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旅する小林亜星

小林亜星情報満載

餞別

2008-05-28 02:31:28 | 大宮サンセット
仕事最終日の定時チャイムが鳴った瞬間に

同じ課のひとがわらわら集まってくれて
黄色い花束をくれた。

オフィス内サンダルとして
黄色い似非クロックスを履いてたアキ男。さんのイメージは黄色ですと

とにかく黄色い花束だった。

そういえば前の職場を去るときもらった花束も
オレンジ色に染まる花束だった。

そのあとの送別会でいただいたのは
機動戦士ガンダムOOPのガンダムアストレアというプラモデルだった。

「アキ男。さんはやっぱ花束よりはガンプラかなと。」

黄色い花束とガンプラ。

顔は笑顔でいっぱいにして
心の中は洪水だった。
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瞳会

2008-05-21 01:25:25 | 大宮サンセット
ここに書かれるから
やりたくなかったと言うなら

ここに書かないから
やらせてくれたらよかったのに、と思うも

やはりやってしまったら
ここに書かずにはいられなかっただろうか。

というよりはここに書かないと言ったとしても
やりたくなかったのだろう。
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嘘便

2008-05-09 01:01:09 | 大宮サンセット
大事なひとには
大事なことほど言えないわけで。

5月5日のこどもの日は父と母の35回目の結婚記念日だった。
お祝いの勢いで打ち明けようと思って

張り切って「あまおう」と「とちおとめ」を奮発ミックスさせて
ショートケーキを作ってみたけれど

当日はあたしが夜から仕事だったことを忘れてて
またしても絶好のタイミングを逃した。

今日彼女があたしの遅い夕食のために豚肉を焼いてるとき

「来週末ちょっと映画でも観てくるわ」というほどのさりげなさを装って
この4ヶ月間粛々と進めてきたあたしの新天地プランについて

彼女の背中にプレゼンした。

ひと一倍心配性な彼女の心配を最小限にすべく
許される範囲で最大限の方便という嘘をついた。

特に治安面。

彼女はなぜまた、こんなに遅すぎるタイミングで行くのかと呆れていたが

今こそがあたしのタイミングなのだと、
この4年間の努力について数値とエピソードを交えて力説したところ

呆れ半分もなんとか受け止めてはくれたようだった。
これからどんどん彼女の心配は募っていくのだろう。

彼女の白髪をまた1本ずつ、
あたしが増やしていくのは忍びないのだけれど

ここは譲れない、あたしの人生の醍醐味なので
わがままを通させてもらうことにする。

彼女の心配が少しでも減るのであれば
あたしはどんな嘘だってつく覚悟なのだ。

ごめん、母。
あとは、父。
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黄金

2008-05-04 00:57:11 | 大宮サンセット
飛び石連休の石じゃない部分の平日に

「今日一杯どうすか?」とメールを寄越す、
牛にひかれて氏の、タイミング絶妙。

近況報告と黄金パエリア。

牛にひかれて氏が国連で働くことを、
国際協力を自己実現と取り違えてるひとを変えることを、

かつて目指してたことを、たまたま聞くに至って

牛に引かれて氏が何者かということをやや理解した気になって
閉幕なんかもしてみたけれど

この先一生かかっても牛にひかれて氏の、
すべての引き出しを味わうことはできないのだと、今さらながら気付かされた。

あたしから牛にひかれて氏を最近誘わなくなったのは
薄っぺらいあたしを、

もはや皮がなくなった玉ねぎなあたしの皮をもう剥いてほしくないからだ。
もう剥ける皮はないの、下にはないんだよ、と。

野球拳に勝負あり。

ところでおしゃべ(ぶ)り好きな牛にひかれて氏のを
この先絶対に咥えることはないと思ったので

毎回誰かと肌を重ねるたびに疑問に思ってたことを
思い切って聞いてみた。

ほかの女のひとはどうやって口内でいかせるのかを。

ほかの女のひとはあんなに太いものを口に入れておえっ、てならないのかを。
ほかの女のひとは継続的に摩擦を与えることで顎の間接が痛くならないのかを。

ほかの女のひとは摩擦を与えながら、さらに緩急つけた舌での刺激をどう繰り出すのかを。

男のひとは、女のひとがおえっ、てなってることに気付いてるのかを。

結局、男のひとも女のひともおえっ、てなりながら
相手に気持ちよくなってほしくて適当に

手を抜きながら、手を加えながら我慢してるのだと。

さらにどんなにかわいい子でも咥えてるときは不細工になるので
男のひとに上から見られてるときは

上目遣いでどこが気持ちいいのか聞いてみたりするテクニックも。

さらにさらに牛にひかれて氏の独自の統計によると
童顔な女の子は臭いがきつめな傾向にあるとかないとか。

牛にひかれて氏のバットは黄金色。
きっときっと。
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詩人

2008-05-02 00:04:29 | 大宮サンセット
そんなたまにがたまたま連れてってくれた、
高田馬場の「Ben's Cafe」。

オープンマイクなポエトリーリーディングの夕べに迷い込む。
その名も「Prize, Price the Words」。

ちょっとカフェラテを飲むだけのつもりが
おっと詩の世界にはまり込む。

意味のわからないリズミックな言葉の羅列。
尋常でない感情の垂れ流し。

ふつうのひとが、とある瞬間に何かに憑かれたかのよにパフォーマーになり
芝居がかった声色でマイ詩の朗読をする。

制限時間の5分後にはちょっと照れ笑いしてから
またふつうのひとに戻る。

そのオン・オフの瞬間がひとによって異なるのがおもしろくておもしろくて
虜になる。

りんごを貪りながら
汁をぽたぽたと垂らしつつ

呪いのよな絞り声で
だけどけっこうな頻度で噛んでしまった、いけてない女の子は特に。

出力の仕方が違うだけで
彼らの痛々しさとあたしの痛々しさには共通点がある気がした。

自分の中の膿を公衆の面前で出そう出そうと徒労してるところ。

あたしには「恋する小林亜星」を
人前で朗読するほどの勇気がないだけで。

いやきっと、あちらの世界を一度でも覗いてしまったら
もう戻ってこれない気がして臆病だ。
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独活

2008-04-27 23:29:31 | 大宮サンセット
17時、その店の最初の客として入店。
23時半、その店の最後の客として会計。

6時間半のワープ。
3人で約3万円。

3年前は仲良くなれないと影で泣いた相手と
3年後の今、こうして深い話をできてるありがたき幸せ。

在り難き。

独活が苦くて、梅肉が映える。
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薄謝

2008-04-18 23:13:53 | 大宮サンセット
19人目にセックスしてみたかったひとが
LPICのクラムメディアのウェブ問題集を自作でPDF版にしたものをくれたおかげで
LPICの勉強がかなり効率よくいったので

ニュージーランドに行ったとき
何かお礼におみやげを買っていこうと思った。

が、彼はものへのこだわりが強いので
なんか適当にチョコレートとかワインとか買うのも嫌だった。
吸う煙草の銘柄も覚えてないし。

というわけで
「ほんの気持ち。」とだけ書いたポストカードを送ってみた。

さきほどメールがきて

「家着いたら『ほんの気持ち。』が届いてた
 このくらいで丁度いい
 サンクス」

と。

こんなときメールの文字列は
オーラルコミュニケーションを凌駕する、と思う。

このくらいの距離で丁度いい。
こちらこそサンクス。
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愚鈍

2008-04-12 23:55:44 | 大宮サンセット
会社に辞める意思を伝えたのは今年2月頭。

あたしの後任を準備するのに2ヶ月もあったはずなのに
連れてこられたドナドナは過去2つの現場にて顧客に駄目だしされたというK。

会社命令だからと机に頭をこすりつける、かわいい営業Tが
本音で話してくれたのであたしも本音で応戦。

「ほんとごめん、ほんとぶさいくで
 ほんと知ったかするけど、悪いやつじゃないんだよ」とT。

「何かあったらすぐに言って。
 今回駄目だし食らったら、クビだとKには言ってあるから」とT。

4月1日にKと面談、4月2日からKが勤務開始。

あ、ほんとぶさいくで
ほんと知ったかが鼻につく。
ぷーん。

最初の2日でPCの基本環境を作らせる。
今週5日で本格的説明開始。

あれ、あれれ?

1回目に教えたことを彼は理解したと言う。

次の日にその教えたことを聞くとすでに忘れているので
2回目に教え、メモを取らせる。

さらに次の日にその教えたことを聞くとまた忘れているので
ではメモを確認してと言うと、彼は一生懸命ノートをめくる。
メモしたところを読んでるのにメモしたところを見つけられない。

あたしが作った壮大なマニュアルで自分がわからないところがあったら
自分の言葉でメモをとり、それを自分なりにまとめなさいと言った。

あたしの脳裏にひらめいた言葉は「愚鈍」という表現だけだった。

それはUnixの経験があるとかないとかの次元ではなく
それは彼の能力を超えたレベルの仕事だったとかの次元ではなく

彼には何かを記憶して、それを整理して、それを応用するという能力が
根本的に欠落してるのだと思った。

彼がアメリカの大学に6年も通っていたのに
TOEICが650点というのはそういうことだと思った。

あたしは至極冷静だった。
けして感情的ではなかったと自信をもって言える。

かわいい営業Tにメールを送った。

「彼は救いようのないバカです。
 彼には何かを記憶するという機能がないのです。
 彼にはここで仕事するのは難しいでしょう。
 顧客からクレームが来る前に交代したほうがいいと思います。」

あたしはこの引継ぎを通して
この現場にいた2年分の自分の成長を確認しようと思っていたから
どんなやつが来ても育てあげようと思っていた。

同じ業務を過去2人に教えていたから
何かを教えるのが得意だとさえ思っていた。

入社1年足らずでうちの会社をクビになるかもしれないK。
それもあたしの判断をきっかけにして。

世の中にはいろんなひとがいる。

あたしは想像力は豊かだけれど
自分がけして頭が切れるほうだとは思わない。

いろんなひとに合わせて
会社の利益のために接し方をチューニングする必要がある。

あたしにはもちろん彼を愚鈍だと判断する権利はない。
だからあたしの能力の限界がそこにあった。

Kの不気味な笑顔が浮かぶ。

このひとでも生きてて楽しいことはあるのだろうか、
と余計なお世話まで頭を過ぎる。

後味、うんこ味。
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覆育

2008-04-06 00:00:23 | 大宮サンセット
10年前に2ヶ月愛したインド人は
「君はほんとにかわいいよ」と言ってくれる。

10年前に2ヶ月愛したインド人は
あたしが肉芋を作ってみたら
「これ、ほんとにおいしい。
 君は料理の才能があるに違いないよ」と言ってくれる。

10年前に2ヶ月愛したインド人は
あたしが覆面を口に含んでみたら
「今までしてもらったblow jobの中で最高に気持ちいいいよ」と白目を剥いて言ってくれる。

たとえそれらが覆蔵だとしても
女であるあたしはうれしいと思うのだ。

馬鹿みたいに、それならばもっと向上したいと思うのだ。

彼は覆育の天才かもしれない。
今となってはもう覆水だけれど。

そしてあたしはあたしの気持ちに覆土しなければならない。
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笑泣

2008-03-15 23:39:27 | 大宮サンセット
三笑を袱紗に包んで向かうTの披露宴。

お財布の顔色を伺うこともあるけれど

基本的にご祝儀は大切な友達には3枚、
職場関係、それなりの友達には2枚と決めてる。

Tは職場関係だけれど、心からの3枚。

オフィスでは冴えない男だったのに
今日Tはとてもとてもいい顔をしてた。

こんなにいい男だったのかと初めて思った。

思い出紹介で映されてた写真の中、学生時代放浪中のTもまた
オフィスのそれとは別人でいい顔してた。

席次表であたしは「新郎友人」となっていた。

ご期待に副えたかどうかはわからないけれど
ゲスト発言コーナーでちゃんと笑いをとったあたしを

Tはかつての職場の同僚ではなく
同僚ではなくなったこれからも友達だと思ってくれていたら

それはとてもうれしいのだけれど。
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