旅する小林亜星

小林亜星情報満載

第34回小豆島一周100km連続歩行ホステリング結果発表

2010-10-08 23:13:54 | 小豆島
今年こそ最後の開催と聞いて
6月から毎日チェックしてた香川県ユースホステル協会のページ。

申し込んだ29番目。
3年ぶりの小豆島。

6月から月間平均80キロ走り込みしてたし
エ(ア)ロもしてたし
なんとか行けるんじゃないかと思ってた100キロ。

甘かった。
そろそろなめてた。

今年に限って
餞贐の小豆島おじさんも
寛容な三ちゃんもいなくって

どうやってペースメーカーを見つけようかと不安になる。

40キロまでは順調だった。
走り込みしてただけあって太腿の痛みがぜんぜんない。

時速5.5キロで歩くひとについていったら
左足の脛が痛くなってきた60キロ。

晴れ女のあたしが空をにらみつけても
行き場をなくして、どうしようもなくこぼれ落ちる雨。

70キロ地点に辿り着いたころには全身ぬらりひょん。

絶対にリタイヤと言わないだろうと思ってた、
いっしょにバドミントンをしてるお節介なおばさんが

今回は娘婿といっしょに歩いていて
遅れだした彼を気遣い、

「ここでリタイヤしようと思う」とまさかの発言。

そこで一気に楽になったあたしは
「80キロまで歩きましょう
 それからのことは80キロになったら考えましょう」と言った。

雨はどんどん激しくなる。

回りにひとはいなくなり
しばらくひとりで歩く。

悲しくなってどうしようもなく涙がこぼれ落ちる。

身体の筋肉ができあがってたせいか、
いつもは全身疲労困憊な80キロ付近、

痛いのは左足の脛だけだった。

途中何度も挫折しそうになって
一度座り込んだらもう立ち上がれなくなるのではないかという恐怖で

身体を休めるのを諦める。
一歩一歩に焼け付くような痛みが脛を這う。

80キロでのリタイヤを決意した残り1.5キロ。

天に続いてるんじゃないかと思うほどの長い橘峠。
歩いても歩いても

九十九折りの向こうにまた上り坂。

5回の小豆島で一番身体ができあがってたけれど
一番つらかった今年。

そうやって自然に簡単にやられてしまう100キロは
そうそう簡単に完歩できるものじゃないと知って

苦行の行事にまた参加したいと思う、
ナニクソをくれた。

また来年。
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餞贐

2007-10-29 22:57:40 | 小豆島
ポケベルが鳴らなくて・・・鳴らなくていいや。の小豆島おじさんからメール。

「残念ですが、今年が最後でお別れ‏
 
 アキ男。さんも何時までも、若々しく
 素直に?
 ガンバテ下さい。
 少しは他人の事も考えてネ。

 今回のゴ-ルは私も、もらい泣きしきしたヨ
 貴方は素晴らしい女性でした。」

今年還暦を迎えたおじさんは
今年を最後に小豆島を引退するらしい。

20年間で16回も100Kmを完歩したおじさん。
まだ3回しか完歩してないあたしはおじさんの背中を追うのだろか。

ところでおじさんにはあたしが素晴らしい女性であることも
傍若無人であることもばれていた・・・
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寛容

2007-10-29 01:25:56 | 小豆島
去年の第30回小豆島一周100km連続歩行ホステリング前半戦でいっしょに歩いた、
紐男、三ちゃんは35歳にして無職で女にだらしなく
どうしようもない男だと思った。

彼のどうしようもない人生の話は
歩く苦痛を凌ぐいい暇つぶし程度だった。

彼は最後尾を歩きながら初心者をフォローする役割なので
今年の第31回小豆島一周100km連続歩行ホステリングでは
ほとんど絡みもなく

小豆島を去る日に草壁港で
たまたまいっしょになった他の参加者のおじさんと3人で
フェリーが出航するまでの1時間で反省会を開いただけだった。

彼は静岡在住なのでまた1年、
次の小豆島まで会うこともないかと思っていたけれど

東京モーターショーでバイトするために
海浜幕張にひと月ほど滞在するとのことなので
日曜日いっしょにごはんを食べることになった。

35歳にもなって無職で
同棲してる彼女に働かせて食わせてもらってるという、
あたしの常識にはない生き方であるし

話していておもしろいわけでもなく
そもそも彼という人間に魅力を感じていなかったのが
正直なところだった。

今日いっしょにごはんを食べて
ゆるりゆるりと杯を傾けながら話をしていて

彼の周りにはいつもひとが絶えないのは彼の人徳なのだと思った。

その大らかな誰に対してもの寛容さはすごい包容力で
前述の彼のゆるい生き方さえも受け入れさせてしまうよな器なのかもしれないと思った。

そしてそんなぐずぐずな彼を支えてる彼女にも興味が湧いた。

去年の小豆島で
あたしが暗がりの中、肉刺ができたかもしれないと靴下を脱いだのが
彼との出会いだった。

ひととひとが出会うのはひょんなことだ。
そんな彼が住む静岡に彼女に会いにちょっと行ってみたくなった。
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第31回小豆島一周100km連続歩行ホステリング結果発表

2007-10-17 23:38:32 | 小豆島
今回完歩すれば
オリジナルトレーナーとオリーブ冠がもらえる3回目完歩賞がかかった、
第31回小豆島一周100km連続歩行ホステリングに参加する。

今回のテーマは前回できなかった、
セルフコントロール。

この大会のために1年かけて通った、エ(ア)ロ85時間を引っさげたものの
そのエ(ア)ロやりすぎで最初から右足裏に不安を抱えたままのチャレンジ。

40キロ地点までは全く足の痛みを感じなかった。
ほれほれ、エ(ア)ロ効果と思っていたら

小豆島で初の流れ星を拝んだ40キロ地点過ぎ、
両足の脛と左足小指に激痛。

カミュの「異邦人」のよな
意地悪い太陽が身体を突き刺す。

50、60、70キロと歩みを刻む度に
今回はリタイアかもしれないという弱音が頭をよぎる。

と、そのとき、
人間は限界を超えると一体どこに行けるのだろう、という好奇心が湧いて
では限界を超えてみることにした。

「満身創痍」と何度も心の中でつぶやいてみる。

「限界を超えた、限界をさらに超えた、限界をさらにさらに超えた限界」と
何度も心の中でつぶやいてみる。

はたしてあたしは精神力というものだけで
限界を超えた、限界をさらに超えた、限界をさらにさらに超えた限界という世界を見ることができた。

ほんとに自分がしんどいとき
感情をできるだけ表に出さないよにセルフコントロールに成功。

90キロ地点を過ぎても
リタイヤするかもしれないという思いは消えなかった。

いっそタクシーに乗ってしまおうかとか
いっそチャリンコ、パクって乗ってしまおうかとか

一歩一歩激痛を刻みながら何度も何度も波のよに
そんな誘惑が押し寄せた。

残り1.2キロになって
ポケベルが鳴らなくて・・・鳴らなくていいや。のおじさんと合流。

ゴールまでいっしょにカウントダウン。

毎年90キロ地点まではお世話になってるのに
ポケベルおじさんといっしょにゴールするのは初めてだった。

23時間35分。
おじさんがいなかったらきっと1回も完歩できなかった。

しまいこんでいたものが一気に溢れ出して、涙。
3回目の完歩が一番きつかった。

いろんな感情を濾していったら
最後に残ったのはプライドだった。

オリジナルトレーナーとオリーブ冠はどうでもよかった。
3回の完歩を3年越しで手に入れた感慨。

あんなにしんどかったのに
また来年、と思うのは小豆島の七不思議のひとつ。

毎年毎年、違う自分に出会える島、小豆島。
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第30回小豆島一周100km連続歩行ホステリング結果発表

2006-10-12 01:30:14 | 小豆島
今回で開催は最後になるかもしれない、
第30回小豆島一周100km連続歩行ホステリングに参加する。

今回は自分の知り合いを2人伴う。

ひとりは好きなひと。
もうひとりはいっしょにバドミントンしてるひと。

好きなひとと歩く小豆島の道は格別だった。
40キロくらいまではいっしょに歩いた。

そのひとは歩いているのに
まるで地面をモノレールのよに浮いてるよな足取りで
仏のよに「静」だった。
心地よい定期的なリズムを刻んでいた。

200メートル先の闇の中に
そのひとの水色の背中を確認するたびに
近づきたくても
永遠に近づけないもどかしさを感じた。

各チェックポイントで
そのひとのそこを通過したことを示す字を見るたび
先を歩くそのひとのことを想った。

最後のチェックポイント、80キロ地点では
そのひととの距離は1時間半になっていた。

そのひとに触れたいという思いだけで
最後の10キロを歩いた。

いっしょにバドミトンしてるひととは
最後までいっしょに歩いた。

もう1センチたりとも後退などしたくない思いを抱えていた52.7キロ地点の前、
リタイヤ寸前の他の参加者を気遣って
彼女は5メートル引き返して
その参加者にキャラメルをあげて元気付けていた。

初参加でそんな余裕もないだろう55歳の彼女の強さを目の当たりにした。

極限状態でも自分のことではなく
たとえ全くの他人に対しても思いやれる彼女の優しさを目の当たりにした。

今回100キロを歩く間
自分と向き合うことを目指していたが

一歩一歩を進めるたびに感じる激痛は
あたしの脳を占領して
高尚な考えを発展させるのにはもう猶予がなかった。

80キロを過ぎたころ
本格的に雨が振り出して
90キロまで座ることさえできなかった。

自分に向き合おうとしてたあたしを嘲笑うよに最終的に顔を出したのは
自分の感情をコントロールできなくなったあたし自身だった。

極限状態では
あまりにも幼くなり下がった自分を発見して
完歩できた喜びは半減した。

ゴールしたとき
55歳の彼女の足には広範囲に亘って
3センチ平方以上の水ぶくれができていた。

幸いにもまめができなかったあたしより
一歩一歩に何倍もの激痛が走ったに違いないのに
彼女は最後まで石のよに黙って歩き続けた。

わざわざお金を払って
毎年苦しい経験を購入するのは
自分がマゾだからだけではないと思う。

七夕のよに
1年にその24時間だけの仲間に会いにいく。
そして毎年自分を棚卸しする感覚。
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第29回小豆島一周100km連続歩行ホステリング結果発表

2005-10-06 00:16:47 | 小豆島
第29回小豆島一周100km連続歩行ホステリング
参加する。

前回のリタイヤ地点は52.7km。

--完歩時間 
22時間46分

--平均時速
4.41/km

--水分摂取量
5700ml

--摂取食物
バナナ1本
讃岐うどん1杯
おにぎり1個
あんパン1個
梅干2粒
豚汁1杯
梨1個

--トイレに行った回数
4回

--山道で先っぽまで出かかったうんこをがまんした回数
2回

--民家のトイレを借りようかと思った回数
1回

--蓄積された鼻糞
大4切れ

--「あぁ、しんど」と言わずにはいられなかった瞬間
不可算

--肉体的には最早限界を超え、精神力で歩いた距離
70km

--手に入れたもの
昨年のリベンジ成功
ひとは精神力次第で何でもできるかもという希望

我慢したのは自分で
完歩できたのはひととひととのつながり。
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第29回小豆島一周100km連続歩行ホステリングへのいざない

2005-07-15 00:01:27 | 小豆島
今年も募集開始です。
期 日 平成17年10月1日(土)~10月3日(月)
開催地 小豆島(香川県)
参加費 15000円(申込金を含む)

※地獄絵図です。

去年の記録はコチラ
あたしも写ってます。
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ポケベルが鳴らなくて・・・鳴らなくていいや。

2004-10-14 00:08:46 | 小豆島
小豆島一周100Km連続歩行で出会ったおじさん。

20キロ地点過ぎから面倒を見てくれ
あたしがリタイアする52.7キロ地点まで
励まし続けてくれたおじさん。

あたしと同い年の子どもがいて
岡山弁が似合う優しくてかっこいいおじさん。

何故か気に入られたらしく
宿泊したユースホステルでも、
「帰ってから電話するね
とこっそり耳打ち。

OLさんが社内で上司と不倫するときてこんな感じなんだろかと思う。

だけど、20何年も前に付き合ってた女のひとに
「あのときのことを謝りたい」なんて
彼女の実家の連絡先をいまだに握っていたり、
日に何通もうきうきメールが届いたり、
(笑)を(笑う)と書いたり、
(そもそもあたしは、この表現方法自体が嫌いだ)
ひとの話をぜんぜん聞いてなかったり、
メールの文章が支離滅裂で意味をなしてなかったり、
携帯が圏外で返事をたまたまできなかっただけなのに
「やっぱり若いアキ男。さんには私は迷惑でしょうから」などと
勝手に推測して意気消沈しちゃったり、
が、
あたしが人間的に魅力を感じない所以だ。

女々しい!
女々しすぎる!

自分の父がそんな男だったら激しく屈辱的だ。

そんなおじさんは青春真っ盛りなのか
来月はるばる岡山から会いに来るらしい。
あたしとしては年賀状のやりとりだけできる関係が
細々と続けばそれで満足なんだけど。

ご馳走してくれるって言うし
ここは貞節を以ってして若さを切り売りしてやるか。

そんなときの遵守すべき心得は
みかちやシノブやHanageに聞いたらいいだろか。
コメント (13)
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