(2025年01月28日[火])
《中間貯蔵》という名の《最終処分》、という当然の帰結。《目下、「中間貯蔵施設」などと呼称されているものの、核燃料サイクルが確立されていないもとでは実質の最終処分場である。あからさまにいってしまえば使用済み核燃料のゴミ捨て場である》(狙撃兵)。余所様の家 (上関町) の庭を、10, 0000年から100,0000年間、私ん家 (関電) の《使用済み核燃料のゴミ捨て場》《正真正銘の原発の墓場》にさせよ!! 関電の《ゴミ捨て場》《核発電の墓場》に上関町をどうぞ、と平気で差し出す感覚を理解できない。核発電「麻薬」中毒な皆さんは、正気なのか? 《調査を開始した年からは上関町に「電源立地等初期対策交付金」として年間最大計1億4000万円を国が交付》…「利権」に蝟集する醜悪さ、浅ましさ、賤しさ・卑しさ、見苦しさ。トンダ「地域振興策」。
『●SLAPPと祝島』
『●SLAPPと原発、沖縄』
『●祝島の人たちは海を売っていない(1/2)』
『●祝島の人たちは海を売っていない(2/2)』
『●上関原発反対! ~祝い島島民の会blog~』
『●立ち止まるなら今…「原発政策を福島第一原発
事故以前に先祖返りさせたのが自民党安倍政権」』
《■祝島の閧いは終わらない一政府、中国電力の非道》
《ところで人口3300人の上関町は原発誘致に熱心なようだが、
巨大な原発2基から入ってくる莫大(ばくだい)な金(上関町には
1984年度以降原発関連交付金として約70億円が支払われている)を、
何に使おうとしているのだろうか。財政需要額の小さな町に多額の金が
入ってきて町政が、いや町全体が狂うことはないだろうか。
老婆心ながら心配になる》
『●「お金はいらない、この海の恵みを受けて暮らしたい」:
大間原発のあさこハウスと上関原発の祝島』
『●アタマオカシイの? 《東京電力の柏崎刈羽原発を原子力規制委員会の
最終承認や地元新潟県の同意がなくても、国が前面に出て再稼働させる》!』
『●祝島…《調停を申し立てた側の中電が「法律論争をするつもりはない」
といって議論を避け、調停は不成立…法律論争は不利と判断したから》』
『●《「原発ができれば町が活性化する」という空疎なスローガンのもとで、
町の基幹産業…漁業…など生産振興や生活の向上をめざす活動は停滞》』
『●山口県上関町…《さんざん町民を分断してきた挙げ句に郷土を核の
ゴミ捨て場…正真正銘の原発の墓場にするという動きに反発が高まっている》』
『●山口県上関町…《僅か2週間足らずの期間に、電力会社や自治体上層部の
幾人かの勝手な決断によって、トントン拍子で事を前に動かしていく》』
《原発から出る高レベル放射性廃棄物「核のごみ」の最終処分先》…NUMOにからめとられて、泥沼に足を突っ込み…。百万歩譲って、せめて核発電所を止めてからにしませんか? 全ての核発電所の廃炉作業に着手してからにしませんか? マンションからたれ流しにしておいて、トイレをどうするのかとか、放流先どこにするのか、なんて考えるのは変でしょ? いやぁ、「中間貯蔵」ですからダイジョウブ、ですって? 《中間貯蔵》という名の《最終処分》です。
長周新聞の記事【山口県は関電のゴミ捨て場か? 「中電いい加減にしろ」の声鬱積 町民や周辺自治体に知らせぬまま調査開始 上関町の中間貯蔵施設計画】(https://www.chosyu-journal.jp/yamaguchi/33614)によると、《山口県熊毛郡上関町で2023年8月、原発から出る使用済み核燃料の中間貯蔵施設を建設する計画が突如として浮上した。当時、町民の多くが何も知らされておらず、周辺市町の首長らも「寝耳に水」の状態であり、山口県中で物議を醸した。だが周囲の驚きとは裏腹に、上関の西町長は計画発表から半月も経たずして議会での議論もないまま立地可能性調査の受け入れを表明し、昨年4月から中国電力がボーリング調査を開始。中電は11月に調査を終え、適地かどうかの分析をおこなったうえで結果を公表するとともに、今後は規模や面積など施設の概要などについて町に提示する予定としている。計画が浮上してから1年半が経過しようとしているなか、町内では計画に対して「大歓迎」といった空気は乏しい。さらに周辺市町でもこの間の中電や上関町の計画の進め方や、国の無責任な姿勢に対する反発が強まっている》。
『●《脱原発へ政策のかじを切り、際限のない健康被害の脅威に歯止めを
かける。それが最終処分場問題の解決に向けた国民議論の最低条件》』
《高レベル放射性廃棄物の最終処分場選定に手を挙げそうな北海道
寿都町。町内に不安が広がり、道や隣接自治体との亀裂も深まって
いる。巨額の交付金で誘致を促す手法。このままでいいのだろうか》
《原発から出る核のごみを最終的にどこで処分するのか。国民に
突き付けられた課題であることは間違いない。とはいえ町の判断は
地域の行く末を委ねる手段としては余りに安易ではないか》。
『●空虚な《地域振興》…《核のごみ問題で過疎の町に「最大20億円」
財源の魅力 識者「札束で頬を叩くのはやめるべき」》(野村昌二氏)』
『●【NNNドキュメント‛20/核のごみは問いかける 「尊重」の先には…】
…空虚な《地域振興》なことは立候補しなくたって《学》べます』
『●《(文献調査後の)概要調査前に住民投票で意見を聴いて判断させて
いただきたい》…足抜けできるのか? NUMOにからめとられて…』
『●《原発を動かせばごみが出る…なすべきことは明白。原発を止め、ごみ
増を防ぎ…しかし国は稼働ありき。ごみが増えるほど後始末に困るのに》』
『●マンションからたれ流しにしておいて、トイレをどうするのかとか、放流
先どこにするのかなんてナンセンス…しかも、《被爆地の長崎》で…』
「「防人の島」の《町民の皆さんがその道を選んだ》のですか?
足抜けできるのか? NUMOにからめとられて、泥沼に足を
突っ込み、抜け出られなくなるのではないか。しかも、被爆地の
ナガサキで。《改めて誘致が浮上した背景には「深刻化する
人口減少、最近までの日韓関係の悪化、観光需要の落ち込み」
があるという》…意味が分からない?
そんな理由で死の灰を受け入れるの?」
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【https://www.chosyu-journal.jp/yamaguchi/33614】
山口県は関電のゴミ捨て場か? 「中電いい加減にしろ」の声鬱積 町民や周辺自治体に知らせぬまま調査開始 上関町の中間貯蔵施設計画
2025年1月26日 (2025年1月20日付掲載)
(関西電力の使用済み核燃料のための中間貯蔵施設建設調査を
受け入れた上関町の西哲夫町長。登庁時に抗議の住民たちに
囲まれた(2023年8月、山口県上関町)
山口県熊毛郡上関町で2023年8月、原発から出る使用済み核燃料の中間貯蔵施設を建設する計画が突如として浮上した。当時、町民の多くが何も知らされておらず、周辺市町の首長らも「寝耳に水」の状態であり、山口県中で物議を醸した。だが周囲の驚きとは裏腹に、上関の西町長は計画発表から半月も経たずして議会での議論もないまま立地可能性調査の受け入れを表明し、昨年4月から中国電力がボーリング調査を開始。中電は11月に調査を終え、適地かどうかの分析をおこなったうえで結果を公表するとともに、今後は規模や面積など施設の概要などについて町に提示する予定としている。計画が浮上してから1年半が経過しようとしているなか、町内では計画に対して「大歓迎」といった空気は乏しい。さらに周辺市町でもこの間の中電や上関町の計画の進め方や、国の無責任な姿勢に対する反発が強まっている。
参院選や周辺市長選でも重要な争点に
(山口県上関町。上関大橋から長島(奥)と
室津(手前)の両岸を臨む)
2023年8月2日、上関町役場を訪れた中国電力が町に対して中間貯蔵施設の建設を申し入れた。
上関町では1982年に原発建設計画が浮上して以来、町内は「推進」「反対」で二分されてきたが、2011年の東日本大震災発生時に起きた福島第一原発事故を機に計画はストップしたままの状態が続いてきた。
そうしたなかで急浮上した中間貯蔵施設計画。これまでも施設建設の議論はあったといわれているが、突然計画が発表され、多くの上関町民がニュース等の報道で初めて知り動揺が広がった。
計画が浮上した経緯としては、上関原発の建設が見通せないなかで、上関町としては国の交付金もあてにできなくなり町財政がひっ迫。一方で町として独自の地域振興策を生み出せないなか、西町長が中電に対して地域振興の検討を要請。これに応える形で中電が中間貯蔵施設の建設を持ちかけ、そこに福井県内の原発施設内に使用済み核燃料を溜め続けている関西電力も加わった――。と表向きではいわれている。
名目はあくまで「地域振興策」だが、実際に中間貯蔵施設を早急に必要としているのは上関町でも中電でもなく、関電であることは誰の目にも明らかだ。関電管内で稼働中の美浜、高浜、大飯の3原発内に貯蔵されている使用済み核燃料は、どこも許容量の80%以上に達しており、早ければ2~3年以内に上限に達するといわれている【図参照】。
福井県はもともと関電の原発が稼働するさい、使用済み核燃料を県外へ搬出することを条件としていた。そのため関電は2026年度から使用済み燃料を搬出することを約束し、工程表まで県に示していた。しかし、搬出先としていた青森県六ヶ所村の使用済み核燃料再処理工場の完成延期(1993年の着工以来27回目)が発表されたことを受け、関電は工程表の見直しをよぎなくされた。
これに対し福井県の杉本知事は、「誠に遺憾」「立地自治体との信頼関係がなければ原子力事業はない」とコメント。関電に対して早急に新たな工程表を提出するよう求めており、関電も今年2月議会までに新たな工程表を提出する予定としている。
関電と福井県の間には、期限までに使用済み核燃料の搬出が確定できない場合、運転開始から40年をこえている美浜原発3号機、高浜原発1、2号機の運転を停止するという約束がある。そのため関電は、六ヶ所村の再処理工場の完成を待たずして県外搬出を実現するための中間貯蔵施設の確保を焦っている。そのため一時は東電と日本原電が共同出資して建設した青森県むつ市の中間貯蔵施設に、関電の使用済み核燃料を搬出するという強引な話も出たが、むつ市の猛反発を受けて頓挫。福井県内の原発に使用済み核燃料を溜め込み続ける関電に、刻一刻と「タイムリミット」が迫っている。
こうした事情もあり、1年半前に上関町での中間貯蔵施設建設計画が急浮上した。町内では驚きの声とともに、原発反対派だけでなく推進派町民からも「中電どころか、なぜ関電のゴミをもらわなければならないのか」「なぜ中電は町民に何も説明しないのか」といった怒りの声が噴出した。
西町長は、2023年8月に計画が浮上してからわずか半月たらずで町議会の議決もなしに中電の立地可能性調査の受け入れを表明し、すぐに中電が調査を開始。調査を開始した年からは上関町に「電源立地等初期対策交付金」として年間最大計1億4000万円を国が交付している。山口県に対しても交付されるが、村岡知事は賛否を表明しておらず、交付金の申請や受けとりはしていない。
中電は昨年4月から町内でボーリング調査を開始し、同11月に終了しており、今後は中電が活断層の有無などを調べたうえで「適地」かどうか判断し、結果を公表する。また同時に、施設の規模や事業の形態なども検討して提起する予定だ。今はその前段階ということもあって、報道各社も中間貯蔵施設問題を報じ始め、県内全域の関心も高まっている。
町が消滅することへの危惧 上関町内
(原発計画浮上から40年――。町役場周辺の中心部でも
高齢化が進み、空き家も増えた(山口県上関町))
計画が浮上してから1年半が経過した今、上関町内では中間貯蔵施設建設に対して地域振興の希望を抱いている住民はいない。そもそもほとんど話題にならないといい、ある町民は「今までは原発推進のためにいろいろ運動してきた。上関原発計画をめぐって推進と反対で町が大きく割れてやりあっていたころは、“3人寄れば原発話”といわれるほど、常に話題の中心だった。しかし今は中間貯蔵施設建設のために一生懸命になっている者はいない。それよりも、“誰が亡くなった”とか“誰がどこの施設に入った”といった話ばかりだ。43年前に原発計画が浮上した当時は7000人の町民がいたが、今は2000人まで減っている。中間貯蔵施設は、実質関電の使用済み核燃料を福井県外に運び出すための施設であり、原発を推進するのとはわけが違う。もう私たちの出る幕ではない」と語る。
別の住民は、上関町と中間貯蔵施設計画の関係を「末期ガンの延命治療だ」と例える。「中間貯蔵施設ができてほしいとは思うが、その理由は町に国の交付金が入るからだ。住民は減り続け、町財政はパンク寸前というなかで、この先も町としての機能やサービスを維持するため背に腹は代えられない。だがそれで地域振興になるかどうかはまた別の話であって、あくまで中間貯蔵施設とは今いる町民が、今いる場所で、今のまま死ねるための町財政延命治療だ。決して特効薬だとは思っていない」と複雑な心境を口にした。
2011年の福島原発事故以後、「町の財政運営をどうしていくのか」という議論は町や町議会でも進められてきた。ある住民は「いろいろ議論があったが、結局これといった地域振興策は出せないまま、行き着いた先は中電に泣きつく以外なかったということだ。反対派の町議こそこういうときに原子力に頼らない魅力的なまちづくり政策をうち出せばいいと思っていたが、そうした熱量は感じなかった。賛成・反対問わず、どのレベルの議会なのかという思いはある」と語っていた。取材のなかでは、推進派の町議もそのことについて反省の色を滲ませており、町民からそういった声が多く届いているのだろう。約40年間原発計画でさんざん町を振り回してきた中電に頼み込み、関電のゴミをもらってまでして他力にすがらなければ「地域振興策」を生み出せない町政や町議会に対して、町民全体にもどかしさや情けなさ、失望がある。
町内で住民に話を聞いてみると、原発や中間貯蔵施設問題以前に、上関町の人口減少や高齢化、地場産業の衰退への危機感や焦りが強い。
ある男性は「このまま何もしなかったら、上関町がなくなる」と語る。町内では昨年、中心街で長年店を構えてきた天ぷら屋が閉店。地元で水揚げされる魚のなかから、市場に出ない雑魚を活かすために漁師の奥さんたちが手間賃を得て丁寧に処理し、それを集めて加工・販売するという循環のもとで長年成り立ってきた地場産業だ。「地元の店がどんどん閉まっていくのは寂しい。町内には酒屋もたばこ屋も新聞販売所もなくなった。漁師が年々少なくなって、道の駅では地元の魚や野菜も年々少なくなっている。赤字経営だと聞くが、それでも道の駅がなければ町民が買い物をする場所がないため、町が支えてなんとか維持している状態だ」と語る。
高齢化や人口減少も深刻だ。2025年1月時点での町内人口は2190人で、高齢化率は58・66%。原発計画が浮上した当時から人口は3分の1以下にまで減少した。各地区ごとの役員が空席のままになっている所も多々あるといい、地域コミュニティそのものを維持できなくなりつつある。また、推進派の住民のなかでは、これまでは国政選挙などがあるときには出陣式に出席するように連絡が回っていたが、今は住民を組織して動けるような状態ではなくなっていることも語られていた。
中間貯蔵施設建設計画が発表されてからこの1年半、国や中電から町民に対してまともな説明もないまま立地可能性調査だけが粛々と進められてきた。ほとんどの町民に何も知らせずに計画を発表した当初から現在に至るまで、町民は置き去りにされたままで、住民に話を聞いてみても中間貯蔵施設建設への熱量は希薄だ。
ある住民は、「中間貯蔵というが、貯蔵期間は50年間ともいわれている。たとえ核燃料サイクルが回り出して使用済み核燃料を別の場所に搬出できるようになったとしても、日本国内で原発が動いている以上、新しい使用済み核燃料がどんどん上関に持ち込まれて貯蔵されることになる。つまり中間貯蔵施設がある以上、上関町には半永久的に使用済み核燃料が置かれ続けることになる。中間貯蔵ではなく永久貯蔵施設に名前を変えた方がいい」と話していた。
中電の身勝手さに反発 周辺の自治体で
(上関町の位置と周辺市町)
中間貯蔵施設建設計画について知らされていなかったのは上関町民だけではない。柳井市、平生町、田布施町、周防大島町などの周辺市町の首長でさえ何も知らず、ニュースを見て初めて知るという状況だった。その後、「説明させてほしい」と中電が周辺市町を訪れたが、あまりに身勝手で周辺市町をないがしろにした態度に怒り、「帰ってくれ」と追い返した首長もいたという。
なんの相談もなく上関町と中電、関電だけで決めて計画を発表したことに対して、周辺市町の自治体関係者の間には強い違和感がある。ある関係者は「中電といえば、原発建設のためなら水面下のさらに奥底まで徹底的に潜って裏の裏まで工作してきた根回しのスペシャリストだ。それが今回の中間貯蔵施設問題では、周辺市町のみならず上関町民さえもまるで部外者かのように扱い、乱暴に計画を発表した。“あの中電がそんなことをするだろうか”という衝撃が一番強かった。むしろ“町民や周辺市町が怒ることをわかってわざとやっていないか?”とさえ思った」と語る。
別の自治体関係者も「まるで中電や上関町は周辺市町にケンカを売るようなやり方だと思った。上関を含めた柳井地域では、消防も水道も広域で連係して運営している。同じ地域住民としての生活があるなかで、こんな勝手なことをしていると周辺住民の感情を逆撫ですることになるし、自治体間の信頼関係にも関わってくる。原子力問題は周辺自治体としてもデリケートな問題としてみなが気を遣ってきたのに、それを無視して“中間貯蔵施設は上関町だけで決めます”ということは許されない」と語っていた。
その他の自治体関係者の間でも、「上関町の最初の公表のしかたはよくなかった」「上関町の地域振興策について町長みずから“お手上げです”といって中電に頼むのでは、町民からしたらショックだったのではないか」「上関の住民から周辺市町の首長宛に“計画を止めるためになんとかならないか”“西町長を止めてくれ”という電話があるそうだ。そういう意味では周辺市町にも責任がある」という声もあった。
周辺市町で、中電の姿勢に違和感が募るのと同時に、地元の事情を無視した関電の意向を強烈に反映した計画であることも自明のものとなっている。しかし、関電はいっさい地元に頭を下げに来ることもなく、中電を手先のように使って采配するため、余計にでも住民感情として「関電のゴミを山口県がもらうのは癪だ」という思いが強くある。そして何よりも、原子力政策を進める国が何一つ責任を負おうとしないことに強い不信感がある。
周辺市町の首長たちは皆、中電や国、上関町とどのように関わり、住民生活の安心、安全のためにどう責任を果たしていくのか、対応に苦慮している。そのため現在、「各市町が単独で動くのではなく、集団で足並みを揃えて国や中電、上関町に意見をあげよう」ということで、柳井市の井原健太郎市長、周防大島町の藤本浄孝町長、田布施町の東浩二町長、平生町の浅本邦裕町長が議論を重ねている。
昨年12月末には、周辺1市3町の議論のなかで、現在行き詰まっている核燃料サイクルをめぐる今後の見通しや、中間貯蔵施設の位置づけ等について、原子力政策を進めている国自身がきちんと住民に説明するよう要請する方針をまとめた。これまでは、上関町での住民説明を終えてから周辺市町での説明を求める方針だったが、今後は時期を待たずに「なるべく早い段階で責任ある説明を国に求める」という結論を出した。
中間貯蔵施設は国内でも青森県むつ市でしか前例がないなかで、周辺市町の首長らも対応に苦慮している。国の制度や法律も曖昧な部分が多く、「住民への責任があるなかで中途半端なことはできない。だが、いまだによくわからないことが多く、むつ市周辺市町の対応などを参考に勉強しながら対応している」(周辺自治体首長)という状態だ。
周辺市町のある自治体関係者は、「現時点では中間貯蔵施設がどんな施設なのかも分からず、どれほどの規模になるのかも分からないし、そもそも核燃料サイクルの仕組みすら曖昧でよく分からない。上関も含め地域住民や周辺自治体は置き去りにされてこの1年半ずっとモヤモヤしている」と語っていた。
別の自治体関係者は「貯蔵した使用済み核燃料を50年後どこに持っていくかもまだ決まっていないなかで、中間貯蔵施設を建設してもいいのだろうか。国も中電も“大丈夫”“安全”というが、もしも何かあったときに誰が責任をとるのかも定かではない。電力を生み出す原発と違って、中間貯蔵施設には生産性がない。国も、上関の西町長も“使用済み核燃料はあくまで資源”だと主張している。だがそれは核燃料サイクルが成立し、再利用できて初めていえることであって、その実現可能性が見出せない以上、現時点ではゴミでしかない。こういうことをいえば問題になるかもしれないが、それが本音だ」と話していた。
山口県民の意志示すとき 選挙の重要争点に浮上
中間貯蔵施設計画をめぐり、現時点では周辺市町の首長たちはみな軒並み厳しい態度を示している。というよりも、そもそもほとんど何の説明もなく、不明な点が多いなかで議論も判断も難しいといった状況だ。こうしたなかで、今年春には柳井市長選挙がおこなわれ、4年前に一騎打ちで200票差の激戦をくり広げた2氏が再び相まみえる。田布施町でもこの春町議選が予定されており、「原発・中間貯蔵施設反対派が数多く出馬する」ともいわれている。また、夏には参議院選挙も控えており、こうした選挙の過程で中間貯蔵施設問題は重要な争点にしなければならない。
周辺自治体のある住民は「今どき、選挙で原発推進を訴えたところで票にならないことは誰もが分かっている。中電も全国の注目を浴びたくないだろうから、参議院選挙前までは立地可能性調査の結果は公表しないだろう。ただ、必然的に中間貯蔵施設への関心は高まるし、普段はみんなあまり話題にしないだけで、中電の対応や地元首長の言動はしっかり見ているはずだ」と話していた。
上関町では40年以上ものあいだ原発計画を抱え、中電によって町政が私物化されてきた結果、産業も住民生活も地域コミュニティもズタズタにされてきた。原発建設計画は実質頓挫した状況のなかで、原発依存ではなく改めて現実的な町政の課題と向き合ったまちづくりの必要性が迫られていたにも関わらず、それでもなお原発政策にすがりつく町政に住民の多くが失望している。また、原発計画で町を二分して住民同士を争わせてきた中電が、関電の下請に成り下がって核のゴミを押しつけられる姿はあまりにも情けないと話題になっている。
これまでさんざん国策に振り回されてきたなかで、今度は核のゴミの受け皿として「中間貯蔵施設」まで山口県が引き受ける筋合いはない。核燃料サイクルはすでに破綻しているにもかかわらず、強引に原子力政策をおし進める国の無責任こそ問題にしなければならず、今後控える参議院選挙でも重要な争点として山口県民の意志が問われている。
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[※ ↑ 闘う主張、現場の声支えに 経済評論家・内橋克人さんを悼む (金子勝さん) (朝日新聞 2021年09月08日(水))]/
(2021年10月01日[金])
『クローズアップ現代+』の記事【追悼 経済評論家 内橋克人 未来への遺言】(https://www.nhk.jp/p/gendai/ts/WV5PLY8R43/blog/bl/pkEldmVQ6R/bp/pPLoJBZn8D/)。
《あらためて過去の番組での発言を見ますと、まさに今の時代を予見していたような鋭い洞察に驚かされます。内橋さんは、今も進行中の格差の拡大、すなわち、豊かな者がより豊かになり、貧しい者がより貧しくなるような経済のあり方に警鐘を鳴らし続けました。これを内橋さんは<市場原理至上主義>と呼び、一貫して批判し続けました。そして内橋さんが訴え続けたのは、人間の幸せを中心に据えた「もう一つの経済」は、可能だということです。それは、いったいどういう経済なのでしょうか。》
『●内橋克人さん ―――《今は社会問題と正面から向き合う経済ジャーナ
リストがどんどん減る中で、また優れた知性を一人失った》(金子勝さん)』
『●内橋克人さん《「新自由主義」に代えて…F(フーズ)、E(エネルギー)、
C(ケア) を軸にして地域で雇用を創る新しい経済政策を打ち出した》』
《市場原理至上主義》ではない、《人間の幸せを中心に据えた「もう一つの経済」は、可能だ》。
FEC自給圏、《原発は『プルトニウムをつくる装置』》…本当に尊敬できる経済評論家でした。(宇沢弘文さんが蛇蝎のごとく嫌った)トリクルダウン教祖・竹中平蔵氏などとは全く違う、真の意味での経済ジャーナリストだった内橋克人さん。まだまだお話を聞きたかった《優れた知性》でした。お亡くなりになったこと、とても残念です。
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【https://www.nhk.jp/p/gendai/ts/WV5PLY8R43/blog/bl/pkEldmVQ6R/bp/pPLoJBZn8D/】
追悼 経済評論家 内橋克人 未来への遺言
NHK 2021年9月22日 午後4:35 公開
2021年9月1日、経済評論家で、ジャーナリストの内橋克人さんが亡くなりました。権力におもねらず、弱い人たちの側に立ち続けた、89年の生涯でした。
内橋さんは「クローズアップ現代」に50回出演いただいており、ほかにも「NHKスペシャル」など、多くの番組にご登場いただきました。
あらためて過去の番組での発言を見ますと、まさに今の時代を予見していたような鋭い洞察に驚かされます。内橋さんは、今も進行中の格差の拡大、すなわち、豊かな者がより豊かになり、貧しい者がより貧しくなるような経済のあり方に警鐘を鳴らし続けました。これを内橋さんは<市場原理至上主義>と呼び、一貫して批判し続けました。
そして内橋さんが訴え続けたのは、人間の幸せを中心に据えた「もう一つの経済」は、可能だということです。それは、いったいどういう経済なのでしょうか。
今回は、内橋さんが時代とどう向き合い、どんなメッセージを発信されてきたのかをご紹介します。
(制作局 窪田栄一)
「人間のための経済」を求めて
まず、内橋さんの生い立ちからみていきましょう。
・昭和7年(1932)、神戸市生まれ。
・昭和20年(1945)、13歳の時、神戸空襲を体験。
(太平洋戦争末期の空襲)
・昭和32年(1957)、大学卒業後、神戸新聞に入社。
のちに、フリージャーナリストに転身。
(神戸新聞時代の内橋さん)
・昭和53年(1978) 「匠の時代」を発表。
日本の製造業を担う技術者・技能者の骨身を削る姿を描く。
(匠の時代)
1980年代後半から、日本社会は「バブル経済」に踊り、「マネー資本主義」が台頭し始めました。
そして、1990年代初頭、バブルが崩壊すると、長引く不況から脱出する手立てとして叫ばれ始めたのが「規制緩和」「民営化」「金融の自由化」などでした。
・平成6年(1994) スーパーの出店を容易にする、大規模小売店舗法の規制緩和
・平成8年(1996) 派遣労働者が働くことのできる業種を拡大する、労働規制の緩和
こうした規制緩和の動きに、多くの論者が賛同する中、内橋さんは、時流に流されず、「その改革は本当に人を幸せにするのか?」という観点から、独自の論を展開します。こうした改革はマネーの動きを活発にさせるかもしれないが、働く一般の人びとの利益にはつながらないのではないか、と問題提起したのです。
特に、内橋さんが気にかけたのは、若者たちの未来でした。当時、増えつつあったのが、携帯電話を使って仕事を探し、一日単位で契約して働く、新しい働き方でした。
(携帯電話 画面up)
外食産業や運送業など、さまざまな企業が、人材サービス会社と契約を結んで、必要な時に必要な数だけ一日契約で人を確保することで、コスト削減をはかっていました。
内橋さんは、若者の働き方について、警鐘を鳴らし続けました。
「技能とか技術というのは、ある程度の期間ですね、その仕事に習熟していく。そして習熟をして、自分のものに完全にしてしまってから、そこに能力、あるいは独創力、創造力、そういうものを発揮していく余地が生まれてくるわけですよ。ただそれを細切れにしてしまってね。それだけの創造力、競争力が出てくるかという、そこが一番大きな問題ですね」
Q:こうした働き方が増える中で何が問われているんでしょうか?
「結局、厳しい経済状況の中で、働く側の権利、というものがね。どんどん譲歩させられていると思うんですよ。それはある程度、やむを得ないかもしれないけど、いったいどこで立ち止まるのか。その基準をね、社会全体で、考えるときが来てると思う。その基準は何かといえば、『働く』というのは、人間の尊厳を守る、ということなんですね。ですから、尊厳ある労働、ということは、国際的にも叫ばれているわけですけど、それを割り込まない、そこは、国民的な議論の場にやっぱり持ち出す必要がある、そういう時期に来ている、分かれ道に来ている、といってよろしいんじゃないかと思いますけどね。」
(クローズアップ現代「急増 一日契約で働く若者たち」 2002年1月21日放送より)
(「クローズアップ現代」出演中の内橋さん)
この頃、派遣やパートで働く非正規労働者が急増しました。内橋さんは、労働規制の緩和などによって、正社員が減り、非正規労働者が増えていくことが、未来に与える影響に危機感を抱いていました。
(グラフ:正規雇用と非正規雇用の推移)
Q:パートタイマーが増えてくることを大きく捉えてみますとどういうことになりますか。
「これで行きますと所得が少なくなる、そうすると賃金が減るからマイホームを持てなくなるし、消費もなかなか回すことが出来ない。そうすると景気が悪くなってくる、ということになりますね。あるいは厚生年金一つ見ても、こういう風に所得が低いとですね、自ら負担するということはなかなかできませんね。マクロで見れば日本経済全体として放置していいかと、こういう問題が出てくるんじゃないでしょうか」
(クローズアップ現代「さらば正社員・主役はパート」 2001年10月24日放送より)
2008年に起きたリーマンショック。このとき、内橋さんが心配した通り、日本企業は一斉に派遣切りに踏み切ります。年末の東京・日比谷公園に開かれた年越し派遣村には、仕事も住まいも失った人々が押し寄せました。
内橋さんはこの頃、マネー資本主義が猛威をふるう中で、日本に新たな貧困が広がっていると指摘しました。働いても働いても貧困から抜け出すことの出来ない、「ワーキングプア」の存在です。
「結局、勤労、働くということにね、どう報いるかというのが、その国のね、本質を物語るわけです。このままいきますとね、やっぱり生活するのに必要な最低の収入さえ得ることのできない勤労者、働く人ですね、マジョリティになる、多数派になる。貧困マジョリティ、少数派ではない、貧困者は多数派になりますよ。そんな国がどうして豊かな国だといえますか?」
(NHKスペシャル「ワーキングプアⅡ 努力すれば抜け出せますか」2006年12月10日放送より)
内橋さんは、人の幸せにつながる新しい「人間のための経済」を提唱していました。
未来への遺言 FEC自給圏とは?
(「クローズアップ現代」出演中の内橋さん)
内橋さんは、批判するだけでなく、「人間のための経済」を実現するための、具体的な構想も提唱し続けていました。「FEC自給圏」という、未来の持続可能な社会のデザインです。それはいったいどういうものなのでしょうか? 本人への詳しいインタビューを下記のサイトで読むことができます。
地域づくりアーカイブス インタビュー・地域づくりへの提言 いまこそ人と人とが共生する経済への転換を
地域づくりアーカイブス インタビュー・地域づくりへの提言 グローバル資本主義を超える「もう一つの経済」とは
内橋さんの「未来への遺言」は、コロナ後の世界のあり方や私達の生き方を考える上で、大切な指針になるのではないでしょうか。
内橋さんが出演したクローズアップ現代リスト
1993年 4月14日 査定導入で生き残れ 町工場の雇用改革
1993年 6月23日 新党結成・羽田代表の本音に迫る
1993年 7月29日 政権交代へ ~非自民7党党首に聞く~
1993年10月 5日 対論・どうする所得税減税
1994年 1月13日 零細経営者はなぜ死を選んだのか ~丹後ちりめんの里~
1994年 3月 1日 さらば東京 ~不況で増えるIターン志願~
1994年 3月 2日 ホワイトカラーの合理化が始まった ~組織改革の舞台裏~
1994年 3月 3日 “半値”で生き残れ ~これがスーパーの生き残り戦略だ~
1994年 5月11日 町工場に技あり ~格闘・ポテトフライ製造器開発~
1994年 6月16日 ロボットから人手へ ~トヨタ・主力工場の大変身~
1994年 7月11日 負債5000億円からの再建 ~追跡・戦後最大の倒産~
1994年 7月12日 戦後初!信用組合解散の内幕
1995年 2月 9日 焼け跡からの再建 ~地場産業壊滅の中で~
1995年 3月13日 職人技が消えていく ~国産技術が危ない~
1995年 5月10日 円高・それでも海外移転せず
1995年 8月31日 海外移転はしたけれど ~人件費高騰・増える工場撤退~
1995年10月24日 損失1100億円はこう隠された ~大和銀行事件の構図~
1995年12月 4日 急増する住宅ローン破産 ~賃金下落・返済計画の危機~
1996年 1月29日 給料は上がらないのか ~ベア・定昇廃止宣言の衝撃~
1996年 5月14日 継続か見直しか? ~臨海副都心開発・迫られる決断~
1996年 6月21日 負債136兆円 ~岐路に立つ自治体~
1996年12月 5日 負債は誰が背負うか ~急増・第3セクターの破たん~
1997年 2月26日 部品ひとつが自動車産業を止めた ~検証・ブレーキ部品工場火災~
1998年 1月13日 商店街が消えていく ~スーパー撤退の波紋~
1998年 4月 1日 3社長はなぜ自殺したのか
1998年 8月26日 逆流する自動車部品 ~アジア進出企業 生き残り戦略~
1998年12月 1日 「貸し渋り」解消になるか ~中小企業40兆円融資の行方~
1999年 1月21日 就職先が決まらない ~変革迫られる職業高校~
1999年 2月23日 厚生年金 相次ぐ企業の脱退
1999年 9月 8日 問われる二重価格 ~検証・安売り商品の値段~
2000年 1月12日 阪神大震災から5年 苦境に立つ中小企業
2000年 7月27日 中小企業を救えるか ~検証・民事再生法~
2001年 8月 2日 タクシー運転手が足りない
2001年10月24日 さらば正社員 主役はパート
2002年 1月21日 急増一日契約で働く若者たち
2002年 5月14日 会社の中で独立します ~広がる個人事業主~
2002年12月 4日 高速を走る“過労トラック”
2005年 6月23日 街中に人は呼び戻せるか ~高齢化時代の都市再生~
2005年12月15日 故郷が消えていく ~相次ぐ集落崩壊~
2006年 6月 6日 割りばしに異変あり
2006年11月21日 隠される“労災” ~製造業の現場で何が~
2007年 4月26日 作家・城山三郎がくれたメッセージ
2008年 3月12日 正社員化が加速する
2008年11月20日 急増する“荒廃”マンション
2009年 4月23日 シリーズ オバマの100日② 医療保険制度改革のゆくえ
2010年 1月27日 正社員の雇用が危ない
2011年 3月30日 連鎖する震災ダメージ どうする日本経済
2011年10月17日 “自給力” ~食とエネルギーを自給する暮らしの可能性~
2012年 3月 1日 震災データマップ 記録が語る新事実
2014年10月30日 人間のための経済学 宇沢弘文 ~格差・貧困社会への処方箋~
番組情報
「追悼 経済評論家 内橋克人 未来への遺言」
放送 9月23日(木)NHK総合 10:05~10:30
(再放送) 9月30日(木)NHK総合 00:24~00:49 ※水曜の深夜
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『●『もうひとつの日本は可能だ』読了』
「グローバリゼーション (「市場化」・「民営化」) のオルタナティブ
として、FECの地域内自給自足権 (圏) の確立こそ重要であることが
提唱…。FECとは、Foods (食糧)・Energy (エネルギー)・
Care (人間関係=医療や教育等)」
『●『浪費なき成長』読了』
『●『不安社会を生きる』読了(1/2)』
『●『不安社会を生きる』読了(2/2)』
『●『新版 悪夢のサイクル/ネオリベラリズム循環』読了(1/4)』
『●『新版 悪夢のサイクル/ネオリベラリズム循環』読了(2/4)』
『●『新版 悪夢のサイクル/ネオリベラリズム循環』読了(3/4)』
『●『新版 悪夢のサイクル/ネオリベラリズム循環』読了(4/4)』
『●原発絶対断固反対!』
『●FECにつながる「地給率」』
『●SLAPPと祝島』
『●TPP批判: 内橋克人さん』
『●まさに、FEC自給圏を目指せ』
『●内橋克人さんインタビュー:
〝貧困マジョリティー〟の形成と『FEC自給圏』への志向』
『●衆院選の惨敗と参院選という正念場:
FEC自給圏・「浪費なき成長」と「暗闇の思想」』
『●原子力ムラに対して、開き直ろう!:
こういう挑発や脅し、騙しに乗ってはならない』
『●居直ろう!: 〈毒食わば皿まで〉?
「一度認めた以上、どこまでも認めるという論理の一貫性」?』
『●電源構成(エネルギーミックス)案という貧相な「未来図」:
泥棒やその子分に縄をなわせる愚』
「ニッポンにとって、デンマークはとても参考になると思うのですが?
内橋克人さんのFEC自給圏の確立を」
『●「原子力の平和利用」という核発電への幻想…「原発は『プルトニウム
をつくる装置』」(内橋克人さん)にこだわる周回遅れのニッポン』
『●「始まりの地、福島から日本を変える」:
シェーナウ電力、会津電力、飯舘電力…内橋克人さんのFEC』
『● FEC自給圏(内橋克人さん)…《地域の中で隣人同士が見守り合い、
支え合いながら、病気を予防し、重症化を防ぎ、健康寿命を延ばす》』
2020年3月の東京新聞の社説【原発銀座の50年 あっても、なくても】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2020033002000107.html)。
《世界は再生可能エネルギーの時代になった。半世紀-。原発の真の受益者は、地方が送る電気を使い繁栄を謳歌(おうか)してきた都会の電力消費者だった。若狭のような供給地の未来をどうするか。消費者もともに考える時。例えば村本さんの原発ネタが、きっかけになればいい》。
再度、以下の映像を貼らせていただきます。
【【金子勝の言いたい放題】NO5 世界は電力タダの時代に エネ転が拓く経済転換(飯田哲也さんと) 20191230】
(https://www.youtube.com/watch?v=eMDjFFFo3qY&t=186s)
社説を読んで、姫野洋三さんの「若狭の海」を思い浮かべました。
『●小出裕章さんの謝罪』
「自民党の政治屋の皆さんをはじめとして原発を推進して甘い汁を
吸ってこられた方に、この講演会の最後…に流された姫野洋三氏
「若狭の海」…を聞いてみて欲しい」
『●第八回竜一忌、涙が出ました:
松下竜一さん「暗闇の思想」を語る小出裕章さん』
《姫野洋三さんの「若狭の海」
原発のうたは良かったです。
「夜をあんなにあかるくしといて
夏をあんなにさむくしといて
まだまだ 足りないなんて~♪」》
核発電銀座、「原発銀座」。「血液」の輸「血」と騙されて、《「平和利用」に誘われて》「麻薬」中毒に。《原発は『プルトニウムをつくる装置』》(内橋克人さん)であり、《平和利用》な訳もなし。
『●小出裕章さん、核=原子力は「違憲」という視点』
『●「原子力」と「核」、言葉は違えど「原発=原爆」である』
『●「原子力」は「核」へのポテンシャル』
『●3.11後にヒロシマで原発推進・輸出を語れるその神経……』
『●「核と人類は共存し得ない」』
『●原発マネーに群がる ~読売が最悪~』
『●核・原子力汚染された雑誌群』
『●「原子力は血液」……ではなく、「原子力=核」は「麻薬」』
『●「けん制」? いや、「恫喝」でしょ?
関西電力八木誠社長が大津地裁と「地元」市民を脅す!』
《美浜原発3号機(福井県)の廃炉を検討していると一部で報じられた
ことに対しては「検討している事実はない。活用していきたい」と述べた》
『●関西電力八木誠社長のあの高浜原発:
「プルサーマル原発」に続き「寿命原発」を動かしたいそうです』
『●烏賀陽弘道さん
『ヒロシマからフクシマへ原発をめぐる不思議な旅』読了』
『●やはり核発電は「金のなる巨大木」だった…高浜「原発マネー」が
八木誠会長ら関西電力経営陣個人に見事に《還流》』
『●濁流…《塩浜工業…高浜をはじめ全国の原発で安全対策などの
工事を受注。玄海での実績は…確認できない》そうだけれど…』
『●東電核発電人災から9年: 金(カネ)色の五つの輪《オリンピック
聖火リレーを前に「福島はオリンピックどごでねぇ」》』
『●三浦英之記者の質問「今でも『アンダーコントロール』だとお考えで
しょうか」? アベ様のお答え「…その中で正確な発信をした…」!?』
東京新聞の記事【関電金品受領で役員ら93人処分 経産省に改善計画提出】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/list/202003/CK2020033102000167.html)によると、《金品を受け取った役員ら八十二人の処分も発表、既に発表した岩根茂樹前社長らを含め処分対象者は計九十三人となった。取締役が注意義務を怠り、関電に損害賠償責任を負うかどうかを今後二カ月程度で判断する「取締役責任調査委員会」を同日付で新設した》。
また、西日本新聞の社説【関電問題報告書 原発動かす資格はあるか】(https://www.nishinippon.co.jp/item/n/596534/)によると、《ひとたび深刻な原発事故が起これば、周辺住民の暮らしはもとより社会全体に壊滅的な影響を与える。東京電力福島第1原発事故で学んだことだ。そんな原発の運転を、こんな組織に任せて大丈夫なのか。関西電力への不信は強まる一方である》。
凄まじき核マネーの《還流》、そして、有耶無耶にされつつある政治家への「濁流」…「麻薬」中毒な関西電力に、「資格」などあろうはずがない、「大丈夫」な訳がない。
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【https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2020033002000107.html】
【社説】
原発銀座の50年 あっても、なくても
2020年3月30日
<福井県の、ぼく、おおい町出身でね、知ってます? 原発の町、おおい町です>
時事ネタで人気のお笑いコンビ、ウーマンラッシュアワーの村本大輔さんは、こう切り出した。昨年暮れにフジテレビ系で放映された「THE MANZAI」のひとこまだ。
<おおい町の隣は、高浜町ね。高浜町には疑惑だらけの高浜原発がありまして、その隣には美浜原発がありまして、その隣には敦賀の『もんじゅ』があったんです。でも、おおい町には夜の七時以降は開いてる店がほとんどない。真っ暗になる。これ叫ばせてください。電気はどこへ行く~>
ここで客席、大爆笑。
<地元の人間にしてみれば原発があっても怖いし、なくても怖い。あったらあったで地震があったら怖い。なかったらなかったで経済が回らないから怖いですよね>
ふるさとの本音を代弁するかのようなマシンガントークが続く。客席は何度も笑いに包まれる-。「原発銀座」と呼ばれる福井県の若狭湾沿岸部は、世界に類のない原発の密集地。村本さんが言うように、関西電力の大飯、高浜、美浜、日本原子力発電の敦賀、そして日本原子力研究開発機構の実験炉「もんじゅ」と「ふげん」-。廃炉が決まったものも含めて、計十五基の原子炉が湾内にひしめく、まさに「銀座」の様相だ。
ヘリコプターで高度千五百メートルから見下ろした。複雑な海岸線。もやの中、岬の陰に身を隠すように、原子炉が立ち並ぶ。
美浜、もんじゅ、敦賀の三カ所は、一枚の写真に納まるほどの近さにあった。
◆「平和利用」に誘われて
原発銀座の一丁目、第一号となる敦賀原発=写真、本社ヘリ「まなづる」から=の運転開始から、今月で五十年が経過した。
一九五三年、アイゼンハワー米大統領の「アトムズ・フォー・ピース(原子力の平和利用)」演説をきっかけに、唯一の被爆国日本にも原子力ブームが巻き起こる。
福井県は五七年、産学官の代表による「福井県原子力懇談会」を組織して原発誘致に乗り出した。
繊維に代わる新しい“地場産業”がほしかった。太平洋側の発展に「追いつけ追い越せ」の機運もあった。
核分裂同様、原発立地も連鎖する。原発が立地されると、見返りに電源三法交付金など「原発マネー」が流れ込み、庁舎や保養施設のような、立派なハコモノが建設される。それを見て、近隣の自治体が名乗りを上げる。時あたかも高度経済成長期。電力需要も右肩上がり。若狭の浜辺はこうして「原発銀座」になった。
だが、やがて期待はしぼんでいった。元福井県原子力安全対策課長の来馬克美さんは書いている。
「原子炉建設によって道路などのインフラは整備された。また、建設労働者の流入により、一時的に地域経済が潤いもした。しかし、それは土木建設業界が活躍する建設工事の初期までであり、機器設備類の組立や実際の稼働に入る頃には、原子力発電所建設による利益を受けるのは立地市町周辺に限られることが明らかになっていた」(「君は原子力を考えたことがあるか」)
立地自治体の住民があまねく恩恵を受けたわけでもない。
村本さんと同じおおい町に生まれた作家水上勉は、こう書いた。
「人を信じるしかあるまい。関電の技師さんを信じるしかあるまい。原発の安全は人間を信じることだ。ひとつそれがくずれれば、イカ釣り舟も地獄の宴(うたげ)だ」(「若狭がたり」)。多くの人が不安を押し殺し、原発との共存を自らに強いてきたのではなかったか。
福島第一原発の事故を境に若狭湾の潮目も変わり、うち続く電力会社の不祥事は、地元との信頼関係に、とどめを刺した感がある。
◆「百年」はあり得ない
老朽化した敦賀1号機は廃炉が決まり、2号機直下には大地震を起こす恐れのある活断層の存在が指摘されている。3、4号機の建設予定地は更地のままだ。新増設の見込みはない。原発銀座に「百年」はあり得まい。世界は再生可能エネルギーの時代になった。
半世紀-。原発の真の受益者は、地方が送る電気を使い繁栄を謳歌(おうか)してきた都会の電力消費者だった。若狭のような供給地の未来をどうするか。消費者もともに考える時。例えば村本さんの原発ネタが、きっかけになればいい。
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[※ 自公選挙公約「子育て…」小躍りするアベ様…日刊ゲンダイ(2017年12月19日)↑]
編集部・田端薫さんの、マガジン9の記事【こちら編集部/「横浜にカジノはいらない 女性たちよ手をつなごう」集会報告(田端薫)】(https://maga9.jp/190918-2/)。
《集会ではまず、沖縄で長年カジノ導入阻止の運動に身を投じてきた前参議院議員糸数慶子さんらが視察した際のビデオ「カジノの街はいま 韓国編・マカオ編」が上映された。…「江原(カンウォン)ランド」…カジノがくれば、雇用が増え、観光客が殺到して税収が増え、町は活気づく……そのはずだったが、数年後には風俗店と質屋とサラ金が立ち並ぶ異様な町へと変貌した。増えたのはギャンブル依存症患者、自殺、犯罪。…マカオ編では…ショックだったのは「カジノとホテル、食事そして女性がセットでいくら」と表示する広告が、町のあちこちに貼られている風景。賭博と売春はつきもの》。
賭博場開帳が《市民が誇れる、持続可能な街作り》なのか?
「江原(カンウォン)ランド」やマカオ…なぜ、先達に学ばないのだろう? 《地域再生の目玉》《カジノがくれば、雇用が増え、観光客が殺到して税収が増え、町は活気づく》…は達成されたのか? 《世界的に見てもカジノはもはや斜陽産業。地域経済活性化どころか、将来に禍根を残す》。水道民営化、水道私企業化と同様、今頃、周回遅れで賭博とは…。賭博場開帳で《市民が誇れる、持続可能な街作り》が可能だとは思えない。
『●「まん延する差別」な、「御持て成し」どころでない
「うらあり」だったニッポン…「病んだ空気」が蔓延』
『●《全国民を勝負師に》…「国民にギャンブルを
奨励するギャンブル国家の道…憲政史上、由々しき法案」』
『●《全国民を勝負師に》…「さすがに六時間で可決させるのは
無理だろうな」「だったら、賭けるか」(筆洗)』
『●室井佑月さん「安倍政権の掲げる成長戦略は…
他人の不幸や不運を踏み台にしたものばかり。ろくでもない」』
『●「カジノより学校にエアコンを! …被災者を助けて!」
…どこら辺が議場の秩序を乱し、品位を傷つける?』
『●浜矩子さん《昼間は超効率的に労働させ…
夜間は退廃の不夜城活動で経済活性化に貢献させる…》、あぁ…』
『●「働かせ方壊悪」…(斎藤美奈子さん)「こんな形で働かされたら
子育てなんかできない…少子化促進法」』
『●「米ラスベガス・サンズに日本に参入する免許を与えるよう
強く要求」されておきながらアベ様は平気で…』
「《トランプ大統領が自身の大口献金者であるカジノ大手の
米ラスベガス・サンズに日本に参入する免許を与えるよう強く要求》
してたんじゃないのぉ! アベ様ときたら、あまりの予想通りの展開過ぎて、
呆れたねぇ。憲政史上最悪の国会で、アベ様は《そんな事実は、
これはまったく、一切なかったということをはっきりと申し上げておきたい》
と明言。息吐く様にウソをつく。《ニヤニヤと笑みを浮かべながら…、
根も葉もないヨタ話と言わんばかりに笑い、鼻にもかけないような態度をとり、
事実を完全に否定》しておきながら、なんじゃそりゃ」
「《カジノに貿易、武器購入まで……。トランプに尻尾を振ることしかできない
“忠犬”の安倍首相によって、日本はどこまでも売り渡されつづけて
いくのだろう》…世界中の笑いものだ」
『●大阪「ト」の万博、お維とアベ様らが賭博場開帳のために
《血税をつぎこむための隠れ蓑》…上前はどこに?』
『●賭博場開帳…《ばくちで生きながらえる自治体になりたい》
というカジノ誘致横浜市長の後ろ盾が最低の官房長官』
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【https://maga9.jp/190918-2/】
こちら編集部
「横浜にカジノはいらない 女性たちよ手をつなごう」集会報告(田端薫)
By マガジン9編集部 2019年9月18日
ついに本性を現したか。横浜市の林文子市長のことである。菅義偉官房長官とのつながりが強いとされる林市長は、もともとカジノを含む統合型リゾート(IR)の誘致に前向きだったが、2年前の市長選の時には「白紙状態である」と宣言して、再選を果たした。ところが、この8月22日、「人口減、税収減など、横浜の将来への強い危機感」を理由に、横浜港山下埠頭へのIR誘致を正式表明した。
このだまし討ちに怒ったのは横浜市民だけではない。昨年のIR推進法成立時に体を張って反対してきた超党派の女性国会議員たちが「横浜にカジノはいらない 女性たちよ手をつなごう」と呼びかけ、9月14日にかながわ県民センターでキックオフ集会を開催した。
集会ではまず、沖縄で長年カジノ導入阻止の運動に身を投じてきた前参議院議員糸数慶子さんらが視察した際のビデオ「カジノの街はいま 韓国編・マカオ編」が上映された。
韓国・ソウルから車でおよそ3時間、ひなびた山村の高台に忽然と現れる「江原(カンウォン)ランド」は、韓国人が入れるカジノとして2000年にオープンした。地場産業だった炭鉱が閉鎖され、地域再生の目玉として提起されたのが「ゴミ処理場」、「核廃棄物処理施設」、そしてカジノだったという。
この三つの中から選ぶとしたらカジノしかない。カジノがくれば、雇用が増え、観光客が殺到して税収が増え、町は活気づく……そのはずだったが、数年後には風俗店と質屋とサラ金が立ち並ぶ異様な町へと変貌した。増えたのはギャンブル依存症患者、自殺、犯罪。減ったのは人口、とくに治安の悪化や風紀の乱れから若い世帯が引っ越し、子どもたちの姿が消えたという。「カジノは経済再生の起爆剤となると信じていたが、間違いだった。後悔している」と推進派だった男性は、肩を落とす。
マカオ編では、カジノで働く女性が証言する。「24時間たばこの煙が充満する閉鎖的な賭場での交代制勤務はきつく、体を壊した。給料がいいときもあったが、子どもにはさせたくない仕事」
ショックだったのは「カジノとホテル、食事そして女性がセットでいくら」と表示する広告が、町のあちこちに貼られている風景。賭博に売春はつきもの。カジノ反対に、女性たちがまず声をあげる必然を感じる。
続いて糸数さんから、沖縄でのカジノ問題についての報告があった。沖縄では1972年の本土復帰時から、カジノ誘致の動きがあったという。「本土に追いつくためにはカジノを」という経済団体、自民党と、「沖縄の豊かな自然、文化、芸能を子どもたちに残そう」という教職員組合や女性団体を中心とする県民のせめぎ合いが続き、時の政治情勢に左右されながらも、なんとか踏ん張っているのだという。「戦いはあきらめたら終わり。カジノの要らない横浜を目指して、がんばってほしい」。基地に限らず、さすが沖縄の戦いは粘り強い。見習わなければ……。
その後は、呼びかけ人となった福島みずほさん、あべともこさんら国会議員、神奈川県議会、横浜市議会の女性議員、市民グループの女性たちからのメッセージが相次いだ。「経済効果と言うけれど、市長は業者が作った資料をそのまま提示するだけ」「依存症や治安悪化に対する対策はしっかりやると言うけれど、その費用は収入の倍かかるという調査報告も。そんなものはやらないのがいちばん」「横浜市のパブリックコメントでは、90%以上が反対。市長は市民の声を聞け」「市長のリコール、住民運動。なんでもできることからやりましょう」「カジノより中学校給食を」「国土交通省がやるべきは、カジノでなく災害対策、迅速な救援」。万雷の拍手と「そうだ!」の声援。360名の参加者が一体となった集会だった。
ギャンブル依存症患者の増大だけでなく、反社会的勢力の参入、政治家・役人の利権の温床になるなど、カジノの弊害は明々白々だが、一方で「税収が増えて、市民に還元される」「シンガポールでは成功している。依存症や犯罪も減少傾向にある」「カジノはだめで、パチンコはいいの?」「賭け事には興味ないから、関係ない」など、賛成派、無関心派も少なくない。
賭け事イコール不道徳というだけでなく、「世界的に見てもカジノはもはや斜陽産業。地域経済活性化どころか、将来に禍根を残す」という認識を周知して、市民が誇れる、持続可能な街作りを目指したい。
(田端薫)
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昨日の朝日新聞(2012年1月8日、14版、p.4)に、
『再生日本政治/貧困の多数派 歯止めを』(経済評論家 内橋克人さん)
というインタビュー記事(聞き手・園田耕司)が出ている。朝日新聞デジタル(http://digital.asahi.com/20120108/pages/politics.html)には記事が出ているようですが、asahi.comの方には出ていないようです。大変に勿体無いと思いますけどね。
日本で新たな階層が。「国民皆年金など基礎的な社会保障からさへも排除された人たちが多数派となる『貧困マジョリティー』だ。グローバル化やマネー資本主義が進み、非正規雇用が増えて中間層が崩壊する社会の到来」。
『うっぷん晴らし政治』。「・・・大阪市の橋下徹市長の『ハシズム現象』も貧困マジョリティーの心情的瞬発力に支えられている・・・。『地方公務員は特別待遇を受けている』とバッシングし、閉塞状況下の欲求不満に応えていくやり方だ」。『創』や『週刊金曜日』で中島岳志さんも同様なことを述べておられる。『●大阪元〝ト〟知事、重いツケ、将来への大きな禍根』でも触れた。
「◆橋下主義=ハシズムを支えるもの 中島岳志」
(『週刊金曜日』、2011年12月23日 877号)
(http://www.kinyobi.co.jp/backnum/tokushu/tokushu_kiji.php?no=2340)
「◆既得権益バッシングが格差に苦しむ若者を熱狂させる
橋下徹「ハシズム」を支えているものは何か 中島岳志」
(『創』、2012年12月号)
(http://www.tsukuru.co.jp/gekkan/2011/index.html)
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うちはし・かつと 1932年生まれ。神戸新聞記者を経て経済評論家。
90年代から一貫して市場原理至上主義、新自由主義的改革に警鐘を鳴ら
してきた。主な著書に「悪夢のサイクル―――ネオリベラリズム循環」
「共生経済が始まる」など。
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政治的閉塞感が国民の方向性を誤らせる。「・・・ヒーロー待望論ほど異常なものはない。・・・『頂点同調主義』・・・『熱狂的等質化現象』が一体となる。『うっぷん晴らし政治』の渇望・・・。グローバリズムが生み出した『貧困ファシズム』の培地となりかねない」。
さらに悪化の方向へ。「グローバル化の流れは変わらず、市場原理主義のもとで、貧困マジョリティーを生み出す『貧困の装置化』が進んでいる。消費税増税によって、零細企業や地域経済を支えてきた地場産業は、価格転嫁できずにコスト引き下げを迫られる。所得税なら稼いだ人がたくさん納めるが、日本型消費税は貧困マジョリティーを増幅させる『貧困の装置化』の手段になる」。斎藤貴男さんと同意見。
TPPについても。「・・・米シンクタンクは一貫して『投資の絶対的自由の保障』を求めてきた。・・・外資は日本政府を米国の経済法廷に訴えることができる。米企業はオーストラリアでの医療品への公的補助でさえ『自由市場に反する』と問題視している。日本の国民皆保険制度も目の敵にしているが、これは豊かな人も貧しい人も、ひとたび体を害せば医師にかかることができる制度で、国民的財産、社会的共通資本だ。それが毀損され、一部企業のビジネスチャンスになる。弱いところに社会的変動の影響が収斂する」。視点はコモンズにまで。『●TPP批判: 内橋克人さん』でも取り上げた。
目指すべき方向性。「私は新たな基幹産業として『FEC自給圏』を提唱してきた。FはFoods(食糧)。日本の穀物自給率は世界で124番目だが、食糧自給は国の自立条件で新たな産業も形成する。EはEnergy(エネルギー)。再生可能エネルギーとしてデンマークでは風力発電、太陽熱発電を推進し、エネルギー自給率が今では200%近い。日本は国策として原発に集中し、他の選択肢を排除した。CはCare(介護)。市場に任せるのではなく、社会による介護自給圏を形成すれば北欧諸国のように強力な産業になる」。「『うっぷん晴らし政治』ではなく、世界のモデルに目を向け、食糧、介護、エネルギーの自給圏を志向すべきだ。地味でも良いから、グローバル化の中で、それに対抗できる『新たな経済』を作ることが本当の政治の役割だと思う」。目指すべきは北欧型か? 「地味でも良いから」、というところにグッときた。