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●(小谷内毅珠洲市議)「珠洲に原発があれば、隆起で配管が破断し、大惨事になっていたのでは。…もし事故…、とても逃げられる状況ではなかった」

2024年03月27日 00時00分29秒 | Weblog

[↑ ※「地震列島の原発安全性に警告」(週刊金曜日 1457号、2024年01月26日号)]


(20240314[])
3.11の教訓は? 能登半島地震の「警告」を無視…《原発回帰》《原発復権》へと暴走する狂気なキシダメ政権。
 《東京電力福島第1原発事故の影響で、今も全国で約29千人が避難生活を送る》理由は何ですか? その多くが核発電人災による影響なのではないのですか。さっさと東電と政府が《原状回復》し、周辺に飛び散った全ての放射性物質を3.11以前のように福島第一核発電所の原子炉内に戻して見せてくれればよいだけなのに、キシダメ政権や自公お維コミは全くやる気なし。

 《圓龍寺塚本真如(まこと)住職(78)…「能登半島地震が起きてからは(原発計画を止めて)『西日本を救ってくれてありがとう』という電話がかかってくる。日本に原発を動かせる場所はない。本当にそう思います」》(東洋経済オンライン)。
 沖縄タイムスの【[社説]東日本大震災13年 命守る教訓をつなごう】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/1322491)。《原発事故と地震の複合災害への備えは不十分だ。東京電力福島第1原発の事故を受け、原子力規制委員会は災害対策指針を策定。原発からの距離ごとに住民の避難計画を示した。だが、能登半島地震では道路が寸断され、唯一の避難経路が失われた。北陸電力志賀原発でもし事故が発生しても避難できない事態に陥ったのである。今年1~3月に共同通信が実施した原発に関する全国世論調査では、原発事故に備えて自治体が定める避難計画を「見直す必要がある」とした人は94%に達している。原発事故により福島県では今も7市町村で帰還困難区域が残る。第1原発の廃炉の道筋は見えず、除染で出た土などの廃棄物搬出も不透明だ。それにもかかわらず岸田文雄首相は原発回帰に転換した事故の教訓に背を向けているのではないか。…福島の原発事故を受け、各地で避難生活を送る人はいまだに約2万9千人に上る》。

 東洋経済オンラインの記事【能登地震、現地で見た「原発事故で避難不能」の怖さ 志賀原発とかつての原発予定地の現状が問うもの/青木 美希】(https://toyokeizai.net/articles/-/736154)。《日本では大きな地震の都度、「原発は大丈夫か」と懸念されるようになっている。新年早々に起きた能登半島地震からおよそ50日。最大震度7を観測した現地ではまだ大勢の住民が避難生活を続けているが、志賀原発周辺や原発予定地だった珠洲市はどうなっているのだろうか。原発事故の際、避難は可能なのかそもそも原発は地震に耐えられるのか。現地を訪れた》。

 琉球新報の【<社説>東日本大震災13年 教訓を確認し引き継ごう】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-2887782.html)。《東京電力福島第1原発事故の影響で、今も全国で約29千人が避難生活を送る福島県では7市町村で原則立ち入り禁止のエリアが残っているかつての日常を取り戻す復興の歩みは道半ばだ。…日本世論調査会による世論調査によると、今後の原発利用について「今すぐゼロ」が4%、「将来的にゼロ」は55%で約6割が「ゼロ」を望んだ。理由を尋ねると「福島第1原発事故のような事態を再び招く恐れがある」が最多で80%だった。政府はこの結果を重く受け止めるべきだ》。
 東京新聞のシリーズ記事【雨風が吹き込み、横にもなれない家に「屋内退避」しろと? 原発事故対策の絵空事を能登で見た】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/314516)。《<連載・能登から見る 3.11後の原発防災>㊥ …能登半島地震では、2011年の福島原発事故後に見直された避難と事故対策のあり方に致命的な問題が露呈した。原発と共存できるのか、能登の被災地で考える》《◆「危険」を示す赤い紙が貼られた家屋… ◆破れた屋根「外にいるのと何も変わらん」… ◆放射性物質を防ぐはずの施設が機能喪失… ◆肝心の放射線量もデータが取れない… ◆「無計画な避難を避けるため」屋内退避を設定》。

   『●能登半島地震と珠洲核発電所建設計画凍結と断層の上に建つ志賀核発電所
      …「悪夢のような民主党政権」と比較して、今のキシダメ政権の無残さ
   『●能登半島地震と珠洲核発電所建設計画凍結と断層の上に建つ志賀核発電所
      …それでも再稼働・新規建設したいという核発電〝麻薬〟中毒患者ら
   『●【能登を襲った巨大地震/狙撃兵】《役立たずかと思うほど鈍くさい動き
     に、思わずこの連中に「人の心」は宿っているのだろうかと思うほどである》
   『●「想定外」!? 【震度5強の志賀原発で「想定外」続々…なのに規制委は
     動かない 「安全上影響ない」「一定の時間かかる」とは?】(東京新聞)
   『●斎藤貴男さん《日本列島は地震の巣なのに、原子力の利用を「国の責務」と
     うたうGX(グリーントランスフォーメーション)法案にかまけて》いた…
   『●これまでの教訓は何処に? 決して「想定外」と言う勿れ…能登半島地震
      と珠洲核発電所建設計画凍結と断層の上に建つ北陸電力志賀核発電所
   『●本当に賢明な判断だった…珠洲核発電所《建設を阻止したのは、住民らの長
     年にわたる根強い反対運動だった…無言電話や不買運動に耐えた阻止活動》
   『●石川県志賀町・稲岡健太郎町長「北陸電力は再稼働を目指すとのこと
     だが、首長として以前のように安全性をアピールすることは難しい」と…
   『●3.11東京電力核発電人災の教訓はどこに? 能登半島地震の警告は?
     正気だろうか? 東電に核発電所を運転する資格や能力は在るのかね?
   『●小出裕章さん《今回一番学ばなければいけないことは、志賀原発が止まって
      いてよかったということ。…原発が1年間稼働すれば、広島原爆が…》
   『●《志賀原発…すぐ近くで地盤が4m隆起…取水口が海面から離れることに
     より冷却水が取れなくなる恐れ…原発の建屋が損傷する恐れもあった》
   『●「閉じない環」破綻した核燃サイクル…《1993年から26回の延期…核
     燃料サイクル政策は要の再処理工場の稼働が見通せず、「破綻」》が露わ

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https://toyokeizai.net/articles/-/736154

能登地震、現地で見た「原発事故で避難不能」の怖さ
志賀原発とかつての原発予定地の現状が問うもの
青木美希
: ジャーナリスト
2024/02/23 9:00


     (倒壊した圓龍寺(珠洲市)の庫裡(くり)(以下、被災地の
      写真はいずれも1月20~22日、筆者撮影))

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日本では大きな地震の都度、「原発は大丈夫か」と懸念されるようになっている。新年早々に起きた能登半島地震からおよそ50日。最大震度7を観測した現地ではまだ大勢の住民が避難生活を続けているが、志賀原発周辺や原発予定地だった珠洲市はどうなっているのだろうか。原発事故の際、避難は可能なのかそもそも原発は地震に耐えられるのか。現地を訪れた。
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■原発建設予定地だった寺では住職の妻が下敷きに

能登半島の先端に位置する石川県珠洲市では1975年に原発立地構想が浮上した。関西電力は135万キロワット級の原発を高屋地区に、中部電力も寺家(じけ)地区に造る、と具体化させていったが、30年近くに及ぶ住民らの強い反対運動で計画は停滞。コスト増もあって2003年に両原発は計画断念に追い込まれた。

     (原発計画を断念した際に中部電力などの発表した
      資料から=2003年12月)

能登半島地震が起きた際、その高屋地区には住民や帰省してきた家族100人ほどがいた。震源地の近くだったこともあり被害は甚大で、山道は複数個所で崩落地区は孤立した。実際、原発立地予定地内だった圓龍寺を筆者が訪れたところ、住職らの住居になっていた庫裡(くり)は大きく崩れていた。

住職の妻は地震で下敷きになった。住職が引っ張りだしたが、妻の足は翌日から紫色に腫れ、「痛い痛い」と訴え続けていたという。

高屋地区の海岸では海底が2メートル近く隆起し、船が近づけない。1月3日になって自衛隊がゴムボートで上陸し、ヘリがけがをした住職の妻や体調の悪い高齢女性、出産間近の女性を金沢市の病院に搬送した。

集落はその後も孤立状態が続く。1月4日になると、起伏が激しい場所でも前進できる自衛隊車両のみが通行できる状態となった。5日には地元の有志が道路への倒木や地割れなどの補修を実施。10日ごろに自衛隊による道路補修用の砂利搬入が始まり、12日になってようやく集落の出口まで道路は開通した。


■現地で目の当たりにした地震の爪痕

筆者が高屋地区に向かったのは、発災から3週間後の1月21日である。

現地に行くまで、「高屋まで行ける」「行けない」と情報は錯綜。高屋とバイクで行き来していた男性の案内で車を走らせたものの、行く手には崩落箇所に鉄板を敷いた仮設道路しかない。道幅も車のすれ違いは困難なほど狭い。

     (高屋地区に続く道)
     (高屋地区の入り江。海辺が隆起し、岩礁が露出した)

細い砂利道を進み、山を越えると、眼下に高屋地区の入り江が広がっていた。しかし、青い海が広がっているはずの場所に海はない。海岸から数メートル先まで土地が隆起し、白い岩礁が露出しているのだ。

高屋漁港には数十センチ程度の段差が何カ所も生じていた。漁船が10数隻係留されていたが、船は岸壁より2メートルほども低い位置にある。はしごを掛けて降りなければ、乗り込めない。地震の前は普通の港と同様、岸壁からひょいと漁船に乗りこめる状況だったという。岸壁側が2メートルほど隆起したのだろう。

     (高屋漁港で並ぶ漁船)

地区を歩くと、屋根の瓦が崩れ落ちた家が多く、土砂崩れにのまれた家もある。住民の多くは避難し、約100人のうち残っているのは9人だった。

集会所に行くと、黄色いジャンパーを着た長靴姿の男性がきびきびと動いている。谷口直生(なおき)さん(38)。「この集落で一番若いので(働いています)」。電気も水道も復旧しておらず、1月1日から3週間も風呂に入っていないという。

けが人がいるのに救助の手がどこからも来ないという状態が発災直後に続き、車中泊を続けた人もいる。仮に珠洲原発の計画が頓挫せずに完成し、そして万が一の事故が起きたら住民らの避難路になっていたはずの道。そこが寸断し、当初は救助も支援もまともに来ない、かといって脱出もできなかった

そして筆者が訪れた3週間後でも水道、電気は回復していなかった。谷口さんも「珠洲原発があったら目も当てられない状態だったと思う」と言葉少なだった。

現地を案内してくれた珠洲市議の小谷内毅さん(63)はこう言った。

珠洲に原発があれば、隆起で配管が破断し、大惨事になっていたのでは。この国で原発を使うのであれば、隆起時の実験を行ってからにすべきだ。もし事故を起こしていたとしたら、とても逃げられる状況ではなかった


■圓龍寺の住職が語ったこと

珠洲市で原発立地計画が進んでいた当時、反対の声を上げた住民のリーダーの1人は、圓龍寺塚本真如(まこと)住職(78)だった。建物が壊れ、妻が下敷きになったあの寺だ。塚本さんは避難先だった加賀市内のホテルで取材に応じてくれた。

     (塚本真如住職。30代のときに原発の計画を聞いて
      勉強し、反対のリーダーを担った)

原発計画を聞いたとき、塚本さんは30代だったという。原発について知識がなかったため、原発建設の是非を自分で判断しようと、「推進派と反対派の本をそれぞれ100冊ずつ読んだ」そうだ。

福井県の敦賀原発など他の現場にも足を運んだ。敦賀原発は1981年に放射性廃液の大量流出事故もあり、女性たちが健康影響を心配していた。

うそを固めてできたのが原発と思った。どうしても『原発がいい』という結論が自分の中で出なかった

塚本さんらは原発建設予定地に土地を持つ人たちを説得し、そのうち数人の土地を共有化して容易に買収できないようにした。

「能登半島地震が起きてからは(原発計画を止めて)『西日本を救ってくれてありがとう』という電話がかかってくる。日本に原発を動かせる場所はない。本当にそう思います」

筆者は、志賀原発の状況も取材した。原発の入り口には他の原発と同様に検問所のようなゲートがあり、黒っぽい上下の警備員が歩いている。行きかう車の台数は他の原発よりも少ない。時折車両が行き来する程度で、警察官を輸送するバスの行き来のほうが目立つほどだ。

     (志賀原発1号機(右)と、再稼働を申請中の2号機)

北陸電力には内部取材について問い合わせているが、返事はなかった。原発そばにある原発PR館「アリス館志賀」を訪れると、職員2人が中から出てきて「入れません」「休館中です」と繰り返す。


■「北陸電力から情報が出てこない」

能登半島の住民や取材者の間では「北陸電力から情報が出てこない」とよく言われる。ホームページで資料を出してはいるが、東京電力のように記者会見のYouTube公開もない。志賀原発の海水の取水口が耐えられる隆起は20センチ+αとされているが、これも記者会見で質問を浴びた北陸電力が答えたことだ。広く一般には公開していない情報であり、会見に参加した記者たちが報道しない限り、住民も国民も知らされない

志賀原発の周辺も回った。

志賀町富来地区は震度7を記録し、甚大な被害が出た。瓦屋根が地面に接地している家、ブルーシートで入り口が覆われている家……壊滅的な風景が続く。乗用車が屋根に押しつぶされている家もあった。

原発事故が発生したら原発からおおむね5~30キロ圏内の住民は屋内退避するように、との方針を政府は示しているが、志賀町の状況を見ると、「屋内退避の非現実性が実感できる。

     (志賀原発から北に9キロの富来地区。
      屋根が崩れた家が目立った)

志賀町の避難所にいた高齢夫婦に話を聞くと、夫(86)は1988年着工の志賀原発で建設作業に従事していたという。能登半島地震の後でも原発は安全だと言い切る夫。その隣で妻(77)は「地震で揺れるたびに原発が心配です」と首を横に振る。

志賀町議の堂下健一さん(69)は、志賀原発から20キロの地点に自宅がある。地震の後は、周辺の県道51号線が土砂崩れとなり、孤立してしまった。自身を含めた住民は運よく土砂崩れの前に避難できたが、自宅にはその後、近づくことができない。

この県道は、石川県の防災計画で能登半島の北部に避難する「基本的な避難ルート」の1つとされているが、2月18日現在も通れないままだ。

堂下さんは言う。

「これで原発は、地震に対応できないことがはっきりしました。それが一番心配です」


■町人口は1万8000人、防護施設の定員は2500人

放射能を防ぐ防護施設も足りない。志賀町によると、町人口の1万8000人に対し、防護施設の定員は2500人しかない。原子力規制庁や政府、県の原子力災害時の現地対応拠点となる「オフサイトセンター」には今回の地震で1月1~2日の2日間に町民130人が避難に駆け込み、職員が対応する事態になった。避難施設ではないが、放射線防護機能があるためだ。県によると、2日夕方に避難所に移ってもらったという。

志賀町長の稲岡健太郎氏は「万が一の場合、全町民を受け入れる容量はない。施設を何倍も増設する必要がある」とし、志賀原発については「以前のように安全性をアピールすることは難しい」と語っている(東京新聞・2月4日朝刊)。

もっとも、被災地から遠く離れてしまうと、原発への懸念は消えたのか、再稼働による「原発回帰」の声が強くなる。

1月30日には関西経済連合会と、原子力発電所が立地する福井県の4市町(敦賀市、美浜町、高浜町、おおい町)の意見交換会が大阪市内で開かれ、エネルギー安全保障や経済を支える観点から国に原子力政策の推進を求めていくことで見解が一致した。

関経連の金花芳則副会長(川崎重工業会長)は「原発稼働を継続する重要性を再確認した」と発言し、美浜町の金花芳則町長は「今年策定される国の次期エネルギー基本計画に原発推進を明確に位置付けてほしい」と求めている。

翌31日には北陸電力の松田光司社長が「(能登半島地震でトラブルが相次いだ志賀原発は)安全上問題はなかった」「原子力は電力の安定供給や二酸化炭素排出の面から素晴らしい電源には間違いない。重要性は変わらない」と記者会見で語っている。

珠洲市や原発立地自治体の人たちは2月2日、原子力規制委員会に「能登半島地震の知見がまとまるまで、(各地の原発再稼働に関する)審査を凍結してほしい」と要望書を出したが、規制委の山中伸介委員長は2月7日の記者会見でそのような考えはないと拒んだ

     (原子力規制委の山中委員長=2月14日)

先述したように、国の原子力災害対策指針は、原発から5~30キロ圏内は「住民等が比較的容易に採ることができる対策」として屋内退避を掲げている。家屋や公共施設などの建物内にとどまれ、という意味だ。

しかし、今回の能登半島地震では屋内退避ができない場合が存在することが明らかになった。実際、規制委の山中委員長も地震後の会見で、「屋内退避ができないような状況が発生したのは事実だ。その点の知見をきちんと整理したうえで、もし、災害対策指針を見直す必要があれば、見直していきたい」と述べていた。


■発言から1カ月後に態度を一変

ところが、その発言からおよそ1カ月後の2月14日になると、山中委員長は「避難もできない、屋内退避もできないということは今回の検討の中では考えない」と発言。態度を一変させた。

家屋の倒壊が相次ぎ屋内退避もできない、道路が至るところで壊れて避難もできない。そんな状況が現実に起きたのに、規制委のトップが対応を考えない」というのだ。規制委が考えずして、いったい誰が被曝防護を考えるのか

東日本大震災に伴う福島第一原発の事故では、避難区域から餓死状態で見つかった人たちがいた。その教訓から学ばず、能登半島地震の教訓からも学ばないのであれば、また同じことが起きるかもしれない

国内では現在、12基の原発が再稼働しているが、さらに中国電力の島根原発2号機、東北電力の女川原発2号機が今年、8〜9月の再稼働に向けて手続きが進行中だ住民の命に直結する課題を棚上げにしたままで、日本は「原発を最大限活用する」(岸田政権)道を走り続けている


あおき みき / Miki Aoki
札幌市出身。北海タイムス(休刊)、北海道新聞を経て全国紙に勤務。東日本大震災の発生当初から被災地で現場取材を続けている。「警察裏金問題」、原発事故を検証する企画「プロメテウスの罠」、「手抜き除染」報道でそれぞれ取材班で新聞協会賞を受賞した。著書「地図から消される街」(講談社現代新書)で貧困ジャーナリズム大賞、日本医学ジャーナリスト協会賞特別賞など受賞。近著に「いないことにされる私たち」(朝日新聞出版)
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https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-2887782.html

<社説>東日本大震災13年 教訓を確認し引き継ごう
公開日時 2024年03月11日 05:00

 東日本大震災から今日で13年となった。地震の規模を示すマグニチュードは日本の観測史上最大の9.0を記録し、死者1万5900人、行方不明者2520人、震災関連死は3802人に上った。


 東京電力福島第1原発事故の影響で、今も全国で約2万9千人が避難生活を送る。福島県では7市町村で原則立ち入り禁止のエリアが残っているかつての日常を取り戻す復興の歩みは道半ばだ

 今年元日には能登半島地震が起き、防災や減災に関する課題が多く浮き彫りになった。原発事故や津波などによって甚大な被害をもたらした東日本大震災の教訓を風化させてはならない。再確認し、将来に引き継いでいきたい。

 東日本大震災が残した大きな教訓の一つが原発に頼らないエネルギー政策、すなわち脱原発である。政府は震災後、「原発に依存しない社会」を掲げ、30年代に原発ゼロを目指すと宣言した。しかし現在、政府は原発利用を推進している震災の教訓を忘れたのだろうか。当初目標に立ち返るべきだ。

 日本世論調査会による世論調査によると、今後の原発利用について「今すぐゼロ」が4%、「将来的にゼロ」は55%で約6割が「ゼロ」を望んだ。理由を尋ねると「福島第1原発事故のような事態を再び招く恐れがある」が最多で80%だった。政府はこの結果を重く受け止めるべきだ。

 今も課題は山積している。使用済み核燃料、いわゆる「核のごみ」の最終処分地再処理工場の完成は不透明だ。建設中を含む国内19原発の30キロ圏にある自治体のうち18道府県計109市町村で、地震など災害時の緊急輸送道路が土砂崩れなどにより寸断される恐れがあることが共同通信社の分析で判明した。避難に不可欠な道路整備への十分な財政措置が求められる。東日本大震災の教訓を伝える語り部が、担い手の高齢化や資金難で継続が難しくなっている。

 能登半島地震では、電気や水道といったライフラインの耐震性の強化や、マンパワーや宿泊場所の確保などの課題が顕著だ。東日本大震災の課題と合わせ、行政と民間が一体となって課題の解決に取り組まねばならない。

 一方、沖縄では、最大クラスの津波発生時に被害が想定される「津波災害警戒区域」に、高齢者や障がい者ら「要配慮者」が使用する施設が少なくても628カ所ある一方、避難確保計画の作成は83カ所にとどまることが琉球新報の調べで分かっている。避難所に女性専用避難室などを設けている自治体は3市町村しかないことも判明した。要配慮者や女性の立場に立った避難計画が必要だ。

 私たち一人一人は、沖縄が強い地震や大きな津波に襲われた場合を想定し、普段から備えたい。避難方法の確認をはじめ、水や食料、燃料の備蓄、通信手段の確保などを実行することが肝要だ。
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●大阪地裁《関西電力3原発の運転差し止め認めず》、水戸地裁《東海第二原発の運転禁じる》、広島高裁《伊方原発3号機の運転容認》

2021年04月06日 00時00分02秒 | Weblog

(20210321[])
東京新聞の二つの記事【【速報】東海第二原発の運転禁じる 水戸地裁が住民側の訴え認める】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/92269)と、
【【速報】伊方原発3号機の運転容認 広島高裁が四国電力の異議認める】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/92268)。

 《茨城県東海村にある日本原子力発電原電)の東海第二原発=東日本大震災で被災し停止中=を巡り、周辺住民らが運転の差し止めを求めた訴訟の判決で、水戸地裁(前田英子裁判長)は18日、住民側の訴えを認めて、運転を禁じた。東京電力福島第一原発事故から10年、首都圏に唯一立地し、運転期間が40年を超えている原発の運転を、司法は認めなかった》。
 《四国電力伊方原発3号機(愛媛県)の運転禁止を命じた広島高裁の仮処分決定(2020年1月)を不服とした四国電力の申し立てによる異議審で、広島高裁(横溝邦彦裁判長)は18日、四国電力の異議を認め、運転を容認する決定を出した》。

   『●元福井地裁裁判長・樋口英明さん《地震大国の日本には、
      北海道から沖縄まで原発を動かせる場所はどこにもない》
    《二〇一四年五月に福井地裁の裁判長として、関西電力
     大飯原発3、4号機(福井県)の運転差し止め判決を出した。
     今も自分が正しいと確信を持っている。大飯原発の基準地震動
     (耐震設計上の想定の揺れ)は七〇〇ガル(揺れの勢いを示す加速度の
     単位)で、重大事故につながる限界点は一・八倍の一二六〇ガルだと
     関電は主張していた。私は裁判前は、三〇〇〇ガルのような強い揺れに
     原発が耐えられるかどうかが争点になると予想していた。ところがふたを
     開けてみれば、一二六〇ガルが来たらおしまいだというのは争いが
     なかった。主な争点は「敷地内に一二六〇ガルを超える地震は来ない」
     という関電の主張の信用性だった。それが争点なら難しい工学的判断は
     不要で、理性と良識があれば簡単に解ける問題となる。地震大国の
     日本では、原発で基準地震動を超える地震が頻発しており、大飯も
     「ロシアンルーレット状態だった。日本の国策は「安全な原発
     動かす」であって、「何が何でも動かす」ではない。私の「極めて
     危険だから動かしてはいけない」という判断は、国策にも忠実だった
     と思っている。仮に私が日本原子力発電(原電)東海第二原発の
     差し止め訴訟を指揮するなら、ポイントは三つあると思う。一つは、
     基準地震動を超える地震が来ないと言えるかどうか
     これは他の原発と共通の問題だ》

 《東海第二原発の運転禁じる》、水戸地裁・前田英子裁判長がまともな裁判長で本当によかった! 

   『●四十年廃炉ルール無視、特例中の特例のはずが…
      日本原電は東海第二原発の再稼働をしたいらしい…

 一方、《伊方原発3号機の運転容認》、広島高裁・横溝邦彦裁判長…まともでない裁判長で哀しい。《日本一細長い佐田岬半島の付け根に位置する伊方原発は、周辺住民にとって、“日本一避難しにくい原発”》。折角、森一岳裁判長が下した伊方原発3号機の運転差し止め仮処分決定は正鵠を得ていたというのに…。全電源喪失後《43分間》核燃料プール冷却停止まで発生。

   『●「日本一細長い佐田岬半島の付け根に位置する伊方原発は、
          周辺住民にとって、“日本一避難しにくい原発”」
    「アベ様政権に忖度し、司法判断を放棄した政治判断…捏造された
     「社会通念」で核発電所再稼働を容認。2017年12月、
     折角の広島高裁・野々上友之裁判長の「司法判断」だったのですが、
     2018年10月、1年を待たずして同じ広島高裁・
     三木昌之裁判長の「政治判断」で、あの伊方原発の再稼働に向けての
     デタラメ判決が下されていました」

   『●森一岳裁判長《原発の危険性検証には『福島原発事故のような
     事故を絶対に起こさないという理念にのっとった解釈が必要…』》
   『●伊方原発3号機、広島高裁(森一岳裁判長)が運転差し止めの
     仮処分決定…種々の問題に加えて《約10秒》《2~3秒》全電源喪失
    「《日本一細長い佐田岬半島の付け根に位置する伊方原発は、周辺住民に
     とって、“日本一避難しにくい原発”》。広島高裁(森一岳裁判長)が
     運転差し止めの仮処分決定の判断を下した。《地震や噴火による
     リスクが疑われる限り、司法も「安全」を最優先に判断を下すべきでは
     ないか。「疑わしきは住民の利益」であるべきだ》」
    「オマケに全電源喪失、《約10秒》《2~3秒》とはいえブラックアウト
     絶対に起きないと言い続けていた想定不適当事故がこうもやすやすと
     起こっているんですが?」

   『●森一岳裁判長が下した伊方原発3号機の運転差し止め仮処分決定は
      正鵠を得ていた…全電源喪失後《43分間》核燃料プール冷却停止

 また、《関西電力3原発の運転差し止め認めず》、大阪地裁・内藤裕之裁判長は何を考えているのか…。
 東京新聞の記事【【速報】関西電力3原発の運転差し止め認めず 大阪地裁が仮処分決定】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/92042)によると、《原発事故が起きると新型コロナの影響で人が密集する避難所への避難ができず、深刻な被害を受ける恐れがあるとして、福井など4府県の住民6人が、関西電力の美浜、高浜、大飯の3原発(いずれも福井県)の運転差し止めを求めた仮処分で、大阪地裁(内藤裕之裁判長)は17日、申し立てを退ける決定を出した》。

   『●2014年5月大飯原発運転差し止め判決…樋口英明さんは《基準地震動を
           超える地震が来ないと言えるかどうか…他の原発と共通の問題》
    「東京新聞の【社説/大飯許可違法 誰がための規制委か】…
     《関西電力 大飯原発3、4号機(福井県)の安全性に問題がある
     として、大阪地裁は国の原子力規制委員会が関電に与えた原発の
     設置許可を取り消した。国の原子力政策を根元から揺るがす判決だ。
     「原子力規制委員会の判断に看過しがたい過誤、欠落がある」−。
     大阪地裁は、強い言葉で規制委を指弾した。原発の稼働に際し、
     想定すべき最大の揺れの強さを示す「基準地震動」の算定方法が、
     最大の争点だった》」
    「なんとしても、核発電「麻薬」中毒者の暴走を止めねければ…。
     東京新聞の記事【原発40年超再稼働不同意を要望 大飯判決原告、
     美浜議会に】…によると、《関西電力大飯原発3、4号機
     (福井県おおい町)の設置許可の取り消し判決を出した大阪地裁訴訟の
     原告の一部が8日、福井県美浜町議会に、運転開始から40年を超えた
     関電美浜原発3号機の再稼働に同意しないよう求める要望書を提出した。
     関電は美浜3号機を早ければ来年1月にも再稼働させる工程を示して
     おり、町議会は近く同意の是非を示す見込み。町議会では、再稼働を
     求める請願を審査する特別委員会が今月9日に予定されている。4日の
     大阪地裁判決は、大飯3、4号機の耐震性が新規制基準に適合する
     とした原子力規制委員会の判断は誤りだとして、設置許可を取り消した》」

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/92269

【速報】東海第二原発の運転禁じる 水戸地裁が住民側の訴え認める
2021年3月18日 14時31分

     (再稼働に向けた工事が進む東海第二原発=茨城県東海村、
      本社ヘリ「おおづる」から撮影)

 茨城県東海村にある日本原子力発電原電)の東海第二原発=東日本大震災で被災し停止中=を巡り、周辺住民らが運転の差し止めを求めた訴訟の判決で、水戸地裁(前田英子裁判長)は18日、住民側の訴えを認めて、運転を禁じた。東京電力福島第一原発事故から10年、首都圏に唯一立地し、運転期間が40年を超えている原発の運転を、司法は認めなかった

 2012年7月から8年以上続いた裁判は、原電のみが被告。原告側は11の論点を提示し、東海第二原発の危険性を指摘してきた。主に問われたのは、地震・火山リスクや人口密集地での稼働の是非。

 東海第二原発の30キロ圏内には、日本の原発立地地域としては全国最多の約94万人が暮らす。原告側は、人口密集地にある原発はそもそも立地地域として不適当で、国の指針に違反していると訴えていた。

東海第二原発 日本原子力発電が1978年11月に営業運転開始。出力は110万キロワットで、電気を東京電力や東北電力に供給していた。東日本大震災時は外部電源を失い、冷温停止まで3日半かかった。都心に最も近い原発で、都庁までの距離は福島第一からの半分程度の約120キロ。重大事故が起きた場合、首都圏全域に甚大な被害を及ぼす可能性がある。2018年11月に原子力規制委員会が最長20年の運転延長を認めた。再稼働の対策工事は22年12月に終わる見込み。再稼働には、東海村や水戸市など6市村の同意が必要となる。
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/92268

【速報】伊方原発3号機の運転容認 広島高裁が四国電力の異議認める
2021年3月18日 14時03分

     (四国電力 伊方原発。(右から)3号機、2号機、1号機
      =10日、愛媛県伊方町(共同通信社ヘリから))

 四国電力伊方原発3号機(愛媛県)の運転禁止を命じた広島高裁の仮処分決定(2020年1月)を不服とした四国電力の申し立てによる異議審で、広島高裁(横溝邦彦裁判長)は18日、四国電力の異議を認め、運転を容認する決定を出した。

 伊方原発3号機は19年12月から定期検査で停止し、東京電力福島第一原発事故後にできた新規制基準で義務付けられたテロ対策施設(特定重大事故等対処施設)の工事を進めている。広島高裁の決定を受け、四国電力は定期検査と工事を終えた後、今年10月以降の再稼働を目指している。

 昨年1月の広島高裁決定(森一岳裁判長)は「四国電の地震や火山リスクに対する評価や調査は不十分だ」と指摘した上で、安全性に問題がないとした原子力規制委員会の判断には誤りがあると判断。山口地裁岩国支部で係争中の訴訟の判決言い渡しまで、原発の運転を禁じていた。

 仮処分は伊方原発の50キロ圏内にある山口県東部の三つの島に暮らす住民3人が申し立てた。原発が立地する佐田岬半島北岸部の活断層の有無、耐震設計の目安となる地震の揺れの想定や、約130キロ離れた熊本県・阿蘇カルデラの火山リスクの評価が主な争点。住民側は「四国電力の活断層の調査は不十分で、火山噴火の影響評価も過小だ」と訴えていた。

 今回の異議審で、四国電力側は、詳細な海上音波探査で活断層がないことを確認し、巨大噴火も「差し迫っていない」と反論していた。
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●関西電力美浜原発3号機再稼働に同意した戸嶋秀樹美浜町長や竹仲良広町議会議長らは、《大阪地裁訴訟の原告》達の声を聞いたのか?

2021年03月08日 00時00分02秒 | Weblog

(20210221[])
西日本新聞の記事【福井・美浜町長、再稼働に同意】(https://www.nishinippon.co.jp/item/o/693065/)。

 《運転開始から40年を超えた関西電力 美浜原発3号機福井県美浜町)を巡り、同町の戸嶋秀樹町長は15日、竹仲良広町議会議長と面談し、再稼働に同意すると表明した》。

 四十年廃炉ルール無視、特例中の特例のはずが…またしても、あの関西電力美浜原発3号機の再稼働をしたいらしい…。正気じゃないね。《日本の国策は「安全な原発を動かす」》…《安全》な《原発》というのは、形容矛盾だと思います。

   『●小出裕章さんの謝罪
    「自民党の政治屋の皆さんをはじめとして原発を推進して甘い汁を
     吸ってこられた方に、この講演会の最後…に流された姫野洋三
     「若狭の海」…を聞いてみて欲しい」

   『●第八回竜一忌、涙が出ました:
      松下竜一さん「暗闇の思想」を語る小出裕章さん
    《姫野洋三さんの「若狭の海
     原発のうたは良かったです。
      「夜をあんなにあかるくしといて
       夏をあんなにさむくしといて
       まだまだ 足りないなんて~♪」》

   『●四十年廃炉ルール無視、特例中の特例のはずが…
      日本原電は東海第二原発の再稼働をしたいらしい…
    《日本原電は、来年四十年の運転期限を迎える東海第二原発
     二十年延命を、原子力規制委員会に申請した。3・11後の
     安全強化で、原発はもはや割に合わなくなった。老朽化が進めば、
     なおさらだ…3・11後、安全対策のハードルは高くなり、
     四十年廃炉のルールもできた。延長は、本来例外的に認められるが、
     さらに特別な対策が必要とされている》。

   『●核発電は「金のなる巨大木」…《自民党の最近のルールは
     「返せば問題ない」と、なかったことにできるというもの》
   『●《稲田朋美…世耕弘成…安倍側近が…関電受注企業から献金
     証人喚問を含め、国会の場で徹底的に調査するほかない》
   『●「桜を見る会」税金接待というアベ様模倣犯・世耕弘成経産相
         …関西電力〝濁流〟問題でも《関電受注企業から献金》

 政府や与党自公・癒党お維はどうしても発電機能付き「海暖め装置」を動かしたくて仕方ないらしい。「たかが電気のために」。地球温暖化対策の切り札とでも嘯きながら。よほど美味しいおカネの「濁流」があるようだ。

   『●姫野洋三さんの「若狭の海」: 核発電銀座…
     《地元の人間にしてみれば原発があっても怖いし、なくても怖い》…
   『●元福井地裁裁判長・樋口英明さん《地震大国の日本には、
      北海道から沖縄まで原発を動かせる場所はどこにもない》
    《二〇一四年五月に福井地裁の裁判長として、関西電力
     大飯原発3、4号機(福井県)の運転差し止め判決を出した。
     今も自分が正しいと確信を持っている。大飯原発の基準地震動
     (耐震設計上の想定の揺れ)は七〇〇ガル(揺れの勢いを示す加速度の
     単位)で、重大事故につながる限界点は一・八倍の一二六〇ガルだと
     関電は主張していた。私は裁判前は、三〇〇〇ガルのような強い揺れに
     原発が耐えられるかどうかが争点になると予想していた。ところがふたを
     開けてみれば、一二六〇ガルが来たらおしまいだというのは争いが
     なかった。主な争点は「敷地内に一二六〇ガルを超える地震は来ない」
     という関電の主張の信用性だった。それが争点なら難しい工学的判断は
     不要で、理性と良識があれば簡単に解ける問題となる。地震大国の
     日本では、原発で基準地震動を超える地震が頻発しており、大飯も
     「ロシアンルーレット状態だった。日本の国策は「安全な原発
     動かす」であって、「何が何でも動かす」ではない。私の「極めて
     危険だから動かしてはいけない」という判断は、国策にも忠実だった
     と思っている。仮に私が日本原子力発電(原電)東海第二原発の
     差し止め訴訟を指揮するなら、ポイントは三つあると思う。一つは、
     基準地震動を超える地震が来ないと言えるかどうか
     これは他の原発と共通の問題だ》

   『●2014年5月大飯原発運転差し止め判決…樋口英明さんは《基準地震動を
         超える地震が来ないと言えるかどうか…他の原発と共通の問題》

 関西電力 美浜原発3号機福井県美浜町)再稼働に同意した戸嶋秀樹町長や、竹仲良広町議会議長らは、《大阪地裁訴訟の原告》達の声を聞いたのか? 「美浜のギロチン事故、ギロチン破断」が再び起こった時、「若狭の海」どころか、日本中が御終いでしょうに。どう責任をとってくれるのですか?
 なんとしても、核発電「麻薬」中毒者の暴走を止めねければ…。

 以前も引用させていただいたが、東京新聞の記事【原発40年超再稼働不同意を要望 大飯判決原告、美浜議会に】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/73074?rct=national)によると、《関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の設置許可の取り消し判決を出した大阪地裁訴訟の原告の一部が8日、福井県美浜町議会に、運転開始から40年を超えた関電美浜原発3号機の再稼働に同意しないよう求める要望書を提出した。関電は美浜3号機を早ければ来年1月にも再稼働させる工程を示しており、町議会は近く同意の是非を示す見込み。町議会では、再稼働を求める請願を審査する特別委員会が今月9日に予定されている。4日の大阪地裁判決は、大飯3、4号機の耐震性が新規制基準に適合するとした原子力規制委員会の判断は誤りだとして、設置許可を取り消した》。

   『●大飯原発再稼働の恐〝負〟の連鎖:
      40年間も動かした美浜原発2号炉をさらに10年稼働延長
   『●東京電力人災が続く中、なに寝ぼけてんだか!?
    《11人が死傷した関西電力美浜原発3号機(福井県美浜町)の
     蒸気噴出事故から丸8年となった9日、同原発で追悼式典が開かれ、
     八木誠社長が慰霊碑の前で「事故の反省と教訓を風化させることなく、
     安全の実績を積み重ねるべく全力を尽くす」と再発防止を誓った》

   『●関西電力大飯原発再稼働差し止め、画期的勝訴:
               もし敗訴していたら大変なことに……
    《「判決を聞いて5人の仲間のことを思った」 
     原告の一人で元原発作業員の山本雅彦さん(57)=福井県敦賀市=は
     判決後の記者会見でそう話し、04年にあった美浜原発3号機の
     蒸気噴出事故で亡くなった5人の作業員を悼んだ》

   『●「原子力は血液」……ではなく、「原子力=核」は「麻薬」
   『●「けん制」? いや、「恫喝」でしょ?  
      関西電力八木誠社長が大津地裁と「地元」市民を脅す!
    《美浜原発3号機(福井県)の廃炉を検討していると一部で報じられた
     ことに対しては「検討している事実はない。活用していきたい」と述べた》

   『●「あとの祭り」: 核発電「麻薬」中毒患者、増殖中
                    …どんどん壊れ行くニッポン

 まもなく、東京電力核発電人災から10年。あの人災から何の教訓を得ることもなく、何も変わらないニッポン。民主党政権末期・野田政権、アベ様・カースーオジサンによる《悪夢のような》、〝地獄〟の自民党政権は、核発電〝麻薬中毒〟から抜け出せないままです…。

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https://www.nishinippon.co.jp/item/o/693065/

福井・美浜町長、再稼働に同意
2021/2/15 9:56 (2021/2/15 9:57 更新)

     (関西電力美浜原発3号機=福井県美浜町)
     (再稼働の同意を伝えた町議会議長との面談後、取材に応じる
      戸嶋秀樹福井県美浜町長=15日午前、美浜町役場)

 運転開始から40年を超えた関西電力 美浜原発3号機福井県美浜町)を巡り、同町の戸嶋秀樹町長は15日、竹仲良広町議会議長と面談し、再稼働に同意すると表明した。地元町長が40年超再稼働に同意するのは、関電高浜原発1、2号機(同県高浜町)に続き2例目となる。

 町長の同意後は県議会や知事の判断となる。杉本達治知事は、今月16日に開会する県議会で議論を促す方針を示しているが、自身の判断時期のめどは「全くない」としている。関電は当初、美浜3号機を1月に再稼働させる計画だった。

 美浜町では昨年12月、町議会が同意し、戸嶋氏は「重く受け止める」としていた。
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●2014年5月大飯原発運転差し止め判決…樋口英明さんは《基準地震動を超える地震が来ないと言えるかどうか…他の原発と共通の問題》

2021年02月10日 00時00分10秒 | Weblog

[※ 『原発に挑んだ裁判官』(磯村健太郎・山口栄二) 朝日新聞出版↑]


(2020年12月13日[日])
東京新聞の【社説/大飯許可違法 誰がための規制委か】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/72853?rct=editorial)。

 《関西電力 大飯原発3、4号機(福井県)の安全性に問題があるとして、大阪地裁は国の原子力規制委員会が関電に与えた原発の設置許可を取り消した。国の原子力政策を根元から揺るがす判決だ。「原子力規制委員会の判断に看過しがたい過誤、欠落がある」−。大阪地裁は、強い言葉で規制委を指弾した。原発の稼働に際し、想定すべき最大の揺れの強さを示す「基準地震動」の算定方法が、最大の争点だった》。

 琉球新報の【<社説>大飯原発違法判決 全ての原発審査を見直せ】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1237175.html)によると、《日本の原子力行政が根底から否定された。関西電力 大飯原発(福井県)3、4号機の耐震性を巡る訴訟で、4日の大阪地裁判決は原発設置許可を違法として取り消した。判決は原子力規制委員会の判断に対し「地震規模の想定で必要な検討をせず、看過しがたい過誤、欠落があると厳しく指摘した。規制委の審査が不十分であることが司法によって示されたのだ。大飯だけでなく再稼働を目指す東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)や東北電力女川原発(宮城県女川町、石巻市)など、審査に合格した施設でも規制委の審査が十分だったのか疑問符が付く


 《どこまで巨費をつぎ込めば安定稼働できるのか》…核発電「麻薬」中毒者たち…核発電と《安全》は対極にあるものだということを決して理解しようとしない。

 同核発電所については、《二〇一四年五月に福井地裁の裁判長として、関西電力大飯原発3、4号機(福井県)の運転差し止め判決を出した》樋口英明元裁判長は、のちに、《基準地震動を超える地震が来ないと言えるかどうか。これは他の原発と共通の問題だ》と仰っています。本来であれば、過去最大の地震動に、さらに、《想定外》を考慮して〝上乗せ〟すべきであるのに、なんと、関電方式では過去の地震動の平均値を基準地震動としているというでたらめ。さらには、それを許容する核発電「推進」委員会・核発電「寄生」委員会。
 樋口さんの経歴は、《<ひぐち・ひであき> 1952年、三重県鈴鹿市生まれ、京都大法学部卒。83年、判事任官。静岡、名古屋などの地裁・家裁、大阪高裁などを経て、2014年5月に福井地裁で大飯原発差し止め判決、15年4月に高浜原発再稼働差し止めの仮処分決定を出した。17年8月、名古屋家裁を最後に定年退官》。

   『●元福井地裁裁判長・樋口英明さん《地震大国の日本には、
      北海道から沖縄まで原発を動かせる場所はどこにもない》
    《二〇一四年五月に福井地裁の裁判長として、関西電力
     大飯原発3、4号機(福井県)の運転差し止め判決を出した。
     今も自分が正しいと確信を持っている。大飯原発の基準地震動
     (耐震設計上の想定の揺れ)は七〇〇ガル(揺れの勢いを示す加速度の
     単位)で、重大事故につながる限界点は一・八倍の一二六〇ガルだと
     関電は主張していた。私は裁判前は、三〇〇〇ガルのような強い揺れに
     原発が耐えられるかどうかが争点になると予想していた。ところがふたを
     開けてみれば、一二六〇ガルが来たらおしまいだというのは争いが
     なかった。主な争点は「敷地内に一二六〇ガルを超える地震は来ない」
     という関電の主張の信用性だった。それが争点なら難しい工学的判断は
     不要で、理性と良識があれば簡単に解ける問題となる。地震大国の
     日本では、原発で基準地震動を超える地震が頻発しており、大飯も
     「ロシアンルーレット状態だった。日本の国策は「安全な原発
     動かす」であって、「何が何でも動かす」ではない。私の「極めて
     危険だから動かしてはいけない」という判断は、国策にも忠実だった
     と思っている。仮に私が日本原子力発電(原電)東海第二原発の
     差し止め訴訟を指揮するなら、ポイントは三つあると思う。一つは、
     基準地震動を超える地震が来ないと言えるかどうか
     これは他の原発と共通の問題だ》


 《あの未曾有の福島第一原発事故を招いた“最大の戦犯”》元行政府の長・アベ様は司法も掌握していたようで…《大飯原発…福井地方裁判所の樋口英明裁判長…運転差止めという判決を出した原発だ。…この判決後、露骨な圧力を思わせる事態が起きる。…名古屋家裁に“懲罰左遷”》《大飯原発…福井地方裁判所の樋口英明裁判長…運転差止めという判決を出した原発だ。…この判決後、露骨な圧力を思わせる事態が起きる。…名古屋家裁に“懲罰左遷”》(https://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/e35cfa8de5d1762f13e0c7534b05a7bd)。
 一方、福井地裁の名判決そのものは、その後どういう経緯をたどったのか? ――― 《極めて多数の人々の生存そのものにかかわる権利と、電気代が高い低いの問題とを並べて論じること自体、許されない》…経済活動よりも生存に関わる人格権を優先。核発電「麻薬」中毒患者・関西電力の大飯原発についての福井地裁の名判決…。《住民の人格権を認めた画期的判決》でした。なのに、司法判断放棄な内藤正之裁判長、大飯核発電所《危険性は社会通念上、無視しうる程度にまで管理・統制》? 《住民の「人格権」を尊重し…大飯…の運転差し止めを認めた一審の判断は、いともあっさり覆された。「原発の是非は政治に委ねる」という裁判所。一体誰のため》(https://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/9e50e3695c9a006efb2a073a3fad1548)? 

 引用した東京新聞の【社説/大飯許可違法 誰がための規制委か】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/72853?rct=editorial)には、《関電幹部も悲鳴を上げているというが、再生可能エネルギーが世界の主力電源になりつつある今、安全対策に無限とも思える投資をし続けてまで原発の維持を図ることにこそ、どだい無理があるのだろう。今回の司法判断は、国の原発政策そのものにも、疑問を投げかけているようだ》。
 何度も何度もすいませんが…何度でも、貼ります。《世界は電力タダの時代に》…核発電を続けたい、という「麻薬」中毒者達の気が知れない。復興五輪」どころか、「復興原発」などというふざけた言葉も耳に入ってくる。最近は、「経済性を度外視して、核発電をやらなけらばならない」といった支離滅裂な言説も出てきているようだ。ニッポンは世界中に迷惑を振りまき続けている…。



【【金子勝の言いたい放題】NO5 世界は電力タダの時代に エネ転が拓く経済転換(飯田哲也さんと) 20191230】
https://www.youtube.com/watch?v=eMDjFFFo3qY&t=186s



【国内の発電電力量と二酸化炭素(CO2)の推移】
[https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/202003/images/PK2020031002100041_size0.jpg]


 さらに、デモクラシータイムスでの対談の第二弾。


【【金子×飯田の言いたい放題】目指せ!分散革命ニューディール~電力の転換が生む新しい未来 20201024】
https://www.youtube.com/watch?v=wME6ynlCXWQ


 刑事裁判として、画期的な今回の判決。気になることは、今回の素晴らしい判決を出してくれた大阪地裁森鍵一裁判長。生まれ変わったのでしょうか? 沖縄でだけ、冷酷なのだろうか?
 《那覇地裁(森鍵一裁判長)…「県の訴えは裁判の対象にならない」として却下した。実質的な中身に立ち入らず、門前払いした。工事差し止めの仮処分申し立ても退けた》(https://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/922d08b904750712aeb2f6b8cac4f449)。
 琉球新報の記事【与那国陸自配備、住民の工事差し止め訴えを却下 那覇地裁「武力衝突ない」】(https://ryukyushimpo.jp/news/entry-201438.html)においても、《[2016年1月10日]与那国島への陸上自衛隊沿岸監視部隊配備に反対する住民30人が国を相手に駐屯地の工事差し止めを求めた仮処分命令申し立てについて、那覇地裁(森鍵一裁判長)は9日までに却下》しています。

 なんとしても、核発電「麻薬」中毒者の暴走を止めねければ…。
 東京新聞の記事【原発40年超再稼働不同意を要望 大飯判決原告、美浜議会に】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/73074?rct=national)によると、《関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の設置許可の取り消し判決を出した大阪地裁訴訟の原告の一部が8日、福井県美浜町議会に、運転開始から40年を超えた関電美浜原発3号機の再稼働に同意しないよう求める要望書を提出した。関電は美浜3号機を早ければ来年1月にも再稼働させる工程を示しており、町議会は近く同意の是非を示す見込み。町議会では、再稼働を求める請願を審査する特別委員会が今月9日に予定されている。4日の大阪地裁判決は、大飯3、4号機の耐震性が新規制基準に適合するとした原子力規制委員会の判断は誤りだとして、設置許可を取り消した》。

   『●大飯原発再稼働の恐〝負〟の連鎖:
      40年間も動かした美浜原発2号炉をさらに10年稼働延長
   『●東京電力人災が続く中、なに寝ぼけてんだか!?
    《11人が死傷した関西電力美浜原発3号機(福井県美浜町)の
     蒸気噴出事故から丸8年となった9日、同原発で追悼式典が開かれ、
     八木誠社長が慰霊碑の前で「事故の反省と教訓を風化させることなく、
     安全の実績を積み重ねるべく全力を尽くす」と再発防止を誓った》

   『●関西電力大飯原発再稼働差し止め、画期的勝訴:
               もし敗訴していたら大変なことに……
    《「判決を聞いて5人の仲間のことを思った」 
     原告の一人で元原発作業員の山本雅彦さん(57)=福井県敦賀市=は
     判決後の記者会見でそう話し、04年にあった美浜原発3号機の
     蒸気噴出事故で亡くなった5人の作業員を悼んだ》

   『●「原子力は血液」……ではなく、「原子力=核」は「麻薬」
   『●「けん制」? いや、「恫喝」でしょ?  
      関西電力八木誠社長が大津地裁と「地元」市民を脅す!
    《美浜原発3号機(福井県)の廃炉を検討していると一部で報じられた
     ことに対しては「検討している事実はない。活用していきたい」と述べた》
   『●「あとの祭り」: 核発電「麻薬」中毒患者、増殖中
                    …どんどん壊れ行くニッポン

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/72853?rct=editorial

社説
大飯許可違法 誰がための規制委か
2020年12月7日 07時42分

 関西電力 大飯原発3、4号機(福井県)の安全性に問題があるとして、大阪地裁は国の原子力規制委員会が関電に与えた原発の設置許可を取り消した。国の原子力政策を根元から揺るがす判決だ。

 「原子力規制委員会の判断に看過しがたい過誤、欠落がある」−。大阪地裁は、強い言葉で規制委を指弾した。

 原発の稼働に際し、想定すべき最大の揺れの強さを示す「基準地震動」の算定方法が、最大の争点だった。

 規制委は、関電が算出したデータに基づいて、福島第一原発の事故後に厳格化された新規制基準に「適合」すると判定し、二〇一七年五月に設置許可を出していた。

 しかし、大阪地裁は「関電が算定に用いた数式は、過去に発生した地震の平均値にすぎない国の審査ガイドにも、ばらつき(平均値からかけ離れた強さ)が出る恐れを考慮するとある」と指摘。「ばらつきによる上乗せの必要性を検討せずに、許可を与えたのは違法である」と断じた。

 大飯原発3、4号機に関しては、元規制委員長代理の島崎邦彦・東京大名誉教授(地震学)も「関電の計算式では、基準地震動が過小評価される恐れがある」と、別の訴訟の法廷などでも証言に立ち、訴えてきた

 原子力規制委員会は福島第一原発の惨事を踏まえ、「想定外」による事故を二度と繰り返してはならないと、設立された機関のはずだ。過小評価の指摘を見過ごすということは、「想定外」を許容するということにはならないか。

 もしそうなら、規制委の存在自体の基盤が揺らぐ。

 関電が用いた計算式は、国内のほぼすべての原発で、基本データとして重要視されているという

 福島の事故後に各地で相次いだ運転差し止めの司法判断でも、想定される地震の揺れや火山リスク、避難方法などに関する想定の甘さが指摘されてきた。電力側のデータによって立つ現状も含め、すべての原発で、審査過程の再検証が必要だろう。

 「どこまで巨費をつぎ込めば安定稼働できるのか

 関電幹部も悲鳴を上げているというが、再生可能エネルギーが世界の主力電源になりつつある今、安全対策に無限とも思える投資をし続けてまで原発の維持を図ることにこそ、どだい無理があるのだろう。今回の司法判断は、国の原発政策そのものにも、疑問を投げかけているようだ。
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●姫野洋三さんの「若狭の海」: 核発電銀座…《地元の人間にしてみれば原発があっても怖いし、なくても怖い》…

2020年08月01日 00時00分33秒 | Weblog


2020年3月の東京新聞の社説【原発銀座の50年 あっても、なくても】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2020033002000107.html)。

 《世界は再生可能エネルギーの時代になった。半世紀-。原発の真の受益者は、地方が送る電気を使い繁栄を謳歌(おうか)してきた都会の電力消費者だった。若狭のような供給地の未来をどうするか。消費者もともに考える時。例えば村本さんの原発ネタが、きっかけになればいい》。

 再度、以下の映像を貼らせていただきます。


【【金子勝の言いたい放題】NO5 世界は電力タダの時代に エネ転が拓く経済転換(飯田哲也さんと) 20191230】
https://www.youtube.com/watch?v=eMDjFFFo3qY&t=186s

 社説を読んで、姫野洋三さんの「若狭の海」を思い浮かべました。

   『●小出裕章さんの謝罪
    「自民党の政治屋の皆さんをはじめとして原発を推進して甘い汁を
     吸ってこられた方に、この講演会の最後…に流された姫野洋三
     「若狭の海」…を聞いてみて欲しい」

   『●第八回竜一忌、涙が出ました:
      松下竜一さん「暗闇の思想」を語る小出裕章さん
    《姫野洋三さんの「若狭の海
     原発のうたは良かったです。
      「夜をあんなにあかるくしといて
       夏をあんなにさむくしといて
       まだまだ 足りないなんて~♪」》

 核発電銀座、「原発銀座」。「血液」の輸「血」と騙されて、《平和利用」に誘われて》「麻薬」中毒に。《原発は『プルトニウムをつくる装置』》(内橋克人さん)であり、《平和利用》な訳もなし。

   『●小出裕章さん、核=原子力は「違憲」という視点
   『●「原子力」と「核」、言葉は違えど「原発=原爆」である
   『●「原子力」は「核」へのポテンシャル
   『●3.11後にヒロシマで原発推進・輸出を語れるその神経……
   『●「核と人類は共存し得ない」
   『●原発マネーに群がる ~読売が最悪~
   『●核・原子力汚染された雑誌群
   『●「原子力は血液」……ではなく、「原子力=核」は「麻薬」
   『●「けん制」? いや、「恫喝」でしょ?
      関西電力八木誠社長が大津地裁と「地元」市民を脅す!
    《美浜原発3号機(福井県)の廃炉を検討していると一部で報じられた
     ことに対しては「検討している事実はない。活用していきたい」と述べた》

   『●関西電力八木誠社長のあの高浜原発:
      「プルサーマル原発」に続き「寿命原発」を動かしたいそうです
   『●烏賀陽弘道さん
      『ヒロシマからフクシマへ原発をめぐる不思議な旅』読了
   『●やはり核発電は「金のなる巨大木」だった…高浜「原発マネー」が
             八木誠会長ら関西電力経営陣個人に見事に《還流》
   『●濁流…《塩浜工業…高浜をはじめ全国の原発で安全対策などの
       工事を受注。玄海での実績は…確認できない》そうだけれど…
   『●東電核発電人災から9年: 金(カネ)色の五つの輪《オリンピック
            聖火リレーを前に「福島はオリンピックどごでねぇ」》
   『●三浦英之記者の質問「今でも『アンダーコントロール』だとお考えで
      しょうか」? アベ様のお答え「…その中で正確な発信をした…」!?

 東京新聞の記事【関電金品受領で役員ら93人処分 経産省に改善計画提出】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/list/202003/CK2020033102000167.html)によると、《金品を受け取った役員ら八十二人の処分も発表、既に発表した岩根茂樹前社長らを含め処分対象者は計九十三人となった。取締役が注意義務を怠り、関電に損害賠償責任を負うかどうかを今後二カ月程度で判断する「取締役責任調査委員会」を同日付で新設した》。
 また、西日本新聞の社説【関電問題報告書 原発動かす資格はあるか】(https://www.nishinippon.co.jp/item/n/596534/)によると、《ひとたび深刻な原発事故が起これば、周辺住民の暮らしはもとより社会全体に壊滅的な影響を与える。東京電力福島第1原発事故で学んだことだ。そんな原発の運転を、こんな組織に任せて大丈夫なのか。関西電力への不信は強まる一方である》。
 凄まじき核マネーの《還流》、そして、有耶無耶にされつつある政治家への「濁流」…「麻薬」中毒な関西電力に、「資格」などあろうはずがない、「大丈夫」な訳がない。

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2020033002000107.html

【社説】
原発銀座の50年 あっても、なくても
2020年3月30日

 <福井県の、ぼく、おおい町出身でね、知ってます? 原発の町、おおい町です>

 時事ネタで人気のお笑いコンビ、ウーマンラッシュアワーの村本大輔さんは、こう切り出した。昨年暮れにフジテレビ系で放映された「THE MANZAI」のひとこまだ。

 <おおい町の隣は、高浜町ね。高浜町には疑惑だらけの高浜原発がありまして、その隣には美浜原発がありまして、その隣には敦賀の『もんじゅ』があったんです。でも、おおい町には夜の七時以降は開いてる店がほとんどない。真っ暗になる。これ叫ばせてください。電気はどこへ行く~

 ここで客席、大爆笑。

 <地元の人間にしてみれば原発があっても怖いし、なくても怖い。あったらあったで地震があったら怖い。なかったらなかったで経済が回らないから怖いですよね>

 ふるさとの本音を代弁するかのようなマシンガントークが続く。客席は何度も笑いに包まれる-。「原発銀座」と呼ばれる福井県の若狭湾沿岸部は、世界に類のない原発の密集地。村本さんが言うように、関西電力大飯高浜美浜日本原子力発電敦賀、そして日本原子力研究開発機構の実験炉「もんじゅ」と「ふげん」-。廃炉が決まったものも含めて、計十五基の原子炉が湾内にひしめく、まさに銀座の様相だ

 ヘリコプターで高度千五百メートルから見下ろした。複雑な海岸線。もやの中、岬の陰に身を隠すように、原子炉が立ち並ぶ。

 美浜、もんじゅ、敦賀の三カ所は、一枚の写真に納まるほどの近さにあった。


◆「平和利用」に誘われて

 原発銀座の一丁目、第一号となる敦賀原発=写真、本社ヘリ「まなづる」から=の運転開始から、今月で五十年が経過した。

 一九五三年、アイゼンハワー米大統領の「アトムズ・フォー・ピース(原子力の平和利用」演説をきっかけに、唯一の被爆国日本にも原子力ブームが巻き起こる

 福井県は五七年、産学官の代表による「福井県原子力懇談会」を組織して原発誘致に乗り出した。

 繊維に代わる新しい“地場産業”がほしかった。太平洋側の発展に「追いつけ追い越せ」の機運もあった。

 核分裂同様、原発立地も連鎖する。原発が立地されると、見返りに電源三法交付金など「原発マネーが流れ込み、庁舎や保養施設のような、立派なハコモノが建設される。それを見て、近隣の自治体が名乗りを上げる。時あたかも高度経済成長期。電力需要も右肩上がり。若狭の浜辺はこうして「原発銀座」になった

 だが、やがて期待はしぼんでいった。元福井県原子力安全対策課長の来馬克美さんは書いている。

 「原子炉建設によって道路などのインフラは整備された。また、建設労働者の流入により、一時的に地域経済が潤いもした。しかし、それは土木建設業界が活躍する建設工事の初期までであり、機器設備類の組立や実際の稼働に入る頃には、原子力発電所建設による利益を受けるのは立地市町周辺に限られることが明らかになっていた」(「君は原子力を考えたことがあるか」)

 立地自治体の住民があまねく恩恵を受けたわけでもない。

 村本さんと同じおおい町に生まれた作家水上勉は、こう書いた。

 「人を信じるしかあるまい。関電の技師さんを信じるしかあるまい。原発の安全は人間を信じることだ。ひとつそれがくずれれば、イカ釣り舟も地獄の宴(うたげ)だ」(「若狭がたり」)。多くの人が不安を押し殺し、原発との共存を自らに強いてきたのではなかったか。

 福島第一原発の事故を境に若狭湾の潮目も変わり、うち続く電力会社の不祥事は、地元との信頼関係に、とどめを刺した感がある。


◆「百年」はあり得ない

 老朽化した敦賀1号機は廃炉が決まり、2号機直下には大地震を起こす恐れのある活断層の存在が指摘されている。3、4号機の建設予定地は更地のままだ。新増設の見込みはない。原発銀座に「百年」はあり得まい。世界は再生可能エネルギーの時代になった

 半世紀-。原発の真の受益者は、地方が送る電気を使い繁栄を謳歌(おうか)してきた都会の電力消費者だった。若狭のような供給地の未来をどうするか。消費者もともに考える時。例えば村本さんの原発ネタが、きっかけになればいい。
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●やはり核発電は「金のなる巨大木」だった…高浜「原発マネー」が八木誠会長ら関西電力経営陣個人に見事に《還流》

2019年09月28日 00時00分35秒 | Weblog

元福井県高浜町助役から関西電力側への資金提供のイメージ東京新聞2019年9月27日)↑]



東京新聞の二つの記事【原発マネー還流か 関電会長らに1.8億円 福井・高浜町元助役から】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201909/CK2019092702000131.html)と、
【関電20人、3.2億円受領 原発マネー「還流認識ない」】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201909/CK2019092702000283.html)。

 《関西電力八木誠会長(69)や岩根茂樹社長(66)、豊松秀己元副社長(65)を含む役員ら六人が二〇一七年までの七年間に、関電高浜原発が立地する福井県高浜町の元助役森山栄治氏(今年三月に九十歳で死亡)から、計約一億八千万円の資金を受け取っていた…森山氏は原発関連工事を請け負う地元建設会社から約三億円を受領していたことも判明。国税局に対し、関電側への資金提供について「お世話になっているから」と説明しており、工事費として立地地域に流れた「原発マネー」が経営陣個人に還流した可能性がある》。

   『●砂上にペラペラの壁を造ってまでも再稼働したくなる
              浜岡原発という「金のなる巨大木」
    「東京新聞の3つの記事、森本智之記者による【「中部電
     浜岡地元に30億円」 住民組織にも原発マネー】…、
     小沢慧一・森本智之・勝間田秀樹記者による【浜岡地元に
     30億円 住民側リーダーの故鴨川源吉さん 
     原発受け入れ晩年まで自問】…、
     夏目貴史記者によるインタビュー【浜岡原発停止5年 
     御前崎前市長・石原茂雄さん「金なる木 甘えあった」】」
    「地元の住民組織にまで「麻薬」が配られていたそうです。
     中部電力と「なれ合って」いた訳です。おカネは何に使われて、
     どこに消えたのでしょうね。唖然とします。
      核発電所立地の地元民までが、砂上にペラペラの壁を造って
     までも再稼働したくなる訳です。核発電「麻薬」中毒患者が実り、
     3.11人災のような、そして、地域の分断のような「悲劇」が
     実る「金のなる巨大木」だったようです。」

 やはり核発電は「金のなる巨大木」のようです。浜岡原発に絡んで、中部電力から住民組織「佐倉地区対策協議会(佐対協)」に流れた原発マネーはどこに消えたのか不思議でした。政治家に流れたのか…? 
 しかし、今回は、高浜「原発マネー」が八木誠会長ら関西電力経営陣個人に明確に、見事に《還流》されています。驚きです。「原発マネー」をお返しすれば済む、という単純な話ではないでしょう。

   『●原発マネーに群がる ~読売が最悪~
   『●核・原子力汚染された雑誌群
   『●「原子力は血液」……ではなく、「原子力=核」は「麻薬」
   『●「けん制」? いや、「恫喝」でしょ?  
      関西電力八木誠社長が大津地裁と「地元」市民を脅す!
    《美浜原発3号機(福井県)の廃炉を検討していると一部で報じられた
     ことに対しては「検討している事実はない。活用していきたい」と述べた》

   『●関西電力八木誠社長のあの高浜原発: 
      「プルサーマル原発」に続き「寿命原発」を動かしたいそうです

 関西電力八木誠会長は電気事業連合会電事連)の会長を、2011年4月~2016年6月の間、勤めています。知らなかったのですが、現在の電事連の会長は岩根茂樹社長。
 ウィキペディアの電気事業連合会の項に以下の記述があります: 「福島第一原子力発電所事故が発生した2011年、東京電力から連合会宛に年会費として18億円が支払われていた事が判明した(同時期には公的資金での財政支援が行なわれている)が、納入された会費の具体的使途を連合会は開示していない…東電、電事連へ会費18億円 11年度、料金に上乗せ 朝日新聞デジタル2013年3月31日」。
 下記ブログの通りです。

   『●東京電力原発人災が続くさ中に「会費」なるものを
                 払うというその無神経さ

 《関電の岩根茂樹…「常識の範囲を超える金品は受け取りを拒んだり、返却を試みたりしたが、強く拒絶されたため一時的に個人の管理下で保管していた」と説明。…岩根社長は会見で原子力事業に影響が出るのではないかとためらい返せなかったと話した》…一体、どんな言い訳なのでろう。唖然とする。
 《菅原一秀経済産業相は二十七日の閣議後会見で「事実であれば極めて言語道断ゆゆしき事態だ。事実関係を徹底解明して、厳正に処する」》そうだが、どこまで本気なのか。結果が見ものだ。

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201909/CK2019092702000131.html

原発マネー還流か 関電会長らに1.8億円 福井・高浜町元助役から
2019年9月27日 朝刊



【元福井県高浜町助役から関西電力側への資金提供のイメージ
 (https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201909/images/PK2019092702100052_size0.jpg)】

 関西電力八木誠会長(69)や岩根茂樹社長(66)、豊松秀己元副社長(65)を含む役員ら六人が二〇一七年までの七年間に、関電高浜原発が立地する福井県高浜町の元助役森山栄治氏(今年三月に九十歳で死亡)から、計約一億八千万円の資金を受け取っていたことが、金沢国税局の税務調査で分かった。複数の関係者が共同通信の取材に明らかにした。

 森山氏は原発関連工事を請け負う地元建設会社から約三億円を受領していたことも判明。国税局に対し、関電側への資金提供について「お世話になっているから」と説明しており、工事費として立地地域に流れた「原発マネー」が経営陣個人に還流した可能性がある。

 関電広報室は二十六日夜、社内に調査委員会を設置して調べたとし「現時点では儀礼の範囲内以外のものは既に返却を完了した」とコメントした。

 八木会長は取材に「森山さんは地元の有力者で、原子力に対しても理解のある方。そういう意味でお付き合いがあった」と述べた。資金の授受については「広報に聞いてほしい」と繰り返した。岩根社長は「中元とか歳暮はあった。通常の付き合い以上のものはいけないという認識でお返しした」と話した。

 森山氏は一九七七~八七年、高浜町助役を務めた。

 複数の関係者によると、金沢国税局は昨年一月、高浜原発や大飯原発(福井県おおい町)の関連工事を請け負う高浜町の建設会社への税務調査に着手。この会社から工事受注に絡む手数料として森山氏へ約三億円の資金が流れていることが確認された。さらに森山氏の税務調査を進めると、森山氏が関電役員ら六人の個人口座に送金したり、現金を入れた菓子袋を関電側に届けたりしていたことが判明。総額は七年間で約一億八千万円に上る

 工事経歴書によると、高浜町の建設会社は一五~一八年、原発関連工事を少なくとも二十五億円受注していた。

 森山氏は、受け取った約三億円を所得として申告していなかったため、金沢国税局は申告漏れを指摘し、追徴課税した。
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201909/CK2019092702000283.html

関電20人、3.2億円受領 原発マネー「還流認識ない」
2019年9月27日 夕刊

      (厳しい表情で記者会見する関西電力の岩根茂樹社長
       =27日午前、大阪市で)

 関西電力の八木誠会長(69)を含む役員ら六人が関電高浜原発が立地する福井県高浜町の元助役の故森山栄治氏(今年三月に九十歳で死亡)から多額の金品を受領していた問題を受け、関電の岩根茂樹社長(66)が二十七日、大阪市の本店で臨時の記者会見を開き「二〇一一年からの七年間で二十人が計三億二千万円を受け取っていた」と明らかにした。辞任は否定した。

 「常識の範囲を超える金品は受け取りを拒んだり、返却を試みたりしたが、強く拒絶されたため一時的に個人の管理下で保管していた」と説明。既に自身と八木会長は報酬減の処分を受けたとし「それ以外の処分人数と内容は差し控える」と語った。

 「調査の結果、見返りとなるような行為はなかった。(原発関連工事費が経営陣に還流したという認識はない」「(工事の)発注プロセスに問題がない」と強調した。

 菅原一秀経済産業相は二十七日の閣議後会見で「事実であれば極めて言語道断ゆゆしき事態だ。事実関係を徹底解明して、厳正に処する」と述べた。同日午前に関電側から事情を聴いていることも明らかにした。

 関係者によると、森山氏への金沢国税局による税務調査の過程で六人は一七年までの七年間に計約一億八千万円を受領していたことが確認された。四人は調査が始まった昨年、すぐに全部や一部の返還を始めた。ただ、受領から既に相当の期間が経過し、自身の所得に当たるとみなされる可能性があったため、自主的に雑所得として税務申告もした。

 岩根社長は会見で原子力事業に影響が出るのではないかとためらい、返せなかったと話した。

 関係者によると、国税局は税務調査の結果、森山氏が高浜原発などの関連工事を請け負う高浜町の建設会社から、工事受注に絡む手数料名目で約三億円を受領していたことをつかんだ。さらに調査を進め、森山氏から関電役員ら六人への資金の流れを確認したという。

 資金は個人口座に送金したり、現金入りの菓子袋を届けたりして関電側に渡したとされる。森山氏は国税局に「関電にはお世話になっているから」と説明したという。

 工事経歴書によると、高浜町の建設会社は一五~一八年、原発関連工事を少なくとも二十五億円受注原発関連の工事費として立地地域に流れた原発マネーが経営陣個人に還流した可能性がある。

     ((左)故森山栄治氏(右)八木誠会長)


◆社長一問一答「関係悪化恐れた」

 岩根茂樹関西電力社長の二十七日午前の記者会見での一問一答は次の通り。

 -金品受領の概要を。
 「二十人が計三億二千万円を受け取っていた。報酬減の処分を受けている」

 -社長の責任は。
 「会社として対処すべきものが個人の管理となっており、トップのリーダーシップの問題を感じている」

 -社長や(岩根氏が務める)電気事業連合会会長職の辞任は。
 「再発防止を行うことで責任を全うする」

 -金品の原資への認識は。発注した原発工事の資金が還流したのか。
 「そのような認識はない」

 -背広券を使ったとの話もある。
 「儀礼的なもので返却できていないものはある」

 -福井県高浜町の元助役の故森山栄治氏から金品を拒めなかった理由は。
 「地元の有力者で、地域調整の観点でお世話になっている。先方も厳しい態度で返却を拒まれたので関係悪化を恐れた」

 -岩根社長自身が金品を受け取った状況は。
 「社長就任後に本社にごあいさつに来られた。原子力事業運営と地域に関して話した後、直接受け取った。役員から高額なものかもしれないと言われ別に管理した」

 -税務調査前に返す努力はしたか。
 「私が直接ではないが、社としては試みた」

 -東日本大震災後の節電時期も金品を受け取っていた。
 「原子力の信頼を回復する必要がある時で、心よりおわびする」

 -元助役が、原発関連工事を請け負う建設会社と関連している認識はあったか。
 「認識はあった
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●司法判断放棄な内藤正之裁判長、大飯核発電所《危険性は社会通念上、無視しうる程度にまで管理・統制》?

2018年07月19日 00時00分37秒 | Weblog


東京新聞の記事【大飯差し止め 取り消し 高裁金沢支部「危険性無視しうる」】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201807/CK2018070502000155.html)と、
社説【大飯原発控訴審 司法は判断を放棄した】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2018070502000183.html)。

 《関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の運転差し止めを住民らが求めた訴訟の控訴審判決が四日、名古屋高裁金沢支部であった。内藤正之裁判長は「新規制基準に適合するとした原子力規制委員会の判断に、不合理な点は認められない。大飯原発の危険性は社会通念上、無視しうる程度にまで管理・統制されている」と述べ、運転差し止めを命じた一審福井地裁判決を取り消し、住民側の請求を棄却…「…その当否の判断はもはや司法の役割を超え、国民世論として幅広く議論され、立法府や行政府による政治的な判断に委ねられるべきだ」」》。
 《住民の人格権を尊重し、関西電力大飯原発3、4号機の運転差し止めを認めた一審の判断は、いともあっさり覆された。「原発の是非は政治に委ねる」という裁判所。一体誰のためにある?》


   『●「「慰安婦」問題と言論弾圧」 『週刊金曜日』
         (2014年11月14日、1016号)について
    「伊田浩之氏【「短期決戦」確実となった大飯原発差し止め控訴審】、
     《福井地裁(樋口英明裁判長)…大飯原発…の運転差し止めを命じた…。
     …控訴審が…名古屋高裁金沢支部(内藤正之裁判長)で始まった…
     司法は、「安全神話」の復活に二度と手を貸してはならない》」

   『●関電による執行停止の申し立てを却下:  
     相変わらず「「安全より効率、命より経済」を優先」を関電は主張
   『●普通の社会通念: 「安全性の立証責任は電力会社側にあり…
                   原発の安全性の欠如が直ちに人格権侵害」
    「「地元」市民「命」より「経済性、経済神話」」を優先、
     「安全より効率、命より経済」を優先、そう云った「社会通念」で
     良いのでしょうか? 今回も、大津地裁山本善彦裁判長は、
     「「安全より効率、命より経済」を優先」という関電の主張を退けました。
     《安全性の立証責任は電力会社側にあり現実に起きた東京電力
     福島第一原発事故と被害を目の当たりにした国民の社会通念は、
     原発の安全性の欠如が直ちに人格権侵害を推認させるものになっている》。
     関電の「社会通念」を明確に否定。山本善彦裁判長の
     至極真っ当な判断で、ここまでは期待通りです。問題はここからでしょう。
     大阪高裁で、骨のある裁判官に恵まれるか? 期待薄

   『●予想されたこととはいえ、大津地裁山本善彦裁判長の
       「国民の命を守る司法からの重いメッセージ」を破棄…

 司法判断を放棄するとはねぇ。沖縄同様、ここでも政治判断を乱発するつもりかね。なんのための裁判所なのか? しかも、内藤正之裁判長どのは、大飯核発電所の《危険性は社会通念上、無視しうる程度にまで管理・統制されている》…だってさ? 一体どんな社会通念なの? 《普通の社会通念》すら持ち合わせていないらしい。
 福井地裁樋口英明裁判長)の判決があ~ぁ…。内藤正之裁判長は司法判断を放棄し、政治判断しちゃったョ。

   『●今頃ようやく福島第二原発の廃炉を決断、
      一方、「あとは野となれ山となれ」な玄海原発4号機の再稼働…

 以下のつぶやきに同意します。

・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 
https://twitter.com/shiikazuo/status/1014740028289716224

志位和夫@shiikazuo
大飯原発の運転差し止めを認めなかった名古屋高裁の判決は読めば読むほど酷い
当否の判断は司法の役割を超え」と言って判断放棄。「原発の危険性は社会通念上無視しうる」というが、そんな「社会通念」はどこにある?
福島の大事故を忘れ、関電言いなりに、新たな安全神話を作るその罪は重い
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201807/CK2018070502000155.html

大飯差し止め 取り消し 高裁金沢支部「危険性無視しうる」
2018年7月5日 朝刊

 関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の運転差し止めを住民らが求めた訴訟の控訴審判決が四日、名古屋高裁金沢支部であった。内藤正之裁判長は「新規制基準に適合するとした原子力規制委員会の判断に、不合理な点は認められない。大飯原発の危険性は社会通念上、無視しうる程度にまで管理・統制されている」と述べ、運転差し止めを命じた一審福井地裁判決を取り消し、住民側の請求を棄却した。

 二〇一一年三月の東京電力福島第一原発事故後の原発訴訟で、高裁判決が出たのは初めて。

 控訴審の争点は、安全対策の前提として関電が想定している地震の揺れの大きさ(基準地震動)だった。元規制委員長代理の島崎邦彦東大名誉教授(地震学)が住民側の証人として出廷し「過小評価の可能性がある」と主張したが、内藤裁判長は「活断層の断層面積は詳細な調査を踏まえ大きく設定しており、過小であるとは言えない」と退けた。

 一四年五月の福井地裁判決は「生命を守り生活を維持するという根幹部分に対する具体的な侵害の恐れがあるときは、差し止めを請求できる多数の人格権を同時に侵害する性質があるとき、差し止めの要請が強く働くのは当然だ」と指摘。関電の地震対策には構造的な欠陥があるとして住民側の主張を認めていた

 内藤裁判長は、現状の法制度が原発の利用を認めていることに触れ「福島原発事故の深刻な被害に照らし、原発を廃止・禁止することは大いに可能であろうが、その当否の判断はもはや司法の役割を超え、国民世論として幅広く議論され、立法府や行政府による政治的な判断に委ねられるべきだ」と述べた。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2018070502000183.html

【社説】
大飯原発控訴審 司法は判断を放棄した
2018年7月5日

 住民の「人格権」を尊重し、関西電力大飯原発3、4号機の運転差し止めを認めた一審の判断は、いともあっさり覆された。「原発の是非は政治に委ねる」という裁判所。一体誰のためにある? 

 「福島原発事故の深刻な被害の現状に照らし、原発そのものを廃止・禁止することは大いに可能であろうが、その当否を巡る判断はもはや司法の役割を超え、政治的な判断に委ねられるべきだ」と名古屋高裁金沢支部。結局は判断の放棄であろう。

 福島の悲惨な現状を認めた上で、判断を放棄するのであれば、「司法の役割」とは何なのか

 二〇一四年の福井地裁判決は、憲法一三条の幸福追求権などに基づく人格権を重んじて「具体的危険性が万が一でもあれば、差し止めが認められるのは当然だ」と言いきった。

 福島原発事故のあと、初めて原発の運転差し止めを認めた画期的な判断だった。

 高裁はこれを「内在的な危険があるからといって、それ自体で人格権を侵害するということはできない」と一蹴した

 内在する危険に対して予防を求める権利は認められないということか。あまりにも不可解だ

 控訴審では、耐震設計の目安となる揺れの強さ(基準地震動)の妥当性、すなわち、原発がどれほどの揺れに耐えられるかが、最大の争点とされていた。

 元原子力規制委員長代理で地震学者の島崎邦彦東大名誉教授は法廷で「基準地震動は過小評価の可能性があり、大変な欠陥がある」と証言した。

 それでも高裁は「高度な専門知識と高い独立性を持った原子力規制委員会」が、関電側がまとめたデータに基づいて下した判定をそのまま受け入れた。そして「危険性は社会通念上無視しうる程度にまで管理・統制されているといえるから、運転を差し止める理由はない」と断じている。

 ここでも規制委と関電の主張を丸のみにした判断の放棄である。

 それにしても、今や原発の危険性を測る“ものさし”になってしまった「社会通念」。その正体は何なのか

 避難計画の不備や核のごみ問題などどこ吹く風と、政府は再稼働に前のめり司法が自らの責任を棚に上げ、政治に委ねるというのならもはや「追従」と言うしかない

 「内在する危険」に対する国民の不安は一層、強まった。
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●「笑いや風刺は寛容で自由な社会を示すバロメーター…「国民の意識の低さ」を変えるきっかけに」

2017年12月29日 00時00分19秒 | Weblog

[※ 自公選挙公約「子育て…」小躍りするアベ様日刊ゲンダイ(2017年12月19日)↑]



ニッカンスポーツのコラム【政界地獄耳/反骨の風刺漫才コンビと吉川晃司】(https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201712200000172.html)と、
沖縄タイムスの知念清張記者によるコラム【[大弦小弦]「東京でおこなわれるオリンピックは?」「日本全体が盛り上がる」「沖縄の…】(http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/185434)。

 《★ネットでは原発、北朝鮮のミサイル、沖縄の米軍基地などを正面から扱ったウーマンラッシュアワーの風刺漫才の反響が大きい…白井聡は「話題沸騰のウーマンラッシュアワーの漫才。この放送は事件と呼ぶに値する…」》。
 《「東京でおこなわれるオリンピックは?」「日本全体が盛り上がる」「沖縄の基地問題は?」「沖縄だけに押し付ける」 ▼お笑いコンビ「ウーマンラッシュアワー」の漫才がテレビ放送後、SNSで拡散され話題になっている…「アメリカに思いやりを持つ前に-、沖縄に思いやりを持て」》。

 リテラ記事【ウーマンラッシュアワーが『THE MANZAI』で怒涛の政治批判連発! 原発、沖縄基地問題、コメンテーター芸人への皮肉も】(http://lite-ra.com/2017/12/post-3665.html)によも、《「圧巻」の5分30秒だった。昨晩、放送されたフジテレビの恒例演芸番組『THE MANZAI 2017』に登場した、ウーマンラッシュアワーの漫才のことだ》。
 琉球新報のコラム【<金口木舌>一番悪いのは誰?】(https://ryukyushimpo.jp/column/entry-635338.html)にも、《▼早口で畳み掛ける芸風で、4基も原発がある福井県のおおい町については「夜7時には店が閉まって町は真っ暗。電気はどこへゆく」と問い掛けた。思いやり予算も「アメリカに思いやりを持つ前に沖縄に思いやりを持て」とばっさり…▼基地、原発、被災地…。「ウーマン」は一部にだけ負担を背負わせる社会のいびつさをあぶり出す。オチは「本当に危機を感じないといけないのは国民の意識の低さ」。笑っていた聴衆をお前たちのことだと指さし舞台を去った…▼だが「もし自分が負担を押し付けられる側だったら」と向き合うことができるのも、人間の力だ。彼らの漫才は視聴者に見たくないものを突き付け、自分事として考えるきっかけをつくった》。

   『●「思いやり」に溢れた、番犬様にとっての「天国」ニッポン…
                      子どもの貧困問題などは置き去り
    《日本が負担する在日米軍経費は米兵の光熱水料まで含まれ
     年度五千五百六十六億円基地を抱える各国中ダントツの負担額、
     負担割合である。加えて高速道路の「ただ乗り」だ。米兵の天国ではないか》

 《笑いや風刺は寛容で自由な社会を示すバロメーター。日本が抱える問題や沖縄を語ることが「国民の意識の低さ変えるきっかけになる》。テレビで見ていましたが、とても印象に残りました。異彩を放っていました。
 特に沖縄に触れた部分でしょうか。「思いやり」に溢れた、番犬様にとっての「天国」ニッポン。なかなかそういった声は、テレビでは見れない。

 コラムに出てくる吉川晃司氏については、印象に残ったのは『NNNドキュメント’17』でした。【NNNドキュメント『4400人が暮らした町~吉川晃司の原点・ヒロシマ平和公園』20170806】(https://www.youtube.com/watch?v=t7LtWYouSYY)。
 リテラにも複数の記事。【新年特別企画◉芸能人「よく言った」大賞〈後編〉イノッチ、吉川晃司、水原希子も…政権批判や戦争反対を敢然と表明した「よく言った!」芸能人ベスト5、そして大賞は?】(http://lite-ra.com/2017/01/post-2824.html)、【吉川晃司の反骨がすごい!「俺は現政権がでえっ嫌い」と堂々発言、スポンサーの圧力に負けず反原発メッセージ】(http://lite-ra.com/2016/06/post-2308.html)、【父は原爆ドームの向かいに住んでいた…吉川晃司が原爆特別番組で核兵器禁止条約を拒否する安倍政権を批判!】(http://lite-ra.com/2017/08/post-3370.htmlhttp://lite-ra.com/2017/08/post-3370.html)、【吉川晃司がICAN無視の安倍政権を真っ向批判! 核兵器禁止条約に反対する暴挙に「戦争はまだ終わっていない」】(http://lite-ra.com/2017/12/post-3653.html)。


渡辺謙さんや松尾貴史さん、そして、吉永小百合さん、声を上げる人は居ます。

   『●吉永小百合さん、「核と人は共存できない」
            「ゲームやコミックスで知っている戦争ではないか?」』 

   『●いま、「陰謀論丸出し」でアベ様の取り巻きが
        攻撃を開始: 吉永小百合さんを断固支持する
   『●「核なき世界」: 「核廃絶に向けた決議の採決で、
       唯一の被爆国の日本が反対票…日本はあまりにも鈍感」
   『●サーロー節子さん「自分の国に裏切られ、
      見捨てられ続けてきたという被爆者としての思いを深くした」
   『●松尾貴史さん「政権を擁護する提灯持ちが解説者と称して出演…
                     批評性がないくせに評論家のふりをして…」

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https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201712200000172.html

政界地獄耳
2017年12月20日10時26分 紙面から
反骨の風刺漫才コンビと吉川晃司

 ★ネットでは原発、北朝鮮のミサイル、沖縄の米軍基地などを正面から扱ったウーマンラッシュアワーの風刺漫才の反響が大きい。首相・安倍晋三とお笑い芸人などが会食したという報道の直後だけに反骨心あふれる漫才に驚く声と称賛の声が渦巻く。否定的な声には「お笑いに政治を持ち込むな」という声もあるそうだ。

 ★「永続的敗戦論」の著者で政治学者の白井聡は「話題沸騰のウーマンラッシュアワーの漫才。この放送は事件と呼ぶに値する。つくづく思いますが、結局は個人の勇気しか、信ずるに値するものはない。で、勇気ある人間の多寡と、社会の品位の程度は比例関係にあるのでしょう」とネットに書き込んでいる。ただ、この漫才がテレビで放送されたことをすごいとしていては広い意味の言論が衰退していることを意味する。ウーマンラッシュアワーとともに、もう1人の反骨の男がいる。

 ★吉川晃司だ。東日本大震災直後は石巻に出向いてがれきの撤去作業ボランティアに加わり、また、チャリティーのライブも行い、6億円以上の義援金を被災地に送っている。「このまま何も策を講じることなく死んじゃったら、僕ら恥ずかしい世代ですよね。放射能のことも、僕らは本当のことを知らず、知識がないゆえに傍観してきた。それは悔いても悔やみきれない」。(「週刊文春」12年4月12日号)。「リスキーだし、マイナス面も増えますよ。実際にコマーシャルの話が来る時に『原発発言、しますか?』みたいに訊くところもあるわけで。『しますよ』と言うと、その話はもうそこでなかったりするしね。一時期、文化人とかエンターテイナーが政治や経済について語ることはかっこ悪いみたいな風潮が日本にもあったと思うんだけれども、今はそんなこと言ってる人がかっこ悪いと思ってますよ。どんどん言うべきじゃないのっていう」(「bridge」13年3月号)。(K)※敬称略
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http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/185434

[大弦小弦]「東京でおこなわれるオリンピックは?」「日本全体が盛り上がる」「沖縄の…
2017年12月21日 07:00 知念清張 ウーマンラッシュアワ

 「東京でおこなわれるオリンピックは?」「日本全体が盛り上がる」「沖縄の基地問題は?」「沖縄だけに押し付ける

▼お笑いコンビ「ウーマンラッシュアワー」の漫才がテレビ放送後、SNSで拡散され話題になっている。楽しいことは日本全体のこととして、面倒くさいことには見て見ぬふり。政府や国民の無関心を独特のテンポとスピード感で、痛烈に皮肉る

▼日本のテレビでは、芸能人の政治的な発言はタブー視される傾向が強い。批判もある中、村本大輔さんは「アメリカに思いやりを持つ前に-、沖縄に思いやりを持て」と訴える

政府と芸人の立ち位置として、反対の意味で注目を集めるのが「ダウンタウン」の松本人志さんだ。番組で首相と共演。安保法や「共謀罪」で、政権寄りの発言をしてきた

▼児童の命が危険にさらされた普天間第二小学校への大型ヘリ窓落下事故。翌々日、知事は官邸で官房長官に抗議。知事に対応しなかった首相は、その直後の時間帯に松本さんらと焼き肉店で会食を楽しんでいた

▼一方で、松本さんはオスプレイが名護で墜落した際「こいつ(四軍調整官)をオスプレイに乗せて帰しましょう」と怒ったことも笑いや風刺は寛容で自由な社会を示すバロメーター。日本が抱える問題や沖縄を語ることが「国民の意識の低さを変えるきっかけになる。(知念清張
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●東電原発人災避難者をコケにしていないか?……「経済神話の否定」「環境神話の否定」を否定する愚かさ

2015年12月27日 00時00分43秒 | Weblog


東京新聞の二つの記事【高浜再稼働認める 福井地裁、仮処分取り消し】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201512/CK2015122502000133.html)、
【福島を忘れたのか 「闘い続ける」誓い新た 高浜仮処分取り消し】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201512/CK2015122502000130.html)、
社説【大飯・高浜原発 安全は“神話”のままだ】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2015122502000138.html)。


 《福井地裁(林潤(じゅん)裁判長)は二十四日、関西電力高浜原発3、4号機(福井県高浜町)の運転を差し止めた四月の仮処分決定を取り消した》。
 《「裁判長は福島原発の事故を忘れてしまったのか」…林潤裁判長》。
 《福井県にある高浜原発大飯原発の再稼働差し止めを求める司法判断が、覆された。だが待てよ。誰もまだ安全を保証するとは言っていない。大事故が起きた時、責任を取る覚悟も力もないままだ》。

 『●核発電信者・値上げ脅迫の関電「再稼働差し止めの仮処分決定」執行停止申し立て・・・福井地裁が却下』したはずの林潤裁判長殿、一体全体なぜ?? 辺野古破壊でも生じているような『●アベ様らは何が何でも辺野古破壊、「ヒラメ裁判官が、よりによってこのタイミングで那覇支部長」に就任』のように、林潤裁判長も「ヒラメ」化
 配置換えの樋口英明裁判官は何を思う? 「経済神話の否定」「環境神話の否定」を否定する愚かさ。「経済神話の否定」「環境神話の否定」を覆す林裁判長。司法の矜持無し。三権分立はどこ行った?

   『●関西電力大飯原発再稼働差し止め、画期的勝訴:
              もし敗訴していたら大変なことに・・・・・・

    《原発の稼働が発電コストの低減になるという関電側の主張も退ける。
     極めて多数の人々の生存そのものにかかわる権利と、
     電気代が高い低いの問題とを並べて論じること自体、
     許されないと、怒りさえにじませているようだ

      経済神話の否定である》
    《そして、原発の稼働が地球温暖化の原因になる温室効果ガスの
     削減に寄与するという被告側の主張に対しては、
     福島原発事故はわが国始まって以来の環境汚染
     甚だしい筋違いとまで言い切って、環境神話も否定した》


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http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201512/CK2015122502000133.html


高浜再稼働認める 福井地裁、仮処分取り消し 仮処分取り消し
2015年12月25日 朝刊

 福井地裁(林潤(じゅん)裁判長)は二十四日、関西電力高浜原発3、4号機(福井県高浜町)の運転を差し止めた四月の仮処分決定を取り消した。関電の異議を認めた。二基の地元同意の手続きは既に完了しており、来年一月下旬にも再稼働する。住民側はこの決定を不服として二十五日、名古屋高裁金沢支部に抗告する。

 林裁判長は、原子力規制委員会の新規制基準について四月決定から一転「合理性がある」と判断した。四月決定で問題とされた基準地震動(耐震設計の目安となる揺れ)の策定方法などにも不備はないとした。

 その上で、高浜原発の基準地震動に関し「極めて厳しく想定されており、信頼に足る」などと支持した。各施設の耐震安全性についても「基準地震動に対して余裕を持っている」とする関電の主張を採用した。

 さらに、住民側が主張した津波や土砂災害の危険性に関しても関電の対策を「合理的」と評価。炉心溶融が起きた後の対応などについては「安全性に欠ける点があるとはいえない」として、「判断するまでもない」と退けた。こうしたことから「住民らの人格権が侵される具体的危険があるとはいえない」と結論づけた。

 仮処分は昨年十二月、福井や京都など四府県の住民九人が求めた。福井地裁の当時の樋口英明裁判長(名古屋家裁に異動)は四月、関電の想定を超える揺れの地震で炉心が損傷する危険があるとして、再稼働を認めない決定を出し、関電が異議を申し立てていた。

 二基は二月に新規制基準に適合。今月三日に高浜町の野瀬豊町長が、二十二日には西川一誠知事が再稼働に同意した。関電は3号機は来年一月下旬、4号機は二月下旬の再稼働を目指している。

 福井地裁は二十四日、住民側が関電大飯(おおい)原発3、4号機(同県おおい町)の運転差し止めを求めた仮処分の申し立てについても「規制委の審査が続いており、再稼働が差し迫っているとはいえない」として却下した。大飯原発は規制委の適合審査中で、住民側は名古屋高裁金沢支部に即時抗告するか、審査に適合した段階で再び仮処分を申し立てるかを検討する。


「規制委の判断」を追認

<解説> 福井地裁の異議審決定は原子力規制委員会の新規制基準の合理性を認め、原発の再稼働を進める政府方針を後押しした。四月の仮処分決定が果たした行政に対するチェック機能は後退し、憲法が定める「司法権の独立」も揺らぎかねない

 決定は「過酷事故が起こる可能性が否定されるものではない」と言いながら、住民側の不安とは向き合っていない。関電と規制委に最新の科学技術を反映し「高いレベルの安全性を目指す努力」を求めはしたが、これは両者に責任を転嫁したにすぎない

 最新の科学技術に照らすだけなら、裁判官は専門家である規制委の判断を追認するしかない。東京電力福島第一原発事故を経験した裁判官に求められるのは、科学技術では明らかになっていない部分を見通し、現在の基準の合理性を判断する姿勢だ

 憲法七六条は「すべて裁判官は、その良心に従い独立してその職権を行い、この憲法および法律にのみ拘束される」と定める。地元同意の手続きが一気に進む中で出した判断は、住民側弁護団が言うように「再稼働の日程に配慮した」と疑われかねない。

 国民の過半数が原発の再稼働に反対する一方で、政府と電力会社、地元自治体が一体となった原発回帰の動きが加速する。司法は福島原発事故から何を学んだのか。国民の不安の声に耳を傾けない限り、その存在意義は失われていくだろう。 (高橋雅人)


◆福井地裁の決定骨子

▽高浜原発3、4号機の運転差し止め仮処分決定を取り消す
▽原子力規制委員会の新規制基準には合理性がある
▽高浜3、4号機の基準地震動は余裕を持って評価してあり、各施設の安全性は確保されている
▽再稼働しても住民の人格権が侵害される具体的危険性は認められない
過酷事故の可能性が全く否定されるものではない
▽大飯原発3、4号機の再稼働は差し迫っておらず、仮処分判断の必要性がない
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201512/CK2015122502000130.html

福島を忘れたのか 「闘い続ける」誓い新た 高浜仮処分取り消し
2015年12月25日 朝刊

     (高浜原発3、4号機の再稼働差し止め仮処分の取り消しが決まり、
      垂れ幕を掲げる関係者の横で演説する河合弘之弁護士
      =24日、福井市の福井地裁前で)

 「裁判長は福島原発の事故を忘れてしまったのか」。福井地裁が二十四日、関西電力高浜原発3、4号機や大飯原発3、4号機の再稼働を認める判断を示したことに、地裁周辺で待っていた市民らは重い沈黙に包まれた。福島県の避難住民からは「原発事故の被害者でないと、その恐ろしさは分からないのか」と疑問の声が上がった。

 午後二時すぎ。地裁前で待つ人々の前に「司法の責任どこへ!」などと書かれた垂れ幕を掲げた人たちが飛び出してきた。

 信じられない。まさか…。申立人の今大地(こんだいじ)晴美さん(65)は幕を手にそんなことを思っていたという。

 裁判所前には三百人ほどが朗報を待っていた。神戸市の無職、中井忠さん(72)は言葉を失ったといい、「司法は自ら裁くことを放棄した」と話した。

 その後、福井市の県国際交流会館で開かれた住民側の記者会見では、三人の裁判官への不満が相次いだ。

 異議審が始まった五月、林潤(じゅん)裁判長は「耳目を集める事件なので慎重にやらせてもらう」と宣言。早く審理を終わらせたがる関電を制し、双方によるプレゼンテーションを実施した。両者ともに自由に意見を述べさせるため、記録に残さずに発言させた。

 「何のためのプレゼンだったのか、と思わざるを得ない」「関電に厳しい質問をしていたが、今となっては助け舟を出していたようにさえ思える」。弁護士から厳しい言葉が飛ぶ。

 申立人の一人、松本なみほさん(41)は「裁判官は国策に押し切られた。でも電力が自由化されたら、電力会社を選べる。選挙という手段もある」と今後も闘い続けることを誓っていた。

 一方、福井県高浜町の野瀬豊町長は「新規制基準が妥当かが論点だったのだと思うが、観念的な部分を外した冷静な判断だと評価したい」と話した。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2015122502000138.html

【社説】
大飯・高浜原発 安全は“神話”のままだ
2015年12月25日

 福井県にある高浜原発、大飯原発の再稼働差し止めを求める司法判断が、覆された。だが待てよ。誰もまだ安全を保証するとは言っていない。大事故が起きた時、責任を取る覚悟も力もないままだ。

 逆回転が加速し始めたということか。「原発ゼロ」の歯止めが、また一つ外された。

 最大の争点は、3・11後に定められた原子力規制委員会の新たな規制基準を、原発再稼働の“お墨付き”とするか、しないかだ。

 規制委は二月、高浜原発3、4号機を新規制基準に適合しているとした。

 それを受け、関電は再稼働の準備に着手。しかし、福井地裁は四月、「新規制基準は合理性を欠く」として、周辺住民が求めた再稼働差し止めを認める決定を下していた。新規制基準の効力に根本的な疑問を投げかけたのだ。

 関電の不服申し立てを受けた福井地裁は、その決定を百八十度覆したことになる

 安全対策上想定すべき最大の揺れの強さ(基準地震動)、その揺れや津波に対する関電側の対策、使用済み核燃料保管の危険性…。どれをとっても規制委の審査に「不合理な点はない」として、原発が周辺住民の人格権や、個人が暮らしや生命を守る権利を侵害する恐れはないと判断した。

 昨年五月、同様に運転差し止めを認めた大飯原発3、4号機に関しても「規制委の審査中であるから」と、差し止めを却下した。

 高浜に関しては、西川一誠知事が二十二日再稼働に同意して、地元同意の手続きを終えている。関電は、まず3号機から運転開始を急ぐという。

 だが、よく考えてもらいたい。

 裁判所は事業者の取った対策が「新規制基準に適合する」という規制委の判断を「合理的」としただけだ。規制委自身が何度も表明しているように、その判断は「安全」を保証するものではない

 今回の福井地裁も「過酷事故の可能性がまったく否定されたものではない」と、はっきり述べているではないか。

 知事の判断も同じである。

 安全確保は事業者の責務事業者の規制は国の責務県は監視するだけという、及び腰の最終同意である事業者にも国にも“責任能力”などないことは、福島の現状を見れば、明らかではないか。

 安全性も責任の所在もあいまいなまま、再稼働へひた走るその状況が何も変わっていないということを、忘れてはならない。
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●高浜原発「差し止め」、国民を守る司法判断: 寄生委の新規制基準は「緩やかにすぎ、合理性がない」

2015年04月16日 00時00分43秒 | Weblog


東京新聞の記事【高浜再稼働 認めず 「緩い規制基準 合理性欠く」】(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2015041590070351.html)と、
社説【国民を守る司法判断だ 高浜原発「差し止め」】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2015041502000122.html)。

   ●関西電力大飯原発再稼働差し止め、画期的勝訴:
                 もし敗訴していたら大変なことに・・・・・・

   『●画期的! 福井地裁樋口英明裁判長、  
      高浜3、4号機再稼働差止仮処分決定・・・「直ちに効果が発生」!!

 「原子力規制委員会新規制基準は「緩やかにすぎ、合理性がない」と指摘、基準に適合していても再稼働を認めないとの決定」。
 原子力「ムラ寄生」委員会の「世界一厳しい」らしい基準に合格したからと言って、「安全」・・・・・・なわけがない。それはアベ様らが自称しているにすぎず、世界が「世界一」を認めている訳ではない。

   ●原発再稼働という恥ずべき選択
      ~「新基準は世界一」「世界最高レベル」ではなく、「世界一の無責任」~


 「福井地裁は、原子力規制委員会の新規制基準を否定した。それでは国民が守られないと」。
 3.11東京電力原発人災の惨状を見よ!・・・・・・「原発さえなければ」。

   ●ドキュメンタリー映画『わすれない ふくしま』:
          「震災さえ」ではなく 「原発さえなければ・・・」


 東京新聞の記事【最高の決定」万感 高浜再稼働認めず リスク恐れず申し立て】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2015041502000120.html)によると、「申立人は今後の本訴訟で関電側が勝った場合、多額の損害賠償を請求される可能性がある。だがリスクを背負いつつも「福島事故の悲劇を繰り返さない」との決意を胸に、闘ってきた・・・・・・「原発を止めるチャンスがあるのなら、家や土地など惜しくない」」。この仮処分決定を、悲劇を繰り返さない第一歩にしたいところ。

 一方、予想通りの反応。「国は当事者ではない」!! 原発の「地元」の皆さんは何を思う?? ブログ主も、十分に「地元」民だと思いますが、呆れます。ニッポン国の無責任。
 東京新聞の記事【再稼働 政府「粛々と」 高浜仮処分 規制委「審査に影響ない」】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2015041502000114.html)によると、「政府や電力業界の姿勢に“冷や水”を浴びせた格好だ。両者は「再稼働の方針に変更はな」とするものの、今回の司法判断で住民理解や地元同意などの手続きが難しくなったとの声も出ている・・・・・・菅義偉(すがよしひで)官房長官は十四日の記者会見で「国は当事者ではない」とした上で、異議を申し立てる予定の関西電力の対応を注視する考えを示した。「世界で最も厳しいと言われる規制の結果、大丈夫だと判断された。(再稼働は)粛々と進めていきたい」。話しぶりはいつもと変わりなかったが、「上から目線」と不評を買い封印したはずの「粛々と」のフレーズを口にした」。
 仮処分を無視して、スガ官房長は「ズカズカ」進めるそうだ。凄いねっ。

   ●屁理屈にもなっていない
       ・・・菅義偉官房長官「汚染水の『影響』は完全にブロック」

   『●深刻な原発事故の教訓として
       「汚染水の『影響』は完全にブロック」・・・なんて言えるわけがない

   『●この現実を見ても、アベ様と菅官房長官は
        「汚染水の『影響』は完全にブロック」と言うのか?


   ●菅義偉官房長官曰く「この問題は過去のものだ。
        争点にはならない」・・・・・・なんという言い草!!

   『●沖縄で連敗続きのアベ様、「この問題は過去のものだ。
                争点にはならない」で済まされるのか?

   『●さあ、ここから: 高江・辺野古破壊問題等々・・・
             「過去のもの」や「終わり」にしてはいけない

   『●沖縄県民の民意は明白: 辺野古破壊者、沖縄で4度目の完敗
   『●沖縄県民の民意にお構いなし、
        辺野古破壊者は沖縄で4度目の完敗だというのに


 もう一度、ここで立ち止まって、「地元」も、3.11東京電力原発人災の惨状を省みるべきではないか。「原発さえなければ」、を見つめ直すべき。asahi.comの記事【高浜再稼働差し止め、原告「最高の内容」 自治体反発も】(http://www.asahi.com/articles/ASH4F62M0H4FPTIL024.html?iref=comtop_list_nat_n04)には、「一方、再稼働に期待する地元自治体からは反発の声が上がり、戸惑いが広がった」とある。

 さらに、経済界も同様。東京新聞の記事【裁判所 判断にふさわしいか 同友会代表幹事 決定に疑問示す】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/news/CK2015041502000115.html)によると、「経済同友会の長谷川閑史代表幹事は・・・・・・福井地裁が関西電力高浜原子力発電所3、4号機(福井県)の再稼働を認めない決定をしたことについて、「裁判所の判断にこうしたテーマがふさわしいかどうか疑問国民と向かい合って話し合うことが必要だ」との考え」だそうです。誰と誰が国民と「話し合う」の? 「当事者ではない」らしいアベ様やスガ殿は聞く耳持たず、命令のみ。
 「極めて多数の人々の生存そのものにかかわる権利と、電気代が高い低いの問題とを並べて論じること自体、許されない」・・・・・・関西電力大飯原発についての福井地裁の名判決・・・・・・:

   『●関西電力の「原発再稼働」への言い訳にさせてはいけない

    「原発から半径250キロ圏内の住民の人格権を認めた画期的判決」
    「「原発停止は貿易赤字を増やし、国富流出につながる」という考え方に
     ついても、「豊かな国土に、国民が根を下ろして生活していることが国富だ
     と一蹴
    「原発の稼働が発電コストの低減になるという関電側の主張も退ける
     極めて多数の人々の生存そのものにかかわる権利と、電気代が
     高い低いの問題とを並べて論じること自体、許されないと、怒りさえ
     にじませているようだ。経済神話の否定である」
    「そして、原発の稼働が地球温暖化の原因になる温室効果ガスの削減に
     寄与するという被告側の主張に対しては、福島原発事故はわが国
     始まって以来の環境汚染、甚だしい筋違いとまで言い切って、
     環境神話も否定した」
    「大飯再稼働、差し止め命じる 生存と電気代、同列許さず」 
    「また、生存権と電気代のコストを並べて論じること自体が法的には
     許されない」ことで、原発事故で豊かな国土と国民生活が取り戻せなく
     なることが「国富の喪失」だと指摘。福島事故は「わが国が始まって
     以来、最大の環境汚染」であり、環境問題を原発推進の根拠とする
     主張を「甚だしい筋違い」と断じた」
    「大飯原発運転差し止め判決 人格権より優先される原発はない!」
    「福井地裁の大飯原発運転差し止め判決 原発は人格権より劣位にある」
    「「極めて多数の人の生存そのものに関わる権利と電気代の高い低いの
     問題とを並べた議論の当否を判断すること自体、法的には許されない
     として、経済活動よりも生存に関わる人格権を優先した」


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http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2015041590070351.html

高浜再稼働 認めず 「緩い規制基準 合理性欠く」
2015年4月15日 07時03分

 関西電力高浜原発3、4号機(福井県高浜町)の安全対策は不十分として、周辺の住民らが再稼働差し止めを申し立てた仮処分で、福井地裁は十四日、原子力規制委員会の新規制基準は「緩やかにすぎ、合理性がない」と指摘、基準に適合していても再稼働を認めないとの決定をした。原発運転禁止の仮処分は全国初。訴訟の判決と異なり、決定は直ちに効力を持つ。

 二基は今年二月、九州電力川内(せんだい)原発(鹿児島県)に次ぎ、規制委が審査に適合すると判断、関電は十一月の再稼働を想定し、地元同意の手続きに入っている。樋口英明裁判長は決定で、新規制基準に適合しても安全性は確保されていないと批判し、基準に厳格さを求め、東京電力福島第一原発事故後に施行された基準を事実上否定した。

 二十二日には川内原発の再稼働差し止めの仮処分決定が鹿児島地裁で予定されており、結果が注目される。

 関電は決定を不服として、福井地裁に異議と執行停止を申し立てる方針。関電は主張が認められるまで再稼働はできないが、地元同意の手続きは進められる見通し。菅義偉(すがよしひで)官房長官は十四日、安全が確認された原発の再稼働を進める方針に変更はないとの考えを示した。

 今回の決定は樋口裁判長と原島麻由裁判官、三宅由子裁判官の三人の合議。樋口裁判長は、規制基準に「万が一にも深刻な災害が起きないといえる厳格さ」を求めた。再稼働すると、二百五十キロ圏内の住民の生命や利益に関わる人格権が侵害される具体的な危険があるとも述べた。

 二〇〇五年以降、全国の四原発で五回にわたり、基準地震動(耐震設計の目安となる揺れ)を超す地震が起きたことに触れ「想定を超える地震が来ないとの根拠は乏しい」と指摘。さらに地震動を下回る場合でも、主給水ポンプなどの破損で冷却機能が喪失、重大事故が生じると認定した。

 使用済み核燃料では「国の存続に関わる被害が出る可能性があるが、堅固な施設で閉じ込めていない」と関電の対策を批判した。関電は答弁書で「安全対策は十分だ」と主張していた。


決定覆るまで動かせず

 関西電力高浜原発3、4号機の再稼働を禁じた福井地裁の仮処分決定は、判決確定まで効力がない本訴訟と異なり、即時有効となる。同地裁か、次に審理する高裁で関電側の異議が認められない限り、二基は再稼働できない状態が続く。

 仮処分は通常の訴訟で争うと時間がかかるため、当事者の権利を守る目的で暫定的に行う法的手続き。関電は地元同意など高浜3、4号機の再稼働に向けた手続きは進められるが、運転はできない。決定を無視して再稼働した場合、巨額の制裁金を科される可能性がある。早期の再稼働を目指す関電は、福井地裁に異議を申し立てる方針。


規制委審査 根底から問う

 福井地裁の仮処分決定の内容は、新規制基準を満たしたと判断した原子力規制委員会の対応を根底から問い直すものとなった。規制委は「本件の当事者ではない」と平静を装い、高浜3、4号機の安全性のチェック作業も進める考えだが、大きな危険性を内包する原発の安全が、規制委が「世界で最も厳しい」と自負する新基準をもってしても十分なのか、あらためて見直しが求められる。

 新基準は想定すべき地震動や津波を見直し、多重化した外部電源が断たれても、原発内の非常用電源やバックアップ用の海水ポンプなどで、原子炉の冷却を継続できることなどを要求。従来の基準より強化されたのは確かだ。

 ただし、原子炉が破裂しないよう圧力を抜くフィルター付きベント(排気)設備や、独立して冷却ができる第二制御室などは二〇一八年七月までに整備すればよいとされた。作業員を地震や放射能から守る事故時の対策拠点も、完成するまでの間は代替施設で済ますことを認めた。

 今回の地裁決定は、重大事故が起きれば取り返しのつかない被害を広域に及ぼす原発の本質を指摘した。地震動の想定は信頼性に乏しく、原子炉の冷却がきちんと続けられるのか、大量の使用済み核燃料が堅固な施設で守られていなくていいのかなど多くの疑問を投げかけた。

 規制委による実際の審査でも、問題点が浮かんでいる。その一つが、新基準を満たせば東京電力福島第一原発のような大きな事故にならず、外部からの支援なしで数十人の作業員だけで事故収束できることになっている点だ。周辺住民を安全に避難させる計画も不十分で、規制委はその実効性を検証しない。 (山川剛史


◆福井地裁決定骨子

▼高浜原発3、4号機を運転してはならない

▼想定を超える地震が来ないとの根拠は乏しく、想定に満たない場合でも冷却機能喪失による重大事故が生じうる

▼使用済み核燃料を堅固な施設で囲い込むなどの対策がとられていない

原子力規制委員会の新規制基準は合理性を欠き、適合しても安全性は確保されていない

▼原発運転により、住民の人格権が侵害される具体的な危険がある


人格権> 人間として平穏な生活を送る権利。憲法に明確な規定はないが13条(生命、自由および幸福追求の権利)、25条(健康で文化的な最低限度の生活を営む権利)で保障され、さまざまな権利の中で最も優位とされる。

(東京新聞)
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2015041502000122.html

【社説】
国民を守る司法判断だ 高浜原発「差し止め」
2015年4月15日

 関西電力高浜原発(福井県高浜町)の再稼働は認めない-。福井地裁は、原子力規制委員会の新規制基準を否定した。それでは国民が守られないと。

 仮処分は、差し迫った危険を回避するための措置である。通常の訴訟とは違い、即座に効力を発揮する。

 高浜原発3、4号機は、動かしてはならない危ないもの、再稼働を直ちにやめさせなければならないもの-。司法はそう判断したのである。

 なぜ差し迫った危険があるか。第一の理由は地震である。

 電力会社は、過去の統計から起こり得る最大の揺れの強さ、つまり基準地震動を想定し、それに耐え得る備えをすればいいと考えてきた。


◆当てにならない地震動

 原子力規制委員会は、新規制基準による審査に際し、基準値を引き上げるよう求めてはいる。

 関電は、3・11後、高浜原発の基準地震動を三七〇ガルから七〇〇ガルに引き上げた。

 しかし、それでも想定を超える地震は起きる。七年前の岩手・宮城内陸地震では、ひとけた違う四〇二二ガルを観測した。

 「平均からずれた地震はいくらでもあり、観測そのものが間違っていることもある」と地震学者の意見も引いている。

 日本は世界で発生する地震の一割が集中する世界有数の地震国である。国内に地震の空白地帯は存在せず、いつ、どこで、どんな大地震が発生するか分からない。

 だから基準地震動の考え方には疑問が混じると判じている。

 司法は次に、多重防護の考え方を覆す。

 原発は放射線が漏れないように五重の壁で守られているという。

 ところが、原子炉そのものの耐震性に疑念があれば、守りは「いきなり背水の陣」になってしまうというのである。

 また、使用済み核燃料プールが格納容器のような堅固な施設に閉じ込められていないという点に、「国の存続に関わるほどの被害を及ぼす可能性がある」と、最大級の不安を感じている。

 福島第一原発事故で、最も危険だったのは、爆発で屋根が破壊され、むき出しになった4号機の燃料プールだったと、内外の専門家が指摘する。

 つまり、安全への重大な疑問はいくつも残されたままである。ところが、「世界一厳しい」という新規制基準は、これらを視野に入れていない


疑問だらけの再稼働

 それでも規制委は新基準に適合したと判断し、高浜原発は秋にも再稼働の運びになった。

 関電も規制委も、普通の人が原発に対して普通に抱く不安や疑問に、しっかりとこたえていないのだ。従って、「万が一の危険という領域をはるかに超える現実的で切迫した危険」があると、福井地裁は判断した。新規制基準の効力や規制委の在り方そのものを否定したと言ってもいいだろう。

 新規制基準では、国民の命を守ることができないと、司法は判断したのである。

 昨年五月、大飯原発(福井県おおい町)3、4号機の差し止めを認めた裁判で、福井地裁は、憲法上の人格権、幸福を追求する権利を根拠として示し、多くの国民の理解を得た。生命を守り、生活を維持する権利である。国民の命を守る判決だった。

 今回の決定でも、“命の物差し”は踏襲された。

 命を何より大事にしたい。平穏に日々を送りたい。考えるまでもなく、普通の人が普通に抱く、最も平凡な願いではないか。

 福島原発事故の現実を見て、多くの国民が、原発に不安を感じている。

 なのに政府は、それにこたえずに、経済という物差しを振りかざし、温暖化対策なども口実に、原発再稼働の環境づくりに腐心する。一体誰のためなのか。

 原発立地地域の人々も、何も進んで原発がほしいわけではないだろう。仕事や補助金を失って地域が疲弊するのが怖いのだ。

 福井地裁の決定は、普通の人が普通に感じる不安と願望をくみ取った、ごく普通の判断だ。だからこそ、意味がある。


◆不安のない未来図

 関電は異議申し立てをするという。しかし司法はあくまで、国民の安全の側に立ってほしい。

 三権分立の国である。政府は司法の声によく耳を傾けて、国民の幸福をより深く掘り下げるべきである。

 省エネと再生可能エネルギーの普及を加速させ、新たな暮らしと市場を拓(ひら)いてほしい。

 原発のある不安となくなる不安が一度に解消された未来図を、私たちに示すべきである。
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コメント (2)
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●画期的! 福井地裁樋口英明裁判長、高浜3、4号機再稼働差止仮処分決定・・・「直ちに効果が発生」!!

2015年04月15日 00時00分25秒 | Weblog


東京新聞の記事【高浜原発の再稼働認めず 福井地裁が仮処分】(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2015041401001499.html)。
asahi.comの記事【高浜原発再稼働を差し止め 福井地裁が仮処分決定】(http://www.asahi.com/articles/ASH3X43MLH3XPTIL00M.html?iref=comtop_6_02)。

 福井地裁樋口英明裁判長が高浜3、4号機再稼働差止仮処分を決定しました。画期的な決定です。先月の井戸謙一さんの予測はコチラ。

   『●井戸謙一さん「高浜3、4号機再稼働差止仮処分」
        ・・・「仮処分決定は、直ちに効果が発生」、再稼働不能


 井戸さんの予想通り、「関西電力 高浜原発3、4号機の安全対策は不十分として、周辺の住民らが再稼働差し止めを申し立てた仮処分で、福井地裁(樋口英明裁判長)は14日、再稼働を認めない決定・・・・・・。決定はすぐに効力を持つ。関電は・・・・・・主張が認められない限り再稼働できない」、「福井地裁の樋口英明裁判長は14日、再稼働を差し止める仮処分決定を出した。原発の運転をただちに禁じる司法判断は初めて。2基の原発は当面動かせず、関電がめざす11月の再稼働も難しくなる可能性」。

 「仮処分決定は、直ちに効果が発生」し、当座、再稼働不能です。福井地裁のあの樋口英明裁判長の、この判断に喝采を送りたい。

   ●関西電力大飯原発再稼働差し止め、画期的勝訴:
                 もし敗訴していたら大変なことに・・・・・・


   『●狂気の伝染、連鎖: 原子力「ムラ寄生」委員会が
       お墨付きを与えるのはあの関電の高浜プルサーマル原発

   『●関西電力八木誠社長のあの高浜原発:
       「プルサーマル原発」に続き「寿命原発」を動かしたいそうです

   『●60年間稼働させたい高浜原発:
      「電気代が高い低いの問題とを並べて論じること自体、許されない」

   『●日本中が「地元」・・・・・・
     大間原発と高浜原発の再稼働問題、「30キロ圏内の声を聴け」ではダメ

   『●「仏様のおかげ」はもう期待しない方がいい:
        高浜原発、「このゴジラが最後の一匹だとは思えない」


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http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2015041401001499.html

高浜原発の再稼働認めず 福井地裁が仮処分
2015年4月14日 16時55分

 関西電力高浜原発3、4号機(福井県高浜町)の安全対策は不十分として、周辺の住民らが再稼働差し止めを申し立てた仮処分で、福井地裁(樋口英明裁判長)は14日、再稼働を認めない決定をした。仮処分で原発の運転を禁止する決定は全国で初めて。決定はすぐに効力を持つ。関電は不服を申し立てるとみられ、主張が認められない限り再稼働できない

 2基は九州電力川内原発(鹿児島県)に続き、政府が「世界で最も厳しい」と強調する原子力規制委の審査に合格。しかし地裁はこれを事実上否定する判断をした。原発を「重要なベースロード電源」と位置付ける政府のエネルギー計画にも影響を与えそうだ。

(共同)
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http://www.asahi.com/articles/ASH3X43MLH3XPTIL00M.html?iref=comtop_6_02

高浜原発再稼働を差し止め 福井地裁が仮処分決定
室矢英樹太田航 2015年4月14日14時03分

     (高浜原発3、4号機の再稼働を差し止める仮処分が出て、
      幕を出して喜ぶ申立人と弁護団ら。手前左端は河合弘之弁護団
      共同代表=14日午後2時7分、福井市の福井地裁、筋野健太撮影)

 関西電力高浜原発3、4号機(福井県高浜町、定期検査中)について、福井地裁の樋口英明裁判長は14日、再稼働を差し止める仮処分決定を出した。原発の運転をただちに禁じる司法判断は初めて。2基の原発は当面動かせず、関電がめざす11月の再稼働も難しくなる可能性がある。

 仮処分を申し立てたのは福井、京都、大阪、兵庫4府県の住民9人。

 住民側は、高浜原発の使用済み核燃料プールは原子炉のように堅固な施設に囲われていないなどとして、その安全性は「確たる根拠がない脆弱(ぜいじゃく)なものだ」と主張。「重大事故が起きれば、生存権を基礎とする住民らの人格権が侵害される」と訴えていた。

 一方、関電側は、津波の被害を受けても原子炉の冷却ができるよう発電装置を準備していることなどを挙げ、安全性を強調。「具体的な危険はない」と申し立ての却下を求めていた。

 樋口裁判長は昨年5月、関電大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の運転をめぐる訴訟で差し止めを命じる判決を出した。だが、関電が控訴して判決は確定せず、原子力規制委員会が新規制基準にすべて適合すると判断すれば再稼働できる状態にある

 このため住民らは昨年12月、より法的な即効力がある仮処分の手続きをとり、大飯、高浜両原発の再稼働差し止めを求めて訴えた。樋口裁判長は、再稼働に向けた規制委の審査に今年2月に合格した高浜原発についての判断を先行させる考えを表明。慎重な検討を求める関電側の主張を退け、3月に審理を打ち切っていた。(室矢英樹太田航
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コメント (3)
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●「えらそうに反対するなら、この田舎町で生活できる基盤を下さい」・・・原発再稼働以外の道はある

2015年04月13日 00時00分11秒 | Weblog


東京新聞の社説【週のはじめに考える 言葉よ自治の種になれ】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2015041202000126.html)。

   ●「政権にとって「白紙委任状」ほど好都合なものはありません」: 
                      2014年12月衆院選に是非行こう!
   『●「自民党・・10道県知事選で全勝」フザケルナ!
        「ネジレ」を取り戻そう! 統一地方選はそのステップ

   『●「戦後70年 統一地方選/その無関心が戦争を招く」
             『週刊金曜日』(2015年4月3日、1034号)

   『●「日本最大の右派組織とされる「日本会議」」:
         「ネジレ」を取り戻すためのステップを阻むもの

   『●2015年統一地方選挙:
     「眠り猫」を起こそうにも、「ネジレ」解消のステップにしようにも・・・


 「賛成、反対は抜きにして「あなたの声をお聴かせください」」・・・・・・松下竜一さん、「それこそ市民一人一人の意見を徴して回るのが当然である。今の行政機構の中でそれが不可能だとしても、そのような姿勢だけはもたねばならぬ。・・・・・・それこそが真の民主主義である」(●『松下竜一未刊行著作集4/環境権の過程』読了(2/8))。

 「えらそうに反対するなら、この田舎町で生活できる基盤を下さい」・・・・・・原発再稼働以外の道はある

   ●「お金はいらない、この海の恵みを受けて暮らしたい」:
             大間原発のあさこハウスと上関原発の祝島

   『●核のゴミと云う地獄:「王様は裸」
    「核燃サイクルという王様は裸で、遠に破綻している。
     自民党や電力会社は服を着ていると言ってきたし、
     いまだに多くがそう言っている。廃棄物の処理法・場所さへ
     決まっていないのに。核燃施設が誘致されなかったら
     六ヶ所村は限界集落だった、という発言・・・・・・。行くも地獄
     引くも地獄。でも行く(誘致)地獄の先は、FUKUSIMAの
     ような取り返しのつかない大地獄だった訳。限界集落と比べて
     どうか? 限界集落という地獄を避けるためには、核関連施設の
     誘致しかなかったのか?

   ●「原子力は血液」・・・・・・ではなく、「原子力=核」は「麻薬」
   『●「回らない核のサイクル」六ヶ所村: どちらも「地獄」という二択だったのか?
   『●「原発に依存しない地域の未来図を」描くことは可能だ

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2015041202000126.html

【社説】
週のはじめに考える 言葉よ自治の種になれ
2015年4月12日

 桜は咲く時と散る時を自ら決めているような気がします。自治とは依存し過ぎないこと。よく考え、よく語り、よく耳を澄ますこと。一票を投じること

 若狭路は桜が満開でした。

 十四基が立ち並ぶ“原発銀座に沿うように、国道27号を西へ向かいます。

 京都府との境にそびえるピラミッドのような青葉山の麓では、関西電力高浜原発3、4号機の丸いドームが、原子力規制委員会の審査を終えて、3・11後の新規制基準による再稼働第一号になるのを待っています。

 高浜町議会は先月、改選を待たずに再稼働に同意した


◆主張するまでもない

 統一地方選の街頭宣伝が遠くの方に聞こえます。

 知事はまだ、再稼働の最終判断を表明していません。再稼働にはもちろん賛否があり、一人ひとりが考えるべき課題です。

 高浜町のある大飯郡では、県議選が無投票になりました。

 原発が集中する県南部の現職県議候補は「日本にも福井にも原発は必要だ。選挙で主張するまでもない」と話していたそうです。

 本当にそうなのか

 「たとえ家族の間でも原発のことは話題にしない。できない、したくない。それが立地地元の不文律。賛成や反対を唱える以前の問題です

 原発再稼働に反対する「ふるさとを守る高浜・おおいの会」代表の東山幸弘さんも、重たい空気を背中に感じ続けています。

 話題にもできない以上、選挙の争点にはなり得ません。福島原発事故のあと、空気は一層重たくなりました。

 高浜生まれ。高校を卒業後、大阪の京大原子炉実験所で事務職として働いた。五年前、定年退職を機にUターン帰農した。ふるさとを“鳥の目”で見ることもある。


◆声をお聴かせください

 「仕事柄、原発は原理的に危ういと感じてはいましたが、福島の事故の恐怖は、想像以上のものだった」

 ほかによい仕事があれば、原発はなくした方がいい。だがその前に、原発の恩恵を受ける立地地元で原発を自由に語れるようにならないと-。

 東山さんたちは昨年秋から暮れにかけ、高浜町と、隣接する同じ原発立地地元のおおい町の計約六千戸に用紙を配り、アンケートを試みました。

 設問は四つ。年齢、性別、原発再稼働に賛成、反対の家族がそれぞれ何人いるか。

 そして最後に、賛成、反対は抜きにして「あなたの声をお聴かせください」というスペースを大きく取った。

 切手代本人負担にもかかわらず、百十五通の返事がありました。

 <原発の補助金で得た利益より、人間として失ったものの方が悲しい(70代・女性)>

 <地震の多い日本は原発に向いていると思いにくいです(30代と40代・男女の連名)>

 <立地自治体は国が責任を…と言い、国は自治体の意見にと言い、どちらも自分で責任を負うことを逃げている(70代・男性)>

 <福島の事故の事を考えれば絶対動かしてならないと思わないのが不思議です(70代・女性)>

 <責任の取れない物は作らないでほしい!!(30代・男性)>

 <「フクシマ」の事は、ここ当地でもあり得ます。「経済」より「命」です(80代・男女連名)>

 <もうやめて!えらそうに反対するなら、この田舎町で生活できる基盤を下さい(年齢、性別未記入)>

 福島の事故が、全体を通じて大きく影響しています。そうなって当然でしょう。

 再稼働に賛成の声からも、原発依存への苦悩がにじみ出ているような気がします。

 こんな貴重な肉声が、選挙や自治に反映されずに、いいわけがありません

 東山さんと一緒にアンケートを実施したおおい町の僧侶宮崎宗真さんの言葉が忘れられません。
 

◆若狭路に心を寄せて

 「気がついていただきたい。福島の皆さんの犠牲の上に、私たちの今の暮らしが成り立っているんです。私は心苦しくて…

 福島の人に思いを寄せながら、福井の自治を、そして未来を考える-。宮崎さんは、涙で言葉を詰まらせました。

 さて私たちは、どうでしょう

 たとえば原発立地地域の苦悩を思って、自らのエネルギー消費、ひいては暮らし方を省みる。今住むまちの自治について、未来について考える。そして気づいたことなどを投票用紙に込める

 きょう、それがすぐにできる日です。
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●2015年統一地方選挙: 「眠り猫」を起こそうにも、「ネジレ」解消のステップにしようにも・・・

2015年04月12日 00時00分26秒 | Weblog


東京新聞の記事【原発4選挙区で無投票 再稼働、是非問えず】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2015041002000129.html)。

   『●「自民党・・10道県知事選で全勝」フザケルナ!
        「ネジレ」を取り戻そう! 統一地方選はそのステップ

     「 「自民党・・・10道県知事選で全勝」!?、フザケルナ~!!
      ネジレ」を取り戻そう! 統一地方選はその重要なステップ。
      眠り猫」も目ざめて、アベ様の暴走を止めましょう!! 
      アベ様らに、これ以上の「白紙委任状」気取りを許してはいけない。
      「「積極的平和主義」を愛する公明党」や「翼賛野党」に投票する
      愚に、いい加減に気付いてほしい。」
   『●「戦後70年 統一地方選/その無関心が戦争を招く」
             『週刊金曜日』(2015年4月3日、1034号)

     「取材班【統一地方選は実質的な前哨戦 右派の改憲の動きに対峙】、
      「地方におけるこうした護憲の活動強化が、自民党や右派の攻撃を
      撥ね返すカギとなっている」。なんとか「ネジレ」を取り戻そう!
      統一地方選はそのステップ。「眠り猫」も目ざめて、アベ様の暴走を
      止めましょう!!
      (http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/412dc27cdbf5eeb9f5e40ebe2232daaf)」

   『●「日本最大の右派組織とされる「日本会議」」:
         「ネジレ」を取り戻すためのステップを阻むもの

     「「統一地方選の議会議員選挙には、日本最大の右派組織とされる
      「日本会議」の地方議員連盟メンバーが多く出馬する」。
       2015年4月統一地方選・・・・・・ブログ主の多くの最近のつぶやき:
      「まずは、なんとか「ネジレ」を取り戻そう! 統一地方選はそのステップ。
      「眠り猫」も目ざめて、アベ様の暴走を止めましょう!! 「矢崎泰久さん
      【発言2013】、「・・・「ネジレ解消」と意気込んでいるけれど、ネジレこそが
      参議院の本質と考えたい。解消を許してはならない」
      (http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/412dc27cdbf5eeb9f5e40ebe2232daaf)」。
       一方、「ネジレ」を取り戻すためのステップを阻むもの・・・・・・
      「日本最大の右派組織とされる「日本会議」」。これは、「憲法改正
      愛国心教育自虐的歴史教育是正戦後レジーム脱却・・・・・・」
      といったアベ様のオツムの中身のネタ元。「右翼」「保守」というのも
      随分と落ちぶれたものです。」

 さて、「五つの原発が立地する四選挙区は無投票で当選者が決まったため、投票が行われない・・(1)の北海道後志(しりべし)地域選挙区(定数二)は自民と民主の現職、(2)(3)(4)の三選挙区(定数一)は自民現職が当選した」。
 あ~、「眠り猫」を起こそうにも、「ネジレ」解消のステップにしようにも・・・・・・。でも、『まれ』ではないが、小さなことをコツコツと。投票したくても出来ない人達のためにも、投票できる人は「眠り猫」とならず、選挙へ。我が選挙区の県知事選の結果は自明でも、一票でも非自公系知事候補へ。

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2015041002000129.html

原発4選挙区で無投票 再稼働、是非問えず
2015年4月10日 朝刊

 統一地方選は十二日、全国の原発立地自治体の多くでも道県議選が投票される。だが、五つの原発が立地する四選挙区は無投票で当選者が決まったため、投票が行われない

 全国の十七原発(建設中の電源開発大間原発を含む)が立地する十三道県のうち今回、道県議選の対象は十道県。選挙区では十二選挙区(十三市町村)。

 本紙の集計では北海道電力泊原発(北海道泊村)(2)中部電力浜岡原発(静岡県御前崎市)(3)北陸電力志賀原発(石川県志賀町)(4)関西電力大飯原発(福井県おおい町)と高浜原発(同高浜町)-がそれぞれ立地する計四選挙区が三日の告示で無投票に。(1)の北海道後志(しりべし)地域選挙区(定数二)は自民と民主の現職、(2)(3)(4)の三選挙区(定数一)は自民現職が当選した。

 統一地方選で泊村は知事選と村議選が、志賀とおおい、高浜の三町は町議選が予定されているが、御前崎市は県議選が唯一の投票機会だった。

 今回の統一地方選で、道府県議選の無投票当選率は21・9%と過去最悪。今回は安倍晋三首相の下、原発再稼働や輸出を推進する安倍政権の路線を地方から問う意味があるのに、道県議選で一票の権利を行使できない原発立地自治体の有権者もいることで、問題の深刻さが浮き彫りになった。


◆自民、推進を前提 野党、被災者支援

 東日本大震災と東京電力福島第一原発事故の直後に行われた前回の統一地方選から四年。十二日に投開票される十道県知事選や四十一道府県議選で、各党は原発や被災地の復興に関し何を掲げているのか。統一地方選向け政策や昨年末の衆院選公約から整理した。

 自民党は再生可能エネルギー導入や原発再稼働などを見極めて「速やかにエネルギーのベストミックス(電源構成)の姿を提示する」と訴える。原発の推進を前提にした主張といえる。だが、汚染水漏れや賠償問題には触れていない。復興では、原発被災地も含め「地域の実情に即した生業再建」に取り組むとした。

 公明党は福島の再生について項目を立て、「原発事故の収束や廃炉・汚染水対策、除染、賠償」などの課題を整理した再生プランを掲げた。二〇一五年度までの集中復興期間以降の復興財源について「確保する」と明記した。

 一方、野党は原発の被災者支援や、脱原発に力点を置いた公約が目立つ。

 民主党は生活や健康面での国の被災者支援を定めた子ども・被災者支援法に触れ、健康調査の強化などを主張。汚染水漏れなど「廃炉の課題に主導的に取り組む」とした。

 共産党は「原発再稼働を許さず、廃炉に踏み切る」とし、原発立地補助金の見直しを主張。社民党も脱原発基本法制定を掲げた。「生活の党と山本太郎となかまたち」は再稼働反対と再生エネ普及を訴える。

 維新の党は地産地消のエネルギー供給体制を主張。次世代の党は復興財源を基金化して自治体の権限で使用できる仕組みを訴え、新党改革は原発の再稼働や新増設・輸出に反対する。日本を元気にする会は統一地方選の政策に原発・復興関連の記述はない。 (木谷孝洋)
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●「原発に依存しない地域の未来図を」描くことは可能だ

2015年03月17日 00時00分56秒 | Weblog


東京新聞の社説【東日本大震災4年 原発のまちに未来図を】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2015031102000153.html)。

 「あの日から四年。福島の傷はまだ癒やされない。だからこそ、原発に依存しない地域の未来図を、描き始めてもいいころだ。私たちも、原発のある町も」。
 自公支持者・翼賛野党支持者、「眠り猫」の皆さん、原子力「ムラ寄生」委員会、電力会社・・・・・・無責任にも原発を再稼働し、フルMOX原発を建設し、原発輸出をするという愚かな「未来図」しか描けていない。

   ●東電原発人災: あ~アベ様の言う
      「完全にブロックされている」「状況はコントロール」の悲惨な現実

   『●東京電力原発人災から『X年後』
      ・・・・・・取り返しのつかないことが現実化してはいまいか?

   『●「暴走するゾウ、ゴジラを解き放とうという
       「愚」」な東電をどのように「信頼」すればよいのか?

   『●屁理屈にもなっていない
       ・・・菅義偉官房長官「汚染水の『影響』は完全にブロック」

   『●東京電力原発人災4年目のアベ様の酷い記者会見:
       情報公開、信頼関係、オンカロ、将来的、自立、除染

   『●深刻な原発事故の教訓として
       「汚染水の『影響』は完全にブロック」・・・なんて言えるわけがない


 引用しませんが、日本ジャーナリスト会議のウエッブページに声明が出ています。【【声明】原子力発電所の再稼働に反対します=昭和43年東京大学理学部化学科卒業生有志】(http://jcj-daily.seesaa.net/article/415486519.html)、そこには、「日本の原発は極めて危険な環境に設置されている。・・・原発の事故は甚大な環境破壊をもたらす。・・・地球環境問題の解決原子力発電がなくてもできる。・・・エネルギー政策は原子力発電を除外したエネルギー源のベストミックスへ転換する。」・・・・・・とあります。賛同します。「原発に依存しない地域の未来図を」描くことは可能だ。社説に言う「地産地消」は、内橋克人さんのFEC自給圏

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2015031102000153.html

【社説】
東日本大震災4年 原発のまちに未来図を
2015年3月11日

 あの日から四年。福島の傷はまだ癒やされない。だからこそ、原発に依存しない地域の未来図を、描き始めてもいいころだ。私たちも、原発のある町も。

 四年前のきょう、元福井県美浜町議の松下照幸さん(66)は、東日本大震災の映像を見て「福島原発が大変なことになるぞ」と直感したという。

 原発銀座と呼ばれる福井県若狭地方で、反原発を唱え続ける少数派。「原発は地震に弱いと常々思っていたが、想像を絶する事故が起きた」と振り返る。


◆ふるさとはどうなるの

 「地震にやられたら、おしまいや」という近所の声を、松下さんもしばしば聞いている。

 「いつかあること」。原発のある町で暮らす人なら、そんな不安にとらわれることがあるはずだ。予感は現実になったのだ。

 福島原発の被災者は、放射能でふるさとさえも失った。あまりに過酷な現実の渦中にある。再び原発と共存できるとは思うまい。 

 他の原発立地地域にも、もはや原発の安全神話を信じる人はいないだろう

 だが、原発がなくなれば、仕事は、暮らしはどうなるの。

 過疎化する町は、老後は、どうなってしまうのか。

 「原発がある不安」と「原発がなくなる不安」のはざまで、住民は今も揺れ続けている。

 松下さんは、かつては原発推進派に身を置いた。しかし、一九八六年のチェルノブイリ原発事故を境に、考えを改めた。

 そして三年前の九月、欧州視察の成果を踏まえ、美浜町長に宛てた脱原発の提言書をしたためた。その中で次のように書いている。

 <都市部の多くの人たちは、『危険な原発は止めればよい』という思いなのでしょうが、私にはそうはいきません。原子力発電所で働いている人たちの生活があります。自治体の財政問題もあります。それらを解決しようとせずにただ『止めればよい』と言うのであれば、私は都市部の人たちに反旗を翻さざるを得ません>

 立地地域の暮らしの不安を解消できないうちは、大手を振って脱原発とは言い難い。

 電力事業者は、原発再稼働の勢いに乗り、老朽化した小型原発を廃炉にし、大型に建て替える計画を進めている

 ところが、3・11以降、世界的にも原発の安全基準が厳格化され、建て替えの費用もかさむ。原発大国フランスさえ、新設に二の足を踏むような状況だ。


◆キーワードは地消地産

 少なくとも先進国では、原発は割に合わないという認識が進んでいる。四十年という原子炉の法定寿命が守られる限り、近い将来、国内の原発はゼロになる。

 原発に代わる産業、雇用、財源をどうするか。

 たとえ今ある原発の再稼働がスムーズに進んでも、立地自治体が早晩直面する課題である。

 廃炉や核のごみの中間貯蔵を受け入れて、一時的に雇用を生み出すことはできるだろう。しかしそれでは、放射能の不安から逃れることはできないし、大企業の下請け的体質から抜け出せない。

 松下さんは、脱原発依存のキーワードとして、「地産地消」ではなく、「地消地産」を提唱する。地域で消費するものを地域で自給することから始めよう、という考え方だ。

 人口約一万人の美浜町全体の光熱費は、年間五十億円に上るという試算がある。そのエネルギーは町外から買っている。

 新築の住宅は、大手のハウスメーカーなどが建てている。町内に豊富な森林資源が活用できていない。

 たとえば、木材のかけらや廃棄物(バイオマス)を燃やして沸かしたお湯を送り込む事業を起こす。ドイツでは総発電量の7%をバイオマスで賄っている。

 百世帯に一社の割合で、そのような熱供給の会社ができれば、エネルギーとお金が地域で回る。送電網の必要な発電事業とは違い、給湯の配管網なら地元で無理なくインフラも整えられる。

 過疎地にある原発で大量につくった電気を、はるかな都会に送り込むのとは、正反対の考え方だ。

 近々、同じ若狭のおおい町で、木材チップと太陽熱のハイブリッド(併用)による熱供給のモデルづくりに着手する計画という。


◆真の地方創生モデル

 大切なのは、小さな成功例を積み上げて、地域が自信を持つことだ。大都市本位で原発を推進してきた国は、結果として立地地域の自立の芽を摘んできた。その反省を踏まえ、「地消地産」の活動に支援を惜しむべきではない。

 大企業の恩恵に頼らない、地域にあるものを生かした地域のための産業おこし、これこそ本物の「地方創生」なのである
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●『朝日』潰しに夢中: 原発再稼働や輸出を進めるアベ様には「制御を失った原発の実相」が見えていない

2014年09月15日 00時00分55秒 | Weblog


東京新聞の二つの記事【原発事故調書19人分公開 情報入らず誤認の連鎖】(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2014091290070157.html)、
【事故教訓 安倍政権顧みず 再稼働推進 調書把握後も】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2014091202000157.html)と、
コラム【筆洗】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2014091202000143.html)。

 吉田調書報道のうち、職員の「命令違反の撤退」について『朝日』が記事を撤回し、謝罪した。この件で『朝日』が悪いのは自明だが、『朝日』潰しに夢中のアベ様のほくそ笑みが腹立たしいし、それに便乗しての『産経』や『読売』などのハシャギぶりが大変に不快。今後も、『産経』や『読売』が報じない原発批判・アベ様批判のしっかりとした記事に期待するし、『朝日』が「ベ様の犬HK」化しないことを切に祈る。

   『●『朝日新聞』が「アベ様の犬HK」化しないことを望む:
          相対的に「大変にマシな報道機関」はどこか?

 アベ様はこの吉田調書全文を見ているはずで、それでも原発推進・原発輸出をしようというのだから呆れる。東京新聞の記事で、それら調書の断片を見ただけでも恐怖を感じるのに、アベ様は調書の内容を理解できているのだろうか?
 「「我々のイメージは東日本壊滅ですよ」・・・・・・「がれきが吹っ飛んでくる中で、一人も死んでいない。私は仏様のおかげとしか思えないんです」。一流の技術者をしてそう言わしめる。それが、制御を失った原発の実相」・・・・・・『朝日』潰しや原発再稼働・輸出にばかり夢中なアベ様には「制御を失った原発の実相」「死と破滅が本当に紙一重で存在していた現実」が見えていない。

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http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2014091290070157.html

原発事故調書19人分公開 情報入らず誤認の連鎖
2014年9月12日 07時01分

 政府は十一日、東京電力福島第一原発事故をめぐり、政府事故調査・検証委員会が実施した故・吉田昌郎(まさお)元福島第一所長=二〇一三年七月死去=や菅直人元首相ら十九人への聴取記録(調書)を公開した。吉田氏は全電源喪失で原子炉の状況がほとんどつかめず、暴走する複数の炉への対応に翻弄(ほんろう)され、「絶望」と「焦り」に支配されていたと証言。官邸側でも、情報が入らず誤認の連鎖に陥っていた状況が浮かび上がった。

 原発は、弁の操作やポンプの駆動、情報の収集まで電気で制御されている。事故対応マニュアルも全てはスイッチ操作を前提にしている。調書は、電源を失えば何もできない原発のもろさを証明している。

 計器が次々と動かなくなり、吉田氏は原発の状況がつかめなくなった。一一年三月十一日のうちに重大事故に陥った1号機では、水位計を信じ、原子炉に水は十分あり、非常用冷却装置(IC)も動いていると誤認していた。

 炉心が溶融し、放射線量が上がってきても水位はあると考え、「おかしい」「何か変なことが起こっている」との認識しか持てなかった。

 複数の原子炉が並ぶ危うさも明確になった。

 翌日、1号機で水素爆発が起きると3号機用の注水ホースが吹き飛び、切迫する現場から貴重な時間を奪った。十四日には3号機が爆発。注水の必要が出た2号機の注水ホースが損傷し「TAFに行く(核燃料が露出する)前に水を入れたくてしょうがなかった」という吉田氏をさらに焦らせた。まさに負の連鎖だった。

 2号機への注水が遅れ、「本当に死んだと思った」というほどの危機に陥った。2号機はベント(排気)で格納容器内の圧力を下げようとしても、すぐに弁が閉まり、炉圧が高くて水も入らない。

 「このまま水が入らないでメルト(炉心溶融)して、完全に格納容器の圧力をぶち破って燃料が全部出ていってしまう」

 こうなると福島第一内は高い線量で作業はできなくなる。1、3号機の注水も止まり、各号機のプールにある使用済み核燃料も過熱していく。

 「放射能が2F(福島第二)まで行って、四プラント(基)も作業できなくなってしまう」

 菅首相(当時)の要請で原子力委員会の近藤駿介委員長(同)が試算した「最悪のシナリオ」そのものだった。十五日朝、2号機地下の圧力抑制室が損傷して圧力が抜け、注水を再開でき、最悪の状況は避けられた


官邸「全員撤退」信じ込む

 政府が公表した、政府事故調による菅直人首相(肩書はいずれも当時)らの聴取記録からは、東電からの情報不足も手伝った、官邸内の混乱ぶりが分かる。

 菅氏は福島第一原発1号機でベント(排気)が実施されないのにいらだち、事故発生翌日の三月十二日朝、福島第一原発をヘリで視察しようとした。枝野幸男官房長官は「政治的パフォーマンスとしてやるなら、むしろマイナス効果の方が大きい」と進言。細野豪志首相補佐官は反対のニュアンスは伝えたが「あの総理にスイッチが入った」として明確には反対しなかった。

 菅氏は「現地の責任者とちゃんと意思疎通したい。最終的な判断は私が背負う」と考え、飛び立った。

 後に細野氏は「ベントを遅らせたかもしれない」と自責の念にかられたというが、福島第一の吉田昌郎所長は「全く(影響が)ないですと聴取に答えた

 十四日夜に2号機が危機的な状況となり、東電が「全員撤退」との情報が官邸をかけめぐった。

 実際には残っていた吉田所長は聴取に「全員撤退して身を引くということは言っていない」と説明。「必要な人員を除きの部分を東電側が明言しなかったのが誤解の原因だった。

 枝野氏は東電の清水正孝社長との電話内容について「間違いなく全面撤退の趣旨だった。自信がある」と強調。海江田万里経済産業相も清水氏の言葉を「全員だと思った」という。

 細野氏は、吉田氏との電話で「これまで『大丈夫です。まだやれる』の返事だった人が、このときは弱気になっていたから、これは本当にだめかもしれない」と感じ、全員撤退だと信じ込んでいたという。


 <政府事故調の調書> 政府事故調は吉田元所長を含め計772人から聞き取りし、2012年7月に最終報告書をまとめた。聴取した記録(調書)は非公開とされてきたが、政府は今回公開に踏み切った。特に吉田氏の調書は全7編で構成され、A4判で約400ページに上る。聴取は11年7月から11月まで約30時間にわたり、吉田氏が指揮を執った原発内の免震重要棟内と、事故対応拠点「Jヴィレッジ」で実施した。

 <最悪のシナリオ> 福島第一で、使用済みも含め核燃料が次々と溶融した場合どうなるかを試算。横浜市の一部も含む250キロ圏まで避難地域が広がると予想している。このシナリオは今年5月に、福井地裁が関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の運転差し止めを命じる判決を出したときの重要な根拠として挙げられている。

(東京新聞)
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2014091202000157.html

事故教訓 安倍政権顧みず 再稼働推進 調書把握後も
2014年9月12日 朝刊

 政府が十一日に公表した当時の民主党政権幹部らの聴取記録(調書)には、混乱しながら福島第一原発事故の対応に追われる姿や、原発事故の恐ろしさがつづられていた安倍政権は調書の内容を把握しながら、教訓を忘れたかのように再稼働を進めようとしている。 (城島建治

 「どんな安全対策をやっても原発はリスクが大きい。日本の場合、首都圏を含む三分の一は住めなくなる」。当時首相だった民主党の菅直人氏は聴取にこう答えていた。調書には菅氏に限らず、事故対応に当たった民主党政権幹部の率直な思いが記録されていた。

 記者は当時、首相官邸で官房長官だった枝野幸男氏の取材を担当していた。事故直後、秘書官の一人が「原発内部で何が起きているのか、全く分からない。東京から撤退する外国要人が続出している」と漏らしたのを覚えている。民主党政権が二〇三〇年代に原発稼働ゼロを目指す方針を打ち出したのも、事故の恐ろしさを体験したからだ

 原発が抱えるリスクが大きく変わったとは思えないが、安倍政権は再稼働に前のめりだ。四月に閣議決定した中長期のエネルギー基本計画では、原発を「重要なベースロード電源」と、再び電力の安定供給の柱に位置付けた。脱原発依存を掲げた一二年の衆院選公約にも反していた。安倍晋三首相は規制基準を満たした原発は安全との前提に立ち、原発を次々と再稼働させる方針。海外にも積極的に輸出して、日本の経済成長につなげようとしている。

 菅義偉(すがよしひで)官房長官は十一日の記者会見でも「事故を教訓に世界で最も厳しい安全基準ができた。基準に合致すれば原発を稼働していく」と明言した。しかし「世界最高水準」の根拠は明確でなく、菅氏が言及した安全基準は実際は「規制基準」でしかない

 エネルギー基本計画でも「事故が起きた場合には国は関係法令に基づき、責任をもって対処する」と事故の可能性も想定している。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2014091202000143.html

【コラム】
筆洗
2014年9月12日

 「もうこの時は死ぬと思いましたから…」「ここで何回目かに死んだと、ここで本当に死んだと思ったんです」「一番死に近かったのはここだった…死んでいましたね」▼政府がきのう公開した福島第一原発事故をめぐる吉田昌郎元所長の調書。吉田さんの証言からにじみ出るのは「死」である。燃料棒は完全に露出しているのに、冷やす水は入らない、入れられない▼「死ぬかと思った」という表現ではなく、吉田さんは「死ぬと思った」「死んでいた」と言い、「我々のイメージは東日本壊滅ですよ」とまで語っていた。その言葉遣いからは、死と破滅が本当に紙一重で存在していた現実が、三年半の時を隔てて迫ってくる▼だが、それは過去の話ではない。原発事故による避難住民は、なお十二万人余。長引く避難生活などで命を落とした「原発関連死者」は、少なくとも千百人を超え、この半年で七十人も増えているという。原発事故による「死」は現在進行形の悲劇だ▼調書で吉田さんは3号機の水素爆発のことも振り返っている。直後に四十人余が行方不明と聞き、事実なら「腹を切ろう」と思ったそうだが、幸い落命した人はいなかった▼「がれきが吹っ飛んでくる中で、一人も死んでいない。私は仏様のおかげとしか思えないんです」。一流の技術者をしてそう言わしめる。それが、制御を失った原発の実相である。
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