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●黒い企業の言い訳、「彼女の自殺はワタミの「社風」に合わなかったため、と言わんばかりの言い草」

2013年08月31日 00時00分16秒 | Weblog


gendai.netの記事【ワタミ「反省」を口にするならなぜ一度も会わないのか】(http://gendai.net/articles/view/syakai/143831)。

 いまや自民党の参議院議員のセンセである。彼の「黒い企業」での自殺者に対して、「彼女の自殺はワタミの社風に合わなかったため、と言わんばかりの言い草」をしたとか・・・。ご両親の怒りを想像すると・・・。

   『●どうした風の吹き回し? 産経系が宇都宮健児さんの好意的記事
   『●働くとは何か?: 「社員は「定額使い放題」へ」
   『●メルマガ【 PUBLICITY 】紹介: 古川琢也さん『ブラック企業完全対策マニュアル』
   『●自民党の目指す社会とは?
   『●「TPP断固反対」公約反故に続き、ブラック企業対策をコッソリ削除?
   『●働くことと内部留保: 「業務上過失致死」を引き起こそうと思って、誰がいったい働くだろうか?
   『●自民党投票率を大きく上回る得票率7割の「圧倒的」「ぶっちぎり」で「ブラック企業大賞2013」受賞

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http://gendai.net/articles/view/syakai/143831

ワタミ「反省」を口にするならなぜ一度も会わないのか
2013年8月5日 掲載

「ブラックじゃない」に遺族激怒

<過労自殺は「社風に合わなかったから」だと>

 「命がけで反省し対策を打ってきた。われわれはブラック企業ではない」――。自民党の渡辺美樹参院議員(53)は、初登院でもそう強調した。この発言に憤慨するのは、ワタミ入社2カ月後に過労自殺した女性社員の遺族だ。渡辺は「反省」を口にしながら、遺族にまだ一度も顔を合わせていないのだ。

 「娘の過労死認定後、渡辺氏は一度も会おうとしません」と打ち明けるのは、08年6月に自殺した森美菜さん(当時26)の父・豪さんだ。

 豪さんが渡辺に面談を求めると、ワタミ側は「1回だけで、録音はしない。労組関係者を同席させない」と身勝手な条件をつけたという。反省しているなら遺族に何度も会うのが当然だろう。豪さんは「1回で真相を解明できるはずがない」と考えたが、ワタミ側は条件を取り下げず、いまだに面談は行われていない

 賠償金についても、渡辺は遺族との直接交渉を拒否し、簡裁への調停を申し立てた
「調停でも渡辺氏は弁護士を通して不誠実な対応を繰り返すばかり過酷な労働実態について具体的な回答もないままです。『反省しているなんて嘘ですよ」

 美菜さんの遺品の手帳には〈体が辛い。気持ちが沈みます。誰か助けて〉という悲痛な叫びが記されていた。それだけ配属先の「久里浜駅前店」(横須賀市)の労働環境は過酷だった。

 入社前に説明された勤務時間はデタラメで、「営業時間が勤務時間」というサービス残業が常態化。美菜さんの時間外労働は1カ月で141時間に及び、厚労省が定めた「過労死ライン」の月80時間を軽く超えた。

 たまの休日も強制参加のボランティアに駆り出される。社宅は「店舗から30分以内」と説明されたが、あくまで公共交通機関を使った時間だ。深夜勤務後は始発まで店に残るしかなかった。

 昼夜逆転の生活に追い打ちをかけたのが、午前7時から本社で行われる早朝研修だ。研修内容は、給与からの天引きで購入する渡辺の自著を読んでのリポート提出や、〈365日24時間死ぬまで働け〉を掲げるワタミの「理念集」の理解度テスト……。こんなメチャクチャな労働環境を押し付けながら、2日の朝日新聞のインタビューで渡辺は何と答えたか。
なぜ採用したのか。なぜ入社1カ月の研修中に適性、不適性を見極められなかったのか」

 彼女の自殺はワタミの「社風」に合わなかったため、と言わんばかりの言い草じゃないか

 ブラック企業批判に対しても、「ベンチャー企業の育成を大きく邪魔することになる」と開き直る始末。豪さんが「娘を死に追い込んだという自覚も反省もない」と言う通り、反省はゼロだ。

 安倍自民党は、どういうつもりでこんな男を公認したのか。野党は首相の“公認責任”を含めて徹底的に追及すべきだ。

(取材協力=ジャーナリスト・横田一
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●書籍紹介『20人の識者がみた 「小沢事件」 の真実 捜査権力とメディアの共犯関係を問う』

2013年08月30日 00時00分51秒 | Weblog


長々と全文引用させてもらっており、すいません。原文は、NPJ(http://www.news-pj.net/index.html)に出ていた記事【「小沢事件」 の真実権力の暴走とメディアの加担による民主主義の破壊】(http://www.news-pj.net/npj/kimura/20130814-ozawajiken.html)ですので、是非そちらをご覧ください。

 このような本が出版されていること、全く気づきませんでした。最近は、書店に足を運べる機会が激減し、読書量もそれに引きづられ激減してしまいました。
 何度も書いてきましたが、ブログ主は小沢一郎氏が好きではありません。でも、それとこの「小沢問題」は別です。おそらく、もはや小沢氏の復権は無いでしょう。とはいっても、ブログ主は自民党の復権は無いと思っていましたので、小沢氏の復権の可能性についても大した根拠があるわけではありませんし、確度も高くはないでしょう。

   『●小沢裁判控訴審: すべての証拠採用が却下され、即日結審
   『●小沢裁判、控訴棄却
   『●小沢裁判、控訴棄却のまともな記事が少なすぎる
   『●小沢氏元秘書裁判の暗黒
   『●政治的なトドメかな・・・・・・マスコミや裁判所によるこんなことが許されていいの?
   『●期ズレと証拠捏造、どちらが重要な犯罪なのか?

 この「小沢問題」で気に入らないのは、結局のところたかが「期ズレ」で、あれだけのバカ騒ぎをしたマスコミや自民党・民主党の議員、検察や(イカサマ)検察審査会メンバー・・・・・・が、小沢氏を政治的に〝抹殺〟しておきながら、「知らんぷり」を決め込んでいることです。その〝抹殺〟に、あるいは、その〝抹殺〟により生じた政治的な結果に、意識的かあるいは無意識にかは知りませんが、彼らは無自覚であることです。彼らは、小沢氏の政治生命を抹殺するという一点のみに浮かれて、バカ騒ぎを行いました。その無茶苦茶ぶりに、小沢一郎氏嫌いのブログ主も無性に腹が立つ訳です。
 下記の記事で紹介されている本書にはその辺の全てのことがおそらく網羅されていると思うのですが、本書をマスコミが取り上げてくれることはおそらくないでしょうから、ますます絶望的な気分になります。

   『●魚住昭さんが記者生命をかけて断言 ~小沢一郎氏関連裁判~
   『●小沢裁判、終わりの始まり?
   『●小沢裁判、検察の問題であると同時に、癒着したマスコミの問題

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http://www.news-pj.net/npj/kimura/20130814-ozawajiken.html

2013.8.14
「時代の奔流を見据えて──危機の時代の平和学」
木村 朗 (きむら あきら、鹿児島大学教員、平和学専攻)

NPJ特別寄稿
「小沢事件」 の真実 権力の暴走とメディアの加担による民主主義の破壊

  この8月に鳥越俊太郎氏と私との共編著 20人の識者がみた 「小沢事件」 の真実 捜査権力とメディアの共犯関係を問う が、日本文芸社から出版されることとなりました。本書の目的は、この日本中を4年近くずっと揺るがせた、いや今もゆるがせ続けている小沢問題(「小沢事件」)の本質と全体像を現時点であらためて多様な角度から考察することにあります。本書を一読していただければ、いまの日本の司法・政治がどれほど深刻な危機に陥っているか、あるいは日本はすでに法治国家・民主国家ではなく暗黒社会・全体主義国家(ファシズム)に移行しつつあるのではないかという問題提起の意味が分かっていただけると思います。

  執筆陣は、共編者である鳥越俊太郎氏をはじめ、三井環仙波敏郎、鈴木宗男、佐藤栄佐久石川知裕植草一秀郷原信郎、川内博史、有田芳生、小川敏夫、八木啓代、青木理、高野 猛、二木啓孝山口一臣神保哲生浅野健一、マーティン・ファクラー各氏などこの問題に精通した蒼々たる方々に加わっていただいています。

  本書には小沢一郎衆議院議員(生活の党代表)から貴重な序言を寄せていただいています。また、孫崎 享先生(元外務省国際情報局長)からも 「政治的謀略としての小沢問題をここまで多角的に検証した本は初めてだ」という力のこもった帯の言葉をいただきました。

  本書が、小沢問題(「小沢事件」)の解明にどこまで成功しているか、そしていままさに危機に瀕している民主主義の再生に寄与できるかどうかは、読者の皆さんにお任せするしかありません。しかし、前回のNPJ特別寄稿 「日本は真の独立国家なのか 『終わらない〈占領〉』 を問う」 でご紹介させていただいた孫崎享氏と私の共同編著 『終わらない〈占領〉: 対米自立と日米安保見直しを提言する!』(法律文化社 書評はこちら )と同じく、現在の政治状況に一席を投じるだけでなく、日本の戦後史にとっての貴重な歴史的文書・資料としての価値をもっていると確信しています。

  この8月に来日されたアメリカのオリバー・ストーン監督がピーター・カズニック先生(アメリカン大学)と共同で作られた 「もうひとつのアメリカ史」は、アメリカ現代史の暗部を明らかにした作品(映画と本)であり、アメリカしに限らず、世界の現代史に対する大きな貢献だと思います。またそれは、日本の戦後史の<影の部分>に挑戦した孫崎享氏の 『戦後史の正体』(創元社)と 『アメリカに潰された政治家たち』(小学館)、あるいは鳩山由紀夫氏、孫崎 享氏、植草一秀氏の3者による共著 『「対米従属」という宿痾(しゅくあ)』(飛鳥新社)とともに、これまでタブー視されてきたテーマ・問題を解明しようとしている点で共通点があり、大きな歴史的意義があると思います。日米両国において期せずして同じ時期にこのようなこれまで語られなかった(教えられなかった)歴史の真実が明らかにされようとしていることは決して偶然ではないと思います。

  いまの日本内外の状況は、1930年代の戦争とファシズムの時代状況にかなり近づきつつあるといっても過言ではありません。こうした閉塞状況を克服・打破していくためにも、わたしたち一人ひとりが思考停止状態から脱してまずは知ることからはじめる必要があるのではないでしょうか。


☆鳥越俊太郎・木村 朗共編 『20人の識者がみた「小沢事件」 の真実 捜査権力とメディアの共犯関係を問う』(日本文芸社)の目次・構成目次は以下の通り。

序言 小沢一郎
序章 鳥越俊太郎

第1章 被害者たちが証言する 「国策捜査」 の実態
  三井環 検察がつぶれる 「最大の弱み」 を告発
  仙波敏郎 「暴力組織」 に成り下がった検察、「既得権益」 にしがみつくメディア
  鈴木宗男 権力とメディアの暴走を許さない
  佐藤栄佐久 原子力帝国・全体主義国家に変貌する日本
  石川知裕 日本の民主主義のため最後まで闘う
  植草一秀 小沢裁判事件の評価と主権者がとるべき行動

第2章 民主主義の危機、「検察」の暴走を検証する
  郷原信郎 陸山会事件における検察とメディアの暴走
  川内博史 法務・検察官僚に組織としての正義派あるか?
  有田芳生 政治的冤罪事件「小沢ケース」の奇々怪々
  小川敏夫 検察の暴走と「指揮権発動」の真相
  八木啓代 検察の暴走・司法の崩壊に、市民に何ができるか
  青木 理 暴走検察の背後にある刑事司法の巨大な歪み

第3章 なぜ、大メディアは「検察」の暴走に加担したのか
  高野 孟 革命的改革を阻止した官僚と、それに手を貸したマスコミ
  二木啓孝 「アンチ小沢という空気」の正体
  山口一臣 「週刊朝日」と大手メディアの違いはどこから生じたのか
  神保哲生 民主統制なき刑事司法に、メディアが最後の砦になれないことの悲劇
  浅野健一 小沢事件をメディアはどう報じてきたか
  マーティン・ファクラー 官僚機構の一部と化したメディアの罪

終章
  木村 朗 検察の暴走とメディアの加担―小沢問題の意味を問う

小沢関連問題の参考文献



     序 言         小沢 一郎

  昨年(2012年)11月12日に東京高裁・控訴審で無罪判決が出され、その後に検察官役の三人の指定弁護士が上告を断念した結果、陸山会事件に関する私の無罪判決が確定しました。私にとっては、この三年七か月余りに及ぶ、検察の捜査と裁判の日々は本当に忍耐の毎日であり、大変厳しい試練の月日でした。国民の皆さんの支援や励ましがなければ、到底この重圧に耐えることはできなかったと思います。これまで私を信じ、励ましてくれた多くの国民の皆さんに、この場をお借りして心から感謝したいと思います。
  しかし、陸山会事件での私の元秘書3人(石川知裕氏、大久保隆規氏、池田光智氏)に対する不当な有罪判決が今年に入って出されました。また、検察審査会への捜査報告書を捏造した検事が不起訴処分となっています。私や秘書たちに対するいわれなき誹謗中傷や理不尽な人物攻撃などもいまもかたちをかえて続いています。その意味で、この陸山会事件はまだ終わったなどとは到底いえるような状態ではありません。

  本書には、いわゆる 「小沢問題(捜査・事件・裁判)」 ともいわれる私・小沢一郎と私の3人の秘書に向けられた 「政治とカネ」 をめぐる問題の背景・経緯と本質・核心がそれぞれの論者によって詳細かつ明確に分析・叙述されています。多くの論者は、小沢問題は単なる刑事(えん罪)事件ではなく、その背景には何らかの政治的意思を持ったある特定の個人・集団が検察と司法を暴走させ、それにメディアが加担した結果として作られたものであると結論付けておられます。
  こうした見方にはじめて接せられる多くの読者の方は、きっと驚かれるかもしれません。ただ、本書を一読していただけるならば、これまで取り沙汰された私に対する疑惑のほとんどが何ら根拠のないものか、まったくの誤解に基づくものであることに同意していただけるのはないかと思います。

  私自身も今回の一連の事件や裁判の本質や背景については思うところはございますが、ここではそれは申し上げません。何らかの特定の思惑を持って行動した人たちや、不公正な言動をした人たちに対しては、いずれ国民が判断を下すものと考えています。そういうことで、国民の裁き、天の裁きにお任せしたいと思います。この検察審査会を通じて強制起訴にいたった経過も、すでに国民の皆さんがよくよく自分の目で見て、耳で聞いて分かっていることと存じます。

  ここで申し上げたいことは、いまの日本は独立した主権国家でも、真の民主主義国家でもないということです。特に、捜査当局による公権力の濫用とメディアの加担という状況は、日本の民主主義と法治主義にとって最大の脅威となっていると言わねばなりません。私が本当に心配しているのは、日本の民主主義そのものの危機であります。まさにいつか来た道と同じ状況にさしかかっています。いままさに滅亡への道を歩んでしまっている現状をただこのまま黙って見過ごすことはできません。これはいま現在、すべての日本人が本当に真剣に考えなければならないことです。
  私は本当の議会制民主主義を定着させることにこれまで自分の政治生命をかけてきました。日本を真の意味での独立国家にすることも私の長年の夢です。他国の意向を忖度するだけの主体性なき外交・政治や思考停止状態のメディアと国民も変わらなくてはなりません。
  私にはまだまだやらなければいけないことがたくさん残っています。微力ではありますが、これから日本に民主主義と自主独立を実現するために全力投球で頑張ることを国民の皆さまにお約束します。

  最後に、本書を世に出すことに尽力されたすべての関係者の皆さま方に深く感謝いたします。本書がより多くの人々に読まれて、こうした日本が直面する深刻な現状と課題について共通の問題意識を一人でも多くの国民がもつようになることを心から願っています。



     まえがき       共同編者 鳥越 俊太郎、 木村 朗

  今年(2013年)3月7日夜、東京・池袋にある豊島公会堂において 「小沢一郎議員を支援する会(日本に真の民主主義を実現する会、代表世話人 伊東章弁護士)」が主催する 「小沢一郎議員の無罪判決確定報告と石川知裕、大久保隆規、池田光智元秘書の無罪を勝ちとる国民大集会」 が開催されました。この国民大集会は、昨年11月12日の東京高裁での小沢一郎氏への陸山会事件での無罪判決とその確定(検察官役の指定弁護士による上告断念)を受けて開かれる予定でしたが、急激に変動する政局の中での突然の解散・総選挙によって延期されていたものでした。

  満場の参加者から大きな拍手を受けながら登壇した小沢一郎氏は、「日本の民主主義を守るために私を本当に熱い思いで支援し、激励してくださった皆さんのおかげで、小沢一郎を抹殺しようとした法務・検察官僚の思惑を打破することができました。私がこの会に出席させていただいたのは今日が初めてです。本当に皆さんが日本の将来を心配し、今日も会場いっぱいの皆さんが来てくださいました。私自身は終わったが、秘書裁判がまだ続いております。これからも皆様のお力添えをいただきたい」と述べて深々と頭を下げました。

  この間に小沢一郎氏とその秘書たちの身に起こった出来事は、いったい何であったのでしょうか。またそれは、日本の政治と社会のあり方にどのような影響を与えたのでしょうか。

  本書の目的は、この日本中を4年近くずっと揺るがせた、いや今もゆるがせ続けている 「小沢問題」 の本質と全体像を現時点であらためて多様な角度から考察することにあります。

  小沢問題(あるいは小沢事件・捜査・裁判)ともいわれる、小沢一郎氏をめぐる 「政治とカネの問題」 は、西松建設事件(2009年3月3日の小沢一郎議員公設第一秘書の大久保隆規氏逮捕)にはじまり、陸山会事件(2010年1月15日の石川知裕議員、大久保隆規氏、池田智光氏ら3人の秘書逮捕)へと続き、小沢裁判(2010年9月14日の東京第五検察審査会での2度目の 「起訴相当」 議決による強制起訴)へと展開しました。

  結局、西松建設事件は裁判途中の不可解な 「訴因変更」 によって事実上立ち消えとなり、陸山会事件では、小沢一郎氏の無罪判決は2012年11月19日に確定したものの、検察審査会をめぐる捜査報告書の捏造をはじめとする様々な謎はいまだに解明されずに残されたままです。また、3人の秘書裁判では2013年3月13日に控訴審でも再び有罪判決が出されて、石川知裕氏(5月21日に議員辞職願を衆議院が許可)が単独で上告しており、まだ最終的な決着はついていません。

  カレル・ヴァン・ウォルフレン氏(オランダ人研究者・ジャーナリストで、日本の政治・官僚制度の専門家)は、「小沢氏という政治家への “人物破壊” の一連の動きには、ある密約が存在している事実が見えてくる」とし、その 「密約を取り交わしたのは日本とアメリカであり、その恩恵を受けるのは両国の政治エリートたちである」、「省庁の高級官僚と、ビジネス界やメディア界の幹部からなる日本の政治エリートは、決して純粋な意味での日本の独立を求めようとはしない。それどころか、彼らは、アメリカ政府が日本の超法規的で非公式な権力システムの存続を支援してくれる見返りに、日本を引き続きアメリカに隷属させようとしているのである」と小沢問題の核心をずばり突いています(ウォルフレン著 『人物破壊 誰が小沢一郎を殺すのか?』 角川書店、を参照)。

  また、元参議院議員で小沢氏の盟友でもある平野貞夫氏は、その著書 『小沢一郎 完全無罪-「特高検察」 が犯した7つの大罪』(講談社)の中で、「小泉政権は、経済の構造改革をする一方で、日本の社会に格差と停滞をもたらしたと厳しい批判がある。それもさることながら、公訴権による国策捜査により、国家統治の基本を狂わせたと私は論じたい」、「“検察の裏金” を封印するため、取材当日に三井環元大阪高検をでっち上げ逮捕し、マスコミを操って極悪検事の虚像を作り上げ、三井氏を無実の罪に落としいれた。本来、正義をなすべき司法が、世間の批判を怖れ、時の権力者 “自民党” の番犬となった。三井環氏のいうところの “けもの道” に落ちた訳だ」 など、当事者しか知り得ない内情を率直に語っています。検察の裏金問題を実名で告発しようとした三井環氏を “口封じ” 逮捕したことが、その後の村上正邦氏、鈴木宗男氏(・佐藤優氏)、村岡兼造氏、緒方重威氏、佐藤栄作久氏、村木厚子(・石井 一)氏、小沢一郎氏(あるいは植草一秀氏や堀江貴文氏)などへの “国策捜査” につながる検察の暴走のきっかけとなったという重要な指摘です。小沢氏の政治資金団体の元資金管理責任者であっただけに、その言葉には非常に説得力があります。

  とりわけ注目されるのは、平野氏がその著書の文庫版 「まえがき」 で次のように述べていることです。

≪「小沢問題」 を通じて私に見えてきたものとは、いま日本に 「新しいファシズム」 が展開しはじめたということである。「ファシズム」 の教科書的定義は、「資本主義が危機的状況になると、権力が暴力装置を活用して議会制民主主義による政治の機能を失わせ、独裁的政治を展開する」ということだ。(中略)21世紀ではファシズムの定義も再考が必要である。繰り返しになるが、「小沢問題」 での大手マスコミの報道は、検察の根拠なきリークだけでなく、捏造された「事実」 が次から次へと報道され、その異常さは 「社会心理的な暴力」 といえるものだった。≫

  まさに 「小沢問題」 の本質は、権力(特に検察と司法)の暴走とメディアの加担による 「ある種の政治的謀略」、「静かな政治的クーデター」 であり、その背後に「新しいファシズム」 が胎動し始めているということではないでしょうか。

  今の日本における最大の問題は、権力犯罪の発生、すなわち公権力が恣意的に濫用されたときにそれを裁くシステムが存在していないこと、そして権力の暴走を監視・批判するはずのメディアがその役割を放棄していま起きている出来事の本質・真相を伝えないことです。そして、いまの日本は、本当に民主主義国家なのか、また真の独立国家といえるのかがまさに問われているのです。

  本書には、「冤罪」 「国策捜査」 の当事者自身からの証言だけでなく、司法とメディアに精通した選りすぐりの論者による数多くのすぐれた深い分析・洞察が収められています。まさに本書自体がそのまま貴重な歴史的文書・資料となっていると言っても過言ではありません。本書を一読すれば、多くの読者は、テレビや新聞を通じて報じられてきたものとはまったく別の見方があることを知って、それまでの自分の考えを見直すきっかけになるかもしれません。もちろん、本書の最終的評価は読者の手の中に委ねられていることは言うまでもありませんが…。

  いずれにしても、一人でも多くの市民がメディアの発する情報を主体的かつ批判的に読み解く能力(「メディア・リテラシー」)を身につけることで現在の思考停止状態から脱して、いまの日本が陥っている(議会制)民主主義の危機と検察ファシズムの到来から目を背けずに直視するようになることを切に願っています。

  最後に、本書を発行するにあたって、いまだに事件の渦中にありながら貴重な歴史的証言となる序言をお寄せいただいた小沢一郎衆議院議員(生活の党代表)にも心から御礼を申し上げます。

2013年6月30日 参議院選挙を目前に控えて


『検察の暴走とメディアの加担―小沢問題とは何か―』
木村 朗(鹿児島大学教員、平和学専攻)

1. 小沢一郎問題とは何か-小沢問題をめぐって二つに割れ続ける世論
  ①西松建設事件、②陸山会事件(水谷建設)、③小沢裁判(検察審査会による強制起訴)
A 金権政治家の不正献金疑惑追及→「政治とカネをめぐる問題」 (「違法な犯罪行為」)
  ※ 「検察の正義」(東京地検特捜部=「史上最強の捜査機関」)を前提とした 「小沢VS検察」 という問題
B “えん罪(でっち上げ)” “報道被害”→「国策捜査」 による不当な逮捕・捜査・裁判
  ※ 「検察ファッショ」 と 「メディア・ファシズム」 が結合した 「静かな政治クーデター」:
  「民主党VS全官僚機構」 あるいは 「鳩山連立政権VS官僚機構・自民党・マスコミ(・米国)」 という権力闘争・政治闘争
  ※ 「国策捜査」 か? (森法務大臣の指揮権発動、漆間巌官房副長官のオフレコ発言、石川知裕議員を取り調べた検事の脅し的文句、検察審査会への捜査報告書の捏造)
  検察の暴走とメディアの加担=権力とメディアが一体化した情報操作・世論誘導
  → 検察権力と司法記者メディアの癒着構造(民主主義の危機=ファシズムの到来)

<関連事件・裁判>
A 三井環事件(検察の裏金問題の告発)→「獣(けもの)道」(官邸の犬となった検察)
  ※ 検察が犯した三つの犯罪
B 佐藤栄佐久前福島県知事の 「汚職」 事件→国策(原発)反対の首長を特捜が政治弾圧
  ※ 佐久間達哉現東京地検特捜部長、大鶴基成東京地検次席検事、前田主任検事らが関与!
C 郵政不正事件(村木厚子氏、石井一民主党副代表、前田主任検事によるFD改ざん事件)
  ※ 鳩山由紀夫氏の政治献金(「故人献金」 の謎)事件の影響
  ※ 鈴木宗男(・佐藤優)事件との関連(ロッキード事件やリクルート事件、日歯連事件、朝鮮総連ビル詐欺事件、ライブドア事件、防衛省汚職事件なども)

2. 政権交代とは何であったのか-日本で最初の本格的な政権交代(一種の 「市民革命」)
<挫折した脱官僚政治と対米自立>
A 脱官僚政治(官僚主導から政治主導へ)…事務次官会議の廃止、特別会計の見直し、「歳入庁」 構想、天下りの廃止、機密費の廃止、日米密約の調査・公表
B 対米自立…「より対等な日米関係」の構築、海上自衛隊の撤退、年次改革要望書の廃止、日米地位協定・思いやり予算見直しの失敗、普天間問題での「国外移転、せめて県外移転」の模索と挫折

<幻となった検察改革とメディア改革>
  ※ 検察権力と記者クラブ・メディアの共犯関係(検察とマスコミのリーク情報を通じたもたれ合いの関係):「検察官僚と司法記者クラブが横暴を奮う恐怖国家」(上杉隆)、「検察庁という組織の、骨の髄まで腐った不誠実さと恐ろしさ」(鳥越俊太郎)、「検察リークを受けて報道がつくられているというより、むしろメディア自らが進んで検察の提灯持ちに走っている」(青木理)、「特捜検察の捜査能力の劣化とモラルハザード」(魚住昭)、「検察権力の恣意的乱用とそれに追随するマスコミの権力監視機能の放棄、そして、「検察の正義」を微塵も疑わずにマスコミ報道を鵜呑みにして翻弄される我々一般国民の思考停止こそが目下の最大問題、すなわち日本の民主主義の危機をもたらす根源的問題である」(木村朗)
  ※ 「彼らは政治家の汚職を摘発し正義を貫く事が正しいと思い込んでいるが、実際は民主党政権による司法制度改革で検察の権益が縮小することを恐れているはずだ」(堀江貴文)
A 検察(司法)改革…検察・警察・裁判所を含む司法制度改革! 「検察の犯罪を糺す機関は存在しない」という点が最大の問題:起訴独占主義と起訴便宜(裁量)主義の弊害
  ① 取り調べの可視化法案、② 民間陣からの検事総長の登用(検事総長人事を国会承認案件に)、③ 裏金の解消、④ 裁判員制度の見直し、 ⑤ 死刑制度の見直し、⑥ 証拠の全面開示のための法改正の断行
B メディア改革…真の意味でのメディアの再生を! (神保哲生氏の指摘)
  ① 「記者会見のオープン化」(政府の記者会見をすべてのメディアに開放し、既存のマスメディアの記者クラブ権益を剥奪する。)
  ② 「クロスオーナーシップの規制・禁止」(クロスメディア:新聞社とテレビ局の系列化のあり方を見直す。)
  ③ 日本版FCC(米連邦通信委員会のように行政から独立した通信・放送委員会)を設立し、放送免許の付与権限を総務省から切り離す。
  ④ NHKの放送波の削減を検討する
  ⑤ 新聞再販制度・押し紙制度の見直し・廃止
  ⑥ 電波オ-クション制度の導入・・・等々

3. 日本は民主主義国家・独立国家なのか-「米国の影と圧力」 について
  ※ 「この政治家は二つの注目すべき持論を隠し持っている。一つは米国との距離を測り直すこと、他のひとつは象徴天皇制を隠れみのにした官僚支配への問題意識だ」(斎藤学)
  ※ 孫崎享さんの日本の 「特捜検察」 と米国との特殊な関係という重要な問題提起:
    「(小沢捜査の-木村)スタートは、外為法か何かで外国から出発していますよね」 「検察の動きを見ていると、アメリカの意思が分かる」
  ※ 「日本国内の、国民に選ばれた正当な政治権力に対しても特捜部は歯向かう。その背後には、そもそも出発点からアメリカの存在があった。ということは、東京地検が日本が対米隷属から離れて、独立独歩の道を歩もうとする政治家をねらい打ちにしてきたのは、ある意味で当たり前なんですね」(岩上安身)

A 官僚独裁国家:カレル・ヴァン・ウオルフレン氏の指摘
  「いま日本はきわめて重要な時期にある。真の民主主義をこの国で実現できるかどうかは、これからの数年にかかっている。 …国際社会で、真に独立した国家たらんとする民主党の理念を打ち砕こうとするのは、国内勢力ばかりではない。アメリカ政府もまたしかりである。 …民主党政権発足後の日本で起こりつつある変化には、実は大半の日本人が考えている以上に大きな意味がある、と筆者は感じている。 …あらゆる国々は表向きの、理論的なシステムとは別個に、現実の中で機能する実質的な権力システムというべきものを有している。 …日本のシステム内部には、普通は許容されても、過剰となるや、たちまち作用する免疫システムが備わっており、この免疫システムの一角を担うのが、メディアと二人三脚で動く日本の検察である。…検察とメディアにとって、改革を志す政治家たちは格好の標的である。 彼らは険しく目を光らせながら、問題になりそうなごく些細な犯罪行為を探し、場合によっては架空の事件を作り出す。 …日本の検察が、法に違反したとして小沢を執拗に追及する一方、アメリカは2006年に自民党に承諾させたことを実行せよと迫り続けている。 …いま我々が日本で目撃しつつあり、今後も続くであろうこととは、まさに権力闘争である。これは真の改革を望む政治家たちと、旧態依然とした体制こそ神聖なものであると信じるキャリア官僚たちとの戦いである。 …日本の新政権が牽制しようとしている非公式の政治システムには、さまざまな脅しの機能が埋め込まれている。何か事が起きれば、ほぼ自動的に作動するその機能とは超法規的権力の行使である。このような歴史的な経緯があったからこそ、有権者によって選ばれた政治家たちは簡単に脅しに屈してきた。」
  ※ メディアの劣化と言論統制の拡大
B 米国の 「属国」 から 「属領」 へ…終わらない 「占領」(間接統治)から 「再占領」(直接統治)へ、「トモダチ作戦」と日本の 「アメリカ化」(日本本土の 「沖縄化」)

4. 検察審査査会の闇と最高裁事務局のスキャンダル
  ※ 検察審査会は、裁判員制度の先駆的形態:市民から無作為に選ばれた11人の審査員が、検察の起訴・不起訴の処理に対して不服の申し立てがあった場合にこれを審査して、(1) 不起訴相当 (2) 不起訴不当 (3)起訴相当のいずれかの判断を下す。司法制度改革の一環として、裁判員制度導入にともなう法改正で2009年5月からは、審査会が同じ件で2度「起訴相当」 と決議すると、検察ではなく裁判所が指定した指定弁護士により強制的に容疑者が起訴されることになった。小沢裁判ではこの制度改正が完全に悪用された!
  ※ 「新政権は検察審査会法を再改正すべきかどうかを検討課題とすべきだろう」(高野猛)
  ※ 当初から批判が多い情報開示の少なさや〝密室性〟黒く塗りつぶされた公開文書。容疑者がまったく意見を言えないことも大きな問題。
  ① 小沢一郎民主党元代表を 「起訴相当」 と議決した審査員十一人の平均年齢が不自然な形で一転二転したこと(小沢元代表審査員 生年月も黒塗り)は不可解
  ② 検察審査会の不正、検察の虚偽報告書に対する裁判所の判断に納得出来ない。
  ※ 強制起訴制度で初の判決公判も 「検証へ情報開示を」、指定弁護士による控訴は不当!?
  ③ 森ゆう子議員が明らかにしたくじ引きソフトの不正
  ④ 小川敏夫法務大臣による指揮権発動の封じ込め
  ※ 「健全な法治国家のために声を上げる市民の会」 が、最高検察庁に新たな告発状を提出した。被告発人である佐久間達哉(法務総合研究所国連研修協力部部長)、木村匡良(東京地方検察庁公判部副部長検事)、大鶴基成(元最高検察庁公判部部長検事)、斉藤隆博(東京地方検察庁特捜部副部長検事)、吉田正喜(元東京地方検察庁特捜部副部長検事)、検察審査会の第五検察審査会の事務局長、担当課長らを証人申請が採用されるかが焦点。
  ※ 最高裁事務局のスキャンダル:最高裁判所発注のコンピューターシステム関連の一般競争入札で 「一社応札」が続出し、 100%を含む高い落札率が大半を占めていた疑惑!
    改めるチャンスが何度もありながら、一向に変わらなかった最高裁の手法。

5. 現在の閉塞状況を打開するためには何が必要か
  【検察とマスコミが一体化した情報操作による小沢氏の狙い撃ちと民主党叩きの世論誘導が米国の圧力をうける形で行われた可能性、すなわち検察権力のリーク情報を無批判的にマスコミが裏づけを取らないまま小沢氏を犯罪人扱いするような過剰な印象操作・偏向報道を一方的に垂れ流し、その結果、検察の正義を疑わない一般国民がそれを鵜呑みにして小沢批判を強めて民主党離れを加速させるというある意味で分かりやすい構図】
  ※ 旧勢力(小泉流に言えば 「守旧派」 「抵抗勢力」)による既存秩序の維持と既得権益の保持を目的とした改革潰しの動き!
  ※ マスコミが検察の監視役ではなく、「検察の正義」(あるいは 「正義の検察」)という前提を無批判に受け入れて、検察の「最大の味方」 となってその露払いや煽り役を果たしてしまうことが最大の問題である!
  ※ 「小沢不起訴になってから検察の危機が言われていますが、それ以上に、今回はマスコミの危機を露呈させたと言えますね」(魚住昭)
A 検察による恣意的な強制捜査と違法な取調べによる直接的な人権侵害
B 検察のリーク情報に依存したマスコミの過剰な偏向報道と、その影響をまともに受けた世間の人々のバッシングという深刻な報道被害
  ① 市民の覚醒と官邸デモ-政府不信とメディア不信の高まり
  ② ソーシャル・メディアとメディア・リテラシー
  【海外メディアの 「報道の5原則」】 原則1 「推定無罪の原則」(最初から有罪であるよう印象づける報道はしないこと)、原則2 「公正な報道」(検察の発表だけをたれ流すのでなく巻き込まれた人や弁護人の考えを平等に報道すること)、原則3「人権を配慮した報道」(他の先進国並みに捜査権の乱用を防ぐため、検察・警察の逮捕権、家宅捜索権の行使には、正当な理由があるかを取材、報道すること)、原則4 「真実の報道」(自主取材は自主取材として、検察・警察の情報は、あくまでも検察・警察の情報である旨を明記すること)、原則5「客観報道」(問題の歴史的経緯・背景、問題の全体構図、相関関係、別の視点などをきちんと報道すること)

【小沢問題関連重要文献】
・小沢一郎を支援する会 (編集) 『私たちはなぜ小沢一郎を支援するのか』 (諏訪書房) [新書] ノラ・コミュニケーションズ (2011/5/15)
・森 ゆうこ 『検察の罠』 日本文芸社 (2012/5/26)
・平野 貞夫 『小沢一郎 完全無罪 -「特高検察」が犯した7つの大罪』 (講談社プラスアルファ文庫 ( 2011/7/21)
・郷原 信郎 『検察崩壊 失われた正義』 毎日新聞社 (2012/9/1)
・カレル・ヴァン・ウォルフレン 『人物破壊 誰が小沢一郎を殺すのか?』 角川文庫(2012/3/24)
・マーティン・ファクラー 『「本当のこと」を伝えない日本の新聞 』 双葉新書 (2012/7/4)
・山崎行太郎 『それでも私は小沢一郎を断固支持する』 総和社 (2012/6/23)
・三井 環 『ある検事の告発』 (双葉新書) (2010/12/22)
・村木厚子編 『あきらめない 働くあなたに贈る真実のメッセージ』 日経BP社 (2011/11/28)
・石川知裕 『悪党―小沢一郎に仕えて』 朝日新聞出版 (2011/7/7)
・鈴木 宗男 『汚名-検察に人生を奪われた男の告白 』
・佐藤 栄佐久 『知事抹殺 つくられた福島県汚職事件』 平凡社 (2009/9/10)
・大坪 弘道 『勾留百二十日  特捜部長はなぜ逮捕されたか』 文藝春秋 (2011/12/16)
青木理 『国策捜査―暴走する特捜検察と餌食にされた人たち』 金曜日 (2008/05)
・副島隆彦、植草一秀、 高橋博彦 『国家は 「有罪(えんざい)」をこうして創る』 祥伝社 (2012/6/30)
・粟野仁雄 『検察に、殺される』 (ベスト新書) ベストセラーズ (2010/11/16)
・岐 武彦、山崎行太郎氏 『最高裁の罠』 (志ケイアンドケイプレス 、2012/12)
・佐藤 優/魚住 昭 『誰が日本を支配するのか!?検察と正義の巻』 マガジンハウス (2010/8/12)
・石川 知裕/佐藤 優 『小沢一郎はなぜ裁かれたか―日本を蝕む司法と政治の暴走』 徳間書店 (2012/3/26)
・今西憲之/週刊朝日取材班 『私は無実です 検察と闘った厚労省官僚村木厚子の445日』 (著) 朝日新聞出版 (2010/9/7)
・孫崎 享 (著) 『戦後史の正体』 創元社; 初版 (2012/7/24)
・孫崎 享 (著) 『アメリカに潰された政治家たち』小学館 (2012/9/24)
・孫崎 享 (著) 『日本の国境問題 尖閣・竹島・北方領土』 (ちくま新書)
・孫崎 享 (著) 『日米同盟の正体~迷走する安全保障』 (講談社現代新書)
・郷原 信郎(著) 『検察の正義 』 (ちくま新書) ( 2009/9)
・郷原 信郎(著) 『特捜神話の終焉』 飛鳥新社(2010/7/22)
・『郷原 信郎(著)検察が危ない』 (ベスト新書) ( 2010/4/9)
・三井 環 (著) 『検察の大罪 裏金隠しが生んだ政権との黒い癒着』講談社 (2010/7/29)
・三井 環 (著) 『「権力」 に操られる検察 』(双葉新書) 双葉社 (2010/7/21)
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●木下昌明さん、壊憲された「「憲法」に呪縛されて原発国家を推進する安倍自民党の奴隷となる日」

2013年08月29日 00時00分17秒 | Weblog


アップする機を逸したけれども、壊憲についての二つのちょっと古い記事。
 gendai.netの記事【安倍首相 本当に無知だった! 憲法論争で一言も答弁できず】(http://gendai.net/articles/view/syakai/141712)と、レイバーネット日本http://www.labornetjp.org/)の『●木下昌明の映画の部屋』に出ていた記事【木下昌明の時評 : 天皇もギョッとする? 自民党憲法改正草案】(http://www.labornetjp.org/news/2013/0625kinosita)。

 憲法も経済も不勉強で、壊憲と経済を語る・・・とは、恐れ入る。参院選でも自公の政治家に「25%」もの人が投票してしまい、木下昌明さん言うところの、壊憲された、「いまや国民は、この「憲法」に呪縛されて原発国家を推進する安倍自民党の奴隷となる日」を迎えてしまったのかもしれない。だって、「国民を抑圧しようと企図していることが歴然」としている壊憲案を出すような自公の議員を大量に当選させていて、平気でいられるわけだから。

   『●情報は統制される: 知らなかったでは済まされない、騙されたでは済まされない

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http://gendai.net/articles/view/syakai/141712

安倍首相 本当に無知だった!
2013年4月1日 掲載

憲法論争で一言も答弁できず

 よくもまあ、この程度の知識で「改憲」を掲げられたものだ。大新聞テレビは、ほとんど報じていないが、安倍首相の国会答弁があまりにもヒドいとネット上で話題になっている。

 3月29日の参院予算委員会。民主党の小西洋之議員(41)から憲法論議を挑まれた安倍首相は、一言も答えられず醜態をさらしたのだ

 小西議員は、まず憲法13条について質問。13条は〈個人の尊重〉を記した憲法の柱だ。ところが、首相は13条について知らなかったらしい。素直に「知りません」と答えればいいものを、悔し紛れに「クイズのような質問は生産的じゃない」「子供っぽいことは、やめましょうよ」と抗議する始末

 さらに小西議員が「憲法学者の芦部信喜、高橋和之、佐藤幸治をご存じですか」と聞くと、「私は憲法学の権威でもございませんし、学生だったこともございませんので、存じておりません」と開き直ったのだ。

 しかし、3人は日本を代表する憲法学者である。普通のサラリーマンは知らなくても恥ずかしくないが、総理として「改憲」を訴えながら「大御所」の名前をひとりも知らないとは信じがたい。憲法を勉強していないのか。

 さすがにネット上では、「経済学をやりながらケインズを知らないと同じだ」といった声が飛びかっている。憲法学者の金子勝・立正大教授が言う。

   「憲法を勉強する学生なら3人の名前を知っていて当然です。
    東大教授だった芦部信喜先生の著書『憲法』(岩波書店)は、
    大学の憲法学の教科書としても使われています。安倍首相は
    憲法を勉強していないから、無責任に改憲を掲げられるのでしょう」

 自民党の中堅議員が言う。

   「安倍首相の母校である成蹊大法学部をバカにするわけでは
    ありませんが、正直、安倍首相は、あまり優秀ではない。
    憲法も経済もほとんど理解していないでしょう。アベノミクスなど
    ともてはやされているが、経済も本当はチンプンカンプンのはずです」

 こんな男が「政治は結果だ」と威張りちらしているのだから、日本の政治は末期的だ。
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http://www.labornetjp.org/news/2013/0625kinosita

木下昌明の時評 : 天皇もギョッとする? 自民党憲法改正草案
木下昌明

 都議選に引きつづき、参院選でも自民党が圧勝する気配が濃厚になってきた。そんななか自民党の憲法改正草案がいよいよ現実味を帯びてきた

 わたしは改正草案といっても現憲法を土台にしているのであれば、そんなに変えられるものでもないだろうと高をくくっていた。が、いざ二つを比較してみるとあまりの違いにがくぜんとなった。文字面ではいっけん現憲法をチョコチョコっと手直ししているようにみえたが、中身はまるで月とスッポン

 現憲法は「日本の国民」の主権をうたい、人権を尊重したものだが、草案の方は「国家」による国民の支配・管理を主張したものなのだ。これは「改正」とか「改悪」とかではなく、別の国の憲法だといえる。冒頭前文の「日本国民」ではじまる一文からして「日本国民」から「民」を外して「日本国」として、いっけん現憲法を踏襲しているようにみせて、そっくり「国家」支配の一文にさしかえている

 第一章にあった「象徴」としての「天皇」が、草案では「日本国の元首」に変えられている。「元首」とは何か? 共和国なら大統領である。それも主義主張をとなえ、国民の総意による選挙でえらばれた人物が一定期間(4年なり8年なり)国の最高責任者となる者である。しかし、天皇の場合、主義主張もとなえず、選挙でえらばれるわけでも一定期間だけでもなく、その存在自体が「元首」にしたてられ、最高責任を務めさせられるーーこれは世襲制の君主を意味し、戦後「日本国」が主軸にしていた民主主義とは対立する君主国家となる。

 現憲法では、天皇は政治にタッチしない「象徴」に置かれていたが、それが一国の大統領のように権限をもち、代々世襲による交代で絶対的権力をもたされる。これには天皇もギョッとなるのでは? それは現政権が敵対している北朝鮮の世襲による権力移譲体制とそっくりとなる。

 ところが奇怪にも「天皇」に責任を負わせるくだりをすっぽり抜かしている。

 現憲法の「第十章 最高法規」の「第九十七条」には、「基本的人権」の大切さを高くうたった条項があるが、これがまず丸ごと削除されている。天皇を柱にすえるには「人権」が柱となっては困るからである。その上で「第九十九条 天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し、擁護する義務を負ふ」という箇所を逆転させている。つまり、草案では「全て国民は、この憲法を尊重しなければならない」と国民に「義務」を押しつけている。本来、この条項は、国家の公務に携わる天皇以下の人々に憲法の尊重を指示したものだが、そこから「天皇又は摂政」を削除し、憲法自体を国民のためのものではなく、国家のためのものにひっくり返しているのだ

 戦前の「最高国策の決定機関」であった「御前会議」をわたしは想起した。御前会議とは、天皇を前に閣僚らが会議を開くのだが、天皇は絶対権限をもちながら、その席上での発言をひかえていた。そのことで何か間違いがあっても天皇には責任を負わせないーーそんな奇妙な装置だった。そのからくり仕掛けが、この草案にそのままもちこまれている。これによって頂点にたつ「元首」の責任が問われなくなり、以下の閣僚らの責任も軽減され、「無責任体系」が完成するしくみとなる。そこで草案前文にいう「天皇を戴く国家」を強調することで、その下の実質的権限を握った機関が好き勝手なことをしても責任をまぬがれる国家システムとなる。

 その他、この自民党改正草案にはあぜんとすることばかりが羅列されているが、基本は、国民の自由や権利をうたった条項にクギを刺すように、3ヵ所にわたって「公益及び公の秩序」に反してはならないという言葉を使って、国民を抑圧しようと企図していることが歴然としている。

 いまや国民は、この「憲法」に呪縛されて原発国家を推進する安倍自民党の奴隷となる日はそう遠くない

(2013.6.25)
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●情けないオトナ達: コドモへの『はだしのゲン』閲覧制限事件

2013年08月28日 00時00分06秒 | Weblog


東京新聞の社説【はだしのゲン 彼に平和を教わった】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013082102000169.html)と記事【下村文科相、閲覧制限を容認 はだしのゲン「配慮必要」】(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013082101001388.html)、そして、琉球新報の社説【はだしのゲン 目隠しをして何になろう】(http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-211401-storytopic-11.html)。さらに、東京新聞の記事【「はだしのゲン」の衝撃 米少女を漫画家に】(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013082390135946.html)。最後に、東京新聞コラム【筆洗】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2013082502000112.html)。

 きっかけは高知市の一人の在特会関係者の陳情だったらしい。議会は否決したのに、松江市教育委員会がその陳情の意味合いを過剰に忖度し、コドモ達の目に触れにくくしたわけだ。
 原爆や戦争の描写がコドモには過激だ、との主張のようで、在特会関係者や自公の議員というオトナの気持ちが十分に忖度されているようだ。でも、実際の原爆や戦争はこの漫画以下の残酷さや過激さだったのだろうか? このオトナ達はそう感じ、このオトナ達の原爆や戦争に対する感覚をコドモに「教育」し、原爆や戦争のある世の中を推奨したいようだ。しかも、そのオトナ達は安全地帯に居て、コドモにそういった世界に喜んで飛び込んでいけるように「教育」したいのだろう。
 実際にはこの漫画以上、漫画をはるかに超える残酷さや悲惨さ、過激さであり、オトナはコドモにそれを伝え、戦争や原爆の無い世の中を伝えたいと思うのが普通ではないのか。
 漫画以下だ、漫画のようなことはないよ、だから、お国のために頑張ろうね、とコドモに「教育」したいという情けないオトナ達。その情けないオトナの典型が文科相だったとは、唖然。「誤った解釈」とは一体どんな解釈なのだろうか?

   『●「原子力」と「核」、言葉は違えど「原発=原爆」である
   『●「はだしのゲン」中沢啓治さん、亡くなる
   『●『はだしのゲン』中沢啓治さんの新たな遺稿が見つかる
   『●「国家と教育」『週刊金曜日』(2013年3月22日、936号)についてのつぶやき

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013082102000169.html

【社説】
はだしのゲン 彼に平和を教わった
2013年8月21日

 原爆の焦土をたくましく生き抜く少年を描いた漫画「はだしのゲン」。世界中の子どもたちが彼に平和を学んでいる。それを図書館で自由に読めないようにした大人。ちょっと情けなくないか。
 「はだしのゲン」は、英語、ロシア語、クロアチア語など世界約二十カ国語に翻訳されている。
 書物を出すのに政府の許可が必要なイランでも、ことし五月にペルシャ語訳が出版された。
 原爆を投下した米国でも、全米約三千の図書館に所蔵され、韓国では全十巻三万セットを売り上げるベストセラーになっている。
 一九七三年に連載がスタートし、八五年に完結した。誕生から、ことし四十年になる。
 「はだしのゲン」は、漫画やアニメが日本文化の代表として、世界でもてはやされる以前から学級文庫に並んでいた
 今月五日、広島原爆忌の前夜には、市民グループの手によって、原爆ドームの足元を流れる元安川の川面に、作者の中沢啓治さんとゲンの姿が映し出された。
 なぜゲンが選ばれ、読み継がれているのだろうか。
 単行本一巻目の表紙には、青麦を握り締めてほほ笑むゲンの横顔が描かれている。踏まれても踏まれても、たくましく穂を実らせる、青麦は成長のシンボルだ。
 <私は「はだしのゲン」を読んで、原子爆弾が投下された日の広島のことを知った気になっていました。しかし、(被爆体験者の)お二人の話を聞いて、たくさんのことが分かりました>
 愛媛県の少女が地元紙に寄せた投書の一節だ。
 松江市教委が問題視したような残虐とも思える描写も確かにある。しかし、子どもたちは、それも踏まえて物語を貫く平和への願いや希望を感じ取り、自分の頭で考えながら、ゲンと一緒にたくましく成長を遂げている。
 表現の自由図書館の自由宣言をわざわざ持ち出すまでもない。
 大人たちがやるべきなのは、目隠しをすることではない。子どもたちに機会を与え、ともに考えたり、話し合ったりしながら、その成長を見守ることではないか。
 昨年末に亡くなった中沢さんは「これからも読みつがれていって、何かを感じてほしい。それだけが、わたしの願いです」と、「わたしの遺書」の末尾に書いた。子どもたちよ、もっとゲンに触れ、そして自分で感じてほしい。
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http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013082101001388.html

下村文科相、閲覧制限を容認 はだしのゲン「配慮必要」
2013年8月21日 21時22分

 松江市教育委員会が市立小中学校に漫画「はだしのゲン」の閲覧制限を求めた問題について、下村博文文部科学相は21日の記者会見で「市教委の判断は違法ではなく問題ない。子どもの発達段階に応じた教育的配慮は必要だと思う」と述べ、理解を示した。閲覧制限には表現の自由を制限するとの批判的な意見があり、議論を呼びそうだ。
 下村氏は過激な描写と指摘されている部分を自らも確認したことを明らかにし「小中学生が必ずしも正しく理解できない描写だ、と考える人もいるかもしれない」と指摘。
 また「誤った解釈をしないように、教員と一緒に学習しようとの考えだと聞いている」と語った。

(共同)
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http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-211401-storytopic-11.html

社説
はだしのゲン 目隠しをして何になろう
2013年8月22日

 原爆を題材にした漫画「はだしのゲン」を、島根県松江市の教育委員会が市内全小中学校の図書室で許可なく閲覧できないようにし、批判を浴びている。書棚から撤去したため、子供たちは自由に手に取ることすらできない
 原爆や戦争のむごたらしさから子供たちを目隠しして何になろう実相を学ぶ貴重な機会を子供たちから奪ってはならない。市教委は直ちに制限を撤回すべきだ。
 「はだしのゲン」は、作者の故中沢啓治さんが自らの被爆体験を基に、原爆の惨状と戦後の苦難を鮮烈に描いた名作だ。
 中沢さんも当初は被爆体験を隠していた。だが戦後21年で死去した母を火葬した際、「あるはずの骨が無く、灰しか残らなかった。原爆はおふくろの骨まで奪った」。その怒りが創作の原動力となった。
 1973年から12年間描き継がれ、学校や図書館に置かれるようになる。英語・ロシア語・ペルシャ語など20カ国語に翻訳され、世界にも広まった。作品の価値の高さゆえであろう。国境や世代を超えて読み継がれた名作を、当の、唯一の被爆国の子供たちが読めないとは、不条理そのものだ
 閲覧制限はある男性が松江市教委に送った陳情書がきっかけだ。日本軍が中国人の女性を殺す場面などを例に挙げて「偏ったイデオロギー」と非難し、学校からの撤去を求めている。同じ男性が高知でも同様の陳情書を送っており、各地に広げる狙いを持っているのは明らかだ。
 一部の人々からの抗議のメールや電話を受け、公的機関が当初の姿勢を撤回するのは、沖縄県が旧32軍壕の説明板から「慰安婦」「住民虐殺」の文言を削除した際の姿と、うり二つである
 ある考え方が気に入らないからといって作品そのものを閉め出すのは、ナチスの焚書(ふんしょ)と同質の行為ではないか。これを許せば、軍部に恐れをなし、徐々に自由な言論が奪われた戦前の繰り返しとなりかねない。
 「はだしのゲン」は鳥取市立中央図書館も閲覧制限していたことが分かっている。日の丸掲揚・君が代斉唱の強要に注意を促す教科書について、各地の教育委員会が不採択を求めたことも想起される。
 この国の表現の自由、知る権利は危険な水域に入ったのではないか。言論封殺の進行はぜひとも食い止めなければならない。
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http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013082390135946.html

「はだしのゲン」の衝撃 米少女を漫画家に
2013年8月23日 13時59分

 漫画「はだしのゲン」を小学生時代に読み、原爆のすさまじさに衝撃を受けた体験を米国の女性漫画家が描いた短編作品が和訳され、インターネット上で紹介されて話題になっている。作者がモデルの主人公は心を揺さぶられ、漫画家を志すきっかけになった。和訳したのは、小中学校にはだしのゲンの閲覧制限を求めた松江市教委の対応に疑問を感じた日本人編集者。二人の「合作」がこの問題に警鐘を鳴らしている。 (上野実輝彦)

 作者はニューヨーク在住のレイナ・テルゲマイヤーさん(36)。作品は二〇〇二年に発表し、自身のホームページで公開している「Beginnings(きっかけ)」。父に勧められ、英訳版のはだしのゲンを読んだ体験を描いた。原爆の脅威に直面し、少女の心の揺れを表現。動揺する娘に母がかけた言葉が人生の道しるべになったことや、漫画の持つ力にひきつけられた心情もにじませている。
 テルゲマイヤーさんは本紙の取材に、小学生でゲンに触れた意義を「幅広い問題意識を持ち、周囲にもっと目を向けられるようになった。ショッキングな表現もあるが、読んで良かった」と強調。松江市教委が暴力的な描写を閲覧制限の理由にしたことに「現代の子どもはゲームなどで、もっと暴力的な表現に触れている。(閲覧制限より)現実の暴力が引き起こす問題を理解させる方が重要だ」と疑問を投げかけた。
 和訳した東京都のフリー編集者の男性(45)は「子どもが本と出会う機会を失わせたのに、重大な行為をしている自覚がない松江市教委が腹立たしい」と思い、ゲンに関する情報を集め始めて作品を見つけた。
 「多くの人の目に留めたい」と、本人に和訳して公開したいと連絡したところ、快諾を得て自身のブログに最近掲載した。
 男性は「原爆の背景を知らない米国の少女が、素直な気持ちでゲンを読んで感じたことを知ってもらえれば」と語る。
 男性のブログのアドレスはhttp://lafs.hatenablog.com/
 ブログ名の一部である「編集といえば出版編集」でキーワード検索しても見つかる。

 <レイナ・テルゲマイヤー> 1977年、米国サンフランシスコ生まれ。9歳ごろから漫画を描き始め、99年にニューヨークの美術専門学校に入学。2000年からインターネット上で短編作品の発表を始める。小学生の時、歯のけがが原因でいじめを受けた経験を描いた「Smile」(10年)が、米国で最も権威ある漫画賞とされる「アイズナー賞」で部門別の最優秀賞を受賞。好きな漫画家の1人に「はだしのゲン」作者の中沢啓治氏を挙げている。

◆漫画のあらすじ
 9歳の時、父に「読むといいよ」と言われ、はだしのゲンを渡された。「日本に原爆が落ちたと聞いても、ピンとこなかった」が、読んでいくうちに感情移入。広島への原爆投下の場面まで進むと、自国の米国による攻撃で多くの人が死んだことに混乱し、泣きながら両親に「何で米国が日本に?」「私もそんな目に遭う?」「二度と起きちゃダメ」とまくしたてた。「もう人生めちゃめちゃ」と嘆く娘に、母は成長を感じたのか、優しく「逆に、あなたの人生が始まったのね」と背中を押した。主人公は母の言葉の意味を理解できなかったが、それからの人生で「いっぱい考えさせられた」と回想している。

(東京新聞)
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2013082502000112.html

【コラム】
筆洗
2013年8月25日

 昨年亡くなった中沢啓治さんには「はだしのゲン」の続編を描く構想があった。目の病気で実現できなかったが、広島平和記念資料館の展示室で下書き原稿を見ることができる(九月一日まで)▼敗戦から十四年後、ゲンは絵の修業のために上京する。理髪店で被爆のことを話すと、店主から「原爆を受けた者に近づくと放射能がうつる」と罵倒される。東京大空襲で親を失った子どもに同情し、財布を盗まれる場面もある▼絵が描かれているのは一ページだけ。鉛筆でこま割りやせりふを指定する粗いスケッチだが、波乱に富む新生活を予感させる。続編では被爆者差別を描こうとしたそうだ▼累計部数一千万部超。二十カ国で翻訳されているこの漫画が、松江市の小中学校の図書館で自由に読めなくなった。旧日本軍の暴虐さを描いた一部の描写が過激とされた▼校長四十九人のうち、制限が必要と答えたのは五人。結果的に政治的圧力に屈する形になった市教委の判断は理解に苦しむ。週刊少年ジャンプで連載中、人気が下位に沈んでも、編集長が子どもに読ませたいと判断し連載は続いたどちらが教育的だろうか麻生太郎外相(当時)の肝いりで核拡散防止条約の国際会議に政府代表団が英語版「はだしのゲン」を配布したことも。下村博文文部科学相は閲覧制限を認めた。大の漫画好きの麻生さんの考えが聞きたい。
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●「社会が変わる ・・・」『週刊金曜日』(2013年8月23日、956号)についてのつぶやき

2013年08月27日 00時00分31秒 | Weblog


週刊金曜日』(2013年8月23日、956号)について、最近のつぶやきから、AS@ActSludge。

 今週のブログ主のお薦めは、木野龍逸さん【責任不明確な福一原発の事故処理体制 再稼働よりも汚染水対策を!】、そして、古川琢也さん(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/4c1828721a3d68184a6c912ea1bcc1a4)【「ブラック企業大賞」が決定 対象はワタミに】(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/f1e885dc585518267b1a1994bc49115f)。さらに、粟野仁雄さん【今中哲二助教と行くチェルノブイリ原発(上)】。

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■『週刊金曜日』(2013年8月23日、956号) / 大雨後晴れの中、到着。「社会が変わる 障害者差別解消法を知っていますか?」。木野龍逸さん【責任不明確な福一原発の事故処理体制 再稼働よりも汚染水対策を!】。まさに同感だ(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/3aa14f857a33a8df6740e40de8ab7b59

■『週刊金曜日』(2013年8月23日、956号) / 野中大樹氏【商工団体などが9月に反対集会開催 消費税八%増税をストップ!】。最悪の税制・消費税の増税ありきで、上げる時期の議論が既定路線化しているが、消費税増税そのものに反対だ(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/d435ba4950c1d381994c047fc001d0d9

■『週刊金曜日』(2013年8月23日、956号) / 永野厚男氏【「君が代不起立の懲罰研修 教員に思想転向迫る?】。相変わらずの東京「ト」教委の暴走(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/8adfc28e3a834d65c8088d41cd74d9cb)、実教出版の高校日本史教科書の二重検定でも暴走、ハタとウタを強制しておいて何を考えているのか?

■『週刊金曜日』(2013年8月23日、956号) / 先日一部で大きく取り上げられたとおり、古川琢也さん(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/4c1828721a3d68184a6c912ea1bcc1a4)【「ブラック企業大賞」が決定 対象はワタミに】(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/f1e885dc585518267b1a1994bc49115f)、渡邊美樹氏はいまや自民党議員に

■『週刊金曜日』(2013年8月23日、956号) / 【西川伸一の政治時評/内閣法制局長官人事への懸念表明するのは引退議員ばかり 自民の現職議員は皆だんまり】。情けない議員ばかりだし、マスコミもだらしない、そして自公に投票してしまった有権者も(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/63ae1160a669df27f0dd5ba09fd68e85

■『週刊金曜日』(2013年8月23日、956号) / 島田健弘氏【反原発へ〝いやがらせ〟の歴史】、「中傷、怪文書、なりすましに盗撮・ストーキング行為・・・・・・」。SLAPPなんていうのも究極の嫌がらせ(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/0e01abd31e7ba8eb17b953f4c1a9c529

■『週刊金曜日』(2013年8月23日、956号) / 横田一さん(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/66d1c73e9008096863a06abf91754edd)【参院選圧勝の自民党を追い詰めた「山形の乱」とTPPの影 JA山形への強制捜査は「報復措置」か】、「「自民党に逆らう者は報復的措置を受ける」という恐怖心を抱かせることによって、非自民勢力を潰しておこうという狙いが透けて見えはしまいか」

■『週刊金曜日』(2013年8月23日、956号) / 山秋真氏【上関原発建設に伴う漁業補償金、受け取り賛成になるまで採決か 補償金を拒む祝島に山口県漁協が強要?】。東京電力人災が「収束」していないというのに、電力会社や国は一体何をしているのか!(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/3aa14f857a33a8df6740e40de8ab7b59

■『週刊金曜日』(2013年8月23日、956号) / 粟野仁雄http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/074bd299a37fab16c426dc8754e8f277)さん【今中哲二助教と行くチェルノブイリ原発(上) 4号機を覆う第二石棺 ここは25年後の福島第一原発だ】。「熊取6人組」(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/f4618f1153c07bdf5eb2472912d7c270

■『週刊金曜日』(2013年8月23日、956号) / 編集部【新わたしと憲法シリーズ 米倉斉加年】、「平和を愛し、憲法を尊ぶ戦中派個性俳優」、「戦争で愛する人を失った人々や死なねばならなかった人々の思いがこの憲法には込められている」。そう、壊憲させてはイケナイ(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/7408a0a5477439ac334576823e23618c

■『週刊金曜日』(2013年8月23日、956号) / 青木理http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/3a85028ac13f9d5517b8c50e10eaaf06)さん【司法を正す第5回 集団申告漏れ事件で一審無罪となった八田隆さん 検察と国税の無謬の砦に穿たれた貴重な判決】

■『週刊金曜日』(2013年8月23日、956号) / 中嶋啓明さん【出来レース捜査を許すな 原発事故不起訴方針】。裁判所も含めて本当に関係者全員が無責任、そして出来レース(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/181a64f0eff47cbc59c4731cf7667f69

■『週刊金曜日』(2013年8月23日、956号) / 岩本太郎氏【ヘイトデモの次段階 個人や各自治体が攻撃の新たな矛先に】、「そこでさっそく表面化したのが、松江市の・・『はだしのゲン』閲覧制限問題。背景には、高知市の在特会関係者による松江市教委への抗議活動があった・・」
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●放射能汚染で「太平洋は終わり」との声が出るほどの重大事故だというのに、この国は・・・・・・

2013年08月26日 00時00分51秒 | Weblog


CMLに出ていた記事【[CML 026037] 【緊急声明】いのちの海を放射能で汚さないで!】(http://list.jca.apc.org/public/cml/2013-August/025961.html)。

 当ブログも観念的で、表層的な批判ばかりで、具体策も提言できないことは自覚しています。もどかしい気持ちでいっぱい。でも、電力会社や自公議員、原子力規制委員会、原子力ムラ会員の皆さんを批判せずにはいられない。
 「東電は、昨年末から今年5月にかけて汚染水モニタリングを怠ったばかりか、参院選が終わるまで、海洋への流出を隠ぺい」したとは、一体どういう了見か! 信じられない!! また、原子力「規制委員会も東電を放置し・・福島事故対策には従来と変わらぬ約40人しか割かない一方で、再稼働に向けた新基準の適合性審査には約80人体制の増員すら図り、週3回のハイペースで審査会合を続けてい」るとは、一体何をやっているのか! そして、国会は一体何をやっているのか!!

   『●核=原子力だからこそ、プルトニウムをため込む: 孤立する日本
   『●3.11後にヒロシマで原発推進・輸出を語れるその神経・・・・・・
   『●当事者能力がなくなっても原発を動かしたいという中毒症状
   『●「核と人類は共存し得ない」
   『●次に原発事故が起きた時には責任をとってくれるのね?
   『●終わらない原発人災の影響: 「震災さえ」ではなく 「原発さえなければ・・・」
   『●「もはや犯罪というしかない」 ~東京電力汚染水流出大事故と再稼働・輸出という犯罪~

 「新たな事故」「重大な汚染事故」「重大な人災」による放射能汚染で「太平洋は終わり」との声が出るほどの重大事故だというのに、この国は一体何をやっているのだろうか・・・・・・。

 以下の記事に具体的な対策が緊急声明としてまとめられている。その「声」が自公政権や電力会社に届かないのであれば、救いようがない・・・・・・。

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http://list.jca.apc.org/public/cml/2013-August/025961.html

[CML 026037] 【緊急声明】いのちの海を放射能で汚さないで!
杉原浩司(Koji Sugihara) ・・・・・・
2013年 8月 24日 (土) 00:50:58 JST



東京の杉原浩司(緑の党・脱原発担当)です。原子力規制委員会による東
電福島第一原発の現地調査も行われた昨日8月24日、汚染水流出問題につ
いての緊急声明を公表し、内閣官房、原子力規制委員会、経済産業省、東
京電力など関係機関に提出しました。併せて、報道機関にも送付しました。

今後の取り組みに向けて、議論の材料の一つになれば幸いです。ぜひご一
読ください。また、周りの方々にもご紹介いただけると助かります。

ここで掲げた要求事項を一つでも多く実現できるよう、より多くの方と協
力していきたいと考えています。[転送・転載歓迎/重複失礼]

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【緊急声明】

いのちの海を放射能で汚さないで!
      ~再稼働や輸出ではなく、汚染水対策に全力投入を
   (2013年8月23日  緑の党 運営委員会)

http://greens.gr.jp/seimei/8582/

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【緊急声明】    

いのちの海を放射能で汚さないで!
   ~再稼働や輸出ではなく、汚染水対策に全力投入を

    2013年8月23日      緑の党 運営委員会

 東京電力福島第一原発の放射能汚染水の流出問題が緊迫しています。少
なくとも1日300トン、25メートルプール1杯分以上の放射性物質まみれの
水が、太平洋を日々汚染しています。さらに、8月19日にはタンクからの
約300トンに及ぶ過去最悪の高濃度汚染水漏れが発覚し、原子力規制委員
会は、レベル3の「重大な異常事象」にあたるとの見解を示しました。

 東電は、昨年末から今年5月にかけて汚染水モニタリングを怠ったばか
りか、参院選が終わるまで、海洋への流出を隠ぺいしました。4月には
「福島第一信頼度向上緊急対策本部」を設置し、潜在的リスクの抽出を実
施したものの、トレンチ内に滞留する高濃度汚染水については取り上げす
らしませんでした東電の対応は泥縄式であり、放射能汚染に真剣に向き
合おうとしていません

 この期間、規制委員会も東電を放置して、再稼働に向けた新規制基準づ
くりに熱中していました。規制委員会は現在、汚染水対応を含む福島事故
対策には従来と変わらぬ約40人しか割かない一方で、再稼働に向けた新基
準の適合性審査には約80人体制の増員すら図り、週3回のハイペースで審
査会合を続けています

 汚染水の地下水位は上昇するばかりであり、建屋への大規模な浸水も懸
念されます。もし大きな地震が襲えば、汚染水液状化が起こり、建屋の傾
斜あるいは倒壊に至る恐れすらあります。作業者が立ち入れなくなり、収
束作業が不可能になる最悪の事態が訪れかねません。そして、取り返しの
つかない史上最悪の放射能海洋汚染へと拡大する恐れもあります。こうし
た状況で、原発の再稼働や輸出などあり得ません

 東電の延命を最優先してきた経産省や、ここに至るまで事態を放置して
きた安倍首相の責任は重大です。汚染水問題は、いのちと原発の共存など
あり得ないことを改めて教えています。私たちは、切迫する事態を踏まえ
て、政府をはじめ関係当事者に以下を要求します。


応急対策について

・政府の原子力災害対策本部が検討している400億円を投じての「凍土遮
水壁」は、今年度中に実現可能性調査が行われ、完成は2年後とされてい
る。効果の薄い税金の垂れ流しは許されない。その実効性を事前にしっか
りと検証すること。

・経産省資源エネルギー庁の下に置かれた汚染水処理対策委員会は、ゼネ
コンによる秘密コンペの場になっている。会議と議事録を全面公開するこ
と。

・安易な国費=税金投入をやめて、東電以外の原子炉メーカー等の当事者
企業にも経費を分担させること。

・地上の放射線量が上昇するなど、現場は「放射能の戦場」とも言うべき
状態である。汚染水対策のためにも、敷地の全面的な除染等により、作業
環境の悪化を早急に食い止めること

タンクにためている汚染水の海洋放出をしないこと田中俊一規制委員
長は8月21日、「トータルとしていろんなことを考えないといけない」と
述べ、放出の可能性を示唆した。発言を撤回し、放射性廃棄物の海洋投棄
を禁じるロンドン条約の精神を遵守すること。


情報公開と規制強化について

・東電は8月21日、2011年5月以降、ストロンチウム90が10兆ベクレル、セ
シウム137が20兆ベクレル流出したとの試算を発表した。プルトニウム等
も含む、より正確な流出データを公表するとともに、漁業者をはじめとす
る住民や海外への情報公開と協議の場を拡充すること。

・福島第一原発は地下水脈の上に建設され、事故前、1日850トンもの地下
水を汲み上げていた。建設計画自体の妥当性が疑われる。他原発について
も地下水を調査し、遮水対策などを実施させること。適合性審査を中止し、
原発の新規制基準に汚染水流出対策を組み入れること。

・各地の原発で、年間数百億から百兆ベクレルの放出が容認されていたト
リチウム汚染水の海洋流出の規制を強化すること。また、六ヶ所再処理工
場における大気・海洋へのトリチウムなどの放射性物質の垂れ流しも規制
すること。


事故対処体制の組み替えについて

無責任体質、隠ぺい体質を改めることなく、汚染水問題解決の意志も能
力もない東電に、もはや対応は不可能である。東電を解体し、新たな廃炉
機関と汚染水対策に特化した部門を作ること。そこに、国内外のあらゆる
関連分野の人と知見を集約し、権限を与え、事故対処にあたらせること。

・汚染経路を特定するための染料マーカーの導入。汚染水を大量に備蓄で
きる地下貯水タンクの設置。大型タンカーが接岸可能なバースを作り、タ
ンカーに汚染水を移送し、柏崎刈羽原発の廃液処理施設で処理等の民間か
ら出されている具体案を真剣に検討し、実行に移すこと。

・事故はますます悪化しており、「福島事故を繰り返さない」ことが前提
再稼働審査は到底できる状況にはない。規制委員会は適合性審査や核燃
料施設の新規制基準づくりを中止して、更田豊志委員をはじめとするすべ
ての人員とエネルギーを汚染水対策を含む事故収束に振り向けること。一
丸となって新チームを設置し、現場近くに事務所を設けること。

緊急事態であるにも関わらず、国会は10月まで開かれない。閉会中審査
を実施し、汚染水流出を防止するために積極的な議論を行うこと。
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●「もはや犯罪というしかない」 ~東京電力汚染水流出大事故と再稼働・輸出という犯罪~

2013年08月25日 00時00分42秒 | Weblog


gendai.netの記事【福島第1原発汚染水タンク350個が全滅危機】http://gendai.net/articles/view/syakai/144131)。asahi.comの社説【汚染水漏れ―首相先頭に危機管理を】(http://www.asahi.com/paper/editorial.html?ref=com_top_pickup#Edit110月22日)と【天声人語】(http://www.asahi.com/paper/column.html?ref=com_top_tenjin10月22日)、【チェルノブイリ、進まぬ廃炉 事故から27年】(http://www.asahi.com/tech_science/articles/TKY201308210350.html)。東京新聞の記事【タンク汚染水漏れ 堰の排水弁すべて開放 海に流出可能性大】(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013082290070949.html)と社説【レベル3相当 新しい事故に等しい】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013082202000152.html)、コラム【筆洗】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2013082202000150.html)。最後に、鎌田慧さんのブログに出ていた橋下勝さんの絵と記事【橋本勝「地球を汚染する 安倍政権」】(http://nomorewar77.blog.fc2.com/blog-entry-596.html)。

 3.11東京電力原発人災以降、そして冷温停止「状態」「収束」宣言以降も、様々な「事象」・事故は起こってきた。しかし、日量300トンの流出に続き、排水弁全開の欠陥汚染水タンクからの今回の300トンの高濃度汚染水漏えいは重大事故・・・・・・、前野田政権の「収束」宣言などというヤラセ宣言は撤回し、福島第一原発周辺の海洋汚染だけでなく、刻々と外洋へと拡散していく放射性物質汚染を何とかしないといけない、とてつもない重大な事故である。

 3.11東京電力原発人災以来の「重大事故」「重大人災」という意識は、自公議員や電力会社には感じられない。またしても、「重大事故」「重大人災」を起こしてしまったという意識があるようには思えない。

 最後の『橋本勝「地球を汚染する 安倍政権」』にある通り、「もはや犯罪というしかない」状態。日本は、いま、そういう目で世界から見られていることに、もっと危機意識を持たねば。妙案は思い浮かばない。でも、大至急、内陸からの地下水の流入を完全にバイパスし、原子炉のかけ流し状態から出てくる冷却汚染水は完全な閉鎖系に閉じ込め、さらに、湾を閉鎖するなりしないと、汚染は外へ外へと広がるばかりだ。3.11東京電力原発人災に関わることや、全ての原子炉を廃炉に向けて作業開始すること以外、いま、自公政権や電力会社に、一体何をやることがあるのだろうか。すべてはそこに集中するしかないはず。原発再稼働や原発輸出なんてやってる場合だろうか? 

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http://gendai.net/articles/view/syakai/144131

福島第1原発 汚染水タンク350個が全滅危機
2013年8月21日 掲載

東電の安普請・ドロナワ作業で最悪事態

 どうしたらこうなるのか。東京電力は福島第1原発のタンクから漏れた放射能汚染水の量を当初「少なくとも120リットル」と推定していたのに、20日になって「300トンに達する」と変更した。一気に2500倍に増えたことに絶句だが、汚染水の漏出量はこんなものでは済まない。

 東電はダダ漏れになっていた地下貯水槽の汚染水を、6月上旬までに地上タンクに移し替えた。タンクは直径12メートル、高さ11メートルの円柱状で、容量は約1000トン。漏れた300トンは大体、25メートルプール1つ分だ。

 実はこのタンクは当初から“ヤバイ”と指摘されていた。部材を溶接ではなく、ボルトでつないで組み立てる構造のため、ボルトが緩んだり、止水用パッキンが劣化すると、汚染水が漏洩するんじゃないかと懸念されていたのだ。

   「過去に4回、タンクから汚染水漏れが起きていて、いずれもつなぎ目部分から
    見つかっています。今回はまだどこから漏れたか分かりませんが、
    恐らく、つなぎ目に原因があるのでしょう」(ジャーナリスト・横田一氏)

 東電によると、パッキンの耐用年数は5年ほど交換するにはタンクそのものを解体しなければならないが、漏洩が見つかるたびに解体するのは非現実的だ。外側から止水材を塗るなど、その場しのぎの対応に追われることになりそうだ。

 問題はボルトとパッキンだけではない。タンクが“鋼鉄製”なのも大きな懸念材料という。日本環境学会顧問・元会長で元大阪市立大学大学院教授(環境政策論)の畑明郎氏が言う。

   「汚染水は原子炉冷却に使われた水で、当初の海水冷却により塩分を
    含むものです。鋼鉄製のタンクは錆びやすく、腐食して穴が開き、
    漏れた可能性があります。安全性を考えるのであれば、東電は
    鋼鉄製ではなくステンレス製のタンクにすべきでした」

錆びて腐食、止水用パッキンの寿命はたった5年

 東電がそうしなかったのは、鋼鉄製の方がコストがかからないからだ。さらに言うと、溶接型ではなくボルト型にしたのも、短時間で増設できるから。いかにも東電らしいドロナワ対応といえるが、このボルト式の同型のタンクは敷地内に350個もある。もし、今回と同じ300トンの汚染水がすべてのタンクから漏れ始めたら、10万トンではきかない計算になるから、考えるだけでもゾッとする。

 しかも、汚染水は1日400トンのペースで増え続けていて、東電は現在貯蔵可能な約39万トン分のタンクの容量を2016年度までに80万トン分まで増やす計画だ。
 一方で安普請のタンクからの汚染水漏れの手当ても同時にやらなければならない。

 今回の汚染水からは、法令で放出が認められる基準(1リットルあたり30ベクレル)の数百万倍に達する8000万ベクレルの放射性ストロンチウムが検出された。300トン分で約24兆ベクレルである。

 はっきり言って東電は終わっている。
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http://www.asahi.com/paper/editorial.html?ref=com_top_pickup#Edit1、10月22日】

2013年8月22日(木)付
汚染水漏れ―首相先頭に危機管理を

 福島第一原発で、新たな事故が起きた。放射性物質で高濃度に汚染された水が、保管タンクから300トンも漏れたのだ。

 原子力規制委員会はきのう、8段階の国際基準に当てはめると上から5番目の「レベル3」(重大な異常事象)に相当すると発表した。

 隔離していた放射性物質を大量に環境中に逃した事態は文字どおり重大である。海外からの懸念の声も高まっている。

 周辺の安全だけでなく、日本の信用にかかわる危機であり、安倍首相は早急な対応でリーダーシップを発揮すべきだ。

 福島での原発事故は86年のチェルノブイリ原発事故と並び、国際基準で最も重大な「レベル7」(深刻な事故)だ。

 レベル7の事故自体が収束にほど遠く、今も放射性物質による環境汚染が続いている

 その事故対策の過程で生じたタンクからの汚染水漏れを、改めて「レベル3」と判定することに異論もあるようだ。

 しかし、新たな事故と位置づけることで、「なぜ防げなかったのか」という重要な問いに向き合うべきだ。

 汚染水が漏れたタンクは、約1千基のうち約350基を占める簡易型で、耐用年数も5年しかない。漏れる危険性は当初から指摘されてきた。

 大量漏出が起きたのは、汚染水対策が東京電力任せにされ、その場しのぎの不十分な対策が繰り返された結果だ。

 汚染水問題は、安倍首相が今月7日の原子力災害対策本部で「東電任せでなく国としてしっかり対策を講じる」と述べて、ようやく省庁間に連携の動きが出てきたと関係者は語る。

 汚染水対策は従来、原災本部の下の廃炉対策推進会議で、東電と経済産業省中心にまとめられてきた。それが裏目に出た。

 現状の把握や国内外への説明、対策での国際連携、必要な資金投入など、省庁の壁を越えて政府が総力で迅速に取り組むべきことばかりだ。首相の指導力が問われる局面である。

 事故関係の情報は原災本部の内閣危機管理監の下に集約して共有と調整を図るなど、政府として原発事故発生時に準じた態勢を組んではどうか。

 東電任せの枠組みを認め、一歩引いた監督にとどまりがちだった規制委にも責任がある。

 楽観に傾かず、冷徹に最悪を想定するのが役目である。漏水を防ぐ複数の代替策を準備させたり、環境汚染の徹底監視に乗り出したり、内外の最新知見を積極的に取り入れた対策の具体化をただちに進めてほしい
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http://www.asahi.com/paper/column.html?ref=com_top_tenjin、10月22日】

2013年8月22日(木)付
天声人語

 水に恵まれた国土のゆえだろう。私たちは比喩としての水のイメージを豊富に持っている国民だと、本紙歌壇の選者馬場あき子さんが書いていた。たしかに「水もしたたる」や「水を向ける」など、誰でも指折り挙げることができる▼しかし今、「水も漏らさぬ」は立つ瀬がない。福島第一原発のタンクから、高濃度の放射能汚染水が漏れていたことがわかった。推計でドラム缶1500本分。大部分は地中にしみこんだとみられ、付近から高い放射線量が計測されている▼原子力規制委は、国際的な尺度でレベル3の「重大な異常事象」にあたるとの見解を示した。そもそもの事故が大きすぎて感覚が鈍るが、平時にこのレベルなら大騒ぎになろう。漏れた原因さえ分かっていない▼それにしても、水に絡む、次から次への深刻事態である。1日に約300トンの汚染水が海に流れ込んでいるという試算が出たのは、つい先日のことだ。あれやこれやで、東電はもはや、ダウン寸前のボクサーさながらだ▼立っているのがやっとの一企業に、事故処理を任せっぱなしにはできまい。原発の再稼働や諸外国への売り込みを急ぐために、廃炉、収束は東電に任せて自らの責任は水に流したいそうした意図が政府にあると見るのは、勘ぐりが過ぎようか▼「水に流す」とは、なかったことにすること。いわゆる禊(みそ)ぎの思想が裏にあるという。禊ぎは政治家の得意技だが、国策として推進した事実は消しようもない。災害は今も進行中である。
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http://www.asahi.com/tech_science/articles/TKY201308210350.html

2013年8月22日9時20分
チェルノブイリ進まぬ廃炉 事故から27年

 ウクライナのチェルノブイリ原発で、史上最悪の事故から27年がたち、ようやく廃炉に向けた準備が始まろうとしている。しかし、事故を起こした4号炉は高い放射線量に阻まれ手つかずのまま。建屋をコンクリートで覆った「石棺」が崩壊して放射性物質が飛び散らないよう、巨大シェルターの建設が進められている。

溶けた燃料 撤去めどなし

 4号炉の燃料は炉心の下部に落ち、「ゾウの足」のような形をして固まっている。2011年、隣接する3号炉の部屋で炉内の温度や放射能を監視するシステムが完成。24時間監視している。燃料付近は毎時約30シーベルト以上ある。今でも近づけば死に至るほどの強い放射線を放つ

・・・・・・。
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http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013082290070949.html

タンク汚染水漏れ 堰の排水弁すべて開放 海に流出可能性大
2013年8月22日 07時09分

 東京電力福島第一原発のタンクから三百トンの汚染水が漏れた問題で、東電は、ほとんどのタンク群の周りに水を食い止めるコンクリート製の堰(せき)を設けたのに排水弁をすべて開けていたことが分かった。今回の漏出事故では、大量の汚染水が排水弁から堰の外に漏れ、土のうを越え、近くの排水溝から海に汚染が広がった可能性が高い。

 汚染水漏れが起きたタンク群には、二十六基のタンクがあり、これを囲む堰の二十四カ所に弁が設置されている。東電は、汚染水が漏れても広がらないよう堰を設けたが、堰内に雨水がたまると汚染水漏れが発見しにくくなるとして、弁を開いたままにして雨水が抜けるようにしていた。

 しかし、弁が開いていたことで、漏れた汚染水は簡単に堰の外に出た。外部には土のうが積んであったが、土に染み込むなどしてその外側に漏れ出した。

 二十一日には、問題のタンク群から排水溝に向かって水が流れた跡が見つかったほか、排水溝内でも汚染水が土砂とともに流れた跡が見つかった。放射線量も毎時六ミリシーベルトと高かった。排水溝は海に直結していることから、汚染水が海に流れた可能性は低いとしていた東電も、海洋汚染があることを前提に対応していく考えを示した。

 排水弁が閉まり、コンクリート堰内に汚染水がたまる運用をしていれば、三百トンのうち半分以上は堰内にとどまった上、水が漏れているのを早期に発見できた可能性が高い。

 原子力規制委員会は今回の事故を国際的な評価尺度で上から五番目のレベル3と評価することを検討しているが、その大きな理由として「安全防護層が残されていない」ことを挙げている。二十一日夜に開かれた汚染水対策を検討する同委の作業部会で、更田豊志(ふけたとよし)委員は、弁が開いていたことに関し、「何のための堰なのか。たまった水が雨水だと確認できてから弁を開けるのが、まっとうなやり方だ」と厳しく批判した。

(東京新聞)
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013082202000152.html

【社説】
レベル3相当 新しい事故に等しい
2013年8月22日

 たかが水漏れと侮っていたのだろうか。レベル3。大事故に重なる大事故と言っていい。福島第一原発内で大量の高濃度汚染水が漏れていた。止められる見込みもついていない。国は無責任すぎないか

 これは新しい事故である。

 それも、ただの事故ではない。原子力規制委員会は、国際的な尺度(INES)に合わせたこの事故の重大性の暫定評価をレベル1からレベル3まで引き上げる。

 レベル3は「重大な異常事象」と定義され、レベル4以上が「事故」ということになっている。

 しかし、一般の常識に照らせばそれは重大な事故であり、人災ではないのだろうか。

 レベル7の「深刻な事故」に分類される福島原発は、収束に向かうどころか、大事故の上に大事故を日常的に重ねている状態だ。

 これでは漁師たちだけでなく、周辺住民もたまらない

 汚染水漏れを起こしたとみられるタンクは、二年前から応急的に導入された「フランジ型」と呼ばれるタイプである。

 鋼鉄の板をつなぎ合わせてボルトで留めたもの。つなぎ目はゴムパッキンで埋めてある。水漏れの危険があることは素人にも分かる。近づくだけで人の命が危険になるような、高濃度汚染水の保管場所とは思えない二十五メートルプール一杯分もの水漏れを見逃していたずさんな管理体制のこともある。そのうち、海へ流せばいいと、高をくくっていたのではないか

 国際的な影響も出た。

 韓国のアシアナ航空は十月以降、ソウル-福島間のチャーター便の運航を止めるという。このままだと波紋はさまざまに広がりかねない。

 溶接型のタンクを一基造るのに数カ月かかるとか、周囲を凍土壁で囲むのに一~二年かかるとか、費用を負担するのは誰かとか、そんな悠長なことを言っている場合ではないはずだ

 内外の不安に対してもっと真剣な危機感を持って対策を急いでもらいたいレベル3の事故を何とかせねば、レベル7を収拾できるはずもない

 国民の東電への不信は、さらに高まった。今や政府への不信も募りかねない。

 産・官・学の総力を挙げて地下水の流入箇所と流出場所を突き止め、ふさぐ努力をしてほしい。

 今この瞬間にもタンクから漏れ出ていくのは、この国の安全と信用なのである。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2013082202000150.html

【コラム】
筆洗
2013年8月22日

 鏡面のような穏やかな海に、無数の筏(いかだ)が浮かぶ。三陸・山田湾名産のカキの養殖は震災で壊滅的な被害を受けたが、筏の数は震災前の六割ぐらいまで戻ってきたという。絶望を乗り越えた人たちの苦闘が結実した▼この夏、三陸の被災地を鉄道とバスで回った。無残に破壊された防潮堤に土のうを積んだ小さな浜が多かった。津々浦々の集落を襲った津波の痕跡は今も生々しい。あったはずの民家はなく、草だけが生い茂る▼浸水した土地のかさ上げのために土砂を数メートル積み上げる工事が各地で始まっていた。ダンプカーが砂煙を上げて走り回る。遅々とした足取りではあるが、再生の道を歩んでいるように見えた▼テレビのニュースは大船渡のサバの豊漁を伝えていた。山田湾のカキ養殖と同じように復活の兆しは希望の光だが、同じ被災した漁業者なのに一筋の光明も見いだせない人たちがいる▼汚染水の海洋流出が明らかになった東京電力福島第一原発で、タンクから三百トンもの高濃度汚染水が漏れていたことが分かった。福島県のいわき市漁業協同組合は、九月から始める予定だった試験操業を延期する▼原子力規制委員会は国際的な事故評価尺度をレベル3まで引き上げる可能性があるという。タンクに構造的な問題があるなら極めて深刻な事態だ。操業再開の夢は遠のいた。「収束宣言」のなんと罪深いことか
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http://nomorewar77.blog.fc2.com/blog-entry-596.html

橋本勝地球を汚染する 安倍政権
2013年08月16日(金)

福島第1原発事故は
汚染水のたれ流しが続いていることにみるように収束していない
それなのに安倍政権は原発の再稼働をたくらんでいる
さらに福島原発事故を経験したから
「世界一安全な原子力技術を提供できます」を売り文句に
世界へ原発をセッセと輸出しようとしているのだからあきれる
海を、地球を、放射能汚染してやまない、安倍政権
もはやこれは犯罪というしかない
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●終わらない原発人災の影響: 「震災さえ」ではなく 「原発さえなければ・・・」

2013年08月24日 00時00分56秒 | Weblog


レイバーネット日本http://www.labornetjp.org/)の『●木下昌明の映画の部屋』に出ていた記事【木下昌明の映画の部屋・第158回 ●四ノ宮浩監督『わすれない ふくしま』】(http://www.labornetjp.org/Column/20130301)。

吉沢正巳さんについての追記が末尾にあります。吉沢さんについては、『●「浪江町で300頭の牛を一人で飼っている牧場主の吉沢正巳さん」国会前スピーチ』『●大飯原発再稼働撤回に向けて、この熱気を見よ!』。]

 原発再稼働や原発輸出なんて言っている自公その他の議員や電力会社・・・・・・、全く腹立たしい限りである。汚染水は垂れ流し続けであり、(敢えて控えめに書くが)東京電力福島第一原発周辺の漁業は壊滅であり、一方、農業・畜産業についても「福島の百姓は終わりだ」。そこで「生業」を営むどころか、住むことさへ出来なくしておいて、ヌケヌケと原発再稼働や原発輸出を口にできる無責任な自公議員や電力会社に無性に腹が立つ。

   『●哀しい遺書: 「原子力さえなければ」
   『●ドキュメンタリー映画『わすれない ふくしま』: 「震災さえ」ではなく 「原発さえなければ・・・」
   『●「「3.11」から2年② 原発という犯罪」『週刊金曜日』(2013年3月8日、934号)
   『●「原発さえなければ」「福島の百姓は終わりだ」: 東京電力原発人災と自殺には因果関係あり

 「震災さえ」ではなく、 「原発さえなければ・・・」である。
 「原子力郷土の発展豊かな未来」「原子力明るい未来のエネルギー」「原子力正しい理解で豊かなくらし」を信じ込ませた自民党議員や電力会社幹部といった東京電力原発人災の責任者・「罪人・犯罪者」は、誰一人として罰せられることもなく、まだのうのうと生活している。

   『●何がメルトダウンしたのか?
   『●福島県双葉町「原子力明るい未来のエネルギー」・・・・・・いま、その〝少年〟は?

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http://www.labornetjp.org/Column/20130301

木下昌明の映画の部屋・第158
四ノ宮浩監督『わすれない ふくしま
社会に潜む「差別構造を暗示――原発で狂わされた人生に密着

 「3・11」から2年。何が変わり、何が見えてきたか。

 四ノ宮浩監督の『わすれない ふくしま』は、いまだに高濃度の放射能に汚染されている福島県で、生き方を狂わされた人々の生活に密着したドキュメンタリー。二つの家族と牛を飼う牧場長、三つのケースに焦点を当て、福島のいまを映し出している。

 最初は「日本一美しい村」といわれた飯舘村の建設作業員一家。見合い結婚したフィリピン人の妻と子どもが3人いる、一家は線量の高い家を離れて隣町へ引つ越し、さらに福島市の仮設住宅へと移る。夫は作業中に大けがで入院、妻は国の妹に送金を続ける。

 次は、同じくフィリピン人の妻との間に2人の子がある相馬市の酪農一家。夫は妻子が日本から一時避難して帰国していた時、堆肥小屋の板壁に「原発さえなければと書いて首を吊り、自殺する

 映画は2組の家族に光を当てることで、惨事だけでなく、もう一つの現実をも浮かび上がらせる。それは「外国人妻」を迎えざるをえなかった過疎化した農村の問題――そこから日本とアジア、日本の中の地方と都市の差別的な構造の一面があぶり出されてくる。 四ノ宮監督は『忘れられた子供たち』(1995年)などで、フィリピンの巨大なゴミ捨て場で暮らす人々を描き続け、その名を知られたドキュメンタリストだ。彼は長年、かの地の人々に寄り添うことで、そこで生まれた子はその場所から逃れられない社会の過酷さを浮き彫りにした。今度の映画も、惨事に翻弄される人々に密着することで、そのフィリピンとは地続きにあることを暗示する。

 四ノ宮が、酪農家の自殺した理由を村人に聞いて回るシーンでは、農家の実情が垣間みえる。彼らも異口同音に原発さえなければと語るその言葉は重い

 また四ノ宮は、東京の街頭で抗議の声を上げ、東京電力から賠償金5億円を得た希望の牧場」の場長の生き方にも迫っている。(『サンデー毎日』 2013年3月10日号)

*3月2日より東京・恵比寿の東京都写真美術館ホールで公開

追記〕上記の紹介批評を『サンデー毎日』に掲載した折に、編集部のデスクに「事実無根の箇所がある」との電話がありました。それは最後のくだり「……東京の街頭で抗議の声を上げ、東京電力から賠償金5億円を得た「希望の牧場」の場長の生き方にも迫っている」の箇所についてでした。電話の中身は、「希望の牧場~ふくしま~」のブログに〈サンデー毎日3.10増大号「希望の牧場」関連記事について〉と題して掲載されています。それを以下に全文紹介します。

   「当該記事の最後に、『(略)東京の街頭で声を上げ、東京電力から
    賠償金5億円を得た「希望の牧場」の場長の生き方にも迫っている』
    とありますが、これはまったくの事実無根です。記事中の「賠償金」とは
    おそらく「牛の損害賠償金」を指していると思われますが、牛の損害賠償金は
    牛の所有者に支払われたのであって、希望の牧場が現在飼養管理している
    牛350頭の所有権は各農家さん(エム牧場ほか)にあり、希望の牧場ならびに
    吉沢個人が所有する牛は一頭もいません。よって希望の牧場ならびに
    代表吉沢は、東京電力から一円の賠償金も受け取っていません
    本件につき、複数のサポーターさんからお問い合わせをいただきましたので
    以上回答いたします。また本日、サンデー毎日に対し、当該記事の
    訂正報道を求めましたので合わせてご報告いたします。
    「希望の牧場・ふくしま」事務局」

 そこでわたしは、早速、『わすれない ふくしま』の映画製作事務所に電話して、四ノ宮監督に事実関係を問い合わせたところ、監督は「誤解される方が多いので字幕を変えました」と答えました。そのくだりの字幕は「吉沢さんの度重なる交渉によりエム牧場は5億円の損害賠償金を受け取った」となっていました。そのくだりを監督は「エム牧場の社長が受け取った」にしましたと答えたのです。彼はわたしに誤解を与えたことをわび、吉沢さんに会った折に話しておく旨ものべていました。わたしは、公開前の訂正なので由としました。

 なお、わたし自身、吉沢さん活動に共感する一人として声援するつもりで書いたのですが、とんだ誤解を与えてしまいました。もちろんわたしの本意ではありません。これによって吉沢さんたちの活動に支障がきたさないことを願うばかりです。

 ということで、最後の文章を以下のように訂正します。 〈また四ノ宮は、東京の街頭で抗議の声を上げ、東京電力や政府の責任を追及する「希望の牧場」代表の前向きな生き方にも迫っている。〉と。
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●「言い過ぎを批判された政治家が自己弁護する、あまり効き目のない常套手段」

2013年08月23日 00時00分12秒 | Weblog


asahi.comの記事【麻生太郎氏が研究したい「手口」の中身】(http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2013080900006.html?ref=comtop_fbox_d2)。

 舌禍の絶えない麻生太郎元総理。

   『●麻生太郎氏「だれも気づかないでかわった。あの手口に学んだらどうかね」
   『●炭坑王一族の末裔による凄まじいまでの暴言・差別意識

 橋下徹元大阪「ト」知事石原慎太郎元東京「ト」知事も同様ですね。

   『●勝てば非侵略国で、負ければ侵略国?
   『●思い込みの激しい老人: 大阪元〝ト〟知事に「歴史に関しての無知」だってさ!
   『●「証拠が出てくれば反省しなければならない」のだから、反省してください
   『●無節操の図: 橋下元大阪〝ト〟知事も十分に〝ト〟、そして自民党も同じ穴のムジナ
   『●「誤解」だったの?? 弁護士らしからぬ言動で、身から出た錆

 そんな際、彼らの使うのが、「「誤解された」「コンテクストを無視して伝えられた」という」「「言い過ぎを批判された政治家が自己弁護する、あまり効き目のない常套手段」」のようです。

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http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2013080900006.html?ref=comtop_fbox_d2

麻生太郎氏が研究したい「手口の中身
2013年08月10日

 麻生太郎副首相兼財務相のナチス発言が波紋を広げている。ドイツにもすぐ伝わった。

 元来は保守系オピニオン・リーダーの『フランクフルター・アルゲマイネ』紙も、「全部『誤解』だったらしいと皮肉たっぷりの見出し。「誤解された」「コンテクストを無視して伝えられた」というのは、言い過ぎを批判された政治家が自己弁護するあまり効き目のない常套手段だ。

 おまけに同紙は、自民党憲法草案に基本的人権を変更不能とする現行憲法97条がそっくり「代替抜きに消されている」ことも挙げて、「熱烈なナショナリスト」の麻生と安倍がめざすのは、「人権ではなく、権威主義国家なのだ」と断言している。出先の日本国外交官たちは、およばれの席で言い訳に苦労することまちがいない。

 ところで、財務相は財務が専門らしいから歴史に弱いのも無理ないとはいえ、ヒトラーの政権獲得とワイマール憲法の空文化のプロセスに関する彼の見解には重大な誤りがある。

 第一は、「ヒトラーは民主主義によって、きちんとした議会で多数を握って、出てきた。ドイツ国民はヒトラーを選んだ」というくだりである。

 事情はまったく異なる。ワイマール憲法と民主主義の打倒を掲げるヒトラーがこの憲法に忠誠を誓う茶番の儀式を経て首相になったのは、1933年1月30日の昼前だ。

 その頃ドイツは、繰り返し国会解散と総選挙が続いた状況で、もはや議会制民主主義の体をなしていなかった。

 左右両派の激突はひどい状態で、議会も怒号の嵐で演説は聞き取れないうえに、不信任案の連発で機能停止だった。すでに1930年3月、世界恐慌の荒波のなかで、中間諸政党からなる、それまで比較的安定していた連立政権が崩壊し、憲法上相当な力を持つ上に、国民に人気のあった第一次大戦の英雄ヒンデンブルク大統領の指名と非常措置によって内閣が作られる「大統領制内閣」だった。

 1932年11月の選挙でナチは退潮し、33パーセントの支持を得たにすぎなかった。それでもナチこそ安定をもたらすと考えて、ヒトラーの首相指名を大統領に勧告する人々もいたが、ヒンデンブルク将軍は、「ボヘミアの上等兵が首相とはふとどき千万」と相手にしなかった。元来オーストリア人で、第一次世界大戦の伍長にすぎないあんな奴と将軍の俺とは格が違うということだろう。事態の収拾がつかなくなった1月の末にしぶしぶとヒトラーを指名したにすぎない。麻生氏の言うように「きちんとした議会で」「選挙で選ばれた」のではない。大統領指名である。

 ヒトラーはそれ以前から、合法的な権力奪取政策に転じていたが、それはカムフラージュで、はじめからワイマール体制の転覆を狙っていたことは誰の目にもあきらかだった。ルール地方のドイツ重工業の大物たちと密会し、さらにはシャンパンとウィスキーの卸業者で、貴族の称号を遠縁から買った、後のナチス政権の外相フォン・リッベントロップ邸でも軍や政府の要人と秘密の会合を重ね、彼らの支持を取り付け、自分を嫌うヒンデンブルクへの圧力を強めていった。

 首相就任にあたって持ち出した条件にしたがって、3月にもう一度総選挙が行われた。そして44パーセント近くを獲得し、勢力を強めたことは事実である。

 しかし、これはもはや「きちんとした」選挙とは言えなかった。それまでに共産党系代議士は拘束され、社民党も機関誌の発刊を止められ、さらには2月の、真相はいまだに不明な国会議事堂炎上事件を受けて、ワイマール憲法の基本権が「当分の間」停止されていた。

 3月の選挙は、今でも世界各地で行われている一方的な選挙と同じだった。「ヒトラーは民主主義によって、きちんとした議会で多数を握って出てきた」というのがいかにまちがいか、あきらかだろう。形式的合法性と実質的な民主主義を取り違えられては困る

 第二の間違いは、「ある日気づいたら、ワイマール憲法が変わって、ナチス憲法に変わっていた。誰も気づかないで変わった」という部分である。このあとに「あの手口を学んだらどうか」と来る。この言い方に歴史修正主義者と改憲主義者に溢れる会場も笑ったが、これは失笑ではなく、同意の笑いだったようだ。

 3月の選挙の強引な「勝利」ののちに、全権委任法なるものが3月23日に議会をとおった。これ以降、議会は無意味な存在となり、条約の批准も法律の承認も必要なくなり、首相、つまり総統の承認と官報掲載だけでいっさいの法が可能となった。ユダヤ人追放に関する諸法や独ソ不可侵条約もすべてヒトラーとその周辺の一存となった。

 ところでこの全権委任法が議会による民主的な手続きで(「誰も気づかないで」「静かに」)ワイマール憲法を事実上無効にした、と一般にも(ドイツですらときに)思われているようだが、これも間違いである

 まずはこの議案上程の大分前に、ほとんどが逮捕されている共産党議員の議席を存在しないことに決めてしまった。これによって院の構成人数が81議席も減らされた。また社民党の一部などナチスに強く抵抗し、無断欠席した議員を60日間登院禁止にした上で、欠席している彼らも実際には「出席」とみなす、東電の株主総会でも使わないトリックを議長は使った

 これによって、ワイマール憲法改正に必要な「法的構成員」の3分の2の出席議員の3分の2の賛成というハードルを越える手口を使ったのだ。このあたりは、『自由と統一への長い道』(昭和堂)というヴィンクラーの有名な本に詳しく書いてある。

 麻生氏が言う「手口」はこのあたりかもしれない。あるいはそれ以前のナチ党の一方的に相手を叩くプロパガンダ戦術のことかもしれない。

 「第一次世界大戦は負けたのではない。国内で革命を起こした連中による裏切りのせいだ」。「経済混乱はヴェルサイユ体制のせいだ」。そして、「ユダヤ人のせいだ」。こうした議論を党の弁論家養成学校で学び、鏡の前でシャドー・トレーニングを重ねた弁士たちが全国に散り、何千、何万という集会を組織して煽動を続けた効果は抜群だった。暴力的威嚇もひっきりなしにされた。反戦映画『西部戦線異常なし』の上演をゲッベルスはかんしゃく玉、悪臭弾、そしてネズミの大群を使って阻止した。このあたりは現代政治史の第一人者ブラッハーの本に詳しい(『ドイツの独裁――ナチズムの生成・構造・帰結 I・II』岩波書店)

 「誰も気がつかないうちに」ではないのだ。唯一、正々堂々と反対した社民党党首のオットー・ヴェルスはヒトラーに面と向かって「我々は目下のところ貴下が権力を握っているという政治的事実を知っている。しかし、国民の法意識もまたひとつの政治的な力であって、我々はこの正義感に訴えることをやめるわけにはいかない」と演説したが、正面突破を狙うナチスには、糠に釘、蛙の面に小便だった。

 ヴァイマール憲法はたしかに進んだ憲法だった。私有財産(資本主義的企業)の社会的義務を説き、労働者の団結権や団体交渉権を確立していた。社会権にも配慮されており、戦後西ドイツの福祉国家政策の前触れともなっている。選挙制度も比例代表制で得票率と議会の議席数とが比例した。

 しかし、デモクラシーを守るための制度と勇気が足りなかった。たとえば、急進政党の禁止は可能だったし、一時は突撃隊の禁止なども試みられたが、徹底させる勇気がなかった。国防軍の指揮権など大統領にかなり強い権限が集められたのは、第一次世界大戦後の混乱収集のためだったが、末期には民主主義の空洞化を引き起こし、裏目に出た。

 だが、もっと重要な側面は、ヴァイマール末期に、国家の正当性への信頼がナチスによって巧みに堀り崩されていったことである。マックス・ヴェーバーは、国民による「正当性への信頼」こそが政治的支配の最も重要な資源であると言っているが、まさにその正当性の喪失である。

 だがこれには長い前史がある。大地主、重工業の幹部、軍の将校団、そして多くの大学教授など、第一次大戦以前の旧ドイツ帝国の上層部はワイマール民主主義を極度に嫌悪した。ハイデガーの哲学もその徴候である。「『旧エリート』のもつ大きな政治力は、長い前史を持つ社会的事実であった。民主主義国家の信頼性を浸食したことも、その前史に含まれる」と先のヴィンクラー教授は書いている。

 それに対して、戦後のドイツ基本法がヴァイマールの反省にもとづいていることはよく言われるとおりだ。だが、成立の形式的正当性は日本国憲法より怪しい。ワイマール憲法と違って、負けたドイツ国民は憲法制定に関与できなかった。南ドイツの風光明媚な湖畔に「合宿」した憲法制定会議は各州の代表者の集まりで、制定作業には西側戦勝国がたえず干渉した。

 しかし、そうした形式的問題をいまさら取り上げる者はいない。戦後西ドイツの「戦うデモクラシー」と「危険ははじめのうちにつぶせ」という合い言葉の中で基本権を定着させていくプロセスから憲法は実質的な正当性を受け取って、国民に支持されている。

 逆に、ワイマール憲法は、成立の形式的正当性は非の打ち所がなかったが、民主主義への不信が渦巻く国民各層の中で常にその正当性を、つまり、実質的正当性を問題にされ、掘り崩されていった。

 この点はわれわれもよく考えた方がいい。日本では選挙制度そのものが正当性を欠き、国会は、形式的合法性だけの手段に成り下がっている。自民党も民主党も野党のときは「建設的協力」をいっさいしない。その手段や現れかたが異なるとはいえ、正当性が掘り崩されている状況は同じだ。実はその最も明白な徴候が麻生氏の発言である。

 麻生氏の発言で本当に重要なことは、ヴァイマール末期の歴史についての正確さが欠如していることではない。そんなことは元オリンピック選手の財務大臣に要求しても無理だろう。重要なことは、・・・・・・。
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●内部留保と消費税増税: 雇用「数」増加で誤魔化す雇用形態の「質」の劣化

2013年08月22日 00時00分14秒 | Weblog


gendai.netの記事【安倍首相が検討指示「法人税減税」に異議あり!】(http://gendai.net/articles/view/syakai/144020)、asahi.comの記事【消費増税巡り有識者に意見聴取へ 安倍政権、26日から】(http://www.asahi.com/politics/update/0817/TKY201308170047.html)。そして、【進む雇用不安 労働者増、実は正社員減】(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013081890070430.html)。

 アホノミクスの恩恵を受けているのは大企業のみで、内部留保は増大。

   『●働くことと内部留保: 「業務上過失致死」を引き起こそうと思って、誰がいったい働くだろうか?

 一方、消費税増税でも儲かるのは大企業のみ。例えば、「輸出戻し税という仕掛け」。消費税を払うどころか、大企業が「不労所得」を得る仕掛け。そう、消費税増税で、自公政権は我々のことなんて考えてはいない。

   『●『消費税のカラクリ』読了
   『●消費税増税: フリーハンドを渡してはならない

 それにしても消費税増税について意見を聞く有識者が、あの「労働者の敵」経団連米倉弘昌会長とは、聞いて呆れる。経団連って、以下のような団体です。

   『●『月刊誌3冊』読了(1/5)
   『●『創』(2009年1月号) 読了(2/2)
   『●『不安社会を生きる』読了(2/2)
   『●『創(2011年1月号)』読了
   『●TPPは小泉・竹中路線への逆戻り
   『●FUKUSIMAでも変わらないNIPPON
   『●TPPまっしぐらと詐欺的東日本大震災復興策
   『●新聞社間の争いの背後
   『●議論などする気もなく、原発推進に邁進
   『●今に始まったことではないが、財界も腐ってる
   『●TPP、呆れた一側面
   『●マガイ物ではないモノもある ~城南信金~
   『●財界の総理大臣はもはや大企業の単なる代弁者
   『●経団連は原発推進・復活の第4案を希望?
   『●ユルユルの原発ゼロ目標さへ、しかも、閣議決定さへも出来ないムダ内閣
   『●原子力発電、店じまいの時は何時になるのだろう?
   『●東京電力人災以降も、原発推進の姿勢を変えず
   『●企業の貯金250兆と「働くとは何か?」
   『●TPP、米韓FTAという先達に学ばないと・・・・・・
   『●視察パフォーマンスと経団連詣で
   『●「原発推進」という結論ありきのパフォーマンス

 で、参院選前にさんざん喧伝した、アホノミクスによる雇用の実態は、安倍首相が「誇る」ような中身ではない。

   『●「60万人雇用増の正体」: アベ(ホ)ノミクスの現実
   
    「1年で「60万人雇用増の正体」とは? 「1年間で増えたのは 
     非正規社員が114万人正社員は47万人減っている。つまり、
     正規から非正規への大規模な置き換えが進んでいるわけだ」。
     消費税が増えれば、斎藤貴男さん『消費税のカラクリ』が指摘する通り、
     それに輪をかけるにきまっている。アベ(ホ)ノミクスに騙されてはいけない。
  
     『●『消費税のカラクリ』読了
   
      「その代わり、この国の社会は大変な混乱に陥るはずである。
      中小・零細の事業者、とりわけ自営業者がことごとく倒れて行く
      正規雇用から非正規雇用への切り替えがいっそう加速して、
      巷にはワーキング・プア失業者が群れを成す光景が見られることに
      なるだろう。自殺に追い込まれる人々がこれまで以上に増加するのも必定だ」
  
     この政権を支持し、自公の議員を増やし、参院の「ネジレ解消」をする
     ということはそういうことだ」

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http://gendai.net/articles/view/syakai/144020

安倍首相が検討指示 「法人税減税」に異議あり!
2013年8月14日掲載

 またぞろ「法人税減税」が浮上してきた。13日、日経新聞が朝刊1面で「安倍首相が法人税の実効税率の引き下げを検討するよう指示した」と報じて、株価が上がった。しかし、法人税減税は、本当に景気対策になるのか。

 法人税減税で企業の投資が促進される――これが毎度の説明だ。しかし、企業を優遇しても、投資が活発になる保証はどこにもない。実際、過去にも法人税減税は行われたが、浮いたカネは新規投資には回らず、内部留保としてため込まれるだけだった。その額は、2011年度には280兆円を突破し、1990年度(127兆円)の2.2倍に膨らんでいる。

 中でも超優良大企業のため込み方はものすごい。大手30社について共同通信が調査したところ、直近のたった1年間(2013年3月期)で、6兆円も内部留保が増え、総額77兆6435億円にまで膨らんでいた

 その上位は次の通りだ。

   トヨタ自動車…12兆6892億円(前年比6.5%増)
   三菱UFJHD…6兆2679億円(同11.9%増)
   ホンダ…6兆432億円(同4.1%増)
   NTT…5兆2294億円(同7.0%増)
   三菱商事…3兆6529億円(同7.8%増)

 そもそも、日本の企業の75%は赤字を計上し、法人税を払っていない。法人税を免れながら、内部留保をたんまりためている大企業も少なくない。決算書の当期利益は黒字でも、過去の損失を「繰越欠損金」という形で繰り越せるので、税法上は赤字になるからだ。

 例えば、円安の恩恵で過去最高益を更新するのではといわれているトヨタ自動車。連結決算では黒字でも単体では前期(2012年度)まで赤字で、4年間法人税を払っていなかった。

 三井住友FGや、りそなHDも法人税を払っていない。今年、三井住友は15年ぶり、りそなは18年ぶりに納付する見通しだ。
「トヨタやメガバンクなど、大きな儲けが出ているのに法人税を支払わなくていいというのは、国民に『日本の税制のあり方はこれでいいのか?』と疑問を抱かせます。大企業優遇の法人税減税は、この国をますます強者と弱者に分けるだけです」(経済ジャーナリスト・有森隆氏)

 こんなイビツな税制を放置したまま庶民には消費増税大企業には法人減税なんて、絶対許されない。
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http://www.asahi.com/politics/update/0817/TKY201308170047.html

2013年8月17日12時41分
消費増税巡り有識者に意見聴取へ 安倍政権、26日から

 安倍政権は消費増税の判断をめぐる有識者からの意見聴取を26日から始める。初日は浜田宏一、本田悦朗両内閣官房参与のほか、米倉弘昌・経団連会長、古賀伸明・連合会長らが意見を述べる。麻生太郎財務相や甘利明経済財政相が直接聞くかたちで31日まで7回行い、「経済・金融」「国民生活・社会保障」「産業」「地方・地域経済」の4分野にわけて議論を続ける。9月2日にも安倍晋三首相に聴取内容を報告する。
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http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013081890070430.html

進む雇用不安 労働者増、実は正社員減
2013年8月18日 07時09分

 パートや派遣社員など非正規労働者の数が過去最多を更新した。安倍晋三首相は自らの経済政策で「順調に景気は上がっている」と強調し、その象徴として雇用の増加を挙げるが、実態は非正規労働者の急増に支えられ、逆に、正社員などの正規雇用は減っている。しかも、安倍政権は正社員をさらに減らすことにつながる政策を実行しようとしている。 (我那覇圭、関口克己)

 総務省が十三日に公表した労働力調査によると、今年四~六月期平均の非正規労働者数は一年前より百六万人増の千八百八十一万人で、統計を取り始めた二〇〇二年以降、最多となった。雇用者総数が一年前より五十三万人増えたのに対し、正規雇用は五十三万人減った。確かに雇用全体の「数」は増加したが「」は悪化した

 政府は六月に決めた成長戦略で、産業競争力の強化策の柱に雇用制度改革を掲げた。具体的な施策の一つが勤務地や職務を限定した「限定正社員」の導入だ。福利厚生は一般の正社員と変わらないものの、企業がその勤務地や職務から撤退すれば、正社員よりも簡単に解雇される。

 限定正社員は非正規労働者と正社員の中間に位置づけられ、統計上も新たな分類になる。解雇のしやすさから「見かけ正社員」とも批判される。

 年間約三百件の労働相談などに応じるNPO法人「ほっとプラス」の藤田孝典代表理事は「人件費を削減して利益を出そうというビジネスモデルが確立されている。企業が解雇を回避する努力をするよう、国は力を入れるべきだ」と、限定正社員制度の運用に注文をつける。

 成長戦略には、社会問題化している派遣労働の規制緩和も盛り込まれている

 労働者派遣法は通訳や秘書など専門的な二十六の業務以外は、企業が派遣を受け入れられる期間を原則一年(最長三年)とし、その後は禁じている。

 だが、厚生労働省の研究会は今月六日、これを改め、派遣元からの派遣労働者を別の人に代えれば、業務を続けられるとした素案をまとめた。人材派遣会社からの要望が反映された。

 派遣労働者が派遣元と無期限の派遣契約を結んでいれば、派遣期間は制限されないが、現在、約百十万人いる派遣労働者のうち、これに当たるのはわずか二割。大半は最長三年で派遣先から追われることになる。

 労働組合「派遣ユニオン」の関根秀一郎書記長は素案を「労働者を解雇しやすくしたい企業の論理そのものだ」と批判。「このまま導入されれば、現在は正社員である人も次々と解雇され、派遣労働者に置き換えられる。雇用環境はさらに不安定になる」と訴える。

(東京新聞)
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●「人道なんてなかった」頃の「戦争できる国」の現実

2013年08月21日 00時00分10秒 | Weblog


東京新聞の二つの記事、【人道なんてなかった 沖縄戦を経験 伊禮進順さん(87)】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013081602000116.html)とコラム【筆洗】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2013081702000119.html)。

 いまも差別され続ける沖縄。

   『●子供にもSLAPPする国: 三上智恵監督・映画『標的の村 ~国に訴えられた沖縄・高江の住民たち~』
   『●SLAPPと原発、沖縄

 「戦争できる国」の頃の沖縄では、こんなことが起こっていた。いま、この国は再び「戦争できる国」へまっしぐら。それが「誇り」だなんて、一体脳味噌の中身はどうなっているのか?

   『●「不安と闘いながら世界に理念を示し続けたこの国に生まれたことを僕は何よりも誇りに思う」

 是非、 「戦争絶滅受合法案」の成立が望まれる。

   『●戦争、環境破壊の最たるもの
       
     「二十世紀の初めごろ、デンマークの陸軍大将が、こんな法律があれば、
      戦争をなくせると考えて起草した法案がある。題して
      「戦争絶滅受合(うけあい)法案」▼戦争の開始から十時間以内に、
      敵の砲火が飛ぶ最前線に一兵卒を送り込む。順序はまず国家元首、
      次にその親族の男性、三番目は総理、国務大臣、各省の次官、
      そして国会議員(戦争に反対した議員を除く)、戦争に反対しなかった
      宗教界の指導者…▼妻や娘は従軍看護師として招集し、最前線
      野戦病院で働く。権力を持つ者から犠牲になるなら、自らは
      安全地帯にいてナショナリズムをあおる政治家は姿を消すだろう


 終始、反戦を訴え続けた城山三郎さん。「日本が戦争で得たのは憲法だけだ」。

   『●城山三郎さんと反戦

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013081602000116.html

人道なんてなかった 沖縄戦を経験 伊禮進順さん(87)
2013年8月16日 朝刊

 六十八年前に米軍が上陸した沖縄県嘉手納(かでな)町の海辺に、若者たちの声が響く。日米の多くの兵士や住民の命を奪った沖縄戦の影はない。にぎやかな笑い声を背に、砂浜を立ち去ろうとした時、ごう音をとどろかせ、米軍機が真っ青な空を切り裂いた。

 一九四五(昭和二十)年五月十日ごろ、一等兵だった伊禮進順(いれいしんじゅん)さん(87)=糸満市=の所属する小隊は、西原町と与那原(よなばる)町の境界にある運玉森(うんたまむい)の丘に陣をはり、約二十メートルの距離で米軍と向かい合っていた。

 「陣地の死守が使命で、後退など考えもしなかった」。次々と手りゅう弾が投げ込まれ、近くで負傷兵がのたうち回る。着弾から爆発まで数秒。ひたすら、手りゅう弾を投げ返した。気づくと五十人の小隊は二人になっていた

 伊禮さんは那覇市立商業学校(現県立那覇商業高)を卒業後、建設会社に就職。四四年十月に十九歳で徴兵された。半年後に沖縄本島に上陸した米軍は日本軍最後の防衛拠点だった運玉森を制圧し、首里(現那覇市)へと侵攻した。

   ■  ■

 味方である日本人同士でも、強者が弱者を切り捨てた。「毎日が死と隣り合わせ。人道なんてなかった

 四五年六月半ば、日本軍の拠点があった与座(現糸満市)の洞窟(壕(ごう))に上官の声が響いた。「負傷兵は戦闘の邪魔だ。ここから出て行け」。米軍は近くに迫っている。「死ねということか」。戦闘で足を負傷し、歩けなかった伊禮さんは、その夜、はって壕を出た。

 米軍の照明弾が一帯を照らし、銃弾が飛び交う。一晩かけたどり着いた野戦病院の壕では、死んだ兵士にウジが群がっていた。飲料水は岩にたまった雨水だけ。水面もウジが覆っている。「味やにおいの記憶はない。飲まないと死んでしまう。生きるためには何でもできた」

   ■  ■

 やがて、この壕も米軍に見つかる。足のけがも癒えていた伊禮さんは女性や少年ら住民四人を含む九人で、南の壕を目指した。山中で身を隠していたとき、この四人の住民が米軍車両に驚き、離れた場所から駆け寄ってきた。「この連中といては、いつか米軍に見つかり、殺される」。伊禮さんら五人の兵は住民を見捨てることにした。軍刀で脅し「ついてきたらたたき切る」と怒鳴った。自分を見捨てた上官と同じことをしていた。四人は何も言わなかった。

 四人のその後は知らない。伊禮さんは九月十四日、米軍に投降した。「『おまえは人間じゃない』と言われるかもしれないが、仕方なかった。人間って、こんなもんです。自分が助かるためには、恥も何もなかった」。安易な同感など寄せ付けないとでも言うような厳しい口調に、私はしばらく次の言葉を出せなかった。

   ■  ■

 戦後、県職員となった伊禮さんは五人の子に恵まれた。七月半ば、戦時中に身を隠した壕を一緒に訪れた。足がすくんだ。「鼻を突くような死臭がよみがえってくる」と話す伊禮さんの額には汗が浮かぶ。沖縄の空気は開放的で明るいが、集落の片隅に残る壕や米軍機は、島の過去を私に突きつける。

 「沖縄は戦争でも、基地問題でも犠牲を強いられている。六十八年間、何も変わってない」。七月の参院選で改憲を掲げる自民党が圧勝した。「戦争ができる国になってしまうかどうかは、あなたたちにかかってるんですよ」。憲法九条を後世に引き継ぐ使命を託されたと思った。

 <沖縄戦> 米軍は3月26日に慶良間諸島、4月1日に沖縄本島西海岸に上陸し、日本軍との間で、住民を巻き込んだ地上戦を繰り広げた。日本軍は本土決戦を遅らせるための持久作戦をとったが、6月下旬には壊滅状態となり組織的な戦闘は終結。住民の集団自決などの悲劇も生まれた。沖縄戦の正式な降伏文書が交わされたのは9月7日。米兵を含む戦没者数は20万人以上に上り、うち沖縄県民は半数の約10万人だった(県推計)。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2013081702000119.html

【コラム】
筆洗
2013年8月17日

 靖国神社にある遊就館の片隅に奇妙な像がある。潜水服姿で頭には大きなかぶと。両手で長い棒を持ち、身構えている。先端に付けられているのは機雷である▼八月十五日の遊就館は見学者であふれていたが、この像をあまり気に留める人はいない。それはそうだろう。本土決戦を水際で食い止める「人間機雷の存在はほとんど知られていないのだから▼敗戦直前に横須賀や呉などで部隊が編成され、三千人近くの若者が潜水訓練を受けた。上陸する米軍の舟艇を水中で待ち構え、竹ざおの先の機雷を突き上げて自爆する。「伏龍」と名付けられた水際特攻隊である▼空を飛ぶ夢を失った予科練の少年兵たちは、ひたすら死に向かう訓練に明け暮れた。本土決戦が回避されたために実戦には至らなかったが、潜水具には構造的な欠陥があり、多くの若者が訓練中の事故で命を失った▼当時の戦争指導者の愚劣さが凝縮されている人間機雷を考えたのは、参謀として真珠湾攻撃の作戦を立案した人物だ。自らを犠牲にして祖国を守ろうとした少年たちの命をここまで軽く扱うのか。以前、取材した時に心底、怒りがわいた▼戦争が長引けば伏龍の要員になるはずだった人物に城山三郎さんがいる。特攻を命じた側に常に厳しい視線を向けた作家の原点だろう。「日本が戦争で得たのは憲法だけだ」。城山さんの言葉が重く響く。
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●次に原発事故が起きた時には責任をとってくれるのね?

2013年08月20日 00時00分48秒 | Weblog


asahi.comの記事【原発事故、全員が不起訴へ 東電前会長や菅元首相ら】(http://www.asahi.com/national/update/0809/TKY201308080461.html)。

 次に原発事故が起きた時には責任をとってくれるのね? 次の原発事故が起きた時に、検察も裁判所も政府も機能して、周辺住民が生きていればの話ですが。それにしても、関電が大飯原発を再稼働させただけでも許せないのに、東電が柏崎刈羽を再稼働させようとしていることは犯罪ではないのでしょうか? それを許せる原子力規制委員会や自公議員、その他の推進派議員の神経が知れない。そんな、自公政権に投票できる人たちの気が知れない。

   『●田中優子さん「誰の名前を書くのか、その人の品格が問われている」
   『●映画『放射線を浴びた『X年後』』: 
         「こんな巨大な事件が、・・・日本人としての資質が問われる」
   『●騙されること・騙されたフリの責任: 何度でも騙される

 なぜ、記事中で、誰一人自民党(元)議員が告発されていないのだろう、不思議だ?

   『●世界中を汚しておいて反省もない、責任も取らない日本が原発を再稼働するなど許されない
   『●東京電力原発人災のさ中、んっ~なことやってる場合か
   『●厚顔無恥: 東京電力原発人災、一体だれが責任をとったの?

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http://www.asahi.com/national/update/0809/TKY201308080461.html

2013年8月9日5時55分
原発事故、全員が不起訴へ 東電前会長や菅元首相ら

 東京電力福島第一原発の事故をめぐり、検察当局が、業務上過失致死傷などの疑いで告訴・告発された東電幹部や政府関係者ら全員を、不起訴処分にする方向で調整していることが8日、わかった。今月中にも処分を出す見通しだ。

 菅直人元首相に事故後の対応などで説明を求めたことも、関係者への取材でわかった。菅元首相は告訴内容を否定するとみられ、検察当局は説明の結果も踏まえて最終判断する。

 原発周辺の被災者ら計約1万5千人は、入院患者が事故直後の避難途中に死亡し、住民が被曝(ひばく)して傷害を負ったなどとして、震災以降、断続的に告訴・告発した。対象は菅元首相のほか、東電の勝俣恒久前会長、清水正孝元社長、原子力安全委員会の班目春樹元委員長、枝野幸男元官房長官と海江田万元経済産業相ら数十人で、検察当局は昨年8月に受理。東京、福島両地検に応援検事を集め、事情を聴いてきた。

 検察当局は、事故と死亡との因果関係は「ないとは言い切れない」とし、「被曝による傷害」は、現時点ではそもそも認定できないと判断。その上で、原発の電源をすべて失い、原子炉が冷却できなくなるような大規模な津波を予見できたか▽予見の程度に見合う対策をとったか――などの点で捜査を進めた。

 その結果、回の規模の大地震や津波は、発生以前に専門家の間で予測されていたとは言えず、原子炉格納容器の圧力を下げるベント(排気)の遅れが原発建屋の水素爆発を招いたとする告訴内容も、放射線量が高く、停電したことが作業遅延の原因と判断。菅元首相や東電幹部らの刑事責任を立証するのは、困難と結論づけるとみられる。
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●『DAYS JAPAN』(2013,SEP,Vol.10,No.9)の最新号についてのつぶやき

2013年08月19日 00時00分07秒 | Weblog


DAYS JAPAN』(http://www.daysjapan.net/)の最新号について、最近のつぶやきから、AS@ActSludge。

 ブログ主のお薦め記事は、いつもながら、斎藤美奈子さん【OUTLOOK 汚染水の流出を放置しては何をやっていた?】で、もちろん「」とは自民党の安倍晋三氏。

   『●広河隆一さん『DAYS JAPAN』の編集長公募

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■『DAYS JAPAN』(2013,SEP,Vol.10,No.9) / 「本誌購読料の一部は原発被災地の子どもたちの健康支援に使われます」「一枚の写真が国家を動かすこともある」。広瀬隆・藤田祐幸・井戸川克隆広河隆一さん【実測 放射能汚染マップ 福島県双葉町大熊町

■『DAYS JAPAN』(2013,SEP,Vol.10,No.9) / 井戸川克隆氏【祖国の荒廃と難民の嘆き】。双葉町(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/1a5ab8bd0e17496554f9ba08e4ebf266)。大崎映晋氏【海女たちの深き海】

■『DAYS JAPAN』(2013,SEP,Vol.10,No.9) / グラティアン・ドゥ・ムスティエ氏【夢やぶれて インドネシア人出稼ぎメイドたち】、「あこがれの生活を夢見て、家族を残し、ひとり故郷を離れるインドネシアの女性たち。・・逃げ場のない労働者派遣システムの悪循環が続いていく」

■『DAYS JAPAN』(2013,SEP,Vol.10,No.9) / 斎藤美奈子さん(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/0c58925fcace3ecc668bc445318ce9e0)【OUTLOOK 汚染水の流出を放置しては何をやっていた?】、「原発はすべて撤廃した方がいい。そう思う理由はむろんいくつもあるけれど、福島第一原発の事故後つくづく思い知らされたのは「人」の問題だった・・」

■『DAYS JAPAN』(2013,SEP,Vol.10,No.9) / 「・・ハード面での安全対策をどれほど講じようと、結局問われるのは管理者のなのだ。・・原発の再稼働審査などに、もはや時間や予算や人員を割いている場合ではない。安全神話をふりまいたツケはここで返していただこう」

■『DAYS JAPAN』(2013,SEP,Vol.10,No.9) / 「・・福島この汚染水を何とかしないと、私たちは一歩も前に進めないのだ」。斎藤美奈子さんに大賛成だ。ましてや原発輸出なんて、「」である(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/036957c95d9df1adec50eb8467adab48

■『DAYS JAPAN』(2013,SEP,Vol.10,No.9) / さらに、斎藤美奈子さんの二つの指摘。「第一次安倍内閣時代・・吉井英勝・・「巨大地震の発生・・原発の危機から国民の安全を守ることに関する質問主意書」・・提言を無視した結果がご覧の通りの事故である」

■『DAYS JAPAN』(2013,SEP,Vol.10,No.9) / もう一点、「2011年5月、野党議員だった安倍首相・・当時の菅直人首相を・・罵倒・・彼がいう「海水注入を菅首相が止めた」という情報も事実無根・・前々任者の責任を厳しく追及したあなたご自身の責任は?」。本件は・・

■『DAYS JAPAN』(2013,SEP,Vol.10,No.9) / 本件は・・『●安倍晋三氏の政治を振り返ってみると・・・』(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/6d6ffffc0cbd4cec3f5f2d74c63a5b39)や、『●福島第一原発海水注入中断事件の裏にいたヒト』(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/4f482957032ae55bfa12721582212ab6)に

■『DAYS JAPAN』(2013,SEP,Vol.10,No.9) / 【●2013年度JCJ賞受賞作、劇場公開】、「日本ジャーナリスト協会が主催するJCJ賞に、琉球朝日放送「標的の村 ~国に訴えられた東村・高江の住民たち~」が選ばれました」。SLAPPhttp://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/b3c27105440d84ab2e5baa25235fbe0c

■『DAYS JAPAN』(2013,SEP,Vol.10,No.9) / 高木善之・ジョン=スタンマイヤー氏【飽食時代 食べ物と私たち】、「輸入に依存する危ない国」「飢餓が起こるからくり」「輸入は現地資源をも奪う」
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●子供にもSLAPPする国: 三上智恵監督・映画『標的の村 ~国に訴えられた沖縄・高江の住民たち~』

2013年08月18日 00時00分47秒 | Weblog


gendai.netの記事【オスプレイに反対したら訴えられた…ドキュメンタリー映画が話題】(http://gendai.net/articles/view/syakai/144036)とレイバーネット日本http://www.labornetjp.org/)の『●木下昌明の映画の部屋』からの 【木下昌明の映画の部屋・第166回 ●三上智恵監督『標的の村』】(http://www.labornetjp.org/Column/20130731)。

 「国が、国策に反対する住民を訴えるという前代未聞の裁判」があった。国が行うSLAPPSLAPPスラップ)である。

   『●SLAPPと原発、沖縄
   
    「国が、国策に反対する住民を訴えるという前代未聞の裁判
     反対意見を封じ込めることを目的に権力のある側が個人を訴えることを
     アメリカではSLAPP裁判とよび、多くの州で禁じている。しかし日本に
     その概念はなく、被告にされた高江の住民らは3年半に及ぶ裁判の間、
     資金も時間も奪われ身体的・精神的な苦痛を強いられた。沖縄の
     住民運動が最後の抵抗手段にしてきた「座りこみ」。それを
     「通行妨害」に矮小化して住民を裁判にかける手法が成立するなら、
     国に都合が悪い沖縄の声はますます封殺されてしまう。」

   『●「敗戦特集」『週刊金曜日』(2013年8月9日、955号)についてのつぶやき
   
    ■『週刊金曜日』(2013年8月9日、955号) / 【『金曜日』で逢いましょう 
     三上智恵さん】、「無断で入ることをためらう若いスタッフには、映画
     『ニッポンの嘘 報道写真家 福島菊次郎90歳』・・を見せ、
     「問題自体が法を犯したものであれば、報道カメラマンは法を
     犯しても構わない」」・・・
    ■『週刊金曜日』(2013年8月9日、955号) / 【『金曜日』で逢いましょう 
     三上智恵さん】、「・・を見せ、「問題自体が法を犯したものであれば、
     報道カメラマンは法を犯しても構わない」」という福島さんの言葉で撮影を説得した」

 上記の週金の記事から、グリーンピース・ジャパンGPJ)のクジラ肉事件も思い出した。

   『●GPJ「クジラ肉裁判」と検察審査会
   『●『創(2010年11月号)』読了
   
    ======================================
     星川淳さん、「[グリーンピース裁判]特別寄稿/「クジラ肉裁判」判決間近/
    税金ドロボーはどっちだ!?」(pp.122-127)。「・・・若い検察官
    (・・・志布志事件の担当・・・)は「NPOの分際で捜査機関さえ令状がなければ
    できないことをやったのは絶対に許せない!」と啖呵を切った。
    私は〝正義の番人〟のはずの検察官が民主主義の真逆を口にする 
    司法教育の崩壊ぶりに驚き呆れ、心の中で徹底抗戦を誓った」。
    「・・・青森地裁、仙台高裁、最高裁の全てが証拠開示の必要なしと判断した。
    原告側・弁護側が対等に争う条件である証拠の全面開示なしに、
    どうして公正・公平な裁判が可能だろう? 国策扱いの調査捕鯨を
    国家ぐるみで必死に守ろうとする姿勢は戦前・戦中を思わせる」。
    「・・・国際人権(自由権)規約に基づき、おおよそ次のように立論する。
    民主社会において一般市民やジャーナリストやNGO職員が公共の利益の
    ために政府などの不正を明らかにしようとする際、やむを得ず法律の枠を
    踏み越えた場合は、その行為によって得られた公共の利益と、失われた
    法益とを秤にかけ、前者の方が大きければ許容(違法性阻却)されるべきだし、
    かりに形式上の罪を問うとしても過重な懲罰を与えてはならない
    なぜなら、不均衡で過重な懲罰は市民による政府監視を委縮させるからだ
    と―――。・・・西山事件や立川・葛飾ビラ入れ事件などについても
    同様なことがいえる」。
    ======================================

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http://gendai.net/articles/view/syakai/144036

オスプレイに反対したら訴えられた…ドキュメンタリー映画が話題
2013年8月15日 掲載

 米海兵隊ヘリが沖縄の大学に激突した事故から9年。先週5日には、沖縄本島中部のキャンプ・ハンセンで米空軍ヘリの墜落事故が発生したにもかかわらず、16日には事故機と同型のヘリが追加配備される。そんな中、沖縄基地問題をテーマにした映画「標的の村」が10日に都内で公開され、注目を浴びている。監督は琉球朝日放送・報道制作局の三上智恵氏。95年の開局以来、基地問題を追ってきた三上氏は、オスプレイ反対運動の苦悩をドキュメンタリー映画にした。

 本土ではまったく報じられていないが、沖縄では5年前、反対運動を起こした住民が通行妨害で国に訴えられたのである。

   「オスプレイの着陸帯建設に抗議して座り込みをした東村・高江の住民が
    訴えられたのです。政府は、こんな小さな160人くらいの集落の
    座り込みなんて裁判でもやったらすぐに潰せると思っていたんですね。
    しかも、世間に知られないうちに。そうでなければ、あんなに残酷なことは
    しなかったはずです。私は食いついて映画にまでしましたが、そういうのが
    なければ誰にも知られなかったでしょう。国が決めたことに反対する人は
    裁判にかけられちゃう国に住んでいるのは、北海道まで全員一緒なんです。
    沖縄の人たちだけが、味わう恐怖ではないのです」

 その三上氏に今度のヘリ墜落事故についても聞いてみた。

   「あの時もHH60の2機が上になったり下になったりしながら複雑な動きを
    していたという目撃証言があるんです。敵のレーダーに見つからないために
    山の稜線に沿って飛ぶ“低空飛行訓練”をしていたんじゃないか
    と思うんですね。アクロバチックな動きをマスターするためにやっている。
    危険なのはオスプレイだけではないのです」

 これは絶対に他人事ではない。
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http://www.labornetjp.org/Column/20130731

木下昌明の映画の部屋・第166
三上智恵監督『標的の村
「オスプレイ」反対運動の真実――本土には伝えられない沖縄

 三上智恵監督の『標的の村』は臨場感にあふれている。

 これは昨年、沖縄の米軍普天間基地に配備されるオスプレイに反対する沖縄県民の激しい闘いの軌跡を追ったドキュメンタリーだ。

 作品は三上が一人で取り組んだものではなく、沖縄の琉球朝日放送というローカル局が、三上を中心とした報道スタッフを編成、テレビの枠を超えて映画として仕上げた。 最近、この種のドキュメントが目につく。愛知・東海テレビ放送の『青空どろぼう』、愛媛・南海放送の『放射能を浴びたX年後』など。その地域放送局ならではの豊富な映像資料を使い、過去から引きずっている事件に焦点をあてて、隠された歴史を掘りおこす。

 オスプレイ配備反対の闘いは沖縄での10万人集会のニュースを通して、本土でもその一端に触れることができた。だが、岩国基地からオスプレイが飛来してくる前夜、普天間基地の四つのゲートを県民が完全封鎖して、一昼夜、機動隊と繰り広げた攻防戦は、本土に知らされることはなかった。画面はその息詰まる闘いを伝えている。

 映画の主な舞台は、沖縄北部、やんばるの森が広がる東村(ひがしそん)・高江(たかえ)。そこに暮らす160人のうち、安次嶺現達(あしみねげんたつ)夫婦と6人の子どもたちが自然と共に過ごす生活にカメラは密着し、彼らはなぜオスプレイに反対するのか、取材している。国は座り込み抗議をした住民らを恫喝的に訴えたが、なんと7歳の娘までも訴えられているのには驚いた。

 周辺地区は米軍戦闘訓練場で、高江集落は格好の標的」なのだ。ベトナム戦争時にはべトナム村が作られ、住民は黒い服のベトナム人に仕立てられた事実を、当時の写真やフィルム、元米兵の証言によって明らかにする。

 オスプレイの簡易発着場の工事現場。沖縄防衛局と住民の怒号の中で、三線にのって歌われるのびやかな抵抗の歌のシーンがいい。遠い本土からは見えない沖縄のもう一つの姿がここにある。(『サンデー毎日』 2013年8月4日号)

* 8月10日より東京・ポレポレ東中野ほか全国順次公開。

  〔追 記〕オスプレイの基地配備は沖縄だけではすまなくなった。
        岩国から横田へと全国的に広がりつつある。もはや基地は
        戦争のためだけでなく、米軍内で増殖した巨大軍事産業の
        利権システムを維持拡大するための場所である。日本の基地は、
        その利権を生みだす格好の足場となっている。
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●情報は統制される: 知らなかったでは済まされない、騙されたでは済まされない

2013年08月17日 00時00分35秒 | Weblog


gendai.netの記事【内閣法制局長人事はナチスの手口】(http://gendai.net/articles/view/syakai/143807)。東京新聞の記事【米「投下に正当性」は「うそ」 O・ストーン監督が来訪】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013080602000105.html)とコラム【筆洗】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2013080602000160.html)。

   『●麻生太郎氏「だれも気づかないでかわった。あの手口に学んだらどうかね」
   『●「不安と闘いながら世界に理念を示し続けたこの国に生まれたことを僕は何よりも誇りに思う」
   『●壊憲派に、フリーハンドを渡してはならない

 「「憲法改正はナチスに学べ」という麻生の妄言は“大バカ大臣の失言”で片付けてはダメだ。なぜなら、安倍政権はとっくに「ナチスの手口」を学んでいる。それが如実に表れたのが「憲法の番人」、内閣法制局のムチャクチャな人事だ」。
 情報統制。知らなかったでは済まされないし、騙されたでは済まされない。「すべての元凶とみるのが日本への原爆投下。戦争を早く終わらせ、多大な犠牲を防ぐのに必要だったという米国の正当化理論に対し、ストーン氏は「私も長年、投下は正しかったと信じていたが、それは神話、うそだと分かった。今も子どもたちはうそを教えられている」と指摘」。「連合国軍総司令部(GHQ)の情報統制がある。人々と街を焼き尽くした原爆は、戦争を早期終結させた「平和の閃光」とされた」。「権力者が情報を統制し、報道に関わる者が力に巻き取られれば、どんな大惨劇でも真相は隠されて、あたかもそれが「祝うべきこと」のようにすら伝えられる」。

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http://gendai.net/articles/view/syakai/143807

内閣法制局長人事はナチスの手口
2013年8月3日 掲載

この政権はとっくに学んでいる

 「憲法改正はナチスに学べ」という麻生の妄言は“大バカ大臣の失言”で片付けてはダメだ。なぜなら、安倍政権はとっくに「ナチスの手口」を学んでいる。それが如実に表れたのが「憲法の番人」、内閣法制局のムチャクチャな人事だ。

 安倍は内閣法制局の山本庸幸長官(63)を退任させ、後任に小松一郎・駐仏大使(62)を充てる方針を固めた。8日にも閣議決定されるが、憲法解釈を堅持する立場の内閣法制局は、改憲派の安倍にすれば「目の上のたんこぶ」。そのトップ交代は安倍の独断専行、ゴリ押しで決まった。

   「小松氏は一橋大を中退して、1972年に外務省に入省した変わりダネ。
    条約課長や国際法局長を歴任し、国際法に精通しています。
    国際法局長時代には、第1次安倍内閣が設置した集団的自衛権を
    めぐる有識者懇談会に事務方として参加。解釈見直しを提言した
    懇談会の報告書の取りまとめにも深く関わりました」(外務省関係者)

 報告書は「公海上での米軍艦船の防護」や「米国を狙った弾道ミサイルの迎撃」などに、自衛隊の武力行使を認める内容で、「バリバリの日米同盟重視派」(同)という小松氏の思想がにじみ出ていた。こんな人物を「憲法の番人」に抜擢する安倍の狙いは一つ。従来の〈憲法9条で許される自衛権行使は、わが国を防衛するための必要最小限度の範囲にとどまるべき〉とする政府解釈をかなぐり捨て、持論である集団的自衛権の行使容認に突っ走るハラだ。


護憲派パージし改憲派押し込む恐怖政治

   「外務省出身者の長官も初めてなら、法制局未経験者の起用も初めて。
    長官になるには、憲法解釈を内閣に答申する法制局第1部の部長を経て、
    法制次長を歩むという過去60年に及ぶ慣行があります。職務の専門性や、
    行政、法律、憲法解釈の継続性を考えれば妥当なルールですが、
    安倍首相はなりふり構わずあくまで自分と同じ考えの長官起用に
    こだわったのです」(霞が関事情通)

 今回の人事について安倍サイドは、解釈変更に断固反対の公明党に一切、連絡を入れなかった。さらに小松氏の手足となって働く法制局第1部の参事官には、安倍の地元・山口県庁に出向経験のある総務省の課長級キャリアを抜擢。これだって法制局に「安倍流」を押し付ける人事だ。

 考えの異なる人物をパージし、自分に好都合な人材を後任に据えるためなら、どんな禁じ手も犯すこの手口は、ナチス同然の恐怖政治そのものではないか

   「憲法9条の解釈変更に邁進(まいしん)する安倍内閣は、中国の海洋進出や
    北朝鮮危機を必ず結びつけようとする。この姿勢もナチスを彷彿(ほうふつ)
    させます。ナチスは第1次大戦の戦勝国である欧州諸国との対立を
    煽(あお)って、ドイツ国民を鼓舞。ナショナリズムの狂騒のドサクサで、
    独裁を許した『全権委任法』を成立させ、事実上ワイマール憲法を
    葬り去ったのです。麻生発言のように『誰も気づかないで変わった』わけでは
    ありません。安倍政権はナチスの手口で平和憲法をなきものにする気
    なのでしょうか」(立正大教授・金子勝氏=憲法)

 安倍政権はナチスと同じ独裁の道を着々と前進している。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013080602000105.html

米「投下に正当性」は「うそ」 O・ストーン監督が来訪
2013年8月6日 朝刊

 アカデミー賞の受賞作品「プラトーン」などで知られ、米国の軍事展開を批判する米映画監督のオリバー・ストーン氏(66)が、広島の原爆の日などに合わせて来日している。十五日まで長崎、沖縄を回り、原爆や米軍基地問題について人々と対話する予定だ。原爆投下を「正当性がない」と指摘、「歴史を正しく記憶することが大切」と訴えている

 「米国は日本がソ連に侵略されることを恐れていた。だから日本が降伏したがっているのを知りながら原爆を落とした」。広島市で市民団体のシンポジウムなどに参加したストーン氏は強調する。

 昨年、歴史学者でアメリカン大准教授のピーター・カズニック氏とテレビドキュメンタリー「もうひとつのアメリカ史」を制作、同名の本を出版した(日本語版は早川書房「オリバー・ストーンが語るもうひとつのアメリカ史」)。公文書をひもとき、戦時中から今のオバマ政権まで続く覇権主義に疑問を投げかける内容だ。

 すべての元凶とみるのが日本への原爆投下。戦争を早く終わらせ、多大な犠牲を防ぐのに必要だったという米国の正当化理論に対し、ストーン氏は「私も長年、投下は正しかったと信じていたが、それは神話、うそだと分かった。今も子どもたちはうそを教えられている」と指摘する。

 さらに、米軍が沖縄をはじめ各国に軍事基地を展開していることを「非常に危ない」と懸念、「だから広島は象徴でなければならない」と訴える。

 安倍政権は「日米同盟強化」を理由に集団的自衛権の行使に布石を打ち、その先には改憲の議論が待ち構える。ストーン氏は日本の右傾化を「世界にとって危険なこと」とみる。カズニック准教授も「憲法九条は日本にとって要。安倍政権が変えようとしていることは問題で、悲惨な結果を招くだろう」と強調した。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2013080602000160.html

【コラム】
筆洗
2013年8月6日

 ♪ピカッと光った原子のたまにヨイヤサー、飛んで上って平和の鳩よ…。一九四七年八月六日、つまり人類初の原子爆弾投下から丸二年たった日、広島市中心部では「平和音頭」にあわせて人々が通りを練り歩いたそうだ▼戦争体験がどう語られてきたかを検証した『焦土の記憶』(福間良明著、新曜社)によると、四六年八月六日の地元紙一面には「けふぞ巡り来ぬ平和の閃光(せんこう)」「広島市の爆撃こそ原子時代の誕生日」との見出しが掲げられた▼八月六日がまるで「祝祭」のような色を帯びていた背景には、連合国軍総司令部(GHQ)の情報統制がある。人々と街を焼き尽くした原爆は、戦争を早期終結させた「平和の閃光」とされたのだ▼広島に原爆が投下された三日後に現地入りした弊社の先輩記者に、話を聞いたことがある。原爆ドームの写真は一応撮ったが、目に入る被爆者にはレンズを向けもしなかったという▼「どうせ検閲で載せられない。そんなものを撮るため貴重なフィルムを無駄には使えない」。戦時中の情報統制下にあった記者には、そういう自己規制の心理が働いていたのだ▼権力者が情報を統制し、報道に関わる者が力に巻き取られれば、どんな大惨劇でも真相は隠されて、あたかもそれが「祝うべきこと」のようにすら伝えられる。八月六日は、そんなことを、改めて考えさせる日でもある。
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