[『原発に挑んだ裁判官』(磯村健太郎・山口栄二) 朝日新聞出版(https://publications.asahi.com/ecs/detail/?item_id=21028)↑]
東京新聞の記事【MOX燃料取り出し完了 伊方3号機】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/202001/CK2020011602000246.html)。
琉球新報の【<社説>伊方差し止め 原発ゼロへ転換すべきだ】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1059877.html)。
東京新聞の社説【伊方差し止め 過小評価は許されない】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2020012102000163.html)。
アサヒコムの記事【伊方原発で電源一時喪失 定期検査見合わせ、原因調査へ】(https://www.asahi.com/articles/ASN1V03K2N1TPFIB007.html?iref=comtop_8_04)。
《プルサーマル発電で使い終わったプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料十六体の取り出しを十五日午後七時二十六分に完了…政府や電力会社は、使用済みのウラン燃料を化学的に処理(再処理)し、プルトニウムを取り出し再利用する「核燃料サイクル」の一環として、普通の原発でMOX燃料を燃やすプルサーマルを推進している。使用済みMOX燃料も再利用する構想だが、再処理できる施設が国内になく搬出先は未定。四国電は当面、原発内のプールに保管する》。
《四国電力伊方原発3号機(愛媛県伊方町)について、広島高裁が運転を認めない仮処分決定をした。伊方3号機の運転を禁じる司法判断は、2017年の広島高裁仮処分決定以来2回目だ。再び出た差し止め決定を業界や政府は重く受け止めるべきである》。
《四国電力伊方原発3号機の運転差し止めを認めた広島高裁の決定は、原子力規制委員会の審査姿勢に疑問を投げかけた。本当に、住民の安全最優先の審査をしているか》。
《四国電力は25日、伊方原発(愛媛県伊方町)への外部からの電力供給が止まり、電源を一時喪失するトラブルがあったと発表した。すぐ回復し、放射能漏れなどもなかったという》。
「原発は『プルトニウムをつくる装置』」と「閉じない環」。使用済みのMOX燃料の処理・処分、保管場所さへ決まっていない。一体、何年間保管しなければいけないのか…。何世代にわたり、子孫に保管させるつもり?
《日本一細長い佐田岬半島の付け根に位置する伊方原発は、周辺住民にとって、“日本一避難しにくい原発”》。広島高裁(森一岳裁判長)が運転差し止めの仮処分決定の判断を下した。《地震や噴火によるリスクが疑われる限り、司法も「安全」を最優先に判断を下すべきではないか。「疑わしきは住民の利益」であるべきだ》。
広島高裁の森一岳裁判長は、《だが高裁は「敷地2キロ以内にある中央構造線自体が横ずれ断層である可能性は否定できない」ことを根拠に挙げ、「四国電は十分な調査をしないまま安全性審査を申請し、規制委も問題ないと判断したが、その過程は過誤ないし欠落があった」と指摘》した。また、《だが今回は「破局的噴火に至らない程度の噴火も考慮すべきだ」として、その場合でも噴出量は四国電想定の3~5倍に上り、降下火砕物などの想定が過小だと指摘した。それを前提とした規制委の判断も不合理だと結論付けた》。
『●核発電の「高裁レベルでの運転差し止め判断は初めて」
…その先には腐敗した司法の大きな壁が…』
《国の原発政策に一石を投じるか――。13日、広島高裁が四国電力
伊方原発3号機(愛媛県伊方町)の運転を差し止める命令を出した。
高裁レベルでの運転差し止め判断は初めてだ》
「核発電の「高裁レベルでの運転差し止め判断は初めて」…
その先には最「低」裁を頂点とした司法の大きな壁が待ち受けている。
《脱原発ドミノが始まるのか》どうかは、まだまだ未定」
『●「日本一細長い佐田岬半島の付け根に位置する伊方原発は、
周辺住民にとって、“日本一避難しにくい原発”」』
「アベ様政権に忖度し、司法判断を放棄した政治判断…捏造された
「社会通念」で核発電所再稼働を容認。2017年12月、
折角の広島高裁・野々上友之裁判長の「司法判断」だったのですが、
2018年10月、1年を待たずして同じ広島高裁・
三木昌之裁判長の「政治判断」で、あの伊方原発の再稼働に向けての
デタラメ判決が下されていました」
オマケに全電源喪失、《約10秒》《2~3秒》とはいえブラックアウト。絶対に起きないと言い続けていた想定不適当事故がこうもやすやすと起こっているんですが?
《政府は依然、原発を重要なベースロード電源と位置付け、2030年度に電源構成に占める割合を20~22%に引き上げる計画だ。脱原発を求める国民世論とは大きな乖離があり、再生可能エネルギーを拡大させている世界の潮流からも取り残されつつある》。あぁ、救いようのない国だ。
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【https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/202001/CK2020011602000246.html】
MOX燃料取り出し完了 伊方3号機
2020年1月16日 夕刊
四国電力は十六日、定期検査中の伊方原発3号機(愛媛県伊方町)で、プルサーマル発電で使い終わったプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料十六体の取り出しを十五日午後七時二十六分に完了したと発表した。四国電によると、本格的なプルサーマル発電でMOX燃料を取り出したのは全国初。MOX燃料は三月、新たに五体装填(そうてん)する予定。
四国電は十三日午後九時ごろから全体の燃料取り出しを始め、一体目のMOX燃料の取り出しは同午後十一時五十七分に終えた。ウラン燃料を含む原子炉内全ての燃料百五十七体の取り出し完了は十六日午前十時十六分。
政府や電力会社は、使用済みのウラン燃料を化学的に処理(再処理)し、プルトニウムを取り出し再利用する「核燃料サイクル」の一環として、普通の原発でMOX燃料を燃やすプルサーマルを推進している。使用済みMOX燃料も再利用する構想だが、再処理できる施設が国内になく搬出先は未定。四国電は当面、原発内のプールに保管する。
燃料取り出しは昨年十二月二十六日からの定検の一環で、今月十三日午前零時ごろからの予定だった。だが十二日の取り出し準備作業中、原子炉容器上部の装置を引き上げようとした際、制御棒一体が一緒につり上がり、原子炉から約七時間引き抜かれるトラブルがあり遅れた。
三月二十九日に送電を開始し、四月二十七日に営業運転に入る計画だったが、トラブルが影響する可能性もある。
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【https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1059877.html】
<社説>伊方差し止め 原発ゼロへ転換すべきだ
2020年1月20日 06:01
四国電力伊方原発3号機(愛媛県伊方町)について、広島高裁が運転を認めない仮処分決定をした。伊方3号機の運転を禁じる司法判断は、2017年の広島高裁仮処分決定以来2回目だ。再び出た差し止め決定を業界や政府は重く受け止めるべきである。
今回主な争点となったのは、耐震設計の目安となる地震の揺れ(基準地震動)や、約130キロ離れた熊本県・阿蘇カルデラの火山リスクに関する四国電や原子力規制委員会の評価の妥当性だった。
地震に対する安全性について四国電は、伊方原発がある佐田岬半島北岸部に活断層は存在せず、活断層が敷地に極めて近い場合の地震動評価は必要ないと主張していた。
だが高裁は「敷地2キロ以内にある中央構造線自体が横ずれ断層である可能性は否定できない」ことを根拠に挙げ、「四国電は十分な調査をしないまま安全性審査を申請し、規制委も問題ないと判断したが、その過程は過誤ないし欠落があった」と指摘した。
火山の危険性を巡っては、最初の禁止判断となった17年の仮処分決定は阿蘇カルデラの破局的噴火による火砕流到達の可能性に言及したが、その後の原発訴訟などでリスクを否定する判断が続いた。
だが今回は「破局的噴火に至らない程度の噴火も考慮すべきだ」として、その場合でも噴出量は四国電想定の3~5倍に上り、降下火砕物などの想定が過小だと指摘した。それを前提とした規制委の判断も不合理だと結論付けた。
東京電力福島第1原発事故で得られた教訓は「安全に絶対はない」という大原則だ。最優先されるべきは住民の安全であり、災害想定の甘さを批判した今回の決定は当然である。
四国電は「極めて遺憾で、到底承服できない」と反発し、不服申し立てをする方針を示した。政府も原発の再稼働方針は変わらないとしている。だがむしろ原発ありきの姿勢を改める契機とすべきだ。
共同通信の集計によると原発の再稼働や維持、廃炉に関わる費用の総額は全国で約13兆5千億円に上る。費用はさらに膨らみ、最終的には国民負担となる見通しだ。原発の価格競争力は既に失われている。電力会社には訴訟などの経営リスクも小さくない。
一方、関西電力役員らの金品受領問題では原発立地地域に不明瞭な資金が流れ込んでいる実態が浮かび上がった。原発マネーの流れにも疑念の目が向けられている。
政府は依然、原発を重要なベースロード電源と位置付け、2030年度に電源構成に占める割合を20~22%に引き上げる計画だ。脱原発を求める国民世論とは大きな乖離(かいり)があり、再生可能エネルギーを拡大させている世界の潮流からも取り残されつつある。
政府や電力業界は原発神話の呪縛からいい加減抜け出し、現実的な政策として原発ゼロを追求すべきである。
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【https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2020012102000163.html】
【社説】
伊方差し止め 過小評価は許されない
2020年1月21日
四国電力伊方原発3号機の運転差し止めを認めた広島高裁の決定は、原子力規制委員会の審査姿勢に疑問を投げかけた。本当に、住民の安全最優先の審査をしているか。これを機に自問を求めたい。
争点は活断層と火山噴火。キーワードは「過小評価」だ。
原発の沖合六百メートルを走る佐田岬半島沿岸の中央構造線(地質境界)が、大地震を引き起こす恐れのある活断層か、そうではないか。
今回の即時抗告審の一審に当たる山口地裁岩国支部は「海上音波探査を行い、活断層がないことを確認済み」とする四国電力側の主張をいれて、運転差し止めの申し立てを退けた。
しかし、広島高裁は「現在までのところ(十分な)探査がなされていないために活断層と認定されていない」という国の地震調査研究推進本部の長期評価をもとに、「中央構造線自体が活断層である可能性は否定できない」とした。
阿蘇山の巨大噴火による影響に関しても、評価は「過小」と言い切った。
にもかかわらず、「問題なし」とした原子力規制委員会の判定を、高裁は「その過程に過誤ないし欠落があったと言わざるを得ない」と厳しく批判した。
電力事業者側の調査データに多くを依存する規制委の審査の在り方に、司法が疑問を投げかけたとも言えるだろう。
決定が出た十七日は、阪神大震災からちょうど二十五年に当たる日だった。当時は「関西で大地震は起きない」と言われていたのに、起きた。大地震のたびに新たな活断層が“発見”されている。
一昨年九月の北海道地震のように、近くを走る断層帯との関連性が定かでないような地震もある。
日本は地震列島。いつ、どこでどんな地震が起きてもおかしくない。こと自然災害に関しては、過大評価とみられるくらいでちょうどいい。過小評価に陥ることを懸念する司法からの警告を規制委も重く受け止めるべきではないか。
四国電力が不服を申し立てれば、同じ高裁の別の裁判官に判断を委ねることになる。
伊方原発再稼働の是非に関しては、これまでも判断が分かれており、そのこと自体はやむを得ないだろう。
だが、地震や噴火によるリスクが疑われる限り、司法も「安全」を最優先に判断を下すべきではないか。「疑わしきは住民の利益」であるべきだ。
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【https://www.asahi.com/articles/ASN1V03K2N1TPFIB007.html?iref=comtop_8_04】
伊方原発で電源一時喪失 定期検査見合わせ、原因調査へ
2020年1月26日 0時40分
(四国電力伊方原発3号機(上)=愛媛県伊方町、本社ヘリから)
四国電力は25日、伊方原発(愛媛県伊方町)への外部からの電力供給が止まり、電源を一時喪失するトラブルがあったと発表した。すぐ回復し、放射能漏れなどもなかったという。昨年末に3号機が定期検査入りした後、トラブルが相次いでいるため、四電は定期検査を当面見合わせ、トラブルの原因究明などにあたるとしている。
四電によると、電力供給が止まるトラブルは25日午後3時44分、高圧送電線の装置交換作業中に発生。予備系統の送電線に切り替えたり、非常用ディーゼル発電機からの送電を始めたりしたが、3号機は約10秒、四電が廃炉を決めている1号機と2号機は2~3秒、電源を喪失した。原因は不明という。
伊方原発では12日、3号機で核燃料を原子炉から取り出す作業の準備中、核分裂反応を抑える制御棒1本を誤って引き上げるミスが発生。20日にも、プールに保管中の燃料を点検用ラックに入れる際、ラックの枠に乗り上げるトラブルがあった。
愛媛県は「看過できない事態と受け止めており、今後厳しく対応していきたい」としている。
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東京新聞の記事【もんじゅ廃炉へ 政府、年内に結論 核燃サイクルは維持】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201609/CK2016092202000156.html)と、
社説【もんじゅ、廃炉へ 大転換の時代に移る】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2016092202000181.html)。
《「廃炉を含め抜本的な見直しをする」とした。一方で核燃料サイクルは維持し、新設の「高速炉開発会議」で、年末までに今後の方針を出す》。
《「もんじゅ」がようやく廃炉に向かう。高速増殖原型炉。使用済み燃料を再利用する核燃料サイクルの要の石だ。日本の原子力政策は転換すべきである》。
東電核発電人災からでさえ5年以上、《九五年にナトリウム漏れ事故》から20年以上、無為な月日を費やし、お金をドブに捨ててきました。予想に反して、プルトニウムを燃やしつつ「増殖」させるという「悪夢」から、ようやく目覚め、「閉じない環」である第2の「環」が終わりを迎えることになりそうです。
一方で、「閉じない環」である第1の「環」を継続し、プルトニウムを取り出す六ヶ所村の再処理工場の稼働を目指すことを続けるそうだ。恐ろしいリスクを抱えつつ、瀕死の「ホワイト・エレファント」にエサを与え続け、エサ代を支払い続けるつもり。「もんじゅ」という悪夢に目覚めるのにこれだけの月日を費やし、誰も責任をとらず…、「第1の閉じない環」の悪夢からいつ目ざめるのだろうか? あまりに愚かすぎる。
『●原発人災、犯罪者を追求すべし:
なぜ自民党議員は口を閉ざし、マスコミは黙り込むのか?』
『●原子力ムラは土台から腐ってる』
「河野太郎氏のブログより…」
《やっぱり日本の原子力の土台は腐っていた…
自民党本部に九大、東工大のエネルギー、原子力関係の教授を
招いて、原子力関連の人材育成についてのヒアリング…
あきれるというよりも、その象牙の塔ぶりに笑いが出た…
シビアアクシデント対策とか、放射性物質の除去とか、
核のゴミの処分や廃炉のために必要な人材を供給しよう等
ということは一言もない。
もちろん、使命感や倫理感に欠けた人材を供給してきたこと
に対する反省など全くなし。
こういう人間達に、原子力を任せたくないし、こういう人間達に、
原子力に関わる人材育成を任せたくない。
日本の原子力、根底の根底からおかしい》
『●湯水のごとくカネ浪費:核燃料サイクルに十二兆円を
ドブガネし、今後も毎年千六百億円ずつ増えていく悪夢』
『●「もんじゅ」の知恵ではなく、
「絵に描いた餅」に「一日当たり五千五百万円」!』
『●もんじゅ「エサ代」の無残さ: 《ナトリウムを使う
原子炉の解体技術は確立されておらず》…無責任過ぎる』
『●全く知恵の無い「もんじゅ」は発電もせずに、
「年間の電力消費量は一般家庭約二万五千世帯分にも上る」』
『●核燃サイクル=「ホワイト・エレファント…
私たちはいつまで、エサ代を払い続けなくてはならぬのか」?』
『●「夢の高速増殖炉」もんじゅ、「夢から覚める時が来た」
……とっくに目覚めの時は過ぎている』
『●談合: 原子力「ムラ寄生」規制委員会から運営交代を
申し付かったあの日本原子力研究開発機構』
『●「核兵器廃絶」に対するニッポンの歯切れの悪さ…
原発は『プルトニウムをつくる装置』、双子の兄弟の一人』
『●高速増殖炉もんじゅ…ニッポンでは、
巨額の「エサ代」を支払い続けるつもりらしい』
『●「(悪)夢の高速増殖炉」もんじゅの延命に向かって着々と
…ドブガネという巨額の「エサ代」は続く』
『●ナトリウムを取り扱う技術を持つ日本原子力研究開発機構…
ナトリウムを使う原子炉の解体技術は?』
『●NHK解説委員長、原発は人間の手に負えないモンスター…
「アベ様のNHK」発の核発電政策への波紋』
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【http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201609/CK2016092202000156.html】
もんじゅ廃炉へ 政府、年内に結論 核燃サイクルは維持
2016年9月22日 朝刊
(↑すいません、コピペさせて頂きました
『もんじゅを巡るこれまでの主な動き』
【http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201609/images/PK2016092202100047_size0.jpg】)
政府は二十一日、高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)について関係閣僚会議を開き、「廃炉を含め抜本的な見直しをする」とした。一方で核燃料サイクルは維持し、新設の「高速炉開発会議」で、年末までに今後の方針を出す。もんじゅにはこれまで国費一兆円以上をつぎこんだ。再稼働には数千億円の追加費用が必要。成果を得られないまま幕引きとなる。
菅義偉官房長官は閣僚会議で「高速炉開発は、原発の新基準の策定など大きな情勢変化がある。本年中に、高速炉開発会議で、廃炉を含めて抜本的な見直しを行う」と述べた。
核燃料サイクルは、原発の使用済み燃料からプルトニウムを取り出し、再利用する。プルトニウムを燃やすもんじゅはサイクルの柱だ。もんじゅに代わるものとして、フランスとの共同開発や、実験炉「常陽」(茨城県大洗町、停止中)の再稼働が検討される。
廃炉も容易ではない。もんじゅを運営する日本原子力研究開発機構の試算によると、三十年の期間と三千億円の費用がかかる。地元の福井県には、松野博一文部科学相が陳謝し、直接出向いて事情を説明した。
もんじゅは、消費した以上の燃料を生み出す「夢の原子炉」とされた。半面、危険なナトリウムを冷却材に用いる必要があり、構造も複雑。一九九四年に本格稼働したものの九五年にナトリウム漏れ事故を起こして停止した。その後もトラブルが相次ぎ、稼働日数は二百五十日にとどまる。停止状態でも一日あたり約五千万円の維持費が必要だ。
原子力規制委員会は昨年十一月、約一万点の機器点検漏れなどを受け、所管する文部科学省に新しい運営組織を示すよう勧告した。運営主体は、動力炉・核燃料開発事業団に始まり、すでに二回変更されている。文科省は新しい受け皿を探したが、電力会社は難色を示し、引き受け手はなかった。
◆核燃、既に12兆円 本紙調べ
高速増殖原型炉「もんじゅ」を中心とした核燃料サイクルには、少なくとも十二兆円以上が費やされてきたことが本紙の調べで判明している。施設の維持・運営費で年間約千六百億円が新たにかかる。
本紙は一九六六年度から二〇一五年度までのもんじゅや再処理工場、取り出したプルトニウムを再利用する混合酸化物(MOX)燃料工場、高レベル廃棄物の管理施設の建設費や運営費、必要になる廃炉・解体費などを積算した。立地自治体への交付金も足しているが、通常の原発向けと判別が難しい場合は、全額を除外している。
その結果、判明しただけで総額は計約十二兆二千二百七十七億円。主なものでは、もんじゅは関連施設なども含めると約一兆二千億円。青森県六ケ所村にある再処理工場はトラブル続きで稼働していないが、七兆三千億円かかった。
核燃サイクルのコストを巡っては、電力会社などでつくる電気事業連合会が〇三年、建設から最終処分までの総額は約十九兆円と試算している。
<もんじゅと核燃料サイクル> 普通の原発は、主な燃料に「燃えるウラン」を使う。それに中性子をぶつけて、核分裂の連鎖反応を起こし、生じた熱を取り出し、タービンを回して発電する。
もんじゅでは、主な燃料がプルトニウム。中性子を高速でぶつけ、燃料周囲に置いた「燃えないウラン」をプルトニウムに変える。燃料が増えるので、「高速増殖炉」の名がある。
中性子を減速させないよう、炉内は水ではなく、高温の液体金属(ナトリウム)で満たされている。ナトリウムは水などと激しく反応し危険だ。
核燃料サイクルは、原発で燃やした使用済み燃料からプルトニウムを取り出し、もう一度高速炉で燃やそうという試み。青森県六ケ所村に、巨費を投じて再処理工場が建設されている。だが高速炉がいつまでもできないので、普通の原発にプルトニウムを含む燃料を装填(そうてん)する「プルサーマル」が行われている。
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【http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2016092202000181.html】
【社説】
もんじゅ、廃炉へ 大転換の時代に移る
2016年9月22日
「もんじゅ」がようやく廃炉に向かう。高速増殖原型炉。使用済み燃料を再利用する核燃料サイクルの要の石だ。日本の原子力政策は転換すべきである。
原発停止、火力による代替が長引くと、石油や天然ガスの輸入がかさんで「国富」が消えていくという。
だとすれば、展望なき核燃料サイクル計画による長年の国費の乱用を、どのように説明すればいいのだろうか。
原発で使用済みの燃料からウランとプルトニウムを取り出す再処理を施して、新たな核燃料(MOX燃料)にリサイクルして、もんじゅでまた燃やす-。それが核燃料サイクル計画だった。
◆色あせた原子力の夢
もんじゅは、計画の要とされた新型の原子炉で、理論上、燃やせば燃やすほどリサイクル燃料が増えていく“夢の原子炉”というふれ込みだった。
現在の運営主体は、文部科学省が所管する独立行政法人の日本原子力研究開発機構、正真正銘の国策である。
一九七〇年代の計画当初、もんじゅにかかる費用は、三百五十億円という見積もりだった。
ところが、ふたを開けると、深刻なトラブルが相次ぎ、費用もかさむ。本格稼働から二十二年、原子炉を動かせたのは延べわずか、二百数十日だけだった。
そんな“夢”というより“幻”の原子炉に、政府は一兆円以上の国富を注ぎ込んできた。止まったままでも、もんじゅの維持には年間二百億円という費用がかかる。
冷却材として、水ではなくナトリウムを使うのが、高速炉の特徴だ。ナトリウムは固まりやすく、停止中でもヒーターで温めて絶えず循環させておくことが必要だ。月々の電気代だけで、一億円以上になることも。
◆飛べない鳥のように
発電できない原発が、日々大量に電気を消費する。むだづかいを通り越し、皮肉と言うしかないではないか。
米国や英国、ドイツは九〇年代に、高速増殖炉の実験から手を引いた。もんじゅでナトリウム漏れ事故が発生し、当時の運営主体による隠蔽(いんぺい)が指弾を浴びた九五年、日本も夢からさめるべきだった。
青森県六ケ所村の再処理工場も九三年の着工以来二十三回、完成延期を繰り返し、建設費用は当初の三倍、二兆円以上に膨らんだ。核燃料サイクルという国策も、ほとんど破綻状態なのである。
二〇一〇年策定の国のエネルギー基本計画は、高速増殖炉を「五〇年より前に実用化する」とうたっていた。ところが一四年の計画からは目標年が消えていた。
政府の中でも、もんじゅは終わっていたのだろうか。
それなのに、廃炉の決断は先延ばし。科学の夢を塩漬けにする愚を犯しただけでなく、金食い虫の汚名を着せて放置した。その責任は軽くない。
プルトニウムは核兵器に転用できる。日本は日米原子力協定で、非核保有国では例外的に、プルトニウムを取り出す再処理を認められてきた。政界の一部には「特権を手放すべきではない」との声も根強くある。
日本は現在、四十八トン、長崎型原爆六千発分とも言われるプルトニウムを国内外に保有する。
核不拡散を主導する米国も、再来年に迫った協定の期限を前に、日本の「核の潜在力」に対する警戒感を強めている。
プルトニウムは増殖どころか、そもそも減らすべきものなのだ。
日本はおととし、フランスが、核廃棄物の減量や無害化をめざして開発を進める高速炉「ASTRID(アストリッド)」への技術協力に合意した。核燃料サイクルのシステム自体、減量に軸足を移すべきである。
3・11を経験した日本で、もはや原発の新増設などあり得まい。これ以上ごみを増やさないように脱原発依存を進めるべきである。しかし、最終処分場の選定が容易ではない以上、保有するプルトニウムや、一時保管されている、すでに出た使用済み核燃料を減らす技術は必要だ。
先月に再稼働した四国電力伊方原発3号機のような、MOX燃料を通常の軽水炉で燃やすプルサーマル発電だけでは、とても追いつかない。
◆雇用や経済は維持を
廃炉にしたもんじゅの設備を核廃棄物減量の研究拠点に転用できれば、地元の雇用や経済は維持できる。もんじゅと共生してきた自治体も納得できるに違いない。
いずれにしても、もんじゅがなければ、核燃料サイクルは根本的に行き詰まり、日本の原発政策の大前提が崩れ去る。
それは、核のごみを増やせない時代への転換点になる。
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nikkan-gendaiの記事【やっぱり危ない伊方原発 発電初日の地震直撃に専門家警鐘】(http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/187842)と、
東京新聞の記事【伊方3号機 フル稼働 来月上旬、営業運転】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201608/CK2016082202000210.html)。
《いきなり地震に“直撃”され、周辺住民は「やっぱり伊方原発は危険だ」と不安を強めている。伊方原発は以前から、その“危険性”が指摘されてきた。わずか8キロ先に国内最大の活断層「中央構造線断層帯」があるからだ》。
《四国電力は二十二日、伊方(いかた)原発3号機(愛媛県伊方町、出力八十九万キロワット)がフル稼働したと発表した。原子力規制委員会の最終検査を受け、問題がなければ、九月七日に現在の試験的な調整運転から通常の営業運転に移行する予定》。
『●誰が為に核発電所は再稼働?…
この酷暑、「電力各社が供給力に余裕をもって乗り切った」』
地震対策・津波対策・避難計画の三無いな伊方原発。命を賭して、そんなものを運転したいのだそうです、アベ様や原子力「ムラ寄生」委員会=原子力「規制緩和」委員会(©東京新聞)、四国電力、伊方町長、愛媛県知事、核発電所再稼働支持の「地元」民の皆さんは。核発電「麻薬」中毒患者の皆さんの破滅的思考を理解できません。アベ様達や田中俊一委員長、四電が、地震対策・津波対策・避難計画の三無いな伊方原発に問題が生じた時に、責任をとるとは思えません。3.11東京電力核発電人災のようなことがあれば、誰も責任をとらないのと同時に、現実には、原状回復など決して望めず、責任の取りようもないことも明らかになったはずだというのに、核発電「麻薬」中毒患者の皆さんの狂気・破滅的な思考には呆れ果てます。そんなものは造らないし、再稼働しないし、直ぐさま、廃炉作業に取り掛かることが、唯一、最良の道です。
『●「原発さえなければ…」:
それでも川内原発や伊方原発を再稼働したいの?』
『●「伊方原発は、日本一細長いという佐田岬半島の
付け根にあり、その西の海側には約五千人が暮らしている」』
「狂気としか言いようがない……《伊方原発は、日本一細長い
という佐田岬半島の付け根にあり、その西の海側には
約五千人が暮らしている》。こんなところで一体どんな
避難計画を作り得るのか? そんな《住民避難計画を了承》した
そうです。再稼働するためなら、何でもやる「麻薬」患者たち。
カネの亡者。
《安倍晋三首相は「万一事故があった場合は政府として責任を
持って対処する」と強調》……このバカ発言を見て下さい!
東京電力原発人災に一切の「責任」を負わず、いまも無策・無責任に
汚染水を垂れ流し続けているアベ様ら自公議員たちの酷さ。
それを「信頼」したふりをする「地元」首長・議員たち。
言っちゃぁ悪いが、頭の回路が切れているとしか思えません」
『●今中哲二さん「被災した人々にもたらされた災難の大きさは、
放射線測定器で測ることはできない」』
『●熊本大地震…「「いつでも、どこでも、強大な地震は起こる」。
地震国日本では、これこそ社会通念」』
『●「専門家に「常識が通じない」と言わしめた地震」…
いま、「減災」に向け立ち止まって考えるべき』
『●原子力「規制」委員会の田中俊一委員長、
川内原発に「安全上の問題が起きるわけではない」…』
『●高浜「寿命核発電所」延命、「安全より経済優先の時代へと逆戻り」
…「規制緩和」委員会(©東新)』
『●「川内原発を地図からトリミング」というのは
穿ち過ぎかと思ってたら、「アベ様の犬HK」ときたら…』
『●四国電力がそんな破滅的な思考をしていなければ
いいのですが…伊方1号機廃炉の代わりの3号機再稼働?』
『●熊本大分大地震の最中、
伊方プルサーマル核発電所を再稼働…アタマオカシイ』
「熊本大分大地震がまだ続いているというのに、正気か?
しかも、プルサーマル。核発電「麻薬」患者の救いの無さ。破滅的思考。
原子力「ムラ寄生」委員会=原子力「規制緩和」委員会(©東京新聞)や
電力会社、自公議員、……、等々、(言葉が悪くて、すみませんが)
はっきり言って、アタマオカシイのでは?」
『●四国電力「瀬戸内海に津波は来ない」と津波対策無し
…「想定外」「想定不適当事故」という悪夢』
政治家、特に与党や「癒(着)」党議員にとって、《国民の安全よりも、大切なのはカネと選挙》だそうです。核発電所再稼働支持の「地元」民の皆さんも、核発電「麻薬」中毒からそろそろ目覚めてもらえませんかね。
『●自公議員投票の大罪:
「九電元幹部は「政治家側から支援を頼んでくるのが昔からの伝統」」』
「石炭から石油へ、そして、原子力へ……で、麻生一族と九電の癒着関係は
脈々と続いているようです、今も変わらず……「2011年の原発事故後、
今度は窮地の九電に麻生一族が手をさしのべる……自民党と電力会社が
結束して地域を掌握する。九州は特にその岩盤が強い」」
「「九電元幹部は「政治家側から支援を頼んでくるのが昔からの伝統」」
と言い放ったそうですが、もはや、自公議員や翼賛野党議員への投票は
大罪、だと思う。金権腐敗に絡む鹿児島補選では、九電の
川内原発再稼働問題も絡んでいるにもかかわらず、自公議員を易々と
当選させてしまい、それは自公支持者のアホな投票行動に加えて、
思考停止と無関心の虚しい選挙結果の典型としか思えない」
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【http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/187842】
やっぱり危ない伊方原発 発電初日の地震直撃に専門家警鐘
2016年8月17日
(福島第1原発事故の本当の原因は地震か津波か
いまだはっきりせず(東京電力提供))
発電初日、襲われた。15日山口県で起きた震度3の地震。伊方原発3号機がある愛媛県伊方町でも震度2を観測した。四国電力では12日に原発を再稼働し、15日から発電と送電を始めたばかり。いきなり地震に“直撃”され、周辺住民は「やっぱり伊方原発は危険だ」と不安を強めている。
伊方原発は以前から、その“危険性”が指摘されてきた。わずか8キロ先に国内最大の活断層「中央構造線断層帯」があるからだ。4月の熊本地震はその延長線上の「布田川・日奈久断層帯」が動いて起きた。愛媛県の中村時広知事は「(伊方原発で)福島と同じことが起こることはない」と断言しているが、何を根拠に言っているのか。武蔵野学院大の島村英紀特任教授(地震学)がこう言う。
「熊本地震以降、震源地は周辺地域に広がってきています。
今回の震源地の伊予灘は伊方原発のすぐ隣にある。
非常に怖い場所で起こったといっていい。中央構造線断層帯沿いは、
これまで地震が繰り返され、地震に弱い岩盤が広がっていて、
不安要素は多いんです。しかも、福島第1原発事故の本当の原因は、
まだ地震か津波か、はっきりしていない。そうした段階で、伊方原発を
『安全』と言い切るのは早すぎるでしょう」
■電力十分に原油安で再稼働必要なし
そもそも、いま危険な「伊方原発」を再稼働させる理由はほとんどない。電力業界は「電力の安定供給に原発は欠かせない」と説明するが、原発稼働がゼロでも、電力は十分足りている。しかも、原油安の影響で火力発電の燃料費も安く済んでいる。「原発のほうがコストは安い」という言い分も、事故対応や廃炉への費用を考えると、正しい見方とはいえない。
ジャーナリスト・横田一氏はこう言う。
「電力会社が再稼働を急ぐのは、すでに燃料も買って施設もあるからです。
初期投資が大きい原発では、なるべく長期で使用したほうが、経営上は
プラスになる。政治家側も、現在は電力会社から直接の政治献金は
ありませんが、選挙時に運動員を出すという人件費の無償提供を受けている。
『脱原発』という候補には、『応援しないぞ』と脅しをかけるケースも多い。
選挙を“人質”に取られ、原発推進にならざるを得ないんです」
国民の安全よりも、大切なのはカネと選挙ということだ。発電初日に伊方原発を揺らした地震は、天の啓示ではないか。
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【http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201608/CK2016082202000210.html】
伊方3号機 フル稼働 来月上旬、営業運転
2016年8月22日 夕刊
四国電力は二十二日、伊方(いかた)原発3号機(愛媛県伊方町、出力八十九万キロワット)がフル稼働したと発表した。原子力規制委員会の最終検査を受け、問題がなければ、九月七日に現在の試験的な調整運転から通常の営業運転に移行する予定。
3号機は、新規制基準に適合し再稼働した原発として九州電力川内(せんだい)1、2号機(鹿児島県)、関西電力高浜3、4号機(福井県)に次ぎ五基目。高浜が司法判断で運転差し止め中のため、プルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料によるプルサーマル発電を行う国内唯一の原発。
四国電によると、八月十二日に再稼働し、同十五日に発電と送電を始めた。その後、原子炉内で発生する熱出力を徐々に上げてきた。
原子炉や発電用タービンを点検し、二十二日、熱出力を100%に保つ「定格熱出力一定運転」というフル稼働の状態に移行した。四国電は、営業運転の再開により、火力発電の燃料費が減るため年約二百五十億円の収支改善を見込んでいる。
3号機は二〇一一年四月に定期検査で停止。昨年七月、規制委の審査に合格し、同十月に伊方町長、愛媛県知事が再稼働に同意した。今年七月二十六日に再稼働する予定だったが、一次冷却水循環ポンプのトラブルが同十七日に判明し、遅れていた。
一方で、近くに国内最大級の活断層「中央構造線断層帯」が通り、熊本地震を機に活発化する懸念や避難計画の実効性に不安も根強い。プルサーマルは制御棒の効きが悪くなるとの指摘があり、安全面の懸念もある。
フル稼働も踏まえ、反対派の市民団体は二十二日午前、原発から三十キロ圏に入る伊予市などに対し、3号機の運転停止を国と四国電に求めるよう申し入れた。伊方町には同日午後、要請する予定。
メンバーらは、熊本地震を受けて避難計画などを再検討するよう求め、「東京電力福島第一原発事故の現状を見ると、国が十分責任を取るとは思えない」と訴えた。
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東京新聞の記事【節電定着で供給に余裕 「原発必要」の説得力薄れる】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/list/201608/CK2016081802000127.html)と、
社説【電力需要 猛暑の夏も乗り切れる】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2016081802000136.html)。
《九州電は…供給力に10%(百八十五万キロワット)の余裕があった。稼働する川内(せんだい)原発1、2号機(計百七十八万キロワット)がなくても停電は回避できた計算だ。十二日に伊方原発3号機(八十九万キロワット)を再稼働した四国電は…原発なしでも使用率は94%だった》。
《何かと“熱い”が電気は足りている。政府や電力大手は誰のため、何のため、住民の不安に目を背けるかのように、原発再稼働を急ぐのか》。
誰が為に核発電所は再稼働するのか?…この酷暑、《電力各社が供給力に余裕をもって乗り切った》。
核発電「麻薬」中毒患者が、意味の無い再稼働でニッポン人の命を賭す。「「地元」市民の「命」より「経済性、経済神話」」を優先、「安全より効率、命より経済」を優先…無謀な賭け。
『●普通の社会通念: 「安全性の立証責任は電力会社側にあり…
原発の安全性の欠如が直ちに人格権侵害」』
「「「地元」市民の「命」より「経済性、経済神話」」を優先、
「安全より効率、命より経済」を優先、そう云った「社会通念」で
良いのでしょうか? 今回も、大津地裁の山本善彦裁判長は、
「「安全より効率、命より経済」を優先」という関電の主張を退けました。
《安全性の立証責任は電力会社側にあり…
現実に起きた東京電力福島第一原発事故と被害を目の当たりにした国民の
社会通念は、原発の安全性の欠如が直ちに人格権侵害を推認させるもの
になっている》。関電の「社会通念」を明確に否定。山本善彦裁判長の
至極真っ当な判断で、ここまでは期待通りです。問題はここからでしょう。
大阪高裁で、骨のある裁判官に恵まれるか? 期待薄…」
『●「あとの祭り」: 核発電「麻薬」中毒患者、増殖中…
どんどん壊れ行くニッポン』
『●破滅的思考: 寿命核発電所伊方原発1号機廃炉の代わりの
プルサーマル伊方原発3号機再稼働?』
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【http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/list/201608/CK2016081802000127.html】
節電定着で供給に余裕 「原発必要」の説得力薄れる
2016年8月18日 朝刊
全国で猛暑日が相次いだ八月上旬、電力各社が供給力に余裕をもって乗り切ったことが、本紙の調べで分かった。今年は二〇一一年三月の東日本大震災後、初めて政府が節電を求めない夏になったが、各社が準備した発電所の供給力のうち、実際に使用した割合(使用率)が97%を超えて、余力が「非常に厳しい」とされるような日はゼロだった。
電力各社は「電力の安定供給のために原発は必要」と説明しているが、原発がなくても停電は起きない計算だった。節電が進み定着する中で、各社の説得力は薄れている。
八月上旬は例年、盆休みを控え工場生産が盛んになるうえ冷房の使用が増えるため、電力消費が一年で最も増えることが多い。昨年の最大需要日は八月三~七日に集中した。
今年も昨年に続き全国的に猛暑日が多く九日には全国九百二十九の観測地点のうち東京都心で三七・七度を記録するなど、百九十八カ所で最高気温が三五度以上の猛暑日となった。猛暑日が百カ所を超えたのは十四日までに八日間あった。
本紙が一日から十四日までの大手電力九社の管内の使用率を調べたところ、東京電力ホールディングスで最大になったのは五日の89%で90%に達した日はなかった。中部電は五日の94%が最大だが、事前の需要予想で一部の火力発電所を休ませていたため、使用率が伸びた。
九州電は十日に千五百二十七万キロワットを記録したが、供給力に10%(百八十五万キロワット)の余裕があった。稼働する川内(せんだい)原発1、2号機(計百七十八万キロワット)がなくても停電は回避できた計算だ。十二日に伊方原発3号機(八十九万キロワット)を再稼働した四国電は、九日の五百十六万キロワットが最大。原発なしでも使用率は94%だった。
生産活動が再開する八月下旬や九月上旬に電力需要が伸びる可能性はあるが、節電は定着しており、電力の需要は震災前より14%ほど減る見通しだ。全国で猛暑日が百一カ所を数えた十七日も、電力九社管内で余力があった。
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【http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2016081802000136.html】
【社説】
電力需要 猛暑の夏も乗り切れる
2016年8月18日
猛暑、五輪、高校野球、熱中症にも気をつけて…。何かと“熱い”が電気は足りている。政府や電力大手は誰のため、何のため、住民の不安に目を背けるかのように、原発再稼働を急ぐのか。
「猛暑でも節電要請は来ておらん。なぜそんなに、急ぐのか」
四国電力伊方原発再稼働の三日前、松山市内の飲食店で耳にした。隣席の客のつぶやきだ。多くの市民の実感なのだろう。
経済産業省の電力需給検証小委員会は四月、電気の使用量がピークに至る七~九月の電力需要予測を公表した。
それによると、東京や中部、関西など、沖縄を除く九電力の平均で、8%以上の予備率を確保できるという。
電力の需要に対する供給予備率、つまり“余裕”は、最低限3%、8~10%のゆとりを持つのが望ましいとされている。
3・11以降、企業や家庭に広く節電が定着し、四月の家庭用電力の小売り自由化に伴って、新電力に需要が分散したことの影響も小さくはないという。
たとえば原発依存度の高い関西電力でも、八月の最大使用率の平均は八割強だ。差し迫って原発で供給を積み増しする必要はない。
一方、ことし三月期の決算で、電力大手十社の税引き後損益は、震災後初めて黒字になった。しかし、火力発電に依存する現状では、原油高に転じれば、収支は一気に悪化する。だから原発が必要なのだと大手電力側は言う。
福島原発の被災者への賠償額は、すでに六兆円を超えている。廃炉費用も東電が当初準備した二兆円では足りそうもなく、国による追加支援が要請されている。
原発再稼働に向けて電力十一社が見込む安全対策費は、少なく見ても三兆円を大きく超える。
原発依存を続ける方が、潜在的な経営リスクははるかに高いと言えないか。
再稼働した伊方3号機はプルサーマル発電の原発だ。使用済み核燃料を再処理してプルトニウムを抽出し、燃料として再利用する。
核兵器の主材料にもなるプルトニウムを減らしたいのは分かる。
だとすれば、莫大(ばくだい)な費用をつぎ込んでプルトニウムを取り出す再処理事業そのものを、まず放棄すべきではないか。
誰のために再稼働を急ぐのか。政府と原発事業者は、3・11の教訓を踏まえて節電に励む消費者に、正しく説明すべきである。
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asahi.comの速報【伊方原発3号機が再稼働 新規制基準下で3カ所目】(http://www.asahi.com/articles/ASJ8B6DJVJ8BPLFA00V.html?iref=comtop_8_01)。
『●「あとの祭り」: 核発電「麻薬」中毒患者、増殖中…
どんどん壊れ行くニッポン』
《川内1、2号機(鹿児島県)に続き、計3基…》。
2016年7月参院選、都知事選、原爆の日・平和祈念式典、リオオリンピック、…どさくさに紛れて高江破壊・辺野古破壊の再開、そして、伊方原発3号機再稼働。アベ様は、2度目の夏休みを満喫中。
怒りしか湧かない。狂気です。《伊方原発は、日本一細長いという佐田岬半島の付け根にあり、その西の海側には約五千人が暮らしている》。自公議員、原子力「ムラ寄生」委員会=原子力「規制緩和」委員会、愛媛県知事、賛成派の「地元」民…言葉は悪いが、アタマオカシイのでは? 「「地元」市民の「命」より「経済性、経済神話」」を優先、「安全より効率、命より経済」を優先。
『●普通の社会通念: 「安全性の立証責任は電力会社側にあり…
原発の安全性の欠如が直ちに人格権侵害」』
「「「地元」市民の「命」より「経済性、経済神話」」を優先、
「安全より効率、命より経済」を優先、そう云った「社会通念」で
良いのでしょうか? 今回も、大津地裁の山本善彦裁判長は、
「「安全より効率、命より経済」を優先」という関電の主張を退けました。
《安全性の立証責任は電力会社側にあり…
現実に起きた東京電力福島第一原発事故と被害を目の当たりにした国民の
社会通念は、原発の安全性の欠如が直ちに人格権侵害を推認させるもの
になっている》。関電の「社会通念」を明確に否定。山本善彦裁判長の
至極真っ当な判断で、ここまでは期待通りです。問題はここからでしょう。
大阪高裁で、骨のある裁判官に恵まれるか? 期待薄…」
寿命核発電所 伊方原発1号機廃炉の代わりのプルサーマル伊方原発3号機再稼働? 「沖縄負担軽減」の名の下での高江破壊や、普天間返還のための辺野古破壊といったアベ様や「沖縄負担軽減担当相」最低の官房長官のいつものやり方。
避難計画がいい加減? 事故時の対策が不安? 断層がある? そんなのシッタコトか!…再稼働さえすればいいのだ、という「川内方式」という悪しき先例の下、狂気の再稼働。アタマオカシイ人たちの次のターゲットは上関や大間、美浜、はたまた、柏崎刈羽でしょうか…。
『●「怒」、九州電力川内原発再稼働というパンドラの箱:
国破れて、山河も無し…となってもいいのか?』
「「九州電力が「巨大噴火は予知できる」などと言っていますが、
あれは大嘘なんです」…命を賭した危険な博打を、
東京電力原発人災で世界中の人々に迷惑をかけ続けている
ニッポンがやるなんて、「恥」」
東京新聞の記事【伊方原発3号機が再稼働、愛媛 四国電力、新規制基準5基目】(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2016081201001392.html)によると、《事故時の避難計画の実効性や地震への懸念が全国的に根強いが、川内1号機の再稼働から1年たち、政府は原発活用を加速させたい考えだ。…プルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料によるプルサーマル発電を行う国内唯一の原発となる》…そうです。
『●「原発さえなければ…」:
それでも川内原発や伊方原発を再稼働したいの?』
『●「伊方原発は、日本一細長いという佐田岬半島の
付け根にあり、その西の海側には約五千人が暮らしている」』
「狂気としか言いようがない……《伊方原発は、日本一細長い
という佐田岬半島の付け根にあり、その西の海側には
約五千人が暮らしている》。こんなところで一体どんな
避難計画を作り得るのか? そんな《住民避難計画を了承》した
そうです。再稼働するためなら、何でもやる「麻薬」患者たち。
カネの亡者。
《安倍晋三首相は「万一事故があった場合は政府として責任を
持って対処する」と強調》……このバカ発言を見て下さい!
東京電力原発人災に一切の「責任」を負わず、いまも無策・無責任に
汚染水を垂れ流し続けているアベ様ら自公議員たちの酷さ。
それを「信頼」したふりをする「地元」首長・議員たち。
言っちゃぁ悪いが、頭の回路が切れているとしか思えません」
『●今中哲二さん「被災した人々にもたらされた災難の大きさは、
放射線測定器で測ることはできない」』
『●熊本大地震…「「いつでも、どこでも、強大な地震は起こる」。
地震国日本では、これこそ社会通念」』
『●「専門家に「常識が通じない」と言わしめた地震」…
いま、「減災」に向け立ち止まって考えるべき』
『●原子力「規制」委員会の田中俊一委員長、
川内原発に「安全上の問題が起きるわけではない」…』
『●高浜「寿命核発電所」延命、「安全より経済優先の時代へと逆戻り」
…「規制緩和」委員会(©東新)』
『●「川内原発を地図からトリミング」というのは
穿ち過ぎかと思ってたら、「アベ様の犬HK」ときたら…』
『●四国電力がそんな破滅的な思考をしていなければ
いいのですが…伊方1号機廃炉の代わりの3号機再稼働?』
『●熊本大分大地震の最中、
伊方プルサーマル核発電所を再稼働…アタマオカシイ』
「熊本大分大地震がまだ続いているというのに、正気か?
しかも、プルサーマル。核発電「麻薬」患者の救いの無さ。破滅的思考。
原子力「ムラ寄生」委員会=原子力「規制緩和」委員会(©東京新聞)や
電力会社、自公議員、……、等々、(言葉が悪くて、すみませんが)
はっきり言って、アタマオカシイのでは?」
重要な書評だと思うので、付記します。CMLで知りました(http://list.jca.apc.org/public/cml/2016-August/044653.html)。
前田朗さんのブログに出ていた書評です。前田朗Blogの【根源的民主主義への変革を求める脱原発の哲学 佐藤嘉幸・田口卓臣『脱原発の哲学』(人文書院) http://www.jimbunshoin.co.jp/book/b214457.html】(http://maeda-akira.blogspot.jp/2016/08/blog-post_10.html)。一部(ほとんど全部ですが…)を以下に引用させて頂きます。
《「第一部 原発と核兵器」の3章では、原発と核兵器が歴史的に
同根であり、「等価性」を有することを確認し、「核アポカリプス不感症」の
現状を指弾し、絶滅技術の正体を撃つ。》
《「第二部 原発をめぐるイデオロギー批判」の3章では、低線量被曝を
めぐる「しきい値」イデオロギーを批判し、「安全」イデオロギーによる事故の
隠ぺいを批判し、「ノーマル・アクシデントとしての原発事故」に
いかに向き合うかを語る。》
《「第三部 構造的差別のシステムとしての原発」の3章では、
電源三法がいかにして地方を服従化させ、周縁地域や原発労働者を
構造的差別の下に組み入れたかを解明し、その歴史的起源を系譜論的に
たどりなおし、近代日本国家の「富国強兵」と「殖産興業」にたどり着く。》
《「第四部 公害問題から福島第一原発事故を考える」の3章では、以上の
考察を踏まえて、足尾鉱毒事件に遡行し、「富国強兵」と「殖産興業」の
近代史の悲劇の実相を探り、それがゆえに公害が必ず回帰する
日本現代史(高度経済成長)の必然性を明るみに出す。四大公害は、
単に高度経済成長のひずみだったのではなく、日本国家と資本の
必然的帰結であり、その延長に福島原発事故があったのだ。》
《科学、科学批判、技術、技術批判、政治、経済、歴史、環境などあらゆる
角度から原発問題に迫った末の「結論 脱原発の哲学」では、脱原発、
脱被曝の理念をいかに構築し、具体化するか、そして脱原発の実現と
民主主義をいかに考えるか、つまり「脱原発によってどのような社会を
実現すべきか」に及ぶ。「原子力国家」あるいは「管理された民主主義」から
「分権的で直接民主主義的な根源的民主主義へと変革すること」》
『●烏賀陽弘道さん
『ヒロシマからフクシマへ原発をめぐる不思議な旅』読了』
《核兵器をタブーの領域に押し込めた。双子の兄弟の一人を
「いないこと」にしてしまった。原発と核兵器の「血のつながり」を
論ずることはタブーになった》
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【http://www.asahi.com/articles/ASJ8B6DJVJ8BPLFA00V.html?iref=comtop_8_01】
伊方原発3号機が再稼働 新規制基準下で3カ所目
2016年8月12日09時08分
四国電力は12日午前、伊方原発3号機(愛媛県、出力89万キロワット)を再稼働させた。これで国内で運転中の原発は九州電力 川内1、2号機(鹿児島県)に続き、計3基となる。
12日午前9時、伊方3号機の中央制御室で作業員が核燃料の核分裂反応を抑える制御棒を引き抜く操作をし、原子炉を起動させた。15日に発電と送電を始め、9月上旬には営業運転に入る予定だ。
燃料に使用済み核燃料から取り出したプルトニウムとウランの混合酸化物(MOX)燃料を使うプルサーマル発電の原発だ。伊方3号機が動くのは、定期検査で止まった2011年4月以来、5年3カ月ぶり。
東日本大震災後の新たな原発の規制基準下では、川内の2基と関西電力 高浜3、4号機(福井県)に続き、3カ所5基目の再稼働となるが、高浜の2基は3月に大津地裁の運転差し止め仮処分決定を受けて停止している。
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東京新聞の記事【四国電力伊方3号機核燃料装填へ 7月26日にも再稼働】(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2016062401001071.html)。
《四国電力は24日午前、伊方原発3号機(愛媛県伊方町)の原子炉に核燃料を装填する作業を始めた》。
熊本大分大地震がまだ続いているというのに、正気か? しかも、プルサーマル。核発電「麻薬」患者の救いの無さ。破滅的思考。原子力「ムラ寄生」委員会=原子力「規制緩和」委員会(©東京新聞)や電力会社、自公議員、……、等々、(言葉が悪くて、すみませんが)はっきり言って、アタマオカシイのでは?
『●「原発さえなければ…」:
それでも川内原発や伊方原発を再稼働したいの?』
『●「伊方原発は、日本一細長いという佐田岬半島の
付け根にあり、その西の海側には約五千人が暮らしている」』
「狂気としか言いようがない……《伊方原発は、日本一細長い
という佐田岬半島の付け根にあり、その西の海側には
約五千人が暮らしている》。こんなところで一体どんな
避難計画を作り得るのか? そんな《住民避難計画を了承》した
そうです。再稼働するためなら、何でもやる「麻薬」患者たち。
カネの亡者。
《安倍晋三首相は「万一事故があった場合は政府として責任を
持って対処する」と強調》……このバカ発言を見て下さい!
東京電力原発人災に一切の「責任」を負わず、いまも無策・無責任に
汚染水を垂れ流し続けているアベ様ら自公議員たちの酷さ。
それを「信頼」したふりをする「地元」首長・議員たち。
言っちゃぁ悪いが、頭の回路が切れているとしか思えません」
『●今中哲二さん「被災した人々にもたらされた災難の大きさは、
放射線測定器で測ることはできない」』
『●熊本大地震…「「いつでも、どこでも、強大な地震は起こる」。
地震国日本では、これこそ社会通念」』
『●「専門家に「常識が通じない」と言わしめた地震」…
いま、「減災」に向け立ち止まって考えるべき』
『●原子力「規制」委員会の田中俊一委員長、
川内原発に「安全上の問題が起きるわけではない」…』
『●高浜「寿命核発電所」延命、「安全より経済優先の時代へと逆戻り」
…「規制緩和」委員会(©東新)』
『●「川内原発を地図からトリミング」というのは
穿ち過ぎかと思ってたら、「アベ様の犬HK」ときたら…』
『●四国電力がそんな破滅的な思考をしていなければ
いいのですが…伊方1号機廃炉の代わりの3号機再稼働?』
==================================================================================
【http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2016062401001071.html】
四国電力伊方3号機核燃料装填へ 7月26日にも再稼働
2016年6月24日 09時42分
四国電力は24日午前、伊方原発3号機(愛媛県伊方町)の原子炉に核燃料を装填する作業を始めた。作業が順調に進めば7月26日に原子炉を起動して再稼働させ、同29日に発電と送電を開始する予定。四国電は8月中旬の営業運転を目指している。伊方原発の近くには中央構造線断層帯が通っており、熊本地震の影響を懸念する声がある。
再稼働すると、新規制基準のもとでは九州電力川内1、2号機(鹿児島県)、関西電力高浜3、4号機(福井県)に続き5基目(高浜は司法判断で運転差し止め中)。高浜と同様、プルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料によるプルサーマル発電を行う。
(共同)
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東京新聞の社説【高浜原発停止 「安全最優先」は本当か】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2016030302000156.html)。
《再稼働に伴う気がかりなトラブルが相次いで、関西電力高浜原発4号機はすぐに停止を余儀なくされた。安全は最優先されたのか。それを確かめない限り、原発再稼働などありえないということだ》。
《住民の不安や疑念が晴れないままの再稼働は危険である》
『●「仏様のおかげ」はもう期待しない方がいい:
高浜原発、「このゴジラが最後の一匹だとは思えない」』
核発電賛成派の「地元」の住民の皆さんに、感想・意見を聞いてみたい。
なぜ命を軽々しく賭して、「たかが電気」のために核発電する必要があるのか? 核発電「麻薬」患者のアベ様ら、関西電力、原子力「寄生」委員会に唆されて、ひどく後悔しておられないだろうか?
この5年間、関電や九電は一体何をしてきたのか? 核発電ゼロの努力を少しでもしたのか? 核発電ありきの「麻薬」状態だったのではないか。
神様、「仏様のおかげ」はもう期待できず、暴発すれば、「地元」に帰還することさえできなくなるというのに…。
『●電力会社やアベ様、原子力「寄生」委員会は「原状回復」して見せよ』
『●2011年の『X年後』:星北斗座長
「現時点で放射線影響は考えにくい」…なんて気安く発言して大丈夫?』
『●原状回復できない現実: 「12万円で、
あとはもう黙ってろ、自然に放射能さがんの待ってろっつうこと」』
『●『放射線を浴びた『X年後』』: ビキニの海に居た
元船員「行動しないと永遠に知る機会を失ってしまう」』
『●「老いた馬」ではなく「狂ったゴジラ」:
「麻薬」患者の関電がプルサーマルに続いて「寿命核発電所」…』
『●いま、核発電所を再稼働する「地元」へ:
立地する地域住民にも染み渡っていた「日本の原発は安全」…』
『●3.11東京電力核発電人災、
菅直人(当時)首相談話草案の全文が公開された』
『●東電核発電人災避難者の《「怒り」と「慟哭」》、
「理由も知らされず避難し、人格が否定された気がした」』
『●第五福竜丸元乗組員大石又七さん
「ビキニと福島はつながっている」「被曝者がたどった道を、福島で…」』
『●今中哲二さん「被災した人々にもたらされた災難の大きさは、
放射線測定器で測ることはできない」』
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【http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2016030302000156.html】
【社説】
高浜原発停止 「安全最優先」は本当か
2016年3月3日
再稼働に伴う気がかりなトラブルが相次いで、関西電力高浜原発4号機はすぐに停止を余儀なくされた。安全は最優先されたのか。それを確かめない限り、原発再稼働などありえないということだ。
拙速だ。急ぎすぎていた。拙速には危険がつきまとう。
先月二十日、4号機の原子炉補助建屋の配管から、放射性物質を含む冷却水が漏れ出した。
配管の弁のナットの緩みが原因だった。外部への影響はなかったが、原子炉を冷やす冷却水の漏出は、重大事故につながりかねない“事件”である。
関電は起動試験を一日遅らせ同種の弁を再点検はしたものの、当初の予定通り二十六日に再稼働。スケジュールを堅持した。
それから三日、タービンを回し、発送電を始めた直後に、発電機や変圧器の異常を知らせる警報が鳴り響き、原子炉は緊急停止した。詳しい原因は、わかっていない。
政府が“世界一厳しい”と自画自賛する原子力規制委員会の審査に通ったあとだけに、住民の不安と疑念はなお募る。
関電幹部らが繰り返す「安全最優先」の掛け声は、むなしく響き、規制委の権威や信用もまた傷ついた。
関電の「スケジュール優先」を不安視する声は上がっていた。
規制委の審査のスピードを、海外の規制当局者は「想像を絶する速さ」と驚いているという。
なぜ、そんなに急ぐのか。原発ゼロで過ごした約二年、日々の暮らしに大きな支障は出なかった。
原発依存度の高いまま、自由化の波にさらされる電力会社の台所への配慮だろうか。
高浜原発3、4号機は、プルサーマル発電による再稼働。プルトニウムを含む使用済み燃料が使われる。核兵器の材料になるプルトニウムの保有を減らしたい政府の意向をくんでのことか。
4号機のトラブルは、スケジュールではなく「安全最優先」の姿勢こそ堅持せよとの警鐘ではないのだろうか。
トラブルの原因究明だけではない。避難対策、免震施設、隣接自治体の同意権、ケーブルの防火対策や原子炉内部の老朽化チェック…など。とりあえず再稼働ありきで先送り、あるいは切り捨ててきたとしか思えないものなどにも「安全最優先」の物差しを当て直し、再検討するべきだ。
住民の不安や疑念が晴れないままの再稼働は危険である。
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東京新聞の山川剛史記者による記事【安全は幻想だった 私の見た福島事故】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201602/CK2016022102000110.html)。
《「日本の原発は安全」との安全神話は、国や電力会社だけでなく、立地する地域住民にも染み渡っていた。 「周りの橋も壊れてないのに、なんで原発が事故になるんだ。そんなはずがあるものか」》。
いま、核発電所を再稼働する「地元」の皆さん、特に、立地30キロ圏内で再稼働に賛成の皆さん、立地する地域住民にも染み渡っていた「日本の原発は安全」という安全神話について、2011年3.11の当時のことを思い出してもらいたい。あれから、わずか5年しか経っていない。《地震と津波だけならこんなことにはならない。放射能のせいだ。見た目は以前と変わらないのに、こんなの異常。むなしい》
『●福井地裁判決「高浜原発3、4号機の再稼働を認めない決定」
…で、再稼働できない」はずなのに?』
『●東京電力原発「人災」は未解決なのに、
川内原発を再稼働しようという愚行』
『●「伊方原発は、日本一細長いという佐田岬半島の
付け根にあり、その西の海側には約五千人が暮らしている」』
『●西川一誠福井県知事が再稼働同意…
福井地裁判決「高浜原発3、4号機の再稼働を認めない決定」なのに?』
『●「電気事業連合会の八木誠会長(関西電力社長)」:
あとは野となれ、山となれ』
『●狂気の伝染、連鎖: 原子力「ムラ寄生」委員会が
お墨付きを与えるのはあの関電の高浜プルサーマル原発』
『●狂気・凶器「プルサーマル発電は新規制基準下では初」
……もう何でもアリな原子力ムラの大暴走』
『●「大切なのは「信頼」だ」…
だからもう病気なんですってば!? 核発電「麻薬」患者』
『●「老いた馬」ではなく「狂ったゴジラ」:
「麻薬」患者の関電がプルサーマルに続いて「寿命核発電所」…』
決して出来もしないことへの皮肉を込めて、東電とアベ様らが「原状回復」して見せるべきだと、訴えたい。福島の「原状回復」をすることもなしに、核発電を口に出来る訳がない。
『●誰も責任をとらない自民党議員・・・・・・
3.11東京電力原発人災以前に逆戻りしていて大丈夫?』
『●東電原発人災の3.11を再び目前に:
「原発事故調書 原因不明、責任不在」でも再稼働できる神経を疑う』
『●東電核発電人災、「だれひとり刑事罰を
問われなくていいのか」? 「市民の正義」無き国ニッポン』
『●「こういうふうにした者たち」とは誰だ?
東京電力原発人災の自覚無き犯罪者たち』
『●原状回復が損害賠償の基本: 東京電力原発人災で
「ふるさとをなくした痛み」は全く癒えていない』
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【http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201602/CK2016022102000110.html】
安全は幻想だった 私の見た福島事故
2016年2月21日 朝刊
(自宅前の畑でできた野菜を見る柴田さん夫婦。
昨年4月に帰還した際は、左後方の物置で暮らしていた
=福島県楢葉町で)
「日本の原発は安全」との安全神話は、国や電力会社だけでなく、立地する地域住民にも染み渡っていた。
「周りの橋も壊れてないのに、なんで原発が事故になるんだ。そんなはずがあるものか」。福島県楢葉町の柴田富夫さん(75)、寿子(としこ)さん夫婦はあの事故で幻想を打ち砕かれ、戸惑いながら友人らとともに栃木県日光市の温泉を目指して逃げた。
その四十年前、富夫さんは東京電力福島第一原発1号機の建設時、コンクリートを流し込む型枠大工として働き、2~4号機でも工事に携わった。寿子さんも、東電の下請け企業が入る企業棟で掃除などの仕事をした。
「東電に依存しない人の方が少なかったんじゃないか。わしらの前の世代は、冬になると東京に出稼ぎに行き、下水管を埋める作業なんかをやっていた。それが原発が来て、出稼ぎは必要なくなり、役場は立派になり、(巨大なサッカー施設の)Jビレッジも建った」
直接的、間接的に経済的な恩恵を受ける中で、柴田さんの頭からは原発にリスクがあることが消えていった。一九八六年四月、旧ソ連・チェルノブイリ原発事故が起きても、二人とも「構造が違うし、あれは別物。日本の原発は安全・安心」と信じていたという。
まさか自分たちがかかわってきた福島第一が自分たちに牙をむき、日光に逃げた後は、四年間も福島県いわき市で仮設住宅暮らしを強いられるとは夢にも思わなかった。
好きな畑仕事もできない仮設暮らしに疲れ、昨年四月、避難指示解除前の長期準備宿泊の段階から自宅に帰った。母屋は屋根が壊れて荒れ果て、解体・建て直しが終わるまで、大きな物置をすみかにした。
ようやく新居が完成し、畑にはハクサイやダイコンなどが実り、明るい生活を取り戻した。ただ、集落内で帰還したのは他に一軒だけ。イノシシが出没するようになり、夜はほぼ真っ暗闇だ。
「地震と津波だけならこんなことにはならない。放射能のせいだ。見た目は以前と変わらないのに、こんなの異常。むなしい」。夫妻の表情が曇った。 (山川剛史)
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東京新聞の記事【高浜1、2号機、新基準に適合 老朽原発が相次ぎ延命も】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201602/CK2016022502000138.html)と、
社説【高浜原発40年超へ 安全文化はどこへ】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2016022502000142.html)、
そして、コラム【筆洗】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2016022502000143.html)。
《原子力規制委員会は…七月七日に運転期間満了を迎える関西電力 高浜原発1、2号機…対策などを進めれば、新規制基準に適合するとの審査書案を了承した。老朽原発が新基準を満たす初めての判断》。
《四十年を超えた関西電力高浜原発1、2号機が、新規制基準に適合と判断された。安全のために定めた「寿命」の原則は、もう、反故にされたのか》。
み~んな、核発電「麻薬」患者、特に、関電は重傷。プルサーマルに続き、今度は「寿命核発電所」を再稼働したいそうだ。アタマオカシイノデハ? 狂っているとしか言えません。
『●関西電力八木誠社長のあの高浜原発:
「プルサーマル原発」に続き「寿命原発」を動かしたいそうです』
『●「値上げ脅迫」: 無策の関西電力・・・
東京電力原発人災以降、一体何をやってきたのか?』
『●川内原発再稼働: 「経済麻薬」=思考停止、
「他の方法で経済発展する手を考えることを放棄させる」』
『●狂気・凶器「プルサーマル発電は新規制基準下では初」
……もう何でもアリな原子力ムラの大暴走』
『●「大切なのは「信頼」だ」…
だからもう病気なんですってば!? 核発電「麻薬」患者』
《原子力規制委員会が老朽化した関西電力高浜原発1、2号機の安全対策に対し、新規制基準に適合していると、判断した。老いた馬をなお走らせるのか》。
「老いた馬」ではなく「狂ったゴジラ」なり。 「愚」を繰り返すニッポン……「このゴジラが最後の一匹だとは思えない」。「仏様のおかげ」にまだ縋ろうとする関電、アベ様、原子力「寄生」委員会、「地元」賛成派、等々。
『●「仏様のおかげ」はもう期待しない方がいい:
高浜原発、「このゴジラが最後の一匹だとは思えない」』
『●「暴走するゾウ、ゴジラを解き放とう
という「愚」」な東電をどのように「信頼」すればよいのか?』
「安全神話」「不老神話」を支えるものが、またしても、経済性とは……原子力「推進」委員会=「寄生」委員会は芯から腐っている。
『●関西電力の「原発再稼働」への言い訳にさせてはいけない』
「原発の稼働が発電コストの低減になるという関電側の主張も退ける。
極めて多数の人々の生存そのものにかかわる権利と、電気代が
高い低いの問題とを並べて論じること自体、許されないと、怒りさえ
にじませているようだ。経済神話の否定である」
「大飯再稼働、差し止め命じる 生存と電気代、同列許さず」
「また、生存権と電気代のコストを並べて論じること自体が「法的には
許されない」ことで、原発事故で豊かな国土と国民生活が取り戻せなく
なることが「国富の喪失」だと指摘。福島事故は「わが国が始まって
以来、最大の環境汚染」であり、環境問題を原発推進の根拠とする
主張を「甚だしい筋違い」と断じた」
「「極めて多数の人の生存そのものに関わる権利と電気代の高い低いの
問題とを並べた議論の当否を判断すること自体、法的には許されない」
として、経済活動よりも生存に関わる人格権を優先した」
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【http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201602/CK2016022502000138.html】
高浜1、2号機、新基準に適合 老朽原発が相次ぎ延命も
2016年2月25日 朝刊
原子力規制委員会は二十四日の定例会合で、七月七日に運転期間満了を迎える関西電力高浜原発1、2号機(福井県)について、原子炉建屋の放射線対策やケーブルの防火対策などを進めれば、新規制基準に適合するとの審査書案を了承した。老朽原発が新基準を満たす初めての判断となった。
東京電力福島第一原発事故後に改正された原子炉等規制法では、原発の運転期間は四十年に制限され、最大二十年間の運転延長は「例外」とされてきたが、早くも例外が認められる見通しとなった。今後、延長を目指す電力会社が相次ぎ、実質的に「六十年廃炉」になっていく恐れがある。
この日の会合で、事務局は、建屋上部に遮へいドームを造り、ケーブルには防火シートを巻き、事故時の対策拠点を新設するなど関電の方針を説明。これらが実行されれば、新基準を満たすとした。委員から若干の質問は出たが、審査書案に異論はなく、議論は十五分ほどで終わった。
規制委は二十五日から三月二十五日まで意見募集を実施して審査書を決定。対策工事の詳細設計や老朽化の審査も進めた上で、延長の可否を決める。
四十年廃炉の原則は二〇一二年、米国の制度も参考にして法制化された。二十年延長の例外規定も設けられたが、当時の細野豪志原発担当相(民主党)は「例外が認められるのは、極めて厳しい。例外中の例外」と明言していた。
四十年超の原発を延命させるためには、新基準で要求される設備を整えるほか、老朽化に伴い原子炉がもろくなっていないか、建屋のコンクリートの強度は十分かなどの審査にもパスすることが求められる。
関電は、1、2号機は出力が八十二万六千キロワット、3、4号機は八十七万キロワットと大きく、新基準などに適応する対策費に四基合わせて約三千百九十億円をかけても採算が合うと判断した。
新基準ができた後、関電美浜1、2号機(福井県)など五基の廃炉が決まったが、いずれも最大五十万キロワット台と比較的小さい。
今後十年のうちに、十五基が四十年を迎え、廃炉か延長か判断を迫られる。しかし、大型化の傾向は明確で、十一基までが八十万キロワット超。もっと新しい原発は百万キロワット超が主流だ。
各社とも方針を明らかにしていないが、採算性を優先すれば、延長を狙ってくる可能性が高い。そうなれば、四十年廃炉の原則は失われることになる。
◆規制委「費用かけ克服」
原子力規制委員会の田中俊一委員長は二十四日の定例記者会見で、老朽原発の関西電力高浜1、2号機(福井県)が新規制基準に基づく審査に適合としたことに関し、「(老朽原発も)費用をかければ技術的な点は克服できる」と述べた。
田中委員長は今後の老朽原発の審査方針について「個々に判断していく」としたほか、高浜原発の追加の安全対策について「新しく原発を造る半分の費用がかかっている。それなりの覚悟があったのだろう」と述べ、関電の対応に一定の評価を示した。
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【http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2016022502000142.html】
【社説】
高浜原発40年超へ 安全文化はどこへ
2016年2月25日
四十年を超えた関西電力高浜原発1、2号機が、新規制基準に適合と判断された。安全のために定めた「寿命」の原則は、もう、反故(ほご)にされたのか。
五年前のあのころに、気持ちを戻してみてほしい。
3・11を教訓として、私たちは繰り返し訴えてきたはずである。
今世紀に入って新たに運転を始めた原発は、東北電力東通1号機など五基しかない。
四十年寿命を厳格に適用し、役目を終えれば直ちに停止、廃炉に向かう。おおむね二〇三〇年代に原発は停止して、北海道電力泊3号機の寿命が尽きる四九年の暮れまでに国内の原発はゼロになる。
その間に、不要になった送電網や港湾施設を活用しつつ、風力や太陽光など再生可能エネルギーを普及させていくべきだ-と。
国民の大勢も、そのように感じていたはずだ。
折しも3・11は、東京電力福島第一原発の1号機が、運転開始四十年を迎えるちょうど半月前。四十年の当日には、原発の廃炉と福島の未来を考えようという市民グループ「ハイロアクション福島原発四十年実行委員会」が、結成イベントを開くはずだった。
廃炉時代は3・11以前から、始まっていたのである。
一二年の年明け早々、当時の民主党政権が「原発の運転期間は原則四十年」の方針を打ち出した。
「ほとんどの原子炉は中性子の照射により四十年で脆化(ぜいか)する」という設計思想に基づいて設定された“寿命”である。
脆化とは「もろくなる」ということだ。
原子炉の心臓部に当たる圧力容器の内側には、核分裂で生じる中性子が当たり続けてもろくなる。つまり、こわれやすくなるのである。その限界が四十年。高レベルの放射能を浴びており、交換も不可能だ。原発の寿命が最長四十年という理屈は通る。
旧式の圧力容器は材質が悪く劣化が早い。四十年も持たないと、前倒しを求める意見も目立つ。
それなのに「一度だけ最大二十年延長できる」という例外規定が、法律に付いてきたのはなぜか。
そして3・11の教訓をこめた新しい原発規制に、なぜそれが踏襲されたのか。
「世界の潮流にならい」というのが政府の説明だった。要は「米国のルールを取り入れた」ということなのだろう。
ところが、本家の米国でさえ、3・11以降、求められる補修や改善に費用がかかり過ぎるとして、延命をやめて、閉鎖、廃炉に踏み切る原発が増えている。二十年という延長期間の方こそ、根拠が薄いのではないか。
◆“不老神話”の誕生か
原子力規制委員会は例外を認める条件として、通常より格段厳しい特別点検や安全対策の大幅な強化を義務付けてはいる。
しかし、心臓部は交換不能、新しい部品のつなぎ目から問題が生じる恐れがあるとの指摘もある。補修による延命にはやはり、限界があるとは言えないか。
経済産業省が昨春示した三〇年の電源構成(ベストミックス)案は、総発電量に占める原発の割合を「20~22%」と見込んでいる。
四十年寿命を守っていては、達成できない数字である。
例外規定の背後には、福島の教訓放棄、安全神話の復活、そして、新増設をも視野に収めた原発回帰の未来が透けて見えないか。
関電は、同じ老朽原発の中でも、出力が低い小型の美浜1、2号機はすでに運転を終了し、美浜3号機を含む中型の運転延長を願い出た=図参照。
安全への配慮からというよりも、補修にかかる費用と再稼働の利益をてんびんにかけ、そろばんをはじいた上での判断だ。
◆工学は寿命を決める
一九五〇年代前半、世界初のジェット旅客機である「コメット」の事故が相次いだ。航空機業界はその反省に立ち「安全寿命設計」という考え方を採り入れた。
たとえば長距離型のジャンボでは、総飛行六万時間、離着陸二万回が“寿命”になるという。
電力業界に安全思想、安全文化が根付いているとは、言い難い。
私たちは、もう一度訴える。
原発の四十年寿命は厳格に守り、円滑な廃炉や核のごみの処分に備えるべきである。
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【http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2016022502000143.html】
【コラム】
筆洗
2016年2月25日
男は街角で動かぬ年老いた馬を見たという。一八八九年一月三日、イタリア・トリノでのことだそうだ。御者がどんなに脅しつけても馬は頑として動かない。御者は烈火のごとく怒り、馬を鞭(むち)で打ち始めた▼見かねた男は駆け寄って御者の仕打ちを止めた。泣きながら馬の首を抱きかかえ、そのまま、倒れた▼男は哲学者のニーチェである。二日後、目を覚ましたが、その時には、精神を完全に病んでいたという。ハンガリーのタル・ベーラ監督による映画「ニーチェの馬」(二〇一一年)で知った。キリスト教的道徳や憐憫(れんびん)に否定的だったニーチェだが、この逸話には同情と優しさがあふれている▼あの白黒映画の馬の哀(かな)しげな顔が、振り払っても浮かんでくる話である。原子力規制委員会が老朽化した関西電力高浜原発1、2号機の安全対策に対し、新規制基準に適合していると、判断した。老いた馬をなお走らせるのか▼原発の運転期間は原則四十年でそれを超える高齢原発の「合格」は初めてという。再稼働には原子炉建屋に放射線を遮るドームを建設することや、ケーブルの火災対策強化など必要だが、それさえもが、老いて休ませるべき馬を動かすための無理で非情な鞭に見えなくもない▼しかもそれは馬ではない。間違いや老朽化による変調など絶対に許されぬ、扱いの難しい装置である。鞭打たれるものが心配である。
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asahi.comの西村奈緒美・佐藤達弥記者による記事【あの灰が降る、ビキニの海にいた 元船員ら被害解明訴え】(http://www.asahi.com/articles/ASJ2M5S7BJ2MPTIL017.html?iref=comtop_list_nat_f01)。
《第二幸成丸…数年後、鼻血が突然出るようになった桑野さんは「周囲に体を悪くしたと思われれば、仕事を失う」と恐れ、誰にも相談しなかった》。
『●映画『放射線を浴びた『X年後』』:
「こんな巨大な事件が、・・・日本人としての資質が問われる」』
《たとえば「第二幸成丸」の乗組員20人中17人が、「新生丸」では
19人中17人が死亡している。それなのに米政府は、200万ドルの
慰謝料を支払うことで“完全解決”を図り、日本政府が受諾し、
一切の調査を打ち切って隠蔽した。翌年から、すべての魚が無検査で
全国の食卓にのぼった》
《山下は語る。「こんな巨大な事件が、全体像が明らかにされないまま
現代史に埋没するなんてことは、日本人としての資質が問われる」と。
この映画から、フクシマの「X年後」が見えてきて誰しも愕然となろう》
『●東電原発人災の『X年後』: 厚生省「1.68ミリシーベルト」
vs 研究者「1400ミリシーベルト」』
『●東京電力原発人災から『X年後』・・・・・・
取り返しのつかないことが現実化してはいまいか?』
『●人類は核と共存できるのか?
『放射線を浴びたX年後』とパグウォッシュ会議』
映画・TVドキュメンタリー『放射線を浴びた『X年後』』。3.11東京電力核発電人災の『X年後』を想像できない、想像しようともしない核発電推進派のニッポンの人達。傲慢で申し訳ないが、「知性」の問題ではないのか? 「反知性」。
人類は核と共存できないことはビキニ環礁での愚かな核実験による、船員らを含む、多くの人々の被害状況を見れば分かっていたはずなのに。そして今、3.11東京電力核発電人災の教訓を活かさず、九電や関電はまたしても暴走を始めた。それを止めるどころか、煽っているとしか思えない、アベ様ら自公議員、野田元首相ら、原子力「寄生」委員会、さらに、賛成する「地元」。最大の人災当事者・東電さえもが、柏崎刈羽原発を再稼働したいそうだ。核発電「麻薬」患者。
『●「原子力は血液」・・・・・・ではなく、「原子力=核」は「麻薬」』
『●原発関連交付金・固定資産税などで
「財政豊かな」玄海町で、3.11東京電力原発人災後初の町長選』
『●関西電力八木誠社長のあの高浜原発:
「プルサーマル原発」に続き「寿命原発」を動かしたいそうです』
『●「値上げ脅迫」: 無策の関西電力・・・
東京電力原発人災以降、一体何をやってきたのか?』
『●川内原発再稼働: 「経済麻薬」=思考停止、
「他の方法で経済発展する手を考えることを放棄させる」』
『●「電力会社と共同での原発PRに、
中立性を疑う指摘も」…「ツーツー」で「ズブズブ」』
『●「伊方原発は、日本一細長いという佐田岬半島の付け根にあり、
その西の海側には約五千人が暮らしている」』
『●湯水のごとくカネ浪費:核燃料サイクルに
十二兆円をドブガネし、今後も毎年千六百億円ずつ増えていく悪夢』
『●全く知恵の無い「もんじゅ」は発電もせずに、
「年間の電力消費量は一般家庭約二万五千世帯分にも上る」』
『●アベ様による「組織的ドーピング」……カネカネカネ病という「麻薬」患者』
『●「こういうふうにした者たち」とは誰だ?
……東京電力原発人災の自覚無き犯罪者たち』
『●浜岡原発という凶器:
砂上にペラペラの壁を造って、な~にが「安全」なのか?』
『●狂気・凶器「プルサーマル発電は新規制基準下では初」
……もう何でもアリな原子力ムラの大暴走』
『●「大切なのは「信頼」だ」…
だからもう病気なんですってば!? 核発電「麻薬」患者』
『●「原発強国」目指す中国の核発電事情:
隣国の愚な轍を踏むべきじゃないというのに…』
『●今中哲二さんも京都大学原子炉実験所を退職』
『●もんじゅ「エサ代」の無残さ: 《ナトリウムを使う
原子炉の解体技術は確立されておらず》…無責任過ぎる』
62年前のあの日の元船員の方は、いま、《行動しないと永遠に知る機会を失ってしまう》と仰っている。何もしようとしないアベ様やその取り巻き自公議員、アベ様の言いなりな原子力「寄生」委員会、その「無策」「無責任」「反知性」…3.11東京電力核発電人災の『X年後』を激しく怖れる。
『●東電原発人災から『X年後』:「自分が壮大なできごとの
参加者だということがわかっているのだろうか」?』
『●黙殺される東電原発人災『X年後』:
「100万人に2~3人という日本の全国平均を大きく上回ったもの」』
『●「マンハッタン計画」の核開発拠点となった
ハンフォードと東京電力核発電人災、それぞれの『X年後』…』
『●星北斗座長「甲状腺がんは放射線の影響とは考えにくい」
…では、何が原因なのか?、を説明して下さい!』
『●2011年の『X年後』:星北斗座長「現時点で
放射線影響は考えにくい」…なんて気安く発言して大丈夫?』
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【http://www.asahi.com/articles/ASJ2M5S7BJ2MPTIL017.html?iref=comtop_list_nat_f01】
あの灰が降る、ビキニの海にいた 元船員ら被害解明訴え
西村奈緒美、佐藤達弥 2016年2月22日11時09分
(「第二幸成丸」に乗っていた桑野浩さん=高知市)
(武政昭善さんの遺影を手に話す妻の弘子さん
=高知県土佐清水市)
(「第十一高知丸」の甲板で仲間と写真におさまる
武政昭善さん=1955年4月1日、妻・弘子さん提供)
(父が「第七大丸」に乗っていた下本節子さん=高知市)
あのとき、私たちも、あの海にいた――。マーシャル諸島ビキニ環礁でマグロ漁船「第五福竜丸」が被曝(ひばく)した米国の核実験から、3月1日で62年。周辺海域にいた船の元乗組員らが事実上の「労災認定」を求め、船員保険を申請する。長い歳月を経ても消えない「核の被害」を訴えるために。
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核実験で被曝、船員保険を集団申請へ 高知の元乗組員ら
特集:核といのちを考える
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「仲間の死の理由が少しでも分かるきっかけになれば」。桑野浩(ゆたか)さん(83)=高知市=はそう考え、船員保険の申請を決めた。
第五福竜丸が被曝した1954年3月1日、桑野さんが乗る「第二幸成丸」もビキニ環礁の周辺海域にいた。甲板にいた時、黒っぽい灰のようなものが降ってきた。「ハワイの火山が爆発でもしたかな」。ほかの乗組員と顔を見合わせ、首をかしげた。
この日から5月までの約3カ月間、米国はマーシャル諸島で6回の水爆実験を繰り返していた。だが、桑野さんらには何の事前の連絡もなかった。数年後、鼻血が突然出るようになった桑野さんは「周囲に体を悪くしたと思われれば、仕事を失う」と恐れ、誰にも相談しなかった。
40歳をすぎたころ、第二幸成丸に乗っていた仲間たちが相次いで亡くなった。「次は自分か」とやけになり、酒量が増えた。12年前に胃がんを患い、昨年は心筋梗塞(こうそく)になった。
自分の病気や仲間の死が核実験と関係があるのか分からない。ただ、行動しないと永遠に知る機会を失ってしまう――。桑野さんの今の思いだ。
■ □ ■
80歳だった2年前に肺塞栓(そくせん)で亡くなった武政昭善(あきよし)さんは「第十一高知丸」に乗り、54年2月18日に神奈川・浦賀を出港。54年3月1日は第五福竜丸や第二幸成丸と同じように、ビキニ環礁の周辺にいた。
………。
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東京新聞の記事【核のごみ 行き場見えず 9府県の知事、中間貯蔵施設受け入れ「拒否」】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201601/CK2016012802000137.html)。
《受け入れを「前向きに検討する」とした知事はなく、九府県が「拒否」と答えた。高浜原発は再稼働後、使用済み核燃料の貯蔵プールが七~八年で満杯になる見通しで、中間貯蔵施設の建設は喫緊の課題だが、実現の難しさが浮き彫りになった》。
「あとは野となれ、山となれ」とは、呆れるね。1分、1秒も再稼働なんてやってはいけないというのに。
『●「電気事業連合会の八木誠会長(関西電力社長)」:
あとは野となれ、山となれ』
『●狂気の伝染、連鎖: 原子力「ムラ寄生」委員会が
お墨付きを与えるのはあの関電の高浜プルサーマル原発』
『●狂気・凶器「プルサーマル発電は新規制基準下では初」
……もう何でもアリな原子力ムラの大暴走』
東京新聞の社説【浜原発再稼働 信頼を結べぬままに】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2016013002000131.html)によると、《絶対の安全などないという。だとすれば、大切なのは「信頼」だ。その信頼を結べぬままの関西電力 高浜原発(福井県)再稼働。何をそんなに急ぐのか》? ……だからもう病気なんですってば!? 核発電「麻薬」患者。
『●使用済み核燃料プールが満杯になったらどうするの??』
『●2030「年代」原発ゼロと原発建設再開』
『●ネズミ騒動、それともタコの足か? 原発の想定不適当事故!?』
『●当事者能力がなくなっても原発を動かしたいという中毒症状』
『●「原発事故調書 原因不明、責任不在」:
川内原発再稼働なんてやってる場合か!』
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【http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201601/CK2016012802000137.html】
核のごみ 行き場見えず 9府県の知事、中間貯蔵施設受け入れ「拒否」
2016年1月28日 朝刊
関西電力が二十九日に予定する高浜原発3号機(福井県高浜町)の再稼働を前に、本紙は全国四十七都道府県の知事に、原発から出る使用済み核燃料の中間貯蔵施設の受け入れについてアンケートした。受け入れを「前向きに検討する」とした知事はなく、九府県が「拒否」と答えた。高浜原発は再稼働後、使用済み核燃料の貯蔵プールが七~八年で満杯になる見通しで、中間貯蔵施設の建設は喫緊の課題だが、実現の難しさが浮き彫りになった。
「拒否」の九府県は山形、福島、新潟、京都、徳島、香川、高知、熊本、沖縄。残りは「どちらでもない」が茨城、神奈川、埼玉、千葉、静岡など十六道県で、「無回答」が東京、群馬、栃木、大阪など二十二都府県だった。
回答理由としては、「拒否」では自然災害に対する懸念や、福島第一原発事故後に高まった原発に対する住民の不安などを挙げる意見があった。
「どちらでもない」では「現時点で想定しておらず、受け入れに関する検討も行ったことはない」(秋田)との声があり、判断するための議論すらまったく進んでいない現状が浮かぶ。
「無回答」では「国が責任をもって進めるべきだ」(愛知)などと、判断を避けるケースが目立った。
高浜原発が立地する福井県の西川一誠知事は再稼働に同意する際、施設の県外立地に向けた国の関与を挙げていた。西川知事はアンケートではすべての質問に回答せず、その理由も示さなかった。
アンケートは今月八~二十日に書面で実施した。
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東京新聞の記事【関電、高浜3号機29日夕再稼働 新基準下初のプルサーマル】(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2016012501001564.html)。
《関西電力は…高浜原発3号機(福井県)の原子炉を29日夕方に起動し、再稼働…》。
『●狂気の伝染、連鎖: 原子力「ムラ寄生」委員会が
お墨付きを与えるのはあの関電の高浜プルサーマル原発』
「クソッタレな関西電力や原子力「ムラ寄生」委員会は、
福井地裁判決を何だと思っているのか。川内原発の
再稼働を許せば、「狂気・凶器」は伝染、連鎖する。しかも、
「関西電力の八木誠社長が高浜原発(福井県)について、
プルトニウムとウランを混ぜたMOX燃料を使う
「プルサーマル発電」を前提に再稼働を申請」
(『●もんじゅ周辺の住民はそんなことを望んでいるの?』)
しており、「狂気・凶器」の2乗、3乗のドアホウブリ。
誰か、金の亡者・「電気事業連合会の八木誠会長
(関西電力社長)」の大暴走を止めて下さい。」
原子力ムラが大暴走……もう「狂気」としか思えません。「凶器」なプルサーマルを再稼働だそうです。「地元」の気が知れない。核発電「麻薬」患者です。
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【http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2016012501001564.html】
関電、高浜3号機29日夕再稼働 新基準下初のプルサーマル
2016年1月25日 13時40分
関西電力は25日、高浜原発3号機(福井県)の原子炉を29日夕方に起動し、再稼働させると明らかにした。原子力規制委員会に日程を届け出た。31日には4号機に核燃料を装填する予定。
新規制基準施行後、九州電力川内原発1、2号機(鹿児島県)に次いで3基目の再稼働で、プルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料を使用するプルサーマル発電は新規制基準下では初。
関電によると、29日は原子炉の核分裂を抑える制御棒の駆動検査などの後、原子炉を起動する。
3号機は昨年12月にMOX燃料24体を含む157体の燃料集合体が原子炉に装填され、最終工程に入っていた。
(共同)
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毎日新聞の記事【玄海原発:MOX燃料使用差し止め請求を棄却 佐賀地裁】(http://mainichi.jp/select/news/20150321k0000m040152000c.html)。
「波多江真史裁判長は「重大事故の危険性は認められない」として請求を棄却」。
九電あるいは原子力「ムラ寄生」委員会は「MOXの安全性の立証」をできたの!? 裁判長はそれを納得? 「プルトニウムは飲んでも大丈夫」だから?? この裁判長の名は記憶されなければいけない。
『●玄海原発プルサーマル
賛成派質問者8人中7人が仕込みだった!』
『●ババをつかまされた!?』
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【http://mainichi.jp/select/news/20150321k0000m040152000c.html】
玄海原発:MOX燃料使用差し止め請求を棄却 佐賀地裁
毎日新聞 2015年03月20日 23時50分(最終更新 03月21日 00時00分)
(佐賀地裁前で「不当判決」の旗を掲げる原告
=佐賀市で2015年3月20日午後3時13分、松尾雅也撮影)
◇「重大事故の危険性は認められない」
九州電力玄海原発3号機(佐賀県玄海町)のプルサーマル発電で用いられるプルトニウムとウランの混合酸化物(MOX)燃料の使用差し止めを、市民が求めた訴訟の判決が20日、佐賀地裁であった。波多江真史裁判長は「重大事故の危険性は認められない」として請求を棄却した。市民側は控訴する方針。
九電は2009年、国内初のプルサーマル発電の営業運転を始めた。これに対し、反対する市民が▽MOX燃料は従来の原発の燃料のウランより制御が難しく、重大事故につながる▽使用済みMOX燃料の処理方策が決まっておらず長期保管されることになり、健康、環境被害の危険性がある−−などと主張し、10年8月に提訴した。原告団は九州7県の129人。
判決は、ウランとMOX燃料は同等と評価でき、市民側が主張する燃料溶融や原子炉容器破壊の危険は認められないと指摘。使用済みMOX燃料の保管についても貯蔵設備は原子力規制委員会などの基準を満たしており「具体的危険が立証されていない」として市民側の主張を退けた。
MOX燃料に対する司法判断としては、01年3月に福島地裁が、東京電力福島第1原発3号機での使用差し止めを求める仮処分申請を却下している。
国内のプルサーマル発電は福島第1原発や四国電力伊方原発(愛媛県伊方町)、関西電力高浜原発(福井県高浜町)でも運転が始まったが、11年の福島第1原発事故以降すべて停止した。
玄海原発のプルサーマル導入を巡っては、05年の佐賀県主催の公開討論会で、九電側が計画推進のための「仕込み質問」や社員らの動員をしていたことが11年に発覚。県議会は今年3月、県の対応を批判する決議を可決した。【生野貴紀、岩崎邦宏】
九州電力のコメント MOX燃料使用に関し安全性を確保しているとの当社の主張が認められ、妥当な判決だと考えている。更なる安全性、信頼性向上への取り組みを自主的、継続的に進める。
原告団の石丸初美団長の話 不当な判決で怒りがこみ上げてきた。原発の問題は命の問題で、経済の問題ではない。ここで諦めることはできず、怒りをエネルギーにして闘っていきたい。
◇MOX燃料とプルサーマル
使用済み核燃料を再処理してプルトニウムを抽出し、ウランと混ぜたものがMOX燃料と呼ばれる。プルサーマルはMOX燃料を通常の原発(軽水炉)で使用することを意味する造語。国のエネルギー基本計画は核燃料サイクルの推進を基本的指針としており、プルサーマルはその一環として位置づけられている。
◇専門家「処分方法を議論する必要ある」
玄海原発3号機のMOX燃料使用差し止めを求めた訴訟で佐賀地裁は原告の請求を棄却し、国が進めるプルサーマル計画にお墨付きを与えた格好となった。しかし、使用済みMOX燃料の最終処分のめどはたっておらず、専門家からは「核燃料サイクルの継続でなく、処分方法を議論する必要がある」と慎重さを求める声もあがる。
福島第1原発事故後、全国の原発は停止しているが、プルサーマル発電を実施していた高浜原発は今年2月、原子力規制委員会の新規制基準に基づく安全審査に合格し、11月の再稼働に向けた準備が進む。Jパワー(電源開発)が青森県大間町で建設を進める大間原発は全炉心にMOX燃料を使う世界初のフルMOX商業炉だ。
だが、使用済みのMOX燃料は通常の原発の使用済み燃料より扱いが難しいとされ、その最終処分は方策すら決まっていない状態。今回の訴訟で市民側は「使用済み燃料が長期保管されれば、漏えいや地震による事故の恐れがある」と訴えていた。
元内閣府原子力委員長代理の鈴木達治郎・長崎大核兵器廃絶研究センター教授は「プルサーマルはプルトニウムの在庫を減らす唯一の現実的な選択肢だが、使用済みMOX燃料の行き先が決まっていないのが一番の問題だ」と懸念している。【生野貴紀、岩崎邦宏】
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東京新聞の社説【大間と高浜 30キロ圏内の声を聴け】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2014122002000133.html)。
『●「原発事故調書 原因不明、責任不在」:
川内原発再稼働なんてやってる場合か!』
「衆院選終了早々、大間原発の新規制基準への適合審査が原子力規制委員会に申請された。でも忘れないで。多くの人は原発依存を望んでいないし、隣接地域の住民は事故への不安を抱えたままだ」。
「原発事故調書 原因不明、責任不在」・・・・・・自公政権に投票するということ、投票を棄権するということはこういうこと。アベ様や原子力「ムラ寄生」委員会のやりたい放題。
それに「地元」に住む我々の意見を聞きに来てはいない。日本中が「地元」です。
「麻薬」患者=関西電力の暴走を許容する議員たち・・・・・・先の2014年12月衆院選挙で「叩き落とす」以外なかったはずなのに、救いようがないニッポン。
『●「お金はいらない、この海の恵みを受けて暮らしたい」:
大間原発のあさこハウスと上関原発の祝島』
『●電源開発大間原発建設という暴走:
3.11東京電力原発人災で「地元」とは?、を知ったはず』
『●大間原発の暴走:
「地元」の定義の拡大に鑑み、「国民すべての理解が不可欠」』
『●「闘うアート」 『週刊金曜日』
(2014年4月18日、988号)についてのつぶやき』
『●「言葉を鍛える。」 『週刊金曜日』
(2014年8月1日、1002号)についてのつぶやき』
『●「回らない核のサイクル」六ヶ所村:
どちらも「地獄」という二択だったのか?』
『●「世界初のフルMOX原発で、年に約一トンのプルトニウム」を
燃焼させて「安全」と言い得る自信に慄く』
『●関西電力八木誠社長のあの高浜原発:
「プルサーマル原発」に続き「寿命原発」を動かしたいそうです』
『●「世界初のフルMOX原発で、年に約一トンのプルトニウム」を
燃焼させて「安全」と言い得る自信に慄く』
『●60年間稼働させたい高浜原発: 「電気代が高い低いの問題とを
並べて論じること自体、許されない」』
『●暴走し続ける原子力「ムラ寄生」委員会』
『●「原子力は血液」・・・・・・ではなく、「原子力=核」は「麻薬」』
『●狂気の伝染、連鎖: 原子力「ムラ寄生」委員会が
お墨付きを与えるのはあの関電の高浜プルサーマル原発』
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【http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2014122002000133.html】
【社説】
大間と高浜 30キロ圏内の声を聴け
2014年12月20日
衆院選終了早々、大間原発の新規制基準への適合審査が原子力規制委員会に申請された。でも忘れないで。多くの人は原発依存を望んでいないし、隣接地域の住民は事故への不安を抱えたままだ。
国内には、建設中の原発が三基ある。
中国電力島根3号機(松江市)と東京電力東通1号機(青森県東通村)、そして電源開発(Jパワー)の大間原発(同県大間町)である。
大間原発は、二〇〇八年五月に着工し、一四年十一月の営業運転を見込んでいたが、福島原発事故で建設が中断され、一二年十月に工事再開した。
大間原発は、フルMOXと呼ばれる世界初の特別な原発だ。
MOX燃料は、原発で使用済みの核燃料からプルトニウムを取り出して、普通のウランを混ぜたもの。それを再び原発で燃やすのがプルサーマル発電だ。
通常のプルサーマル発電では、MOX燃料の割合は多くて三分の一までだった。ところが大間は、MOX燃料100%で運転できる。原爆の材料になるプルトニウムの“焼却炉”として、建設を急がされているようにも見える。
プルサーマルより危険性が高いとの指摘もある。世界初のことだけに、住民の不安はより強い。
原発推進に戻った自民党は、衆院選で大勝した。しかし、国民の多くが、将来的には、原発への依存から脱却したいと望んだままだ。原発を新たに造れば、その意思に背くことになる。
大間原発から対岸の北海道・函館は、最短だと二十三キロしか離れていない。3・11後、原発事故時の避難計画策定を義務付けられた三十キロ圏内だ。函館市の工藤寿樹市長は四月、「私たちを全く無視している」と、国とJパワーを相手取り、建設差し止めを求めて東京地裁に提訴した。その不安と憤りをさらに無視するような審査の申請ではなかったか。
申請の翌日、規制委は、関西電力高浜3、4号機が事実上、3・11後の新基準に適合するとした。
高浜原発の三十キロ圏は福井、京都、滋賀の三府県をまたぐ。京都も滋賀も、立地自治体並みの安全協定を求めている。
規制委の田中俊一委員長は、川内原発の時と同様、「安全か、安全じゃないかという表現はしない」と繰り返す。だとすれば、立地や稼働の条件として、最低でも三十キロ圏内の同意を得ることを、法的に義務付けるべきではないか。
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東京新聞の記事【高浜原発再稼働へ 関電、補正書提出 規制委、審査書案作成入り】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2014110102000129.html)。
「これまでに原子力規制委員会から指摘された事項を反映させた審査申請書の補正書を規制委に提出した。規制委は補正書を基に合格証にあたる審査書の案の作成に入る。事実上、審査合格のめどが立った」。
『●関西電力大飯原発再稼働差し止め、画期的勝訴:
もし敗訴していたら大変なことに・・・・・・』
『●「上級審では国側が勝つこの国の裁判」
・・・・・・今度こそ、福井地裁の名判決を活かしたい』
『●関西電力の「原発再稼働」への言い訳にさせてはいけない』
クソッタレな関西電力や原子力「ムラ寄生」委員会は、福井地裁判決を何だと思っているのか。川内原発の再稼働を許せば、「狂気・凶器」は伝染、連鎖する。しかも、「関西電力の八木誠社長が高浜原発(福井県)について、プルトニウムとウランを混ぜたMOX燃料を使う「プルサーマル発電」を前提に再稼働を申請」(『●もんじゅ周辺の住民はそんなことを望んでいるの?』)しており、「狂気・凶器」の2乗、3乗のドアホウブリ。誰か、金の亡者・「電気事業連合会の八木誠会長(関西電力社長)」の大暴走を止めて下さい。
『●「電気事業連合会の八木誠会長(関西電力社長)」:
あとは野となれ、山となれ』
『●原発再稼働という危険な選択』
『●本当に大飯原発を再稼働させて良かったのか?』
『●原発を動かしたいがための「脅し」値上げ』
『●来るところまできた原発推進、
3.11東京電力原発人災は一体何の教訓をもたらしたのか?』
『●所詮机上の空論、原発など動かさないことが最良の道』
『●「技術的には危険、経済的には損、
資源的には何の意味もない」プルサーマル』
『●「品格」と「資質」: それを許す支持者や自公投票者の問題』
『●もんじゅ周辺の住民はそんなことを望んでいるの?』
『●原子力「推進」委員会であり、「規制」委でもなく、「寄生」委員会(1/2)』
『●暴走し続ける原子力「ムラ寄生」委員会』
『●「原子力は血液」・・・・・・ではなく、「原子力=核」は「麻薬」』
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【http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2014110102000129.html】
高浜原発再稼働へ 関電、補正書提出 規制委、審査書案作成入り
2014年11月1日 朝刊
関西電力は三十一日、再稼働を目指す高浜原発3、4号機(福井県)について、これまでに原子力規制委員会から指摘された事項を反映させた審査申請書の補正書を規制委に提出した。規制委は補正書を基に合格証にあたる審査書の案の作成に入る。事実上、審査合格のめどが立った。
原発の新規制基準が導入されて以来、審査書案の作成まで進んだのは九州電力川内(せんだい)1、2号機(鹿児島県)に続き二例目。ただ、今後も工事計画の認可や検査、地元同意などの手続きが必要で、再稼働は来春以降になるとみられる。
田中俊一委員長はこれまで「(審査書案の作成入りは)合格の見通しが立ったととらえていい」との見解を示している。
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