旅する小林亜星

小林亜星情報満載

永遠のテーマ

2006-07-31 23:35:25 | 俺のすべて
大学3年のとき
仏文学専攻だったあたしにゼミから出た宿題は
「デカルトの『方法序説』を読み、自ら課題を立て述べよ」
という何とも曖昧なものだった。

二ヶ月の夏休みを自堕落に費やした20歳のあたしが
足りない脳みそで提出した稚拙極まりないレポートは以下。

精神と肉体はつながっているか

友達以上の感情を抱いていなかった男友達となり行きで
たった1回肉体関係をもっただけで
翌日には私は彼のことが好きになってしまっていた。
肉体のつながりが精神に影響を及ぼしたのか。

私はその時純粋にも
「ああ、心と体ってつながっているんだ。」
と彼を好きになった現象をこのように理由付けた。
この気持ちは日の目を見ることはなく半年続いた。

精神と肉体はつながっているのか。
この課題の結論を出そうとするにはあまりにも経験が不足しているし、
個人・男女で異なると思う。

一般的には女性は精神のつながりなしに、
肉体のつながりを作ることはなく、
男性は精神のつながりなしでも
肉体のつながりを作ることができると言われている。

一概には言えないかもしれないが、
男性には子孫を残そうとする本能があるから、
全く否定はできないと思う。

又、いつも恋人と離れずにはいられない人、
いつも一緒にいなくても平気な人がいる。
精神がつながっていても肉体もつながりを求める人と
精神がつながっていれば肉体は離れていてもかまわない人、ということだ。

これに関しては精神と肉体のつながりの問題以前に
恋愛感情が日常の生活でどのくらい重要視されているか、とか
性格の種類の問題と解釈できるかもしれない。

相手の精神を好きだから、
肉体のつながりを求めるのはよくあることだ。
しかし何の感情も抱いてない相手と肉体のつながりを持ったことで
精神はつながるのか。

それとも私が前述の男性に肉体のつながり同様
精神のつながりも求めたのは、
私の精神が、相手の精神も自分に向いていると誤解したからなのか。

もし肉体のつながりが精神のつながりに絶対的に影響を及ぼすのなら
売春婦は何人もの男性と精神のつながりを持つことになってしまうだろうから、
絶対的とは言えない、ということは確実だ。
やはり私が精神と肉体のつながりと思った現象は
精神の誤解から生じたものと思われる。

そして、精神が本当につながっていれば
肉体が離れていても彼らはつながっているし、
肉体がつながっていても精神がつながっていなければ
彼らはつながっていることは困難であるだろう、という一般論から、
肉体のつがなりは差異はあっても不安定であり、
肉体と精神はつながっていないと思われる。

しかしそれらの相互に及ぼす影響は少なからず存在することも否定はできないと思う。
(原文のまま)

こんなレポートを真面目くさって
教授に提出したのかと思うと恥ずかしさで顔が燃える。
留年もせず卒業させてくれたことに大感謝。

これを書いてから10年近く経って
あのころよりうまく立ち回れていても
心と体のつながりは永遠のテーマ。

セックスに依存はしていないと思う。
セックスに固執しているのだと思う。
それは自分が選び取ってきたことの結果。

そしてこれからも永遠のテーマ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

18

2006-07-31 01:20:21 | 青春生き残りゲーム
~だけど、結婚したいの黒沢の結婚式で
隣りに座ってたハンカチ男と長電話をしていた深夜。

どちらに転んでもおかしくない微妙なバランスを保った友情は
転びそでずっと転ばなかった。

彼とセックスをするのは
時間の問題ではなく
タイミングの問題だった。

夜風に吹かれながら
「俺はアキ男。とセックスしたいよ。
 今からうちにおいでよ。」と言われた26時40分。

シャワーを浴びて
彼の家まで車を飛ばした。

整理整頓術を出版しそなくらいの
専業主婦の収納術をもってして片付けられてるよな彼の部屋は
長すぎた友達の期間を抜け
セックスをする関係にシフトするには
あまりに男臭がしなさすぎた。

シャワーを浴びた彼はバスタオル1枚で股間を隠し
おもむろに部屋の電気を消した。
どんな顔をしていいのか混乱した。

暗がりの中で
彼の日に焼けた黒い筋肉の形を手の甲で探検しながら
全身が神経になったよに彼の肌を感じた。

それは本当に彼の人柄が滲み出たやわらかいセックスだった。

彼の指と舌が間髪入れずにあたしの中に入ってきて
そのひとつひとつの動作が一撃一撃あたしに快感を与える。
そんなクンニだった。

抱きしめてほしいと思ったころ
彼は挿入してから上に上がってきた。
彼の肢体に腕を絡みつかせて彼の体温を感じながら
彼の動きに自分の動きを合わせた。

1回戦が終わってから
恥ずかしいので彼に背を向けて横になった。
身体をくっつけて
同じ方向を向きながらポツリポツリと言葉を交わした。

「やわらかい生活」を見に行こうと誘ったとき
彼はすでにその映画を見ていた。

「アキ男。といっしょにいられるなら
 見てないふりをしてもう一度見に行ってもいいと思った。」
という言葉は心を揺さぶった。

彼がそっとつぶやいた歌の意味を
帰ってきてから調べてみた。
たとえそれが常套句だとしても
彼を愛しいと思った。

逢いみてののちの心にくらぶれば昔はものを思わざりけり
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

冷静と錦糸町のあいだ

2006-07-30 15:16:06 | 流れ星
両国と錦糸町の間、
緑二丁目にマンションを所有してる
ちょっといいなと思っていた38歳の職場の独身男が

来週帰国するマレーシアンのお別れ会も兼ねて
隅田川花火鑑賞用にマンションを開放してくれた。

28歳のときに買ったというマンションは3LDKで35年払い。
集まったのは会社の同僚男3人、女3人。
まるであいのり。
全員独身、平均年齢32歳。

陳健一の麻婆豆腐を携えて到着すると
マレーシアンによるマレーシア料理はすっかりできていた。

マンションは10階で
第一会場と第二会場の花火が両方バランスよく見える好位置。

でも花火はどこか遠くで起ってることのよで
あたしは真下で心臓に音を感じる花火のほうが好きだと思った。

あたし以外の女のひと2人は年上でてきぱき働いてた。
氷を入れたり、お皿を洗ったり。

食器洗いを奪い合うくらいの勢いは
女アピールが出すぎているようで
あたしはひいてしまうから何もしなかった。
だから気がきかないと評価されるのかもしれない。

23時をすぎて皆が帰り支度を始め
独身男は相当酔っ払っていたので
「ほんとに帰っちゃうの?」と明らかに寂しそうだった。
マレーシアンの足元にすがりついたが
全員が呆れたよに日曜に予定があるので、とあっさり撤退。

皆とさよならしてからしばらく経ち
ひとりで帰り道を歩きながら
そういえば彼は部屋の鍵を閉めただろかと電話してみると
彼は寂しさのあまり千鳥足で外に出たようだった。

今どこにいるかわからないと言うので
不安になり迎えに行くことにした。
いや、下心がなかったといえば嘘になる。
爆笑問題の太田光と嫁のなれそめを思い出した。

彼のマンションの下に戻ると
彼のお気に入りの女性が帰ってしまった方向、
遠くのほうで彼がよれよれしていた。
脇を抱え、部屋まで連れ戻す。
徘徊症の老人の世話をする錯覚。

再び彼の部屋の居間で
向かい合って烏龍茶をすする。

彼は脈略のない言葉を繰り返す。
ちょっとした駆け引き、
前に進むのかどうかという駆け引きがあったよな気がした。

寂しさに心を占領された彼の性欲に応じるのは
赤子の手を捻るくらい容易だったけれど
それをするのはフェアじゃないと思った。

彼があたしを好きかどうかではなく
本当にしたいと思ってるのかどうかわからなかったから。

駆け引きに気付かないふりをして巧みにかわしていると
彼はその場で眠り始めたので
布団をかけて眼鏡をはずした。

あまりの無防備さにキスくらいしてもいいだろかという考えが
一瞬頭をよぎったがムードに欠けていたので断念。

彼のマンションを再び後にして家路につく。

あたしと二人で過ごしたあの時間が
彼の記憶に残ることはないのだけれど
据え膳を食わない選択もできるようになった自分は
ちょっと大人になれた気がする。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

仮面

2006-07-30 14:06:35 | 野生のチューリップ
土曜は社内研修で
「移動体通信の基礎知識」という講習会に出席。
つまり携帯の仕組み。

講師を務めるのは同い年のよく知ってるひと。

講義内容に興味があったというより
彼が自分が学んだ技術を社内に啓蒙したいと
前々から準備してたことに興味があった。

テキストはものすごく分厚くてうんざりするほどで
元ネタがあったとしても
これをひとりで準備するのは相当労力を注ぎ込んだのだろうと
容易に推測できた。

自分が社内研修の講師をやるかもしれなくなってから
聴講するときには
受講生という姿勢ではなく
講師という視点で臨むよになった。

言葉の選び方とか
間の取り方とか
わかりやすさとか
注意の引き方とか。

彼の講義は講師デビューとは思えないほど
堂々としていてわかりやすかった。
そして内容はよく練られていた。

身近な話題ということで
どんどん新しい疑問が沸きあがってくるのが抑えられないほどに。

彼とは1年前くらいにやはり社内研修で知り合い
ときどきいっしょに飲む関係で
あまり深い関わりではないけれど

彼の家のホームパーティーにお呼ばれし
おもてなしの仕方や
奥さんとのやりとりをじかに見たことで

彼はいろんなものを隠し持っているのに
いつもやわらかい雰囲気と笑顔を絶やしてないということに気付いた。

あたしより、
ひと足先に三十路に足を踏み入れたそんな彼を見ていて
あいう年のとり方をしたいとなんとなく思った。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

自分証明

2006-07-28 23:33:19 | 旅人
プライベートで名刺をもらうことが多くなり
会社は名刺を支給してくれないので
憧れのプライベート名刺を作成。

いかに安く
いかにセンスよいものを手に入れるかにこだわったが
最終的にはこれで妥協。

¥1,590/100枚

英語と中国語で自分を表現した一枚。
自分の存在証明。

最初の1枚は美容師にあげた。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

こんな夜にはこんな映画「やわらかい生活」

2006-07-27 23:43:40 | こんな夜にはこんな映画
実に4人の男性を誘い
鑑賞を断られた映画「やわらかい生活」を見にいく。

断られた理由(断られた順):
人と同じ空間にいるのが億劫
女のひとと映画に行くと変な気持ちになってしまうから
仕事があるから
予定があるから

基本的に映画はひとり鑑賞派なのだけれど
ひとりだとものぐさで行かないことになりそうだったので
誰かと約束をして絶対行かざるを得ないモチベーションがほしかった。

公開は明日まででレイトショーのみ。
劇場は新宿と大森があって
今日は新宿の人ごみをよける余裕が心になかったので
キネカ大森を選択。

小さい劇場に30人。

映画は原作と全く別もので
あたしはこの映画、好きだ。

この映画の主役は寺島しのぶ以外には演ってほしくないほど
彼女の演技に引きこまれ
帰りの電車では軽く鬱な気分になった。

大森南朋はもったいない。
妻夫木聡は不要。

がんばりすぎてなくて
明日への希望を持とうと思わせなくて
やわらかい映画。

ところでキネカ大森は
上映中におしゃべりするよな観客がいるわ
止まったりついたりを繰り返す冷房の音がうるさいわで
劇場の質としてはかなり低いと思った。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

鳴門の渦笑

2006-07-27 23:22:40 | 流れ星
前の職場の同僚が今月末で退職するとのことで

今日は代休が取れたし
前の職場の近くの図書館に半年延滞してた、
川端康成の「片腕」を返すがてら
いつもの定食屋、「福屋」でランチを共にした。

肝心の退職する予定の同僚は
相変わらずの下痢で午前休だったらしく会えなかった。
これといってすごく彼に会いたかったわけではないのでよしとする。

久々に行った福屋の今日のランチはビーフカレーだった。
おじさんとおばさんが
帰省した娘を迎えるよに歓迎してくれた。

お座敷に座って
見知らぬ顔2人に挨拶する。

今の職場では毎日mixi相手にコンビニランチなので
自分の話に突っ込みをいれてくれる笑いの渦が快感だった。

あたしはこのランチの時間で心のバランスをとり
それで何度も救われたよなと思い出した。

同僚にさよならして
図書館に本を返し
2つの銀行で通帳記帳するとやることがなくなった。

しばらくこの街、田町には来ないだろうから
思いつく限りの用事を済ませたかったのに
どんなに考えても用事は見つからなかった。

熱さと陽射しに耐えられなくなり
田町をあとにした。

あたしはもう田町の住人ではなくなってしまった。
ノスタルジー。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

中国の定義

2006-07-27 01:11:51 | 中国
ひと月前、来日した中国人に
「中国に来たことはありますか?」と聞かれたので
あたしは申し訳なさそな顔をして
「ないんです。」と答えた。
「近々行きたいと思ってます。」と慌てて付け加えた。

よくよく考えてみれば
香港も台湾も行ったのだから
雰囲気は違えど
中国という国には行ったことがあるのだ。

自分の中で香港も台湾も別のひとつの国として
認識されてることを初めて自覚した瞬間だった。

そして別のひとつの国として認識してるからこそ
中国は大きすぎてとっつき難いけれど
香港や台湾は訪れやすいのだと思った。

香港は堂々と中国の定義に入るとして
台湾が中国なのかどうかは立場によって変わるのかなと思い
パスポートを確認してみると

香港は「HONG KONG」で
台湾は「中華民国」という入国印が押印してあった。

ということはパスポート的には
どちらも中国とは別物として扱われているのだ。

香港や台湾に生を受けたひとは
自分は中国人ではなく
「香港人」とか「台湾人」というアイデンティティがあるのだろか。

中国人の友達がこんなことを言っていた。
「中国に来たことがありますか、と聞かれて
 はい、台湾に行ったことがあります、と答えると嬉しがると思いますよ。」

大陸に生を受けたひとは
台湾を同じ国として扱われたいのかは引き続き疑問。
コメント (5)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

黒い魔物

2006-07-26 00:23:00 | 中国
日曜の夕方。
日本語は、むずかしいのエロ中国語個人レッスンのついでに夕飯。

「辛いカレーが食べたい。」というと
連れて行かれたのは本郷三丁目のなか卯。
なんとなく、きつねうどんをチョイス。

研究室で彼が読んでたのは
「WTO体制下の日本農業」という本だった。

パラパラめくってみて
母国語なのに難しい本を
彼が読んでいるという事実に打ちひしがれた。

普段感じない知性を感じると
それだけで魅力的に感じてしまう。

今回のエロ中国語個人レッスンでは
同じ子音に異なる母音と異なる音声が加わると
全く違う意味の漢字になることを一字一字確認した。
宿題がでた。

後楽園まで歩いて
彼の眼鏡をいっしょに選んだ。
やはり南キャンの山ちゃんに似ている。
無意識に赤い縁の眼鏡ばかり薦めてしまう。

鼻毛さえ、
その1センチほどはみ出た鼻毛さえなければ
あっという間に恋してるかもしれない。

中国では鼻毛は忌むべきものではないのですか。

侮れない、黒き夏の魔物1センチ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

六本木心中

2006-07-25 23:36:39 | 大宮サンセット
森美術館をあとにして
金曜夜の六本木に繰り出した。

東京に30年近く住んでるのに
六本木に行くのは10回目くらいだ。

友達の結婚式2次会・・・1回
映画「CUBE」鑑賞失敗・・・2回
映画「CUBE」鑑賞・・・2回
六本木に下宿してた友達の家訪問・・・数回
現場の停電対応で時間潰し・・・1回

予想以上の外国籍割合の多さに唖然。
なぜ彼らは六本木に集まるのだろう。

彼らのほうが
あたしよりよほど本当の東京を知ってるのかもしれない。

地方からきたかのよに
夜の六本木をきょろきょろする。

おいしいジンギスカンのお店の客も
勧誘をする呼びこみの店員も
ホスト系の黒服も
やはりどこか一段階上の上品な印象を受けた。

次回は知らない東京、麻布に挑戦したい。
探検ぼくの街。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする