなことがわかるんです。たとえば私の質問中、菅さんがある記者によく目配せしてるんです。その記者は野党時代から菅番をやっていて、安心できるから彼に毎度、相槌を求めているのでしょう。菅さんの会見での精神安定剤なんだなと。彼がいないと気持ちが安心できないのか、目が泳いでいるように見えます。そんな一面も垣間見れる。テレビ朝日の松原(文枝・前経済部長)さんに関しても(編集部註:詳しくは前編参照)『報ステ』で安倍政権批判をしていた時代、菅さんは「あいつ(松原さん)と食事できないかな」って周りに聞いていたらしい。でも、彼女の性格を知っている周りから、「食事しても変わらないですよ」と言われて止めたとか。そうやってまめな会食を重ね、常に現場の記者やメディア幹部を取り込んで来たのでしょう。親しくなり、自分を好いてくれれば、今後の報道も含めて、将来、心強いですからね。


■望月衣塑子や室井佑月に向けられる批判の裏に「女のくせに」という差別

室井 でも、話を聞いていて思ったのが、菅さんや同業の記者が望月さんを批判するのは、女性だからという面もあるんじゃない? やっぱ男社会だし、出る杭は打たれる国だから、女性で目立つと嫉妬やバッシングが起きやすいと思う。Twitterで、私や望月さんを攻撃している人がいっぱいいて、ちょっと興味があるから調べたら、他にもすごく女の人を狙って罵詈雑言を繰り返している人だったりする。「ババアが」とかね。仕事をしていると、「女が意見を言うな」って感じの悪口もすごく多いし、そういうのってすごく感じる。女性差別もあるんじゃないかって主張すると、今度は「おまえ、自分が女だと思ってたのか」なんてことまで言われたことも。望月さんを叩いている人たちって、「女のくせに」って意識があるのは否めなくない?

望月 そうですね。それは私だけではなく政治家にも当てはまるかもしれません。稲田朋美さん、辻元清美さん、そして蓮舫さんなんかもそうだけど、与野党や政治的信念に関係なく、女性の政治家へのバッシングは男性の政治家のそれとは明らかに違う。セクシュアリティへの言及、ツッコミをしますよね。マスコミでもやはり男尊女卑の風潮も感じます。女性記者は、政治家の会見に出ている記者がそもそも少ないし、あまり積極的に質問しているように見えない。とくに#MeToo、#WeToo運動があったとき、女性記者がもっともっと政府や麻生太郎財務大臣に突っ込んで聞いてもいいと思いました。がんばって聞いている女性記者もいましたが、全体としておとなしく見えました。アメリカだったら、麻生大臣は総攻撃にあうし、「はめられたんじゃないのか」と同じ発言をしていたら辞任に追い込まれていたのではとも思います。

室井 たとえば片山さつきさんを批判するとき、主張について意見を言うのは当然だけど、そこに「ブサイクが」とか「変な髪型しやがって」とかって言うのはおかしいよね。でも悲しいかな、権力を持っている男にひれ伏し出世しようとする女性がいることも確かなんだけどね。「恥知らず!」なんて恐ろしい言葉で安倍さんを擁護する三原じゅん子さんとか、大臣就任の挨拶で「私はみなさんの妹」ですと自己紹介しちゃう丸川珠代さんとかもいる。難しいね。女性は団結しないといけないと思うんだけど。


■三原じゅん子、NHK岩田明子はなぜ安倍首相に心酔するのか

室井 三原さんはすっかり安倍さんに洗脳されているけど、昔からずるい人じゃないのよ。タレントのときから。だってハッピハッピー(元アニマル梯団のコアラ)と離婚したとき、番組で一緒になって。わたしが「こんな男いいじゃん、いらないじゃん」って言ったら、すぐに泣いちゃって。だからいますごく信じているのが安倍さんってことなんじゃないかな。純粋だから。でもそれが一番怖いと思っちゃう。信じ込んじゃうことが。

望月 三原さんは、かつては石破茂議員支持だったと聞きますが、彼女も菅さんとの会食後、安倍さんに寝返ったとか。「菅氏に副大臣とか政務官のポストをぶら下げられたのではないか」と聞きました。NHKの岩田明子記者は、安倍さんに心底心酔しているとも聞きます。そうでもないと、あそこまであからさまに安倍さんを持ち上げられないかなとは思いますが。

室井 安倍さんがイランを訪問したときも、安倍さんの成果を盛んに強調していたけど、なんだかクラクラしたけど、最近は逆の意味で岩田解説が楽しみになって(笑)。でも岩田さんって、安倍さんと近しい関係ということでNHK内ですごい力を持っちゃって。こういうやり方見てると、やはり女性同士ってだけで団結って難しいのかなって思っちゃう。


■室井佑月が望月衣塑子の民主主義を守る覚悟に感動、共闘を宣言!

室井 もっと女同士が味方すればいいのに、なかなかそうはならない。新聞社とかテレビ局って大企業でもあるけど、男女差別はあるし、女性はそれを絶対、感じてたりするのに。そんななかで望月さんが問題意識を持ち続けられるのはなぜ? 原動力ってどんなこと?

望月 たとえば社会部の私が菅さんの会見に出ても、政治部から文句を言われることはないです。彼らには、菅さんの秘書官や他社の記者からはいろいろ言われて、迷惑をかけているはずなのに、本当に有り難いなと思っています。それに、会社にFAXや電話の投書で応援メッセージが来るんです。いまの政権はおかしいと思っている人たち、安倍さんのやり方に怒ったり疑問に思っている人がたくさんいる。そういう声を知れば、記者として疑問に思ったことを会見に出て質問するしかない。国民の知る権利に応えなくちゃならないと思うんです。そして社としてもバックアップしてくれる土壌がある。アベノミクスも公文書改ざんも、沖縄の問題も、いまの日本はおかしなことばかりです。そんななか、私たちメディアが声をあげ、報道ができなくなったら、情報がシャットアウトされて伝わらなくなる。そうなったときに何が起こるのか。民主主義は明らかに後退していく。そんな危機感があります。そして、東京新聞の読者の方々もその問題意識を共有してくれている。だから続けられるのかな。

室井 でも、本当は望月さんの言っていることって、そういう記者の当然の問題意識を安倍政権によって崩壊させられた。その罪は重いと思う。

望月 官邸クラブにいる記者はじめ、他のさまざまな現場にいる記者でも苦しんでいる人は多いと思います。そのなかでもそれぞれが、皆できる範囲のなかでがんばっている。権力に向かってものを言おうと、立ち上がろうとしてる人たちもいる。そんな同じ思いでやっている人がいて、読者が支えてくれる。それが原動力かな。

室井 立派だと思う。これからも応援する。すぐにバッシングされる同士、女性同士、今後も仲良く闘おうね!

(了)

前編はこちら

プロフィール
望月衣塑子 1975年生まれ、中日新聞入社後、東京本社に配属され千葉、埼玉など各県警担当、東京地検特捜部担当を歴任。2017年に森友学園、加計学園の取材チームに参加し、菅官房長官会見に出席、また前川喜平文部科学省前事務次官や女性ジャーナリスト伊藤詩織へのインタビューなどを手がける。『武器輸出と日本企業』『新聞記者』『権力と新聞の大問題』など著者多数。

室井佑月 作家、1970年生まれ。レースクイーン、銀座クラブホステスなどを経て1997年作家デビュー、その後テレビコメンテーターとしても活躍。「週刊朝日」「日刊ケンダイ」「女性自身」など連載コラムも多数持つ。また『ひるおび!』『中居正広の金曜日のスマたちへ』(TBS)、『大竹まこと ゴールデンラジオ』(文化放送 金曜日)などに出演中。
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●木谷明さん《冤罪を回避するために法曹三者…無実の者を処罰しないという強い意志、意欲をもって仕事にあたること》

2019年08月21日 00時00分38秒 | Weblog


マガジン9のレポート【伊藤塾 明日の法律家講座レポート/冤罪の阻止・根絶と法曹の責任 講師:木谷明氏】(https://maga9.jp/190807-4/)。

 《冤罪を回避するために法曹三者(裁判官、検察官、弁護士)に共通して言えることは、無実の者を処罰しないという強い意志、意欲をもって仕事にあたることです》。

 是非、ご一読ください。裁判官だけでなく、検察官・弁護士への重要なメッセージを含みます。

 大崎事件について、木谷明さんは「無実の人を救済するために裁判所はあるのではないのか」と、裁判所を批判。木谷さん自身は、《裁判官時代に約三十件もの無罪判決を書いた経験を持つ。一件を除き検察は控訴すらできなかった》そうだ。
 その木谷さんからの重要なメッセージ、《冤罪を回避するために法曹三者(裁判官、検察官、弁護士)に共通して言えることは、無実の者を処罰しないという強い意志、意欲をもって仕事にあたることです》。裁判官・検察官・弁護士、それぞれと立場を考えた重いメッセージが続く。さらに、結論。《最後に、冤罪の阻止・根絶と法曹の責任に関する私の結論を申し上げます。冤罪の阻止・根絶について法曹は重大な責任を負っています。それは、法曹三者、いずれにも共通です。冤罪の阻止・根絶に向けて最大限の努力をすることは、法曹に与えられた最も重要な、そして法曹だけに与えられた崇高な責務です》。

   『●PC遠隔操作…事件…
    《後から「発見」された証拠の危険性 これに続いて、元東京高裁判事で
     現在は片山氏の弁護人の木谷明弁護士が、自身が裁判官中に経験した
     再審請求事件の話を例に、後から「発見」された証拠の危うさを説いた。
     それは、かの有名な白鳥事件。…袴田事件でも、有罪の決め手の1つ
     である血染めの着衣が、味噌工場のタンクから「発見」されたのは、
     事件から1年2か月も経ってから。…やはり再審請求中の狭山事件でも、
     石川一雄氏の自宅の2回にわたる家宅捜索では見つからなかった
     被害者の万年筆が、3回目の捜索で勝手口の鴨居から「発見」され、
     有罪証拠に使われた》

   『●袴田事件…検察=《狼は本音を明かす。
     「おまえがどんな言い訳をしても食べないわけにはいかないのだ」》
    「《二重の不正義》を認めたくない検察、それを見て見ぬふりする裁判所。
     木谷明さんや熊本典道さんの話や訴えになぜ耳を傾けようともしないのか…。
     4年も待たせて、この仕打ち、さらに待てという」
    《元裁判官の木谷明氏の持論である。裁判官時代に約三十件もの無罪判決を
     書いた経験を持つ。一件を除き検察は控訴すらできなかった。その木谷氏の
     著書「『無罪』を見抜く」(岩波書店)にはこんなくだりがある…》
    《「疑わしきは被告人の利益に」という言葉は刑事裁判の原則で、再審でも
     例外ではない。ところが日本の検察はまるでメンツを懸けた勝負のように、
     再審開始の地裁決定にも「抗告」で対抗する。間違えていないか。
     再審は請求人の利益のためにある制度で、検察組織の防御のためではない

   『●大崎事件…再審するかどうかを延々と議論し、
      三度にわたる再審開始決定を最「低」裁がちゃぶ台返し
    《会見に同席した元裁判官の木谷明弁護士も「無実の人を救済するために
     裁判所はあるのではないのか。大変がっかりしている」と批判した》

   『●《家族への脅迫状…「苦しみ抜いて一人で罪をかぶろう 
         としているのに許せない。もともと無実なのだから」》
    「大崎事件について、《元裁判官の木谷明弁護士…
     「無実の人を救済するために裁判所はあるのではないのか」》と。
     【報道特集】…によると、《”伝説”の元裁判官~冤罪救済に挑む…
     無罪判決を30件も出し、全てを確定させた元裁判官。
     退官後、81歳となった今、冤罪救済を目指す弁護士として裁判所に
     挑んでいる。そこで直面した裁判所の現状とは》。『イチケイのカラス』…
     のモデルの一部になっているらしい」

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https://maga9.jp/190807-4/

伊藤塾 明日の法律家講座レポート
冤罪の阻止・根絶と法曹の責任 講師:木谷明
By マガジン9編集部  2019年8月7日

1979年に鹿児島県大崎町で男性の遺体が見つかった「大崎事件」について、先日(2019年6月26日)、最高裁判所が一審、二審の決定を覆し再審請求を認めない決定をしたことが社会に大きな衝撃を与えました。日本の刑事裁判の有罪率は99.9%以上と言われており、いったん有罪判決が確定した後に新証拠を提出して行う再審手続は、針の穴に駱駝を通すより難しいとさえ言われているそうです。

今回の講演では、元高等裁判所判事で弁護士の木谷明先生に、具体的な再審事件(恵庭OL殺人事件)を例に引きながら、刑事裁判の現実の姿を明らかにするとともに、冤罪を阻止・根絶するために法曹が果たすべき役割・責任についてお話しいただきました。[2019年7月13日(土)@渋谷本校]


決して「ひとごと」ではない冤罪事件

 ある日、突然、あなたが身に覚えのない罪で警察に連れて行かれたと想像してみてください。いくら弁解しても受け付けてもらえず、釈放してもらえません。最大23日間、家族や社会から断絶され、厳しい取調べが続く中で、あなたは否認を貫くことができるでしょうか。現実には、警察の厳しい取調べと誘導によって自白してしまう人は少なくありません。
 いったん自白してしまえば、検察は警察の作った自白調書が正しいものとして質問してきます。そして、起訴されてしまった場合の有罪率は99.9%以上です。無罪判決は1000件に1件もありません。残念ながら、「公明正大な裁判官なら自分の言い分をちゃんと聞いてくれるだろう」という期待は、よほどの幸運に巡り合わない限りかなわないのです。
 冤罪事件はたくさんあります。特に痴漢事件など比較的刑の軽い事件では、警察に「認めたら罰金にしてやる」と言われて嘘の自白をしてしまう人がたくさんいます。死刑や無期懲役に当たる重罪ですら、冤罪は決して珍しくありません。では、冤罪をなくすために法曹は何をすべきでしょうか。今日は私が現在弁護の一角を担っている「恵庭OL事件」を例にお話したいと思います。


恵庭OL事件とは

 2000年3月17日の朝、北海道恵庭市の雪原上で全身真っ黒こげになった女性の死体が発見されました。解剖の結果、犯人は被害者の首を絞めて殺害したうえ、車で死体を運び灯油をかけて火をつけたと想定されました。
 死体発見前夜の午後11時15分頃、現場近くに住むHさんが犬の散歩に出た際に、現場方向に数メートルに及ぶ大きな炎が立ち上がるのを見たという目撃証言がありました。Hさんの証言によると、散歩中にも現場方向に2回大きな炎を見ており、帰宅後の12時5分頃には最初に見た炎の3分の1ほどの大きさになっていたそうです。
 現場付近からタイヤ跡や複数の足跡が検出されたものの犯人の目星はつかなかったのですが、警察がさらに捜査を進めると、被害者A子さんは会社の同僚のOさんと、ある男性社員を挟んで三角関係にあったということが分かりました。
 事件当日の3月16日、A子さんとOさんは夜9時半頃に連れ立って会社から帰っています。Oさんが言うには、その後駐車場で別れた後はA子さんには会っていないそうです。しかし、OさんがA子さんに対し嫌がらせの無言電話をかけていたことや、Oさんが事件前日に灯油10リットルを買っていたことなどから、警察は三角関係のもつれからOさんがA子さんを殺したと想定しました。
 警察による厳しい取調べが1ヶ月ほど続き、精神状態が不安定になったOさんは神経科に入院してしまいましたが、退院後に逮捕勾留され、5月23日に起訴されました。何かの因縁でしょうか、2000年5月23日というのは私が裁判官を辞めた日でした。


間接事実による立証の難しさ

 この事件では犯人を特定するための直接証拠がないため、間接証拠によって事実を認定しなければなりません。これはなかなか難しい作業です。
 Oさんが犯人だとする想定を根拠づける積極的間接事実として、事件前夜に購入した灯油の処分方法についてOさんが嘘をついていたことが非常に重要視されました。Oさんは警察が自分を疑っていると知って怖くなり購入した灯油を捨ててしまっていたのですが、後に灯油を持っていた方が無実の証明になるのではないかと考え直し、再度灯油を購入し、それを事件前夜に買った灯油だと言い張っていたのです。弁護士がその事実を知ったのは公判が始まってしばらく経ってからでした。
 他方、Oさんを犯人と認める上で障害となる消極的間接事実としては、後に述べるアリバイのほかに、物理的にOさんにA子さんが殺せるのかという問題があります。OさんはA子さんより体格的に劣るうえ、短指症で右手の握力が極めて弱いという障害があります。そのような人が後部座席から助手席に座った女性を殺すことが出来るのでしょうか。仮に殺せたとして、50kg以上もある死体を一人で車から降ろして現場まで運べるでしょうか。現場からは引きずり痕もOさんの靴に合う足跡も見つかっていません。また、Oさんの車内にもA子さんの髪の毛や血液、指紋、DNAなど一切ありませんでした。検察はOさんが車内の清掃をしたのだろうと言いますが、いくら掃除したつもりになっても、痕跡を何一つ残さないということは事実上不可能と考えるべきです。


検察による証拠の偽装工作

 私が決定的だと思うのは、Oさんのアリバイの問題です。Oさんについては、事件当日の午後11時36分頃に現場から15km離れたガソリンスタンドで給油したという給油伝票が発見されました。しかし、付近の住民Hさんは、死体発見当日の事情聴取で、「午後11時15分ころ、死体焼損現場方向から大きな炎が上がるのを見た」という明確な供述をしています。ですから、もしOさんが犯人であれば、この給油伝票の記載を前提としても、Hさんが大きな炎を目撃した午後11時15分からわずか20分の間に街路灯のない雪道を移動しなければなりません。
 検察は20分もあれば十分移動できると言いましたが、実際に実験してみると25分ほどかかりました。しかも控訴審段階になって、マスコミの報道から、正確な給油時刻が記録された防犯ビデオの存在が発覚し、これによって、Oさんが給油を受けた時刻は11時31分であることがはっきりしたのです。検察は、防犯ビデオを隠した上で、給油伝票に記載されている時刻が誤ったものであることを知りながら、その給油伝票を証拠として提出して、虚偽の主張・立証をしていたことが分かりました。
 それだけでは不安だったのでしょうか、検察は目撃者Hさんの初期の供述調書も隠していました。取調べの初期の頃、Hさんは、「犬の散歩を終わって帰宅するまでの間に、何度も大きな炎が上がるのを見た」「帰宅後の12時5分頃にも、最初に見た3分の1くらいの炎を見た」とされていたのです。10リットルの灯油は、3~4分もすれば炎が小さくなって遠方から見えない状態になることが明らかなので、Hさんの初期供述によると、犯人は途中で灯油を継ぎ足しながら1時間くらい現場で死体を燃やしていたことになります。こうなるとOさんのアリバイは完全に成立してしまいます。これでは都合が悪いので、検察はHさんを繰り返し尋問し、最初の目撃時刻を曖昧にさせたり、「その後何度も炎を見た」という記述を消させたりした後、最終的に起訴直前に作成した検察官調書だけを証拠として提出しました。そのため、弁護人は、HさんがOさんの「完全なアリバイを証言している事実」を知らないまま一審判決を受けさせられたのです。
 他方、A子さんのロッカーキーがOさんの車から見つかったという問題は、一見するとOさんが犯人だということを裏付ける事情になりそうです。判決によると、Oさんの車内の捜索中にグローブボックスからロッカーキーが出てきたのでA子さんのロッカーを開けてみたら開いた、と認定されています。しかし、A子さんのロッカーはふだんから鍵をかけられておらず、鍵はロッカー内に放置されていたのです。そのような状況の中、事件当日にA子さんが、この日に限ってロッカーキーを持って出たと考えるのは不自然です。仮に持ち出したとしても、Oさんがそれを奪う必要がどこにあったのでしょうか。さらに、検察が言うようにOさんが殺人の痕跡を消すために車内を完璧に掃除したのであれば、なぜロッカーキーだけが車内に残っていたのでしょうか。こういう疑問を辿っていくと、この問題は、「警察が事前にA子さんのロッカーからキーを持ち出し、それをOさんの車内捜索中にグローブボックスに置いて、あたかもそこから発見されたという外観を作り出したのではないか」という疑問に行き着きます。そして、私はそれが最も合理的な推測であると思います。


なぜ裁判官は判断を誤ったのか

 ロッカーキーの問題について、裁判所は、警察が令状なしにOさんの車内からキーを持ち出した点については令状主義に違反すると認めているのですが、ロッカーキー自体の証拠能力は認めています。そして、裁判所は、警察がA子さんのロッカーからキーを持ち出してOさんの車に置いた(つまり、証拠を捏造した)という弁護人の主張を認めません。裁判所は、正義のために仕事をしている警察や検察が、証拠を捏造するなんて有り得ないと思っているのです。しかし、検事ですら物的証拠を捏造することがあり得ることは、村木厚子さんの郵便不正事件で実証済みです。
 Oさんのアリバイを巡る問題は、証拠開示に関する重大な問題を孕んでいます。弁護側が、正確な時刻が記録されている防犯ビデオの存在を知り証拠開示を求めることができたのは控訴審に入ってからです。また、Hさんの初期供述調書は、確定審では遂に開示されず、それが開示されたのは、再審段階に入ってからでした。つまり一審裁判所は、防犯ビデオの存在もHさんの初期供述調書の存在も知らずに、犯人は死体に火をつけたらすぐに現場から逃げたとしてOさんを有罪と認定したのです。基本的に控訴審もそれを踏襲し有罪判決が確定しました。
 なぜ裁判所はそのような不合理極まりない判断をしたのでしょうか。そこで思いつくのがOさんの嘘の問題です。裁判所は嘘をつく被告人は犯人だと思い込むことが多いです。しかし、犯人として疑われて追いつめられた無実の人間が窮地を脱しようとして嘘をついてしまうことはよくあります。これまでの冤罪事件においても、多かれ少なかれ嘘をついている被告人は多いのです。嘘をついているからといって犯人と決めつけると重大な間違いが起こることはこれまでの冤罪の歴史ではっきりしているのですから、裁判所はそのくらいのことは勉強してくれなければ困ります。
 いま、この事件は第二次再審請求が特別抗告審に係属している段階です。弁護団は、次々に最高裁へ補充書を提出していますが、果たして最高裁が聞く耳を持ってくれるでしょうか大崎事件についてあんなにひどい決定が出てしまったので、情勢は決して楽観できる状況ではありませんが、いつかは必ずOさんの無実を晴らしてあげなければいけないと思っています。


冤罪を回避するために法曹が心がけるべきこと

 冤罪を回避するために法曹三者裁判官、検察官、弁護士)に共通して言えることは、無実の者を処罰しないという強い意志、意欲をもって仕事にあたることです。
 検察官は、なりたての頃はそのような気持ちで頑張りますが、無罪を出すと上司に叱られ有罪にすると褒められるという環境の中でだんだん変わっていってしまいます。しかし、立ち止まる勇気、引き返す勇気は必要です。ましてや違法捜査、違法な公判活動は絶対にやってはいけません。
 弁護士は、無実の人は自分の力で救済するんだという格別に強い意欲と熱意を持って全力でぶつかる必要があります。生半可な気持ちで型通りの弁護活動をやっているだけでは強大な権限を持った国家権力に勝てません。被疑者、被告人の言い分をしっかり聞き取って、被告人に有利な証拠を収集することに全力を尽くさなければなりません。そのためには、刑事訴訟法で与えられた権限を最大限に活用して、検察が開示していない証拠をなんとかして突き止め開示させるように努力することが大事です。
 裁判官は、まず謙虚であることが大事です。真実は神のみぞ知ると言われますが、もう一人、被告人が真実を知っています。『それでもボクはやってない』という映画を作った周防正行監督は、「裁判官は被告人に裁かれているという意識を持たなくてはならない」と言っておられましたが、全くそのとおりだと思います。そのためには、真相は被告人の言っているとおりではないのかと考えるところから出発しなければいけません。また、被告人が嘘の弁解をしたということから短絡的に有罪の判断をするということは絶対にあってはなりません。検察官や警察官も人間である以上、困ったときには違法行為に出ることはあり得るし、検察官の手元には国が公権力で集めた証拠が全部あります被告人側がそれを見るチャンスがないという状況を、なんとか変えていかなければいけません
 私はすでに81歳ですから、これからの活動にはおのずから限界があります。したがって、今後の刑事裁判の質の向上、冤罪の阻止・撲滅・根絶はこれから法曹を目指すみなさんに期待を託すしかありません。どうか、皆さん、頑張ってください。
 最後に、冤罪の阻止・根絶と法曹の責任に関する私の結論を申し上げます。
 冤罪の阻止・根絶について法曹は重大な責任を負っていますそれは、法曹三者、いずれにも共通です冤罪の阻止・根絶に向けて最大限の努力をすることは、法曹に与えられた最も重要な、そして法曹だけに与えられた崇高な責務です

木谷明(弁護士、「法学館法律事務所」所属、元東京高等裁判所部総括判事、元法政大学法科大学院教授)
神奈川県平塚市出身。東京大学法学部在学中に司法試験に合格。1961年 大学卒業後、司法研修所に入所。1963年判事補任官(東京地裁)。最高裁判所調査官、浦和地裁部総括判事などを経て2000年5月、東京高裁部総括判事を最後に退官。同年6月公証人(霞ヶ関公証役場)となる。2004年から2012年まで法政大学法科大学院教授を務める。著書の『刑事裁判の心―事実認定適正化の方策』(法律文化社)は、痴漢冤罪を描いた映画『それでもボクはやってない』を撮った周防正行氏の映画作りの参考にされた。その他の著書に『「無罪」を見抜く-裁判官・木谷明の生き方』(岩波書店)、『刑事事実認定の理想と現実』(法律文化社)など多数。
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●『「安倍晋三」大研究』(望月衣塑子&特別取材班著)読了…《「なぜ安倍さんは〈噓〉をつくのか」という…疑問…》

2019年08月20日 00時00分08秒 | Weblog

『「安倍晋三」大研究』https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/510Kb47bYQL._SX338_BO1,204,203,200_.jpg)↑]



「安倍晋三」大研究』(望月衣塑子&特別取材班[佐々木芳郎]著、KKベストセラーズ)読了(2019年8月13日)。2019年6月5日初版第一刷。税別¥1500。

   『●《テンチョンニュース》で決して報じない
     《安倍さんが直接関わった疑惑。民主主義の根幹を壊す犯罪行為》
    「山岡俊介さんの『アクセスジャーナル』の記事【<再度紹介>
     「安倍首相自宅放火未遂事件の闇」で本紙・山岡インタビューも掲載
     (『「安倍晋三」大研究』。望月衣塑子)】…《この疑惑が一過性で過ぎ去った
     のは、表面上しかなぞらない安易な安倍首相叩きに終始したことも大きな原因
     であると思っている。その点、このインタビュー原稿は、
     限られたスペースとはいえ、基本的な奥深い「闇」の部分が説明されている。
     目を通していただければ、そう実感してもらえると思う》」

 《『安倍三代』…を書き上げた青木理さんは若き日の安倍晋三を評して「恐ろしくつまらない男だった」とし…》(p.83)、それが、今やニッポン国の首相。後半の内田樹さんとの対談でも語られているが、この国のシステムの問題で、アベ様のような政治屋に投票する有権者にも問題あり。
 《今回「なぜ安倍さんは〈噓〉をつくのか」という漠然とした疑問からこの本の企画をスタートした…》(p.83)。息吐く様にウソをつくアベ様

 マンガ《一四. 火炎瓶放火未遂事件》(pp.108-109)。
 マンガ《一五. タカ派の貴公子として》(pp.110-111)核兵器保有論者。アベ様ときたら、《憲法上は原子爆弾だって問題ではないですからね、憲法上は。小型であればですね》…こんな人がニッポン国の首相。この国はあまりに恥ずかし過ぎる

 「『アクセスジャーナル』編集長 山岡俊介氏に訊く! 「昭恵夫人も語る、安倍邸放火未遂事件の真相」とは?」(p.168-198)。
 《安倍事務所・秘書が選挙妨害を依頼 !? …大スクープの掲載を止めた共同通信》。《大スクープは「出稿見送り」となった。この経緯については、三年後の二○○六年、月刊『現代』(一二月号)で、ジャーナリストの魚住昭氏と青木理氏がレポート。「これは報道機関の自殺である!」「記事差し止めと「平壌支局」開設のただならぬ関係」「権力にすりよるメディアの腐敗体質を問う」と、古巣である共同通信の安倍政権への「忖度」を糾弾した》(pp.169-170)。アベ様の政で唯一〝うまく行っている〟メディアコントロールの先例の一つ。
 《二〇年近く前のこととはいえ、現総理大臣の事務所による公職選挙法違反は、重大な問題…そしてまた、当時もいまも、大手メディアがこのことを報道しない背景には、政治家とメディアの癒着という問題があります》(p.173)。

 内田樹さん、《憲政史上最長となるかもしれない総理大臣 …噓をつくことに心理的抵抗のない人物、明らかな失敗であっても決しておのれの非を認めない人物が久しく総理大臣の職位にあって、次第に独裁的な権限を有するに至っていることを座視している日本の有権者たちの方です。いったい何を根拠に、それほど無防備で楽観的にしていられるのか。僕にはこちらのほうが理解が難しい。…安倍首相はいずれどこかの時点で首相の地位を去る。でも、彼を独裁的な権力者にして担ぎ上げた政治体制と国民意識がそのあとも手つかずで残るなら、いずれ第二第三の安倍晋三が出てくることを防ぐ手立てがない》(pp.209-210)。
 《ふつうの国の統治者は自国益を最優先するけれど、安倍政権は自国益よりもアメリカの国益のほうを優先する。日本国民から吸い上げた税金をアメリカの軍隊や企業にどんどん注ぎ込む》(p.213)。

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https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784584139059

紹介
憲政史上最長も見えてきた安倍政権。閉塞感が続く日本の政治だが、安倍政権のどこが問題なのか? 政治家・安倍晋三とは何者なのか? いま知っておきたい日本の政治で起きていること、日本の未来。
第1章は「まんが・安倍晋三物語」。岸信介の孫に生まれた安倍首相の誕生から第一次内閣辞任までを、特別取材班・佐々木芳郎氏が検証しまとめた物語を、漫画家・ぼうごなつこさんによる描き下ろし(80P超)。続く第2章は安倍話法と安倍史観から政治家・安倍首相を分析。第3章は思想家・内田樹氏と、「安倍晋三はなぜをつくのか?」について激論! 元事務次官・前川喜平氏から籠池泰典氏まで、安倍首相を知る面々にインタビュー。
東京新聞記者・望月衣塑子氏&特別取材班が、安倍政治を徹底的に考えてみた1冊です!


目次

第1章 まんが・安倍晋三物語
 ~誕生から、第一次安倍内閣総理大臣辞任まで~

人物相関図 政財界に広がる華麗なる安倍家の閨閥

1.未来の大宰相誕生 ~岸信介の孫に生まれて~/2.寂しがりやだった幼年時代/3.強情だった成蹊小学校時代/4.反抗期を迎える中学校時代/5.成蹊高等学校時代 ~安保とおじいちゃま~ /6.成蹊大学へ ~勉強は好きじゃない~/7.アメリカに留学 ~英語に磨きをかける~ /8.社会人デビュー ~神戸製鋼時代~

政治ジャーナリスト 野上忠興氏に訊く!
「安倍晋三とは何者なのか?」

9.政治家への道/10.昭恵夫人との出会い/11.リクルート事件と父の死 /12.拉致問題への取り組み /13.新人議員時代/14.火炎瓶放火未遂事件 /15.タカ派の貴公子として /16.幹事長に抜擢/17.戦後最年少の総理大臣/18.内閣総理大臣を辞任
岸・安倍家三代年表


第 2章 最強首相・安倍晋三を考える
 ~安倍話法と安倍史観 ~

安倍話法を考える①②③④

「ご飯論法」で論点をずらす/「一」「1」で強調して否定する/Y E S(はい)N O(いいえ)で答えない/「印象操作」は時間稼ぎのテクニック

印象操作 実践編「メディア・コントロール」

大新聞で「印象操作」された元文科省事務次官

interview 元文科省事務次官 前川喜平氏に訊く! 
読売新聞報道の舞台裏

安倍史観①②

「戦後レジームからの脱却」を謳う安倍首相の歴史認識/自衛隊と核戦術

『アクセスジャーナル』編集長 山岡俊介氏に訊く!
「昭恵夫人も語る、安倍邸放火未遂事件の真相」とは?

安倍事務所・秘書が選挙妨害を依頼 /大スクープの掲載を止めた共同通信/「これがあるから、わしは捕まらん」/三つの証拠文書があった!/放火未遂事件について赤裸々に語った昭恵夫人/安倍氏は犯人は誰かを知っていた/小山氏と安倍氏は何を話したのか?他


第三章 民主主義と安倍政権

思想家・内田樹氏に訊く!
「安倍晋三はなぜ、〝嘘〟をつくのか?」

日本の政治機構の致命的な欠陥/余人を以って代え難い統治者・安倍晋三/官僚の言い分、メディアの言い分/行政機構の悪魔のしくみ/政治家の資質と立法府の空洞化/安倍マイレージ・システム/教育改革のベクトル ~大学の自治とスクリーニング~ /改憲問題と美しい日本/時間意識の縮減と「嘘」

Special interview 元森友学園理事長・籠池泰典&諄子夫妻に訊く!
「いまだから、話せること」
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●《KKK…20世紀になり移民全体を敵視する組織として復活》…《偏狭な世界のその先に何を見るのか。》

2019年08月19日 00時00分15秒 | Weblog

[※ 「こんな人たち 報道特集(2017年7月8日)↑]



琉球新報のコラム【<金口木舌>KKKのいる世界】(https://ryukyushimpo.jp/column/entry-908645.html)。

 《▼KKKは覆面で顔を隠して黒人らを襲った。現代ではネットの覆面に隠れて、人をおとしめる。他人を排除して、目指すのは「単一」の「純血」な世界か。偏狭な世界のその先に何を見るのか。》

 ウィキペディアによると、「ミシシッピー・バーニング」には批判もあるということを初めて知った。
 スパイク・リー監督作品「ブラック・クランズマン」。



https://www.youtube.com/watch?v=987lXKJqHbY



https://bkm-movie.jp/


 「とある暴力集団」に代表されるような、ニッポンにも醜悪で偏狭なヘイト集団が存在する。《ネットの覆面に隠れて、人をおとしめる》者もいれば、《覆面に隠れ》ることもなく、露骨に観光地にまで現れ、ヘイトを撒き散らして、《人をおとしめる》。さらには、中学生が、人殺しまで教唆する。《偏狭な世界のその先に何を見るのか》? 「どっちもどっち」論で、むしろ、醜悪で偏狭な者たちを後押しする者まで。

   『●「日本の恥と呼ぶべき存在」
    《鶴橋で行われた街宣で、女子中学生が「鶴橋大虐殺」の演説をしたことは
     ネットで話題になっていましたし、韓国でも報じられていたようです。
       これが一気に拡散するのは、この動画に英文字幕がついたものが
     YouTubeにアップされて以降》

   『●《差別の歴史、力の差を無視して「どっちもどっち」論に持ち込む》
                        (阿部岳さん)低民度…抗い続けねば

    「《高江に派遣された大阪府警の機動隊員が県民を「土人」とののしった時、
     松井一郎府知事は「相手もむちゃくちゃ言っている。相手は全て許されるのか
     と言った》…《バージニア州で12日、白人至上主義者が抗議の女性を
     車ではねて死亡させた。トランプ大統領が「双方に責任がある」と語り》、
     こちらも、「どっちもどっち」論とはね。いずこの国も酷いもの。」

   『●「植民地気分」な日米共犯・両政府から
      「犠牲だけを強いられる沖縄」…両国に「真の文明」はあるのか?
    《大阪の鶴橋で女子中学生がこんなことをがなった。
     「…もう、殺してあげたい! いつまでも調子にのっとったら
     南京大虐殺じゃなくて鶴橋大虐殺を実行しますよ!」》

   『●「戦争の端緒」と「表現の自由は他人の自由を侵害したら自由でなくなる」
    「「とある暴力集団」=在特会が「海外からの観光客で賑わう京都で……
     異民族を排撃するヘイトデモ」を行ったそうだ」
    《アメリカには(白人至上主義団体の)KKKがあり彼らにもデモをする
     自由があるが、彼らが言えるのは“We don’t like you”くらいまで。
     “殺す”なんて言うと絶対ストップがかかる》

   『●沖縄県知事選で「ファクトチェック(事実検証)」報道…
           「ネット上にはびこるデマやうそ、偽情報を検証」
   『●デマ言説やデマ本、ヘイト企画、「差別ビジネス」が幅を利かす
                    ニッポンの出版や報道の世界でいいのか?

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https://ryukyushimpo.jp/column/entry-908645.html

<金口木舌>KKKのいる世界
2019年4月25日 06:00
差別 人種 ネット 金口

 「史上最も大胆な潜入捜査」との標語でアカデミー賞脚色賞を受賞した「ブラック・クランズマン」は、白人至上主義を掲げる秘密結社「クー・クラックス・クラン(KKK)」に黒人の刑事が潜入捜査する実話に基づいた映画だ

▼KKKといえば、白のずきんに白の装束の異様な姿が思い浮かぶ。南北戦争後に組織され、黒人を襲い、殺害もあった。いったん収束したが20世紀になり移民全体を敵視する組織として復活し今も活動を続けている

▼KKKで別の映画を思い出した。1960年代、米南部ミシシッピ州で3人の公民権運動家がKKKにリンチされて殺害された事件をテーマにした「ミシシッピー・バーニング」。米国の闇を描き、衝撃を受けた

▼むき出しの差別感情と、目を背けたくなる暴力の連続。60年代は公に人種差別が横行していた時代で、差別との闘いを描いたが、果たして今はどうだろう

▼米交流サイト大手のフェイスブックが、白人中心の国家を目指す白人ナショナリズムや分離主義についての投稿を禁止した。これまでも白人至上主義や人種に関する憎しみの表現を禁止していたが、さらに対策を強化する

▼KKKは覆面で顔を隠して黒人らを襲った。現代ではネットの覆面に隠れて、人をおとしめる。他人を排除して、目指すのは「単一」の「純血」な世界か。偏狭な世界のその先に何を見るのか
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●《家族への脅迫状…「苦しみ抜いて一人で罪をかぶろうとしているのに許せない。もともと無実なのだから」》

2019年08月18日 00時00分59秒 | Weblog


蜘手美鶴記者による、東京新聞の記事【三鷹事件、再審認めず 元死刑囚側 異議申し立てへ】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201908/CK2019080102000133.html)と、
社説【三鷹事件 司法は闇に目をつぶる】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2019080102000155.html)。

 《東京の旧国鉄三鷹駅で一九四九年七月、無人電車が暴走し六人が死亡した「三鷹事件」で、死刑確定後に四十五歳で病死した竹内景助元死刑囚の遺族が申し立てた第二次再審請求審で、東京高裁は三十一日、再審開始を認めない決定をした。弁護団は高裁に異議を申し立てる方針》。
 《七十年前の「三鷹事件」の再審を東京高裁は認めなかった。無人電車が暴走し、大勢の死傷者が出た事件。獄死した元死刑囚の長男が求めた再審だ。あまりに多い謎に司法が応えぬ姿勢は疑問だ》。

   『●大崎事件…再審するかどうかを延々と議論し、
      三度にわたる再審開始決定を最「低」裁がちゃぶ台返し
    「再審するかどうかを延々と議論し、《三度にわたり再審開始決定
     出ながら》、最後に、ちゃぶ台返し。最「低」裁は何を怖れているのか? 
     誤りを潔く認めるべきだ」

 裁判所の面子か何か知らないが、酷いな…裁判官のプライドはないのか? 《再審公判で疑問の一つ一つに白黒つける方法もあろう司法の役目は闇に光を当てることでもある》。再審を開始して、新証拠をきちんと検証し、警察・検察、そして、裁判所は自信があるのならば、過去の証拠をもう一度洗い直せばいい。なぜに、再審を開始しないのか?

 大崎事件について、《元裁判官の木谷明弁護士…「無実の人を救済するために裁判所はあるのではないのか」》と。【報道特集】(http://www.tbs.co.jp/houtoku/onair/20190803_2_1.html)によると、《”伝説”の元裁判官~冤罪救済に挑む (2019/8/3 放送) 無罪判決を30も出し、全てを確定させた元裁判官。退官後、81歳となった今、冤罪救済を目指す弁護士として裁判所に挑んでいる。そこで直面した裁判所の現状とは》。『イチケイのカラス』(http://morning.moae.jp/lineup/994)のモデルの一部になっているらしい。

   『●三鷹事件: 再審請求
    「三鷹事件でただ一人有罪とされた冤罪被告の遺族の方が再審請求を
     されるようです…冤罪で家族は大変に御苦労をされたようです。
     したがって、親族の方は反対されている方も多いようですが、
     今回は長男の方が請求を出されたようです」

   『●『美談の男』読了
     「冤罪が判明(冤罪の疑いが濃厚)した三鷹事件松川事件八海[やかい]事件。
      下山事件、帝銀事件(p.90)」

   『●『日本の公安警察』読了(1/2)
    「GHQの策略・謀略。《一九四九年は、いわゆる公安事件が続発した
     年だった。下山事件(七月五日)、三鷹事件(七月一五日)、松川事件
     (八月一七日)…。いずれをとっても謀略の色が濃く、…
     「キャノン機関」が実行に関わったと指摘されるなど、今も多くが
     謎に包まれている事件ばかりだ》」

   『●『下山事件〈シモヤマ・ケース〉』読了(1/6)
     「国鉄三大ミステリー、あるいは、陰謀事件。「初代国鉄総裁である
      下山定則が、常磐線の線路上で轢死体で発見された下山事件
      車庫にあった無人電車がいきなり暴走して運送店に突っ込み、
      多くの死傷者を出した三鷹事件、そして列車転覆してやはり死傷者を
      多数出した松川事件、この三つの事件が、一九四九年の七月から八月に
      かけて立て続けに起きた」(…)。」
     「家永三郎さんは「…松川事件について、…「結果的にはこの事件が
      当時の権力者、支配者の側に大きなプラスをもたらした・・・。それまで
      政府は革新勢力に押されていたのだが、事件は…、
      日本の局面を大きく変えた」」(…)」

   『●『自然と人間』(2013年12月号、Vol.210)についてのつぶやき
    「【events 三鷹事件再審を求める集い 12月6日(金)18時半~ 
     …千駄ヶ谷区民会館…斎藤潤一約束…』監督】。
     三鷹事件(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/841f9e268326a5e657b01b9889a5c0e3)、
     『約束』http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/8ca7f09d3e1a7878287a20c9ec3ab739)」

   『●『自然と人間』(2014年1月号、Vol.211)についてのつぶやき
    「編集部【三鷹事件再審で歴史の扉が開かれるか】。
     《家族が理不尽な処遇をされることはあってはならないと思います。
     ましてや冤罪ではたまったものではありません》」

   『●国鉄三大謀略「事件が、
     一九四九年の七月から八月にかけて立て続けに起きた」
   『●1949年《公安事件が続発…下山事件(七月五日)、
       三鷹事件(七月一五日)、松川事件(八月一七日)》
    《一九四九年七月、東京の旧国鉄三鷹駅で無人電車が暴走し、
     六人が亡くなった「三鷹事件」。…三鷹事件では、暴走、脱線した
     無人電車が商店などに突っ込み、六人が死亡、約二十人が重軽傷を
     負う惨事となった。同じ時期に発生した下山事件松川事件とともに
     国鉄三大事件と呼ばれる…竹内元死刑囚…は無実を訴えて再審請求
     したが、六七年に脳腫瘍で亡くなった》

   『●国鉄三大謀略事件…1949年《下山事件(七月五日)、
        三鷹事件(七月一五日)、松川事件(八月一七日)》

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201908/CK2019080102000133.html

三鷹事件、再審認めず 元死刑囚側 異議申し立てへ
2019年8月1日 朝刊

     (記者会見する高見沢昭治弁護団長(中央)。左は野嶋真人弁護士
       =31日、東京・霞が関の司法記者クラブで)

 東京の旧国鉄三鷹駅で一九四九年七月、無人電車が暴走し六人が死亡した「三鷹事件」で、死刑確定後に四十五歳で病死した竹内景助元死刑囚の遺族が申し立てた第二次再審請求審で、東京高裁は三十一日、再審開始を認めない決定をした。弁護団は高裁に異議を申し立てる方針。

 弁護団は、暴走した電車(七両編成)の写真を分析した鉄道工学者の鑑定書などを新証拠として提出し、元死刑囚以外の複数犯と強く推認されると主張したが、後藤真理子裁判長は「単独犯とする自白の根幹部分の信用性を否定するものではない。無罪を言い渡すべき明らかな証拠ではない」と判断した。

 電車転覆致死罪などで起訴された元運転士の竹内元死刑囚は、捜査や公判で「単独犯行」「共同犯行」「無実」と供述を七回変遷させた末、単独犯行として死刑を言い渡された。

 長男の健一郎さん(76)=埼玉県=が二〇一一年十一月に申し立てた第二次再審請求審では「先頭車両に入りパンタグラフを上げて暴走させた」などとする竹内元死刑囚の自白の信用性が争点になった。弁護団は、先頭車両だけでなく、二両目もパンタグラフが上がり、車両最後尾の前照灯がついていたなどとして、単独犯では不可能と主張した。

 高裁決定は、二両目のパンタグラフの状態について、別の専門家の意見などから「事故の衝撃で上がった可能性がある」と指摘。前照灯は「もともとスイッチが入ったままだった可能性がある」とした。さらに、現場近くで元死刑囚を見たとする証言を否定する弁護団の再現実験についても「独自の前提で実施され、採用しがたい」と指摘。新旧証拠を総合評価しても「確定判決に合理的な疑いを抱かせるものではない」と結論づけた。

 決定を受け、東京・霞が関の司法クラブで記者会見した弁護団長の高見沢昭治弁護士は「細かい判断を避けた曖昧な決定だ。たとえ本人が亡くなっていても、冤罪(えんざい)は晴らさないといけない」と話した。

 健一郎さんに決定内容を伝えると、表情を変えることなく「納得できない。無実を勝ち取ってほしい」と言われたという。 (蜘手美鶴

三鷹事件> 占領期の1949年夏に起きた下山松川両事件と並ぶ旧国鉄三大事件の一つ。49年7月15日夜、車庫にあった無人電車が暴走し三鷹駅のホームに激突、6人が死亡し約20人が重軽傷を負った。捜査当局は旧国鉄の人員整理に反対する共産党の組織的犯行とみて、運転士の党員ら10人を起訴。一審東京地裁は党員9人を無罪とし、唯一党員でなかった竹内景助元死刑囚の単独犯行として無期懲役を言い渡した。竹内元死刑囚は二審東京高裁で死刑判決を受け、55年に最高裁で確定。第1次再審請求中の67年に病死した。
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2019080102000155.html

三鷹事件 司法は闇に目をつぶる
2019年8月1日

 七十年前の「三鷹事件」の再審を東京高裁は認めなかった。無人電車が暴走し、大勢の死傷者が出た事件。獄死した元死刑囚の長男が求めた再審だ。あまりに多い謎に司法が応えぬ姿勢は疑問だ

 事件は一九四九年七月の夜。国鉄(現JR)中央線三鷹駅(東京)で無人電車が暴走し、六人が死亡、約二十人が重軽傷を負った。竹内景助元死刑囚は電車転覆致死罪で、同じ旧国鉄職員だった共産党員らとともに起訴された。

 約十万人もの人員整理に抗議し、事故を起こしてストのきっかけにする目的だったとされた。党員九人の共同謀議は「空中楼閣」と判断され無罪だったが、竹内元死刑囚には無期懲役。二審で死刑判決を受けた。再審請求中の六七年に四十五歳で獄死している。

 当時は謎めいた事件が相次いだ。三鷹事件の九日前には国鉄総裁が死体で発見される「下山事件」。約一カ月後には東北線の松川駅(福島県)で列車が転覆される「松川事件」があり、一、二審で複数人の死刑判決が出たが、最終的に全員が無罪確定した。

 これらの背後には、米占領下でもあったことから、共産党の弱体化を狙った連合国軍総司令部(GHQ)が関与した説もあったほどだ。そんな時代だった。

 三鷹事件で疑わしいのは、竹内元死刑囚の供述の変遷である。逮捕時は「否認」。勾留質問でも取り調べでも「否認」。起訴直前に単独犯行を「自白」。公判では「他人との共同犯行を自白」「単独犯行を自白」。やがて「否認」…。無罪を主張した。捜査段階と公判段階で激しく否認と自白を繰り返した信用性に疑義が生じるのは当然である

 無実の主張を始めたきっかけは家族への脅迫状だった。「苦しみ抜いて一人で罪をかぶろうとしているのに許せないもともと無実なのだから」-、そう接見した人に語ったという。

 電車を起動、発車させたのは人為的だとしても、それは「自白」に寄り掛かっている。単独犯では難しいとも弁護団は主張した。事件時に竹内元死刑囚を見たという目撃証言も怪しいと…。電車区は停電の最中だった。

 東京高裁は「総合評価しても確定判決の事実認定に合理的な疑いを抱かせるものとはいえない」と新証拠の価値を退けた。だが、再審公判で疑問の一つ一つに白黒つける方法もあろう司法の役目は闇に光を当てることでもある
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●国鉄三大謀略事件…1949年《下山事件(七月五日)、三鷹事件(七月一五日)、松川事件(八月一七日)》

2019年08月17日 00時00分40秒 | Weblog


琉球新報のコラム【<金口木舌>三鷹事件と喜屋武由放】(https://ryukyushimpo.jp/column/entry-953805.html)。

 《▼無実を訴えた由放は公判で名を聞かれ「自由解放の由放だ」と答えた。50年の一審判決で由放を含む党員9人は無罪だった。唯一、党員でない竹内景助は一審で無期懲役、二審の死刑が確定後、獄死した…権力は身体と思想の自由を奪う。竹内の遺族は今も再審請求中だ》。

 1949年、《公安事件が続発…三鷹事件(七月一五日)…》。
 国鉄三大謀略「事件が、一九四九年の七月から八月にかけて立て続けに起きた」。東京高裁では、御長男による再審請求が続いているとのこと。国鉄労働組合国労)つぶしという背景もあったのではないでしょうか。竹内景助元死刑囚は無実を訴えつつ獄中死されています。冤罪が晴れるれる日はいつになるのでしょう。

 2019年7月参院選が終わり…。
 アベ様による善政は何一つ無し。悪辣な独裁状態。そんなアベ様の「政」で唯一〝上手く行っている〟のが、メディアコントロール《日本のメディアの閉塞状況》《閉塞するメディア、政権批判に対して圧力がかかる不健全な言論状況》…。《権力は身体と思想の自由を奪う》…恐ろしい世の中が再びやってきた。

   『●三鷹事件: 再審請求
    「三鷹事件でただ一人有罪とされた冤罪被告の遺族の方が再審請求を
     されるようです…冤罪で家族は大変に御苦労をされたようです。
     したがって、親族の方は反対されている方も多いようですが、
     今回は長男の方が請求を出されたようです」

   『●『美談の男』読了
     「冤罪が判明(冤罪の疑いが濃厚)した三鷹事件松川事件八海[やかい]事件。
      下山事件、帝銀事件(p.90)」

   『●『日本の公安警察』読了(1/2)
    「GHQの策略・謀略。《一九四九年は、いわゆる公安事件が続発した
     年だった。下山事件(七月五日)、三鷹事件(七月一五日)、松川事件
     (八月一七日)…。いずれをとっても謀略の色が濃く、…
     「キャノン機関」が実行に関わったと指摘されるなど、今も多くが
     謎に包まれている事件ばかりだ》」

   『●『下山事件〈シモヤマ・ケース〉』読了(1/6)
     「国鉄三大ミステリー、あるいは、陰謀事件。「初代国鉄総裁である
      下山定則が、常磐線の線路上で轢死体で発見された下山事件
      車庫にあった無人電車がいきなり暴走して運送店に突っ込み、
      多くの死傷者を出した三鷹事件、そして列車転覆してやはり死傷者を
      多数出した松川事件、この三つの事件が、一九四九年の七月から八月に
      かけて立て続けに起きた」(…)。」
     「家永三郎さんは「…松川事件について、…「結果的にはこの事件が
      当時の権力者、支配者の側に大きなプラスをもたらした・・・。それまで
      政府は革新勢力に押されていたのだが、事件は…、
      日本の局面を大きく変えた」」(…)」

   『●『自然と人間』(2013年12月号、Vol.210)についてのつぶやき
    「【events 三鷹事件再審を求める集い 12月6日(金)18時半~ 
     …千駄ヶ谷区民会館…斎藤潤一約束…』監督】。
     三鷹事件http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/841f9e268326a5e657b01b9889a5c0e3
     『約束』http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/8ca7f09d3e1a7878287a20c9ec3ab739

   『●『自然と人間』(2014年1月号、Vol.211)についてのつぶやき
    「編集部【三鷹事件再審で歴史の扉が開かれるか】。
     《家族が理不尽な処遇をされることはあってはならないと思います。
     ましてや冤罪ではたまったものではありません》」

   『●国鉄三大謀略「事件が、
     一九四九年の七月から八月にかけて立て続けに起きた」
   『●1949年《公安事件が続発…下山事件(七月五日)、
         三鷹事件(七月一五日)、松川事件(八月一七日)》
    《一九四九年七月、東京の旧国鉄三鷹駅で無人電車が暴走し、
     六人が亡くなった「三鷹事件」。…三鷹事件では、暴走、脱線した
     無人電車が商店などに突っ込み、六人が死亡、約二十人が重軽傷を
     負う惨事となった。同じ時期に発生した下山事件松川事件とともに
     国鉄三大事件と呼ばれる…竹内元死刑囚…は無実を訴えて再審請求
     したが、六七年に脳腫瘍で亡くなった》

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https://ryukyushimpo.jp/column/entry-953805.html

<金口木舌>三鷹事件と喜屋武由放
2019年7月15日 06:00
名護 三鷹事件 金口木舌

 名護市のヒンプンガジュマルの近くに、1998年建立の徳田球一記念碑がある。1894年に名護で生まれた徳田は日本共産党設立に関わり戦後は衆院議員になった。1950年のレッドパージで追放後、53年に北京で客死した

▼70年前のきょう、東京の三鷹駅で無人列車が暴走し6人が死亡、20人が重軽傷を負った。捜査当局は旧国鉄の人員整理に反対する共産党の組織的犯行として、10人を起訴した。戦後の国鉄三大事件の一つ、三鷹事件

▼名護の記念碑建立に尽力し95年に亡くなった喜屋武由放も被告の一人。父・保昌は豊見城出身で東京帝国大学に進学し社会主義運動に加わった。東京生まれの由放も徳田らと接し入党した

▼無実を訴えた由放は公判で名を聞かれ「自由解放の由放だ」と答えた。50年の一審判決で由放を含む党員9人は無罪だった。唯一、党員でない竹内景助は一審で無期懲役、二審の死刑が確定後、獄死した

▼片島紀男氏の著書「三鷹事件」(NHK出版)は当局の見込み捜査と、疑問を抱かない当時の報道の危うさを指摘した。起訴の背景に連合国軍総司令部(GHQ)の反共の思惑があったという裁判官の述懐もある

▼竹内は獄中から由放宛ての手紙に「無罪真実を明かすため」「人の心に記されることを祈って」とつづった。権力は身体と思想の自由を奪う。竹内の遺族は今も再審請求中だ。
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