旅する小林亜星

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屁式

2011-01-11 00:12:56 | 青春生き残りゲーム
というわけでどうにかこうにか人妻に漕ぎ着けた。

10月に青い眼をした、かわいいかわいい婚約者の実家に送ってしまったドレスが
式の当日に着れるのかどうか不安だった、ここ数週間。

ボクサー並みの減量で
理想体重までもっていったものの

NZ人のムキムキダンサーにあんなことやこんなことをされてしまった、ヘン・ナイトと
クリスマスの豪華ディナーで

どんどん身体が重くなってくのを日々指をくわえたまま、嘆きつつ

さすがに前日には起伏の激しい街並みを早起きして
1時間ほどジョグした追い込みのせいか

挙式前日の夜中にやっと試着できたドレスはなんとかどころか
余裕ですんなり入って、背中のラインがまーきれいなこと!と思えるほどだったが

最近初孫の教育方針を巡って関係が緊迫してる、
義母と義姉の対立に巻き込まれ

日本人的にあちらも立ててこちらも立てようとしていたら
どちらにも自分の好きなように主張しろとお叱りをいただく始末で

特に髪型は混乱の一途も。

挙式の30分前は小雨が降っていたのに
あたしが会場に向かった瞬間に晴れ女パワー全開で青空になったし

結婚式を行った、青い眼をした、かわいいかわいい婚約者の近所の、
青い原っぱに父と入場したときにはあまりの緊張に笑いが止まらないほどで

さらにはあまりの緊張に
公証人の前に青い眼をした、かわいいかわいい婚約者の隣に並んで

今まさに「結婚式を始めます」と公証人が言い放ったところで
屁を放ってしまい、

ひやっとしたものの、隣にいた青い眼をした、かわいいかわいい婚約者も気付かなかったらしく
分厚いパニエのほかに、Aラインのミカド素材ドレスって防音にも優れていたらしく

「あー、あたし、人生で一番大切な日に公衆の面前でオナラしちゃったよー」と思ったら

なんだかリラックスできて
そのあとの「I will.」と言うところも

公証人の言葉を1分くらいリピートする場面も余裕でこなした。

2時間の屋外写真撮影も
これだって親孝行だと思えば、なんとかしのげたし

美容室7時入りで、髭のそり跡が濃いいオカマさんに化粧と、
義母にヘアをやってもらって

11時からウェディングドレスを着て、2時間仁王立ちし

義姉がトイレに行きたくなったら、いっしょに行ってドレス持っててあげるよと何度も何度も言ってくれたけれど

夜の11時までダンスしまくっても、トイレに行かずにしのげたし

なんだかんだで後ろ倒しになった花嫁のスピーチは
ウェブのサンプルを切り貼りして

自分のエピソードをねじ込み

挙式当日の午前2時に完成した、5分ほどのスピーチになり
練習なしの割には5回ほど笑いをとれた鼻の高い結果に終わったし

母のくしゃくしゃの泣き顔にも
日本からわざわざ来てくれた小学校からの友達の泣き顔にも

ウルウルきつつ、最後まで笑顔でしのいだし

結婚式で使った、Airの「Cherry Blossom Girl」は
青い眼をした、かわいいかわいい婚約者とあたしの難しかった時間と距離をうまく表してたし

披露宴のファーストダンスには、あまりにスローすぎたものの
小さいころから、結婚式にはこの曲を使いたいと思ってた、
サティの「ジムノペディ」を使えたし

「この曲、すごく好きだから
 披露宴のあとのダンスの時間に流したい」と言ってた、

Gilbert O'Sullivanの「Alone Again」は
実は結婚式に花嫁が来なくて、今から自殺しようかと思ってるって曲で

でも結婚式に青い眼をした、かわいいかわいい婚約者はちゃんと来てて
というわけでどうにかこうにか人妻に漕ぎ着けた。

好きで好きで大好きでしょうがないひとと結婚できたことが、
出会えたことが、
思いが通じたことが、
結婚したいと思ってもらえたことが、

ほんとうにほんとうに手放しで幸せなのだけれど
これから時をいっしょに紡いでいけるかっていう不安もあるわけで。

要はこれからで。

そんな話を義父にしたら

「あの子は石橋を叩いて叩いて、それでも叩いて叩くような
 とにかく熟考する子だから、大丈夫。
 彼は正しい選択をしたと思うよ」

なんて結婚式の数日後の席で言われて、
結婚式でも泣かなかったのに、即落ちした。

というわけでどうにかこうにか人妻に漕ぎ着けたわけで
シャンプーの名前みたいな苗字になった。
コメント (5)
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