チョコレート記念日

チョコレート　
溶かす　
あたしの　
こころ　
とろける

その場で　
口に　
入れる　
君　
想う

天才アラーキー、石川に在りき

金沢21世紀美術館を訪れた日、
荒木経惟のトークイベントが催されていた。
無料。

エロおやじには全く興味を感じず、
ひたすら作品を見に練り歩く。

小さい会場には長蛇の列。
何がいいんだか、とさえ思う。

ところが、
彼が手がけた「日本人ノ顔」プロジェクトの
「石川ノ顔」展を見た途端
あたしはものすごく後悔した。

ただのヌード写真家と思っていたおやじは
あたしの目にも歴然とわかる偉大な芸術家だった。

石川人500人のひたすら顔。
女性が多いのだけど老若美醜。

爽やかな笑顔だったり
幸せそうだったり
挑戦的だったり
挑発的だったり
セクシーだったり
憂いを帯びていたり
悲しみに満ちていたり

ひとりひとりが女優に見えた。

これが、天才アラーキーと言わしめる作品か・・・

自分の容姿に自信がないあたしも
彼にならヌードを撮ってほしいといつしか思った。

その作品を本にした写真集は即買いだ！と思ったが
芸術についた値は
ひと月の食費に匹敵するので諦。

写真でお腹はいっぱいにならない。

美容師の携帯

急に美容師に会いたくなって
ひと月ぶりに予約を入れる。

会ったら何を話そうか、ばかりを考えていて
どんな髪型にしたいかと聞かれ戸惑う。

伸ばす？切る？
と聞かれ、
あなたが好きなほう、とこころの中で思う。

思いきって伸ばす方向で！というと
短いほうがいいと思うよ？と聞かれ
あっさり切ることに。

「痩せたんじゃない？」と言われ
あたしの顔は嬉しさで原型を留めない。
毎日走りこんでる効果がやっとでてきたのか
身体がしまってきた。

ま、社交辞令なのかもしれないけどさ、
そんなこと言われたら
毎日がんばって走れちゃうよ。

スピッツが好きと言ったら
吉祥寺の居酒屋でマサムネに会ったことあるよ、オレ
と美容師。
10年くらい前の話。

そのとき付き合ってた彼女に
サインもらいに行かせたくせに
ギターの絵まで描いてくれたそれを
彼はあっさり失くしてしまったらしい。

鼻血が出るほど羨ましい。

映画の話題になって
好きな映画３本言ってみな、と言うので
５本言わせてもらった。

ショーシャンクの空に
奇人たちの晩餐会
ハイ・フィデリティ
ＣＵＢＥ
母の眠り

と答えた。
２本目と３本目がヒットしたらしい。

キューブリックとか
イラン映画とか
コッポラとか
タランティーノとか
ドイツ映画とか
サントラとか
話はどんどん膨らんで
面食らわずに手当たり次第
映画を見てきてよかったと心底思う。

そして
今まで絶対自ら選ばないよな、
いろんな映画を見せてくれた飯田橋のギンレイホールに感謝。

「ハードぽいのに
　けっこうソフトなんだね」とわけのわからぬ評価され。

そして、
あたしが今回の目標としていたのが
彼の携帯を聞き出すこと。

唯一のチャンスは
お会計後に店の出口まで
彼が送り出してくれるとき。

心臓だけじゃなく
内臓全てが口から出そうだ。

用意してた言葉を噛みながら発射。
「携帯番号とか聞いちゃったりするのって
　やっぱタブーですか？？？」

美容師は一瞬、困惑の色を顔に浮かべた。

ショック・・・

「今、お店で名刺作ってるんだ。
　それができたら裏に書いてあげるね。」と。

「約束ですよ～」と笑うのが精一杯。

次に会えるひと月後に
そんなこと覚えてるはずもなく。

自分の気持ちを相手に伝えるのが
いつもストレートなあたしには
やりにくい状況。

そんな些細なことにへこたれる前に
あまりにも魅力的な彼が遠すぎる気がして
へこたれてしまいそぅ。

ノブ

超大企業のひとと飲む機会有り。

一輪の花として連れてこられたのは
かわいさと美しさを併せ持った子。

彼女をまるで商品のよに連れてきた男が
「間違いなくうちのフロア一美人だ」と推奨する。

白い肌が見え隠れするノースリーヴに
水色のカーディガンを羽織る。

ちらりと目に入る細い二の腕は
ほどよい筋肉とともに
美しい曲線を描いて止まない。

大企業に勤めてるだけある。
英語はネイティブ、ドイツ語も堪能。
大学のときはチアーさん。

でしゃばり過ぎず会話に参加。
なんなく下ネタも切り替えす。

自分が果たすべき、一輪の美しい薔薇の役割を
自覚している。

叶わぬ願いをひとつ叶えてやろうと言われても
それでは彼女になりたいかと問われれば
なりたいとは思わない。

何か根本的に
あたしの琴線には触れるものがなかったよな。

負け犬予備軍のそんな負け惜しみ。

こころと身体

こころと身体は
ずっと
つながってると思ってた。

性欲だけで近づいてきた男に抱かれ、
自分の存在を求められている勘違いから
身体だけでなく
こころを奪われても
こころと身体がつながってるから
仕方ないと幼いあたしにため息をついた。

だけれども、
いつしか
認めたくなかった「セフレ」のよな存在の男が
うちに出入りするよになった。

直近のカレシと別れてから２ヶ月後のことだ。

失恋したわけではなかったので
こころに穴は開いてなかった。

身体に穴が開いてたみたいだ。
無性に他の身体を欲しがった。
気持ちを伴わない性欲が気持ちよかった。

これでこころと身体は訣別したのだと思った。

そしてあたしは
美容師に恋をした。
身体の穴は消え失せた。

気持ちを伴わない性欲がなくなった。

やっぱり、あたしのこころと身体は
連動してるみたい。

美容師からの通信だけ
ポートを開放しておこう。

こんな夜にはこんな読書「蛇にピアス」

今さらだけど「蛇にピアス」を読む。

文字が、痛い。
想像力を掻き立てる度に舌が痛い。

ハリネズミみたいな不機嫌上司に攻撃されて
今夜のあたしは出血多量。
精神的痛みに、想像的痛みが加われば
いっそ心地よい。

オレに話しかけるなオーラを発して一週間。
何が原因なんだか戸惑うばかり。

気に入らないことがあれば
はっきり言ってくれたほうがよほど
改善できるもの。

そこは察しろと言われれば
察せないあたしが未熟な故。

涙をこぼす代わりに
ハーゲンダッツにむしゃぶりつき、
20％引きになったチーズケーキに顔をうずめた。

トレッドミルで消費したカロリーを
簡単に再吸収してしまったけど
こころはあっさり止血。

こんな夜はさすがに
誰かに寄っかかりたい。

ところで、本題の本なのだけど
痛さや気だるさの表現がリアルすぎる。
彼女がそれらを未経験で
想像上で書き上げた作品なら
超越した作家だなぁと思う。

会計報告③

<１月29日>
パックツアー厚生年金基金補助金適用　　　￥12350　
（羽田空港←→小松空港、ホテル日航金沢２泊朝食２食分込み）
地下鉄（自宅最寄駅→羽田空港）　　　　　￥590　　
朝食（爽健美茶＋プチビットストロベリー）　　　 ￥255　　
バス（小松空港→香林坊）　　　　　　　　￥1100
ブランチ　　　　　　　　　　　　　　　　￥1449
（紀男カフェ/人気カルボナーラオムライス＋亀田農園サラダ＋コーヒー）
金沢21世紀美術館入場料　　　　　　　　　￥900
グレープフルーツジュース　　　　　　　　￥200
昼飯（茶屋見城亭/茶屋弁当）　　　　　　 ￥1300
グリコカフェオレ　　　　　　　　　　　　￥105
夕飯　　　　　　　　　　　　　　　　　　￥3150
（近江町市場鮨源平/おまかせ寿司＋えんがわ２貫）　

<１月30日>
妙立寺拝観料　　　　　　　　　　　　　　￥800
ご朱印　　　　　　　　　　　　　　　　　￥300
SUNTORY黒ごま＋ココア　　　　　　　　　 ￥120
松田傘店和傘　　　　　　　　　　　　　　￥23000（定価￥26000）　
金沢市老舗記念館入館料　　　　　　　　　￥100
昼飯（四季のテーブル/和風ステーキ膳）　 ￥2300
長町友禅館入館料＋友禅着装　　　　　　　￥1350
香舗伽羅お香　　　　　　　　　　　　　　￥1050
おやつ（甘味処金花糖/ぜんざい）　　　　 ￥700
おやつ②　　　　　　　　　　　　　　　　￥242
（ヤマザキデイリーストア/具たっぷり肉まん＋黒ごまと豆腐のプリン）
夕飯　　　　　　　　　　　　　　　　　　￥880
（TEALAND/マヨケチャオムライスたんぽぽ）

<１月31日>
兼六園入園料　　　　　　　　　　　　　　￥300
お茶（時雨亭/抹茶＋生和菓子＋くつした） ￥700
昼飯（壷屋壷亭/壷屋点心）　　　　　　　 ￥1575
長町友禅館加賀友禅彩色体験　　　　　　　￥3150
ふらっとバス（兼六元町→梅ノ橋）　　　　￥100
クリフトンカーフポストカードセット８枚　￥1000
兼六園切手８枚　　　　　　　　　　　　　￥640
趣味の絵葉書「あて」８枚　　　　　　　　￥150
おやつ（TEALAND/クリームチーズパフェ） ￥740
バス（金沢駅→小松空港）　　　　　　　　￥1100
夕飯（コーンポタージュ＋Meijiミルクチョコレート）　　￥225
会社にお土産　　　　　　　　　　　　　　￥530　　
地下鉄（羽田空港→自宅最寄駅）　　　　　￥590　　　　　　　　　

計￥63041
エンゲル係数　22.1

自分のお金で初めて食べた、回転寿司では食べられないヒラメのえんがわと
日本海で脂のりのり寒ブリの新しいおいしさと
兼六園でひとり降り止まない雪を好きなだけ見つめる時間
priceless