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●小出裕章さんの謝罪

2011年06月09日 01時04分50秒 | Weblog


小出裕章さんが福島みずほ福島瑞穂)さんと対談した映像(http://www.youtube.com/watch?v=vFvctxE8ye0)。

   『福島みずほ対談11 小出裕章さん「原発停止に全力を」
     【http://www.youtube.com/watch?v=vFvctxE8ye0

 4月末の時点での、ほとんどの福島第一原発メルトダウンや原子力発電所の問題点が網羅。
 まず、開始1.5分頃の映像。小出さんは謝罪の言葉を述べられ、頭を下げられました。こちらこそ頭が下がります。尊敬すべき真摯な研究者・科学者であることが分かります。「原発を廃止するために研究してきた」研究者である小出さんの謝罪に、福島さんも少し面喰われたようです。
 子供を守るべき文科省までが年間20ミリシーベルトを黙認・容認してしまったことへの怒り。
 東電の(無)計画停電は、電気詐欺・停電による脅し。「汚いやり方だ!」。九州電力の社長も、腹立たしいことに、同じ手口を使おうとしているように私には思える。九州の皆さん、騙されてはいけない。 
 送・発電の分離の必要性。

 小池さんの講演会での落合恵子さんの発言が思い出される。「いま、「脱原発」を口にすると仕事がなくなる(http://hiroakikoide.wordpress.com/2011/05/13/7gei-may13/の6から7場番目の映像)」。そんな中で、最善を尽くしいてこられた小池さんをはじめ〝熊取6人組〟の皆さん、その他の原発反対を唱えてこられた方々に、本当に頭が下がる。自民党政治屋の皆さんをはじめとして原発を推進して甘い汁を吸ってこられた方に、この講演会の最後(8番目の映像の中盤、7分目頃)に流された姫野洋三氏「若狭の海」(http://www.youtube.com/watch?v=sEtjithaUIY&feature=player_embedded)を聞いてみて欲しい。

 福島瑞穂さんとの対談は、映像も含めて、WP『小出裕章(京大助教)非公式まとめ/京大原子炉実験所助教 小出裕章氏による情報』(http://hiroakikoide.wordpress.com/)に要約が貼り付けられている。孫引きさせてもらいます。

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http://hiroakikoide.wordpress.com/2011/04/30/mizuho-apr29/

429日 小出裕章氏と福島みずほ氏の対談

社民党の福島みずほ氏と小出裕章氏が2011年4月29日に対談された模様が、動画で公開されていることを、コメント欄でお知らせいただきました。ありがとうございます。福島氏が熱くなってしゃべりすぎの印象もありますが、ご紹介します。


【福島みずほ連続対談 「脱原子力」・自然エネルギーの促進へ 11】
(2011年4月29日)
京都大学原子炉実験所助教 小出裕章さん
「原子力発電を止めることに全力を尽くす時」



福島みずほ対談11 小出裕章さん

要約

福島)東電原発事故についてどう思うか?

小出)日本が原子力を選択してここまで来たが、そういう選択をするとこういう事故がいつか起きると私は思っていた。事故が起きる前に原子力を廃絶したいと思い続け、40年そう言い続けてきたが、国家の圧倒的な力の前に敗北してきた。いまの事態を見ると言葉にならないほど悔しい。原子力に携わってきた人間の一人として、こんなことを招いた責任は私もある。お詫びしたい


福島原発を推進してきた学者16人が謝罪した。それは真剣だったと思うが、謝罪するならば推進を止めてほしいと思う。今回の事故は人災であり政治災害。自分もずっと脱原発、反原発を続けてきたし、代替エネルギーも進めてきた。が、事故は起きた。無念。政策転換をすべき。がんばりたい。

小出)福島さんが、政治という魑魅魍魎が跋扈するとんでもない世界で反原発の立場を貫いていることはありがたい。産官学が一体になって原子力が推進される中で、どんな抵抗も力を持ち得ないという状況が続いた。推進派が絶対起きないとしていた事故がいま現在進行している。推進の旗を降ってきた16人が謝罪をしたのは結構だが、言葉だけではだめで、行動してもらいたい。原子力を止めるために力を出すべき。


福島)真剣な謝罪は評価するが、変えることが大切。福島だけでなく、浜岡原発を止めるといったことも必要だし、そういうことに尽力してほしい。また、事故評価がレベル7になったが、3月11日の時点で冷却が止まったということを政府は認識していたのに、当時はレベル4と言い、「ただちに影響はない」としており、すごいギャップがあった。今回の事故と事故への対応についてどう思うか?

小出)推進派が「想定不適当事故」としていたような事故が実際に起きた。まず「想定不適当」と言ってきたことを取り消してもらう必要がある。これからもそういう事故を原発では想定してもらわないといけない。対応については、3月11日の時点で大変な事故ということは認識していたはずだが、関係者には事故を小さく見せたいという力学があり、私も他の専門家も最初からレベル6から7だろうと思っていたが、過小な評価となっていたことが問題。


福島)ベントや海水の排出をする前に通知するなど、出来ることがされていなかった。いのちに対する重大性を伝え、情報を正確に伝える必要はあったのに、「ただちに影響ない」で終わってきたことは検証が必要。学者が推進してきたことも大きい。保安院はお墨付きを与えてきたが無力だった。浜岡の耐震設計については保安院でさえゴーサインを出していない。これから防潮壁をつくる、ではなく、できていないなら止めるべき。保安院も経産省も方向を変えるべき。安全委員会は全員辞任してもいいくらい。

小出)私は正直言えば歴代の原子力委員会と原子力安全委員会の委員を全員刑務所に入れたいくらい。


福島)いまは基準が1ミリシーベルトから20ミリシーベルトに上げられるという大変な事態。交通事故も大変なことだが、これはまた違うレベルの話。

小出)日本では法律で1ミリシーベルトとされているが、緊急だと言って行政は20ミリシーベルトまで許容範囲だと変えた。普通の人に被曝を強要する基準を作ることはあってはならない


福島)原子力安全委員会および文科省とは、20ミリシーベルトについて交渉しているが、平行線。作業員は100ミリから250ミリで2.5倍だが、一般の人は1から20で20倍。これは20ミリシーベルトにしなければ避難する事態になるから。いのちを守るためにどうしたらいいかという視点ではない。意味があって決まっている基準をいきなり20倍にすることに対しては、いのちを守る気があるのか!と思う。

小出)国には、作った法律に基づいて国民を守る責任がある。それが法であり、法の精神。なのに国は自分がしくじったために、法律で定められた基準を一気に20倍に緩めている。


福島)あれは正確には法律ではなくある種の基準値であるかもしれない。法律であれば国会で議論できるので逆にいいのだが。水道は乳児と大人は異なる基準になっているが、今回の20ミリは同じでいいと国は言う。

小出こどもは普通の大人より放射線の感受性が5倍高いこどもは20倍かける5倍で、100倍危険が大きくなったと同じ


福島)放射線量は地表に近いほど高い。文科省は50センチで測定したから大丈夫というが、変。地表を削るというが、これも粉塵が上がって危険。考慮が必要。福島に行ったが、こどもだけを避難させると家族が分離する。一時的にサマーキャンプをして、ストレスが少ないかたちで被曝量を減らすなどの工夫をしたい。

小出)それは素敵な発想。こどもたちには原子力を選択した責任はない。それに感受性が高い。ただしこどもだけ疎開をすると家族が崩壊する。私は正直言ってどうしたらいいか分からない。避難したほうがいいかどうかも分からない。こどもがまともに育とうとするなら泥にまみれて外で遊んでほしいと思う。そのためには汚染地で生活するのはよくない。


福島)土地に残る選択をする大人がいるかもしれない。正確な情報を知らされた上での選択である必要があるが。それに対し、こどもは選択の余地がない。こどもを守るというのは大切な要素。こどもにとっては今回の被害は甘受すべきものではない。本当の被害者。政治が正確な情報を伝えること、被害をできるだけ少なくするために他県で生活することを望む人たちを応援することが必要。避難は人間の生活基盤を奪うものであり大変なことだが、それでもこどもは守れと言いたい。その意味で文科省が決めた20ミリシーベルトは許しがたい。安全だと言い張ってきた政治、保安院、経産省は責任を取って政策の転換をすべき。文科省はこどもに対し原発は安全だという洗脳教育をしてきたが、今回はさらに20ミリシーベルトという基準を作っており、こどもに対する配慮がない。本来は文科省はこどもを守るべきもののはず。

小出文科省自体も原子力は安全だといって推進の旗をふってきた。今回反省して立ち上がるべきだ。が、政治にそういう期待ができるか?


福島)戦争のとき、敗戦時から文部省は豹変して平和教育、民主教育を始めた。その例は悪いが、そのくらい今回の事故で変わってもいい。それくらい私にはショックな事故。震災被害は復興を考えればいいが、原発事故は進行中。さらに福島より大きなものが起こるかもしれない。はっ!とショックを受けたドイツは原発を止めた。

小出この事故が進行中なのにいま現在も日本では26基の原発が運転中。なぜならば電気がほしい、豊かな生活がいい、停電はいやだ、とほとんどの日本人が思っているから


福島)でも世論調査では半分程度は原発NO。昔と比較すれば原発は危ないと思う人は増えており、希望は持てる。東電は無計画停電をしたが、実際は必要あったかどうか疑問。電気がナイナイ詐欺電気がないと困るだろうという詐欺

小出汚いやり方だと思った。


福島)この夏は工夫すれば乗り越えられるという試算が出ている。であれば、3月の停電は必要なかったはず電力会社の地域独占や発電送電一体は見直す必要がある。普通の人は利権がなく、いのちを重視すれば、変えられると思う。これから一緒にがんばりましょう。

小出)がんばりましょう。


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