旅する小林亜星

小林亜星情報満載

独伊

2008-12-31 05:18:33 | 旅人
ボスと何度かの交渉を経てなんとかゲットした5日間のクリスマスホリデー。
同居人のマレーシアン3人と北上の旅。

初日の夜、マレーシアン女子のかわいさに
フラフラと吸い寄せられてきたのが、イタリア人K。

自称アメリカンインディア系というとおり
深い彫りにイタリア人の華やかさがミックスされてエレガント。

あとからやってきた、
前日の夜にイタリア人Kと仲良くなったらしい、おっさんドイツ人R。

ただのデブ。

クリスマスイヴの夜はわいわいと過ごす。

3人の同居人は2日目の夜に帰宅。

イタリア人Kとドイツ人RとPaihiaのビーチに泳ぎに行く。
あまりの冷たさに絶叫。

海の水温は陸の気温より1月後れ、を体感。

一番に陸に戻ったイタリア人Kが
どこぞのコブ付きエキゾチックな女性と会話を楽しみはじめた。

次に陸に戻ったドイツ人Rも会話に加わる。

一度水温に慣れたあたしはひたすら泳いで体温をキープしていたので
陸になかなか戻る勇気がなく。

一大決心をして陸に戻り、ガタガタ震えていると
イタリア人Kが宿に戻ろうと言ってくれた。

なかなか話をやめようとせず
彼女の気をひくためか、双眼鏡など持ち出すドイツ人R。

震えるあたし。

宿に戻って3人でお茶をしてると
YHA主催のクリスマスパーティで相当酔っ払った、
YHAのスタッフのニュージーランド人Dが参戦。

回ってない呂律の英語はゆっくりですごくわかりやすかった。

彼女が「ブロークバックマウンテン」の話を始めたので

「あー、あたしもあの映画、大好きだよー」と言ってみると、

「ジャックが死んじゃったとき、
 あたし、あまりにも悲しくて悲しくワイン一本あけたよー
 それからひと晩泣いたー。
 彼、世界一セクシーだと思う。
 彼にプロポーズされたら、絶対結婚しちゃうもん」

と1センチ長の睫を瞬かせるニュージーランド人D。

「うちのお父さんね、ゲイ恐怖症なんだけどね、
 うちの隣に住んでるこれまたゲイ恐怖症なおじさんとね、
 『ブロークバックマウンテン』を見ようってことになったらしいの。

 彼らがそれを見たとき、あたし家にいなかったから
 彼らの反応も見れなかったんだけど・・・」

と続ける彼女。

「あー、酔っ払って歯の感覚が4分の3なくなってきた」

とどうでもいい情報を続ける彼女。

あたしたち3人は素面だったので
そんな彼女に爆笑の連続で。

彼女の家はYHAから遠いらしく
どうやって帰ろう~と悩ましげだったので

ドイツ人Rが車で送っていくよと言った。
ドイツ人Rはその晩、隣町に宿を予約していたから、そのついでに。

ニュージーランド人Dは

「じゃ、うちに泊まれば?」と提案。

隣町まで運転するのが面倒になってたドイツ人Rはラッキーな面持ち。

二人が手をつないで出ていったので

あたしがイタリア人Kに

「R、あの子と今夜セックスすると思う?」

とにやにやしながら聞くと

「やろうと思えば簡単な状況だけど
 彼はそういうタイプの男じゃないと思うよ」とイタリア人K。

あたしはRはそういうタイプの男だと思った。

ところが5分後にドイツ人Rは車でフラフラと戻ってきて
どうしたの?と聞いてみると

「あの子、酔っ払いすぎててさ、
 家の前まで行ったら、じゃぁね、って言われた。

 泊まっていけば、って言ったの、覚えてなかったみたい・・・

 で、ブチューってキスされたよ。
 僕の唇、彼女がつけてたバニラ味のリップの匂い。うえー。」

とかなんとか言って嬉しそうだったRは
再び隣町に向かって出発した。

そんな一夜。
新日独伊。
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会計報告23

2008-12-31 05:04:34 | 会計報告
<12月24日>
食料NZ$33.6
共有食料NZ$33.4/4
ガス代NZ$50/4
昼食(チキン丼)NZ$40/4
おやつ(アイス)NZ$12/4
Hole in the rock NZ$309.6/4
駐車場NZ$2/4
パイヒアYHA NZ$111/4
夕食(Only Seafood)NZ$126.5/4
飲料代NZ$10/4
ボディソープNZ$2.5

<12月25日>
フェリー(Paihia←→Russel)NZ$40/4
昼食(ピザ)NZ$72.9/4
パイヒアYHA NZ$24
飲料代NZ$5.3
夕食(Curry Delight)NZ$85.95/3

<12月26日>
レンタカー2日間NZ$120
Mainstreet LodgeNZ$26
ガソリン代NZ$39.3
飲料代NZ$3.3
インターネット20分NZ$2

<12月27日>
カーフェリー(kohukohu→Rawene)NZ$14
Waitangi Treaty Grounds NZ$20
世界一美しい公衆トイレのポストカード5枚NZ$2.5
おみやげNZ$6
飲料代(コンビニで世界一美しい公衆トイレの場所を聞くための情報料)NZ$3.4
ガス代NZ$30
パイヒアYHA NZ$24
夕食(Thai Garden Café)NZ$22.9

<12月28日>
バス(Paihia→Auckland)NZ$45
ポストカードNZ$0.5
バス・電車1日券(Auckland→自宅最寄り駅)NZ$13
飲料代NZ$3

計NZ$670.8
エンゲル係数 25.9

初海外での運転800キロ走破とカウリの美しい神々とやっぱりひとり旅が好き priceless
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社長

2008-12-23 20:54:08 | 青春生き残りゲーム
Kiwiな社長主催のクリスマスパーティが
あたしたちの家で行われた。

社長は何人かの労働者を抱え
クライアントに必要な労働力を必要なだけ提供するひと。

クライアントからは最低賃金に上乗せした給与をもらい
あたしたちには最低賃金を払い、

その代わり、仕事の送り迎えや
その他もろもろの労働者の物理的、精神的ケアをする。

去年働いてたという女のこたちと
社長がいっしょに写した写真を持ってきて

そこには左から韓国人女子、日本人女子、香港人女子、ウクライナ人女子と
ハーレム風状況に鼻の下が伸びきった社長。

酒を飲め飲めと社長に勧められながらも
ジンジャービアというノンアルコホールを飲んでたあたしに

勝手に酔っ払ってしまった社長が
また件の写真を持ってきて言った。

「この韓国人と、ウクライナ人、いただいちゃった。
 おっぱい大きくて、最高だった!!!」

「え、いただいちゃったて、どういう意味ですか???」とすかさず突っ込むと

「だからそういう意味だよ」と得意げな社長。

従業員とやっちゃったなんて
聞きたくない情報だったなと思いつつ。

そして今日社長と長い付き合いの元従業員と
四川料理を食べに行ったところ

「その韓国人の女の子にね、みんなで飲んでるときに
 目の前で社長がキスしたり、お触りしだしてさ、
 そのあと二人で出かけて行って、明け方帰ってきたんだけどさ、

 その子、あまりに恥ずかしくて
 そのままいなくなっちゃったんだ」

「社長はオープンマインドなアジア人の女の子が大好きなんだ」

「その子がいなくなったあとね、
 ウクライナ人の女の子は22歳くらいでやっぱりおっぱい大きかったんだけど
 
 ネットで知り合った、
 Kiwi人の40歳くらいのトラック運転手のおっさんと結婚したんだけど

 おっさん、年のせいか、あっちのほうが全然だめでさ、
 ウクライナ人の女の子は若さゆえの性欲を持て余して
 社長を誘ったってわけ」

同居してるマレーシアン女子に
ボディタッチが多いなとは思っていたけれど

Kiwiのわりに執拗に酒を勧めるとは思っていたけれど

ビジネスライクな社長が
自腹でクリスマスパーティを主催する裏には

そんな下心が見え隠れしていたとは。

ところで
社長の会社は株の半分を社長の奥さんが握ってるらしい。

危ない橋を渡ったなら
もっと慎重になるべきなのに

あたしにそんなどうでもいい情報を吐露してどうする。

来月にははたまたおっぱいの大きいブラジリアン3人娘がやってくる。
おもしろくなってきた。

おっきいおっぱいに、メリークリスマス。
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続報

2008-12-18 23:11:43 | 青春生き残りゲーム
裏側続報。

小指氏によると
実は現場には23歳の容疑者のほかに
もうひとり中国人がいたのだとか。

でも警察が来たときには
現場に23歳の容疑者しかいなかったし
23歳の容疑者はいまだに事件について黙秘を貫いてるらしい。

小指氏はもうひとりの中国人が実は実行犯だったのではないかと信じてる。
もうひとりの中国人はすでに中国に逃亡したのだとか。

23歳の容疑者の父親がもうひとりの中国人の行方を追ってるらしい。

たとえば23歳の容疑者がもうひとりの中国人を庇ってるとして
人生を棒にふるほどの見返りはなんだったのだろう。

お金?
それとも無償の友情?

小指氏は無職ながら
23歳の容疑者が勾留されてる刑務所に

毎週NZ$60を差し入れてるとのこと。

その裏側の裏側を知りたいと思う。
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流梨

2008-12-15 18:09:10 | 青春生き残りゲーム
そんな小指氏が日中プラプラしてたところ

オンラインで運命的に出会ったのが
広州省の、とある女子23歳。

なんでも家族が大規模なビジネスを営んでいて無職。

1週間で恋に落ちた彼がうれしそに彼女の話をするので

「もし会ってみて、超ブスだったらどうするの?」と

浮かれ風船に針を刺してみると

「外見なんか関係ないんだ」と目の前でまた風船が膨らんでく。

「中国行きの航空券買ってくれるなら会えるよ?」ともちかけた彼に

NZ$2500を送金した彼女。

とうとうゲットした彼女の写真には
あまりにも美しい女性が写っていたとか。

そんな彼らに待ち受けていたのは
彼女の既存のお金持ちなカレシとの結婚を望んでる家族の大反対。

家族に逆らえない彼女が出した決断は
小指氏との永遠の決別。

「ぼくは世界を変えてみせる」と豪語した小指氏は

彼女のカレシのプロポーズ大作戦や
彼女の家族の束縛をも覆し

とうとう彼女に

「小指氏のことが好き」と言わせるところまでこじつけた。

小指氏は20日の飛行機で帰国する。
香港の空港に迎えにくるはずの彼女とクリスマスを過ごす目論見。

会ったこともない彼女に
ましてや電話で話したこともない彼女に

数週間でぞっこんになり

「愛のないお金持ちと結婚するより
 生まれて初めて愛を感じられたぼくといるほうが幸せになれるに決まってる」

と小指氏。

はたまた会ったこともない小指氏に
ましてや電話で話したこともない小指氏に

数週間でぞっこんになり
NZ$2500を貢ぎ

一生安泰のお金持ちカレシのプロポーズをふいにし、
借金まみれの男に人生をかけようとしてる彼女。

お金より愛を信じることを否定はしないけれど

その愛がヴァーチャルであることと
数週間で培われたものであるということは

ただただ滑稽だった。

ワークビザに関して
大変お世話になった小指氏に餞別代わりにクリスマスプレゼントを買おうと思った。

「ドリアンドリアン」という中国映画を見たとき

ドリアンは臭いけれど
なんだか友情を象徴するよな扱いだったことを思い出して

ドリアンにしようかと思ったけれど
間に合わなくて買えなかった。

そんな話をしたら
件の彼女はドリアンが好きらしく

ドリアンを食べたことがない小指氏に
香港で食べさせてあげると約束してるらしい。

買わなくてよかった。

実は写真マジックで
本物の彼女は実はかなりの不細工で

会って話してみたら
オンライン上みたいに気が合わなかったというオチを

密かに期待してる意地悪な、あたしがいる。
ドリアンの試食まで、あと5日。
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絶叫

2008-12-15 17:41:43 | 青春生き残りゲーム
久々に小指氏にコンタクトしたら
なんと10月末でクビになってたそうな。

それもまた些細なネタで。

毎月恒例の顧客から承認をもらうというメールに
総統ポーラを同報しなかったという罪で。

彼がもらったばかりのワークビザを申請した、ほんの1週間後のことだった。

法律では相当の理由なしには解雇できないことになってるらしいし

たとえ相当な理由があっても
まずは従業員に警告するのが通常の解雇プロセスらしい。

けれど雇用契約を交わしてない故
なんでもありの会社。

彼は金曜日の朝、総統ポーラに叱責されたあと

「今すぐオフィスを出ていきなさい」とクビになったらしい。

ポーラは彼のデスクまでついてきて
机の上を片付ける暇も与えなかったらしい。

そんな空恐ろしい会社から
ワークビザをもらおうとしてた自分のもうひとつの未来を想像するだけで

背筋が凍る。

ところで小指氏は中国は広州省の出身で
大学受験に失敗したため

親戚に借金してNZで大学を卒業し
これから何十年もかかって謝金返済をしてく身。

オフィス去り際に
ポーラにワークビザの発行をキャンセルすると言われたそうだ。

NZで働くことができなければ
借金返済の目処が立たないと半ば絶望を味わってたころ

その1週間後に
ワークビザの申請が下りたという通知が来たそうだ。

この先2年はNZで働くことができる。

小指氏は自宅で殺人事件は起こるわ、

会社をクビになるわ、
ワークビザは無事に下りるわと

ジェットコースターみたいな人生だと苦笑いしてた。

そういえば彼がクビになった日の午後、
このオフィスで何年も働いてる大御所の、

出所のファッキン、インド人もクビになったらしい。

とにかくとにかく
そんな会社と縁を切ってよかったとなでおろす胸。
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こんな夜にはこんな映画「The Darjeeling Limited」

2008-12-14 03:26:48 | こんな夜にはこんな映画
毎晩あたしの耳元で息吹くマレーシア人男子が

毎週月曜日にDVDを5本借りてくるので
お供させてもらった。

田舎の小さい小さいフランチャイズのレンタル屋。

それはそれはうれしそうに

「ライラの冒険 黄金の羅針盤」とか
「頭文字[イニシャル]D」とか
「カンフー・パンダ」とか

あたしが絶対見向きもしないよな映画を薦められたけどオール却下。

ジャケ借りで「The Darjeeling Limited」。

「Shopgirl」のジェイソン・シュワルツマンが出てることも
レンタルに拍車をかけたけれど

何気に彼の映画を見るのは
これ3度目だ。

近年稀に見る大ヒット。

一こま一こまの色彩へのこだわりや
そのこだわりはこだわってるのか、無作為なのか不明だけれど、

画面の中に小出しにしてる情報量の制限の仕方とか絶妙。

押し付け感のない、あるのかないのか程度の家族愛の描き方に降参。

ダメ男以外の役の、ジェイソン・シュワルツマンを見たいと思ったけれど
彼にはダメ男しかないのかもしれない。

ちなみにいっしょに見始めた件の、マレーシア人男子は
あまりにも退屈だったのか途中退席。
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日本

2008-12-12 03:01:34 | 青春生き残りゲーム
「今日はちんちんを洗ってる」

=にんじんの日

「今日はおいなりを植えてる」

=キャベツの日

あたしのその日の仕事の内容をこんな隠語でやりとりしてた、
青い眼をした、かわいいかわいいカレシが日本に着いたみたいだ。

あまり返事を期待せずに

「ついた?さむい?」とだけメールを送ってみたら

日本にいるからには日本語でメールを送らなくちゃと思ってるのか
四苦八苦したと思われる日本語メールがやってきた。

メールの最後に

「Oyasumi boku no yasai onna xxx」と。

おやすみ、ぼくの野菜女。

し、しびれた。
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挑戦

2008-12-10 19:25:32 | 青春生き残りゲーム
ここへ来て
想像以上に自炊の毎日。

家の近くにも、仕事場の近くにも
食べ物を買える場所がないから。

今までしたことがなかった、
数日分の献立を想定しての、まとめ買いがどうもうまく回らない。

目先の食べたいものにしか目が向かない。

とりあえず鶏のモモ肉、ひき肉、
牛のひき肉、豚のステーキなど買って冷凍実験。

ファームで働いてるとあって
じゃがいも、たまねぎ、にんじんは無料で好きなだけ食べられる。

作ったもの
チキンカレー
ジャーマンポテト
親子丼
肉じゃが
チキンオムライス
しょうが焼き

マレーシア人女子は毎回必ず

「ちょっとだけ味見させて?」と言ってつまんでく。

同じくほかのマレーシア人女子に中国語で何とかかんとか感想言って終了。

「どうなの?おいしかった?まずかった?」と聞く勇気もないので放置。

そんなマレーシア人女子が昨日作ったオムライスにだけは目を輝かせて

「これ、超おいしい。作り方教えて?」

と言った。

うれしかったけれど
彼女があたしの料理に納得しないのは

日本的味付けが好みじゃないからなのか
はたまたあたしの料理が下手だからなのか

わかりかねる。

ところで今日作ったラムレバーの大蒜炒めには
大御所マレーシア人女子から

「あたしの友達がラムレバー料理したけど
 とても臭くて食べられなかった」

という前例を覆して

「あ、これいけるね。
 あたしも今度試してみるわ」

と言われ
ちょっとした喜びが感動に代わった。

そのラムレバーは夕飯の食卓で
ぽつんとひとり取り残されてはいたけれど

あまり味覚が鋭くないあたしには
つねに自分で作ったものはおいしく感じてしまうので

他人の舌を意識するというのは貴重だ。

誰かを唸らせられるよになるまでに
レシピが底をつきそうだけれど。
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発展

2008-12-09 19:30:16 | 恋のうた
というわけで

その関係にいっしょに名前をつけてから約半年、

青い眼をした、かわいいかわいいカレシは
2日後に日本に行く。

あたしはラッキーなことに彼のフライトの日は
朝から晩まで仕事なので2日前にさよならを言った。

空港で泣かずに行ってらっしゃいを言うなんて不可能。

いつもと同じな日曜の昼下がり
いつものパン屋に寄ってから

いつものお散歩コースに繰り出し
いつもの海を眺めた。

電車の時間が迫ってきたので車に乗り込む。

どうせまた会えるんだし、と
駅まで車で送ってもらう道中

カレシが無口になるので

いつもと同じよに送ってもらってるのといっしょだと思い込もうとしてた、
あたしの心が

「そういえば、しばらく会えなくなるんだった」

という事実にとうとう気づいてしまって
急に悲しい感情が襲い掛かってきて

3秒だけ涙を流して

すぐにまた会えるんだしと
顔を乾かした。

一番辛かったのは長くはならないつもりで始めた関係に
予想以上にはまってしまって

未来がないなら
今はお互い好きだけど

別れるべきかどうか
量りかねていたころで

今のところ未来はわからないけれど
できるだけ長くいっしょにいられる道を探す方向に

舵取りを変更したころから
この関係はより発展して安定した気がする。

今回のプチ遠恋だって
ひとの気持ちはいつどうなるかなんてわからないけれど

なんだかあまり悲しくない自分もどこかにいて
予想以上に落ち着いてる。

さよならというよりは

「じゃ、楽しんできて」という

軽い軽いスナック。

会えない間にするはずの回数のキスを済ませて

車を降りて
10分後に電車が発車する駅までダッシュしようとして

もう一度車まで戻って
窓越しにキスをした。

駅に向かおうとして数歩歩いてから

振り返ると
車の窓からカレシが手を振ってた。

涙が出ちゃうので
前を向いて

涙をひっこめて

またもう一度振り返ると
まだ車の窓からカレシが手を振ってた。
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