ひとが死にかけてるのを生まれて初めて目撃してから5日。
事件の全容がほぼわかった感じ。
容疑者は疾病年金受給者?で
別れ話のもつれから元カノを襲おうとしたところ
助けに入った被害者を殺害したという顛末のよう。
凶器のナイフも見つかり
オフィスの前に残る血の跡は色素を失ってもなお未だ生々しく
生けられる花と報道陣が事件の記憶を呼び覚ます。
今日の午後警察が更なる情報を求めて
事件の起こった時間帯に付近にいたひとに情報提供を呼びかけていたので
何も異変がなかったという情報も役に立たなくはないかなと思い
勇気を振り絞り、警察官のおじさんに話しかけてみる。
「事件の日17時15分ころ、ここにいましたけど何も見ませんでした。」
というと
おじさんは
「あっちの方向に逃げるひととか見なかった?」と聞くので
「いえ、特には」とあたしが答えて会話は終了した。
役に立たなかった。
全く関係のないひとが無残に殺されて
そのひとの人生が大々的に報道されて
そのひとにはこれから先続くはずだった人生があって
にこやかに笑う彼の写真には幸せが滲んでいて
彼の家族が記者会見をして「容疑者を赦します」と語り
彼はほぼ即死だったという状況を想像するたび
その刺し傷があとちょっとだけずれていたならと思わずにはいられず。
事件の全容がほぼわかった感じ。
容疑者は疾病年金受給者?で
別れ話のもつれから元カノを襲おうとしたところ
助けに入った被害者を殺害したという顛末のよう。
凶器のナイフも見つかり
オフィスの前に残る血の跡は色素を失ってもなお未だ生々しく
生けられる花と報道陣が事件の記憶を呼び覚ます。
今日の午後警察が更なる情報を求めて
事件の起こった時間帯に付近にいたひとに情報提供を呼びかけていたので
何も異変がなかったという情報も役に立たなくはないかなと思い
勇気を振り絞り、警察官のおじさんに話しかけてみる。
「事件の日17時15分ころ、ここにいましたけど何も見ませんでした。」
というと
おじさんは
「あっちの方向に逃げるひととか見なかった?」と聞くので
「いえ、特には」とあたしが答えて会話は終了した。
役に立たなかった。
全く関係のないひとが無残に殺されて
そのひとの人生が大々的に報道されて
そのひとにはこれから先続くはずだった人生があって
にこやかに笑う彼の写真には幸せが滲んでいて
彼の家族が記者会見をして「容疑者を赦します」と語り
彼はほぼ即死だったという状況を想像するたび
その刺し傷があとちょっとだけずれていたならと思わずにはいられず。