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●足利事件と飯塚事件との12日間: 死刑執行された久間三千年さんの冤罪は晴らされるか?

2014年03月31日 00時00分47秒 | Weblog


asahi.comの記事【DNA型の鑑定評価が焦点 飯塚事件、再審の可否判断】(http://www.asahi.com/articles/ASG3Y5VLHG3YTIPE01R.html)。

 「「飯塚事件」で、福岡地裁(平塚浩司裁判長)は31日、死刑が執行された久間(くま)三千年(みちとし)元死刑囚(執行時70)の再審を認めるかどうかの決定を出す。有罪の根拠の一つとされた当時のDNA型鑑定の信用性を地裁がどう評価するかが焦点」・・・・・・いよいよ再審の可否の判断である。
 足利事件飯塚事件との12日間。2008年10月16日に足利事件のDNA再鑑定が決定し、その僅か12日間、同年10月28日に飯塚事件の冤罪死刑囚・久間三千年さんの死刑が執行されている。この飯塚事件もDNA鑑定が大きな証拠の一つとされている。問題は、足利事件と同じ科警研のDNA鑑定手法であった点。足利事件のDNA再鑑定の決定が決まった時点で、飯塚事件の死刑執行を停止すべきであったにもかかわらず、僅か12日後に、時の森英介法務大臣が「死刑のスイッチ」を押してしまった。それに加えて、久間さんは一貫して否認、つまり、まったく自白していない点、死刑判決が下って数年であり、かつ、再審請求の意志があった点、この死刑執行の異例さ、異常さが分かる。これは、死刑執行時既に久間さんは70歳と高齢であり、刑務所内での久間さんの病死などを許さず、司法の手で死刑にしたい、という官僚の心理が働いたのではないかとも予想される。また、先の袴田事件同様、今回も、「証拠の捏造」が疑われている。立ち会った刑務所の職員、教誨師、そして、なにより久間さん自身がその執行を伝えられた朝、そして、刑場で首に縄を掛けられた時・・・・・・一体どんな思いだっただろうか? 想像するだに恐ろしい。死刑執行に関わった警察官、検察官、科警研、裁判官、森英介法相・・・・・・は、(私は冤罪だったと信ずる)久間さんの命を返してくれるのでしょうか? さらに、真の犯人を逃したことの責任、久間さんのご家族や関係者だけでなく、飯塚事件の被害者の親族への責任をどうとるつもりだろう。

 袴田事件についての静岡地裁村山浩昭裁判長の大英断と同様に、福岡地裁平塚浩司裁判長が決断を下せるかどうか? 「犬」や「ひらめヒラメ裁判官」でないことを祈るしかない。

   『●死刑存置賛成派と飯塚事件
   『●NNNドキュメント’13:
          死刑執行は正しかったのか 飯塚事件 “切りとられた証拠”』

   『●飯塚事件の久間三千年さんと福岡事件の西武雄さん
   『●贖罪:足利事件再鑑定から12日後の2008年10月28日朝、
               飯塚事件久間三千年元死刑囚の死刑が執行
』  
      2008年10月16日 足利事件 再鑑定へ
      2008年10月28日 飯塚事件 死刑執行
      2009年 4月20日 足利事件 再鑑定で一致せず

   『●手遅れ!! ~死刑のスイッチを押すことと死刑執行~
    「陶山博生氏(p.43)は飯塚事件で一審担当。久間三千年さんの
    「死刑執行命令を下したのは、麻生内閣の森英介法務大臣(当時)である。
    大臣任命後1か月後に、死刑判決からたった2年足らず死刑囚
    執行命令を下すのは極めて異例である。・・・再申請求の準備・・・
    なぜ久間氏の死刑が先に執行されたのか、全く理解に苦しむ

   『●「官僚司法とその提灯持ちは改革を拒否し続けている」
                         ・・・冷たい司法が続くわけだ
   『●「飯塚事件」「福岡事件」「大崎事件」
     ・・・・・・に係わる弁護士たちで『九州再審弁護連絡会』発足
   『●足利事件と飯塚事件と、そして「国家は人を殺す」:
                谷垣禎一法相「死刑制度は国民から支持」
   『●袴田事件、そして死刑執行後の『飯塚事件』再審
                           司法の良心を示せるか?


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http://www.asahi.com/articles/ASG3Y5VLHG3YTIPE01R.html

DNA型の鑑定評価が焦点 飯塚事件、再審の可否判断
丹治翔 2014年3月30日00時19分
 
 福岡県飯塚市で1992年に女児2人が殺害された「飯塚事件」で、福岡地裁(平塚浩司裁判長)は31日、死刑が執行された久間(くま)三千年(みちとし)元死刑囚執行時70)の再審を認めるかどうかの決定を出す。有罪の根拠の一つとされた当時のDNA型鑑定の信用性を地裁がどう評価するかが焦点。再審が認められれば、死刑執行後初のケースとなり、地裁の判断が注目される。

 久間元死刑囚は捜査段階から一貫して無罪を主張したが、再審請求を準備中の2008年10月に死刑が執行された。刑事訴訟法は、確定判決後に「無罪を言い渡すべき明らかな証拠」を新たに見つけ、請求に理由がある時、再審開始を決定すると定めている。元死刑囚の妻(66)は09年10月に再審を請求した。

 弁護団は再審請求審で、「新証拠」を提出した。①専門家による女児の体に付着していた血液のDNA型鑑定②その血液型鑑定③遺体遺棄現場近くで元死刑囚の車と同じ型の車を見たという目撃証言についての心理学者の鑑定、の三つだ。

・・・・・・。
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コメント
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●原子力「推進」委員会であり、「規制」委でもなく、「寄生」委員会(1/2)

2014年03月30日 00時00分38秒 | Weblog


magazine9.jpの記事【いま、東電で起きていること、原子力規制委員会の危うい動き】(http://www.magazine9.jp/article/osanpo/11010/)。
asahi.comの記事【原発事故と規制委―教訓いかす改革続けよ】(http://www.asahi.com/paper/editorial.html?iref=comtop_pickup_p、3月9日)。
東京新聞の記事【3・11から3年 まだ知らないフクシマ】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2014030902000146.html)。
asahi.comの記事【原発政策―問題先送りを続けるな】(http://www.asahi.com/paper/editorial.html?iref=comtop_pickup_p)。
最後に、peacephilosophy.blogspot.jpの記事【原子力規制委「帰還に向けた考え方」にある4つの重大な問題点: 反核医師会より抗議声明】(http://peacephilosophy.blogspot.jp/2014/03/blog-post_7.html)。

 「政府は原発再稼働へはっきりと舵を切った。それに呼応するように、原子力規制委員会の動きもかなり以前とは変わってきている。各原発の安全審査を、「再稼働」の方向へ導こうとしているように見えるのだ」・・・・・・露骨な原子力「推進」委員会っぷり。

 アベ自公政権と協力しての原発再稼働への動き、それを後押しする原子力「推進」委員会。「推進」委員会であり、「規制」委でもなく、むしろ「寄生」委。「原発再稼働の前提となる原子力規制委員会の審査が、最初のヤマ場を迎えつつある。新しい規制基準に比較的早く適合しそうな原発の絞り込みが進み、最初の再稼働の候補原発が「優先審査」の対象として近く公表される見込みだ。再稼働に前のめりな政治家らからは「世界一厳しい規制」といった言葉も聞かれる。基準を満たしさえすれば問題ない、と言いたげだ。だが、それは違う」。

   『●覆水盆に返らず、3.11から3年も経って今頃言っている愚かさ

 「地元」民や「地元」首長にも大いに問題あり。自公政権や「寄生」委等々に「騙されること」そして「無関心」の責任。「過去に目を閉ざすものは、現在にも盲目になる--。原発事故にも通ずるかもしれない。あれから三年。私たちは、福島原発事故を実はまだ知らない・・・・・・政府のエネルギー基本計画案は原発をあらためて「重要なベースロード電源」と位置付けた。昼夜を問わず、一定量の電力供給を担う主要な発電設備のことをいう。一昨年の衆院選で掲げた脱原発依存の約束に目をつむり、3・11以前に戻したいという意味だ・・それでもなお、映画を見た多くの人が「知らなかった」という感想を寄せてくる・・・・・・福島原発事故がどれほど大きな事故だったのか。もし偶然の救いがなければ、どれほど巨大な事故になったか。国民として、もっと正しく知る必要があるだろう」。

   ●無関心の責任: 自公は「原子力に依存しなくてもよい経済・
                 社会構造の確立」、「原発ゼロ」を公約

 最後に、暴走する原子力「推進」「奇声」「寄生」委員会への抗議・・・・・・「1,100ミリシーベルト以下の被ばくでも健康被害の可能性を認めるのが、現在の国際的動向である・・・・・・2,ICRPの勧告でも、積極的な住民参加による意思決定や健康管理の充実を強調している・・・・・・・3,個人線量計による計測結果を重視することで、被ばくに対する個人責任や新たな社会的問題を生み出す危険がある・・・・・・4,健康相談員による相談だけでは、住民に安全・安心の健康管理は不可能である」。

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http://www.magazine9.jp/article/osanpo/11010/

時々お散歩日記
鈴木耕
170


いま、東電で起きていること、
原子力規制委員会の危うい動き

 安倍政権のあまりに極右的な突っ走りぶりに目を奪われている間に、原発再稼働への動きが露骨になってきた。舛添要一氏の東京都知事当選で、まるで「再稼働承認」の錦の御旗を得たとでも言わんばかりに、政府は原発再稼働へはっきりと舵を切った。

 それに呼応するように、原子力規制委員会の動きもかなり以前とは変わってきている。各原発の安全審査を、「再稼働」の方向へ導こうとしているように見えるのだ。

 東電は、相変わらず超高濃度汚染水の垂れ流しを単純な機器の不具合でごまかそうとする。

 さらに、米倉経団連会長からも「原発新規建設」を求める声が公然と上がり始めたし、事故後しばらくは顔を見せなかった原子力ムラ(小出裕章さんは「原子力ムラではない、あれはもっとたちの悪い原子力マフィアです」と常々言っておられる)の面々も、最近では恥ずかしげもなくマスメディアに顔を出すようになってきた。出すほうも出すほうである。

 政府の原発関連の審議会や懇談会のメンバーには、原発マフィアの連中がいつの間にか復帰。それを土台にして、政府の「エネルギー基本計画」なるものは、言葉遊びで国民をたぶらかそうとする。

 NHKへの安倍支配は制作現場にまで及び、原発関連のラジオ放送を事前チェックでやめさせたりもする。NHK側は「都知事選の最中なので、政治的議論のあるものは避けてほしいと要請しただけ」と弁解したが、それならば、TPPも集団的自衛権も憲法も秘密保護法も社会保障もアレもコレも…すべて避けなければならない理屈になる。

 賛否の議論がある社会問題を取り上げられないのなら、それはもはや“報道機関”ではない。あまりにトンチンカンで呆れるほど面白い籾井会長や某作家もいることだし、NHK丸ごと吉本へでも払い下げるがいい…吉本も迷惑だろうが。と、皮肉のひとつも言いたくなるのだ。

 最近の原発をめぐる危うい状況を見てみよう。

 昨年末以来、原子力規制委員会は、泊原発3号機(北海道、北海道電力)、大飯原発3,4号機(福井、関西電力)、高浜原発3,4号機(福井、関電)、伊方原発3号機(愛媛、四国電力)、川内原発1,2号機(鹿児島、九州電力)、玄海原発3,4号機(佐賀、九電)など4電力6原発10基の安全審査に入っている。

 そして1月26日には、女川原発2号機(宮城、東北電力)の安全審査も規制委が開始した。

 これらの審査について、規制委の更田豊志委員は早々と(1月9日)、「安全審査の新基準に不適合とされる原発が出てくるとは、考えていない」と語り、大飯原発については「夏になってまだ安全審査をやっているとは思わない」。さらに、高浜原発についても「夏までの再稼働は不可能ではない」と、ほぼ審査合格のお墨付きを与えてしまった。

 審査途中で「不適合の原発は出てこない」と語る。これはそうとうな問題発言だ。きちんとした審査報告書が作られる前に、規制委員がこんな発言をしてしまう。結論ありきの上での審査だと言われても仕方ないではないか。ところが、この更田発言に対する批判がほとんど聞かれない。逆に、政府筋からは更田発言を評価する声が上がっている始末。

 なお、更田委員は、原子力ムラのど真ん中に位置する日本原子力研究開発機構の副部門長という要職にあった人。委員就任当初から「中立であるべき原子力規制委員としては、偏った人事ではないか」との批判を受けていたが、その批判が当たっていたというべきだろうか。

 アベノミクスの重要な柱である原発再稼働に、規制委そのものも飲み込まれ始めたのかもしれない。

 そのことは、政府の「エネルギー基本計画」にあからさまだ。「原発を重要なベース電源とする」という当初の内容が、都知事選前には原発という争点隠しのためにウヤムヤにされていたが、舛添氏が当選したと見るや「原発は重要なベースロード電源」というわけの分からない言葉に置き換えられてゾンビ復活。官僚たちの言葉遊びも度が過ぎる。

 「ベース電源」を「ベースロード電源」に書き直して、いったい何が変わるというのか。舛添当選で、官僚も政治家も「国民の程度はこんなもの」と高を括ったとしか思えない。

 規制委は1月20日、敦賀原発2号機(福井、日本原電)の断層の再調査に入った。しかし、この再調査はどうも不可解だ。なぜなら、規制委はこの断層が「活断層である」とすでに判断していたからだ。

 それに対し日本原電が「独自調査した結果、活断層ではない」と言い出した。原子炉建屋の下に活断層があれば原発稼働は許されない。確かに日本原電にとっては死活問題だろう。だが、一度、活断層だと判断したものを電力会社が独自調査で否定したら、それを受けて規制委が再調査するというのであれば、いつまで経っても調査は終わらない。再稼働への道はいつでも開かれている、ということになる。

 同じことが東通原発(青森、東北電力)の安全審査でも起きている。実はこの原発も、2013年2月に「敷地内にある断層群の多くが活断層である可能性が高い」と、規制委の調査団が認定する報告書をまとめていたのだ。

 ところが、東北電力側が反論、「これは地層が水を吸って膨張するいわゆる『膨潤現象』で形成されたもの」という、かなり無理な主張の追加調査書を提出。それをもとに調査団が再議論。

 一度、規制委として結論を出したものを、電力会社側が反論すれば再調査する。これでは、いつまで経っても終わらない。

 なぜこんなことが起るのか。原子力関連ではよくあることだが、審議会や調査団のメンバーがいつの間にか入れ替わっていて、最初の結論とは違う方向へ議論が誘導される。電力会社側が、それを画策している。そして、規制委はまんまとその電力側の意図に乗った…?

 最近、どうも規制委に微妙な危うさを感じているのは、そんな動きが垣間見られるからだ。現在の規制基準では、原発の重要施設の下に活断層が認められれば、その原発は廃炉としなければならないことになっている。だから、電力会社としてはどんな手段を使おうと、とにかく「活断層」を認めるわけにはいかない。すでにある原発を廃炉とせざるを得なくなれば、確かにそれだけで莫大な赤字となるからだ。

 しかし、ほんとうにそうなのか。むしろ、危険な原発を延命させることのほうが膨大な損失を生むのではないか。

 考えてみれば、今のうちに廃炉への道筋を作っておけば、再びの大事故は何とか回避できる可能性が高い。凄まじい事故賠償金と除染費用、事故収束への気の遠くなるような時間とカネ…。もう一度、過酷事故が起きた場合を想定すれば、廃炉のほうがずっと安くつくと思うのだが、甦りつつある原子力ムラの村民たちは、崩壊したはずの「安全神話」に今でもすがりついている。東電福島原発事故からいったい何を学んだのか。

 かつて『塀の中の懲りない面々』(安部譲二)という面白い小説があったけれど、まったく「原子力ムラの懲りない面々」には、手の施しようがない。

 東京電力福島事故原発の高濃度汚染水漏れは、もはや絶望的な域に達している。もう「高濃度汚染水漏れ」と聞いても、こちらも不感症気味になってしまったが、実は大変なことなのだ。

 東電が2月20日に公表したところによれば、福島事故原発のタンクから、なんと100トン以上もの高濃度汚染水が漏れていた。それも並みの「高濃度」ではない。放射性ストロンチウムなどベータ線を放出する放射性物質が、2億4千万ベクレル/リットル検出されたという。むろん、これまでで最高値。国が定めた放出限度の数百万倍にも相当するという。

 昨年夏にも高濃度汚染水の漏洩事故があったが、このときは規制委が「原子力事故の国際基準で5番目に深刻なレベル3に相当する」との厳しい評価を下している。それに準拠すれば、今回の事故は、もっと深刻といわなければならないはずだ。だが、それにしてはマスメディアがおとなしい。

 いつものことだが、東電の事故発表は必ず大きな話題の陰に隠れるように行われる。今回も見事に「オリンピックのバカ騒ぎ」に乗じた。「感動」や「美談」の大報道の中で、この恐ろしい値の汚染水漏れ事故は、なんとなくかき消されてしまった。いつもながらの手法。

 もうひとつ、この汚染水漏れで見逃してはならないことがある。

 東電は当初、この事故は「警報は出たが、水位計の不具合と判断し、水位を確かめなかった」と言っている。つまり、機器の故障によるものだったとの判断である。しかしその後、「汚染水の移送先のタンクに続く配管の弁以外はすべて閉じられているはずなのだが、3つの弁のうち、ミスで2つの弁が開いたままだった。そこから汚染水が漏れた可能性がある」と訂正した。だがこれでは収まらず、訂正は続く。24日、「2つの弁が開いたままだったのは、作業を簡単にするために東電の指示で開けておいた」ということを発表せざるを得なくなった。つまり、東電は2度にわたってウソの発表をしたのだ。東電の虚偽・隠蔽体質はまったく改善されていない。

 さて、ではなぜ、これが大きな問題なのか。

 東電は「機器の不具合なのだから、直せば問題はない」と言いたかったのだ。もし人為的ミスだとすれば、人員の増強や作業手順の教育などを根本からやり直す必要が出てくる。東電は、それを避けたい。

 ただでさえ福島原発での作業員の数は減少傾向。特に熟練作業員は被曝許容量を超えたために現場から離れつつあるという。さらに、安倍が「アンダー・コントロール」と世界に向けて大ウソをついた揚句の果ての東京オリンピックで、土木関連の作業員は東京へ流れ始めているという。福島原発で人員不足に陥るのは当然だ。

 これではもっと人為ミスが起きかねない。人為ミスであることがはっきりすれば、ベテラン作業員の補充が急務となる。そこで、柏崎刈羽からベテランを福島へ応援に行かせるべきだ、との声が上がり始めた。

 東電は、こんな汚染水漏れの末期症状の中で「柏崎刈羽原発再稼働へ向けた安全審査」を規制委に申請している。もし、福島事故原発での汚染水対策が進まなければ、柏崎刈羽原発からベテランを福島へ回さざるを得ない。そうなれば、肝腎の柏崎刈羽原発の再稼働に支障が出てくる。

 だから何としてでも、東電は「人為ミス」ではなく「機器の不具合・故障」ということにしておきたかったのではないか。多分、この推測は当たっているだろう。

 そんな中で東電は25日、今度は福島第一の4号機の使用済み核燃料プールでの冷却が停止したと発表。電源ケーブルを作業員が誤って切断したのが原因ではないかという。これもまた人為ミスなのは明らか。

 このプールには1500体以上の核燃料があるが、プールは地震で脆弱化。もし再度の地震や台風などでプールが崩壊したら東日本は全滅、とまで言われる危険な部分だ。早急にこの核燃料を運び出さなければならないが、現在のところ運び出し完了したのは、まだ396体。そこでまたもや人為ミス。柏崎刈羽原発再稼働などと言っているのは正気の沙汰ではない。東電は、ありとあらゆる力を福島へつぎ込むのが当然だろう。

 柏崎刈羽原発再稼働を言うのなら、最低限、福島原発事故を収束させてから言え! である。

 もうひとつ指摘しておきたい。

 これは前にも書いたことだが、どんなに精密な機械を造ろうと、「神ならぬ人間」がそれを操作する限り、事故は“絶対に”防げない。何度も何度も繰り返す東電の事故を見ていると、なぜそんなにしてまで原発にこだわるのか、僕にはとうてい理解できない。

 繰り返すが、どんなに素晴らしい技術と理解力を持った人間だって、絶対にミスを犯す。人間はミスを重ねながら進歩する。だからミスは歓迎すべきだ、という人もいる。それは正しいだろう。けれど、それを原発へ適用することだけは“絶対に”してはならない。

 原発での事故は、自分の世代だけではなく、数百年数千年…いや数万年の彼方まで影響を及ぼす。なぜ、原子力ムラの村民たちはそれを想像できないのか。それとも、自らが神の座にある、とでも思い上がっているのだろうか。
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http://www.asahi.com/paper/editorial.html?iref=comtop_pickup_p、3月9日】

原発事故と規制委―教訓いかす改革続けよ
2014年3月9日(日)付

 原発再稼働の前提となる原子力規制委員会の審査が、最初のヤマ場を迎えつつある。

 新しい規制基準に比較的早く適合しそうな原発の絞り込みが進み、最初の再稼働の候補原発が「優先審査」の対象として近く公表される見込みだ。

 再稼働に前のめりな政治家らからは「世界一厳しい規制」といった言葉も聞かれる。基準を満たしさえすれば問題ない、と言いたげだ。

 だが、それは違う。

 周辺住民の避難計画や使用済み核燃料の行き先など、規制基準には含まれない大きな問題が横たわっている。それだけではない。規制委による審査そのものも改革途上であるからだ。

 規制委の審査はまだ、福島第一原発事故の反省を十分に反映しているとはいえない。狭い範囲に多くの原発がある集中立地の問題など、重要課題がいくつも残されている。


■集中立地は未検討

 思い起こそう。3年前、福島第一では1、2、3号機が次々に炉心溶融を起こし、大量の放射性物質をまき散らした。

 「どこまでひどいことになるのか」。日本中が底知れない恐怖に襲われた。

 4号機の燃料プールが過熱して使用済み核燃料が大規模に破損すれば、放射能汚染で近づけなくなる恐れがあった。

 そうなれば、停止中の5、6号機や12キロほどしか離れていない福島第二の4基まで、最大10基の原発から次々に放射能が放出されることもありえたのだ。

 運転員の懸命な努力や4号機燃料プールに大量の水が流れ込んだ幸運などで、「最悪のシナリオ」はかろうじて免れた。

 それでも、世界の原子力規制当局には衝撃を与えた。主流になっている軽水炉で放射能を大量放出する過酷事故が起き、さらに燃料プールや集中立地のリスクまで浮上したためだ。

 日本を含む各国とも、自然災害対策などを見直し、複数基の同時事故に対応できる態勢を事業者に求めるようになった。

 ただ、7基を抱える柏崎刈羽原発(新潟県)があり、福井県内には14基の原発・高速増殖炉が集まるなど、日本は集中立地では世界的にも突出している。それを考えると、規制委の取り組みは甘い。

 規制委の田中俊一委員長は「いずれ議論しなければいけないが、まだしていない」という。1カ所でいくつもの原発が同時に動く状況はまだ先と考えているからのようだ。

 しかし、燃料が入った原発は止まっていても危険がある。運転は1基でも、近くに原発があれば事故拡大の危険がつきまとう。特に複数の事業者が絡むと事業者任せではすまない。

 日本こそ率先して検討すべき問題だ。集中立地のリスクに正面から向き合わずに、審査結果をどう説明するつもりなのか。


■訓練も抜き打ちで

 新規制基準は、地震や津波などの自然災害に備えた設備面では格段に厳しくなった。

 過酷事故も想定させ、各原子炉で炉心損傷事故の確率を1万年に1回程度以下に抑えるなどとする「安全目標」も定めた。目標を満たすように構造や設備を強化させる。

 欧米では広く採用されている手法で、日本でも10年以上前から議論されながら安全神話に阻まれて導入されずにきた。

 安全目標で比べれば、各国とほぼ同水準であり「世界一」ではない。設備の追加要求に事業者は不満顔だが、自然災害の多い日本では最低限の水準と考えるべきだ。

 一方、運転時の事故対応などソフト面の規制はまだ弱い。航空機の衝突しか考慮していないテロ対策も含め、抜本的な見直しが必要だ。訓練の立ち会いで済まさず、事故やテロ時の対応を事前の打ち合わせなしで実地で審査するなど、海外の実践例にも学んで強化すべきである。


■周回遅れ取り戻せ

 福島での事故は事業者に都合のいい規制のもとで起きた。規制強化は欧米から周回遅れであり、早く追いつく必要がある。

 国民への説明にはもっと意をつくすべきだ。委員長会見や審査会合をインターネットで中継したりしているが、審査や規制について社会にどこまで伝わっているだろうか。避難計画への関与も強めてもらいたい。

 実務にあたる職員の能力と意欲を高めることも不可欠だ。

 原子力規制庁は原子力安全基盤機構を統合し、職員が約千人に倍増した。機構は事故前も審査実務を担い、「事業者寄り」との批判を浴びた。新生規制庁は意識を改め、事業者と健全な緊張関係を持ち、規制の質を高めなければならない。

 それには規制委が原発推進派から独立を保ち、規制の意義を職員に浸透させる必要がある。

 安倍政権や事業者は再稼働を急ごうとしている。しかし、規制委はあくまで厳格な審査を貫き、常に改善策を追究していく姿勢が求められる。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2014030902000146.html

【社説】
3・11から3年 まだ知らないフクシマ
2014年3月9日

 過去に目を閉ざすものは、現在にも盲目になる-。原発事故にも通ずるかもしれない。あれから三年。私たちは、福島原発事故を実はまだ知らない。

 忘却が神話を復活させるのか。

 政府のエネルギー基本計画案は原発をあらためて「重要なベースロード電源」と位置付けた。昼夜を問わず、一定量の電力供給を担う主要な発電設備のことをいう。

 一昨年の衆院選で掲げた脱原発依存の約束に目をつむり、3・11以前に戻したいという意味だ。


◆忘却とは少し違う

 「忘却というのは、ちょっと違うかな…」

 写真家の島田恵さんは、少しの間考え込んだ。核燃料サイクル施設が集中する青森県六ケ所村で十二年間生活し、変わっていく村の様子、変われない村の暮らしをつぶさに記録し続けたことがある。

 3・11の後、六ケ所と福島を結ぶ記録映画「福島 六ヶ所 未来への伝言」を製作し、自主上映会を経て先月、東京・渋谷の映画館で初公開した。

 核燃料サイクルとは、原発で使用済みの核燃料を再利用する計画だ。エネルギー政策の根幹ともされてきた。

 核のごみが全国から集まる六ケ所村も、福島同様、国策に翻弄(ほんろう)されながら、都市の繁栄を支えてきた。いわば入り口と出口の関係だと、島田さんは考える。

 巨額の交付金と引き換えに推進派と反対派に分断された寒村は、列島の縮図にも映る。

 この三年、おびただしい活字と映像が、フクシマを伝えてきた。周囲から「公開のタイミングを外したのでは」と指摘されたこともある。

 それでもなお、映画を見た多くの人が「知らなかった」という感想を寄せてくる。


◆事故報告書は未完成

 私たちは福島をまだ知らない。

 福島原発事故がどれほど大きな事故だったのか。もし偶然の救いがなければ、どれほど巨大な事故になったか。国民として、もっと正しく知る必要があるだろう。

 国会事故調の調査期間は、実質約三カ月だったという。

 報告書は「破損した原子炉の現状は詳しくは判明しておらず、今後の地震、台風などの自然災害に果たして耐えられるのか分からない」などと、冒頭で未完成であることを吐露している。

 例えば、こんな事実もある。

 震災発生当日、福島第一原発4号機は定期点検中で、核燃料はすべて使用済み燃料の貯蔵プールに移されていた。

 プールの中では約千五百体の核燃料が高い崩壊熱を発しており、最も危険な状態だったとされている。放射線量が高く建屋の中に入ることは不可能だったと、作業員は語っている。

 燃料を冷やす手だてがなかったということだ。

 ところが、貯蔵プールの横にある「原子炉ウェル」と呼ばれる縦穴に、大量の水がたまっていた。

 津波か地震の衝撃で仕切り板がずれ、そこから貯蔵プールに水が流れて冷やしてくれた。

 そして皮肉にも爆発で建屋の屋根が飛び、外部からの注水が可能になった。

 点検作業の不手際があり、四日前に抜き取られていたはずの水がそこに残されていた。もし“不手際”がなかったら-。私たちは幸運だったのだ。

 チェルノブイリ原発事故の原因について、当時のソ連当局は、規則違反の動作試験が行われたため、運転出力が急上昇したことによると発表した。

 しかし、事故から五年後、「主因は人為的なものではなく、原子炉の構造的な欠陥である」という内容の報告書をまとめている。

 米スリーマイル原発事故が起きたのは、作業員が誤って非常用冷却装置を止めてしまったからだと、調査の結果判明した。

 事故原因が解析され、判明し、防止策を講じた上で、原発は再び動き始めた。しかし、福島の場合はどうか。世界史にも例がない多重事故は極めて複雑だ。

 原因解明が不十分なまま再稼働だけを急いで、本当に大丈夫なのだろうか。根源的な疑問は、やっぱり残る。


◆無事故の保証ではない

 3・11以前への回帰を目指すエネルギー基本計画が、間もなく正式に決定される。

 政府は、積極的に再稼働を認める姿勢を隠さない。

 だが、原子力規制庁自身が明確に認めているように、世界一の規制基準とは、たとえそうであれ、無事故を保証するものではない。 地震国日本に、安全な場所はない。なし崩しの再稼働を受け入れるか、受け入れないか。フクシマを知り、フクシマの今を踏まえて、決めるのは私たち自身である。
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原子力「推進」委員会であり、「規制」委でもなく、「寄生」委員会』(2/2)へつづく)

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●原子力「推進」委員会であり、「規制」委でもなく、「寄生」委員会(2/2)

2014年03月30日 00時00分02秒 | Weblog


原子力「推進」委員会であり、「規制」委でもなく、「寄生」委員会』(1/2)からつづき)

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http://www.asahi.com/paper/editorial.html?iref=comtop_pickup_p

原発政策―問題先送りを続けるな
2014年3月12日(水)付

 風だけが吹き抜ける商店街。崩れた家。はびこる雑草。ある日突然、人が消えた町は異様な静けさにつつまれている。

 原発事故から3年。住民避難が続く福島県双葉郡の現実だ。

 福島第一原発では汚染水との闘いに明け暮れている。日々、約4千人が目に見えない放射線と向き合いながら、作業に従事する。


■浜岡は避難に6日?

 私たちは11年7月の社説特集で、「原発ゼロ社会」を提言した。老朽化した原子炉や巨大地震の想定震源域にある原発は閉め、代替電源への切り替えを急ぎ、できるだけ早く原発をなくそうと呼びかけた。

 いまも、その考えは変わらない。むしろ、原発全廃までの期間はずっと短くできる見通しが立ったといえる。

 最も心配した電力不足の問題が、広域融通や節電の定着で夏・冬ともに、おおむね解消できることが立証されたからだ。

 ところが、安倍政権は一定量の原発を「重要なベースロード電源」として今後も使い続ける方針を掲げる。

 原子力規制委員会の審査に適合した原発は動かすことを決めている。「原発依存度を低減させる」といいながら、再稼働への前のめり姿勢は明らかだ。

 はたして安倍政権は、福島での事故であらわになった「原発リスク」に十分、手を打ってきただろうか。

 ひとつは防災・避難計画だ。

 事故の際、双葉郡では予定したバスが放射線の影響で来なかったり、避難の車が渋滞したりして大混乱が生じた。

 その後、防災計画の策定が義務づけられる自治体は、原発から30キロ圏内の135市町村へと拡大された。政府の指針やマニュアルも改定された。

 だが、中身は項目の列挙にとどまる。これまでに具体的な避難計画をまとめた自治体は5割に満たない。

 民間団体「環境経済研究所」の上岡直見代表が全国17原発を対象に全住民の避難にかかる時間を計算したところ、高速道路が使えても、最短の大飯(福井県)で8時間。最長の浜岡(静岡県)は63時間かかり、国道のみだと6日を要するという。

 あくまで試算だが、一部の道府県が公表している詳細シミュレーションでも同じ傾向が見てとれる。

 規制委や国の原子力防災会議事務局が計画策定の支援に乗り出しているものの、現実問題として避難が可能なのか、客観的に判断する仕組みはない。

 福島の経験を重くみるなら、たとえば交通の専門家らによる「避難計画検証委員会」を設けてはどうか。

 各自治体の計画の妥当性を調べ、30キロ圏内の住民が情報を共有する。そのうえで、周辺自治体が再稼働の可否に関与できる制度を整えるべきだ。


■総量規制も検討せず

 放射性廃棄物も、原発が抱える大きなリスクである。

 原発を動かせば、それだけ使用済み核燃料が増えるのに、各原発にある燃料プールの容量は限界に近づいている。

 政府が描くのは、使用済み燃料を青森県六ケ所村にある再処理工場に持ち込み、再び燃料として利用する核燃料サイクル事業だ。

 しかし、再処理には巨額のコストがかかるうえ、新たにできる燃料を使える原発は現時点で3基しかない。仮に工場がうまく動いても、危険なプルトニウムを増やすだけだ。再処理の過程で出る高レベル放射性廃棄物の処分場もまだない。

 こうした原発ごみの処分の難しさは以前からわかっていた。事故後、日本学術会議は原発から出る放射性廃棄物の総量に上限を設ける規制を提言したが、安倍政権がそれを真剣に検討した節はない。


■「国富流出」論の本質

 そもそも、なぜ再稼働が必要なのか。

 政府は「国富流出」を言い募るが、本質は電力会社の経営問題である。原発の停止に円安があいまって、火力発電用の化石燃料の輸入コストが急増し、各社の収益は悪化している。これまでに6社が値上げした。

 確かに電気料金が家計や企業活動に与える影響は、注意深く見守る必要がある。原発が動けば、電力会社の経営が目先、好転するのも事実だ。

 しかし、廃棄物の処理や事故リスクを考えれば、原発のコストがずっと大きいことを政府はきちんと認めるべきだ。

 原発再稼働を最優先に考える電力会社は、古くて効率の悪い火力発電所の建て替えや増強に二の足を踏む。自然エネルギー電源との接続にも言を左右にする。代替電源の確保にさまざまな手を打つべき政権が、それを黙認するなら、国民への背信行為になるだろう。

 福島での事故は、原発が抱える根源的な問題を見て見ぬふりをしてきた末に起きた。

 もう先送りは許されない。
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http://peacephilosophy.blogspot.jp/2014/03/blog-post_7.html

Friday, March 07, 2014
原子力規制委「帰還に向けた考え方」にある4つの重大な問題点: 反核医師会より抗議声明

昨年11月20日に発表された原子力規制委員会による「帰還に向けた安全・安心対策に関する基本的考え方」に対し、「反核医師の会」(1987年設立)が、12月18日に抗議声明を出した。プレス資料をマスコミ各社に送ったようだが一切報道されなかったそうである。以下紹介する。

このブログで先日紹介した、日本科学者会議の汚染水・除染についての深刻な提言も全国メディアにはおしなべて無視されたようだ。科学者団体による提言は、汚染や被爆の度合いを少なく見せ、原発を引き続き推進したい人々にとっての大きな脅威であることがうかがい知れる。科学者会議は環境の被曝、反核医師会は人体の被曝を扱った警告で二者の声明は補完的なものと言えるであろう。

この声明の英語版も2月28日に発表された。リンクはここ。
http://no-nukes.doc-net.or.jp/activity/seimei/140304kisei-i.pdf 

拡散してください。@PeacePhilosophy


原子力規制委員会への抗議声明
「帰還に向けた考え方」にある4つの重大な問題点
2013年12月18日

核戦争に反対する医師の会(反核医師の会・英文略称"PANW")
(東京都渋谷区代々木2-5-5 全国保険医団体連合会内)

2013年11月20日、原子力規制委員会から、福島第一原発事故による汚染地域への「帰還に向けた安全・安心対策に関する基本的考え方(線量水準に応じた防護措置の具体化のために)」(以下、『考え方』と略)が発表された。

我々「核戦争に反対する医師の会」は、核兵器の廃絶を望み被ばく者を支援してきた医師・医学者の団体として、原発事故後の地域住民の生活や健康維持について、これまでも重大な関心を持ってきた。我々は、今回の『考え方』には放射線防護の点から、また住民主権という人権の観点からも大きな問題点があり、断じて認めるわけにはいかないとの結論に至ったので、ここに抗議声明を発表するものである。


1,100ミリシーベルト以下の被ばくでも健康被害の可能性を認めるのが、現在の国際的動向である

今回の規制委員会の『考え方』の基本にある医学的認識は、低線量被ばくの評価に関する最近の国際的理解からは、明らかな誤謬を犯しており、医師・医学者としてとうてい容認できるものではない。100ミリシーベルト以下の被ばくでは「疫学的に健康リスクの増加を証明するのは困難とするのが国際的合意」と、事故以来繰り返されてきた見解は、最近発表された複数の大規模疫学調査により大きく修正を迫られている1),2)。10万人以上を対象とした大規模な疫学調査では、100ミリシーベルト以下でも「明らかな線量依存性の健康リスクの増加」が認められ、過剰な放射線被ばくは「少なければ少ない程よい」という原則を再確認することとなった。

今年3月に福島事故と関連してWHOが発表した報告でも、「福島県外も含む広い範囲の住民で、生涯の発がんリスク増加の可能性を否定できない」とされたのは、低線量被ばくと健康リスクに関する国際的動向に配慮したものと思われる3)。しかし、今回、原子力規制委員会が出した「考え方」は、このような国際的動向に全く注意を払っておらず、繰り返し表明してきた「100ミリシーベルト以下は安全」とする恣意的な認識に拘泥し続けている。

我々は、『考え方』が基本にする“100ミリシーベルト以下安全”論に、強く抗議する。


2,ICRPの勧告でも、積極的な住民参加による意思決定や健康管理の充実を強調している

今回の原発事故に伴う住民避難の基準は、ICRPによる2007年と2009年の一般勧告、及び2011年に福島事故後に出された文書によるところが大きい4)-6)。その中で事故収束後に汚染が残る地域での居住を選択した場合「1~20ミリシーベルトに抑えるべき」とされており、長期間にわたる可能性があるならば、「その幅の中でも可能な限り低い基準を設定し、線量低減のための最大限の努力の継続が前提」と明記されている。このように年間20ミリシーベルトは「緊急対応時の一時的指標」でしかなく、「帰還可能な汚染水準として示されてきたものではない」。

さらに、比較的線量が高い地域での居住では、「地域住民の健康管理体制の充実が不可欠」で、方針決定への住民参加とともに最終的には各個人の決断が重要であることも強調されている。福島事故後に政府や関係諸機関がとった実際の対応は、人権保護の観点からも厳しい国際的批判にさらされている。2012年10月に日本で行った調査にもとづく「国連人権理事会からの特別報告」(以下「グローバー報告」)は、原発に関する情報が国民に共有されない制度の不備と、事故後の政策決定への住民参加の不足について警鐘を鳴らし、社会的弱者も積極的に参加できるシステムの整備を求めている7)。

今後、地域住民の間で低線量被ばくに関する情報を共有し、帰還の条件についても住民が議論に積極的に参加できる場が形成され、的確に政策決定に反映されるシステムが確保されねばならない。今回の『考え方』では、住民参加の保障が全く不十分である。

我々は、ICRP勧告よりも大きく後退した“年間20ミリシーベルト迄を帰還可能水準”と緩和する『考え方』に強く抗議する。


3,個人線量計による計測結果を重視することで、被ばくに対する個人責任や新たな社会的問題を生み出す危険がある

今回の『考え方』では、空間線量から予測される被ばく線量ではなく、個人線量計を用いた各々の計測結果を、個人の生活設計や管理にも用いるという考え方が示された。線量計による被ばく管理は、仕事上やむをえない被ばくで利得を得る労働者や放射線取扱者にとっては、必須の要件である。しかしながら、個人線量計の測定が被ばくの実態を調査する一手段ではあっても、過剰な被ばくが利得どころかリスク増加にしかならない地域住民にとって、被ばくの多寡が個人責任に転嫁される恐れもある。

また、ガラスバッジ等の個人線量計による計測では、α線やβ線による内部被ばくは計測されず、γ線についても、計測は線量計の前方からの線量が中心で、その使われ方によっては被ばく量が過小評価されかねない結果に陥る恐れが多分にある。

さらに個人に被ばく管理を押し付ける線量計の利用は「被ばくした個人」を特定することにもなり、人権を守る上で新たな社会的影響をもたらしかねない。特に屋外活動による被ばくを避けたい小児や妊婦にとってその行動を必要以上に制約することにつながりかねず、新たな風評被害や社会的差別を防ぐ面からも、住民全体に適用するにはあまりにも問題点が多い方法と考える。個人線量計による計測結果は、その人個人のデーターであり、決して帰還基準などに使用すべきでない。住み続ける地域環境の規定である規準汚染度は、その地域の汚染度を客観的に表す「空間線量」(ICRP基準)や「土壌汚染」(ウクライナ基準)を使用した基準値でなければならない。

我々は、『考え方』の“個人線量計による計測結果を重視する”基準値設定に強く抗議する。


4,健康相談員による相談だけでは、住民に安全・安心の健康管理は不可能である

さらに、帰還の前提条件としては、住民の健康管理体制の整備が不可欠だが、今回の『考え方』では、健康相談員の活動と支援する拠点の整備があげられているだけで、公的な健診体制の整備や拡充、及び診療体制の充実についての具体的な記述が欠落している。前段3にあげた「グローバー報告」では、1ミリシーベルト以上の年間過剰被ばくが推定される地域全体で、「無料の健康診断や医療サービスの提供」が勧告されている7)にも拘わらず、それを全く無視したものとなっている。ちなみに、今年3月6日の原子力規制委員会からの提言では、1999年の茨城県那珂郡東海村のJCO臨界事故後に行われている健康管理(事故により1ミリシーベルト以上の過剰被ばくが疑われる住民に対する無料の健診)について記載されていたにもかかわらず、今回の『考え方』ではそれが削除されており、意図的な変更を疑わざるを得ない内容となっている8),9)。

我々は、住民の健康管理を、JCO事故後の健康管理体制から大きく後退させ、“健康相談員による相談だけに限定”する『考え方』に、強く抗議する。


以上のように、今回の『考え方』は、低線量被ばくに関する最近の医学的知見や国際的動向を無視するばかりか、一部では、同委員会より3月6日に出された「東京電力福島第一原子力発電所の事故に関連する健康管理のあり方について(提言)」より後退した内容となっており、加害企業や公的機関の責任を曖昧にしたものになってしまっている。また、事故の規模の違いと、費用負担の増大を心配してJCO事故後の対応等の健康管理体制からの後退を、福島に押し付けようとしているとすれは、けっして許されるものではない。この意図的な二重基準を許してしまえば、JCO事故後の健康管理体制をも後退させる危険性をも指摘せざるを得ないだろう。

我々は、国民の健康管理に携わる医師・医学者の団体として、今回出された『考え方』の内容と方向性について強く抗議するものである。そして、医学的知見や国際的動向が、理解されやすく整理して呈示され、各家庭や個人が自律した意思決定を行えることは、住民主体に政策決定する民主主義の根幹であることを再度強調して、以下の項目を提案し、必ずや実行に移されるべきであると要求する。


1 “100ミリシーベルト以下安全”論を撤回し、低線量被ばくの健康影響についての最新の知見、国際的動向を重視し、その情報についても住民に隠さず伝えること。

2 “年間20ミリシーベルト迄を帰還可能水準”と許容する提示は撤回し、帰還できる条件について住民との間で十分な情報提供による協議の場を設け、政策決定に反映させること。

3 “個人線量計による計測結果を重視する”基準値設定と被ばく管理の住民押し付けをやめること。

4 1ミリシーベルト以上の過剰被ばくが疑われる地域の住民に、無料の健康診断サービスを、国と東電の責任で提供し、医療体制の充実を図ること。

 以上、要求するものである。

参考  (略) ・・・・・・・・・

投稿者 Peace Philosopher 時刻: 3:42 pm
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●袴田事件、48年間のそれぞれの苦難・・・・・・袴田巌さんと秀子さん、そして、熊本典道さん

2014年03月29日 00時00分47秒 | Weblog


asahi.comの二つの記事【袴田死刑囚の姉ら拘置所到着 「どうしても会いたい」】(http://www.asahi.com/articles/ASG3W552KG3WUTIL01V.html)と、
【袴田巌さん、東京拘置所から釈放 再審開始決定受け】(http://www.asahi.com/articles/ASG3W56BSG3WUTPB019.html?iref=comtop_6_01)。
東京新聞の記事【袴田事件再審決定 「証拠捏造の疑い」】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2014032702000264.html)。
asahi.comの社説【死刑囚の再審―過ちはすみやかに正せ】(http://www.asahi.com/paper/editorial.html?iref=comtop_pickup_p)。
東京新聞の社説【袴田事件再審決定 冤罪は国家の犯罪】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2014032802000164.html)。
最後に、袴田事件をずっと支援されてきた保坂展人さんのasahi.comのコラム【袴田さん釈放に万感 問われる国の責任】(http://www.asahi.com/and_w/life/SDI2014032835581.html?iref=comtop_fbox_d2_03)。

   ●『DAYS JAPAN 2007年12月号』読了 (1/2)
    「森達也氏の本にも出てきた保坂展人氏や亀井静香氏の
     「~まだ間に合うのなら⑨~ 死刑大国・日本」。
     元ボクサー袴田さんの冤罪の件も。保坂議員のメモから起こした
     図が生々しい(森さんの「死刑」にも同様の図有り)。」

   『●『創 (12月号)』読了 (2/2)
   『●『冤罪File No.2 (6月号)』読了
   『●『月刊誌3冊』読了(2/4)
   『●『冤罪File(No.06、2009年6月号)』
   『●冤罪事件映画化: 袴田事件
   『●冤罪が増幅されはしまいか?
   『●冤罪によるアリ地獄
   『●名張毒ぶどう酒事件という冤罪
   『●『美談の男』読了
    「『美談の男/冤罪 袴田事件を裁いた元主任裁判官・熊本典道の秘密』、
     7月に読了。尾形誠規著。鉄人社。2010年6月刊、第1刷。
      本の帯、「私は無罪を確信しながら死刑判決を言い渡した―――。
     39年前の過ちを自ら告白した元エリート判事の転落と再生/
     酒……家族崩壊……自殺未遂……放浪……そして―――。
     逃れたくとも逃れられない袴田事件の呪縛」。
      「裁判員制度が始まろうとしているいま、いつ誰が熊本と
     同じ立場になってもおかしくない」・・・」

   『●『創(2010年7月号)』
   『●袴田事件: いい加減に誤まりを認めるべき
   『●『冤罪File(No.10)』読了
   『●冤罪デモ
   『●それは、職業裁判官の怠慢にすぎない
   『●『検察に、殺される』読了
   『●強大な氷山の一角としての冤罪発覚
   『●「前川さんの身になってほしい!」: 「福井事件」という明々白な冤罪
   『●作られた袴田冤罪事件、理不尽極まる漸くの初の証拠開示
   『●死刑という制度: 「吊るせ、吊るせ」の合唱で何か状況は変わるのか?
   『●手遅れ!! ~死刑のスイッチを押すことと死刑執行~
   『●PC遠隔操作冤罪事件: やはり捏造しようとしていないか?
   『●「どうなるのニッポン」『週刊金曜日』
       (2013年7月26日、953号)についてのつぶやき
   『●飯塚事件の久間三千年さんと福岡事件の西武雄さん
   『●袴田事件: 静岡地裁は「疑わしきは被告人の利益に」を
   『●「曽野綾子とは何か」 『週刊金曜日』
          (2014年1月24日号、976号)についてのつぶやき
   『●袴田事件、そして死刑執行後の『飯塚事件』再審:
                         司法の良心を示せるか?
   『
●袴田事件・釈放!: 「捜査機関が重要な証拠を捏造した疑い」
                 「拘置の続行は耐え難いほど正義に反する」


以下は、昨日の「つぶやき」。

***********
■報道ステーションで袴田さんのインタビュー。思っていたより、遥かにしっっかりとしておられる。実感がわかない印象だ。お姉さんの秀子さんが本当に嬉しそうだ。本当に良かった。いま晩酌をしておられる頃か?(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/049357a4c458aa9a0094191c2b363e56 …

■報道ステーションでトップニュース。裁判長の言葉「正義に反する」(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/049357a4c458aa9a0094191c2b363e56 …)。証拠の捏造まで厳しく断罪。裁判時に、衣類という証拠の変更を申し立ててまで捏造。熊本典道元裁判長のコメントを聞いてみたい(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/1ce91952c0e77c5dc55b877bf1632238 …

■意に反して袴田事件の死刑判決を書いた元裁判官・熊本典道さん(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/1ce91952c0e77c5dc55b877bf1632238 …)のインタビュー。贖罪の言葉。熊本さん自身も大変に苦しかった事と思う。また、元刑事のコメントに怒りがわく。何の反省の言葉もないとは

■どう責任をとるつもりか?(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/049357a4c458aa9a0094191c2b363e56) 『袴田さんを祝福、捜査批判』(http://www.nikkansports.com/general/news/f-gn-tp0-20140327-1276329.html)/「ゴビンダ・プラサド・マイナリさん・・足利事件で再審無罪が確定した菅家利和さん・・名張毒ぶどう酒事件で1972年に死刑が確定し、昨年11月に第8次再審請求を申し立てた奥西勝死刑囚(88)の鈴木泉弁護団長は「私たち弁護団にとって、再審開始決定が出たことは何よりの励ましになる」とコメント」
***********

 東京新聞社説「真犯人を取り逃がした上、ぬれぎぬを着せられた人物の一生を破滅に追い込む」・・・・・・ましてや飯塚事件。既に久間三千年さんは、麻生内閣の森英介法務大臣のゴーサインの下、死刑執行。どう責任をとるのだろうか? 責任など、とれる訳もないのだが・・・・・・。「真犯人を取り逃がした上」、死刑執行・・・・・・暗澹たる思いだ。「冤罪であれば、警察、検察庁、裁判所、すべてが誤りを犯したことになる」、取り返しようのない「不可逆な誤り」である。
 最後に、保坂展人さんのコラム。全く同感。「永遠の沈黙」を待つ残酷な司法・・・・・・「捜査をした警察・検察、死刑判決を続けた司法の責任をうやむやにするには、袴田さんの生命が尽きることが、国にとって一番都合がよかったのではないでしょうか。再審の扉を閉じたまま袴田さんが亡くなれば、真相を闇の中へ葬ることができるからです。この間、袴田さんを担当した検察官も裁判官も次々と交代していきました。ただ、時がすぎるのを待っているかのように。しかし、「永遠の沈黙」に陥ることはありませんでした」

   『●冤罪死刑囚の死を待ち、責任を逃れようとする冷酷な人々

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http://www.asahi.com/articles/ASG3W552KG3WUTIL01V.html

袴田死刑囚の姉ら拘置所到着 「どうしても会いたい」
2014年3月27日16時26分

 静岡地裁の再審開始決定を受け、袴田巌死刑囚(78)の姉ひで子さん(81)が27日午後3時ごろ、支援者らとともに、袴田死刑囚がいる東京・小菅の東京拘置所に到着した。ひで子さんは「ただ、ただ、うれしいだけです。巌の拘置を一日も早く解いてあげたい」と改めて喜びを語った。

 袴田元被告は精神を病んでおり、ひで子さんが毎月面会に出向いても、会えない状態が3年半続いている。ひで子さんは「いつもなら、会いたくないと言われたらすぐに帰るんですが、今日はどうしても会いたい。いい知らせがあるからどうしても出てこいと言って、頑張るつもりです」と話した。

 最初にかけてあげたい言葉は何かと聞かれると、「本人が分からなくても、『元気か?再審開始になった』と言ってみようと思います」と答えた。
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http://www.asahi.com/articles/ASG3W56BSG3WUTPB019.html?iref=comtop_6_01

袴田巌さん、東京拘置所から釈放 再審開始決定受け
2014年3月27日17時26分

 静岡地裁の再審開始決定を受け、袴田巌死刑囚(78)が27日午後5時20分すぎ、東京・小菅の東京拘置所から釈放された。逮捕から48年ぶり。姉ひで子さん(81)らと一緒に車に乗り、拘置所を出た。

 支援者によると、袴田元被告には決定文を見せて再審開始について伝えたが、「ウソだ」と信じられない様子だったという。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2014032702000264.html

袴田事件再審決定 「証拠捏造の疑い」
2014年3月27日 夕刊

 静岡県清水市(現静岡市清水区)で一九六六年にみそ製造会社の専務一家四人が殺害された袴田事件の第二次再審請求で、静岡地裁は二十七日、強盗殺人罪などで死刑判決が確定した袴田巌(はかまだいわお)元被告(78)の再審開始と刑の執行、拘置の停止を決定した。村山浩昭裁判長は、確定判決で犯行時の着衣と認定された「五点の衣類」について「後日捏造(ねつぞう)された疑いがある」と結論付けた。事件発生から約四十八年、死刑確定から約三十四年で裁判がやり直され、死刑判決が取り消される可能性がある。 

 法務省によると、死刑囚の再審が決定したケースで、拘置の執行停止が認められたのは初めて。死刑囚の再審開始決定は財田川、免田、松山、島田と、後に決定が取り消された名張毒ぶどう酒事件に続き戦後六例目で九年ぶり。名張以外の四人は再審無罪となった。静岡地検が即時抗告すれば、再審を認めるか否かの判断は東京高裁に委ねられる。弁護団は即時抗告しないよう地検に申し入れた。

 第二次請求審の最大の争点は、五点の衣類が袴田元被告のものかどうかだった。検察、弁護側双方の推薦した専門家二人がDNA型鑑定を実施。ともに、白半袖シャツの右肩の血痕が袴田元被告のDNA型と完全には一致しないとの見解を示した。弁護団が「五点の衣類は何者かが捏造した証拠」とした一方、検察側は「試料が古く、信用性が低い」と主張してきた。

 決定は、鑑定から「五点の衣類の血痕は、袴田元被告のものでも犯行着衣でもない可能性が相当程度認められる」と指摘。鑑定結果は「無罪を言い渡すべき明らかな証拠に当たる」と判断した。

 五点の衣類は事件から一年二カ月後、同社のみそタンク内から見つかった。決定は「実験結果からみても、衣類の染まり具合はみその色に比べて薄く、血痕の赤みも強すぎる。長時間みその中に隠されていたにしては不自然」と指摘。

 弁護側は、衣類のうちズボンはサイズが合わず袴田元被告のものでもないと主張。決定は確定判決の認定を否定し「ズボンが袴田元被告のものではなかったとの疑いに整合する」と認定した。

 再審開始決定を受け、袴田元被告の姉の秀子さん(81)は二十七日午後、東京拘置所へ面会に向かう。

 <静岡地検・西谷隆次席検事> 予想外の決定であり、本庁の主張が認められなかったのは、誠に遺憾。上級庁と協議し、速やかに対応したい。
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http://www.asahi.com/paper/editorial.html?iref=comtop_pickup_p

死刑囚の再審―過ちはすみやかに正せ
2014年3月28日(金)付

 無実の人を罪におとし、長年にわたり、死刑台の縁に立たせる。許されないことが起きたおそれが強い。

 静岡県で48年前、一家4人が殺害された。犯人として死刑を宣告された袴田巌さんの再審の開始を静岡地裁が決定した。

 検察側は抗告によって手続きを長引かせるべきではない。すみやかに再審すべきである。

 80年代、免田栄さんら死刑が確定した4人が相次いで再審で無罪になった。自白の強要、とりわけ死刑の取り返しのつかなさを考えさせたはずだった。

 袴田さんの死刑確定や第1次再審請求審はそうした動きと並行していたのだが、判決は今日まで維持されている。あの教訓ははたして生かされたのか。司法界は猛省せねばなるまい。

 今回の決定が特に重いのは、袴田さん有罪の重要証拠で、犯行時に着ていたとされた衣服5点について、捜査機関が捏造(ねつぞう)した疑いがあるとさえ言及していることだ。

 死刑を決定づけた証拠がでっち上げだったとしたら、かつてない深刻な事態である。

 捜査・検察当局に求められるのは、この指摘を真摯(しんし)に受けとめ、何が起きたのか徹底調査することではないか。

 袴田さんは78歳。いつ執行されるか分からない死刑の恐怖と向き合う拘置所暮らしで精神の病が進み、姉や弁護人による面会でさえ難しくなった。

 死刑の確定から34年である。むだにしていい時間はない。

 再審を開くかどうかの判断にここまで時間を要している裁判のあり方も検討すべきだ。

 衣服の血痕に用いたDNA鑑定の新しい技術が今回の決定を後押ししたのは確かだろう。ただし、衣服は一審が始まった後に現場近くで突然見つかったとされ、その不自然さのほか、袴田さんには小さすぎる問題などがかねて指摘されていた。

 「疑わしきは被告人の利益に」の理念は尊重されていたのか、問い直すべきだ。

 27年かかって棄却に終わった第1次再審請求審と比べ、第2次審では証拠の開示が大きく進んだ。裁判所が検察に強く促した結果、当初は調べられていなかった証拠が多く出された。

 袴田さんに有利なのに、弁護側が存在さえ知らなかった証言もあった。それもなぜ、もっと早くできなかったのか、と思わざるをえない。

 今回の再審開始決定は、釈放にもあえて踏み込んだ。裁判長が、これ以上の拘束は「耐え難いほど正義に反する」とまで断じた意味はあまりに重い。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2014032802000164.html

【社説】
袴田事件再審決定 冤罪は国家の犯罪
2014年3月28日

 裁判所が自ら言及した通り、「耐え難いほど正義に反する状況」である。捏造(ねつぞう)された証拠で死刑判決が確定したのか。速やかに裁判をやり直すべきだ。

 事件発生から一年二カ月後に工場のみそタンクから見つかった血痕の付いた衣類五点は、確定判決が、袴田巌さんを犯人と認定する上で最も重視した証拠だった。

 その衣類について、今回の静岡地裁決定は「後日捏造された疑いがある」と述べた。

 検察庁も裁判所も証拠の捏造を見抜けないまま死刑を宣告していたのであろうか。


◆「こちらが犯行着衣」

 絶対にあってはならないことであるが、死刑を言い渡した当の裁判所が、その疑いが極めて高くなったと認めたのである。ただならぬ事態と言わざるを得ない。

 そもそも、起訴の段階で犯行着衣とされたのは、血痕と油の付着したパジャマだった。

 ところが、一審公判の中でパジャマに関する鑑定の信用性に疑いがもたれるや、問題の衣類五点がみそタンクの中から突然見つかり、検察官は「こちらが真の犯行着衣である」と主張を変更した。

 袴田さんは、公判では起訴内容を否認したが、捜査段階で四十五通の自白調書が作られていた。毎日十二時間以上に及んだという厳しい取り調べの末に追い込まれた自白で、その内容は、日替わりで変遷していた。

 一審判決は、そのうち四十四通を、信用性も任意性もないとして証拠から排斥したが、残り一通の検察官作成の自白調書だけを証拠として採用し、問題の衣類五点を犯行着衣と認定して死刑を言い渡した。判決はそのまま高裁、最高裁を経て一九八〇年に確定した。この間、どれほどの吟味がなされたのか。

 この確定判決をおかしいと考えていたのは、再審を請求した弁護側だけではなかった。


◆新証拠の開示が鍵に

 一審で死刑判決を書いた元裁判官の熊本典道さん(76)は二〇〇七年、「自白に疑問を抱き無罪を主張したが、裁判官三人の合議で死刑が決まった」と告白している。

 「評議の秘密」を破ることは裁判官の職業倫理に反する暴挙だと批判されたが、この一件で、袴田事件に対する市民の疑念も決定的に深まったのではないか。

 第二次再審請求審では、弁護団の開示請求を受けて、裁判所が検察側に幾度も証拠開示を勧告。静岡地検は、これまで法廷に提出していなかった五点の衣類の発見時のカラー写真、その衣類のズボンを販売した会社の役員の供述調書、取り調べの録音テープなど六百点の新証拠を開示した。その一部が再審の扉を開く鍵になった。

 これまでの再審請求事件では、捜査当局が集めた証拠の開示、非開示は検察の判断に委ねられたままで、言い換えれば、検察側は自分たちに都合のよい証拠しか出してこなかったともいえる。弁護側から見れば、隠されたことと同じだ。今回の請求審では、証拠開示の重要性があらためて証明されたといっていい。

 そもそもが、公権力が公費を使って集めた証拠である。真相解明には、検察側の手持ち証拠が全面開示されてしかるべきだろう。

 柔道二段で体格もよい被害者を襲う腕力があるのは、元プロボクサーの彼以外にない…。従業員だから給料支給日で現金があることを知っている…。袴田さんは、いわゆる見込み捜査で犯人に仕立てられた。一カ月余り尾行され、逮捕後は、時に水も与えられない取り調べで「自白」に追い込まれる。典型的な冤罪(えんざい)の構図である。無理な捜査は証拠捏造につながりやすい。

 冤罪であれば、警察、検察庁、裁判所、すべてが誤りを犯したことになる。真犯人を取り逃がした上、ぬれぎぬを着せられた人物の一生を破滅に追い込む。被害者側は真相を知り得ない。冤罪とは国家の犯罪である。

 市民の常識、良識を事実認定や量刑に反映させる裁判員裁判の時代にある。誤判につながるような制度の欠陥、弱点は皆無にする必要がある。


◆検察は即時抗告やめよ

 司法の判断が二転三転した名張毒ぶどう酒事件を含め、日弁連が再審請求を支援している重要事件だけでも袴田事件以外に八件。証拠開示を徹底するなら、有罪認定が揺らぐケースはほかにもあるのではないか。

 冤罪は、古い事件に限らない。今も起きうることは、やはり証拠捏造が明らかになった村木厚子さんの事件などが示している。

 袴田さんの拘置停止にまで踏み込んだ今決定は、地裁が無罪を確信したことを意味している。

 検察は即時抗告することなく、速やかに再審は開始されるべきである。
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http://www.asahi.com/and_w/life/SDI2014032835581.html?iref=comtop_fbox_d2_03

袴田さん釈放に万感 問われる国の責任
<太陽のまちから> 特別寄稿
保坂展人
2014年3月28日

 無実の死刑囚として拘置されていた元プロボクサーの袴田巌さん(78)が、48年ぶりに釈放されました。3月27日午後5時、東京拘置所から出てくる映像を見て、万感こみあげるものがありました。
 私が袴田さんの置かれている立場を知ったのは、衆議院法務委員会に属して活動していた1998年のことでした。人権問題をたびたび法務委員会で取り上げていることを知って、姉のひで子さんが支援者の方々と議員会館に訪ねてこられたのです。
 当時、すでに30年を超える長期の拘置が続き、しかも確定死刑囚として20年あまりも「死刑執行の恐怖」にさらされていた袴田さんは次第に心の変調をきたすようになっていました。90年代半ばには、弟の無実を信じて励ましてきた唯一の理解者であるひで子さんの面会も拒絶するようになった、と聞きました。
 私の仕事は、拘置所での袴田さんの身体や精神の状況をできるだけ詳細に聞き取り、ひで子さんや弁護団、支援者に伝えることでした。袴田さんは裁判の中で、「神さま―。僕は犯人ではありません。僕は毎日叫んでいます」(母親にあてた手紙)などと大量の手紙を記して、無実を訴えていました。司法の場で自らの潔白が証明されることを信じていたのです。
 ところが、68年、静岡地裁で死刑判決。76年、東京高裁で控訴棄却、80年に最高裁で上告が棄却され、死刑が確定します。
 しかし、一審で死刑判決を出した静岡地裁は、警察・検察による連日12時間に及ぶ取り調べによって作成された45通の供述調書のうち、じつに44通を「違法な取り調べ」によるものとして棄却しました。長時間にわたり自白を迫る強引な調書作成過程の信用性を認めませんでした。それでも、残る1通を採用して死刑判決を出したのです。
 94年、一縷の望みをかけた再審請求が静岡地裁で棄却されると、袴田さんは裁判関係書類の差し入れを拒否し、弁護士とも面会しなくなりました。
 誰とも会わなくなって3年半以上続いた袴田さんの様子をみるために、私は半年ががりで法務省矯正局と交渉して、東京拘置所での面会にこぎつけました。2003年3月10日、私は姉のひで子さんと弁護士と一緒に袴田さんと会い、言葉をかわしました。
 しかし、袴田さんは、空想の世界の住人になっていました。このときの様子は、「塀の中に閉じ込められた『秘密』の闇」として、このコラム(2013年11月19日)で触れましたが、あらためて記します。

 保坂 「元気ですか」

 袴田 「元気ですよ」

 保坂 「今日はあなたの誕生日ですが、分かります? 67歳ですね」

 袴田 「そんなことを言われても困るんだよ。もういないんだから、ムゲンサイサイネンゲツ(無限歳歳年月?)歳はない。地球がないときに生まれてきた。地球を作った人……」

 保坂 「ご両親についてお話したい」

 袴田 「困るんだなー。全てに勝利したんだから」

     「無罪で勝利した。袴田巌の名において……」

     「神の国の儀式があって、袴田巌は勝った。日本国家に対して5億円の損害賠償を取って……」

 保坂 「5億円はどうしたんですか」

 袴田 「神の国で使っている」

 保坂 「袴田巌さんはどこに行ったのですか?」

 袴田 「袴田巌は、智恵の一つ。私が中心になった。昨年儀式があった」 

 長年の拘置によって精神に変調をきたす拘禁反応が強く出ていて、すぐにでも治療が必要な状態でしたが、何の治療もなされませんでした。
 07年、私は、国会内に、ひとりの法律家を招いた勉強会をセットしました。一審の死刑判決に関与したことを悔いて、号泣しながら袴田さんに謝罪した元裁判官の熊本典道さん。多数のメディアの前で、「自分は無罪を確信していたが、他のふたりの裁判官に押し切られて死刑判決を書いてしまった。悔やんでも悔やみきれない」と告白したのです。
 再審への期待が高まったのは、いまから10年も前のことでした。
 04年8月。四谷の中華料理店で私はひで子さんや弁護士の皆さんと、東京拘置所にいる袴田さんに、どのように「再審開始」という朗報を伝えるかの案を練っていました。東京高裁に対する期待は大きく、「きっと始まる、大丈夫だ」という声がありました。しかし、東京高裁は再審を求める訴え(即時抗告)を棄却しました。
 それでも、ひで子さんをはじめ、支援者も弁護団もあきらめませんでした。ボクシング界からも支援の輪は広がりました。私が09年に国会を去った後も、袴田さんを支援する国会議員連盟がつくられました。ただ、弁護士をはじめ熱心な支援者のなかにはすでに他界された方もいます。
 思い出すのは、無実を訴えながら03年に獄中で亡くなった波崎事件の冨山常喜さん(享年86)のことです。
 亡くなる半年前、私は東京拘置所と交渉して、所内にある集中治療室で民間の医師の立ち会いのもとに冨山さんの健康状態をチェックする機会を設けました。

   「このままじゃ死ねないよ。無実を認めてもらわないと」

 病床の冨山さんはそうつぶやきました。人工透析と中心静脈栄養のチューブがつながっている状態を見て、医師は言いました。

   「このままでは、必ず感染症で亡くなります。うちの病院でリハビリをしましょう」

 しかし、その提案は認められませんでした。そして、医師の言葉通り、冨山さんは半年後、感染症のため息を引き取りました。
 それだけに、48年という歳月をへて、袴田さんが生きて東京拘置所を出ることができたことは幸いです。
 この間に、ずさんな捜査による冤罪(えんざい)である、との認識は広がっていました。再審開始決定を下した静岡地裁が今回、「証拠の捏造」と断罪するよりはるか前に、冤罪を訴える元プロボクサー「Hakamada」の名は世界に知れ渡り、EU各国の大使館をはじめ注目を集めていました。そのため、袴田さんに死刑が執行される可能性はありませんでした。
 そうしたなか、捜査をした警察・検察、死刑判決を続けた司法の責任をうやむやにするには、袴田さんの生命が尽きることが、国にとって一番都合がよかったのではないでしょうか。再審の扉を閉じたまま袴田さんが亡くなれば、真相を闇の中へ葬ることができるからです。この間、袴田さんを担当した検察官も裁判官も次々と交代していきました。ただ、時がすぎるのを待っているかのように。
 しかし、「永遠の沈黙」に陥ることはありませんでした。私は袴田さんが生還した喜びをかみしめながら、この不条理を半世紀続けた国家の責任を強く問うべきだと考えています。
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●袴田事件・釈放!: 「捜査機関が重要な証拠を捏造した疑い」「拘置の続行は耐え難いほど正義に反する」

2014年03月28日 00時00分46秒 | Weblog


東京新聞の記事【袴田事件の再審開始決定 静岡地裁「無罪の可能性」】(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2014032701000806.html)。
asahi.comの二つの記事【袴田事件の再審開始決定、釈放へ 証拠「捏造の疑い」】(http://www.asahi.com/articles/ASG3K6R2XG3KUTPB01C.html?iref=comtop_6_01)と、
【無実の叫び48年、支え続けた姉「うれしい」 袴田事件』(http://www.asahi.com/articles/ASG3T5QVHG3TUTPB015.html?iref=comtop_6_02)。

 出張先で知った衝撃的なニュース。素晴らしい判断、画期的な判決である(当然の判断で、あまりに遅い)。しかも、釈放である。「村山浩昭裁判長は、犯人が事件時に着ていたとされる「5点の衣類」に付いた血液のDNA型が袴田元被告とは一致しないとする鑑定結果を認定。衣類は「無罪を言い渡すべき明らかな証拠に該当する」と判断」「村山浩昭裁判長・・は「捜査機関が重要な証拠を捏造(ねつぞう)した疑いがあり、犯人と認めるには合理的疑いが残る」と判断。「拘置の続行は耐え難いほど正義に反する」と刑の執行停止(釈放)も決めた」。「犬」や「ヒラメ」でないことが証明。

 「無実の叫びが半世紀を経て、ようやく司法に届いた。事件から48年、確定死刑囚となってから33年。27日、静岡地裁が袴田巌(いわお)死刑囚(78)の再審開始を決定した。支援を続けてきた姉は支援者と抱き合い、喜びを分かち合った。だが、死刑囚本人は、その意味を理解できるのかすらわからない」・・・・・・取り返しのつかない48年。死刑囚として精神的に大変な苦痛だったはずであり、これまで袴田事件に関わった警察、検察、裁判所はどう対処する心算だろうか? 「だが死刑囚は長い拘置所生活で精神を病んでおり、その意味を理解できるのかすらわからない」・・・・・・なんて残酷なんだろう・・・・・・激しい怒りがわいてくる。足利事件菅家さんの怒りのコメントと『噂の真相』で有名な宗像紀夫元検事の司法擁護コメントが対照的で、後者のコメントに心底呆れた。
 次は飯塚事件、こちらは既に死刑執行・・・・・・。

   『●袴田事件、そして死刑執行後の『飯塚事件』再審
                           司法の良心を示せるか?

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http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2014032701000806.html

袴田事件の再審開始決定 静岡地裁「無罪の可能性」
2014年3月27日 13時13分

    (袴田事件で再審を認める決定が出され、喜びを語る袴田巌元被告の
     姉秀子さん=27日午前、静岡地裁前

 1966年6月に静岡県清水市(現静岡市清水区)で一家4人を殺害したとして、80年に死刑が確定した元プロボクサー袴田巌元被告(78)=東京拘置所収監中=の第2次再審請求審で、静岡地裁は27日、裁判のやり直しを決定するとともに、死刑の執行を停止、元被告の釈放を認めた

 法務省によると、死刑囚の再審開始決定で、拘置の執行停止が認められたのは初めて。 村山浩昭裁判長は、犯人が事件時に着ていたとされる「5点の衣類」に付いた血液のDNA型が袴田元被告とは一致しないとする鑑定結果を認定。衣類は「無罪を言い渡すべき明らかな証拠に該当する」と判断した。

(共同)
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http://www.asahi.com/articles/ASG3K6R2XG3KUTPB01C.html?iref=comtop_6_01

袴田事件の再審開始決定、釈放へ 証拠「捏造の疑い」
2014年3月27日10時55分

    (再審開始が決まり、感想を述べる姉の袴田ひで子さん。
     左は西嶋勝彦弁護団長=27日午前10時3分、静岡市葵区、
     山本壮一郎撮影)

 1966年に静岡県の一家4人が殺害、放火された「袴田事件」で死刑が確定した元プロボクサー袴田巌(いわお)死刑囚(78)=東京拘置所在監=の第2次再審請求審で、静岡地裁(村山浩昭裁判長)は27日、再審開始を認める決定をした。村山裁判長は「捜査機関が重要な証拠を捏造(ねつぞう)した疑いがあり、犯人と認めるには合理的疑いが残る」と判断。「拘置の続行は耐え難いほど正義に反する」と刑の執行停止(釈放)も決めた。

 死刑囚の再審開始決定は免田財田川松山島田無罪確定4事件と、後に覆された2005年の名張毒ブドウ酒事件の名古屋高裁決定に次いで6件目。

 静岡地検の西谷隆次席検事は「予想外の決定。上級庁と協議して速やかに対応する」と語った。刑の執行停止に対しては即日、不服申し立てをする方針。再審開始の判断については、不服申し立てを28日以降に行う方向とみられる。

 事件は66年6月30日に発生。同年8月、みそ工場従業員だった袴田元被告が強盗殺人や放火などの容疑で逮捕され、捜査段階で犯行を認める自白調書が作られたが、公判では一貫して否認。静岡地裁は68年9月、自白調書1通と間接証拠から元被告の犯行と断定して死刑を宣告し、80年11月に最高裁で確定した。

 08年4月に始まった第2次再審請求の最大の争点は、犯行時の着衣の一つとされる白半袖シャツに付いていた血痕のDNA型鑑定だった。確定判決は、シャツの右肩についた血痕の血液型が同じB型だとして、元被告のものと認定。第1次再審請求でもDNA型鑑定が行われたが、「鑑定不能」だった。

 第2次請求で再鑑定された結果、検察、弁護側双方の鑑定ともシャツの血と元被告のDNA型が「一致しない」とする結果が出た。検察側は「鑑定したDNAが劣化しており、汚染された可能性がある」と主張。弁護側と鑑定結果の信用性を巡って争っていた。

 この日の静岡地裁決定は弁護側鑑定について、「検査方法に再現性もあり、より信頼性の高い方法を用いている」と指摘。「検察側主張によっても信用性は失われない」と判断した。そのうえで、犯行時に元被告が着ていたとされる着衣は「後日捏造された疑いがぬぐえない」と指摘。DNA型鑑定の証拠が過去の裁判で提出されていれば、「死刑囚が有罪との判断に到達しなかった」と述べ、刑事訴訟法上の「無罪を言い渡すべき明らかな証拠」にあたると結論づけた。

 さらに「捏造された疑いがある重要な証拠で有罪とされ、極めて長期間死刑の恐怖の下で身柄拘束されてきた」として、「再審を開始する以上、死刑の執行停止は当然」とも指摘した。

 事件では起訴から1年後の一審公判中、現場近くのみそ工場のタンクから血染めの白半袖シャツやズボンなどが見つかり、検察側は犯行時の着衣を、パジャマから変更。静岡地裁判決は自白偏重の捜査を批判し、45通のうち44通の自白調書を違法な取り調べによるものとして証拠排除したが、5点の衣類を始めとする間接証拠類と自白調書1通で、死刑を選択した。

     ◇

 〈袴田事件〉 1966年6月30日未明、静岡県清水市(現・静岡市清水区)のみそ製造会社専務(当時41)宅から出火。焼け跡から専務、妻(同39)、次女(同17)、長男(同14)の遺体が見つかった。全員、胸や背中に多数の刺し傷があった。県警は同年8月、従業員の袴田巌元被告(同30)を強盗殺人などの疑いで逮捕。一審で死刑判決を書いた熊本典道・元裁判官は2007年、「捜査段階での自白に疑問を抱き、無罪を主張したが、裁判官3人の合議で死刑が決まった」と評議の経緯を明かし、再審開始を求めていた。
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http://www.asahi.com/articles/ASG3T5QVHG3TUTPB015.html?iref=comtop_6_02

無実の叫び48年、支え続けた姉「うれしい」 袴田事件
2014年3月27日12時43分

     (再審開始が決まり、会見で喜ぶ姉の袴田ひで子さん=
      27日午前11時33分、静岡市葵区、福留庸友撮影)

 無実の叫びが半世紀を経て、ようやく司法に届いた。事件から48年確定死刑囚となってから33年。27日、静岡地裁が袴田巌(いわお)死刑囚(78)の再審開始を決定した。支援を続けてきた姉は支援者と抱き合い、喜びを分かち合った。だが死刑囚は長い拘置所生活で精神を病んでおり、その意味を理解できるのかすらわからない。

 再審開始の知らせを手に静岡地裁を出た袴田巌元被告の姉、ひで子さん(81)は、笑顔でくしゃくしゃになっていた。「うれしい。それだけです」。目には涙が浮かんでいた。

 弟を支えるため、一身を捧げてきた48年だった。

・・・・・・・・・。
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●「絶望の裁判所」: 裁判所の頂点、最高裁からして・・・・・・

2014年03月27日 00時00分13秒 | Weblog


田中龍作ジャーナル』の記事【「絶望の裁判所」 元判事が司法の腐敗を告発する】(http://tanakaryusaku.jp/2014/02/0008840)と、
gendai.netの記事【元最高裁調査官が暴露 「裁判員制度が司法をダメにした」】(http://gendai.net/articles/view/newsx/148374)。

 「元最高裁調査官で明大法科大学院教授の瀬木比呂志氏の著書「絶望の裁判所」(講談社)が話題だ。本書では、キャリア33年のベテラン裁判官だった瀬木氏が、3月末での退官を発表した最高裁判所長官の竹崎博允氏が主導した司法制度改革の利権″をバクロ・・・・・・だが、瀬木氏は、「制度によって刑事裁判が脚光を浴び、刑事系の裁判官や書記官の増員につながったことにも注目すべきだ」」・・・・・・裁判員制度についての『最高裁やらせタウンミーティング事件』を挙げるまでもなく、司法制度改革どころか、司法の腐敗。

   『●『官僚とメディア』読了(3/3)
  
    「「・・・産経新聞・・・が最高裁と共催した裁判員制度
     タウンミーティングでサクラを動員・・・」(p.180)。保坂展人元議員
     (p.182、203)。「次々と明らかになる
最高裁のデタラメな契約実態に、
     委員席からは
驚きと失望のため息が漏れた。国民が「法の番人」
     として信頼を寄せてきた
最高裁のエリート裁判官たちの正体は、
     こんなにもお粗末なものだったのか」(p.203)。政治評論家の
      森田実さん(p.186)。パックニュース方式。「・・・産経大阪本社には
     五段広告三回分の料金として、八百万円近いカネが入る。サクラに
     日当を払っても十分儲かる仕組みなのである」(p.194)。
      「刑事裁判の迅速化と効率化だけが強調され、企業法務に携わる
     弁護士を大量に増やすという意図が明確だった。早い話が
     小泉政権時代に進められた規制緩和構造改革路線の司法
     ある。
      そのためか、被告が無罪を主張すると一年でも二年でも身柄を
     拘束され続ける「
人質司法」や、冤罪の温床とされる代用監獄
     なくそうとする
姿勢はまったく見られなかった」(p.204)。
     司法とメディアの深い闇。森喜朗元首相(p.207)」

 冤罪も見抜けず、警察・検察にべったりな裁判所。裁判所の頂点・「法の番人」最高裁ですら腐っているのですから、裁判所が自らの力で司法制度を改革するなんて絶望的。 

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http://tanakaryusaku.jp/2014/02/0008840

「絶望の裁判所」 元判事が司法の腐敗を告発する
2014年2月27日 19:42

     (瀬木比呂志・元判事。「私の場合(退官して)学者になったので
     裁判所を批判できるが、弁護士になっている人は口をつぐむ。
     判決で報復されるから」。=27日、日本外国特派員協会 写真:筆者=)

 やはり日本は法治国家ではなかった。元判事が実際のケースと実名をあげて司法の腐敗を告発した「絶望の裁判所」が20日、刊行された。著者の瀬木比呂志・元判事がきょう、日本外国特派員協会で記者会見した。

 瀬木氏は判事を30年余り務め、最高裁事務総局に2度に渡って勤務した。裁判所の裏の裏まで知る人物と言えよう。

 司法の実態を知り尽くした元判事は日本の裁判所を「旧ソ連の全体主義」に たとえる。「裁判官たちは収容所に閉じ込められている」と話す。収容所とは徹底したヒエラルキーに支えられた官僚体制のことだ。瀬木氏によれば、ピラミッドの頂点にいるのは最高裁事務総局だという。

 事務総局が人事を支配しているため、裁判官たちは事務総局にニラまれる判決を書かなくなる。瀬木氏はこうした裁判官をヒラメ(上ばかりを見ている)と揶揄する。

 問題を深刻化させているのはヒラメ(裁判官)の質の劣化だ。瀬木氏は具体例をあげながら「裁判官の性的非行は裁判所の腐敗のあらわれ」と述べた。

 最高裁事務総局は国の政策に異論を唱えるような判決を嫌う。劣化し上ばかりを見ている「ヒラメ裁判官」は盲目的に最高裁の判例に沿った判決を出す。個別の事情を考慮することなく、だ。その結果「これが国家賠償請求でなくて一体何が国家賠償請求になるというのか?といった訴えまで棄却するケースもあった。

      (東京地裁、高裁などが入る高層ビル。裁判所は国民の財産と
       正義を守るものではなくなりつつある。手前の赤レンガは法務省。
       =写真:筆者=)

 筆者は小沢一郎・民主党代表(当時)を政治資金規正法違反で強制起訴した「第5検察審査会」について質問した。瀬木氏は米軍基地をめぐる裁判で米国大使館の大使・公使に情報を流していた最高裁判事の実名をあげ、「日本の司法は裏側で不透明なことをしている」と明言した。

 原発の運転差し止め訴訟は原告の連敗続きだが、下級審で2件だけ勝訴している。これについて瀬木氏は「勝訴の判決文を書くのは相当な勇気と覚悟がいることは間違いない」と話した。人事で不遇の扱いを受けることが明白なため、どの裁判官も自分の将来を考えて原告勝訴の判決は書かないのだ。(記者会見後、筆者とのやりとりで)

 「日本の裁判官の社会は目に見えないルールの支配が強固。それを破った場合の罰は厳しい」と瀬木氏。国民のためではなくひたすら身内の論理で判決が左右されているのである。まさに「絶望の裁判所」である。

 「日本の司法はリフォームされなければいけない。さもなくば人々は訴訟を起こさなくなる」。瀬木氏は記者会見の最後をこう締めくくった。 “ このまま放置しておくと日本は暗黒社会になる”こう警告しているようでならなかった。

 ◇

本稿は日本外国特派員協会での会見と瀬木氏の著書「絶望の裁判所」をコンパイルしています。
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http://gendai.net/articles/view/newsx/148374

元最高裁調査官が暴露 「裁判員制度が司法をダメにした」
2014年3月1日 掲載

 元最高裁調査官で明大法科大学院教授の瀬木比呂志氏の著書「絶望の裁判所」(講談社)が話題だ。本書では、キャリア33年のベテラン裁判官だった瀬木氏が、3月末での退官を発表した最高裁判所長官の竹崎博允氏が主導した司法制度改革の“利権″をバクロしている。

 竹崎氏が主導した裁判員制度は、任命された人に拒否権がないことや法律の素人による量刑のブレといった問題が指摘されている。しかも、「評議の秘密その他の職務上知り得た秘密」を漏らした裁判員は懲役刑。米国の陪審員のようなある程度の自由も与えられていない。だが、瀬木氏は、「制度によって刑事裁判が脚光を浴び、刑事系の裁判官や書記官の増員につながったことにも注目すべきだ」と言う。

 実際、裁判員制度導入決定後、数の上では民事系より少ない刑事系の裁判官が重要ポストの多数を占めるようになった。導入の中心人物だった竹崎氏も14人の先輩最高裁判事を飛び越え、東京高裁長官から直に最高裁判所長官に出世している。その上、多くの幹部ポストはほぼ例外なく竹崎氏と関係の深い裁判官で占められるようになった

   「04年5月の制度導入決定後はその傾向があからさまだったので、
    竹崎氏の人事に疑問を抱く裁判官は多かった。刑事系を有利に
    取り扱うばかりか、地裁や家裁の裁判長の人事にまでその方針が
    及んでいた。能力が乏しくても竹崎氏に近いと優遇される例もあった。
    こんな好き勝手ができたのは、個々の裁判官の能力やモラルが低下し、
    事なかれ主義が蔓延しているから。閉鎖された世界だから、内々の人事が
    メディアに叩かれることもない。だから、こうした人事に抵抗するどころか、
    迎合する傾向もあったほどです」

 確かに近年は児童買春や職員へのストーカー、電車内での盗撮など、裁判官の不祥事を耳にすることが多くなった。

   「裁判官は全国に3000人しかいない。それなのに、問題が次々と
    起きている。表に出ないものもあるはずです。そもそもハラスメントに
    対するガイドラインもない組織。組織内のパワハラや嫌がらせがあっても
    訴える窓口がありません。ストレスから犯罪に走ったり、
    自殺するケースもあります」

 裁判の質の低下で被害を受けるのは国民大手メディアは瀬木氏の主張を黙殺しているが、なぜ問題が起きているのか、しっかり監視すべきである。
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●『DAYS JAPAN』(2014,APR,Vol.11,No.4)の最新号についてのつぶやき

2014年03月26日 00時00分40秒 | Weblog


DAYS JAPAN』(http://www.daysjapan.net/)の最新号について、最近のつぶやきから、AS@ActSludge。

 ブログ主のお薦め記事は、これは必読な、斎藤美奈子さん【OUTLOOK 首相の怨念を背負ったNHK会長の迷走】。「ETV2001 問われる戦時性暴力」番組改悪事件に対する執念が・・・・・・「自分と思想信条や歴史認識を同じくする(であろう)人物をトップに据えておけば、よもや『問われる戦時性暴力』のような番組が製作されることはあるまい、とでも判断したのだろうか」。でも、「・・・・・・せっかく独裁体制を敷いたのに、露骨すぎて逆に権威が失墜。これじゃ現場への圧力もかけられまい。ご愁傷様である」。ワハハハッ!!

   『●広河隆一さん『DAYS JAPAN』の編集長公募

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■①『DAYS JAPAN』(2014,APR,Vol.11,No.4) / 「広河隆一責任編集◎世界を視るフォトジャーナリズム月刊誌」「人々の意志が戦争を止める日が必ず来る」「一枚の写真が国家を動かすこともある」。「10周年記念号」。早い!、もう10年か!!

■②『DAYS JAPAN』(2014,APR,Vol.11,No.4) / 【ToPICs日本・静岡 第5福竜丸事件から60年 非核の訴えはいつ届く】、「アメリカによる・・ビキニ環礁での水爆実験から60年」。日本人の資質(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/8048da440ef992da9c1fdd4c4685c149

■③『DAYS JAPAN』(2014,APR,Vol.11,No.4) / 【ToPICs日本・山口県祝島 原発建設のための漁業補償金はいらない!】、「「上関原発を立てさせない祝島島民の会」・・海を売ることはできない」。金は要らない(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/82c0c67471e77bc1d1322d993e1940ef

■④『DAYS JAPAN』(2014,APR,Vol.11,No.4) / 綿井健陽浅野健一・・広河隆一さん【「一枚の写真が国家を動かすこともある」と私たちは信じた。 特集 DAYS JAPANが伝えた10年】、「イラク戦争での報道批判からDAYSははじまった」

■⑤『DAYS JAPAN』(2014,APR,Vol.11,No.4) / 綿井健陽さん【幻の戦後 混乱と傷痕 生と死のはざまで生きるバグダッド市民】、「終わりなき戦争の日々・・「フセイン政権時代にも、米軍に占拠時代にも戻りたくない」」

■⑥『DAYS JAPAN』(2014,APR,Vol.11,No.4) / 浅野健一さん【無反省な日本メディア】、「朝日新聞・・主要新聞社も米英によるアフガン、イラク侵略を支持した・・ゲラで読んだ後、「この社説を、翌日の朝刊に出してはいけない」・・」

■⑦『DAYS JAPAN』(2014,APR,Vol.11,No.4) / 浅野健一さん【無反省な日本メディア】、「・・「新聞が、例え一人でも命を奪う側に身をおいていいのか」と抗議したが・・ジャーナリストに求められているのは、DAYS JAPANが過去10年・・」

■⑧『DAYS JAPAN』(2014,APR,Vol.11,No.4) / 浅野健一さん【無反省な日本メディア】、「・・わたって実践してきた「市民の目線で取材し報道する」ことだと思う」。アベ首相の暴走人事犬HK黄泉売もさらに酷く・・(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/36e6fe8600d368ee8366a41ad0e446ad

■⑨『DAYS JAPAN』(2014,APR,Vol.11,No.4) / 古居みずえ氏【繰り返される侵略 沈黙は、悲劇を黙認することである】、「犠牲になる子供たち・・国際社会に見放され孤立を続けるガザ」。「人間の戦場③ パレスチナ」

■⑩『DAYS JAPAN』(2014,APR,Vol.11,No.4) / 「人間の戦場④ 核の世界 ・・わたしたちは2011年1月号、「浜岡原発―爆発は防げるか」の見出しで、原発の脆弱さを指摘。福島第一原発事故が起きたのは、この2カ月後だった。・・」

■⑪『DAYS JAPAN』(2014,APR,Vol.11,No.4) / 「人間の戦場④ 核の世界 ・・この悔しさをどう表現したらよいだろうか。事故は絶対に起きてはならなかった。しかし今、事故後の世界に生きる私たちは事故と正面から立ち向かい、・・」

■⑫『DAYS JAPAN』(2014,APR,Vol.11,No.4) / 「人間の戦場④ 核の世界 ・・闘わなければならない。再稼働など、絶対に許してはいけない」。浜岡も、柏崎刈羽原発も、そして、上関や大間原発どれ一つとして原発は許されないhttp://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/f7e19300df63651978b1c2e36238af3b

■⑬『DAYS JAPAN』(2014,APR,Vol.11,No.4) / 「2011年3月11日福島原発事故 知るべき情報は何か。・・空撮・・保護施設・・甲状腺検診・・汚染地図」、「・・放射能から守られていない子供が多数存在するという問題・・」

■⑭『DAYS JAPAN』(2014,APR,Vol.11,No.4) / 「人間の戦場⑤ 沖縄 ・・私たちはどれだけ沖縄の人々の声に耳を傾け、かつて沖縄が戦場になり染料で多くの市民が犠牲になったという過去の歴史に立ち返ってきただろうか」

■⑮『DAYS JAPAN』(2014,APR,Vol.11,No.4) / 「人間の戦場⑥ 性 ・・秘密保護法が採決され、集団的自衛権の見直しが叫ばれ、まるで「戦争のできる国」に成り下がろうとしている今、私たちは過去の戦争で行われたことを・・」

■⑯『DAYS JAPAN』(2014,APR,Vol.11,No.4) / 「人間の戦場⑥ 性 ・・直視する必要があるだろう。なかったことにはできないのだ」。首相が歴史修正主義者で、それに羞恥心と自覚がないという救いの無さ(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/cb19ad47fab7516db3b945232ac494f1

■⑰『DAYS JAPAN』(2014,APR,Vol.11,No.4) / 広河隆一さん【権力と民主主義】、「支配による民主主義で何が起きたか・・「凡庸なる悪」に見る現代・・アイヒマン裁判で・・」、ハンナ・アーレントhttp://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/7a5f184d2fbc7087cb87b482c71f6aae

■⑱『DAYS JAPAN』(2014,APR,Vol.11,No.4) / これは必読な、斎藤美奈子さん【OUTLOOK 首相の怨念を背負ったNHK会長の迷走】、「一言でいえば品性下劣。・・当のNHKだけは報道しない(できない?)。・・」

■⑲『DAYS JAPAN』(2014,APR,Vol.11,No.4) / 斎藤美奈子さん【OUTLOOK 首相の怨念を背負ったNHK会長の迷走】、「・・自らの局内のタブーを抱えてしまった、この一点だけとっても会長は辞任に値しよう」。どこが公共?(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/737c23d0297b4152809503f0632ddf21

■⑳『DAYS JAPAN』(2014,APR,Vol.11,No.4) / 斎藤美奈子さん【OUTLOOK 首相の怨念を背負ったNHK会長の迷走】、アベ氏・中川一郎氏の圧力による「ETV2001 問われる戦時性暴力」番組改悪事件http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/b10639d941800e71bd52f8fb2bf4ce9a

■(21)DAYS JAPAN』(2014,APR,Vol.11,No.4) / 西谷修氏【今の時代を読み解く言葉① 自発的隷従/人々の「絆」がいま、一人の権力者とその追従者たちによって「鎧の鎖」に変えられようとしている。】、「進んで支配を受け入れる人達・・」

■(22)DAYS JAPAN』(2014,APR,Vol.11,No.4) / 西谷修氏【今の時代を読み解く言葉① 自発的隷従】、「・・自発的隷従で奪われる人の喜び・・「強い国家」が目指すもの」。無関心の責任、思考停止の罪(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/0d77c2ede488f4ed9364bb261496b4b0

■(23)DAYS JAPAN』(2014,APR,Vol.11,No.4) / 文/鬼室黎氏、写真/ロバート・キャパ【キャパと時代の女神(ミューズ)たち】、「「戦争写真家」としてだけでなく、多くの友人に愛された人間キャパ。彼のインスピレーションの源は、同時代に生きた女性たちだったかもしれない」
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●袴田事件、そして死刑執行後の『飯塚事件』再審: 司法の良心を示せるか?

2014年03月25日 00時00分12秒 | Weblog


mainichi.jpの記事【飯塚事件:再審可否31日に決定 福岡地裁】(http://mainichi.jp/select/news/20140318k0000m040026000c.html)。
asahi.comの記事【袴田事件の再審開始可否、27日に決定 静岡地裁】(http://www.asahi.com/articles/ASG3N3PJ4G3NUTIL013.html?iref=comtop_list_nat_n04)と、
tocana.jpの記事【【死刑囚】元・プロボクサー袴田巌、無罪は明確? 議員が“異例の総会”を開く】(http://tocana.jp/2014/03/post_3829.html】。

   『●袴田事件: 静岡地裁は「疑わしきは被告人の利益に」を
   『●死刑存置賛成派と飯塚事件
   『●NNNドキュメント’13:
          死刑執行は正しかったのか 飯塚事件 “切りとられた証拠”』

   『●飯塚事件の久間三千年さんと福岡事件の西武雄さん
   『●贖罪:足利事件再鑑定から12日後の2008年10月28日朝、
               飯塚事件久間三千年元死刑囚の死刑が執行

   『●「官僚司法とその提灯持ちは改革を拒否し続けている」
                         ・・・冷たい司法が続くわけだ

   『●「飯塚事件」「福岡事件」「大崎事件」
        ・・・・・・に係わる弁護士たちで『九州再審弁護連絡会』発足

   『●足利事件と飯塚事件と、そして「国家は人を殺す」:
              谷垣禎一法相「死刑制度は国民から支持」


 飯塚事件、そして、袴田事件、冤罪を晴らす扉は開くだろうか? 警察や検察を「気遣った」この異常に重い扉。証拠の捏造も疑われる両事件、もうすぐ再審の可否が明らかにされる。罪の重い裁判所・・・・・・、「ひらめヒラメ)裁判官」とならずに勇気を持って司法の良心を示すことはできるだろうか? 福岡地裁平塚浩司裁判長、静岡地裁村山浩昭裁判長は「ヒラメ」や「」でなければいいのですが・・・・・・。

   ●〝犬〟になれなかった裁判官
   『●『冤罪ファイル(2010年10月号)』読了


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http://mainichi.jp/select/news/20140318k0000m040026000c.html

飯塚事件:再審可否31日に決定 福岡地裁
毎日新聞 2014年03月17日 18時40分

 福岡県飯塚市で女児2人が殺害された「飯塚事件」で死刑執行された久間三千年(くまみちとし)元死刑囚(当時70歳)の再審請求審で、福岡地裁(平塚浩司裁判長)は17日、再審を開始するかどうかの決定を31日に出すと弁護団、検察に通知した。再審開始が決まれば死刑執行後では初めてのケースになるため、地裁の判断に注目が集まる。

 久間元死刑囚は1992年2月、飯塚市で小学1年の女児2人を殺害し、同県甘木市(現・朝倉市)の山中に遺棄したとして、起訴された。一貫して無罪を主張したが、裁判所は被害者の遺体などから採取された血液のDNA型と久間元死刑囚のものが一致したなどとして有罪と判断。2008年10月に刑が執行された。

 久間元死刑囚の妻が09年10月に再審請求し、弁護団、地検、地裁による非公開の協議が行われてきた。弁護団はDNA型に使われたネガフィルムの解析で「真犯人とみられる異なるDNA型がある」とする鑑定結果を提出している。【山本太一】
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http://www.asahi.com/articles/ASG3N3PJ4G3NUTIL013.html?iref=comtop_list_nat_n04

袴田事件の再審開始可否、27日に決定 静岡地裁
2014年3月20日13時05分

 静岡県で1966年に一家4人が殺害、放火された「袴田事件」で死刑が確定した元プロボクサー袴田巌(いわお)死刑囚(78)の第2次再審請求審で、静岡地裁は20日、再審開始の可否の決定を27日午前に出すと、弁護団と検察側に通知した。

袴田事件の48年

 事件発生は66年6月30日未明。当時の静岡県清水市(現・静岡市清水区)でみそ会社専務の一家4人が殺害、放火され、従業員だった袴田死刑囚が強盗殺人、放火などの容疑で逮捕、起訴された。死刑判決は80年に最高裁で確定。2008年3月には第1次の再審請求を最高裁が棄却した。

 08年4月に静岡地裁へ申し立てられた第2次再審請求審では、事件から1年2カ月後にみそタンクの中から見つかり、犯行時の着衣とされた血染めの衣類5点のうち、白い半袖シャツの右肩についていた血痕のDNA型を再鑑定。検察、弁護側双方が推薦した鑑定人とも、付着していた血痕と袴田死刑囚のDNA型が「一致しない」という判定を出したが、検察側は鑑定資料の劣化などから「鑑定結果には信用性が認められない」と主張している。

・・・・・・・・・。
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http://tocana.jp/2014/03/post_3829.html

【死刑囚】元・プロボクサー袴田巌、無罪は明確? 議員が“異例の総会”を開く
2014.03.21

 3月18日、「袴田巌死刑囚救援議員連盟」総会が、衆議院第2議員会館で行われた。 1966年6月30日、静岡県清水市の味噌製造会社の専務宅が全焼、現場からは刃物による多数の傷を受けた一家4人の死体が発見された。その事件で逮捕されたのが、近くの味噌工場の住み込み授業員であった、元プロボクサーの袴田巌であった。1980年に最高裁で死刑が確定したが、証拠の不自然さなどから、冤罪であるという声が高まり、現在、第2次再審請求が行われている。

 総会で演壇に並んだのは、会長の塩谷立を初めとして、逢沢一郎、大口善徳、生方幸夫、谷畑考、仁比聡平、松浪健太、鈴木貴子、と超党派の議員。そして袴田死刑囚の姉である袴田秀子、弁護団長の西嶋勝彦である。100名ほどの聴衆にも、議員が多く見られる。

 立法府にある議員が、司法の領域に意見をするのは、三権分立の原則からきわめて異例だ。それほどまでに、袴田死刑囚の冤罪の疑いは濃く、人道の立場から救い出さなければならないという気運が高まっている。

 仁比聡平議員は、冤罪が生まれる構造的問題を指摘した。捜査官による証拠のねつ造が行われていたり、被告に有利であるはずの証拠が隠されていることから、冤罪が発生することが多い。検察は手持ちの証拠を全面開示すべきだ、と強く訴えた。

 総合格闘技の選手だったこともある、松浪健太議員は自身の経験から、「リングで殴られているとき怖くないのは、アドレナリンが出ているからだ」と、日本フェザー級6位のプロボクサーだった袴田さんでも、死刑に恐怖を感じていないはずはない、と言及した。袴田死刑囚の収監は45年で世界最長。ギネスにも認定されている。「ギネス記録が伸びるのは、恥ずかしいことだ」と付け加えた。

 「嬉しいはずの朝が来ることが、袴田さんにはどれほどつらいか。半世紀近くもそれを強いているのは自分たちだ」と、鈴木貴子議員は語った。

 西嶋勝彦弁護士から、第2次再審の内容が説明される。それは多岐に渡ったが、主な点は以下の通りである。

 袴田さんを有罪とする最大の証拠は、現場近くの味噌醸造タンクから麻袋に入って発見された、鉄紺色ズボン、ねずみ色スポーツシャツ、白ステテコ、白半袖シャツ、緑色ブリーフ、5点の衣類である。袴田さんが緑色の似たブリーフを穿いていたこと、ズボンの端切れが袴田さんの実家から見つかったことから、犯人である証拠とされた。

 控訴審で、その衣類の装着実験が行われた。なんと、ズボンは小さすぎて、袴田さんの太ももにつかえて、穿くことができなかった他にも様々な不審な点があるが、決定的なのは、2011年に静岡地裁で行われたDNA鑑定だ。衣類には血液がついていたが、いずれの被害者の血液ともDNAが一致しなかった衣類が発見されたのは、事件から11年2カ月後直後の捜索では出ていなかったものだ事件の後に、無関係な衣類が、証拠とするために入れられた可能性が大きい。他の冤罪事件でも、捜査当局が証拠をねつ造していたことがままある。

 また、隠されていた事件直後の関係者の供述が、裁判所の勧告によって、日の目を見ている。火事に気づいた袴田さんは、同僚と一緒に消火活動を行っていたことを、同僚たちは供述している。袴田さんが犯人だと疑われた一つは、左手中指にあった切り傷だったが、それは消火活動の際に負ったものだった。同僚たちも、怪我をしていた。消火活動の時にはパジャマ姿だった。犯行を行い、部屋に戻って5点の衣類からパジャマに着替えて消火に携わるには、時間的にまったく不自然である。だからこそ、検察官は最後まで開示に抵抗したのだった。

 刑の執行停止、再審開始を求めていくことが、満場の拍手で総会の総意として確認される。姉の袴田秀子さんが、強い決意を述べて総会は締めくくられた。

 静岡地裁で袴田事件を担当した熊本典道元裁判官は、無罪であることを確信しながら、3人の裁判官の合議の結果、死刑判決を書かなければならなかった事実を、2007年に告白している。

 袴田さんが、無実である可能性は高いだろう。再審が実現し、無罪が言い渡される日もくるかもしれない。

■深笛義也(ふかぶえ・よしなり)
1959年東京生まれ。横浜市内で育つ。18歳から29歳まで革命運動に明け暮れ、30代でライターになる。書籍には『エロか? 革命か? それが問題だ!』『女性死刑囚』『労働貴族』(すべて鹿砦社)がある。ほか、著書はコチラ。
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●「消費税増税の悪夢」 『週刊金曜日』(2014年3月21日、984号)についてのつぶやき

2014年03月24日 00時00分19秒 | Weblog


週刊金曜日』(2014年3月21日、984号)について、最近のつぶやきから、AS@ActSludge。

 今週のブログ主のお薦めは、なんと言ってもこれでしょう、山口正紀さん【学生を無視して浅野教授を追放 同志社大学】、驚き、そして、呆れました。

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■①『週刊金曜日』(2014年3月21日、984号) / 「消費増税の悪夢」。渡辺睦美氏【ヘイトスピーチに「人間の壁」 豊島区が差別集会許可で波紋】、「在特会・・特段の議論を経ず、貸し出した実態が見える」。アジアの井戸を濁らせるものhttp://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/e4fff2e56d3ac71449d6db42a0892483

■②『週刊金曜日』(2014年3月21日、984号) / 桐島瞬氏【日本原子力学会が原発事故の調査書を発表 過去の反省見えぬ報告会に】、「小出裕章助教はこう話す。「学会が反省しない姿勢は昔から何も変わっていない。提言と言うが、まずは自ら実行すべきだ」」

■③『週刊金曜日』(2014年3月21日、984号) / 田中優子さん【風速計/原子力市民委員会のこと】、「委員やアドヴァイザーには海渡雄一さんや金子勝さん、アイリーン・美緒子・スミスさん、上原公子さんなどおなじみの方々もいる。敷居は高くない」

■④『週刊金曜日』(2014年3月21日、984号) / まさのあつこ氏【日本共産党小池晃政策委員長に聞く 保守としての〝節度すら捨てた杜撰な議論が安倍政権の特徴】、「非正規雇用拡大は最大の賃下げ要因」。労働者いじめ(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/3fe7b4ad69737ba150ab67f5cb5f7345

■⑤『週刊金曜日』(2014年3月21日、984号) / 勝野正章氏【ナショナリズムと市場主義グローバリズムを背景に安倍政権が急ピッチで進める「教育再生」のめざすもの】、「格差縮減に向かう世界の流れに逆行」。「教育破壊」(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/38fef8e43cb96129b5209ba4f5be0214

■⑥『週刊金曜日』(2014年3月21日、984号) / 【佐々木実の経済私考/労働者派遣法生みの親・高梨昌の遺言「労働は商品ではない」】、「人はモノじゃありませんから」。働くとは?生業とは??http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/4b136028c1dc9c90c065e8854f11f9c1

■⑦『週刊金曜日』(2014年3月21日、984号) / 呆れた!、驚いた!! 山口正紀さん【学生を無視して浅野教授を追放 同志社大学】。渡辺武達教授と『週刊文春』に対する名誉棄損訴訟で全面勝訴した件に対する腹いせか?(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/0a8f46ce37de09139b8577a801ae8b7e) それにしても無茶苦茶だ

■⑧『週刊金曜日』(2014年3月21日、984号) / 岩本太郎さん【記者会や県警がフリー記者に対して締め出し・差別!】、「寺澤有さん・・「フリーランス連絡会」・・「回答する記者団」運営者のフリー記者・佐藤裕一氏」。記者会の横暴(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/75a7a7fc5d14256e68b1597e4059f04b

■⑨『週刊金曜日』(2014年3月21日、984号) / 高嶋伸欣氏【『産経』と安倍側近が連携プレーで演じたヤブヘビのお粗末!】、「〝韓国叩き〟の急先鋒の『産経新聞』も焦りが目立つ・・「河野談話」・・「見直さず」発言でダウン」。いまに始まったことではないが差別的な酷い記事ばかり
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●大滝詠一さんを悼む(5): 「僕の言葉と、君の旋律は、こうして毛細血管でつながっている」

2014年03月23日 00時00分58秒 | Weblog


nikkansports.comの二つの記事【大滝詠一さん「ママ、ありがとう」叫び…】(http://www.nikkansports.com/entertainment/news/p-et-tp0-20140322-1273652.html)、
【細野晴臣最後の別れ「一緒にまたやろう」】(http://www.nikkansports.com/entertainment/news/f-et-tp0-20140321-1273634.html)。
asahi.comの一連の記事【〈速報〉大滝詠一さんお別れ会に松たか子ら250人】(http://www.asahi.com/and_M/interest/entertainment/Cfettp01403210040.html?iref=comtop_list_andm_f02)、
【直筆歌詞・愛用のギター…大瀧詠一さんゆかりの品を展示】(http://www.asahi.com/articles/ASG3P5SYVG3PUCVL00Y.html?iref=comtop_list_obi_n01)、
【大瀧詠一さんお別れ会、参列者から悼む言葉】(http://www.asahi.com/articles/ASG3P4W6HG3PUCVL00F.html?iref=comtop_list_obi_n02)、
【鈴木茂さん弔辞 「思いは受け継がれていく」】(http://www.asahi.com/articles/ASG3P4WJCG3PUCVL00H.html?iref=comtop_list_obi_n03)、
【細野晴臣さん弔辞 「自分の中にずっといた」】(http://www.asahi.com/articles/ASG3P566WG3PUCVL00L.html?iref=comtop_list_obi_n05)、
【松本隆さん弔辞 「残した作品たちは永遠に不死だ」】(http://www.asahi.com/articles/ASG3P5134G3PUCVL00J.html?iref=comtop_list_obi_n04)。

 やはり、松本隆さんの言葉が印象に残ります・・・・・・「花を置きながら、僕の言葉と、君の旋律は、こうして毛細血管でつながっていると思いました」「片方が肉体を失い、残された方は心臓を素手でもぎ取られた気がします」「残した作品たちは永遠に不死だ」。

   『●「日本社会を蝕むパワーハラスメント」『週刊金曜日』
                        (2013年4月5日、938号)

   『●懐かしいな~
   『●『イエロー・サブマリン音頭』とビートルズと大滝詠一
   『●須藤薫さん、亡くなる
   『●「ナイアガラ」の大滝詠一さん亡くなる
   『●大滝詠一さんを悼む
   『●大滝詠一さんを悼む(2) 「春よ来い」
   『●大滝詠一さんを悼む(3)
            「十二月の旅人」「残した作品たちは永遠に不死」

   『●大滝詠一さんを悼む(4)
          「〈キング・オブ・ポップス〉と言える偉大なアーティスト」
 
   『●大滝詠一『Complete EACH TIME』(Final/
          30th Anniversary Edition):「さよならだけが人生だ」
』    

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http://www.nikkansports.com/entertainment/news/p-et-tp0-20140322-1273652.html

大滝詠一さん「ママ、ありがとう」叫び…

   (祭壇にはTBSラジオに出演した34歳の大滝さんの写真が飾られた)

 昨年12月30日に解離性動脈瘤(りゅう)で亡くなった歌手で音楽プロデューサーの大滝詠一さん(享年65)は、最後に「ママ、ありがとう」と叫ぶように言い、亡くなっていた。21日、都内で行われたお別れの会で静子夫人が明かした。会には女優松たか子(36)ら約250人が参列。多方面から師匠」と呼ばれた秘話が明かされた。

 会の最後、夫人が亡くなった時の様子を明かした。都内の自宅で夕食後、新聞に目を通していた大滝さんは「東北も少しずつ復興しているようだね」と感想を漏らしていた。夫人が背を向けてリンゴをむいていると、突然、「ママ、ありがとう!」と大声。夫人が駆け寄った時にはイスにもたれかかるような体勢で顔は暗紫色になっていた。

 「皆さんに『ありがとう』を伝えたかったんだと思います」(夫人)。

 参列者からは「師匠」と呼ばれた人柄が語られた。俳優佐野史郎(59)は、しみじみと言った。「大滝さんが言った『期待は失望の母』は、落ち込んだ僕を元気にしてくれる。僕の出た作品にも小まめに感想やアドバイスをくれました」。

 テレビ出演は嫌いでも、見るのは好きだった大滝さんは映画やドラマに詳しく、自宅にはビデオ店のようなストックがあった。

 タレント清水ミチコ(54)の音楽ネタの「師匠」でもあった。「テレビで音楽ネタをやると、すぐにメールで。『こうした方がいいんじゃない』って」。

 米国ポップス通で知られた大滝さんだが、クレージーキャッツをはじめ、往年のコミックソングへの造詣も深かった。

 DJ出身で元ニッポン放送社長の亀渕昭信氏(72)は「(社長退任後)僕が落ち込んでいると思って、もう1回DJやってみればって言われまして。おかげで(NHKで)4年目になりますが、もっと彼の感想を聞きたかったです」。

 はっぴいえんど細野晴臣(66)松本隆(64)をはじめ、佐野元春(58)あがた森魚(65)甲斐よしひろ(60)ウルフルズ、サンボマスター、高田文夫(65)ら参列者は実に多彩で、大滝さんの幅広い交流がうかがえた。【相原斎】

 ◆大滝詠一(おおたき・えいいち、本名・栄一)1948年(昭23)7月28日、岩手県生まれ。早大中退。在学中の70年、細野晴臣や松本隆らとはっぴいえんどを結成。81年に「ロング・バケーション」でレコード大賞最優秀アルバム賞。97年、フジテレビ系ドラマ「ラブジェネレーション」の主題歌「幸せな結末」がミリオンヒット。松田聖子「風立ちぬ」などプロデュース作品多数。

 [2014年3月22日7時21分 紙面から]
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http://www.nikkansports.com/entertainment/news/f-et-tp0-20140321-1273634.html

細野晴臣最後の別れ「一緒にまたやろう」

 昨年12月に65歳で死去したミュージシャン大滝詠一さんのお別れ会が21日、都内で開かれた。

 ロックバンド、はっぴいえんどで共に活動した細野晴臣や松本隆、女優松たか子ら関係者約250人が献花し、故人をしのんだ。

 松本は弔辞で「僕の言葉と君の旋律は毛細血管でつながっていると思いました。片方が肉体を失い、残された方は心臓を素手でもぎ取られた気がします」と話した。

 白い花で彩られた祭壇には、1982年のラジオ番組収録時に撮影された、楽しそうにほほ笑む遺影が置かれた。細野は「今なら、はっぴいえんどをもう一度できるんじゃないかなと思っていた」と振り返り、「一緒にまたやりましょうまたね」と語り掛けた。

 終了後は1000人以上のファンが献花に訪れ、最後の別れを惜しんだ。

 [2014年3月21日22時35分]
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http://www.asahi.com/and_M/interest/entertainment/Cfettp01403210040.html?iref=comtop_list_andm_f02

〈速報〉大滝詠一さんお別れ会に松たか子ら250人
2014年3月21日

 昨年12月30日に解離性動脈瘤(りゅう)のため亡くなった歌手で音楽プロデューサーの大滝詠一さん(享年65)のお別れ会が21日、ソニーミュージック乃木坂スタジオで行われた。

 主題歌を提供したフジテレビ系ドラマ「ラブジェネレーション」(97年)のヒロイン松たか子(36)ら関係者250人が参列し、夫人の静子さんが、参列者を前に大滝さんが亡くなった時の様子を明かした。

 大瀧さんは亡くなった12月30日、夕食後に夫人がリンゴの皮をむいている時に突然、「ママ、ありがとう」と大きな声で叫ぶように言って倒れたという。すぐに夫人が心臓マッサージをしたが、そのまま帰らぬ人になったという。

 ともにバンド、はっぴいえんどで活動した作詞家松本隆氏(64)は「僕の言葉と彼の旋律は毛細血管でつながっている。もう作る力がない」と悼んだ。鈴木茂(62)は「初めてアメリカに行ったとき、エレベーターに大滝が閉じこめられて、みんなで助けに行ったことを昨日のように思い出す」とほほ笑ましいエピソードを明かした。細野晴臣(66)は「老後、ぼそぼそと音楽の話をするのを楽しみにしていたのに」と惜しんだ。

 82年、TBSラジオ「ゴー!ゴー!ナイアガラ」収録時の写真が遺影として飾られ、音楽界からは甲斐よしひろ、ウルフルズ、サンボマスター、あがた森魚、杉真理伊藤銀次、俳優の佐野史郎、タレントの清水ミチコ、高田文夫さんらが参列した。
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http://www.asahi.com/articles/ASG3P5SYVG3PUCVL00Y.html?iref=comtop_list_obi_n01

直筆歌詞・愛用のギター…大瀧詠一さんゆかりの品を展示
2014年3月21日21時01分

  (お別れの会で展示された大瀧詠一さん直筆の歌詞=ソニーミュージック提供)

■大瀧詠一さんお別れ会

 最後の言葉「ママ、ありがとう」

 お別れ会のあった都内のレコード会社には、大瀧さんがレコーディングや過去の作品のリマスタリングで使用していたスタジオがあり、この日、大瀧さんゆかりの品が展示された。

 使用していたエレキギターやアコースティックギターのほか、大瀧さんが1970年代に自身のラジオ番組「ゴー!ゴー!ナイアガラ」の収録で使用していた自前のターンテーブル、自宅にあったジュークボックスなどが置かれた。

・・・・・・。
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http://www.asahi.com/articles/ASG3P4W6HG3PUCVL00F.html?iref=comtop_list_obi_n02

大瀧詠一さんお別れ会、参列者から悼む言葉
2014年3月21日18時38分

 生前の大瀧さんの幅広い交友ぶりを物語るように、お別れの会には大勢のミュージシャン、俳優らが参列し、大瀧さんを悼む言葉を残した。

■ミュージシャンの杉真理(すぎまさみち)さん

 大瀧さんはとにかく知識が深く、ユーモアがあった。音楽のことで困難にぶつかっても、必ずユーモアで乗り越えていく方。献花の時に、「僕を仲間に入れてくれてありがとうございます。光栄です」と伝えてきました。

■俳優の佐野史郎さん

 15歳の時、はっぴいえんどの「12月の雨の日」を聴いて打ちのめされた。年に1度は必ずお会いしていたが、会っていない時でも、(音楽を耳にすることで)ずっと一緒に過ごしていたような気がする。日本映画に精通していて、出演したドラマや映画について、時には厳しく叱咤激励(しったげきれい)していただいた。師匠のような存在でした。

・・・・・・。
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http://www.asahi.com/articles/ASG3P4WJCG3PUCVL00H.html?iref=comtop_list_obi_n03

鈴木茂さん弔辞 「思いは受け継がれていく」
2014年3月21日18時31分

■大瀧詠一さんお別れ会 元はっぴいえんどのメンバーでミュージシャンの鈴木茂さんの弔辞

 昔のことをいろいろ思い出しているんですが、そこには、いつもあの笑顔と、独特の笑い方の大瀧さんがいます。

 いろんなことがありましたが、「ゆでめん」(アルバム「はっぴいえんど」)のレコーディングが終わって、すべて終わってスタジオ出たら、もう朝になっていて、朝日を浴びながら、みんな満足そうな顔で、一言二言言って別れたこと。そして、はっぴいえんどでライブで地方に出た時、電車の中で、おまんじゅうを食べながら、謎かけ・・・。随分おじいさんのバンドに入ってしまったな、と思ったんです。

・・・・・・。
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http://www.asahi.com/articles/ASG3P566WG3PUCVL00L.html?iref=comtop_list_obi_n05

細野晴臣さん弔辞 「自分の中にずっといた」
2014年3月21日18時23分

■大瀧詠一さんお別れ会 元はっぴいえんどのメンバーでミュージシャンの細野晴臣さんの弔辞

 大瀧君、細野です。いろんな思い出がありますけど、とにかく突然逝かれて、本当にショックでした。困りました

 いなくなって初めて、自分の中に大瀧詠一という存在がずっといたんだな、と思いました。なぜかと言えば、アルバムをつくるたびに、彼はこれをどうやって聴くんだろうどう思われているんだろう、と考えていて。それはいまだに謎なんですけど。

・・・・・・。
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http://www.asahi.com/articles/ASG3P5134G3PUCVL00J.html?iref=comtop_list_obi_n04

松本隆さん弔辞 「残した作品たちは永遠に不死だ
2014年3月21日18時30分

■大瀧詠一さんお別れ会 元はっぴいえんどのメンバーで作詞家の松本隆さんの弔辞

 (今年1月の大瀧さんの葬儀後に発表した)ツイッターのツイートを超える文章を書けそうにないので、少し言葉を足したものを音読します。

 今日、本物の12月の旅人になってしまった君を見送ってきた。僕と細野さんと茂の3人で棺(ひつぎ)を支えて、『持ち方がゆるい』とか『甘いな』とか、にやっとしながらしからないでください。花を置きながら、僕の言葉と、君の旋律は、こうして毛細血管でつながっていると思いました。

・・・・・・。
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●大滝詠一『Complete EACH TIME』(Final/30th Anniversary Edition): 「さよならだけが人生だ」

2014年03月22日 00時00分24秒 | Weblog


大滝詠一大瀧詠一)さん 『Complete EACH TIME』(Final/30th Anniversary Edition)を買いました。

 大滝さん自身の解説は、残念ながら、間に合わなかったようです。
 「ペパーミント・ブルー」「フィヨルドの少女」、大好きです。もうすぐ春ですが、『A LONG VACATION』の「夏」に対して、『EACH TIME』は「冬」を感じさせます。

 「Each Times」(Vol.7 21 MAR 2014/号外)が同封されていました。
 井上鑑さん:
  
   「・・・でも、日本に生まれてくれたことを感謝しなくてはいけない。
    日本語の文化を豊かにしてくれたのだから。
  
    そして、
    音楽に詳しい人。
    音楽を紡ぐのが上手な人。」

 湯浅学氏:
  
   「・・・別離や転機についてどうしても感じてしまいましたが、
    川島雄三監督の映画『貸間あり』のラストシーンを思い浮かべることが、
    この30周年盤を聞いているとあるのでした。「さよならだけが人生だ」、
    とその映画で桂小金治は言うのでした。
     『イーチ・タイム』はまったくとんでもなく美麗な
    ハードコア哀愁歌謡交響曲です。チェンバロが空から降りてきたような
    音で響いています。音の飛沫が名づけようのない色と色できらめいて
    います。安息と不穏はいつでも背中合わせのものなのだ、
    とつくづく身に染みるアルバムです。」


   『●「日本社会を蝕むパワーハラスメント」『週刊金曜日』
                     (2013年4月5日、938号)

   『●懐かしいな~
   『●『イエロー・サブマリン音頭』とビートルズと大滝詠一
   『●須藤薫さん、亡くなる
   『●「ナイアガラ」の大滝詠一さん亡くなる
   『●大滝詠一さんを悼む
   『●大滝詠一さんを悼む(2) 「春よ来い」
   『●大滝詠一さんを悼む(3)
            「十二月の旅人」「残した作品たちは永遠に不死」
   『
●大滝詠一さんを悼む(4)
          「〈キング・オブ・ポップス〉と言える偉大なアーティスト」

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●センス無し: アベ首相の暴走人事の弊害、その一側面

2014年03月21日 00時00分15秒 | Weblog


gendai.netの記事【謝罪先でまた口論 小松法制局長官の止まらない“異常言動”】(http://gendai.net/articles/view/news/148677)と、
東京新聞の二つの記事【民主幹事長、小松長官更迭を要求 「発言が混乱生んでいる」】(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2014031301001707.html)、
【小松長官、首相擁護躍起 「代理人」と野党反発】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2014031502000120.html)。

 「小松一郎内閣法制局長官について「発言が混乱を生んでいる。混乱しないよう適切にできる方を任命することが必要だ」と述べ、更迭を要求した。安倍晋三首相が集団的自衛権行使容認に関する「国家安全保障基本法案」の提出を想定していないとした小松氏の国会答弁については「自分の立場をわきまえていないのではないか。せんえつどころか越権的な発言だ」と批判」、「内閣法制局の小松一郎長官が、国会で踏み込んだ答弁をしたり、廊下で野党議員と口論するなど、物議を醸す言動を繰り返している。小松氏は、安倍晋三首相が集団的自衛権の行使容認に向けて任命し、肝いりで就任」・・・・・・。

 暴走人事に落とし前をつけてもらわないと。

   『●トップからして腐敗したメディア: 「きょうの安倍将軍」「安倍様のNHK」
   『
●ジャーナリズムの矜持無きこんな「公共」放送なんて要らない!
   『
●内閣法制局、NHK、秘密保護法、消費税増税・・・、
                「肝いり人事」という安倍首相の暴走人事


 アベ首相の人事面(だけでなく、全て)のセンスが無いことが露呈。暴走人事、友だち人事で好き勝手やっている。

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http://gendai.net/articles/view/news/148677

謝罪先でまた口論 小松法制局長官の止まらない“異常言動”
2014年3月13日 掲載

 はやく更迭した方がいい――。小松一郎・内閣法制局長官(62)の常軌を逸した行動に、さすがに自民党内からも批判の声が噴出している。

 先週末(7日)国会内の廊下で激しく突っかかったことを詫びるために、12日共産党の大門実紀史参院議員の議員会館の部屋を訪ねた小松長官。ところが、謝罪のために訪れた部屋で、また激しく口論する異常な行動をみせている。がん治療を公表している小松長官に「治療に専念されたらどうか」と大門議員が声をかけると“逆ギレ”し、まくし立てたという。当然、大門議員は「帰って下さい」と謝罪の受け入れを拒否した。

 小松長官は11日の参院予算委員会でも、「安倍首相は国家安全保障基本法案を提出する考えはないと思う」と、勝手に答え、「法制局長官に法案提出権があるわけではない」と自民党を激怒させたばかりだ。この男の異常な言動は止まらない。

 それにしても、安倍首相が任命したのは、似たような人物ばかりだ。籾井勝人百田尚樹本田悦朗…。他人からの批判を受け入れず、言い返さないと気が済まない安倍首相も同じタイプである。小松長官の異常な行動は、病気が原因ではないだろうが、ここまでおかしな人物を法制局長官という重要ポストに就けておいていいのか

   「憲法を解釈する法制局長官には、冷静な判断が求められます。
    圧力や誘惑に屈することなく、学問や過去の蓄積に基づいて
    公正なジャッジをしなくてはいけない。ある意味、実務者であるべきです。
    なのに小松長官は、あまりにも感情的。とても冷静な判断が下せる
    とは思えないデタラメな解釈をしかねない。それもこれも、安倍首相が
    “人物本位”ではなく、自分の“お友達”という理由だけで
    重用しているからです。安倍首相の“国家の私物化という弊害
    次々に表れはじめています」(政治評論家・山口朝雄氏)

 週に1度、抗がん治療を受ける小松長官のために、国会の日程まで土壇場で変更される事態になっている。大門議員が心配した通り、小松長官は辞任して治療に専念すべきだ。
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http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2014031301001707.html

民主幹事長、小松長官更迭を要求 「発言が混乱生んでいる」
2014年3月13日 16時41分

 民主党の大畠章宏幹事長は13日の記者会見で、小松一郎内閣法制局長官について「発言が混乱を生んでいる。混乱しないよう適切にできる方を任命することが必要だ」と述べ、更迭を要求した。

 安倍晋三首相が集団的自衛権行使容認に関する「国家安全保障基本法案」の提出を想定していないとした小松氏の国会答弁については「自分の立場をわきまえていないのではないか。せんえつどころか越権的な発言だ」と批判した。

(共同)
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2014031502000120.html

小松長官、首相擁護躍起 「代理人」と野党反発
2014年3月15日 朝刊

 内閣法制局の小松一郎長官が、国会で踏み込んだ答弁をしたり、廊下で野党議員と口論するなど、物議を醸す言動を繰り返している。小松氏は、安倍晋三首相が集団的自衛権の行使容認に向けて任命し、肝いりで就任したが、むしろ野党の反発を招く事態を招いている。 (金杉貴雄

 内閣法制局は「法律問題で内閣や首相に意見を述べること」(法制局設置法)などが役割。政府提出法案を審査し、憲法に照らして問題があれば修正する。集団的自衛権では長年、行使は憲法上禁じられているとの政府解釈を積み重ね、歴代内閣は見解を尊重してきた。このため「憲法の番人」と呼ばれる。

 法制局長官は、法律の専門家集団の長として深い知識と経験が必要とされ、内部で経験を積んだナンバー2の法制次長から昇格するのが慣例だった。だが、小松氏は外務省出身。法制局の経験がないまま、首相の指名によって昨年八月に就任した。

 小松氏の就任後、法制局は「憲法の番人」でなく「首相の代理人」ではないかとの声が上がり始めた。積み上げた解釈よりも、首相の意に沿う発言が目立つようになったためだ。

 小松氏は昨秋の国会で、憲法解釈の変更に関し「許されないことはない」と発言。一般論としての解釈変更への見解だったが、解釈改憲による集団的自衛権の行使容認を「不可能」と明言した歴代長官に比べ、踏み込んだ印象を与えた。

 最近では、首相が解釈改憲をめぐり「最高責任者は私だ」と強調。憲法が権力を縛るという立憲主義の理念を否定したと受け止められると、小松氏は「立憲主義の否定に当たらない」と首相に代わり反論した。

 首相の代弁者や擁護者のような姿勢に野党は反発。小松氏は批判に対し、国会での長い答弁や廊下での口論で対抗し、さらに野党の怒りを強める事態を招いている。

 小松氏は一月下旬から病気のため一カ月入院し、一時は交代論も広がった。現在も週に一度は通院治療を受けている。野党には資質や健康面から「小松氏を辞めさせるべきだ」との声も強いが、首相は続投させる姿勢を崩していない。
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●醜悪な構図3:  「寄付ではない」2億円で町道整備してあげる中国電力、それを受け入れる上関町

2014年03月20日 00時00分27秒 | Weblog


asahi.comの記事【中国電、山口・上関で町道整備 2億円「寄付ではない」】(http://www.asahi.com/articles/ASG2X6Q58G2XTIPE03G.html?iref=comtop_6_03)。

   『●原発人災・汚染の原因者が「税金による事業で利益をもたらす」醜悪な構図
   『●醜悪な構図2: 原発人災・汚染の原因者が「公的支援1兆円 裏で税逃れ」
   『●続・醜悪な構図2: 原因者が「公的支援1兆円 裏で税逃れ」
                            「「私たちとは違う」感覚の持ち主」


 「電力会社から原発立地自治体への寄付には批判が強いが、同社は民間でも公道を整備できる法律を根拠に整備し、「寄付でない」と主張する。専門家からは「事実上の寄付。公表しないで進めるのは問題だ」との声が上がる」・・・・・・いまに始まったことではないが、あざとい電力会社による醜悪な構図。そこまでして原発を受け入れる「地元」の気持ちを理解できない。3.11東京電力原発人災って、一体なんだったのでしょうか? 「寄付でないと主張」だそうなので、中電に町道整備して頂いたら、上関町はさっさと原発から撤退しましょう。

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http://www.asahi.com/articles/ASG2X6Q58G2XTIPE03G.html?iref=comtop_6_03

中国電、山口・上関で町道整備 2億円「寄付ではない」
小川裕介野口陽 2014年3月16日06時45分

 中国電力による原発の新設計画が中断している山口県上関町で、同社が総額約2億円以上をかけて町道を拡幅・新設し、町に引き渡す計画を進めていることがわかった。電力会社から原発立地自治体への寄付には批判が強いが、同社は民間でも公道を整備できる法律を根拠に整備し、寄付でないと主張する。専門家からは「事実上の寄付。公表しないで進めるのは問題だ」との声が上がる。

 電力会社から立地自治体への寄付は、東京電力福島第一原発の事故後に特に批判が強まり、電力会社の間では、寄付を中止したり減額したりする動きが出ている。中国電力の苅田知英社長は2011年以降、上関町に寄付をしていないとの趣旨の発言をしている。

 同社や町などによると、整備が計画されているのは、原発計画地と町中心部を結ぶルートにある町道に点在する5区画で計約1・4キロある。うち1区画は12年に工事が始まって昨年に完工し、別の区画は1月に着工した。ほか3区画も順次着工される予定だ。

 同社や町は受注業者や受注額など詳細を公表していないが、関係者によると、完工、着工した2区画とも地元業者が受注し、整備費は計約2億円という。

・・・・・・。
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●原発再稼働・新規建設・原発輸出、無責任な暴走・・・・・・我国に真の文明は?

2014年03月19日 00時00分54秒 | Weblog


東京新聞の記事【川内原発を優先審査 規制委 再稼働新基準で方針】(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2014031390135609.html)と、
asahi.comの記事【真の文明は― 足尾そして福島】(http://www.asahi.com/articles/CMTW1403140700002.html)。

 「新規制基準に基づく再稼働第一号は川内原発となる可能性が高まった。しかし、同原発周辺は原発外の防災対策が遅れているなど安全面の課題も多く、大きく疑問が残る決定」・・・・・・暴走する原子力「推進」「寄生」委員会、そして九州電力と自公政権の愚かさ。 

 原発再稼働や原発の新規建設、さらには原発輸出・・・・・・、脱原発派と一体どちらが無責任なのか? 原発推進派こそ、無責任な暴走である。こんな我国に真の文明は在ると言えるのか?・・・・・・「福島の原発事故は過去の公害事件と似ている。そう指摘する識者は多い。日本初の公害とされる足尾鉱毒事件ゆかりの地を訪ね、民衆とともに闘いつづけた田中正造の足跡をたどってみた。地方を犠牲にして成り立つ文明とは何か――。そんな問いをめぐらせ「福島」を考えた」

   『●「真の文明は、山を荒らさず、川を荒らさず、村を破らず、人を殺さざるべし」
                                      ・・・我国に真の文明は?


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http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2014031390135609.html

川内原発を優先審査 規制委 再稼働新基準で方針
2014年3月13日 13時56分

 原子力規制委員会は十三日、原発再稼働の条件となる新規制基準への適合審査の進め方について、九州電力川内(せんだい)原発1、2号機(鹿児島県)ではおおむね適切に地震と津波が想定され、事故対策の設備面でも大きな問題はないとして優先的に審査を進めることを決めた。新規制基準に基づく再稼働第一号は川内原発となる可能性が高まった。しかし、同原発周辺は原発外の防災対策が遅れているなど安全面の課題も多く、大きく疑問が残る決定となった。
 新基準では、最大級の地震と津波を想定して「基準地震動」と「基準津波」を設定。原発がこれらに襲われても十分に耐えられるよう建屋や配管などに強度を持たせ、防潮堤なども整備する。事故が起きても、被害を拡大させない対策をとるよう求めている。
 これまで八つの電力会社が十原発十七基の再稼働を規制委に申請したが、想定が足りないなどの問題点が指摘されてきた。十二日の審査会合で、川内原発と四国電力伊方原発(愛媛県)について目立った異論は出なかった。
 十三日の規制委会合では、島崎邦彦委員長代理が川内原発のみで基準地震動などが確定したと説明し、更田(ふけた)豊志委員は「川内原発の設備面の対応は十分満足できる」と述べた。このため審査のモデルとして、川内原発が選ばれた。
 規制委は、川内原発に周辺の火山から火砕流が到達する可能性がないかを確かめた後、対策が十分かを総合的に審査し、審査書案を作成。意見募集や公聴会を経て、審査は終わる。


◆住民避難態勢も不十分

 原子力規制委員会が九州電力川内原発1、2号機を優先的に審査することを決めた。九電は電力需要が高まる夏前の再稼働を目指し、地元の鹿児島県知事も前向きな姿勢を示している。しかし、規制委が認める通り、新基準を満たすことは安全を確保するための最低条件にすぎない。

 川内原発は、東京電力福島第一原発とは異なる「加圧水型」と呼ばれる型。原子炉格納容器の容積が大きく、炉が暴走し始めても対処する時間の余裕が比較的あるとされる。

 しかし、炉内の圧力を逃すフィルター付きベント(排気)設備の設置はまだ計画段階で、緊急時の対策拠点もまだ代替施設があるだけだ。

 原発外では、昨年十月に事故を想定した避難訓練が実施されたが、実際の福島事故より、事故の進展スピードが遅く、避難に使うバスがあらかじめ集合場所に用意されているなど甘い内容だった。

 事故時に避難住民を受け入れてくれる先を事前に確保しておくことも重要だが、鹿児島県は県内避難にこだわり、隣接の熊本県との協議が遅れた。計画は定まったものの、福島で起きたように大渋滞で車が動けなくなる事態など、起こり得る問題を十分に想定しているとは言い難い。 (山川剛史)


<川内原発> 鹿児島県薩摩川内市にある九州電力の加圧水型軽水炉(PWR)。2基あり出力は各89万キロワット。1984年と85年に運転を開始した。東京電力福島第一原発事故時には2基とも運転中だったが、2011年9月までに定期検査に入り、停止中。原発の新規制基準が施行された13年7月、九電は2基の審査を原子力規制委員会に申請した。原発事故前、国内最大規模となる3号機(改良型PWR、159万キロワット)増設が計画されたが、手続きは凍結している。

(東京新聞)==========================================================================

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http://www.asahi.com/articles/CMTW1403140700002.html

真の文明は― 足尾そして福島
2014年3月14日10時27分

   (渡良瀬川の河川敷に立つ鳥羽義昭さん。上流の足尾銅山から
    流れ出た鉱毒によって、川沿いの地域は甚大な被害を受けた
    =群馬県館林市下早川田町)
   (かつて人びとの暮らし、生活があった谷中湖。いまは野鳥の楽園となり、
    野鳥観察やサイクリングなどを楽しめる。)


 ●鉱毒事件の地を訪ねて

 福島の原発事故は過去の公害事件と似ている。そう指摘する識者は多い。日本初の公害とされる足尾鉱毒事件ゆかりの地を訪ね、民衆とともに闘いつづけた田中正造の足跡をたどってみた。地方を犠牲にして成り立つ文明とは何か――。そんな問いをめぐらせ「福島」を考えた。

 1月中旬、渡良瀬遊水地は、野鳥観察を楽しむ人らでにぎわっていた。栃木、群馬、埼玉、茨城4県にまたがる33平方キロメートルの遊水地。その南端にある谷中(やなか)湖(450ヘクタール)は栃木市と群馬県館林市、埼玉県加須市の県境に位置する。「谷中」とは、かつてここにあった村の名前だ。

 湖に隣接する旧谷中村跡には村民の墓石などが残っている。安政、天明など江戸時代の年号が刻まれたものもある。「想像もつかないですよね。450軒が住んでいたなんて……」。館林市の行政書士、鳥羽義昭さん(69)が周囲を見渡し、言った。

 民家が立っていた場所には木が植わり、田んぼだった所にはヨシが茂る。鳥羽さんと村の中心部にある雷電神社跡に立った。ここで農村民は、雨を乞い、雷よけを願ったそうだ。

 1877(明治10)年ごろから、この地は渡良瀬川上流にある足尾銅山から流れ出た銅や鉛、カドミウムなどの有毒な重金属に汚された。この鉱毒によって農作物は枯れ、魚は死んだ。

 被害拡大の一因はこの地域を度々襲う洪水にあるとして、政府が遊水地を造る計画を立てると、栃木県は強引に土地の買い占めに走った。買い取り価格は田畑が10アール20~30円(現在の価値で約8~11万円)、宅地は1坪8円(同約3万円)ほどだったという。村民の多くは北海道オホーツク海沿岸などへ移住し、開拓民として苦労を重ねた。1906年、人口2700人の谷中村は強制廃村となった。

 「殖産興業」や「富国強兵」政策を掲げる明治政府にとって、足尾の銅は外貨を獲得できる重要な輸出品で不可欠だった。谷中村はその「犠牲」とも言えた。

 熊本大の小松裕教授(日本近代思想史)は著書でこう指摘する。「『貧乏村』なのに、堤防修築費など地方税からの支出がたくさん必要な『厄介村』というのが行政側の谷中村観であった。……洪水や不正・汚職事件等が発生したとき以外には新聞にも取り上げられることのない、いわば“忘れられた村”であった」(2013年、岩波書店)

 しかし、そんな村に廃村後も住みつづけた人びとがいた。「残留民」と呼ばれる16戸だ。木や板を集めて「仮小屋」を造って居座った。1907年6月末~7月、県に小屋を強制破壊されるまで遊水地化に抵抗した。そんな人びとの精神的支柱となったのが、田中正造だった。

 正造は1841年、現在の栃木県佐野市小中町で生まれた。政治家を志し、90年、衆議院議員となる。議員として鉱毒事件を追及、天皇への直訴も決行した。

 正造が谷中村に見たのは「お金で買えない共同体」の存在だ。谷中の村民たちが長い年月を経て築いてきた「結合の力」や「団結力」は、たとえ大金をはたいても買うことができない。人権と同じ価値がある。そう考えた。

 そして問題の本質を、近代化による「生命の軽視」だととらえた。足尾の事件を「鉱毒殺人問題」と呼んで「人災」と位置づけ、1913年、病に倒れるまで住民とともに闘い続けた。

 1972年の谷中湖造成時、住民から墓石の撤去を阻止する反対運動がおきた。丸く造る予定だったものが設計変更され、墓や村の跡を残して谷中湖はハート形になった。いま、輝く湖の水面は「自然は人の手でコントロールできる」という近代自然観を映す鏡のように見える。

 鉱毒の被害地である群馬県の大島村正儀内(しょう・ぎ・うち)出身の父を持つ鳥羽さんは現在、NPO法人「足尾鉱毒事件田中正造記念館」で理事を務める。「私たちには(足尾銅山を経営していた)古河鉱業は加害者。でも、足尾に行けば『古河様』です。産業を興してくれた人なんです」。そんな微妙な違いも肌で感じてきた。

 100年以上経ったが、鉱毒問題の解決にはほど遠い。東日本大震災で足尾銅山で使われた栃木県日光市の堆積(たいせき)場から渡良瀬川に土砂が流出、河川水から環境基準の約2倍の鉛が検出された。渡良瀬川沿いの農家はいまも、鉱毒の中和剤をまいてコメを作っているという。

 正造の教えとは何だったのか。鳥羽さんは「文明のあり方」と答えた。「真の文明は山を荒らさず、川を荒らさず、村を破らず、人を殺さざるべし」。正造の言葉はその象徴だ。

 正造は晩年、知人に宛てた手紙の中でこう書いている。「谷中問題結了すとおもふなかれ。……谷中亡びても問題は生きて働かん」

 「福島」であらわになったのは、まさにこの「谷中」ではなかったか。そんな思いにかられた。鳥羽さんが言う。「足尾の毒はまだ残っています。後戻りはできないんです。原発もプルトニウムも。後処理ができないものがどんどん加えられていく気がします」


 ●宮本憲一・大阪市立大名誉教授(環境経済学)の話

 足尾も福島も被害が広範囲に及び、長期に続くという点で共通する。さらに、足尾では政府が古河鉱業を援助し、福島でも政府が東電と一体となって原発政策を進めた。この政官財が一体になった構図もよく似ている

 足尾事件では国は谷中村を廃棄した。福島では今、将来の展望が開けず、コミュニティーが無くなる可能性も出てきている。改めて足尾事件に学び、住民被害を繰り返さないことを考えなければならないだろう。

 日本の環境政策の最大の欠点は、批判的な意見に耳を傾けて、安全を重視した対策をとる「予防政策ができないこと。アスベスト問題でも、被害が出てから対策を講じている。さらに、地方を犠牲にすることで、全体の問題を解決しようとする。そのため、足尾事件の問題が繰り返し起こる。公害から得た教訓に学ぶ必要がある。
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●自公議員や原子力「推進」「寄生」委員会委員らは「闘うみんな」ではないようだ

2014年03月18日 00時00分20秒 | Weblog


東京新聞の記事【原発事故被害追い記録映画 報道写真家2人が撮影 8日から東中野で上映】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2014030602000240.html)、
asahi.comの記事【原発関連死―福島の痛みを直視せよ】(http://www.asahi.com/paper/editorial2.html)。
東京新聞の二つの記事【原発関連死1000人超す 避難長期化、続く被害】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2014031002000144.html)と、
【3・11から3年 みんなが闘っている】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2014031002000157.html)。
琉球新報の記事【原発事故3年 脱原発後退許されず 福島復興に思い馳せよう】(http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-221002-storytopic-11.html)。
最後に再び東京新聞の記事【「原発ゼロ 国民の総意」 事故調トップ3人、再稼働の動き批判】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2014031102000134.html)。

 3・11から3年が経ち、何の解決も見ていない。「福島県飯舘村の村民を追ったドキュメンタリー映画「遺言 原発さえなければ」が、八日から東京都内で上映される」そうだ。「震災さえなければ」ではなく「原発さえなければ」。

   『●終わらない原発人災の影響:「震災さえ」ではなく 「原発さえなければ・・・」
     「「震災さえ」ではなく、 「原発さえなければ・・・」である。
      「原子力郷土の発展豊かな未来」「原子力明るい未来のエネルギー
      「原子力正しい理解で豊かなくらし」を信じ込ませた自民党議員や
      電力会社幹部といった東京電力原発人災の責任者・「罪人・犯罪者」は、
      誰一人として罰せられることもなく、まだのうのうと生活している」

   『●ドキュメンタリー映画『わすれない ふくしま』:
                 「震災さえ」ではなく 「原発さえなければ・・・」


 以前、「「事故によって死亡者が出ている状況ではない」。福島での原発の事故について、自民党の高市早苗・政調会長が昨年、こんな発言をした。だが、命にかかわるのは放射線だけではない。避難生活で体調を崩して亡くなったり、自殺に追い込まれたりする「震災関連死」が増え続けている」・・・・・・。政調会長が寝言を言っていた訳ですが、原発再稼働・新規建設・原発輸出を目指す自公の議員や翼賛野党の議員は寝ていてこの現実が目に入っていない模様だ。「本紙が独自に「原発関連死」と定義し、福島県内の市町村に該当者数を取材したところ、少なくとも千四十八人に上ることが分かった。昨年三月の調査では七百八十九人で、この一年間で二百五十九人増えた。事故から三年がたっても被害は拡大し続けている」。

   『反省なき自民党を体現:
         「原発事故によって死亡者が出ている状況ではない」


 「◆フクシマを忘れない・・・・・・政府は低線量被ばくの問題から目を背けてきた。年間の被ばく線量について、一ミリシーベルトから二〇ミリシーベルトまで許容できると基準を緩め、原発周辺自治体への早期帰還を促そうとしている。東電も避難指示区域の見直しのたびに賠償を打ち切っている。見せ掛けの事故収束と復興を急いでいるようにしか思えない」・・・・・・東京新聞社説のタイトルはの『3・11から3年 みんなが闘っている』。でも、自公議員や原子力「推進」「寄生」委員会委員長・委員らは「闘うみんなではないようだ。

   『年20ミリシーベルトでOK!?:
      20倍にアップ、そして「自己責任」に逃げた原子力「推進」委員会


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http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2014030602000240.html

原発事故被害追い記録映画 報道写真家2人が撮影 8日から東中野で上映
2014年3月6日 夕刊

 東京電力福島第一原発の事故から間もなく三年。福島県飯舘村の村民を追ったドキュメンタリー映画「遺言 原発さえなければ」が、八日から東京都内で上映される。一般向けの公開は初めて。ともに報道写真家の豊田直巳さんと野田雅也さんが撮影、監督し、高濃度の放射能汚染で故郷を奪われた人々の絶望や苦悩、そして再起への歩みを記録した。村民の姿は「事故はまだ終わっていない」と訴えかけてくる。 (加藤裕治)

 「原発さえなければ」「残った酪農家は負けないで頑張ってください」-。映画のタイトルは、自殺した酪農家が小屋の壁に書き残した遺書だ。地元での酪農をあきらめることになり声を詰まらせる女性。仲間との焼き肉パーティーの席上、あいさつで感情が高ぶり泣き崩れる初老の男性。三時間四十五分の映像で、ナレーションを交えず次々と現れる光景が事故から三年近く過ぎた村の現状を物語

 二人はアジア、中東の紛争、災害取材を手掛け、インドネシア・スマトラ島の津波被害の取材で知り合った。東日本大震災の発生翌日の二〇一一年三月十二日、二人は福島県へ向かい、途中で福島第一の1号機が爆発した。放射線量の測定器を片手に田村市、双葉町などを回った後、飯舘村に入った。

 雨が降り始めると測定器のメーターがぐんぐん上がり、毎時一〇〇マイクロシーベルトを超えた。年間の被ばく許容限度の一ミリシーベルトを十時間で超える値。地震の後片付けをしている村民に「危険です」と声を掛けて回った。そこから飯舘通いが始まった。

 二人は一三年四月までの間に二百日以上、放射能汚染で「計画的避難区域」となった村や、村民の避難先を訪ねた。「村民の言葉を記録したい。スチルカメラだけでは現状が伝わらない」とビデオを回した映像は約二百五十時間分に及んだ。撮影を続けるうち、その言葉を大勢に伝えようと映画化を意識するようになった。

 「映画は昨年の四月で撮影を終えたが、飯舘村の問題は何も終わっていない」と豊田さん。野田さんは「事故から三年たっても、原発の再稼働をやめてほしいと願う人が多い。その心を一つにするため、事故の原点を見つめてほしい」と語る。

 上映は十四日まで、午後零時二十分からの一回のみ。東京都中野区東中野の「ポレポレ東中野」=電03(3371)0088=で。
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http://www.asahi.com/paper/editorial2.html

原発関連死―福島の痛みを直視せよ
2014年3月8日(土)付

 「事故によって死亡者が出ている状況ではない」。福島での原発の事故について、自民党の高市早苗・政調会長が昨年、こんな発言をした。

 だが、命にかかわるのは放射線だけではない。避難生活で体調を崩して亡くなったり、自殺に追い込まれたりする「震災関連死」が増え続けている。

 長期避難が続く福島では今年1月末までの関連死が1660人で、地震や津波による「直接死」の1607人を上回った。東日本大震災の被災3県全体の関連死のうち、6割近くを福島が占める。

 福島では今なお、毎月30人ほどが新たに関連死と認定されている。「原発事故関連死」とも呼ばれ、避難生活が長期化する原発事故の深刻さを浮き彫りにしている。

 復興庁は関連死をめぐる課題と対策を12年夏にまとめたが、減る傾向のみえない福島については昨春に改めて実情や問題点などを調査した。

 被災から1年以上たってから関連死した35人を対象にしたその調査によると、ほとんどの人が、移動や避難生活による疲労やストレス、医療事情の悪化で徐々に衰弱した。避難区域の相次ぐ変更などで平均して7回も移動を強いられていた。

 岩手や宮城の被災地と大きく異なるのは、放射能で住み慣れた地域を追われ、「生きているうちに今の避難先から出られないかもしれない」という不安だ。復興庁の報告で専門家はそう指摘している。

 調査した福祉施設での12年2月までの3カ月の死亡率は、前年同期の1・2倍に増えた。報告では、全体に健康へのリスクが高まったと考えるべきで、認定された関連死は「氷山の一角」としている。

 福島の避難者は13万人を超える。関連死を防ぐには生活の立て直しが最大の課題だが、帰還の前提となる除染は長引き、生活再建への道のりは長い。

 被災自治体では保健師や生活支援相談員らに仮設住宅などを巡回させている。心身両面の健康を保っていくため、今できることを尽くしてほしい。

 安倍政権は原発の再稼働に積極的だ。だが、再稼働の前に、万一に備えて避難計画を整える必要がある。放射能被害から逃れるために、いち早く避難する計画も大切だが、ただ避難するだけでなく、どのように関連死を防ぐかも重要課題である。

 原発事故で痛めつけられ、関連死のリスクとも向き合わなければならない。その不条理を、政治は直視すべきだ。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2014031002000144.html

原発関連死1000人超す 避難長期化、続く被害
2014年3月10日 朝刊

 東京電力福島第一原発事故に伴う避難で体調が悪化し死亡した事例などを、本紙が独自に「原発関連死」と定義し、福島県内の市町村に該当者数を取材したところ、少なくとも千四十八人に上ることが分かった。昨年三月の調査では七百八十九人で、この一年間で二百五十九人増えた。事故から三年がたっても被害は拡大し続けている。 (飯田孝幸

 市町村は、災害の直接の犠牲者だけでなく、その後の避難中の死亡などについても「震災関連死」と認定した場合、災害弔慰金(最高五百万円)を支給している。福島県内では二十四市町村が支給。本紙で震災関連死者のうち、原発事故で避難中だった人数などを聞き取り、集計した。

 南相馬市といわき市は震災関連死者のうち原発事故を理由とした避難者数を把握していない。ただ担当者は「大半が原発避難者」と話しておりこれを加えると原発関連死者は千五百人に迫る。福島県内の震災関連死者数は千六百七十一人(七日現在)で原発関連死者は少なくとも六割を占める。昨年四月一日から今年一月末までの震災関連死の認定数は岩手四十五人、宮城十七人に対して福島は二百七十七人と大幅に上回り、原発事故の特殊性を物語る。

 原発避難者の多い双葉郡八町村の担当者によると、震災直後に亡くなっていても、生活が落ち着いてから申請する人や、自治体の広報や報道で制度を知って申請に来る人がいるという。二百三十二人の原発関連死者を出した富岡町の担当者は「今でも月十件程度の申請がある」と話す。南相馬市では事故から二年半後に死亡しても震災関連死と認められたケースがあった。

 福島県の避難者数は約十三万五千人。このうち、二万八千人が仮設住宅で暮らしている。医療・福祉関係者の多くは、関連死防止に住環境の整備を指摘する。県は原発避難者向けに復興公営住宅四千八百九十戸の整備を進めているが、入居が始まるのは今秋から。一次計画分の三千七百戸への入居が完了するのは二〇一六年春になる見通しだ。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2014031002000157.html

【社説】
3・11から3年 みんなが闘っている
2014年3月10日

 原発事故を抱えた町の再起がどれほど困難であるか。震災からの三年はそれを思い知らせる時間だった。闘う人々にずっと寄り添わなくてはならない
 それは静かな時限爆弾のように胸底に沈み込み、あの戦争から七十年を経ても消えていなかった。
 福島県相馬市の診療所「メンタルクリニックなごみ」の精神科医、蟻塚(ありつか)亮二さん(66)は沖縄協同病院心療内科部長を務めていた二〇一〇年暮れ、長い診療経験にはない「奇妙な不眠」を訴える男性に立て続けに会った。


◆戦争の心の傷は70年も

 海外の論文を読みあさってみると、その不眠はアウシュビッツ収容所の生存者に見られた心的外傷後ストレス障害(PTSD)とそっくりだった。男性に聞くと、太平洋戦争末期の沖縄戦を生き延びた人だった。

 住民を巻き込んだ米国との激しい地上戦で、県民の四人に一人が犠牲になった沖縄の戦闘。その記憶は生き延びた者にとって深い心の傷となったのだ。

 二十年前からこの問題に取り組んできた元沖縄県立看護大教授、當山(とうやま)冨士子さん(66)と一緒に一昨年、沖縄戦を体験した高齢者四百人に調査をしたところ、PTSDを引き起こしかねない重度な心の傷を抱える人が四割もいた。

 蟻塚さんは不眠の高齢者を診ると、戦争の影響を疑うようになった。

 砲弾の雨の中を逃げた人、家族を失った人、住民が日本兵に殺されるのを目撃した人…。つらい記憶が長い年月の後に仕事を辞めたり、家族の死に遭うなどふとしたきっかけでよみがえる。

 夜中に何度も目覚め、パニックを起こしたりする。遺体の臭いを思い出すという人もいた。


◆沖縄の苦難に重なる

 戦後二十年たって行われた精神疾患に関する調査で、沖縄は本土に比べて統合失調症などを発症する割合が高かったというデータがある。

 それは戦争で負った心の傷が影響している。本土から切り離された米軍の統治下で、人権を踏みにじられながら貧困に苦しんだことや、今も続く基地と隣り合わせの生活など、つらい経験を重ねてきたことが発症のその引き金になった-。そう蟻塚さんはみている。

 沖縄の心の傷は原発事故で傷ついた福島の痛みに重なる。

 災害後の心のケアの重要性は阪神大震災や新潟県中越地震などの教訓として残された。

 東日本大震災後に有志の手で開かれた診療所に昨春、蟻塚さんが所長として招かれたのも、沖縄での経験を頼られてのことだ。

 毎月五十人の新患を受け入れ、五百~六百人の患者を診る。一割に震災や原発事故による遅発性のPTSDがみられるという。

 震災の日、運転していた車ごと津波に流された男性は転がった消防車と、泥に埋まった人の姿がよみがえるようになった。眠れずイライラし、妻に怒ってばかりいた。

 放射能を浴びてしまったと恐れ、息子と一緒に県外避難している母親は、突然不安に襲われるパニック症状に苦しんでいた。

 PTSDだけでない。仮設住宅の生活が長引いてうつ状態やアルコール依存になる人も急増している。

 知らない人間関係の中で刹那的になり「死んでもいい」とふと思う人が目立っているそうだ。

 東日本大震災によって今も二十七万人が避難生活を送る。そのうちの十四万人を占める福島がとりわけ厳しいのは、放射能汚染からの回復や、将来の生活の見通しが立たないことだ。

 福島はまた、震災関連死が千六百七十一人を数える。地震や津波で亡くなった直接死の千六百三人よりも多く、被災三県の半数を超えている。

 長い避難生活で体調を悪化させたり、各地を転々とするうちに治療が遅れたりしたせいである。

 自殺の多発も際立っている。

 福島から聞こえるのは悲鳴のようなシグナルだ


◆フクシマを忘れない

 政府は低線量被ばくの問題から目を背けてきた。

 年間の被ばく線量について、一ミリシーベルトから二〇ミリシーベルトまで許容できると基準を緩め、原発周辺自治体への早期帰還を促そうとしている。東電も避難指示区域の見直しのたびに賠償を打ち切っている。見せ掛けの事故収束と復興を急いでいるようにしか思えない。

 政府や東電の不条理に遭っても、町の再建がどんなに困難であっても、人々は生き抜こうとしている。

 本土は戦後、基地の負担を押しつけられる沖縄の苦難を忘れてしまっていた。わたしたちは福島からの悲鳴に耳を傾ける。寄り添うことを忘れてはならない。
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http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-221002-storytopic-11.html

社説
原発事故3年 脱原発後退許されず 福島復興に思い馳せよう
2014年3月10日

 東日本大震災に伴う東京電力福島第1原発事故の発生から3年がたつ。大津波への備えを欠き、全電源を喪失して炉心溶融に陥り、おびただしい放射能が放出された未曽有の原発事故の爪痕が福島県民を苦しめ続けている。

 福島県の避難者数は13万5906人を数え、7町村で全住民が避難したままである。

 一刻も早い原発ゼロを切望する福島県民の心情に冷や水を浴びせるように、安倍晋三首相は原発再稼働と輸出に走っている

 原子力発電の安全神話に浸り切った中で起きた事故はまさに人災だったが、その教訓は生かされていない。


 公約違反

 安倍政権が決めた新エネルギー基本計画の原案は、原発を活用し続ける方針を打ち出している。

 2012年末の衆院選で自民党が掲げた「原子力に依存しなくてもよい経済・社会構造の確立」という公約に反するのは明白だ。

 将来の原発の規模に関して、「確保していく規模を見極める」としており、将来的な原発ゼロは想定していないとしか読めない。

 さらに、安倍首相は、原発輸出に前のめりになっている。

 最新の世論調査では、原子力規制委員会が安全性を確認した原発を再稼働する方針に対し、反対が54%で賛成の40%を上回った。

 原発の今後については、「即時ゼロ」「段階的に減らし、将来はゼロ」の脱原発派が69%と、容認・推進の29%を圧倒している

 安倍政権の原発政策は明らかに民意と乖離(かいり)している。原発再稼働はあってはならず、脱原発の大きな後退は到底許されない。

 福島第1原発で2月に起きた高濃度汚染水漏れは、タンク内の水位異常の警報が約10時間放置されていた。誤って弁を開けた者がミスを隠すため、戻した可能性がある。事故を過小評価した後、重大な事実を明かす東電の隠蔽(いんぺい)体質は全く改められていない。

 危機管理体制に構造的な欠陥があり、国はその共同責任を負うことをどれだけ自覚しているのか。

 安倍首相は昨年9月、2020年の東京五輪の招致演説で、福島第1原発を「状況はコントロールされている」と強調していたが、相次ぐ汚染水漏れは、首相の的外れな認識と欺瞞(ぎまん)性を証明していよう。世界に恥をさらしているようなものだ。

 東電の経営破綻処理の先送りと同社の無責任体質は明らかに連動している。まず、破綻処理を急ぐことが不可欠だ。


悲痛な訴え

 福島の現状は深刻さの度合いを増している。高い放射線量が残る地域があり、帰還を諦める住民が増えている。除染作業も計画通りに進まず、避難者向けの災害公営住宅の建設も大幅に遅れている。

 福島県が当時18歳以下だった子どもを対象に実施している甲状腺検査で、33人が甲状腺がんと確定している。同県は放射線の影響は「考えにくい」としているが、発症率の高さを指摘する声があり、保護者の不安を高めている。

 国が主導して福島県民の健康調査を実施し、原発事故との因果関係を徹底的に究明すべきだ。

 福島を犠牲にして電力消費の恩恵を受けてきた東京など首都圏のみならず、国民全体が原発事故被災者に思いを馳(は)せねばならない。

 福島第1原発に約40年間携わる企業代表の名嘉幸照さん=伊是名村出身=はフォーラム「被災地と共に」で、被災者と加害者の立場が交錯する苦衷を吐露した。米軍基地にあらがう沖縄と脱原発を願う福島の強固な民意を挙げ、「民主主義のルールに当てはめよ」と、民意尊重を国に求めた。

 エネルギー政策と安全保障を支える負担を限られた地域が負わされ、苦しむ点で福島と沖縄は重なり合う。名嘉さんは「沖縄のちむぐくるを被災地にください」と涙ながらに語った。その悲痛な訴えを胸に刻み、沖縄から福島の復興を後押しする術を模索したい。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2014031102000134.html

原発ゼロ 国民の総意」 事故調トップ3人、再稼働の動き批判
2014年3月11日 朝刊

 東京電力福島第一原発事故から三年を迎えるのを前に十日、事故の原因や対応を検証した政府、国会、民間の各事故調査委員会の元委員長らを集めた討論会が東京都内で開かれた。国会事故調の黒川清元委員長は「あれだけの事故が起きても日本の社会が変わる気配がない。誰も責任を取らない」と指摘した。

 民間事故調の北沢宏一元委員長は稼働中の原発がゼロであることに触れ、「国民の総意としか言いようがない」と強調。再稼働後に事故が起きれば「(日本は)世界の笑い者」と述べ、慎重に判断する必要があるとの考えを示した。

 政府事故調の畑村洋太郎元委員長は「一番、学ばないといけないのは、どんなに考えても気が付かない領域があること」と指摘。それを踏まえた上で、国民全体で原発再稼働の是非を判断すべきだと訴えた。

 討論会には米原子力規制委員会のグレゴリー・ヤツコ元委員長も参加し、「原子力は100%安全はあり得ない。社会としてメリットをどう考えるか、リスクがあっても受け入れられるかがポイント」と述べた。
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