旅する小林亜星

小林亜星情報満載

後日

2008-09-30 20:42:34 | 青春生き残りゲーム
ひとが死にかけてるのを生まれて初めて目撃してから5日。

事件の全容がほぼわかった感じ。

容疑者は疾病年金受給者?で
別れ話のもつれから元カノを襲おうとしたところ

助けに入った被害者を殺害したという顛末のよう。

凶器のナイフも見つかり
オフィスの前に残る血の跡は色素を失ってもなお未だ生々しく

生けられる花と報道陣が事件の記憶を呼び覚ます。

今日の午後警察が更なる情報を求めて
事件の起こった時間帯に付近にいたひとに情報提供を呼びかけていたので

何も異変がなかったという情報も役に立たなくはないかなと思い
勇気を振り絞り、警察官のおじさんに話しかけてみる。

「事件の日17時15分ころ、ここにいましたけど何も見ませんでした。」

というと

おじさんは

「あっちの方向に逃げるひととか見なかった?」と聞くので

「いえ、特には」とあたしが答えて会話は終了した。

役に立たなかった。

全く関係のないひとが無残に殺されて
そのひとの人生が大々的に報道されて

そのひとにはこれから先続くはずだった人生があって
にこやかに笑う彼の写真には幸せが滲んでいて

彼の家族が記者会見をして「容疑者を赦します」と語り

彼はほぼ即死だったという状況を想像するたび
その刺し傷があとちょっとだけずれていたならと思わずにはいられず。
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家族

2008-09-29 20:37:51 | 青春生き残りゲーム
青い眼をした、かわいいかわいいカレシの、

兄とタヒチ人の婚約者のうちで
カレシパパとカレシママとカレシいとこと

カレシの家にホームステイしてるドイツ人の高校生とで
Rugby leageの準決勝を見るという催し。

いつもはカレシ兄絡みのイベントは悉くカレシに仲間外れにされていたので

だからといってあたしは彼にとって一時的なカノジョにしかすぎないので
家族の一員として認めてもらおうなんてほとほと思ってなかったけれど

ちょっと疎外感なども感じていたわけで
今回は「来る?」という軽めのお誘いだったのでほいほいのってみた。

カレシ兄のタヒチ人の婚約者は22歳、

「太ってると機嫌の波が激しい」というカレシのステレオタイプに
どっぷりはまってるらしい。

新しいもの好きなカレシ兄カップルの巨大薄型テレビで
初めて見るラグビーリーグ。

日本で言うと
家族で夕食を囲み、プロ野球を見る感じを想像してみる。

なんてエキサイティングなスポーツだ。
オーストラリア側が得点するたびにため息。

びくびくしながら
タヒチ人婚約者に

「ごはん、すごくおいしかった」と言ったら

「またおいでよ」と彼女が言ってくれて
実はとてもうれしかった。

その日もカレシ宅にお泊りして
次の日カレシとカレシママが仕事に行ってる間

カレシパパと家の外壁を掃除。

一宿一飯の恩義どころか
40宿60飯くらいの恩義なので喜んで、

と思っていたのに1時間ほど働いたらお茶。

ベランダに椅子を出して
カレシパパとホームステイしてるドイツ人の高校生とランチを作って

紫外線ぼっこ。

夕方になってもカレシとカレシママは帰ってこなかったので
カレシパパと近所をぽろぽろお散歩。

2ヶ月後にカレシと別れることになるとして
そろそろ別れる心の準備をしなくてはと思いつつ

失うだろうものはどんどん増えてく。
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溶込

2008-09-29 20:09:20 | 青春生き残りゲーム
とにかく歩き回りたいのと

ローカルコミュニティに参加したいのと
というかNZ人と出会いたいのとで

トランピングクラブに参加してみる。

初回なのでちょっと軽めの3時間ウォークの巻。

NZ人の若者との出会いを期待してなかったとはいえ
爺婆ばかり15人ほど。

うようよNZ人。

おどおどしながら歩き始めると
健脚なおじさんが話しかけてくれた。

トンガリロ計画のための情報をゲット。

次に胸に「柔術」と書かれたTシャツを着たおばさんとトーク。

「akikoて名前、aikidoに似てるよね」というところからスタート。

柔術に合気道と、スポーツウーマンなのにぶよぶよ。
早朝に甥っ子が生まれたばかりらしい。

次にかなりのおばあちゃん。

息子さんがシンガポールで
ダイバーのエンジニアをしてるとかしてないとか。

話に一生懸命になりすぎて
というか全身の機能フル稼働で耳にならないと彼らの英語は全然聞き取れないので

景色を楽しむのを忘れてた。

気がつくととてつもなく美しい視界。

春がいる。

ひと息ついて帰り道に
あたしと同じ初参加というおっさんと兄さんの間、Chrisというひとに話しかけられる。

ロビン・ウィリアムスみたいなピュアな笑い方をするひと。

30歳のときカナダに行き5年働いて
帰ってきて2年。

と言ってたから37~8歳か。

結婚してるのか、
そりゃしてるよな、

でもあまり生活感がないし
何より土曜日に家族を置いてトランピングに参加するか、

でもなんかいい感じ。
なんか気にかけてくれる感じ。

帰りにみんなでコーヒーをした。

またこのトランピングクラブで会えるかなと逡巡してたら
自然な感じで名刺をくれた。

いい感じなのか。
どうなのか。

とりあえず数日経ってから
うきうきを隠してメールしてみる。
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目撃

2008-09-25 21:31:19 | 青春生き残りゲーム
夕方のオフィス、
誰かが突然叫び声をあげた。

ゴキブリでも出たのかと思って振り返ると
皆が窓から下を見てる。

「どうしたの?」と近くにいた子に聞くと

そこでひとが刺されたみたい、とその子。

窓にかけよって下を見ると

15分前にごみ捨てに行ったばかりの場所に
白人のビジネスマンが血まみれで横たわってた。

すでに救急車は到着していて
意識がなさそな彼は心臓マッサージをされてる真っ最中だった。

「警察が来るだろうから、今日は皆、撤退」とキャサリンの一声で帰宅準備。

ビルの下に行くと
すでに警察が辺りを封鎖しようとしていた。

5メートルほど先に被害者。
心臓マッサージは続けられている。

被害者が横たわってるのは坂の途中で
あたしのほうまで3センチほどのべっとりした鮮血の川が3本。

5メートルほど逆方向の大通りに歩くと
世の中はふつうに稼動してて

まるで何もなかったかのよな空気があたしを包む。

目の前で起こったことが衝撃的すぎて
自分の足で歩いてる気がしなかった。

被害者は亡くなった。

殺人は案外、身近に転がってた。
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三下

2008-09-22 19:31:09 | 青春生き残りゲーム
「あんたほど
 感情的で
 頭が悪くて
 
 今どきPCの使い方がわからないからって
 部下に受信ボックスのメール全部プリントアウトさせて
 
 ひとをひととして扱わずに
 自分の都合で夜遅くとか休日に出勤させて
 
 思いつきで後先考えずに行動するから
 その尻拭いを全部部下にさせて
 
 外面だけよくて
 体裁だけ保つことに必死で

 吝嗇漢で
 最低の中の最低な上司の下で働いたことはなかったわ

 お世話になりました、このクソババァ!」

と総統ポーラに三行半を叩きつけられたら
どんなにすっきりするだろう、

と思いながら

今日もはいはい、と彼女の言うことをきいた。
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射内

2008-09-22 17:55:04 | 青春生き残りゲーム
「今、信号待ち?」

「うん、隣にインド人家族の車が停まってるから
 それ以上頭動かさないで、ばれちゃうから」
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本会

2008-09-19 22:46:45 | こんな夜にはこんな読書
「The Jane Austen Book Club」に憧れて

図書館で月2回開催されてるらしいLibrary Book Clubに参加してみる。

今日の参加者は図書館館員のおばさんと
中年のおじさん3人、中年のおばさん1人。

ある本を読んで感想や解釈について議論したりするのかと思ってたら
ただ館員のおばさんのおすすめ本リストについて淡々と説明される感じ。

前述の映画のよな
ドラマチックなことはそんなに簡単には起こりえないか。

「『Two caravans』という本を1回目読んでみたらすごくつまらなかったのに
 2回目読んでみたらすごく面白くてあっという間に読んでしまったの」と館員さん。

「なぜ1回目おもしろくなかったのに
 2回目読もうと思ったの?」と聞いてみたけど

回答はよく聞き取れなかった。

縁があったとか、
友達に強く薦められたとか、そんなところ。

紹介された11冊のうち、知ってる本は1冊だけだった。

そうそうそうそう、それ読んだの、
すごくおもしろかった、なぜって・・・と積極的に参加できるよになるには程遠いけれど

ローカルコミュニティに参加するという目的は果たせそな模様。

とりあえず今読んでる薄っぺらい内容の本を早く終わらせよう。

この短い人生で出会える本はあまりにも限られてる。
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分析

2008-09-19 22:17:24 | 青春生き残りゲーム
件の、あたしのことが好きでたまらないらしいインド人に
「僕のいいところをひとつと、悪いところをみっつ言ってくれないか」と言われた。

彼の職探しのための自己分析の一環かと。

「まずとにかく腋臭!ほんとにきついわ、勘弁して!!!」と言いたかったけれど

本人が自覚してるか微妙だったし
香水で誤魔化せるよな代物ではないし

そこは口を噤み

「いいところはコミュニケーション能力が高いところだと思う
 うまく会社のみんなとコミュニケーションしてるよね」

「あたしが好きじゃないのは頑固なところ」と差し障りない程度に。

以前ここでどう働くかという議論になったとき

彼は完全なる成果主義で
言われたことだけを完璧にこなすというやり方を主張し

あたしは言われたことはもちろんやるが
言われる前に必要だと思われることを率先してやり
それが評価につながらなくてもどうでもいいという主張で

まったくの決裂状態に終わったことがあった。

彼のやり方は正しいのかもしれないけれど
このオフィスでは回せないとあたしは思う。

頑固なのはあたしも負けてない。

彼はポーラ総統の評価を気にする余り
運用側の主張というか、
もっとこうすればいいのにという意見を伝えようとせずに

ただただポーラ総統の言うなりだ。

でも一番好きじゃないのは

話してるときに彼が興奮すると
文節ごとに口の端っこで舌打ちするところ。

多分無意識。

もちろんこれも伝えてないけど。
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切替

2008-09-19 21:43:50 | 青春生き残りゲーム
青い眼をした、かわいいかわいいカレシの家に
オークランドと友好都市提携してる品川区から

文化交流を目的に日本人が夕食に来るので
通訳してと言われ同席。

いつも彼の家でご馳走になるときは
ただ飯食わせてもらって申し訳ないという気持ちでいっぱいだけれど

今回は通訳という大儀名分があるので堂々。

連れてこられたのはご婦人2人。
茶道の先生に、数学の先生。

見事な着物。
気後れしながらも晩餐スタート。

いつもは何言ってるかよくわからないカレシパパとカレシママも
今回ばかりはゆっくり話してくれてつつがなく。

会話が茶道のわびさびやマオリの儀式に及ぶと
だんだん自分が何語を話してるのかわからなくなり

日本人に向かって英語を、カレシ家族に向かって日本語を話すこと2回。
通訳になるにはよほどの脳の切替が必要なんだと再確認。

晩餐のあと抹茶のデモ。

ご婦人2人は全く英語がわからないので
カレシママが抹茶を飲んで「海苔みたい」と言ったのは敢えて訳さず

「おいしいとおっしゃってます」と情報操作。

まともに日本語を話したのは何ヶ月ぶりだろう。
まだちゃんとした敬語を自分が使えることを確認してほっとする。
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民族

2008-09-17 20:46:53 | 青春生き残りゲーム
市民相談所のボランティア研修は
明日が最終日。

研修者の間には一種の連帯感みたいなのが生まれてて
なんだか離れがたい。

「最終日のランチはみんなで一品持ち寄ってシェアしましょう」ということに。

「メニューはエスニックで」という流れになったので

なぜか勝手にスペイン料理を想像していたのだけれど

日本語のエスニックはアジア・アフリカの料理のことをさし
英語のethnicは民族特有の料理のことを言うらしい。

「日本料理といえばsushi」という彼らのステレオタイプに散々苦しみ
スーパーで手巻き寿司セットを買ってみた。

いつも夕飯はタイ米をライスクッカーと電子レンジで炊いているので
久々の日本米は塩梅がつかめず、ちと固めに仕上がった。

具は照り焼きチキンマヨネーズ。

酢めしはかなり冷ましたつもりだったのに

はじめての手巻き寿司は
海苔がしわしわでごわごわになった。

なんとか持ちこたえて
白ゴマを振りかけたら、見てくれもなんとかなった。

よな気がする。

アイルランド系の血を持ち
南アフリカ出身の、イタリア人の夫がいる先生

インド人の家系でフィジー出身のおっさん

ビルマのお坊さん

インド出身でアフリカ大陸で働いてたおばさん

ロシア人のおばさん

かつて先祖がイギリスからやってきて、今ニュージーランド人のおばさん

ニュージーランドに嫁にきたイギリス出身のねえさん・・・

今では立派な人種の坩堝。
シェアランチは一体どんな感じになるのだろう。
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