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担架未遂

2004-11-28 19:19:07 | 野生のチューリップ
今年、5回目のエントリーになる、
江東シーサイドマラソン大会に出場。

父が毎年出ていたことと、
2000年でミレニアムだからという理由で始めた
1年に1回だけ10キロ走る苦行。

全く走りこみをしないで挑戦するので
タイムは体重に反比例するが、
毎年時間制限の65分ぎりぎりだ。

そして、今年体重が1.5倍増し、しかも
運動不足に睡眠不足で体調不良だったもので
今回は棄権するつもりだった。

しかし、いっしょに走ろうと誘ったKは
昨夜地元北海道で妹の結婚式に出席したあと
このマラソン大会のために帰京した。

誘った手前、会場に行かないのも申し訳ないので
応援だけするつもりで早朝待ち合わせ場所に向かう。

そんな、情けないあたしを彼は笑顔で許してくれた。

いよいよ、会場に到着して
受付を済ませると
他の選手の熱気に影響されてなんとなく走りたくなってきた。

走れる用意をしてきてよかった。

更衣室の筋肉むきむきな足たちにビビリながらも
午前10時スタートを切る。

スタート地点でもたついて
最初の1キロは7分もかかってしまう。
これじゃぁ、時間制限にひっかかると思うも
すでに足が痛くスピードはでない。

ほぼ最後尾集団に甘んじ
5キロ地点の32分30秒の時間制限を
10秒前にクリア。

照りつける11月にしては陽射しの強すぎる太陽に苦しみながら
排気ガスを肺いっぱいに吸い込んで走る。

肉体的には限界で棄権しようと精神に訴える。
精神だけが身体を動かしている。

沿道にいる、知らないひとから
「がんばれ!」と言われ泣きそうになる。

9キロ通過は58分すぎ。
ゴールするのにギリギリだ。
歩いてるひとをゴボウ抜きし
吐き気を催しながら
ただただゴールを目指す。

ゴールは64分40秒だった。
去年より6分近く遅く
この5回の挑戦中、最悪のタイムだった。

だけど走ったことに意義がある。
また来年につながる、10キロ。

ゴールして記録証をもらった途端
その場に崩れ落ちる。
左足のスネが痛くて立っていられない。

這って芝生まで避難する。

係員のおっさんが
「担架呼ぶよ?恥ずかしがることないよ」と言う。
歩けないほど痛むが
担架は勘弁、と思うだけの余裕はあった。

青くて青い、ひたすら青い秋の空を
立ち入り禁止の芝生をひとり占めして眺める。
青い。

休んでも足が回復する気配はなく
足をひきずり医務室に。
お医者さんが
「なぁに、湿布はれば大丈夫」と言われ放流。

湿布されても痛みはひかず。

38分代で余裕でゴールしてたKが
たまりかねて
「仰向けに横になって」と言い
ウォーターベッドのよなあたしのふくらはぎを
マッサージしてくれた。

はぁ~このまま消えてなくなってしまいたいほど
みっともない肢体をさらしている自分。
いくらKに男を感じてないと言っても
この体勢は恥ずかしい。

だけど
Kのマッサージのおかげで足は軽くなった。

なんで、こんなに苦しいのに
苦しいだけなのに
走ろうとするんだろう。
そこに、
道があるから?

走ったあとの達成感が最高に快感だから!

沿道から応援してくれたひとの中に
「マラソンなんて人生と同じだ、苦しいのは一時だって」と
叫んでいたひとがいた。

なるほど、この苦しさを克服できれば
仕事でも一皮剥けられる気がした。

あたしは克服した。

そして
最後に、今年もエントリーしていたけど
参加できなかったT。
お父さんの病気が必ず回復に向かいますよに!
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