東京新聞の記事(http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/news/CK2012032402000035.html)と社説(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012032490071046.html)。asahi.comの記事(http://www.asahi.com/politics/update/0324/TKY201203230742.html)。
浜岡原発の新設については「当面」「いったん」がポイント。「一切」「永久に」取りやめる訳ではない。
一方、大飯原発については、結局、「yes」。最初から結論ありき。ストレステストなんていう茶番をやらせてはいかんでしょう。今後は、「地元」の範囲を狭く絞り、「政治決断」によって再稼働するのでしょう。いい加減な国です。
CML(http://list.jca.apc.org/public/cml/2012-March/015733.html)で知りました。「プラント技術者の会」が、小冊子『原発・危険な再稼働への道―ストレステストQ&A』を作成したそうで、下記でPDFを入手可能。
「http://park1.aeonnet.ne.jp/~foisj/stpamph.pdf」
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【http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/news/CK2012032402000035.html】
浜岡6号機 新設、当面取り下げ
2012年3月24日 朝刊
中部電力は、国へ提出する二〇一二年度の電力供給計画から、従来は運転開始時期を「平成三十年代前半」と表記してきた浜岡原発6号機(静岡県御前崎市)の新設計画をいったん取り下げる方向で最終調整している。月内に正式決定し、発表する。
中電は政府の要請で昨年五月に全面停止した浜岡原発の三基の運転再開を目指し、防波壁などの津波対策工事を進行中。首脳は「既存の三基の再稼働時期が見通せない中、6号機の運転開始時期を合理的に示すことは難しい」と話した。新設方針そのものを撤回するわけではないという。
電力会社に毎年提出が義務付けられている供給計画では、今後十年間の電力需要と供給力の見通しに加え、十年間に新設する発電所の運転開始の年月を表記する。
中電は昨年三月の福島第一原発事故直後、原発の安全性に対する社会不安が広がったため、当初一五年としていた6号機の着工時期を一六年に一年先送りした。新設に必要な環境調査の一環として始めたオオタカなど猛きん類調査も昨年四月に中断していた。
ただ、福島の事故を受けて政府は、エネルギー基本計画を白紙から見直す作業を進めている。野田佳彦首相は原発の新設を「現実に困難だ」と慎重な姿勢を示しており、6号機の新設が実現するかどうかは不透明だ。
中電は〇八年、浜岡原発1、2号機の廃炉と6号機の新設計画を発表。昨年五月には政府の要請で、運転中だった4、5号機も停止した。定期検査中の3号機も含め、現在は全基が止まっている。
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【http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012032490071046.html】
大飯原発再稼働 すべて条件付き「イエス」
2012年3月24日 07時10分
関西電力大飯(おおい)原発(福井県おおい町)3、4号機の安全評価(ストレステスト)の一次評価で、原子力安全委員会は二十三日の臨時会合で、経済産業省原子力安全・保安院が妥当とした判断を了承した。再稼働に向けた手続きが一つ進んだ形だが、安全委の報告書は、大飯原発は安全と判断されたのか、そうでないのか読み取れない。これで地元の了解が得られるのか、疑問の残る結果となった。
「要するに、すべて『yes(イエス) but(バット=しかし)』なんです」
班目(まだらめ)春樹委員長は同日の記者会見で、安全委の報告書についてこうコメントした。つまり、以前に比べて安全性が増した部分はあるが、簡易版の一次評価だけでは分からない部分がいろいろある-ということだ。
ただ、報告書で「イエス」の部分を探しても、多くは見つからない。全交流電源喪失など危機的な状況も想定した評価手法が取り入れられたことや、非常用電源車の高台への配備など東京電力福島第一原発事故を受け導入された緊急安全対策に一定の効果があると確認されたことなどを挙げたくらいだ。
これに対し、「バット」の部分の方が圧倒的に多い。今後の安全対策への注文は二十七項目にも及び、報告書の半分以上を割いた。
最大の注文は「一次評価は簡略な方法にすぎない。被害拡大を防ぐ対策までを検証する二次評価を速やかに実施すべきだ」と求めたこと。これは、かねて班目氏が主張する「一次評価だけでは総合的な安全性評価はできない」をそのまま書いたものだ。
過酷事故(シビアアクシデント)対策はこれまで電力事業者の自主的努力と位置づけ、任せきりにしていた点も指摘し、今後、規制官庁がきちんとチェックできるか疑問を投げかけた。福島事故を機に、断層や津波のメカニズムなど新たな科学的な事実が掘り起こされており、最新の事実に基づいた安全性向上の努力を続けることが肝要とも説いた。
大飯原発3、4号機は、一次評価の技術的な安全確認が終わった初めてのケース。
安全委として再稼働にお墨付きを与えたのか-。この点に記者の質問が集中したが、班目氏は「安全性の確認は保安院の責任。そちらに聞いて」と、責任回避とも受け取られる答えを繰り返した。
(東京新聞)
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【http://www.asahi.com/politics/update/0324/TKY201203230742.html】
2012年3月24日5時51分
大飯原発、再稼働手続きへ 野田政権、4月から地元説得
野田政権は23日、内閣府原子力安全委員会が関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の安全審査を認めたことを受け、再稼働に向けた検討を始めた。来週中にも関係閣僚で安全性を確認し、再稼働可能と判断。4月上旬にも地元自治体の説得に入る。再稼働に反対する大阪市の意向も考慮する考えで、早期に踏み切れない可能性もある。
政権が原発再稼働の前提としているストレステスト(耐性評価)の1次評価について、原子力安全委は23日、大飯原発3、4号機を「妥当」とした経済産業省原子力安全・保安院の審査を認める文書を公表した。安全委による確認は初めて。大飯原発の再稼働に向けた、国の技術的な安全性の確認作業は完了した。
これを受けて、藤村修官房長官は23日夕の記者会見で「まず技術的な分野について、政府としてヒアリングしないといけない」と表明。原子力安全委などの判断を確認したうえで、再稼働の検討に入る。
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