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●カルトとヅボヅボな自民党には《差別解消》など無理というもの…。馘首で幕引き? 《問われているのは首相自身の人権意識だ》(東京新聞)

2023年02月28日 00時00分21秒 | Weblog

[※ 「自民党と旧統一教会の闇」(週刊金曜日 1386号、2022年07月22日) ↑]


(20230215[])
カルトとヅボヅボな自民党には《差別解消》など無理というもの。《問われているのは首相自身の人権意識だ》(東京新聞)。一体どんなホシュ政党なのかね、《保守政党としての責任》(政界地獄耳)。

   『●朝日新聞スクープ…統一協会《関連団体…が…参院選や昨年の衆院選に
      おいて、自民党議員に対して「政策協定」への署名を求めていた》
    「日刊スポーツのコラム【政界地獄耳/「協定書」は旧統一教会側の
     保険になる】」
    《「旧統一教会側、自民議員に『政策協定』 選挙支援見返りに
     署名求める」は昨年の衆院選挙での話だが、安倍・菅政権の終えんで
     思うように付き合えなくなるのではないかという不安を抱え、
     自民党との関係を“政策協定”という形で担保しようとした
     教会側の考えが透けるが》
    「リテラ…【自民党と統一教会の新たなズブズブ関係が発覚!
     「政策協定」疑惑では大物幹部の名前、防衛副大臣は
     教団関係者に違法な便宜】」
    《関連団体が署名を求めたのは「推薦確認書」というもので、
     選挙で支援をおこなう見返りとして「憲法改正、安全保障体制の
     強化」や「家庭教育支援法および青少年健全育成基本法の制定
     「LGBT問題、同性婚合法化の慎重な扱い」「『日韓トンネル
     の実現を推進」などといった政策を取り組むことを求める内容
     教団関係者は〈全国各地で数十人規模に署名を求めた
     証言している〉という》

 《首相自身や政府・自民党が差別解消に後ろ向き》ということの現れ。《極めて差別指向に寛容》なキシダメ氏ら。《首相は国会で同性婚の法制化について「家族観や価値観、社会が変わってしまう課題」と答弁しており、答弁内容に荒井氏の差別意識が反映されたと疑われても仕方がない》。ヅボヅボ党は「理解増進法案」でさえ反対って、そもそも差別禁止法が必要だというのに…。
 東京新聞の【<社説>首相秘書官更迭 差別解消、法整備で示せ】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/229754?rct=editorial)によると、《LGBTなど性的少数者同性婚に対する差別発言で荒井勝喜(まさよし)首相秘書官が更迭された。岸田文雄首相は人事で幕引きを図ろうとしたのだろうが、問われているのは首相自身の人権意識だ。多様性を尊重するというなら、差別解消に向けた法整備にこそ指導力を発揮すべきではないか。》、《首相自身や政府・自民党が差別解消に後ろ向きな姿勢を変えない限り、丁寧に説明したところで意味がない。差別を認めないというのなら、法整備で示すべきだ》。

   『●ド「アホウ節」の《こんな人間が国家の中枢に入り込んでいること
     自体が、麻生風に言えば「みぞうゆう」の事態なのだ》(適菜収さん)
   『●軍事費倍増や増税について「多くの国民の理解を得た」? 繰り返される
      ド「アホウ節」…いつまでヅボヅボ党・下駄の雪党の独裁が続くの?』
   『●メディアの役割放棄…ド「アホウ節」を“麻生節”などと《政治家の嘘や
      デマをそのまま垂れ流すのではなく、たしなめるのがメディアの役割》
   『●〈こちら特報部〉《であれば、今はLGBT法整備に政策転換を。荒井氏
       の発言が内閣の考えでなく、「多様性」があることを証明できる》
   『●適菜収さん《誤解と言うなら、この短い発言の正しい解釈は何なのか?》
         …ことごとくヅボヅボ自民党議員の「誤解を招いたなら謝罪する」

 杉田水脈氏だけでなく、ウルトラ差別主義者もね。《広島サミットで「岸田君、君は差別主義者か」と各国から問われる日は近い》。
 【政界地獄耳/差別指向に極めて寛容な岸田首相】(https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202302070000029.html)によると、《荒井は更迭されたものの首相と考えを同じにしていたといえる。そもそも首相は差別主義者の杉田水脈を政務官に起用し、問題発言が続いていても更迭するそぶりも見せず、昨年末にやっと辞めさせるなど、極めて差別指向に寛容だ。》《英国BBCは今回の騒動を「日本は主要7カ国(G7)で唯一同性婚を認めていない」と報じた。今の自民党の理屈は硬直化した寛容さのない古くてダメな保守ではないのか。広島サミットで「岸田君、君は差別主義者か」と各国から問われる日は近い》。

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/229754?rct=editorial

<社説>首相秘書官更迭 差別解消、法整備で示せ
2023年2月7日 08時05分

 LGBTなど性的少数者同性婚に対する差別発言で荒井勝喜(まさよし)首相秘書官が更迭された。岸田文雄首相は人事で幕引きを図ろうとしたのだろうが、問われているのは首相自身の人権意識だ。多様性を尊重するというなら、差別解消に向けた法整備にこそ指導力を発揮すべきではないか。

 荒井氏は三日、同性婚の法制化に反対した上で「隣に住んでいたら嫌だ」「国を捨てる人、この国にはいたくないと言って反対する人は結構いる」などと記者団に語った。当事者を傷つける言語道断の発言で更迭は当然である。

 荒井氏は首相演説や答弁の作成を担当していた。首相は国会で同性婚の法制化について「家族観や価値観、社会が変わってしまう課題」と答弁しており、答弁内容に荒井氏の差別意識が反映されたと疑われても仕方がない

 自治体レベルでは同性カップルを婚姻に相当する関係だと証明する「パートナーシップ制度」導入が進むが、国レベルの取り組みは遅れ、同性婚やパートナーシップ制度を整備していないのは先進七カ国(G7)で日本だけだ

 LGBTへの差別を禁じる法律もなく、経済協力開発機構(OECD)による二〇二〇年の報告では、LGBTに関する法制度の整備状況で、日本は三十五カ国中三十四位に沈む

 同性婚法制化で国を捨てる人の行く先はG7には存在しない。法制化で社会が変わってしまうとの認識こそ変える必要がある

 超党派の議員連盟はLGBTに関する啓発を目的に「理解増進法案」をまとめたが、自民党の反対で国会提出は見送られた。

 自民党は二一年秋の衆院選で公約した理解増進に向けた議員立法を、昨夏の参院選で公約から削除するなど、世界的な潮流からは完全に孤立している。

 首相は施政方針演説で、社会的弱者を含む全ての人が生きがいを感じられる「多様性が尊重される社会」「包摂的な経済社会」を掲げながら、LGBTや同性婚に言及せず、その決意は疑わしい

 首相自身や政府・自民党が差別解消に後ろ向きな姿勢を変えない限り、丁寧に説明したところで意味がない。差別を認めないというのなら、法整備で示すべきだ。
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https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202302070000029.html

コラム
政界地獄耳
2023年2月7日7時27分
差別指向に極めて寛容な岸田首相

     (政府与党連絡会議であいさつする岸田首相(共同))

★1月26日の参院本会議での質問に答えて、首相・岸田文雄は同性婚制度に関し「わが国の家族のあり方の根幹に関わる問題であり、極めて慎重な検討を要する消極姿勢を貫いた。1日の衆議院予算委でも、同性婚の法制化について聞かれ「家族観や価値観、そして社会が変わってしまう課題否定的な答弁をしていた。

★3日夜、首相秘書官・荒井勝喜はLGBTなど性的少数者や同性婚について「隣に住んでいたら嫌だ。見るのも嫌だ」「(同性婚制度の導入となれば)社会が変わる社会に与える影響が大きい秘書官室もみんな反対する。同性婚を認めたら国を捨てる人が出てくる」などの発言が報じられた。スピーチライターなどの要職を担っていたというが、委員会などの答弁も書いていたという。荒井は更迭されたものの首相と考えを同じにしていたといえる。そもそも首相は差別主義者の杉田水脈を政務官に起用し、問題発言が続いていても更迭するそぶりも見せず、昨年末にやっと辞めさせるなど、極めて差別指向に寛容だ

★21年5月、LGBT法案が審議されていた時、自民党の部会では旧統一教会と近いとされる元国家公安委員長・山谷えり子が「体は男だけど自分は女だから女子トイレに入れろとか、ばかげたことはいろいろ起きている」とし、「しっかりと議論することが保守政党としての責任だ」と発言している。本当に保守の責任なのだろうか。英国保守党では1975年に女性首相・マーガレット・サッチャーを誕生させ、現在は東アフリカからイギリスに移住したインド系の両親をルーツに持つリシ・スナクが首相だ。自民党で女性首相や外国にルーツを持つ首相を自民党は認められるだろうか。英国BBCは今回の騒動を「日本は主要7カ国(G7)で唯一同性婚を認めていない」と報じた。今の自民党の理屈は硬直化した寛容さのない古くてダメな保守ではないのか。広島サミットで「岸田君、君は差別主義者か」と各国から問われる日は近い。(K)※敬称略
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●適菜収さん《誤解と言うなら、この短い発言の正しい解釈は何なのか?》…ことごとくヅボヅボ自民党議員の「誤解を招いたなら謝罪する」

2023年02月27日 00時00分28秒 | Weblog

[※ 《#素淮会(そわいかい)…麻生太郎財務相…「会合費」として約二千万円…支払先は料亭や会員制サロンなど》(東京新聞 2018年12月1日)↑]


/ (2023年02月13日[月])
何も誤解などしていないのだけれども? 《誤解と言うなら、この短い発言の正しい解釈は何なのか?》…ことごとくヅボヅボ自民党議員の「誤解を招いたなら謝罪する」的、醜悪な言い訳。
 日刊ゲンダイのコラム【適菜収「それでもバカとは戦え」/「誤解を招いたなら謝罪する」は自民党の常套句 更迭秘書官もステーキ会食首相もこのパターン】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/318562)によると、《謝罪するふりをして謝らない人は昔からいる。特に多いのが「誤解を招いたなら謝罪する」という言い方だ。要するに自分は悪くないが、発言を受け取った人が間違って理解したことに関しては「説明不足だった」と謝るということだ》。

 どいつもこいつもだ。(適菜収さん)《自民党はずっとこのパターン》、《菅は「国民の誤解を招くという意味で、真摯に反省している」と語ったが、意味不明。ステーキを食っていたという事実に誤解もクソもない》。

   『●麻生太郎氏「だれも気づかないでかわった。
            あの手口に学んだらどうかね」
    《発言を撤回した。「私の真意と異なり、誤解を招いたことは
     遺憾である」とか釈明していたが、驚いたことが2つある。
     ひとつは釈明文を読んだ際、「真意」を「しんし」と読み間違えた
     こと。もうひとつは、こんな紙切れ一枚で、幕引きが図れる
     と思っていることだバカにつける薬はない。さすがにヤバイ
     と思ったのか、1日の麻生は報道陣に囲まれると、いきなり、
     釈明文を読み上げ、発言を撤回した。ま、漢字の読み間違いは
     いつものこととして、釈明の理由は支離滅裂だ》

   『●確信犯なナチス擁護…ウルトラ差別主義者・麻生太郎殿の
         その体質は野中広務氏による大叱責でも変わらず
    《「あしき政治家の例として挙げた。真意と異なり誤解を招いた
     ことは遺憾だ」と釈明…「(政治家を志した)動機は問わない。
     結果が大事だ。何百万人を殺したヒトラーは、
     いくら動機が正しくても駄目だ」…「ヒトラーは動機においても
     誤っていたことも明らかだ。例示として挙げたことは
     不適切であり撤回したい」》

   『●上級「国民のために働く」カースーオジサン…《「国民の誤解を招いた
      のではないか…」…「自分は特別だが国民はダメよ」…上級国民思考》
    「ご自分や上級「国民のために働く。」カースーオジサン。
     「国民の誤解を招いたのではないかという指摘」って、誰が指摘?
     「国民の誤解を招くという意味」って、誰がそんな意味づけ?
     一体誰が、アレらの《事実について間違った理解や解釈を》したの
     でしょうね。自公お維支持者の皆さんだけでしょうかね?」
    《官房長官・加藤勝信は首相・菅義偉の大人数での会食について
     「国民の誤解を招いたのではないかという指摘は真摯(しんし)に
     受け止めなければならない」。その後、首相も「他の方との距離は
     十分にあったが国民の誤解を招くという意味においては
     真摯に反省している」》

   『●《国のトップとして未知のウイルスとどう戦うのか、どれほどの思い
     で自粛を要請しているのか――…明確なメッセージが伝わってこない》
    【<金口木舌>国民に目を向けて】…《…メルケル首相は昨年12月、
     「祖父母と過ごす最後のクリスマスになってしまうようなことは
     あってはならない」と感情をあらわにして不要不急の外出を控える
     よう訴えた。会食を批判され誤解を招いた」と釈明した菅義偉
     首相とは対照的だ ▼医療体制を維持し、国民の命を守るには
     自粛警察ではなく、国民に寄り添うリーダーのメッセージが必要だ。
     手元の資料を見て話すのではなく、国民にまなざしを向け、
     言葉を発してほしい

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https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/318562

適菜収 作家
近著に「ニッポンを蝕む全体主義」「日本人は豚になる」「思想の免疫力」(評論家・中野剛志氏との対談)など、著書45冊以上。「適菜収のメールマガジン」も始動。詳細は適菜収のメールマガジンへ。本紙連載が書籍化「それでもバカとは戦え」好評発売中


適菜収「それでもバカとは戦え」
「誤解を招いたなら謝罪する」は自民党の常套句 更迭秘書官もステーキ会食首相もこのパターン
公開日:2023/02/11 06:00 更新日:2023/02/11 06:00

     (この短い(差別)発言のなか、一体いつ誰がどこの部分を
      誤解したのか?(岸田首相と荒井勝喜前首相秘書官=左)
      /(C)日刊ゲンダ)

 謝罪するふりをして謝らない人は昔からいる。特に多いのが「誤解を招いたなら謝罪する」という言い方だ。要するに自分は悪くないが、発言を受け取った人が間違って理解したことに関しては「説明不足だった」と謝るということだ。

 先日、首相秘書官の荒井勝喜が記者団とのオフレコのやりとりで、同性婚制度の導入について「社会が変わる。社会に与える影響が大きい」「隣に住んでいるのもちょっと嫌だ」「同性婚を認めたら国を捨てる人が出てくる」などと発言。これを毎日新聞が問題視し、荒井に通告した上で発言内容を報道した。荒井は会見で「誤解を与えるような表現で大変、申し訳ない」と述べたが、一体いつ誰がどこの部分を誤解したのか。誤解と言うなら、この短い発言の正しい解釈は何なのか?

 荒井は「首相に申し訳ない首相がそういうことを考えているわけでもないのに、私個人の意見で迷惑をかけた」とも発言。結局、謝ったのは岸田に対してだけだった。

 岸田は荒井発言について「国民に誤解を生じさせたことは遺憾だ」、官房長官の松野博一は「岸田政権は多様性のある包摂的社会を一貫して目指しており、国民に誤解を生じさせたことは遺憾であり、おわび申し上げる」と「誤解という言葉を繰り返した

 岸田は荒井を更迭したが、荒井の発言は、同性婚の法制化に関し「全ての国民にとっても家族観や価値観、社会が変わってしまう課題と述べた岸田を擁護する文脈の中で飛び出したものである。

 そもそも岸田は差別発言を繰り返す杉田水脈を総務政務官に起用した人物だ。岸田はLGBTアイヌ民族性暴力被害者侮辱し問題になった杉田を「適材適所」とかばい続けた。最終的に辞任に追い込まれた杉田は「(発言に対する)信念を貫きたいと思う一方で、内閣の一員として迷惑をかけるわけにはいかない」「差別とかもしておりませんし、ただ、その真意が伝わりづらいのであろう」と捨てぜりふを吐いた。

 自民党はずっとこのパターン。2020年12月、新型コロナの感染が拡大し、政府が4人以下の会食を呼び掛ける中、菅義偉は8人でステーキ店で会食。菅は「国民の誤解を招くという意味で、真摯に反省している」と語ったが、意味不明。ステーキを食っていたという事実に誤解もクソもない。(文中敬称略)
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●大崎事件冤罪・原口アヤ子さん「あたいはやっちょらん」「やっちょらんもんはやっちょらん」「ちゃんと認めてもらうまでは死ねない」

2023年02月26日 00時00分05秒 | Weblog

―――――― (里見繁氏) 布川冤罪事件…《合計二〇人の裁判官が揃いも揃って、冤罪を見過ごし、検察の嘘を素通りさせた。彼らこそ裁かれるべきかもしれない》



/ (2023年02月12日[日])
NTV【NNNドキュメント’23/あたいはやっちょらん 鹿児島・大崎事件 「95歳の叫び」】(https://www.ntv.co.jp/document/backnumber/articles/1894tndd5kqpjiek0ts8.html)。元鹿児島県警捜査員「適正捜査だった」「自白偏重はだめだと徹底的に言われた時代。決して自白の強制はなかった」…本当だろうか? 原口アヤ子さん以外の3人 (一郎氏・二郎氏・太郎氏) が、無実なのに「自白」するだろうか? 志布志事件では何が起きたか? 在りもしなかった事件を、鹿児島県警から「強制的に自白させられた」…。

   『●『冤罪File(2009年12月号)』読了(1/2)
   『●GPJ「クジラ肉裁判」と検察審査会
   『●それは、職業裁判官の怠慢にすぎない
    「…など職業裁判官の怠慢の例は
     数え上げたらきりがありません。ましてや、福岡事件西武雄さん
     飯塚事件久間三千年さんといった無罪な人を死刑・私刑にして
     しまった可能性(控え目に表現しています)さえあります。村木厚子さん
     志布志事件の裁判結果などは極々稀な例です」

   『●『検察に、殺される』読了
    「『検察に、殺される』…。粟野仁雄著。…ガタガタの特捜。
     志布志事件…、氷見事件…。甲山事件…(松下竜一さん
     『記憶の闇』)。高知白バイ事件…。布川事件…。足利事件…。
     袴田事件…。村木厚子さん冤罪・証拠捏造事件…。」

   『●冤罪(その2/2): せめて補償を
    「飯塚事件久間三千年さんは、冤罪であるにもかかわらず、
     死刑を執行された。これは、被害者の遺族に対する、
     何と表現して良いのかわからないが……遺族の方たちも
     複雑な感情を抱いてしまうはずだ。/どんな背景や力学が
     働いたのかはそれぞれの事件によって異なるが、布川事件
     氷見事件東電OL殺害事件志布志事件村木厚子氏冤罪事件
     足利事件……、せめて賠償で報いる以外に方法が無いのではないか。
     しかし、その扉は当方もなく厚い。」

   『●「戦後70年 統一地方選/その無関心が戦争を招く」 
              『週刊金曜日』(2015年4月3日、1034号)
       「山口正紀さん【「可視化」口実の盗聴法大改悪 
        「刑事司法改革」法案】、「志布志事件の川畑幸夫さん
        …足利事件菅家利和さん…布川事件桜井昌司さん
        …冤罪被害者が声をそろえて「全面可視化を」と訴えた。
        …日弁連執行部の賛成で批判記事を書きにくいのかも
        しれないが、メディアは「冤罪をなくし、人権を守る」視点から、
        法案の危険性を是非伝えてほしい」。青木理さん「刑事司法改革
        …端緒は郵便不正事件・・・法務省に都合よく集約…
        日本の司法は中世なみ

   『●《黒田さんは「差別」と「戦争」を最も憎んだ。人々の幸福実現が
     新聞の最大の使命なら、それを最も阻害するのが差別と戦争だからだ》
    《…志布志事件の被害者川畑幸夫(さちお)さんの聞き書き
     「一歩も退(ひ)かんど」…》

   『●《冤罪事件というのは、最終的に再審などで無罪が証明されたと
     しても、その間に失われた時間は二度と取り戻せない。桜井昌司氏は…》
    《布川事件の再審無罪決定と相前後して、足利事件氷見事件
     志布志事件、そして村木厚子さんの郵便不正事件などで次々と
     衝撃的な冤罪が明らかになったことを受けて、公訴権を独占する
     上に、密室の取り調べが許される検察の暴走が冤罪を生んでいる
     との批判が巻き起こり、2009年に民主党政権下で刑事訴訟制度の
     改正論議が始まった。しかしその後、政権が自民党に戻る中、
     一連の制度改正論議の結果として行われた2016年の刑事訴訟法の
     改正では、むしろ検察の権限が大幅に拡大されるという
     信じられないような展開を見せている

 弁護団は、そもそも殺人事件ではなく、「事故」の可能性を指摘。遺体はなぜ「堆肥の中に」? 冤罪の原口さんにそこまで解明しろ、とでもいうのだろうか?
 「父、母が刑務所に行った人たち、人殺しだと世間の人たちから一生言われる」「娘とか孫、窓の子供まで関わるから」「罪だけは晴らさなくては生きていたくない」。「やっちょらんもんはやっちょらん」「ちゃんと認めてもらうまでは死ねない」。

 大崎事件は冤罪である。一貫して「あたいはやっちょらん」、原口アヤ子さんの懸命の叫びはなぜ裁判官には届かないのか?

 再度書く。何度でも書く。………そして、なんでこんな決定になるのだろう? 鹿児島地裁・中田幹人裁判長、なぜ? 「あたいはやっちょらん」、原口アヤ子さんの懸命の叫びは裁判官には届かない…。《これまでに地裁、高裁で3度再審開始が認められたが、いずれも検察側の不服申し立てを受け、2019年には最高裁が、鹿児島地裁、福岡高裁宮崎支部の開始決定を取り消していた》、かつて、最「低」裁ちゃぶ台返ししている。
 山口新太郎記者による。西日本新聞の記事【【速報】大崎事件、再審開始を認めず 95歳、43年前の殺人 鹿児島地裁が第4次請求を棄却】(https://www.nishinippon.co.jp/item/n/944293/)によると、《鹿児島県大崎町で1979年に男性=当時(42)=の遺体が見つかった「大崎事件」で、殺人などの罪で懲役10年が確定し、服役した原口アヤ子さん(95)が裁判のやり直しを求めている第4次再審請求に対し、鹿児島地裁(中田幹人裁判長)は22日、請求を棄却する決定を出した。弁護団は即時抗告する方針。》

   『●知らなかった冤罪事件: 鹿児島大崎事件
   『●飯塚事件の闇…2008年10月16日足利事件の
       再鑑定で死刑停止されるべきが、10月28日に死刑執行
   『●NNNドキュメント’13: 
      『死刑執行は正しかったのか 飯塚事件 “切りとられた証拠”』
   『●「飯塚事件」「福岡事件」「大崎事件」
       ……に係わる弁護士たちで『九州再審弁護連絡会』発足

   『●「あたいはやっちょらん」の叫び!…
      「だれより責任の重いのが…でっち上げを追認した裁判官」
   『●39年間「あたいはやっちょらん」、
     一貫して無実を訴えてきた90歳の原口アヤ子さんに早く無罪判決を

   『●冷酷な司法…【NNNドキュメント’18/
      あたいはやっちょらん 大崎事件 再審制度は誰のもの?】
   『●大崎事件…再審するかどうかを延々と議論し、
      三度にわたる再審開始決定を最「低」裁がちゃぶ台返し
   『●《家族への脅迫状…「苦しみ抜いて一人で罪をかぶろう 
         としているのに許せない。もともと無実なのだから」》
    「大崎事件について、《元裁判官の木谷明弁護士…
     「無実の人を救済するために裁判所はあるのではないのか」》と。
     【報道特集】…によると、《”伝説”の元裁判官~冤罪救済に挑む…
     無罪判決を30件も出し、全てを確定させた元裁判官。
     退官後、81歳となった今、冤罪救済を目指す弁護士として裁判所に
     挑んでいる。そこで直面した裁判所の現状とは》。
     『イチケイのカラス』…のモデルの一部になっているらしい」

   『●山口正紀さん《冤罪…だれより責任の重いのが、無実の訴えに
            耳を貸さず、でっち上げを追認した裁判官だろう》
    《四十年間も潔白を訴えていた大崎事件(鹿児島)の原口アヤ子さんに
     再審の扉は開かなかった。最高裁が無実を示す新証拠の価値を
     一蹴したからだ。救済の道を閉ざした前代未聞の決定に驚く。
     「やっちょらん」-。原口さんは、そう一貫して訴えていた。
     殺人罪での服役。模範囚で、仮釈放の話はあったが、
     「罪を認めたことになる」と断った。十年間、服役しての
     再審請求だった…「疑わしきは被告人の利益に再審請求にも
     当てはまる。その原則があるのも、裁判所は「無辜(むこ)の救済」
     の役目をも負っているからだ。再審のハードルを決して高めては
     ならない》
    「再審するかどうかを延々と議論し、《三度にわたり再審開始決定
     出ながら》、最後に、ちゃぶ台返し。最「低」裁は何を怖れている
     のか? 誤りを潔く認めるべきだ。山口正紀さん、《冤罪は警察・
     検察だけで作られるものではない。…マスメディアにも責任…。
     だが、だれより責任の重いのが、無実の訴えに耳を貸さず、
     でっち上げを追認した裁判官だろう》。」

   『●《周防正行さんが「あたいはやっちょらん。大崎事件第4次再審請求
     ・糾せ日本の司法」と銘打ち、インターネット上に立ち上げた…CF》
   『●憲法《37条1項が保障する『公平な裁判所による裁判を受ける権利』が
       侵害され》ている…飯塚事件、大崎事件の裁判に「公正らしさ」は?
   『●原口アヤ子さん・大崎冤罪事件…《被害者は自転車事故による出血性
     ショックで死亡した可能性があり「殺人なき死体遺棄事件」だった》?

 またしても同じ疑念が頭に浮かぶ ――― 《狼は本音を明かす。「おまえがどんな言い訳をしても食べないわけにはいかないのだ」》。原口さんが物言えぬようになることを待っているのではないか…なんという冷酷・冷血か。「自らの責任を回避するために、検察は奥西勝さんという冤罪死刑囚の死を持っているとしか思えない。裁判所がそれに加担しているのだから、全く冷酷な人たちである」。

   『●冤罪死刑囚の死を待ち、責任を逃れようとする冷酷な人々
   『●血の通わぬ冷たい国の冷たい司法: 「奥西勝死刑囚(87)
                  ……死刑囚の心の叫び」は届かず
   『●司法権力の〝執念〟:映画『約束 名張毒ぶどう酒事件 死刑囚の生涯』
    《別の意味で恐るべし、司法権力の“執念”

   『●袴田事件…検察=《狼は本音を明かす。
      「おまえがどんな言い訳をしても食べないわけにはいかないのだ」》

 何度でも、引用する。斎藤貴男さんのコラムの一部―――――― 最「低」裁を頂点とする司法に失望してばかりだが、最近、衝撃を受けたことを再掲。(斎藤貴男さん)《当時、「週刊文春」の記者だった私は、彼を殺人犯に仕立てた連中に、「今のお気持ちは」と尋ねて回る取材を仰せつかったのだが、凄まじい成果を得てしまった。「犯人は梅田だと上が言うから逮捕したまで証拠なんかねえよ」と、元刑事は笑ったし、元裁判官は、「判決とは国家の意思なんだ真犯人なんか誰でもいい裁判所が死刑だと言えば吊るせばいい無期だと言ったらつなげばいいんだ」と、力説してくれたものである》…。

   『●裁判員制度反対…「冤罪もあることですし、あたしは死刑制度に反対
       です。人の命を、自民党の人たちみたいに軽く考えられないので」

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https://www.ntv.co.jp/document/backnumber/articles/1894tndd5kqpjiek0ts8.html

2023年1月29(日) 24:55
あたいはやっちょらん
鹿児島・大崎事件 「95歳の叫び」

43年前、鹿児島県大崎町で牛小屋の堆肥の中から男性の遺体が見つかり、義姉の原口アヤ子さん(95)が殺人犯とされた。物的証拠がなく共犯者の親族の自白だけで有罪となった原口さん。冤罪を訴えるも再審の扉は開かず、認知症が進み今は入院生活を送る。事件を調べ直した記者が感じたいくつもの疑問。会いたい…コロナ禍で厳重警戒の中、許された面会。もう話すことができなくなった原口さん心の叫びに耳を傾ける

ナレーション/田丸裕臣  制作/鹿児島読売テレビ  放送枠/30分

再放送
2023年2月5日(日)5:00~/24:00~ 日テレNEWS24
2023年2月5日(日)8:00~ BS日テレ
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●和氣正幸氏《…足元の世界では本屋の灯りが増え続けていることを強く感じる。しかもそれは都心部だけではない。全国各地にある》

2023年02月25日 00時00分43秒 | Weblog

[※ アサヒコム(2007年9月22日)↑:「69年、出版された『豆腐屋の四季』を手にする松下竜一洋子夫妻=松下洋子さん提供」(http://www.asahi.com/travel/traveler/images/TKY200709220092.jpg)]


(2023年02月11日[土])
和氣正幸氏《…「多様な世界へ飛び立てる本」…「世界に幅と揺らぎあれ」…「もしかしたら多くの人が見落とすかもしれない視点や考え方を拾い上げていくこと」…》。さらに、《たしかに、全体の書店数は減っている。出版市場も縮小していくだろう。だが、このように見ていくと大手メディアで流布される暗い言葉とは裏腹に足元の世界では本屋の灯りが増え続けていることを強く感じる。しかもそれは都心部だけではない。全国各地にある》。
 《勉強とは本である、本とは勉強である》(小川書店・小川頼之さん)…「日々読学」を掲げる、当ブログ。本屋さんに、是非とも、頑張ってほしい。《活字離れ出版不況。暗いニュースが報じられる一方、小さな本屋さんが全国的に生まれている》という、とても嬉しい小さな朗報。

   『●長周新聞の書評『一万円選書』(岩田徹著)…《わざわざいわた書店に
     注文するのか。…「これは!」と思える本との出会いを求めているからだ》
    「「いわた書店」店主の岩田徹さんの「一万円選書」を知ったのは、
     『セブンルール』にて。「隆祥館書店」店主の二村知子さんの回。
     【7RULES あなたに「ルール」はありますか?/「隆祥館書店」店主
     二村知子 (9月1日(火))】。《一万円選書》として、松下竜一さんの
     『豆腐屋の四季』が選ばれていて、とても嬉しかった。」

   『●《本屋はないと困る。そう思ってもらえるようにしたい》、《勉強
      とは本である、本とは勉強である。》(小川書店・小川頼之さん)
    《減り続ける「街の本屋」の魅力や、厳しい現状を伝えようと、
     東京都内の中小書店が加盟する東京都書店商業組合(千代田区)が
     PR動画を作り、ユーチューブの公式チャンネルに公開した。
     動画制作に携わった映画監督の篠原哲雄さん(60)は
     「本屋は本と人とをつないでいるものそれぞれの本屋さんが
     おもしろく、印象的だった。ぜひ動画を見てほしい」と話す。
     (奥野斐)》

 和氣正幸氏による、週刊朝日の記事【書店が増えている!? 「行きたい本屋」から「やりたい本屋」へ】(https://dot.asahi.com/wa/2023020200011.html)によると、《活字離れ出版不況。暗いニュースが報じられる一方、小さな本屋さんが全国的に生まれている。本屋ライターで本屋のアンテナショップの店主でもある和氣正幸さんがそんな本屋さんの現在を報告。》、《もう一店紹介したいのは福岡県糸島市に昨年3月にできたばかりのAll Books Considered(以下、ABC)である。 中田健太郎氏をはじめとした大学生が4人で運営するこの店は、1階にある棚貸し本屋「糸島の顔がみえる本屋さん」(以下、糸かお)からはじまった》。

   『●東京電力原発人災で失われた内在的価値
   『●「糸島ブランド」が泣いている: 
     安全神話に乗っていて「原子力正しい理解で豊かな暮らし」なのか?
   『●三上智恵監督『標的の村』上映会後援「不承諾」の理由
              ……「糸島ブランド」が泣いている

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https://dot.asahi.com/wa/2023020200011.html

書店が増えている!? 「行きたい本屋」から「やりたい本屋」へ
2023/02/06 11:30
和氣正幸

     (COWBOOKS(撮影・和氣正幸))

 活字離れ出版不況。暗いニュースが報じられる一方、小さな本屋さんが全国的に生まれている。本屋ライターで本屋のアンテナショップの店主でもある和氣正幸さんがそんな本屋さんの現在を報告。

【写真】こだわりの本屋がこちら(全10枚)

*  *  *

 本屋が増えている。

 突然そんなことを言われても驚く読者が多いとは思う。活字離れや出版不況という言葉が生まれてから久しい。しかしそれでもなお筆者は言いたい。本屋は増えているのだ。

 ただしここでいう本屋とは個人、あるいは少人数のチームで運営され、新刊と古書を併売することもあり、小さいながらも品揃えやイベント、空間演出などそれぞれが独自の光を放つ店のことだ。筆者は本屋ライターとして10年以上そうした独立書店とも呼ばれる店のことを追ってきたのだが、ここ数年の増加数は筆者も驚くくらいのペースなのだ。

 まず紹介したいのは鳥取県の湯梨浜町に2015年にオープンした汽水空港だ。

     (汽水空港(鳥取県湯梨浜町)撮影・和氣正幸)

 「多様な世界へ飛び立てる本」として思想や哲学に建築、映画、旅、植物など店主が丁寧に選んでいる本が並び、併設されたカフェでゆっくり読むことができる。月に2、3回トークイベントも行い、近所のお客さんだけでなく鳥取、島根、岡山など、半径100キロ圏内から本好きが訪ねてくる。

 18年には店舗を増築工事しリニューアルオープン。近頃は自分たちが借りた畑を「食える公園」と称して開放、誰もが農作業でき収穫もできる試みを行っている。

 本屋を目指すなら新刊書店や古書店、少なくとも出版業界で経験を積むというのが一般的な認識かと思うが、店主のモリテツヤ氏がまず学んだのは農業だった。理由は「最低限死なずに本屋を続けるため」。都心部から離れ、縁もゆかりもない鳥取にツテを頼ってたどり着いた。資金を貯めるために左官屋のもとで働き、その技術をベースに格安で借りた小さな廃屋をリノベーションして本屋をはじめた。

 経営もはじめこそ厳しくアルバイトをしながらの運営だったが、現在では汽水空港の売り上げだけで家族3人が暮らしていけるようになったというから驚く。「世界に幅と揺らぎあれ」と掲げられたコピーもまたモリ氏を表しているようだ。

 もう一店紹介したいのは福岡県糸島市に昨年3月にできたばかりのAll Books Considered(以下、ABC)である。

 中田健太郎氏をはじめとした大学生が4人で運営するこの店は、1階にある棚貸し本屋「糸島の顔がみえる本屋さん」(以下、糸かお)からはじまった。

 棚貸し本屋(シェア型書店とも呼ばれる。以下、棚貸し本屋で統一)とはボックス型の本棚を一箱ずつ月額制で貸し出すことで家賃など固定費を捻出するスタイルの本屋のことだ。

 中田氏は糸かおの21年9月のオープン当初から棚を借りていたが、もっと大きく展開したいと2階の部屋に移った。蔵書だけでなく新刊を販売するためのルートも自ら開拓し、家賃を払って契約しABCをはじめたのだ。大学生が、である。

 販売するのは新刊/古本にメンバーによるリメイク服。選書は4人で話し合って決めているが、フェミニズムやアナキズムといった思想の本から、本屋大賞で選ばれるようなエンタメ本まで幅広い。共通しているのは「もしかしたら多くの人が見落とすかもしれない視点や考え方を拾い上げていくこと」だ。

 「10年前、20年前にはオタクと言われ蔑(さげす)まれていたものが、いまではクールジャパンと言って多くの人に支持されています。いまでもそういうことは起きていて、そういうものがカルチャーをつくっていくと僕たちは思っています」とメンバーの一人の斎藤楓季氏は話す。

 本に限らず服に対しても思いは同様で、誰かと語り合いたくなるようなものを置いている。そういった物たちが四畳半という狭い空間にあるのだ。当然、お客さんと自然に話が弾むことも多い。自分たちより上の世代のお客さんから本の話以外にも思い出話など、ときには何時間も話すこともあるそうだ。

 今後の展望を聞くと「もしかしたら10年後には違うことをしているかもしれません。ですが、根底にある“自分たちが良いと思えるものを紹介したい”という気持ちは変わらないと思います」と話してくれた。

 若いながらも言葉を選びながら自身の思いを話し、それを実践していく姿は応援したくなるもので、福岡に行く際には必ず訪ねようと思えた。

     (ユトレヒト(撮影・和氣正幸))


■「行きたい」から「やりたい」へ

 以上、長くなったが筆者が知りうる店の中でもいま一番気になる本屋を紹介した。共通しているのは小規模店であり空間が限定されているが故に選書や空間演出に店主の思いや人柄が色濃く反映されていることだ。

 話を戻そう。本稿で筆者が言いたいのはこういった本屋の数が増えているということである。

 具体的な数値面について客観的なデータがないので筆者が知っている限りのものとなるが、開業数だけを追ってみても、2015年、16年が6店、17年に17店と2倍以上になり、18年が15店、19年25店、20年には35店もの開業があった。

 21年はそこからさらに増え79店となり、22年は少し落ち着いて50店だったが、それでも5年前と比べると約3倍のペースで増えていることがわかる(古書店や私設図書館等も含む)。

 要因はいくつかあるが、時系列に沿って言えば、2000年代に「こんな本屋に行ってみたい」 「こんな本屋を自分も開いてみたい」と思わせてくれるような店のオープンが相次ぎ、10年代前半には本屋の概念の拡張が行われ「自分でもできるかも」と思えるようになった。10年代後半は、本屋になるための具体的な道筋が広まり、20年代になると継続性に難点のある本屋のビジネスモデルにあたらしい風がもたらされた。その結果として開業数が増加している現在へと至る。

 どこをスタート地点に持ってくるかは難しいところだが、1986年の「遊べる本屋」と銘打ち本と雑貨をシームレスに売り出す手法が斬新だったヴィレッジヴァンガード1号店(愛知県名古屋市)開店を始まりとしたい。次のトピックスは96年まで飛ぶ。文脈棚という本の内容を緩やかにつなげていくことで棚をメディアとして価値づけた往来堂書店(東京都文京区)のオープンがこの年なのである。

 2000年にはブックカフェの先駆け的存在火星の庭(宮城県仙台市)が生まれ、02年は「暮しの手帖」元編集長・松浦弥太郎氏がCOWBOOKS(東京都目黒区)を開き古本屋をカッコいいものとして世の中に提示した。

     (ブックスキューブリックけやき通り店
      (福岡市中央区)撮影・和氣正幸)
     (スタンダードブックストア(撮影・和氣正幸))

 さらに、アーティストや作家が個人で少部数出版する本(ZINE)を広めたユトレヒト(東京都渋谷区)や、福岡のブックスキューブリック(福岡市)、大阪と言えばここ、スタンダードブックストア(大阪市天王寺区)、京都の恵文社一乗寺店(京都市左京区)がセレクト書店の元祖と呼ばれるようになったのも同じ時期だ。

     (本屋B&B(撮影・和氣正幸))

 12年には「これからの街の本屋」を謳う本屋B&B(東京都世田谷区)がオープン。ビールが飲めてほぼ毎日イベントを開催する場所として本屋のイメージを革新した。

 そうして13年、同店の共同オーナーでもある内沼晋太郎氏が『本の逆襲』(朝日出版社)で“広義の本に関わる仕事、それをあらためて「本屋」と呼ぶとしたら”と書き、本と本屋の可能性を広げた。現在のように多様な本屋が広がった契機のひとつである。

     (双子のライオン堂(撮影・和氣正幸))

 さらに同氏は14年から「これからの本屋講座」をはじめ、本屋ルヌガンガ(香川県高松市)や本屋イトマイ(東京都板橋区)など全国各地に卒業生を送り出した。筆者も同時期に双子のライオン堂(東京都港区)・竹田信弥氏と「本屋入門」をはじめ、同様に書肆スーベニア(東京都台東区)やワグテイルブックストア(神奈川県横浜市、古書店)などの卒業生を輩出している。


■ノウハウの開示 直接取引の増加

     (本屋Title(東京都杉並区)撮影・和氣正幸)

 こうした本屋が増えるきっかけとなったのは、本屋Title(東京都杉並区)店主・辻山良雄氏が17年に出した本『本屋、はじめました 新刊書店Title開業の記録』(苦楽堂、後にちくま文庫)である。同書で辻山氏は開店の経緯はもとより事業計画書まで公開した。試算であるとはいえ経営の内実が本という形で公開されたことは、開業希望者にとって大きな希望だったに違いない。翌年、内沼氏が『これからの本屋読本』(NHK出版)を出したことで、事実上ブラックボックスだった本の仕入れ方法も公開された。

 どういうことかというと、一般的に新刊書店を始めるためにはまず取次と呼ばれる出版業界の問屋と契約する必要があるのだが、これがハードルが高い。というのも契約時に保証金として売上予想額の数カ月分が必要なのだ。

     (BOOKSHOP TRAVELLER(撮影・和氣正幸))

 委託販売なので時間を置けば返品され、お金が戻ってくるとは言え、粗利率は約2割である。これはつまり一冊の本を売ったとして、その価格が例えば1600円(以下すべて税抜き)だとしたら約320円の利益になるということだ。この利益の中から人件費や家賃を支払い返済もしなければならないとすれば、二の足を踏むのも仕方がないというものである。

 とはいえ当時から買い切りではあるが契約時の保証金が必要なく、粗利率も比較的良心的な取次も実はあった。子どもの文化普及協会や八木書店をはじめとした神田村と呼ばれる取次群などだ。

 さらに書店数の減少に反応してか、出版社が取次を介さず本屋と直接取引することも増えた(取次の手数料がない分、本屋の取り分が増える)。トランスビュー方式という取次代行と呼ばれる仕組みも本屋にとっては大きな味方だ。

 しかしそれでも新刊書店の急増には至らなかった。なぜなら、本屋を開きたい人にそういった情報が届いていなかったからだ。憧れはあったが、具体的にどうすれば良いかも分からず、調べても保証金のハードルで心折れるということが多かったことが推察される。筆者もそうだった。

 それが『本屋、はじめました』と『これからの本屋読本』の出版により状況が変わったというわけだ。本好きが、自分のなりたいものとして自然と本屋の開業を目指すことができる。そういう状況が作られたのである。

 加えて、前述した棚貸し本屋というビジネスモデルが世に広まったことも大きい。17年に月額制で棚を貸すことで成り立つはじめての本屋みつばち古書部(大阪市阿倍野区)、次いで翌年、筆者の運営するBOOKSHOP TRAVELLER(東京都世田谷区)がオープン、そして19年に生まれたブックマンション(東京都武蔵野市)はメディアでも大きく取り上げられた。

 棚貸し本屋は通常の小売りと違いコミュニティー運営という別のスキルが必要とはなるが、例えば、新刊書店が棚の一部を貸すことで、仲間を増やし経営の安定も図るという事例は近頃よく耳にする。独立書店開業数増加の要因の一つだろう。

     (冒険研究所書店(神奈川県大和市)撮影・和氣正幸)


■北極冒険家や大学生も

 さて、独立書店の歴史をここまで紐解(ひもと)いてきたわけだが、最後に現在の話をしたい。先に“本好きが、自分のなりたいものとして自然と本屋の開業を目指すことができる”ようになったと書いたが、ここ1、2年は特にこの意識が浸透してきているように思うのだ。

 例えばそれは他業種の開業者も多いことである。昨年11月オープンの本屋象の旅(神奈川県横浜市)は元不動産関係の営業職の方が開いた店だし、一昨年の5月には北極冒険家の荻田泰永氏が冒険研究所書店(神奈川県大和市)をオープンしている。

 例えばそれは、いままではできなかったような場所に本屋ができることである。昨年8月に生まれたTUG BOOKS(香川県土庄町)は小豆島にあるし、一昨年9月には佐渡島にnicala(新潟県佐渡市)が店を開いた。例えばそれは若者の登場でもある。先述したAll Books Consideredに加え大阪には昨年7月オープンの水野ゼミの本屋(大阪市北区)がある。どちらも運営するのは大学生だ。

 たしかに、全体の書店数は減っている。出版市場も縮小していくだろう。だが、このように見ていくと大手メディアで流布される暗い言葉とは裏腹に足元の世界では本屋の灯りが増え続けていることを強く感じる。しかもそれは都心部だけではない。全国各地にある。コロナ禍の中ではあるが、散歩の折に、あるいは里帰りの際にぜひ探して訪ねてみてほしい。きっとあらたな出会いが待っているから。(和氣正幸)

※週刊朝日  2023年2月10日号
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●《高市早苗…政治資金規正法違反の疑い…疑惑隠蔽のために「虚偽の領収書」を発行…さらなる証言を突きつけられるという事態に発展》

2023年02月24日 00時00分10秒 | Weblog

[※ 「自民党と旧統一教会の闇」(週刊金曜日 1386号、2022年07月22日) ↑]


 (2023年02月11日[土])
異次元のヅボヅボ、次元の異なるヅボヅボ…「政治とカルト」「アベ様とカルト」「自民党とカルト」「ヅボヅボ党とカルト」。自民党にマトモな議員っているのかね? …これも、どうせ、有耶無耶になるんでしょうけれどもね…。哀しく、情けない国です。

   『●『ヒトラー選挙戦略』へ推薦文を書ける 
     高市早苗氏は「公平」とか、「倫理」「法」とか口にできるのか?
   『●高市早苗氏が書籍『ヒトラー選挙戦略』へ推薦文:
                      20年前に既にその萌芽が

    《高市氏は国会議員になった翌年に、この本について「候補者と
     認知された瞬間から始まる誹謗、中傷、脅迫。私も家族も

     苦しみ抜いた。著者の指導通り勝利への道は『強い意志』だ。
     国家と故郷への愛と夢を胸に、青年よ、挑戦しようよ!」と
     推薦文を書いていたという》

   『●《閣僚としての器量に欠ける大臣がもう1人いた。…高市早苗だ。…
     閣僚が公に発言することがセキュリティー・クリアランスに不適格》
    「(斎藤貴男さん)《ならばなぜ、同じSC基準が首相や閣僚、
     与党政治家たちには適用されず、今回の組閣でも改善が
     徹底されなかったのか》?? 《要はセキュリティークリアランス
     (SC)でハネられ》ないのでしょうか?」

 あのウルトラ差別主義者の元財務相・副総理にも、ようやく、【麻生自民副総裁を刑事告発 パー券収入不記載で 「裏金の可能性」と専門家 自民主派閥で横行】(アジアプレス・インターナショナル、https://news.yahoo.co.jp/articles/cd2f85aafbee5bd1e61faf69d9cf9c9dd70db3e5)。これも、《◆「しんぶん赤旗」報道で発覚》。これまた、どうせ、有耶無耶になるに決まっています...。

   『●ド「アホウ節」の《こんな人間が国家の中枢に入り込んでいること
     自体が、麻生風に言えば「みぞうゆう」の事態なのだ》(適菜収さん)
   『●軍事費倍増や増税について「多くの国民の理解を得た」? 繰り返さ
     れるド「アホウ節」…いつまでヅボヅボ党・下駄の雪党の独裁が続くの?
   『●《相変わらず「麻生節」の何のと甘やかす。石原慎太郎の時もこう
     だったが、日本社会の根源的な愚劣さを見せつけられているようで悲しい》

 (適菜収さん)《安倍の周辺はこんなのばかりだが、安倍の総理復帰を猛烈にプッシュしていた高市早苗も同類だ。2014年9月にはネオナチ団体代表とツーショット写真を撮っていたことが発覚。高市は「思想信条が分かっていたら、会いもしなかったし、写真も撮らなかった」と釈明したが、過去にナチス礼賛本「HITLER ヒトラー選挙戦略」に推薦文を寄せていたことも判明。著者は自民党東京都支部連合会事務局広報部長だった小粥義雄だ。13年7月、麻生太郎は憲法改正をめぐるシンポジウムに出席し、「ある日気づいたら、ワイマール憲法が変わって、ナチス憲法に変わっていた。誰も気づかないで変わった。あの手口に学んだらどうかね」と発言。17年8月には、派閥研修会で「(政治は)結果が大事だ。何百万人も殺しちゃったヒトラーは、いくら動機が正しくてもダメなんだ」と述べている。ヒトラーの動機は正しいらしい。要するにナチス礼賛は現在の自民党の体質によるものであり、連中はうっかり本音を漏らしただけだ》。

 リテラの記事【高市早苗と赤旗が「政治資金規正法違反」報道でバトル! 高市が「赤旗」をデマ呼ばわりも領収書偽造や隠蔽工作の実名証言が次々】(https://lite-ra.com/2023/02/post-6261.html)によると、《だが、岸田政権にはいま、もうひとり、閣僚が追い詰められている。大手メディアは大きく報じていないが、じつは、高市早苗・経済安全保障担当相が政治資金規正法違反の疑いで刑事告発された上、高市大臣側が疑惑隠蔽のために「虚偽の領収書」を発行したという疑惑を「しんぶん赤旗 日曜版」が報道。ところが、高市大臣はこれを認めようとせず、「赤旗」の報道をデマ呼ばわりしたところ、さらなる証言を突きつけられるという事態に発展しているのだ》。

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https://lite-ra.com/2023/02/post-6261.html

高市早苗と赤旗が「政治資金規正法違反」報道でバトル! 高市が「赤旗」をデマ呼ばわりも領収書偽造や隠蔽工作の実名証言が次々
2023.02.06 07:30

     (高市早苗公式HPより)

 同性婚をめぐる荒井勝喜・首相秘書官の差別発言で、大批判を浴びている岸田政権。だが、岸田政権にはいま、もうひとり、閣僚が追い詰められている

 大手メディアは大きく報じていないが、じつは、高市早苗・経済安全保障担当相が政治資金規正法違反の疑いで刑事告発された上、高市大臣側が疑惑隠蔽のために「虚偽の領収書」を発行したという疑惑を「しんぶん赤旗 日曜版」が報道。ところが、高市大臣はこれを認めようとせず、「赤旗」の報道をデマ呼ばわりしたところ、さらなる証言を突きつけられるという事態に発展しているのだ。

 まず最初に、これまでの流れを整理しよう。事の発端は昨年、高市氏と、高市氏が代表を務める自民党奈良県第2選挙区支部の会計責任者(高市氏の公設第一秘書)を、上脇博之・神戸学院大学教授が政治資金規正法違反の疑いで奈良地検に刑事告発をおこなったことにはじまる。

 告発状などによると、第2選挙区支部は、2019年3月17日に大阪市で、2021年7月24日に奈良市で、それぞれ政治資金パーティを開催。対して、高市氏の選挙区である奈良県山添村の「自民党山添村支部」は、第2選挙区支部に「パーティチケット購入」費として各22万円を支出したことを政治資金収支報告書に記載していた。ところが、各22万円を受け取っているはずの第2選挙区支部の政治資金収支報告書には、山添村支部からの収入が記載されていなかったのだ。

 政治資金規正法では、1回の政治資金パーティで同一の者から20万1円以上のパーティ券の収入があった場合、金額や相手の名前などを記載することを義務付けており、不記載には5年以下の禁錮または100万円以下の罰金という罰則が設けられている。つまり、この高市氏が代表を務める第2選挙区支部には政治資金規制法違反にあたる不記載の疑いがあるとして、上脇教授は奈良地検に告発をおこなったのだ。

 政治資金規正法違反といえば、昨年末、自民党の薗浦健太郎衆院議員が政治資金パーティの収入を約4900万円も過少記載していたことが判明して議員辞職に追い込まれたことが記憶に新しいが、じつはこの一件も上脇教授が政治規制法違反の疑いで2021年に東京地検に薗浦氏の告発状を出したことがきっかけだった。

 ただ、じつのところ、パーティ券収入が記載されていないという問題はとくに自民党議員に頻発しており、メディアなどから不記載の指摘を受けると議員の事務所側は「事務的なミス」「確認漏れだった」と言い訳し、「直ちに訂正する」などと対応することで違法性の追及から逃げ、有耶無耶にしてきた

 ところが、高市大臣は今回の政治資金規正法違反の告発に対し、驚きの対応に打って出る


■違法の証拠である領収書が差し替え! 高市早苗大臣に都合のいい内容に…

 この告発を受けて「しんぶん赤旗 日曜版」編集部が、昨年より取材を開始したところ、高市氏が代表を務める第2選挙区支部の会計責任者が、12月16日におこなわれた同編集部の取材に対し、奈良地検から呼び出されたことを認めながらも、「山添村支部に販売したパーティー券は、19年は20万円分、21年は12万円分だ。先方が勘違いして22万円と記載した」と主張したのだ。

 しかし、「赤旗日曜版」は、2019年に山添村支部が第2選挙区支部に22万円を支出したことを示す振り込み明細と、2021年に山添村支部から第2選挙区支部が22万円を受け取ったことを示す領収書の写しを入手していた。また、購入した側の山添村支部の会計責任者も赤旗の取材に「支部では(パーティー券を)11枚購入し、11人が参加した。高市さん側から案内があり、行く人を募ったところ、11人だった」と具体的に証言していた。

 ところが、高市大臣が代表を務める第2選挙区支部側は「山添村支部側が間違っている」「山添村支部には12万円分しか買ってもらっていない」などと主張。

 しかも、「赤旗日曜版」の取材から3日後、山添村支部が高市大臣側の主張どおりに2021年分の政治資金収支報告書を訂正したのだが、「赤旗日曜版」によると、〈違法の疑いの“証拠”である22万円の領収書を、編集部の取材後に第2選挙区支部が再発行した12万円分の領収書に差し替え、奈良県選挙管理委員会に提出〉したという。

 「赤旗日曜版」は、この「領収書差し替え」について、1月15日号で〈違法の疑いの“証拠”を“亡きモノ”とした〉と指摘。上脇教授も「山添村支部の支出が22万円だった場合、高市氏側の不記載となる。その訂正を免れるため高市氏側が虚偽の領収書を再発行し、山添村支部側に虚偽の報告をさせた疑いが出てくる」「領収書は支出側と受領側が取り交わした証明書だ。告発後に違法の“証拠”となる領収書を差し替えるなど聞いたことがない違法性を否定するために虚偽の領収書を発行したとすればこれ自体が重大問題だ」とコメントした。

 だが、この「赤旗日曜版」の報道に高市大臣は強気の姿勢に出た。13日におこなわれた閣議後会見で、日本テレビの記者がこの問題について質問すると、「まったく事実ではない」「『(領収書を)差し替えた』という件に強く抗議したい」「強く憤っている」と報道を否定。さらに、高市大臣は、1月16日にこうツイートした。

〈共産党の「赤旗」の報道で大迷惑をしていますが、私が支部長を務める自民党奈良県第二選挙区支部は、正しい領収書を発行し、正確な収支報告をしています。事務的ミスをした他の地域支部が収支報告を修正したまでの話です。〉

 つまり、高市大臣は「領収書差し替え疑惑」を全面否定し、報道に対し「強く憤っている」「大迷惑をしている」と怒りをあらわにしたのだ。

 しかも、高市大臣のこうした“怒りの表明”によって、高市応援団やネトウヨまとめサイトなどは「しんぶん赤旗がデマ!」「赤旗はデマで高市さんを引き摺り下ろす作戦したが失敗しました」「赤旗はちゃんと訂正したの?」などと赤旗の報道をデマ扱い他のマスコミも後追いや疑惑を深掘りすることはなかった


■高市早苗大臣は「山添村支部のミス」と説明するが、そんなミスあり得るのか?

 だが、高市大臣が“身の潔白”のためにおこなった説明は、かなり不自然なものだった。

 まず、高市大臣の説明によると、第2選挙区支部が22万円を集金した際に山添村支部宛で領収書を発行したが、そのあとすぐに電話がかかってきて「山添村支部で購入した分は12万円分。あとは個人がそれぞれ自分のお金で購入したので個人宛で領収書を送ってほしい」と言われた。そのため山添村支部宛に12万円分の領収書と計10万円分の個人宛の領収書を発行した。つまり、山添村支部からの支払いは22万円でなく10万円も少ない12万円であり、領収書を再発行したのは告発後ではなく2021年7月当時だったと主張した。

 さらに高市大臣は、こうも説明した。

「山添村支部の状況を聞いたら、毎年、総会のたびに会計責任者が変わっている。お金の出入りがあった時期と収支報告を作成する時期は違うので、全然違う人が(会計責任者を)やっている。なので、たまたま先に発行して廃棄してくれと言った22万円のほうの領収書を使って、向こう(山添村支部)は報告書をつくってしまった」

 ようは、すべて山添村支部のミスと体制に問題があって、高市大臣側は何ら間違いはなかったと主張しているわけだ。

 しかし、この主張に対し、上脇教授は「収支報告書を提出した際の会計責任者は当時、事務担当者だった。領収書を切りなおすという出来事を知らないはずがない」「年間収入が数十万しかない山添村支部で、収支が10万円もあわなければ、すぐに誤記に気が付くはずだ」と指摘(「しんぶん赤旗 日曜版」1月22日号)。朝日新聞(1月14日付)によると、〈与党内からは「これはダメだ大丈夫なわけがない」との声が出た〉という。

 しかも、高市大臣は「赤旗 日曜版」最新の2月5日号で新たな疑惑と証言を突きつけられることになった


■高市早苗大臣側の偽装工作をうかがわせる実名証言が続々と…

 前述したように、高市氏が代表を務める自民党第2選挙区支部のパーティをめぐっては、領収証を差し替えた2021年だけでなく、2019年にも山添村支部が22万円を支出。同支部が2019年3月15日、第2選挙区支部に22万円を一括で支払った際の払込票兼受領証も残っていた。

 しかし、高市大臣がTwitterで「赤旗の報道に大迷惑をしている」と投稿したのと同じ1月16日には、奈良県選挙管理委員会のHPに山添村支部が訂正した2019年分の政治資金収支報告書が掲載。昨年11月22日に山添村支部はこの払込票兼受領証を削除し、第2選挙区支部が新たに発行した20万円の領収書に差し替えるかたちで、奈良県選挙管理委員会に収支報告書の訂正をおこなっていたのだ。

 そして、「赤旗日曜版」編集部が山添村支部を取材したところ、疑惑隠蔽のための偽装工作をうかがわせる証言が次々と浮上したのである。

 差し替えられた領収書の日付は、2019年3月15日となっていたが、収支報告書の訂正をおこなった2019年当時の事務担当者である大谷敏治・山添村議が取材に対し、このような証言をおこなった。

「(訂正は)高市事務所とのやりとり(がきっかけ)」
「(20万円の)領収書は、昨年11月の告発後に高市事務所が新たに発行したものを受け取った」

 なんと、上脇教授が不記載の疑いで刑事告発した昨年11月以降に、高市事務所が領収書を新たに発行していたというのだ。

 しかも、高市サイドの偽装工作疑惑を証言したのは大谷村議だけではなかった。訂正をおこなった収支報告書には、訂正印として山添村支部の現在の会計責任者である西忠護・山添村議の名字である「西」のハンコが押されているのだが、当の西氏もこう証言したのだ。

「19年、21年のいずれの訂正も私は関与しておらず、詳細も聞いていない。大谷さんが訂正するような話は聞いたが、『西』のハンコは私が貸したものではなく、大谷さんが用意した。(20万円の)領収書も見たことがない」

 さらに、2019年6月から2022年2月まで同支部の会計責任者を務めた向井秀充・元山添村議も、こう証言している。

「山添村支部の2019年分の収支報告書は私が作成した。しかし20万円の領収書など見たことがない」
「19年分の収支報告書は奈良県選管に提出する前に自民党奈良県連にも確認してもらった。収支報告書は会計帳簿や資料をもとに作成しており、根拠がある。訂正には根拠がないと思う」

 そればかりか、山添村支部の現在の代表者である福井新成・元山添村議も、こう述べているのだ。

訂正は(赤旗)日曜版報道で知った。事前にも事後にも報告はなかった」

 つまり、これらの証言をまとめると、刑事告発をされて高市氏側は慌てて20万円の領収書を発行し、山添村支部の現在の代表者や会計責任者が知らないなか、高市氏に違法性が問われないかたちに訂正された収支報告書が選管に提出されていた疑いがあるのだ。

 その上、新たな疑惑を突き止めた「赤旗日曜版」編集部の質問に対し、高市事務所は回答せず。1月13日の会見で高市大臣は「赤旗からの取材にも誠意をもって対応している」と主張していたにもかかわらず、だ。

 虚偽の領収書差し替え疑惑に、国民に対する虚偽説明の疑惑──。そもそも高市大臣にはこれまでも、約875万円の収入の不記載問題や高市後援会企業の不透明融資問題など、カネをめぐる疑惑がたびたび浮上。また、最近は「嘘つき」疑惑も話題に。昨年、会合で高市大臣が「(安倍晋三・元首相の)国葬反対のSNS発信の8割が隣の大陸からだった」と発言したと三重県議が投稿したことに対し、高市大臣は「そのような発言をすることはない」「そもそも大陸という言葉は使わない」などと否定したが、「AERA.dot」の取材に対し、会合に出席したある市議は、高市大臣からその旨の発言があったことを証言したからだ。

 しかも、問題は言い逃れの嘘にとどまらない。もし、高市大臣側が、政治資金規正法違反から逃れるために虚偽の領収書を発行していたとなれば、これは証拠の捏造とも言うべきとんでもない重大問題だ。捜査の進展に注目するだけでなく、高市大臣には収支報告書の訂正にいたった経緯をはじめとして、しっかりと説明する責任があるのは言うまでもない。

(編集部)
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●アベ様は「スターリンやポル・ポトがやろうとしたことだ」と批判し、丸川氏は「愚か者めが、このくだらん選択をしたばか者ども」と罵った

2023年02月23日 00時00分22秒 | Weblog

[※ 「自民党と旧統一教会の闇」(週刊金曜日 1386号、2022年07月22日) ↑]


(2023年02月11日[土])
異次元のヅボヅボ、次元の異なるヅボヅボ…「政治とカルト」「アベ様とカルト」「自民党とカルト」「ヅボヅボ党とカルト」。

   『●《岸田首相は「本人が亡くなられた今、十分に把握するのは限界が
     ある」》と拒否…「政治とカルト」「アベ様とカルト」の徹底解明を
   『●アベ様よりはヅボヅボではない、票の差配などしていない…《ならば、
     なぜ議院運営委員会や記者会見など公の場で堂々と説明しないのか》?
   『●《安倍元首相が統一教会と蜜月関係にあったことは周知の事実だ。
     しかし、だからといって、細田氏が潔白だというわけではまったくない》

 《あれだけの批判をしてきた自民党の厚顔さにもあきれるが、やるべきことを10年放置した安倍政権の責任は重い》。斎藤貴男さん《適齢期の男女が結婚しないのも、子どもを産みたがらないのも、絶望的な政治に弄ばれる社会に、夢も希望も抱き得ないからではないか。》 ニッポンの《有事》は少子化浜田敬子さん)。なのに、軍事費倍増って、バカなのか? 
 日刊スポーツのコラム【政界地獄耳/安倍晋三の「スターリン、ポル・ポト」批判から10年】(https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202302030000040.html)によると、《当時の首相・安倍晋三は「スターリンやポル・ポトがやろうとしたことだ」と批判し、若手議員が首相の後に続けとばかり元五輪相・丸川珠代らは「愚か者めが、このくだらん選択をしたばか者どもののしった今思えば旧統一教会の教えと同じ、子育ては家庭が行うべきものが自民党の考え。民主党の少子化問題解決のため社会全体で子育てを応援しようとは相いれなかった》。

 ヅボヅボな自民党にはマトモな《人権感覚》を持つ者などほとんど居ない、と断言できる。(リテラ)《「推薦確認書」というもので、選挙で支援をおこなう見返りとして「憲法改正、安全保障体制の強化」や「家庭教育支援法および青少年健全育成基本法の制定」「LGBT問題、同性婚合法化の慎重な扱い」…》…だもの。

   『●朝日新聞スクープ…統一協会《関連団体…が…参院選や昨年の衆院選に
       おいて、自民党議員に対して「政策協定」への署名を求めていた》
    《関連団体が署名を求めたのは「推薦確認書」というもので、
     選挙で支援をおこなう見返りとして「憲法改正、安全保障体制の強化
     や「家庭教育支援法および青少年健全育成基本法の制定
     「LGBT問題、同性婚合法化の慎重な扱い
     「『日韓トンネルの実現を推進」などといった政策を取り組むことを
     求める内容。教団関係者は〈全国各地で数十人規模に署名を求めた
     と証言している〉という》

 カルトとヅボヅボな自民党…《子育てに関する自民党の考え方は旧統一教会の主張とも重なります》。《自民党は国民が抱く疑念にも、丁寧に答える責任があります》…が、アベ様以降、無責任ぶりは酷くなるばかり…。
 東京新聞のコラム【<ぎろんの森>子育て支援の理念を問う】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/229573?rct=discussion)によると、《私たちの主張が十年以上遅れてようやく政府や自民党に受け入れられたわけです。しかし「子育ては社会全体でも支える」という理念を、政権内部や自民党全体で共有しているか、甚だ疑問です。子育ては家庭の責任と言い続けるのなら、児童手当の所得制限撤廃も、その場しのぎにしかならないからです。子育てに関する自民党の考え方は旧統一教会の主張とも重なります。自民党は国民が抱く疑念にも、丁寧に答える責任があります》。

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https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202302030000040.html

コラム
政界地獄耳
2023年2月3日7時37分
安倍晋三の「スターリン、ポル・ポト」批判から10年

★首相・岸田文雄は10年前の民主党政権の「所得制限のない子ども手当」に対し当時の野党・自民党が猛烈に反対したことに「反省すべきは反省する」と相変わらず簡単に謝罪する。当時の首相・安倍晋三は「スターリンやポル・ポトがやろうとしたことだ」と批判し、若手議員が首相の後に続けとばかり元五輪相・丸川珠代らは「愚か者めが、このくだらん選択をしたばか者どもののしった今思えば旧統一教会の教えと同じ、子育ては家庭が行うべきものが自民党の考え。民主党の少子化問題解決のため社会全体で子育てを応援しようとは相いれなかった。

★あれだけの批判をしてきた自民党の厚顔さにもあきれるが、やるべきことを10年放置した安倍政権の責任は重い。だからといって立憲民主党国対委員長・安住淳が調子に乗って「失われた10年政策検証チーム」を設置したのはどうかと思う。野田政権は「いいことをやった政権」と国民が言うのならばまだしも、自画自賛が多くそれほど立派なら政権は続いていたはずだ。安住は<1>児童手当、こども手当、高校無償化の所得制限<2>選択的夫婦別姓やLGBT法<3>農業者戸別所得補償制度<4>地方分権と定数削減<5>社会保障の充実<6>原発30年代ゼロが後退<7>異次元の金融緩和。これらを衆参で検証するという。

★さぞ留飲が下がる思いだろうが、民主党時代の失政も数知れずあることを忘れてはならない。その意味では鳴り物入りだった政権交代のマニフェストを期待した国民は多かったが、党内から腰砕けになっていったことも立憲民主党など野党の支持率低迷につながっている。また元首相・野田佳彦、元財務相・安住、元外相・玄葉光一郎、野田改造内閣では副総理兼内閣府特命担当大臣を引き受けた元幹事長・岡田克也と当時の政権の中枢が今の立憲民主党執行部中枢と重なることも、安住が失われた10年を検証したがる理由だろう。だが野党がやるべきことはこれからの10年を自民党に任せていていいのかの政策を突きつけることをお忘れなく。(K)※敬称略
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/229573?rct=discussion

<ぎろんの森>子育て支援の理念を問う
2023年2月6日 07時26分

 政府が一部の高収入世帯には不支給としている「児童手当」の所得制限を撤廃する方向で調整に入りました。きっかけは自民党の茂木敏充幹事長が一月二十五日の衆院代表質問で岸田文雄首相に所得制限撤廃を求めたことです。

 茂木氏は今から十二年前、当時の民主党政権が児童手当に代えて導入した所得制限のない「子ども手当」を「ばらまき政策そのもの。かなりなレベルの所得制限が必要だ」と厳しく批判していましたので百八十度の方針転換です。茂木氏は代表質問の四日後、NHKの討論番組で、過去の主張を「反省する」とまで述べています。

 東京新聞は一日の社説「児童手当拡大 自民の『反省』形だけか」で「自民党が所得制限の撤廃を求めるなら、子育てを家庭の責任と考える理念自体を見直さなければならない。過去の主張や振る舞いを反省する形だけでは不十分だ」と指摘しました。

 本紙は子ども手当の導入当初から賛成し、「『社会で支える』という理念は国民が共有すべきだ所得制限論もあるが、同種手当は保護者の所得に関係なく、すべての子供へ支給するのが世界的な流れだ」(二〇一〇年六月二日社説=写真)として、所得制限を設けず、すべての子どもに給付すべきだと主張してきました。

 自民党が所得制限のない子ども手当に反対したのは「子育ては基本的に家庭の責任」との理念からですが、政権復帰した同党がそうした考えに固執した結果、適切な政策が講じられず、少子化に歯止めをかけられませんでした

 私たちの主張が十年以上遅れてようやく政府や自民党に受け入れられたわけです。

 しかし「子育ては社会全体でも支える」という理念を、政権内部や自民党全体で共有しているか、甚だ疑問です。子育ては家庭の責任と言い続けるのなら、児童手当の所得制限撤廃も、その場しのぎにしかならないからです。

 子育てに関する自民党の考え方は旧統一教会の主張とも重なります。自民党は国民が抱く疑念にも、丁寧に答える責任があります。 (と)
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●岸信夫前防衛相の辞職にともない、後継候補としての信千世氏が「家族の意志を受け継ぐ」と表明…どこまで私物化すれば気が済むのか?

2023年02月22日 00時00分28秒 | Weblog

[『学校が教えないほんとうの政治の話』(斎藤美奈子著、ちくまプリマ―新書257)↑]


(20230210[])
スッゲェなぁ、山口2区4区…《…信千代 (信千世のミス?) も東京生まれの東京育ちで、山口県なり2区は故郷といえるほどの生活実態などなにもない…》。《当選するか、しないかは地元有権者の判断次第》(日刊ゲンダイ)、さて、山口2区の皆さんの判断は? 世襲4代目も、そんなに政治家になりたいのなら、東京かどこかで立候補すればいいのにね。
 再度引用。長周新聞の【コラム 狙撃兵】…(信千世のミス?➙) 《岸信介から数えると世襲4代目へのバトンタッチということで、このご時世になんと厚かましいといおうか、いったいいつまで国会議員ポストを特定の一族で私物化するつもりなのだろうか…という思いしかない。選挙区が「地元」といっても、岸信夫もその子息である信千代も東京生まれの東京育ちで、山口県なり2区は故郷といえるほどの生活実態などなにもないもともとこの地をルーツにした世襲政治家一族が握って離さない選挙区というだけなのである。地元の人々にとっては、「信千代? 誰だよそれ」が一般的であり、見たことも話したこともない若造にほかならないが、このまますんなりと30そこらの4代目を担いで岸家の命脈を継承するというのだろうか。同じ山口県民として、選挙区は違えど2区の人たちの心境やいかばかりかと慮る》。

   『●スッゲェなぁ、山口2区、4区…《…信千世も東京生まれの東京育ちで、
       山口県なり2区は故郷といえるほどの生活実態などなにもない…》

 日刊ゲンダイの記事【岸信夫前防衛相が辞職へ 後継候補に長男・信千世氏浮上で<封建社会か>と世論反発】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/318193)によると、《岸信夫前防衛相(63)=衆院山口2区=は2日、所属する自民党安倍派の会合に出席し、近く議員辞職する考えを表明した。3日に細田博之衆院議長(78)に議員辞職願を提出する方針で、安倍晋三元首相の死去に伴う衆院山口4区補欠選挙とともに、4月23日投開票で補選が実施される見通しとなった。…SNSなどで<封建社会か>といった声が出ているのが、辞職に伴う補選に岸氏の長男・信千世氏(31)が出馬する意向を固めた──と報じられたことだ。…もちろん「世襲候補」とはいえ、あくまでも当選するか、しないかは地元有権者の判断次第。》

 「家族の意志を受け継ぐ」…どこまで政治を私物化すれば気が済むのか。<封建社会か>!?
 川本裕司記者による、アサヒコムの記事【岸信千世氏、衆院山口2区へ立候補を表明「家族の意志を受け継ぐ」】(https://www.asahi.com/articles/ASR276JQDR27TZNB007.html)によると、《また、曽祖父の岸信介元首相や伯父の安倍晋三元首相ら親族が安全保障や経済、憲法改正に取り組んだことに触れたうえで、自身も「家族の意志をしっかり受け継ぐ」と述べた。世襲への批判に対しては「いろんな意見があることは認識している」とする一方、「こういう家庭環境であったからこそ政治の話題が比較的身近なものとなった」と語った》。

 一方、日刊ゲンダイのコラム【適菜収「それでもバカとは戦え」/自民党総裁の「バカ息子」トップ5 岸田文雄、菅義偉、純一郎の息子がランクイン】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/318230)によると、《特に安倍政権以降、権力の私物化公私混同縁故主義が目に余るようになったが、現在岸田文雄の息子が注目を集めている。そこで自民党総裁のバカ息子トップ5を振り返ってみた》。

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https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/318193

岸信夫前防衛相が辞職へ 後継候補に長男・信千世氏浮上で<封建社会か>と世論反発
公開日:2023/02/02 16:10 更新日:2023/02/02 16:43

     (岸信夫前防衛相と長男の信千世氏(C)日刊ゲンダイ)

<親が政治家ならその子も政治家になって当然─という風潮は、政治家という職業の「家業」としての固定化につながりかねない(略)政治の恩恵を国民各層に行き渡らせる上で、能力や適性を度外視した世襲制は政治の矮小化につながる懸念がある>

 昨年12月20日付の北海道新聞朝刊の<読者の声>欄で、こう嘆いていた70代の男性派遣社員は今、どう感じているのだろうか。

 岸信夫前防衛相(63)=衆院山口2区=は2日、所属する自民党安倍派の会合に出席し、近く議員辞職する考えを表明した。3日に細田博之衆院議長(78)に議員辞職願を提出する方針で、安倍晋三元首相の死去に伴う衆院山口4区補欠選挙とともに、4月23日投開票で補選が実施される見通しとなった。

 大臣在職中から体調を崩し、車いすに座った状態のまま予算委員会などに出席していた岸氏。支持者らに対して「辞職するのはじくじたる思いがあるが、やむを得ない事情で申し訳ない」などと語ったというのだが、SNSなどで<封建社会か>といった声が出ているのが、辞職に伴う補選に岸氏の長男・信千世氏(31)が出馬する意向を固めた──と報じられたことだ。

 開会中の国会では、岸田文雄首相(65)の長男で首相秘書官を務める翔太郎氏(32)が岸田首相の外遊に同行した際、公用車で観光していた疑惑が報じられ、野党側は「身内びいき」と激しく追及している。その最中の「世襲候補」報道だけに注目が集まったようだ。

 時事通信によると、昨夏の参院選で当選した125人のうち、「父母、義父母、祖父母のいずれかが国会議員」「三親等内の親族に国会議員がいて同一選挙区内から出馬」のいずれかを満たす議員を「世襲」と定義した場合、14人が当選。当選率は73.7%で、全体の当選率の22.9%を大きく上回っていたという。

 2021年10月17日付の日本経済新聞は、1996年以降の衆院選の全選挙区、全候補者について傾向を分析したところ、候補者全体の13%が「世襲」で、その勝率は重複立候補した比例代表による復活当選を含めて80%あり、世襲候補は7割が自民党から出馬していた──と報じていた。

 自民党国会議員にとって、もはや「世襲」は当たり前なのだろうが、世論の反発は強いようだ。

<つらい仕事であれば子どもに継がせない。そう考えれば、国会議員はよっぽどオイシイ仕事なんだろう>

<議員報酬を半額にして、献金をなしにしたら、いったどれくらいの世襲議員が減るのだろうか>

戦国時代や江戸時代か。この感覚が日本をダメにしているのが分からないの?>

 もちろん「世襲候補」とはいえ、あくまでも当選するか、しないかは地元有権者の判断次第。さて、どうなるのか。
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https://www.asahi.com/articles/ASR276JQDR27TZNB007.html

岸信千世氏、衆院山口2区へ立候補を表明「家族の意志を受け継ぐ」
川本裕司 2023年2月7日 20時55分

     (立候補を表明する岸信千世氏=2023年2月7日
      午前10時39分、山口県岩国市、垣花昌弘撮影)

 健康悪化を理由に衆院議員を辞職した岸信夫・前防衛相の長男で、秘書を務めていた岸信千世氏(31)が7日、山口県岩国市内で記者会見し、4月23日に投開票される衆院山口2区補選に父の後継として立候補する意向を表明した。自民党県連の候補者公募に応募する。同補選への立候補表明は信千世氏が初めて。

 信千世氏は会見で、立候補を決意した時期について「区切りになったのは、父の病状が悪化した年末年始」と説明。人口減少が進み、中山間地域が過疎化する山口2区は「日本の社会問題が顕在化した日本の縮図」だと指摘し、地域課題の克服に取り組みたい考えを示した。

 また、曽祖父の岸信介元首相や伯父の安倍晋三元首相ら親族が安全保障や経済、憲法改正に取り組んだことに触れたうえで、自身も「家族の意志をしっかり受け継ぐ」と述べた。世襲への批判に対しては「いろんな意見があることは認識している」とする一方、「こういう家庭環境であったからこそ政治の話題が比較的身近なものとなった」と語った。

 信千世氏は米国で生まれ、東京都港区で育った。慶応大を卒業後、2014年にフジテレビへ入社し、社会部記者を務めた。20年10月に岸氏の秘書となり、翌11月には防衛相秘書官に就任。19年ごろから田布施町に住民票があるという。

 衆院2区補選を巡っては、立憲民主党や共産党など県内の野党も候補者の擁立を模索している。(川本裕司)
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https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/318230

適菜収 作家
近著に「ニッポンを蝕む全体主義」「日本人は豚になる」「思想の免疫力」(評論家・中野剛志氏との対談)など、著書45冊以上。「適菜収のメールマガジン」も始動。詳細は適菜収のメールマガジンへ。本紙連載が書籍化「それでもバカとは戦え」好評発売中


適菜収「それでもバカとは戦え」
自民党総裁の「バカ息子」トップ5 岸田文雄、菅義偉、純一郎の息子がランクイン
公開日:2023/02/04 06:00 更新日:2023/02/04 06:00

     ((左上から時計回りに)1位、3位、4位、5位… 
      うううん…(C)日刊ゲンダイ

 特に安倍政権以降、権力の私物化公私混同縁故主義が目に余るようになったが、現在岸田文雄の息子が注目を集めている。そこで自民党総裁のバカ息子トップ5を振り返ってみた。


■3人は現職議員

【第1位】文雄の息子

 岸田の欧米訪問中、随行した長男の翔太郎は、ロンドンやパリ市内を公用車で観光。パリではビストロに行き、ロンドンでは高級百貨店のハロッズでショッピング。

 昨年10月に首相秘書官に就任した際には「身内登用と批判されたが、岸田は「適材適所」と言い張った。その後、閣僚の辞任や中国外交などに関する官邸のトップシークレットがメディアにダダ漏れに。翔太郎の関与を指摘する報道もあった。

 なお、公用車を使った観光について政府は「対外発信用の撮影」だと説明していたが、翔太郎が撮った写真は対外発信では使われていなかった。この先、クビになったら“観光大使”になればいい。


【第2位】義偉の息子

 衛星放送は総務省の許認可事業である。衛星放送のチャンネルを運営する東北新社が総務省幹部を違法接待していた事件では、菅の長男で東北新社の前部長だった菅正剛が注目を浴びた。汚い「ロン毛」も話題に。東北新社は菅の威光を利用して官界工作をしていたのではないかと国会でも追及された。

 正剛は大学卒業後、バンド活動に明け暮れていたが、菅は「バンドをやめてプラプラしていたからという理由で息子を総務大臣の政務秘書官にした。家業かよ


【第3位】純一郎の息子

 人妻と不倫し、その際利用したホテル代を政治資金で支払っていたと報じられた。同時期には復興庁の元部下の女性とホテルで密会、さらにメーキャップアーティストの女性を赤坂の議員宿舎に呼びつけていた疑惑も。小泉ジュニアの“ジュニア”が暴走したというオチ。


【第4位】康夫息子

 統一教会(現・世界平和統一家庭連合)と自民党の関係について「何が問題か正直分からない」と発言。おじいちゃんの赳夫は「アジアに偉大なる指導者現るその名は文鮮明ということでありますと言っている人なのにね。


【第5位】洋平息子

 自己愛過剰で幼児性全開。ツイッターには、自分のかわいい似顔絵が描かれた「太郎のクッキー」をアップしていた。
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●〈こちら特報部〉《であれば、今はLGBT法整備に政策転換を。荒井氏の発言が内閣の考えでなく、「多様性」があることを証明できる》

2023年02月21日 00時00分42秒 | Weblog

[※ 「自民党と旧統一教会の闇」(週刊金曜日 1386号、2022年07月22日) ↑]


(20230208[])
ヅボヅボな自民党にはマトモな《人権感覚》を持つ者などほとんど居ない、と断言できる。(リテラ)《「推薦確認書」というもので、選挙で支援をおこなう見返りとして「憲法改正、安全保障体制の強化」や「家庭教育支援法および青少年健全育成基本法の制定」「LGBT問題、同性婚合法化の慎重な扱い」…》…だもの。官邸内部、特に、内閣総理大臣秘書官らは、普段から総じて「そのように」思っていたし、《人権感覚》など持っていなかったということ。キシダメ氏が、メモも見ずに、ペラペラと答弁したのは、官邸内部の普段の「雰囲気」がそうさせた訳。
 同様なことは、石原慎太郎元東京「ト」知事や、お維にも言える。

   『●《「どのような人権感覚を持っているのか」を問いただされるべきは、
      むしろ》お維の《創設者》《いちコメンテーター》《いち民間人》
   『●《「人権意識」が徹底して欠如し、差別を差別とも思わず…沖縄の
     市民を「侮辱」…》お維への批判を、条例を根拠に封じる狙いはないの?
   『●《能力の問題。人格の問題。品性の問題》…本当にそうだ!
     〝ハート〟無き自民党の〝ハート〟無き山口県連所属国会議員・杉田水脈氏
    《杉田氏は、27日の衆院総務委員会では性的少数者が「生産性がない
     とする過去の寄稿に謝罪せず、支援団体や当事者から批判の声が
     上がっている》

   『●『野中広務 差別と権力』読了(2/3)
     「「永田町ほど差別意識の強い世界」… はなく、「総裁選の最中に
    ある有力代議士は…「…総理になれるような種類の人間じゃないんだ」
     (…) と言ったそう。さらに、最近、ネット上で話題になっていた部分。
    当時、「総裁選に立候補した元経企庁長官」 (であり現総理) の
    「麻生太郎は…「あんな……を日本の総理にはできないわなあ」と言い放った」
    (…) そうである。2003年9月、野中は、最後の自民党総務会に臨み、
    当時の小泉総裁や麻生政調会長を前に発言を求めた。「…私の最後の発言と
    肝に銘じて申し上げます…政調会長。あなたは『野中のような…を総理には
    できないわなあ』とおっしゃった。君のような人間がわが党の政策をやり、
    これから大臣ポストについていく。こんなことで人権啓発なんてできよう
    はずがないんだ。私は絶対に許さん!」、野中の激しい言葉に総務会の空気は
    凍りついた。麻生は何も答えず、顔を真っ赤にしてうつむいたままだった

   『●ド「アホウ節」の《こんな人間が国家の中枢に入り込んでいること
     自体が、麻生風に言えば「みぞうゆう」の事態なのだ》(適菜収さん)
   『●メディアの役割放棄…ド「アホウ節」を“麻生節”などと《政治家の嘘や
      デマをそのまま垂れ流すのではなく、たしなめるのがメディアの役割》
   『●朝日新聞スクープ…統一協会《関連団体…が…参院選や昨年の衆院選に
       おいて、自民党議員に対して「政策協定」への署名を求めていた》
    《関連団体が署名を求めたのは「推薦確認書」というもので、
     選挙で支援をおこなう見返りとして憲法改正、安全保障体制の強化
     や「家庭教育支援法および青少年健全育成基本法の制定
     LGBT問題、同性婚合法化の慎重な扱い
     「『日韓トンネルの実現を推進」などといった政策を取り組むことを
     求める内容。教団関係者は〈全国各地で数十人規模に署名を求めた
     と証言している〉という》

 山田祐一郎中沢佳子両記者による、東京新聞の記事【こちら特報部/更迭された荒井秘書官が関わった「スピーチ」から見えたこと やっぱり口先だけ? 岸田首相の多様性重視】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/229696?rct=tokuhou)によると、《性的少数者への差別発言で岸田文雄首相から更迭された荒井勝喜秘書官は、首相のスピーチ作成も担っていた。過去の演説にどの程度関与したのかは明らかにされていないが、文面を見る限り、この問題に対する熱量の低さは隠しようがない官邸官僚が動かす政権中枢の人権感覚は、どうなっているのか。(山田祐一郎中沢佳子)》


   『●立法府の自公お維議員による土地規制法案 ――― 《何のための国会か》
       《内閣委員のお一人お一人が問われている》(馬奈木厳太郎弁護士)
    《■憲法と相容れないゼノフォビアやヘイトの発想
    《「…必要なのは立法ではなく、そうした認識を変えることです。
     多様な価値観が認められ、多文化社会となっているときに、
     ホモソーシャルでゼノフォビア的な発想は克服されなければ
     なりません。今国会では、LGBT法も同じですが、議員の方々の
     そうした意識が、非常に浮き彫りになったのではないか
     と感じています」と述べました》

   『●桜井昌司さん《冤罪被害の実態を世の中に広く訴える活動…冤罪をなくす
       ための活動とその成果は東京弁護士会人権賞の受賞に相応しいもの》
    《■「第37回 東京弁護士会人権賞」受賞者は以下の方々に決定しました
    《■一般社団法人 性的指向および性自認等により困難を抱えている
     当事者等に対する法整備のための全国連合会(LGBT法連合会) 様
    《LGBT法連合会の創立は2015年であり、性的指向および性自認に
     関わる当事者・支援者・専門家の団体97団体から成る日本最大の
     全国連合会として、困難を抱えている当事者等に対する法整備を
     目的とした事業を実施してきました》

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/229696?rct=tokuhou

こちら特報部
更迭された荒井秘書官が関わった「スピーチ」から見えたこと やっぱり口先だけ? 岸田首相の多様性重視
2023年2月7日 12時00分

     (岸田首相(左)と一緒に首相官邸に入る
      荒井勝喜秘書官=2022年12月、首相官邸で)

 性的少数者への差別発言で岸田文雄首相から更迭された荒井勝喜秘書官は、首相のスピーチ作成も担っていた。過去の演説にどの程度関与したのかは明らかにされていないが、文面を見る限り、この問題に対する熱量の低さは隠しようがない官邸官僚が動かす政権中枢の人権感覚は、どうなっているのか。(山田祐一郎中沢佳子


◆過去5回の演説を振り返ると

 岸田首相がこれまで国会で行った所信表明演説と施政方針演説は計5回。荒井氏が「スピーチライター」として関与したのは、どの演説のどの部分か。首相官邸に問い合わせた。

 担当者は「首相の演説は秘書官室全体で相談しながら作成しているので、どの部分を誰が、というのはない」と回答。首相の意見をいつどれくらいの時間で聞くのかも尋ねたが、「演説によって違う」として、明らかにしなかった。

 ということで、「こちら特報部」で主な演説を読み返してみた。まずは自民党総裁選を勝ち抜いて就任した直後の2021年10月の所信表明演説。首相は冒頭付近で「私は、多様性が尊重される社会を目指します」と宣言した。

 「若者も、高齢者も、障害のある方も、ない方も、男性も、女性も、全ての人が生きがいを感じられる社会です」。総選挙で勝利した後の同年12月の所信表明演説でも、同じ表現を使っている。

 だが、性的少数者に言及する言葉は出てこない

 前衆院議員で、同性愛者と公表している尾辻かな子氏は「就任当初は『多様性』を前面に押し出していたが中身の政策が伴っていない」と指摘する。

 性的少数者を「生産性がない」などと表現して更迭された杉田水脈総務政務官らの問題を指摘。「閣僚の人選からも見て取れるように、政府が考える多様性の中に性的少数者は含まれないのだろう」と批判する。


◆22年以降、減り続ける多様性

 22年以降の演説で、多様性の扱いは目立たなくなる。同年1月の施政方針演説では「新しい資本主義の基盤となるのは、老若男女、障害のある方も、全ての人が生きがいを感じられる、多様性が尊重される社会」と述べたが、新型コロナ対応などに続く後段だった。

 ウクライナ危機発生後の同年10月の所信表明演説は、経済や外交に多くが割かれ、多様性はさらに減少した

 今年1月の施政方針演説でもほぼ同じ表現で多様性に触れた。ただ、その後の説明は「意欲のある全ての方が、置かれている環境にかかわらず、十全に力を発揮できる社会。そうした包摂的な経済社会を創る」。そのために賃上げや就労環境の整備に注力する対象とされたのは「『女性』、『若者』、『地方』」で、性的少数者は挙げられなかった

 この演説では、5月の広島サミットに向けた取り組みとして「人権」の2文字が書き込まれたが、具体的な説明はない岸田政権での「多様性」は経済を動かす労働力を確保するためマイノリティーの差別解消や権利保障の優先順位は低いのだろうか

 実際、岸田首相はこれまでも国会で、同性婚制度の導入について「わが国の家族のあり方の根幹に関わる問題で、極めて慎重な検討を要する」などと繰り返してきた。


◆性的マイノリティは、被爆者は…

     (原稿をめくりながら施政方針演説する岸田首相
      =1月23日、国会で)

 「広島出身として多様性を掲げる岸田首相になって変わるかと期待したが、やっぱりかという思い。同じ日本国民で家族なのに見ないふりをしたいのか」。同性婚を認めない現行制度は違憲として国に賠償を求める訴訟の原告で、同性パートナーと子育てする小野春さん(仮名)は話す。

 荒井氏の発言にショックを受けたという。「政府はずっと『社会の理解を待たなければ』と繰り返してきた。その間に亡くなった仲間もいる。1秒を争うほど困っているのに、制度を使わない人の理解を理由にいつまで待たせるのか」と声を震わせる。

 国会以外の演説はどうか。

 昨年8月、首相は米ニューヨークの国連本部で開かれた核拡散防止条約NPT)再検討会議で演説。折り鶴を手にし、広島で被爆し病床で折り鶴を作り続けて亡くなった佐々木禎子さんに言及した。「禎子さんが折り続けた折り鶴は、世界中で平和と、核兵器のない世界を祈る象徴」と熱弁を振るい、話題をさらった。

 ところが数日後、広島と長崎の原爆の日に行われた式典でのあいさつは、構成や内容がほぼ同じ。違いは、広島で「被爆地広島出身の首相」や広島サミットへの意気込みが加わり、長崎で「長崎を最後の被爆地とし続けなければ」と盛り込んだぐらいだ。

 「美しい言葉を並べるけれど、実態が伴っていない」。被爆体験者訴訟の原告岩永千代子さん(87)がため息をつく。国の指定する被爆地域外にいたため「被爆者」と認められていない長崎の被爆体験者の救済を巡り、厚生労働省は1月、否定的な見解を示した。広島では、被爆者認定の範囲を広げた新基準が運用されたが、長崎は対象外のままだ


◆片手間では書けない演説原稿

     (首相官邸)

 こうした首相の演説はどのように作られるのか。

 「施政方針演説など国会での公式な演説は、合議体である内閣全体の姿勢を示す。起案や調整を含め、伝統的に内閣総務官室の業務だ。首相の側近である秘書官がライターというのは、ある種のレトリックではないか」。内閣官房内閣副参事官時代、橋本龍太郎氏などの首相演説を手がけ、鳩山由紀夫内閣で官房副長官として政府の情報発信を担った慶応大の松井孝治教授(統治機構論)が語る。

 松井氏によると、原爆の日の記念式典など儀礼的場面のあいさつは主務官庁が担当することが多いものの、国会での公式演説を書く「スピーチライター」は通常は内閣副参事官で、経済産業省からの出向者が代々務める。文案を作り、首相や正副官房長官などを交えた「読会」でも協議。各省庁と調整を重ね、表現を確認し、推敲 (すいこう) した上で数回の閣議にかける。完成まで少なくとも3週間はかかる。

 「調整役は政治任用職ではない立場で各省庁の言い分も聞き、全体のバランスを整える必要がある。秘書官は首相の意向を伝えるメインプレーヤーの1人だが、閣議案件の国会演説は首相でも中身を好き放題にできるわけではない」(松井氏)。出身官庁の利害を代弁しがちと見られる秘書官に調整役は難しく、多忙な業務の片手間でできるものでもないとみる。


◆守旧派への配慮?官僚の劣化?

 だが、荒井氏は同性婚に対する首相の答弁に意を合わせるように「社会のありようが変わる」と語った。政治アナリストの伊藤惇夫氏は「荒井氏の考えなのか、忖度 (そんたく) したのかは分からないが、首相の言葉自体、同性婚に肯定的とは言えない」と、首相の意向がにじんでいると指摘。その背景を「首相は軽々と方向転換する傾向がある。とりわけ、安倍晋三元首相を支持してきた守旧派には配慮しており、今回はその表れでは」と語る。

 京都精華大の白井聡准教授(政治学)は荒井氏の発言に「公人と言える秘書官が言ってはならない発言劣化した官僚の地金が露呈した」とあきれる。その上で、首相の態度にも疑念を抱く

 「リベラルな価値観を貫く姿勢がないのは信念がないから安倍政権が長年続いた末、自民党内部も支持者も右に右に寄って行き、それに首相も合わせてきた多様性などは所詮口先党内や岩盤支持者の価値観を見れば、本音がどこにあるかは明らかだ


◆デスクメモ

 首相は国会演説で「遠きに行くには、必ず邇 (ちか) きよりす」とも述べていた。物事を進めるには順番が大切で、経済を立て直してから財政健全化に取り組むと。であれば、今はLGBT法整備に政策転換を。荒井氏の発言が内閣の考えでなく、「多様性」があることを証明できる。(本)
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●キシダメ《首相は…「政治家としての総理のお土産を購入する、これも政務秘書官の本来業務に含まれ、公務である」と言い切った》…

2023年02月20日 00時00分16秒 | Weblog

[※ 2017年2月17日はアベ様のタンカ記念日というトリガー(『報道特集』、2021年06月26日)↑]


(2023年02月07日[火])
異次元のデタラメ、次元の異なる無茶苦茶。そもそも、身内を政務秘書官にするその神経を理解できないし、政治の私物化を堂々とよくも出来るものだね。

   『●アベ様お得意の《政治の私物化》の極致…《「桜を見る会」…
            公的イベントを支援者接待と政治資金集めに利用》
    「アベ様の私的文化的?な《安倍総理のサクラになる会
     (©小田嶋隆さん、
     https://twitter.com/tako_ashi/status/1178523901380317184)」

   『●ホテルニューオータニは《酒の持ち込み料を無料》にし、さらには
     《宴会場を使用する「室料」でも…異常なサービスをおこなっていた》
   『●私人の「桜を見る会」、《政府の自粛呼びかけの最中であること》だけ
     《が原因ではない》…森友問題、アベ昭恵様が〝タマ〟を込めた結果…

 日刊スポーツのコラム、二つ。【政界地獄耳/非自民細川政権の訪米団と比較すれば…】(https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202302010000024.html)によると、《首相は…「政治家としての総理のお土産を購入する、これも政務秘書官の本来業務に含まれ、公務である」と言い切った。…細川からすればそこに官邸の機密費が使われることを嫌ったのだろう。それが今ではお土産購入は公務とは。》

   『●《健全な官僚制を破壊し「亡国の官僚」が闊歩》…自民党内部からも
      《安倍氏の政権運営が「…官僚機構まで壊した。国賊だ」と批判》
   『●《財務省では多くの人がかかわっていたのに、何故誰も異論を唱え
     なかったのか、官僚の倫理観はどうなっているのか》?(古賀茂明さん)

 アベ様は「財政、金融、外交をぼろぼろにし、官僚機構まで壊した国賊だ」ね。自公お維の政治家らも、官僚も、どいつこもいつも倫理観が欠如している。
 【政界地獄耳/国より省を背負っている感が強い官僚】(https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202302020000080.html)によると、《米国では政策立案にかかわる分野で言えば学士は高卒の扱いに等しく、修士が当たり前、政策立案者は「Dr.」(博士号)「Ph.D.」(大学院博士課程で学術研究を修めたものに与えられる学位)がほとんど。これに加え弁護士免許を持つ者が交渉担当になる場合もある。日本の官僚エリート万能時代は終わっている》。

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https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202302010000024.html

コラム
政界地獄耳
2023年2月1日7時41分
非自民細川政権の訪米団と比較すれば…

★31日、閣議後の会見で複数の閣僚が1月の首相・岸田文雄の欧州歴訪の際、首相からお土産をもらったと答えた。一部の閣僚は「お土産はプライベートなことなので、お答えは控えさせていただきたいと思います」と妙な回答をしたために、その後の予算委員会で立憲民主党・後藤祐一が息子で総理秘書官・岸田翔太郎が外遊先で公用車を使って百貨店を訪れ、土産物を購入したとの報道について質問があった。

★首相は「(お土産は)全大臣に買ったと承知をしております。具体的な内容については控えますが、いずれにせよ私自身のポケットマネーで買ったということは間違いないところであります」と答弁すると「公私混同ではないか現にプライベートなことと閣僚が言っている」と畳みかけられ「秘書官には政務と事務の役割がある」「政治家としての総理のお土産を購入する、これも政務秘書官の本来業務に含まれ、公務である」と言い切った

★そこで思い出すのが、1993年に発足した細川連立内閣だ。何しろ日本社会党、新生党、公明党、日本新党、民社党、新党さきがけ、社会民主連合、民主改革連合の8党派の連立内閣で非自民政権の樹立は自民党政治との決別も意味していた。政権は政治改革や選挙制度に着手したが、国民に分かりやすく「料亭政治の廃止」などを掲げた。日米首脳会談は正式には3回目の会談となる94年2月にワシントンで細川-クリントン会談が行われたが、ワシントンに行ったのは首相・細川護熙、副総理兼外相・羽田孜、官房副長官・鳩山由紀夫とあっさりとしたもので、歴代自民党の大名の参勤交代のような訪米団ではなかった当然、首相から訪米土産などなかったが、政治家はともかく、首相・田中角栄以来、官邸職員たちはその末端までお土産を楽しみにしていたものの、それがなく大いにがっかりしたものだ。細川からすればそこに官邸の機密費が使われることを嫌ったのだろう。それが今ではお土産購入は公務とは。(K)※敬称略
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https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202302020000080.html

コラム
政界地獄耳
2023年2月2日7時59分
国より省を背負っている感が強い官僚

★予算委員会では役所のレクを自分の言葉にしながら野党の追及をかわす首相・岸田文雄だが、執拗(しつよう)な質問にイライラしながらも抑えて、委員会はつつがなく進んでいる。ことに敵基地攻撃子育てなど野党の多岐にわたる質問や、さまざまな矢にも繰り返し答弁するさまは自分では丁寧に答えていると思っているだろうが、冷静に見れば同じことの繰り返しだ。「新聞やテレビはそれを整理して伝えるので手短な答弁に聞こえるが、同じことしか答えない首相答弁に、どこまでわかっているのか計りにくい」とある野党幹部は言う。

★首相答弁を想定問答として用意する霞が関の官僚たち。日本を代表するエリート集団であり、明治の官僚制度から脈々と日本を動かしてきたという自負を持つ。また国民も霞が関の各省の幹部こそが日本の英知と思ってきたが、最近本当にそうだろうかという官僚の不祥事なども目立つ。頭はいいが人格的には問題なのか。

★ある外交筋は日本の官僚について米国の評価を解説する。「最近、日本の官僚が手ごわいと感じない」と彼らは言う。以前よりもしゃくし定規官僚は減ったが、国や国民を背負っているというより省を背負っているという感じは同じだ。日本の官僚は東大を頂点とする優秀な大学から選抜されているというが、世界大学ランキングではトップ14位までを米国、英国が独占し、16位に北京大学、東大は35位、京大は61位(高校生新聞 世界大学ランキング22年)。それもほとんどが学士だ。米国では政策立案にかかわる分野で言えば学士は高卒の扱いに等しく、修士が当たり前、政策立案者は「Dr.」(博士号)Ph.D.」(大学院博士課程で学術研究を修めたものに与えられる学位)がほとんど。これに加え弁護士免許を持つ者が交渉担当になる場合もある。日本の官僚エリート万能時代は終わっている。(K)※敬称略
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●《犠牲になるのは一般の人々…戦争はしてはならない。命を何よりも大切に…平和が一番大切だという沖縄戦の教訓を守ってもらいたい》

2023年02月19日 00時00分40秒 | Weblog

(20230206[])
軍事費倍増…《標的》を沖縄に押し付けておけば済むと思っている大愚…。平和主義を捨て、戦争できる国となり、「鉾」を持てば、ニッポン中が《標的》だ。たとえ停止中でも、核発電所は格好の《標的》。特に「盾」が全く脆弱な使用済み核燃料プールなど格好の《標的》でしょうに。

   『●《標的》となり、《鉄砲玉》となる愚…《ことさら攻撃能力について
     興奮して議論している様について、バカではあるまいか?》(狙撃兵)
   『●自公政権が続く限り、ヅボヅボ党の誰が首相になろうが地獄は続く。道は、
      政権交代しかない…《議会政治、財政民主主義が崩壊した戦時体制》
   『●《自民党タカ派…箕輪登…「戦争とは血を流す政治であります。外交とは
     血を流さない政治であります。日本は永久に血を流さない政治を…」》
   『●《自民党の独裁体制が根絶されない限り、いずれ軍拡の財源も消費税
        増税で賄われる》《騙されてはならない。騙されてはならないのだ》
   『●《決して沖縄だけの問題ではない…「だからこそ自分たちのこととして、
     そもそも戦争を起こさせないための声を国に対して上げる必要がある」》

 《犠牲になるのは一般の人々だ。大勢の人の命が奪われ、双方の国に大きな被害を出す。戦争はしてはならない命を何よりも大切にすること、平和が一番大切だという沖縄戦の教訓を守ってもらいたい》。
 長周新聞の記事【沖縄を戦場にすることに断固反対する 沖縄・元全学徒の会が声明】(https://www.chosyu-journal.jp/heiwa/25589)によると、《「台湾有事」を既成事実にして南西諸島一帯の軍事強化が進む中、かつて沖縄戦に動員された沖縄県内21校の旧制師範学校・中等学校の元学徒らでつくる「元全学徒の会」は12日、「沖縄を戦場にすることに断固反対する声明」を発表した。声明では「再び戦争が迫りくる恐怖と強い危機感を覚えとのべ、戦争の残虐さを身をもって体験した者として平和が一番大切だという沖縄戦の教訓を守ってもらいたい」と訴えている。以下、声明の全文を紹介する》。

 金平茂紀さん《連載第1回で僕は「自分たちにとってイヤなものを、弱い部分に押しつける生き方を続けていくことに倫理的な負い目を感じない国」が当時の日本だと批判した。現在はどうだ》…より一層ひどくなっている。いまや、《人柱》までやろうとするヒトデナシぶり。
 沖縄タイムスのコラム【再び沖縄を戦場にするつもりなのか 再開「ワジワジー通信」の初回で問う/金平茂紀】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/1095220)によると、《本紙に「沖縄ワジワジー通信」連載の第1回が掲載されたのは、今から12年前の2011年1月11日。本連載の編集担当者が当時の紙面を見せてくれた。紙面を読んでみて、あらためてこの12年間の沖縄の激動、とりわけ県民の願いがいかに踏みにじられてきたか、その事実がいやというほど積み重ねられてきた歳月の重みを突きつけられ、痛切な思いにとらわれた》。

   『●沖縄の《遺骨が残る激戦地の土砂が国の米軍基地建設に…。愚かな戦争で
      犠牲を強いられた人々の遺骨を戦争の道具に使っていいはずがない》

=====================================================
https://www.chosyu-journal.jp/heiwa/25589

沖縄を戦場にすることに断固反対する 沖縄・元全学徒の会が声明
平和運動 2023年1月23日

 「台湾有事」を既成事実にして南西諸島一帯の軍事強化が進む中、かつて沖縄戦に動員された沖縄県内21校の旧制師範学校・中等学校の元学徒らでつくる「元全学徒の会」は12日、「沖縄を戦場にすることに断固反対する声明」を発表した。声明では「再び戦争が迫りくる恐怖と強い危機感を覚えとのべ、戦争の残虐さを身をもって体験した者として平和が一番大切だという沖縄戦の教訓を守ってもらいたい」と訴えている。以下、声明の全文を紹介する。

     (沖縄県糸満市摩文仁平和祈念公園内に
      建立された全学徒隊の碑(2017年))


沖縄を戦場にすることに断固反対する声明

 今、ロシアによるウクライナ侵攻を背景に、沖縄を含む南西諸島で自衛隊の増強が進められる状況に、再び戦争が迫りくる恐怖と強い危機感を覚え、むごい沖縄戦を思い出す

 78年前の沖縄戦では、米軍の上陸に備え、県民は子どもから大人まで、日本軍の飛行場設営や陣地構築に動員された。正義の戦争だと教え込まれ、知らないうちに戦争の加害者となり、戦争に加担させられた。日本政府は今、日米安全保障条約の下で「中国脅威論」を盾に軍備増強を進めている。自衛隊と米軍の一体化がさらに進む中、国民の緊迫の度を高め、自ら戦争を引き起こそうとしているような状況と戦前が重なる。軍拡ばかりが前面に押し出され、住民の被害に対する思いは微塵もない

 沖縄戦で戦場にかり出された県内21校の旧師範学校・中等学校の男子学徒と女子学徒は、戦争がいかに残虐なものかを、身をもって体験した。死の迫る極限状況の中、生き残った元学徒も学友や家族、親しい人々を失い、心に深い悲しみを負った。全学徒の死者は約2千人。戦後は戦没学徒の慰霊を続け、二度と沖縄を戦場にしてはならないという思いで、教え込まれた皇民化教育の過ちと悲惨な戦争の実相を語り継いできた。

 戦争する国は美しい大義名分を掲げるが、戦争には悪しかない。爆弾で人間の命を奪うだけである。戦争は始まってしまったら手がつけられない。犠牲になるのは一般の人々だ。大勢の人の命が奪われ、双方の国に大きな被害を出す。戦争はしてはならない命を何よりも大切にすること、平和が一番大切だという沖縄戦の教訓を守ってもらいたい。

 先の大戦では、若い学徒を含め310万人の日本人が犠牲になり、アジア全体での軍民の犠牲者は2千万人を超えるとされる。日本は侵略した国の人々を虐げ、収奪し、命を奪った。今、日本政府がすべきことは、侵略戦争への反省と教訓を踏まえ、非戦の日本国憲法を前面に、近隣の国々や地域と直接対話し、外交で平和を築く努力である。戦争を回避する方策をとることであり、いかに戦争するかの準備ではない。しかし、今の政府は戦争をするきっかけを見つけ出し、戦争にまい進しようとしていることが強く危惧される。

 戦前に戻るかのような政府の動きを元学徒として見過ごすことはできない。県民の間で第三二軍司令部壕の保存・公開を訴え、「平和の砦」にしようという運動がある中、沖縄の陸上自衛隊第一五旅団を師団に格上げし、沖縄本島や先島諸島の駐屯地司令部の地下化を計画することは、県民の平和志向に反するものである。元全学徒の会は、日本政府による沖縄へのミサイル配備をはじめとする自衛隊増強と軍事要塞化で、再び沖縄を戦場にすることに断固反対する

2023年1月      元全学徒の会

中学校、沖縄県立第二中学校、沖縄県立第三中学校、沖縄県立農林学校、沖縄県立水産学校、沖縄県立工業学校、那覇市立商工学校、学校法人開南中学校、沖縄県立宮古中学校、沖縄県立八重山中学校、沖縄県立八重山農学校、沖縄師範学校女子部、沖縄県立第一高等女学校、沖縄県立第二高等女学校、沖縄県立第三高等女学校、沖縄県立首里高等女学校、沖縄積徳高等女学校、昭和高等女学校、沖縄県立宮古高等女学校、沖縄県立八重山高等女学校

  共同代表 與座章健、瀬名波栄喜、中山きく、吉川初枝
  幹事   宮城政三郎、山田芳男、太田幸子
=====================================================

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https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/1095220

再び沖縄を戦場にするつもりなのか 再開「ワジワジー通信」の初回で問う
金平茂紀
2023年1月31日 6:10有料
金平茂紀のワジワジー通信2023

金平茂紀(かねひら しげのり)
1953年北海道生まれ。テレビ記者、キャスター。2004年ボーン・上田記念国際記者賞受賞。著書に「筑紫哲也『NEWS23』とその時代」「金平茂紀の新・ワジワジー通信」(沖縄タイムス社)など。

 再開しますよ! 沖縄の皆さん! こんなワジワジー全開の世の中で、黙っていることは、罪を犯しているに等しい、と思うに至ったからだ。はっきりと申し上げよう。今の日本政府=岸田文雄政権は、再び沖縄を戦場にしようとしている。(最初にお断りしておきますが、この「ワジワジー通信2023」は紙面版とウェブ版のハイブリッド形式でお送りします。ウェブ版には紙面版では伝えきれない部分が加わっております)


 本紙に「沖縄ワジワジー通信」連載の第1回が掲載されたのは、今から12年前の2011年1月11日。本連載の編集担当者が当時の紙面を見せてくれた。紙面を読んでみて、あらためてこの12年間の沖縄の激動、とりわけ県民の願いがいかに踏みにじられてきたか、その事実がいやというほど積み重ねられてきた歳月の重みを突きつけられ、痛切な思いにとらわれた。

 この日の1面トップ記事は「移設先の再検討否定 岡田氏 『辺野古以外ない』」(注=当時の与党・民主党の岡田克也幹事長が普天間飛行場の辺野古移設を進める考えを那覇市内で明言した)だった。

 当時、日本は民主党政権下にあった。首相は菅直人氏。前任の鳩山由紀夫首相が(普天間飛行場の移設先は)「最低でも県外」と、マニフェスト(公約)に掲げて華々しく政権交代を果たしたものの、その後、米政府及び安保利権と直結する日米人脈の怒りを買い、日本の外務省、防衛省官僚らのあからさまな裏切りによって、鳩山氏が首相の座から追い落とされた後に誕生したのが菅直人政権だった。この政権下で、日本は東日本大震災に見舞われ、福島第一原発事故が起きた。連載開始からわずか2カ月後のことだった。

 菅政権下での沖縄政策は「辺野古が唯一の選択肢」とする地点まで後退したまま変わらなかった。菅氏にしてみれば、鳩山氏の二の舞は踏みたくないとの警戒心は尋常なものではなかったのだろう。鳩山氏に直接うかがったことがあるが、首相当時、沖縄政策について外務、防衛のトップ官僚たちと約束した守秘事項などは、翌朝の新聞にデカデカと報じられる始末だったという。対米従属が骨の髄まで滲みわたっている官僚たちの姿をまざまざと感じたという。

 当時の沖縄県知事は仲井真弘多氏。この時点での仲井真氏は、辺野古移設は容認できない、県外移設を求めるとの姿勢だった。このわずか2年11カ月後に、この知事は、復権した自民党・安倍晋三政権下で辺野古の埋め立て申請を承認するという沖縄県政史上に残る一大政策転換をやってのけた。仲井真氏は「有史以来の(沖縄関係)予算だ」「驚くべき立派な内容」「これは良い正月になるなどと政府を絶賛する発言を繰り返していたことを僕はよく覚えている。知事が率先して民意を裏切る。県民の怒りは頂点に達した。この当時の那覇市長が翁長雄志氏だった。

 14年の県知事選は大荒れとなった。仲井真氏が県民を裏切ったとの有権者の怒りは、約10万票の得票差となって翁長県政を誕生させた。ところが安倍・菅義偉両政権は、民意を背に辺野古移設反対を訴え続けた翁長知事に対して、面会さえも拒み、さまざまな方策を弄していじめにいじめ抜いた。翁長氏は病に倒れ、在職中の18年8月8日に死去、享年67。思い出すだけで、ワジワジーどころではなく、はらわたが煮えくり返るような、非道がまかり通ってきた。現在の玉城デニー県政は、翁長県政の姿勢を継承することを公約として選ばれたと記憶している。そうですよね、デニーさん。

  *     *

 連載第1回で僕は「自分たちにとってイヤなものを、弱い部分に押しつける生き方を続けていくことに倫理的な負い目を感じない国」が当時の日本だと批判した。現在はどうだ。辺野古の基地建設工事は強行され続けているうえ、政府は、ウクライナ侵略を奇貨として「台湾有事」「尖閣有事」をあおり、ミサイル配備を含め南西諸島の最前線基地化、軍事要塞化を、確信的に、かつ県民の意思を全く無視する形で進め沖縄を再び戦場にしようとしている。沖縄県民にとって、これは目の前にあるリアルな危険だ。

 そんななかでもとりわけ露骨な「暴挙」(このような強い言葉をあえて使わざるを得ない)は、沖縄防衛局が、辺野古などの基地建設工事埋め立て用の土砂に、沖縄戦の本土南部激戦地から採取した土砂を使う計画を策定したことだ。

 遺骨の混じる土を海に投じ、それで軍事基地をつくる戦没者に対する冒瀆だとの憤りを表明し抗議行動の先頭に立っているのは「ガマフヤー」(沖縄戦遺骨収集ボランティア)の具志堅隆松さん(69)だ。1月18日に衆議院議員会館で、沖縄戦遺族らも参加して、防衛省、厚労省、外務省などとの意見交換会があったので取材に赴いた。

 その現場で、具志堅さんたち切実な当事者と、遠い東京から沖縄を眺めているお役所の埋めがたいギャップを感じる場面があった。………
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●在阪メディアのお維《追従は相変わらず。性懲りもなくヨイショ報道ばかりが繰り広げられている》そんな中、「カジノ用地賃料疑惑」を追及…

2023年02月18日 00時00分24秒 | Weblog

【↑ 『適菜収 それでもバカとは戦え真相究明と責任追及を“大阪ノーサイド”なんて冗談じゃない』 (2020年11月14日、日刊ゲンダイ)】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/281280


(20230206[])
お維支持の大阪の皆さん、大丈夫? お維ご自慢の《ファクトチェッカー》は役立たずですね。
 お維は、《この男がぶち上げてきた大言壮語の数々》を「ファクトチェッカー」しては? 大阪・関西マスコミは、なぜに“ファクトチェック”しないのかね? それでも、お維支持者の皆さんはお維に投票し続けるのかね? まだ吉村氏に大阪「ト」知事で居させるつもり? (リテラ)《つまり、ほとんどのメディアがその後の顛末をきちんと検証せず、吉村人気を共犯関係でつくり上げてきたことが、全国ワースト1の死亡者数を出しながら意気揚々と再選出馬の表明ができてしまう環境を生み出してしまったのである》。
 前大阪「ト」知事も同様だ。その恫喝体質、傍から見ていても、気分が悪い。元木川南小校長・久保敬氏への恫喝を思い出す。

   『●《大阪維新「ファクトチェッカー」が一般市民の事実に基づく行政
     批判を吊るし上げ!「まず吉村のイソジンをチェックしろ」と非難殺到》
   『●《4月の任期満了に伴う府知事選に出馬する意向》の大阪「ト」知事…
     お維の「ファクトチェッカー」は「吉村のイソジンをチェック」したの?
   『●《維新は何かと「大阪では高等教育まで無償化」と主張し、タダで学校に
        通えるかのように主張するが、真っ赤なウソだ》(日刊ゲンダイ)

 リテラの記事【維新の在阪マスコミ支配のなか「カジノ用地賃料疑惑」を追及するMBSが松井市長から卑劣な恫喝を受けるも“新事実”を敢然と報道】(https://lite-ra.com/2023/02/post-6260.html)によると、《今春の統一地方選に向け、党勢拡大に血道を上げている大阪の吉村洋文知事と松井一郎市長だが、在阪メディアの維新追従は相変わらず性懲りもなくヨイショ報道ばかりが繰り広げられている。しかし、こうした報道支配が広がる大阪で、毎日放送MBS)が、カジノをめぐる重大疑惑を徹底追及。松井市長の卑劣な恫喝を受けつづけながら、それに屈することなく、新事実を敢然と報道し、府民から喝采の声が上がっている》。
 2度目の「ト」構想大阪市廃止でも敗れ、即刻辞職すべきなのに、いつまで大阪市長を続けているのでしょうか? 在阪メディアは放置していていいの?

   『●最後の切り札だってさ!?
   『●《全国民を勝負師に》…「国民にギャンブルを奨励する
        ギャンブル国家の道…憲政史上、由々しき法案」
   『●所詮「ト」構想だった:
      「地方自治への逆行」「何でもぶっ壊せばいいという暴論」
   『●《実際、元大阪市長の橋下徹は都構想の目的として
      「大阪市が持っている権限、力、お金をむしり取る」…》
    《政令指定都市である大阪市を潰しその権限、力、お金をむしり取ること
     である。…当然、大阪市民は財源も自治も失い、行政サービスは低下する

   『●大阪市廃止「ト」構想、再び否決…5年前に《「何度もやるものでは
          ない。1回限り」「ラストチャンス」》で否定されておきながら…
   『●大阪「ト」の万博、お維とアベ様らが賭博場開帳のために 
           《血税をつぎこむための隠れ蓑》…上前はどこに?
   『●大阪「ト」知事三代の重大な責任 ——— 大阪市廃止大阪「ト」構想、
     カジノ、万博、お維関係者の数多の問題、そして、リコール不正署名
   『●《巨額の税金を“言い値”でフンだくられ、リターンは「遅さ日本一の
      命綱」…まるでパソナ支援金》(日刊ゲンダイ)…大阪「ト」知事三代
   『●【コロナ拡大の大阪でさらなる危機 IR誘致が泥沼化し、血税投入へ
     「竹中平蔵氏との関係」危惧も】(AERA)…お維に蝟集するスッゲェ人々
   『●《与党共闘にまっしぐら…自民党から見れば国民が連立入りするメリット
      はほとんどない。自民党は連合を野党支援からはがせればそれでいい》
   『●《IR…大阪と同じくカジノ誘致を進めてきた和歌山で…国への
     申請案を県議会が否決。事実上、カジノ誘致が頓挫した…》(リテラ)
   『●長周新聞《賭博に大阪の未来を委ねる愚》《「公的負担ゼロ」から
     2700億円負担へ》《カジノ利用者の想定も恣意的 日本人が7割?》

 さて、MBSと言えば、お維・橋下徹初代大阪「ト」知事と戦った記者…【橋下氏、女性記者を“罵倒”つるし上げ!君が代条例の波紋】。斉加尚代MBS記者と、《地元テレビはヒレ伏しヨイショの連続》《ハシズム》で当時絶好調の橋本徹元大阪「ト」知事・当時大阪市長とのやり取りが秀逸。

   『●対橋下元〝ト〟知事、どうすべきか?
   『●斉加尚代監督『教育と愛国』:《教育への政治支配が続けば、日本の
     学校は…政府プロパガンダを信じ込ませる場に堕す》(前川喜平さん)
   『●『教育と愛国』《危うさに気づいた…。監督で毎日放送の斉加尚代さんは、
         ゆがむ教育現場のリアルを伝え「教科書は誰のものか」を問う》
   『●《地元テレビはヒレ伏しヨイショの連続》…一方、ある記者は
     《「こんな状態でも、ひるんじゃダメよ」――。橋下市長より大人だ》った
   『●『教育と愛国』《教科書は誰のものか》…「そんなふうに、教科書
     検定だけではなく学校の現場に、有形無形の圧力が押し寄せている」
   『●『教育と愛国』…《教科書採択に「政治家がタッチしてはいけない…」
      …政治家はタッチしないのが当たり前なのだ》を理解できないアベ様
   『●斉加尚代監督『教育と愛国』…JCJ賞《選考委員から「ジャーナリスト
       が決意を固めて取り組めばこれだけの作品ができることを示した」》

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https://lite-ra.com/2023/02/post-6260.html

維新の在阪マスコミ支配のなか「カジノ用地賃料疑惑」を追及するMBSが松井市長から卑劣な恫喝を受けるも“新事実”を敢然と報道
2023.02.01 07:00

     (日本維新の会HPより)

 今春の統一地方選に向け、党勢拡大に血道を上げている大阪の吉村洋文知事と松井一郎市長だが、在阪メディアの維新追従は相変わらず性懲りもなくヨイショ報道ばかりが繰り広げられている

 しかし、こうした報道支配が広がる大阪で、毎日放送MBS)が、カジノをめぐる重大疑惑を徹底追及。松井市長の卑劣な恫喝を受けつづけながら、それに屈することなく、新事実を敢然と報道し、府民から喝采の声が上がっている

 松井市長の卑劣な恫喝とMBSが暴いた新事実について報じる前に、まず、大阪カジノをめぐる重大疑惑について解説しておこう。

 これは、昨年から浮上していた「カジノ用地賃料の大幅値引き」「鑑定評価額談合疑惑のことだ。

 大阪市はカジノ事業者に対し、約35年間にわたってカジノを含む統合型リゾート(IR)用地約49万平方メートルを年約25億円で貸す計画になっているが、これは1平方メートルあたり月額428円というべらぼうな安さで設定され、一部で指摘の声が上がっていた。

 そこに浮上したのが、この賃料を決める経緯の不透明さだった。賃料の根拠は、大阪市大阪港湾局からの依頼を受けた4社の不動産鑑定業者による「不動産鑑定評価書」だったのだが、なんと、4社のうち3社の評価額が「更地価格12万円/㎡」「利回り4.3%」「月額賃料428円/㎡」と、まったく一緒だったことを、「ダイヤモンドオンライン」9月30日付および「しんぶん赤旗 日曜版」2022年10月2日号が報じたのだ。

 3社の評価額が、なぜかピッタリ一致していた──。この鑑定評価書を見た不動産鑑定士は「宝くじ1等に当選するよりも低い。こんな偶然の一致はあり得ない」(ダイヤモンドオンライン)、「“鑑定評価額談合”だ」(しんぶん赤旗 日曜版)と指摘していた。

 しかも重要なのは、評価額の低さだ。夢洲のIR予定地のすぐ隣には地下鉄の新駅が設置される予定であり、いわば駅前の一等地。また、カジノ計画では全体面積の5分の1がホテル用地となっているのだが、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンに隣接するホテルの場合、1平方メートルあたりの地価が約50〜60万円であるのに対し、前述したように不動産鑑定をおこなった3社は1平方メートルあたり12万円と評価しているのだ。


異常な激安評価の裏にIRを考慮しない“談合”疑惑 鑑定前に松井市長了解のもと価格決定

 数字だけ見ても、その鑑定額は異常な安さとしか言いようがないが、そこにはウラがあった。じつは、不動産鑑定をおこなった4社ともIRの計画を考慮せず、ホテルより価値が低いショッピングモールなどの大規模商業施設の用地として評価をおこなっていたというのである。

 しんぶん赤旗では、調査に協力した鑑定士が“本来の賃料は少なくとも年40億円程度が妥当”だと回答。つまり大阪市は、IRを考慮しない“評価額談合”によって年15億円、35年間で500億円以上にもなる賃料の大幅値引きをした可能性があるのだ。

 これだけでも重大疑惑だが、「赤旗 日曜版" class="tagLink">しんぶん赤旗 日曜版」は2022年11月27日号でさらに重要な事実をスクープ。というのも、大阪市は鑑定評価を依頼するより前に土地価格「12万円/㎡」、月額賃料「435円/㎡」、利回り「4.35%」などの「参考価格」を決定。これは3社の結果がピッタリ一致した鑑定評価とほとんど同じ内容だが、この参考価格を市はカジノのコンセプト募集要項で提示。このコンセプト募集時の「参考価格」を鑑定評価でも維持することを、松井市長が出席していた「市戦略会議」で確認していた、というのだ。議事録に記されたそのやりとりは以下のとおりだ。

松井市長「ほぼこの価格なのか」
港湾局長「そうだ」
IR推進局長「おそらく今の価格が大幅に変わることはない。逆に変わると事業計画に大きく影響するので、できるだけ変えずに具体的にIR事業者側に考えてもらうようにしたい

 ようするに、鑑定評価がおこなわれるより前に、大阪市が主導し、松井市長も了解のもとで事実上の価格が決定していたのだ。つまり、考えられるとすれば、参考価格に合わせるかたちで鑑定評価をおこなうように大阪市側が鑑定業者に指示や誘導をおこなったか、あるいは業者間で価格を合わせたかのどちらしかない。どちらにせよ、不当な鑑定と言わざるを得ないだろう。

 だが、このような重大疑惑が報じられ、国会や大阪市議会でも取り上げられたというのに、在阪メディアは完全にスルー。だが、そんななか、MBSの『よんチャンTV』が2022年12月12日にこの問題を報道。大阪港湾局を直撃取材したのだ。


松井一郎・大阪市長がMBS記者の追及に逆ギレ「勝手に疑い疑いって、恣意的な偏向」「鑑定士に訊いてきてよ」

 しかし、問題はこのあと。このMBSの報道を受け、松井市長が案の定、露骨な嫌がらせや恫喝をはじめたのだ。

 実際、放送翌日の12月13日の囲み取材では、MBS記者が“依頼主の要望に合わせて鑑定書をつくるのは鑑定士の業界のなかでは禁止されているようなものだと指摘すると、松井市長は「要望してないっちゅうの」「要望したって言い切れるの?」と声を荒げ、「MBSは勝手に疑い疑いって、恣意的な偏向(報道だ)」などと攻撃。松井市長は、市側が説明すべき問題であるというのに「鑑定士に訊いてきてよ」などと無責任な態度をとったのだ。

 だが、それでもMBS記者は怯まず、鑑定評価の際にIRであることが考慮されなかった点について問うたのだが、松井市長は「(カジノ以外の)IRは考慮してるって」「ホテルとショッピングモールとイベントホールが複合しているものがIRっていうの」と発言。実際にはホテルは鑑定で考慮されておらず松井市長の誤りなのだが、にもかかわらず松井市長は記者に対し「勉強してこいよ、ちょっと」と言い放ち、またも「恣意的な、偏向的な物言い、やめてくれよ」「偏向やん。君んとこはなんでも『疑い』『疑惑』『疑惑』や」と攻撃。挙げ句、こんなことまで言い出したのだ。

「MBSの社屋のほうがおかしいやないか、それやったら。ほんなもん、平松さんのときに、特別で2億も3億も付けてもらって」
「そのほうがいちばんおかしいよ。あれのほうが大疑惑です!」

 これ、ほとんどの読者には何の話かさっぱり意味がわからないと思うが、どうやら松井市長は、2011年の平松邦夫市政時代にMBSの本社新館建設が大阪市の「企業・大学等立地促進助成制度」の対象となったことを「大疑惑」と呼んでいるらしい。

 大阪市の「平成23年度決算補助金支出一覧」によると、この年に同助成制度の対象となっているのはMBSだけではなくパナソニックなど5件あったようで、支出額も5件合わせて計4億5457万6000円となっている。この松井発言を受け、平松氏は〈請求趣旨は「最新の免震構造をもった新館を建設することで、災害時における情報発信機能の維持にもつながる」ということだったと思いますが、助成にあたってこうした条件をクリアできていれば、認可されるという流れは当然ですし、情報公開を徹底していましたので「大疑惑」などという表現は全く的外れとしかいいようがありません〉と反論している。

 というか、そもそもこれを松井市長が「大疑惑」と言うのであれば、MBSを助成対象とした大阪市こそがしっかり検証・説明をおこなうべき問題であって、いま問題となっているカジノの話とはまったく関係がない。ようするに、松井市長は疑惑の追及から話を逸らすために、MBS社屋の話を「大疑惑」などと持ち出したのだ。下劣にもほどがあるだろう。


松井市長の下劣なMBS攻撃「社長と話させろ」「どっちが正しいかはっきりしないと毎日放送の質問には答えない」

 しかし、松井市長による下劣なMBS攻撃は、その後もつづいた。

 たとえば、翌12月14日にも、松井市長は「ウチが(不動産鑑定士に)示唆して恣意的に値段に誘導していたとすれば、役所をあげて謝罪する。僕も謝罪する」「来年分の報酬、全部返上する。そのくらいしか責任のとり方ないから」と発言。謝罪だの報酬の返上だので済むような話ではなくカジノ誘致を白紙撤回するほかないような問題なのだが、松井市長は「違うかったら、君んとこは違うかったことを認めて、訂正と謝罪をするんやな?」「君では話にならんから社長と話させてよ」などとMBS記者に迫った。

 さらに、12月15日におこなわれた定例会見では、MBSの別の記者が別の話題について質問をおこなったのだが、松井市長は「ちょっと、毎日放送さんはその前に、この間の疑惑のことの答えを言ってほしい」と言い、このように宣言したのだ。

「君のところは、我々は疑惑の塊という、行政がそういうルールを歪めてるという報道をしてるから。それが、どちらが正しいかはっきりしないと毎日放送の質問には答えられません

 MBSは当然の疑惑の追及をおこなっただけだというのに、なんと、松井市長は「どちらが正しいかはっきりしないと質問に答えない!」などと質問拒否をおこなったのである。これは1月4日の年頭会見でも同じで、「毎日放送、先に答え言ってくれないと答えませんよ」「毎日放送の質問は答えません」と言い、MBSの質問を拒絶したのだ。

 繰り返すが、不動産鑑定の評価額が3社で完全一致するようなことはありえない。しかも、鑑定評価を依頼するより前に市側が算出した「参考価格」を鑑定評価でも維持すると松井市長も確認していたことは、議事録からも明らかになっているのだ。にもかかわらず、松井市長は鑑定評価の検証などの責任を果たそうともせず、それどころか質問拒否という露骨な嫌がらせ・恫喝を繰り返したのである。

 しかし、こうした嫌がらせ・恫喝に、MBSは屈しなかった。というのも、MBSは1月30日、新事実を報道したのだ。


■「不動産評価審議会」委員委員が「IRが考慮されないということはすでに決まった状態」と証言

 松井市長の恫喝に屈せず、MBS が報じた新事実とはどんなものだったのか。

 これまで大阪市側は、4社中3社で鑑定評価額が一致したことについて“たまたま一致した”などと説明。鑑定結果の価格が適正かどうかを審議する第三者機関である「大阪市不動産評価審議会」で“この価格は妥当だと判断された”ことから、問題はないという立場をとってきた。

 ところが、MBSが「不動産評価審議会」の当時の委員である不動産鑑定士A氏に取材すると、「3社が一致していることやIRが考慮されていないことは審議の対象になっていない」と回答。さらに、同じく当時の委員だった不動産鑑定士C氏は「なんらかの力というかきっかけがないと3社の一致にはならないと思います」と回答したというのだ。

 MBSによる審議会委員たちへの取材によれば、「審議会では、IRが考慮されないということは、すでに決まった状態で審議にかけられており、『ショッピングモールであれば12万円という価格は妥当ですか』というような審議の仕方になっている」という。また、「委員の不動産鑑定士たちは、不動産鑑定評価書を見て審議しているわけではなく、諮問調書と呼ばれる要約された情報に基づいて議論が行われている。審議会はあくまで、あたえられた条件の中で、価格が適切かどうかを判断する場所で、全ての情報を見て議論しているわけではない」という。これでは、第三者機関として価格が適正か否かを判断することが可能な状態だとは言えないだろう。

 だが、酷いのは、このMBSの報道を受けた大阪市側と松井市長の主張だ。前述したように、これまで大阪市側は「審議会で審議され、価格は妥当と判断されたため問題ない」としてきたが、今回あらためてMBSが確認すると、「説明はしたが、話し合われてはいない」などと回答。松井市長も、1月30日の囲み取材でこの点について朝日新聞の記者に問われると、「資料を提出して審議していただいた」「問題なければ意見は出ませんから。そこで承認はされます」「これをもって議論していないというのは、恣意的な偏向の報道」などと述べたのだ。

 しかも、MBSは今回、松井市長が「鑑定士に訊け」と言ったとおり、大阪市が不動産鑑定を依頼した4社にも質問状を送付したという。だが、「土地の価格などが3社一致しているが?」という質問には、4社とも「回答なし」「意見を述べることは控える」など回答を拒否。ちなみに、この4社への鑑定報酬は、1社につきおよそ620万円~770万円だという。


■MBSへの松井一郎・大阪市長の嫌がらせ・恫喝を黙って見過ごす他メディア

 繰り返すが、「鑑定士に訊け」と言う前に、松井市長には、評価額が3社で一致するというありえない事態が起こったことに対して、大阪市側の鑑定依頼時のやりとりやそれ以前の経緯などを公開・説明する責任がある。疑惑をかけられた行政側にこそ徹底調査と情報開示をおこなう責任があるのだ。にもかかわらず、報道機関として当然の疑惑の追及をおこなったMBSに対し、“疑惑と言うなら証拠を出せ”と攻撃し、質疑に応じないという恫喝をかけるとは、これだけでも首長の資格はないと言うほかないだろう。

 じつは、MBSが松井市長から攻撃を受けるのは、これがはじめてではない。実際、2021年にも、MBSの番組において大阪市の保健師が過重労働の実態や疫学調査を担当する常勤職員が減らされたことなどを告発したが、そのときも松井市長はMBSの記者に対し「お前、裏とってきたんやな?」「そんな不安をあおるようなことばっかり、MBS、何が面白いの?」などと恫喝してきた。

 しかも情けないのは、正当な報道・取材活動をおこなうMBSへの松井市長の嫌がらせ・恫喝を黙って見てきた他メディアの記者たちだ。今回の不当な鑑定疑惑についても、MBS以外の在阪メディアが報じたのは、1月16日に市民有志が住民監査請求をおこなった件のみ。維新政治をしっかりと検証・批判する報道をおこなっているのは、MBSのほかには毎日新聞ぐらいしか見当たらない惨状だ。

 いくら脅しをかけられても怯むことなく疑惑を報道し、さらには新事実を掘り出してきたMBSは、たしかに称賛に値する。だが、本来ならば、このような報道は当たり前になされるべきものだ。しかも、今回の不当な鑑定疑惑は、場合によっては35年間で500億円以上もの優遇をカジノ事業者におこなうという重大問題なのだ。松井市長のメディアに対する嫌がらせ行為の下劣さはもちろん、この疑惑を徹底追及していく必要があるだろう。

(編集部)
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●《岸田首相、なぜ防衛費をあげるのですか…「日本が戦争の準備をしているような気がする」と不安になった…児童は首相の返事を待っている》

2023年02月17日 00時00分45秒 | Weblog

(2023年02月04日[土])
赤紙〟の来る時代へ…自公政権を支持し、自公お維の議員によくも投票できるものだ。子や孫を、そんなに戦場に行かせたいものかね、そんなに人殺しに行かせたいものかね? 戦争法の前に、「戦争絶滅受合(うけあい)法案」の制定が必要。

   『●『城山三郎の昭和』読了(1/3)
   『●「戦争屋」「死の商人」の胸に
     「老人のワッペン」はお似合い……「血税と赤紙」の時代
   『●「18歳選挙権」にさえ無関心?: 
       血税と赤紙と、そして、(経済的)徴兵制への第一歩か?
   『●血税と赤紙と…「主権者である天皇に
      徴兵制に基づき血を納めた」。そして、いま、アベ国王へ血税が
   『●子供たちと赤紙: 「学校保護宣言」に調印しない戦争好き、 
                      侵略戦争マニアな国々はどこ??
   『●アベ様の「誇りある国へ」= 
     戦争で「殺す側になる」「人殺しに加担する」、でいいのか?
   『●高校生による壊憲法案反対デモ: 
     赤紙を受け取る側の論理、人殺しに加担させられる側の論理
   『●「赤紙」の来る時代…
     綿井健陽さんの「“平和”のありがたさをしみじみとかみしめたくなる映画」
   『●経団連は、「プルトニウムをつくる装置」再稼働を後押し。 
             そして、国家戦略としての「武器輸出」を推進!
    「…頭に浮かんだのは、「死の商人」、「赤紙」。
      これまで数十回にわたって、CMLの記事について、
     以下を「つぶや」いてきました。
       - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
       ■「赤紙」が来る時代
        http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/c5aecf5f3f80e3bdca64d1b8b6603ed0
        『[CML 035569武器輸出に資金援助』
        http://list.jca.apc.org/public/cml/2014-December/035684.html
        「武器を売って手にした金で、
         娘はピアノを買ってもらい平和の曲を奏でる
       - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -」

   『●アベ様参院選公約「子育て…」: 「3歳児、おなかすいて盗んだ」 
                      …アベ様のニッポン、病んでいないか?
    「子どもや若者に赤紙が送り届けられるような、
     アベ様による経済的徴兵制悪徳企業型徴兵制の世、
     そんな悍ましい世にしていて本当に良いのですか?」

   『●自民党の武藤貴也衆院議員: 赤紙を送る側の(非)論理、
                     人殺しに加担させる側の(非)論理
    《◆「シールズ」学生ら反発 「みんなの思い」「全体主義見えた
     …「戦争が嫌だというのは、個人の考えだけでなく、みんなの思いでも
     あるのに」。…元山仁士郎さん…があきれる。「個人が重んじられる
     社会が許せないんでしょう。自民党の改憲草案にある全体主義的なものが
     垣間見えた気がする」》

   『●政治家の浅ましさ、政治の貧困: 
    「あたかも完璧な貧困者でないと許さないかのような社会」は病んでいる
    「2016年7月参院選の自民党による公約の一つは
     「子育て支援など社会保障の充実を据える「1億総活躍社会」の推進」でした。
    公明党も「子育ての党」を謳っていました、散々子供や若者に「赤紙」を
    送るようなことをしておきながら…。そういった公約が、100兆を越える予算に
    どれほど反映されているのでしょうか?
    政治の貧困、与党・「癒」党政治家のココロの貧困・浅ましさを感じざるを
    得ません。ニッポン社会も歪みます。《あたかも完璧な貧困者でないと許さない
    かのような社会は、病んでいよう》」

 《児童は首相の返事を待っている》…《児童》の声や《沖縄の人の声》を「聞く力」など、キシダメ氏にあろうはずもない。首相からの《返事》は赤紙では……。
 東京新聞の記事【岸田首相、教えて?「なぜ防衛費をあげるのですか」 世田谷の小学6年生たちが質問の手紙】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/229015)によると、《岸田首相、なぜ防衛費をあげるのですか—。政府の安全保障政策などに疑問を持った東京都世田谷区の小学6年生36人が、10項目の質問をまとめ、岸田文雄首相に手紙を出した。1年間、総合学習で平和について考え、「日本が戦争の準備をしているような気がする」と不安になったという。手紙には有志6人が個人で書いた意見が同封されており、児童は首相の返事を待っている》。

 「聞く力」があるのなら、こんなヒトデナシなことを出来ようはずもない。

   『●《沖縄戦で亡くなった人の骨が今も残る激戦地の土が、戦争のための
      基地建設に使われる。戦没者の尊厳に対するこれほどの冒涜はない》

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/229015

岸田首相、教えて?「なぜ防衛費をあげるのですか」 世田谷の小学6年生たちが質問の手紙
2023年2月3日 06時00分

 岸田首相、なぜ防衛費をあげるのですか—。政府の安全保障政策などに疑問を持った東京都世田谷区の小学6年生36人が、10項目の質問をまとめ、岸田文雄首相に手紙を出した。1年間、総合学習で平和について考え、「日本が戦争の準備をしているような気がする」と不安になったという。手紙には有志6人が個人で書いた意見が同封されており、児童は首相の返事を待っている。


◆戦争の歴史や現在の安全保障問題を学習

     (岸田首相に書いた手紙について話す
      小学6年生=東京都世田谷区)

 10項目には、防衛費増額についての質問など、児童らの疑問が並ぶ。

  なぜ基地をつくるのですか?

  辺野古に基地を移すのですか? 沖縄の人の声を聞いてますか?

  日本に米軍基地があることについて、どう考えてますか?

  なぜ平和憲法があるのに、日本に軍隊があるのですか?

  戦争についてどう考えてますか?

  なぜ自衛隊が、国を守る以外に攻めてもいいというルールになったのですか?

  国債はどうやって返していくつもりですか?

 児童たちは、総合学習で第2次世界大戦の沖縄戦や、米軍普天間飛行場の辺野古移設について学び、昨年10月には沖縄へ4日間の学習旅行に行った。沖縄では「死ぬのは怖くなかった。苦しまず、楽に死にたいと思った」という戦争経験者の話を聞いた。地元の児童とも交流し「授業中、訓練による騒音が聞こえてくる」という悩みも聞いた。

 旅行後、クラスで「戦争は遠い昔のことだと思っていたが、今に続く問題だ」と問題意識を持ち、「今後何をするか」と話し合った。ちょうど政府が国家安全保障戦略など安保関連3文書を改定するというニュースを知り、「首相に理由を聞いてみたい」と手紙を送ることを決めた。36人の質問を担任の教諭が10項目にまとめたが、さらにそのうち6人は「もっと思いを伝えたい」と追加で手紙を書いた。

 そのうちの一人は手紙で、敵基地攻撃能力の保有を可能にする安保戦略の転換に触れ「ミサイルをミサイルで反撃することが戦争の発端だと思っていて、戦争に向かう準備をしているように思えます」と心配。「選挙権はありませんが、政府の方々に気持ちを伝えられてうれしいです。日本中、世界にまで広がる大規模なことだと分かっていますが、大人より未来を生きる私たちの意見を聞いてくれ、信じてくれると期待しています」とつづった。

 手紙は首相官邸宛て。各政党やメディアにもコピーを郵送した。首相官邸事務所は「一般的に手紙が来た場合は仕分けして、担当部局や内閣官房で適切に対応する」と話した。


◆有志の子どもたちが書いた手紙の内容(抜粋)

 ・自分だけの意見ではなく、人の意見もちゃんと聞き、いろいろな意見があることを理解しないと、平和にはならないと思います。なので、沖縄の声も聞いてください

 ・沖縄へ行き、戦争を体験した方々の話を聞くのは辛つらかったです。今じえいたいがこうげき出来できる様になってしまって、もしかしたら戦争が起きてしまうかもしれないと思い毎日しんぱいです…。

 ・日本を守るっといってまた、ひさんなことになるのがしんぱいです。なんのためにするのかをおしえてほしいです

 ・基地についてどう思いますか? 沖縄のことどう思いますか? アメリカのことどう思いますか? おへんじをもらえたら、うれしいです。

 ・戦争の事をどう思っていますか。米軍基地を辺野古に移せつすることについてどう思いますか? 海に移せつすることによって生物が死んでしまいます。もう一度考え直してほしいと思っています。

【関連記事】岸田首相の「聞く力」はどこに…? 国会素通りの安保大転換を正当化
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●《維新は何かと「大阪では高等教育まで無償化」と主張し、タダで学校に通えるかのように主張するが、真っ赤なウソだ》(日刊ゲンダイ)

2023年02月16日 00時00分32秒 | Weblog

【↑ 『適菜収 それでもバカとは戦え真相究明と責任追及を“大阪ノーサイド”なんて冗談じゃない』 (2020年11月14日、日刊ゲンダイ)】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/281280


(2023年02月03日)
お維ご自慢の《ファクトチェッカー》は役立たず。

   『●《4月の任期満了に伴う府知事選に出馬する意向》の大阪「ト」知事…
     お維の「ファクトチェッカー」は「吉村のイソジンをチェック」したの?

 日刊ゲンダイの記事【維新が喧伝する「大阪は高等教育無償化」の大嘘! 実態はドケチ、人口減少続く違和感】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/318158)によると、《■だったら何で人口増えへんねん》《維新は何かと「大阪では高等教育まで無償化」と主張し、タダで学校に通えるかのように主張するが、真っ赤なウソだ。大阪で無償なのは授業料のみで、入学金などは必要だ。所得制限があるため、授業料が無償なのは府在住の約半数にすぎない。大阪公立大の授業料補助制度も所得制限がある。学生と保護者ともに府内に3年以上住んでいなければならず、成績が上位2分の1以上でないと打ち切り。補助を受けているのは全学生の3割もおらず、授業料全額無償の学生はひと握りだ》。

   『●《大阪維新「ファクトチェッカー」が一般市民の事実に基づく行政
     批判を吊るし上げ!「まず吉村のイソジンをチェックしろ」と非難殺到》

 2年ほど前の記事 ―――――― 野尻民夫氏による、リテラの記事【大阪維新「ファクトチェッカー」が一般市民の事実に基づく行政批判を吊るし上げ!「まず吉村のイソジンをチェックしろ」と非難殺到】(https://lite-ra.com/2021/02/post-5810.html)によると、《大阪維新の会が鳴り物入りではじめた「ファクトチェッカー」が、案の定、炎上している。…内容は〈新型コロナウイルス関連 大阪市内における濃厚接触者に対しての対応について〉とし、2670リツイートされたある投稿を取り上げたのだが、これが何から何まで酷いものだったのだ》。
 《一般市民の事実に基づく行政批判を吊るし上げ》、まともな公党がやることか? (適菜収さん)《独立した第三者ではなく特定の政党がファクトチェックを始めるというのも異常極まりない》。
 ドロナワと言おうか、《盗人猛々しい》《冗談》《異常極まりない》《茶番》というべきか ――― いずれ静かに消えゆく“ファクトチェック”byお維 ⇨ 組織的不正なリコールに《おおっぴらに「賛同」を表明し「応援してます」などとエールを送っていた》のはファクトか、デマか? 《…数え切れないほどの嘘やゴマカシ…「ファクトチェック」で一般市民を吊るし上げる行為を即刻取りやめ、これまでの吉村知事自身の発言をこそ自己検証し、市民に伝えるべきだ》、全く同感 ――――――。

 お維は、《この男がぶち上げてきた大言壮語の数々》を「ファクトチェッカー」しては? 大阪・関西マスコミは、なぜに“ファクトチェック”しないのかね? それでも、お維支持者の皆さんはお維に投票し続けるのかね? まだ吉村氏に大阪「ト」知事で居させるつもり? (リテラ)《つまり、ほとんどのメディアがその後の顛末をきちんと検証せず、吉村人気を共犯関係でつくり上げてきたことが、全国ワースト1の死亡者数を出しながら意気揚々と再選出馬の表明ができてしまう環境を生み出してしまったのである》。

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https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/318158

維新が喧伝する「大阪は高等教育無償化」の大嘘! 実態はドケチ、人口減少続く違和感
公開日:2023/02/03 06:00 更新日:2023/02/03 06:00

     (授業料のみ、成績上位2分の1、補助を受けている
      学生は3割もいない(岸田首相に質問する
      「日本維新の会」の岩谷良平衆院議員=中央)
      /(C)日刊ゲンダイ)

 日本維新の会のウソが止まらない。

 今週始まった衆院予算委員会で維新の会の岩谷良平氏は、教育の無償化について「大阪では不完全ながらも、0歳から大学院まで無償で教育が受けられる道が開かれようとしている。これぐらいやって初めて異次元の少子化対策だ。国でも取り入れて国全体で一緒にやろうという考えはないか」と発言。看板政策「異次元の少子化対策」をめぐり、右往左往している岸田首相を攻め立てた。

 もっとヒドイのが藤田文武幹事長。与野党幹部が顔をそろえた先日のNHK「日曜討論」で、「児童手当に限らず給付における所得制限はなくすべきだと一貫して言ってきた。大阪では行財政改革を徹底的にやって高等教育までの無償化が実現しており、全国でやりたい。出生数の減少に歯止めをかけるために大きな手を打つべきだ」と言ってのけた。


■だったら何で人口増えへんねん

 維新は何かと「大阪では高等教育まで無償化」と主張し、タダで学校に通えるかのように主張するが、真っ赤なウソだ

 大阪で無償なのは授業料のみで、入学金などは必要だ。所得制限があるため、授業料が無償なのは府在住の約半数にすぎない。大阪公立大の授業料補助制度も所得制限がある。学生と保護者ともに府内に3年以上住んでいなければならず、成績が上位2分の1以上でないと打ち切り。補助を受けているのは全学生の3割もおらず、授業料全額無償の学生はひと握りだ。

 子育て家庭に優しい行政を展開していれば府内の住民はグングン増えそうなものだが、実際はこの10年あまり人口は減少傾向。育児支援を充実させたお隣の兵庫県明石市には子育て世帯がどんどん転入し、10年連続人口増となっているのとは対照的

 大阪維新の会のHPではパンチパーマをかけたおばちゃんのイラストに「松井さん、私立高校授業料無償化のおかげで、うちの息子を私立の○○高校に入れることが出来ました。本当にありがとうございます!」と言わせているが「いい加減にせいや!ちゅう話

 新型コロナウイルス対策の一環で、大阪市は2020年度から22年度まで小中学校給食費を無償にしたが、23年度以降は未定だ。

 実態はむしろドケチなのだ。
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●《イスラエル…最高裁の判断を国会の決議で覆せる…》…《権力の集中と乱用を防ぐはずの三権分立が機能不全》なニッポンは嗤えるの?

2023年02月15日 00時00分36秒 | Weblog

[※ 「こんな人たち」 報道特集(2017年7月8日)↑]


(20230202[])
権力の集中と乱用を防ぐはずの三権分立が機能不全に陥っている》ニッポンは、イスラエルのネタニヤフ政権を嗤えるのかね?
 琉球新報のコラム【<金口木舌>三権分立は不完全なじゃんけんじゃない】(https://ryukyushimpo.jp/column/entry-1656351.html)によると、《▼裁判所をグー、国会をパーとして勝敗を固定してしまえば、権力の暴走に歯止めは掛けられない行政に対する司法判断に首をかしげることが多い日本、沖縄にとっても、遠い異国の話ではない》。

   『●辺野古抗告訴訟、《原告の資格がないとして県敗訴とした一、二審判決

   確定》――― アベ様《政権を忖度した判決が連発》危惧が的中…
    「そう、沖縄。(琉球新報)《裁判官が時の権力におもねるような判断
     ばかりを示すならば、司法に対する信頼は失墜する裁判官は良心に
     従い職権を行使する独立した存在である》べきだというのに、またも、
     自公政権への《忖度》。そももそ、《不服審査請求など論外》なはずだ」

 斎藤貴男さんのコラムの一部を何度も引用したい ―――――― 最「低」裁を頂点とする司法に失望してばかりだが、最近、衝撃を受けたことを再掲。(斎藤貴男さん)《当時、「週刊文春」の記者だった私は、彼を殺人犯に仕立てた連中に、「今のお気持ちは」と尋ねて回る取材を仰せつかったのだが、凄まじい成果を得てしまった。「犯人は梅田だと上が言うから逮捕したまで証拠なんかねえよ」と、元刑事は笑ったし、元裁判官は、「判決とは国家の意思なんだ真犯人なんか誰でもいい裁判所が死刑だと言えば吊るせばいい無期だと言ったらつなげばいいんだ」と、力説してくれたものである》…。
 それにしても、沖縄についての裁判結果は酷いものばかり。最「低」裁の声が上がるのも、もっともだ。《三権分立が機能する民主国家》は幻想であり、《国民の権利救済という司法の役割に望み》はなく、《裁判所は沖縄の声に真摯(しんし)に向き合》うこともない。「シホウハンダン」と言う名の行政判断を乱発する司法の情けなさ…。アベ様は、司法を破壊し、国会の機能を破壊し、行政はズタズタ…三権分立を、民主主義の根幹を破壊。異次元のヅボヅボ自公政権が続く限り、希望なし。

=====================================================
https://ryukyushimpo.jp/column/entry-1656351.html

<金口木舌>三権分立は不完全なじゃんけんじゃない
2023年2月2日 05:00
金口木舌 三権分立 民主主義

 グー、チョキ、パー。多くの人にとって最初に覚えるゲームはじゃんけんだろう。なぜ包み込むだけでパーがグーに勝つのかいまひとつ納得いかないが、広く浸透している

▼18世紀フランスの哲学者、モンテスキューが「法の精神」で記した三権分立は、政治権力を立法、行政、司法に分割することで権力の集中を防ぐ考え方だ

▼この三権分立、しばしばじゃんけんに例えられるが、全くの別物。組み合わせによって常に勝敗が決まっている三すくみではなく、独立した機関が相互の監視とけん制によって権力の集中と暴走を防ぐ仕組みだ

民主主義の根幹を、じゃんけん以下のレベルにするつもりかイスラエルネタニヤフ政権は、最高裁の判断を国会の決議で覆せる条項を含んだ司法制度改革案を進めている。イスラエル国内では大規模な抗議デモが続く

▼裁判所をグー、国会をパーとして勝敗を固定してしまえば、権力の暴走に歯止めは掛けられない行政に対する司法判断に首をかしげることが多い日本、沖縄にとっても、遠い異国の話ではない。
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●《今や政治部が政権ベッタリの御用ニュースばかり流す時代》…アベ様のNHKをはじめとして《メディアコントロール》は各局の隅々まで

2023年02月14日 00時00分48秒 | Weblog

[※ 『国民のしつけ方』(斎藤貴男著、インターナショナル新書010)…《それは調査報道…「番犬(ウォッチ・ドッグ)」としての役割》↑]


(20230201[])
ラサール石井さん《しかも三國シェフは番組審議委員会委員長である見城徹氏の親友であり、2人は安倍大応援団だ。いやいや偶然でしょうけど。敵の靴をなめさせる見せしめ懲罰みたいだと、思っちゃう人もいるかもなあ。とにかくこの何年間で、モーニングショーまるで別番組になったかと思うぐらい変貌した。いや他局の番組も似たり寄ったりだ。今や政治部が政権ベッタリの御用ニュースばかり流す時代。》
 《『エルピス─希望、あるいは災い─』…権力の横暴とそれに従属するマスコミの報道姿勢への問題意識を燃料に書いてきた》。とても良かったドラム。
 【ラサール石井 東憤西笑/テレ朝「モーニングショー」はまるで別番組…権力に果敢に斬り込む気概はどこへ】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/317090)によると、《昨年完結した関西テレビの長澤まさみ主演のドラマ「エルピス」は見応えがあった。ニュース番組のキャスターだった女子アナ(長澤まさみ)がスキャンダルで降板、深夜情報番組のワンコーナーを細々やっていたが、ある連続殺人事件で死刑宣告された犯人が、実は冤罪ではないか、という情報から、真犯人がいるのではと疑う。しかしそこになぜか大物政治家の圧力がかかり、という展開。政治家は副総理でダンディーなハットをかぶっている、という際どい設定や、流れる他のニュース映像が皆本物だったりと、かなり攻めた脚本と演出で、プロデューサーはTBSで通らなかった企画を通すために関テレに再就職までしたという入魂の作品だ》。

   『●《権力の横暴とそれに従属するマスコミの報道姿勢への問題意識を燃料に
       書いてきた──。脚本家がそう明言するドラマが、地上波で放送…》
   『●【<土曜訪問>表現の幅、狭めない 冤罪事件から着想 ドラマ「エルピス」
          で脚本 渡辺あやさん(脚本家)】(東京新聞・石原真樹記者)
   『●『エルピス』《政権にダメージを与えかねないスクープを自社では
     報じられず、「後追いならできる」という理由で週刊誌などにネタが…》

 アベ様や最低の元・官房長官ことカースーオジサンによる《メディアコントロール》の頚木は、今も解けぬままだ。
 【「モーニングショー」や「報ステ」も…台湾有事シミュレーションを垂れ流し、岸田首相の戦争協力約束を賞賛する大政翼賛会ぶり】(https://lite-ra.com/2023/01/post-6257.html)/《ところが、大手メディアはこうしたリスクを指摘することもなく、「日米同盟の強化は必須」「防衛力強化は絶対」と言わんばかりの報道に終始している。たとえば、16日放送の『ひるおび』(TBS)では、“異例の厚遇の実態”と銘打って日米首脳会談を特集。「他国のトップリーダーたちと同じ出迎え方をされた」「(バイデン大統領から)非常に親しみが出ている」など、厚遇を受けたかどうかというどうでもいい検証をおこなったのだが、防衛費増額についても司会の恵俊彰は、台湾有事などをあげたあとで「どんなものが必要なのか、何で攻撃されそうなのか、だからこういうものを買うんですよという(説明が岸田首相には必要)」「本気で守るんだったら(トマホークより)もっとすごいものを買う必要があるんじゃないかという議論になるんならまだわかる」などとコメント。必要な議論は敵基地攻撃能力保有の是非や、それによって戦争に巻き込まれる危険性についてだが、そうした問題はすっ飛ばされていた。しかし、さらに酷かったのが、同日放送の『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日)だ。というのも、その内容は対中戦争に日本が巻き込まれることは必然なのだと刷り込もうとするようなものだったからだ》。

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https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/317090

ラサール石井 タレント
1955年、大阪市出身。本名・石井章雄(いしい・あきお)。鹿児島ラ・サール高校から早大に進学。在学中に劇団テアトル・エコー養成所で一期下だった渡辺正行、小宮孝泰と共にコント赤信号を結成し、数多くのバラエティー番組に出演。またアニメの声優や舞台・演劇活動にも力を入れ、俳優としての出演に留まらず、脚本・演出も数多く手がけている。石井光三オフィス所属。


ラサール石井 東憤西笑
テレ朝「モーニングショー」はまるで別番組…権力に果敢に斬り込む気概はどこへ
公開日:2023/01/12 06:00 更新日:2023/01/12 06:00

     (玉川徹氏(C)日刊ゲンダイ)

 昨年完結した関西テレビの長澤まさみ主演のドラマ「エルピス」は見応えがあった。

 ニュース番組のキャスターだった女子アナ(長澤まさみ)がスキャンダルで降板、深夜情報番組のワンコーナーを細々やっていたが、ある連続殺人事件で死刑宣告された犯人が、実は冤罪ではないか、という情報から、真犯人がいるのではと疑う。しかしそこになぜか大物政治家の圧力がかかり、という展開。

 政治家は副総理でダンディーなハットをかぶっている、という際どい設定や、流れる他のニュース映像が皆本物だったりと、かなり攻めた脚本と演出で、プロデューサーはTBSで通らなかった企画を通すために関テレに再就職までしたという入魂の作品だ。

 あまり知られていないが、テレビ局ではニュースは政治部、ワイドショーは社会情報部と担当が違う。ヒエラルキーのトップは政治部で、とにかく偉そう。ワイドショーで扱う政治のニュース映像は政治部から借りなきゃいけないのだが、これがなかなか貸してもらえなかったりする。

 そんな実情がドラマではリアルに出てくるが、実際リアルの世界でも同じことが起きている。

 テレ朝モーニングショーの玉川徹氏が、電通について間違った指摘をしたとして、あわや降板という処分になった。私などは玉川氏が出ているから見ていたようなもので、スシローこと田崎史郎氏とのバトルや鋭い政権批判には胸のすく思いだった

 それが今や降板こそ免れたものの政治的な話題からは一切外されている。先日の仕事は三國シェフへのインタビューだ。あの綿密な取材のそもそも総研はどこ行った? しかも三國シェフは番組審議委員会委員長である見城徹氏の親友であり、2人は安倍大応援団だ。いやいや偶然でしょうけど。敵の靴をなめさせる見せしめ懲罰みたいだと、思っちゃう人もいるかもなあ。

 とにかくこの何年間で、モーニングショーまるで別番組になったかと思うぐらい変貌した。いや他局の番組も似たり寄ったりだ。

 今や政治部が政権ベッタリの御用ニュースばかり流す時代。逆に、数字取るなら何でもやるというワイドショーの心意気さえなくなったら、もう見るものはない。

 「用心棒」の三船敏郎のように悪をバッタバッタ切り倒す素浪人玉川徹の姿がまた見たいものだ。
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