旅する小林亜星

小林亜星情報満載

最後の晩餐はキムチ鍋

2005-05-30 23:09:58 | アパート
昨日実家に荷物を運び込んだ。
いくつになっても計画性が備わらないのには
つける薬はないらしく
結局ひと月半前から計画していた引越しなのに
アパート契約満了を明日に控えても
まだ掃除が終わっていない。

テレビも冷蔵庫も洗濯機も電子レンジも箪笥もベッドも
すでにないので
今アパートにあるのは
蒲団と最低限の洋服とこのパソコンだ。

家にいるほとんどの時間
見ていなくてもテレビを付けて
とりあえずの映像と音を保持していたあたしには
昨日までは居心地のいい自分の城だったこのアパートでさえも
映像も音もない空間にいることは苦痛以外の何物でもない。

これに追い討ちをかけるよに
今日契約してたADSLが移設で
ネットさえもできなくなった。

電話もネットもできなくなって
携帯電話だけが唯一外界との交信手段であると認識すると
途端に救い様のない孤独に襲われた。

さ、さみしい・・・

自立していたつもりでも
自分が世の中にどれだけ依存していたのかを
見せつけられる。

こんなときは
3大欲求を満たすべく
明日には捨てられてしまう運命の、
6年いっしょにやってきた初代の小さなフライパンで
キムチ鍋をつつく。

無理やりに音楽を流して景気付け!と思いきや
椎名林檎に歌わせたもんだから
逆効果。

それでも拭い切れない孤独に耐えられず
行きずりでプロバイダに契約し
ダイヤルアップで接続。

あまりの遅さに閉口するもアンド。

親とはいえ久々に他人といっしょに暮らすことへの不安、
大声で泣いたり喧嘩できなくなる不自由さ、
風呂あとの裸で扇風機不可、
フリーセックス空間の損失。

自分から選択したものの
実家での新生活への不安は日に日に肥大。

さよなら、身勝手な自由。
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気持ち、アシンメトリー

2005-05-26 23:50:23 | 美容師
忙しいのと
お金がないのとで
2ヶ月ぶりに美容師に会いに行った。
髪の毛は前回の面影がないほど伸び。

毎回毎回違う髪形の味を出そうとしてくれる美容師は
ネタ切れに悩んだ挙句
「会社て髪型とか厳しいの?」と聞いてきた。

「けっこぅ緩めです」と答えると
「んじゃ、今回はアシンメトリーね」と美容師。

アシンメトリーの意味もわからず。
でも彼が生み出す髪形にわくわく。

しばらく勉強してた試験に
とうとう受かった話をしたら
「(報告の)電話してこなかったね」と美容師。

前回試験に落ちたときに
「すごくがんばったから自分へのご褒美で電話しました」
と言ったから。

実家に引っ越すことを話すと
「じゃぁ、もう来なくなっちゃうの?」と美容師。
ホストにこころを擽られたキャバ嬢のよに
「がんばって来ますよぅー」とあたし。

電話をしたとき
あまりにもあっさり切られてしまったので
気持ちがフェイドアウトしてたのに

笑いが途切れない、
あっという間の1時間半。

美容師の煙草臭い息を顔に感じながら
左右非対称の、
近年稀に見るかわいいあたし。

この触りたい
触れそうで
絶対に触れない距離。
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ソラ子②

2005-05-26 23:09:02 | 青春生き残りゲーム
今日は終日
ソラ子とにらめっこ。

1文字
1スペースでさえも
彼女の機嫌を損ねる、
命取り。

夕方ごろにはやっと
メールを吐き出すくらいには
ココロを許してくれたみたいだ。

エンジニアとしては
まだまだ気がきかない。
勘が働かない。

彼女がほんとに腹を割ってくれるのには
長い道程。
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XBF

2005-05-24 20:35:23 | ハイファイ・ローファイ
前のカレシに彼女ができたらしい。

彼と出会った、
前に通ってたバドミントンサークルの子で
あたしよりかわいくて
あたしより性格もよく
あたしよりチチが大きく
あたしよりスタイルがよく
あたしより若い子だ。

別れたのはあたしが原因だったし
あたしは偽善者ではないので
彼に幸せになってほしいとも思わないし
自分の知ってる子と姉妹になることに
嫉妬も感じない。

ただただ
なんでそんないい子が・・・
と思う。

きっとあたしと付き合ったことで
彼は少なからずいい男になったのだと
御目出度い勘違いで締めくくろう。

末永くお幸せに(偽)
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自転車少年の真価

2005-05-20 22:32:03 | 大宮サンセット
仙台駅近くで
おいしい冷やし中華を求めて彷徨っていたとき
垢で真っ黒になった乞食みたいな少年が
自転車の傍ら、地べたに座りこみ
物乞いをしていた。

自分の旅行代にも事欠くのに
ひとのことを気にかける余裕もないわ、と思って
見えないフリをしていたが
自分が四国を自転車遍路したとき
たくさんのひとの好意に助けられたことを思い出した。

無け無しの1000円を差し出す。
彼にとってその日、初の紙幣だった。

ママチャリで日本一周中。
大学は1年間の休学中で、
もうほぼ9割方日本を走りつくしていた。

1000円分はこいつから若さを吸いとってやろうと企み
「なんで一周しようと思ったの?」ときいた。

自分が四国に行こうと思ったほどの
何かを突き動かす情熱が聞きたかったのだけど
帰ってきた答えは
「ひとと出会うためです」とのこと。

ひとと出会うこと。
若いころの出会いは買ってでもしろ、と思う。

でもその少年に
あたしは魅力を感じることはできなかった。
なんだか、こう輝きがないというか。

出会いに受動的な感じがした。

どうにか彼の真髄を染み出させたかったが
コートを無理に脱がそうとする北風さんみたいになってしまった。
エールを送ってバイバイした。

鍋島忠勝の「さるさる日記」
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ソラ子

2005-05-18 23:56:06 | 大宮サンセット
彼女は繊細だ。
そして几帳面。
やや神経質。

だけど
筋の通った命令には忠実。
内臓はしっかり分類。

彼女はスマートで、スマート。
彼女はトリリンガル。

空っぽの彼女に魂を吹き込んだあたし。
言葉を発せずとも愛としい。
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カレー万歳

2005-05-18 23:25:13 | ハイファイ・ローファイ
最近のお気に入りは
yamamoriの「タイカレー チキングリーン」。

気が狂ったよにここ一週間
毎日の夕飯に。

舌先でじっくり味わえない辛さがいとおしく
舌中の上あたりで転がすココナッツ風味。

もちろん栄養があるはずもなく
他にはロクなものを食べてないので
疲れやすい

ごはん作る気力がない

タイカレー食べたい

疲れやすいの悪循環。

やめられない、
とまらない。
そして、風邪をひく。
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北海道のアジア

2005-05-18 23:07:32 | 旅人
実家の北海道に帰省してた友達が
北海道ではやっているスープカレーを
お土産に買ってきてくれた。

「スープカリーの匠」

スープというだけあって
サラサラ。
北海道というから和風なのかと思っていたら
スパイスこんもりでアジアまっしぐら。

辛さも中途半端だし
スパイスは馴染みにくいし、
もっと深い味がほしかったなぁ。

Magicspiceでリベンジか。
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初・六本木ヒルズ

2005-05-02 23:00:29 | ハイファイ・ローファイ
4月30日は
本社ビル全館停電のため休日出勤。

7時に出勤して、9~13時はビルから避難。

プライベートでは絶対に遊びに行かない会社のひとと、
お日様を浴びながら
六本木ヒルズ行きのバスに乗る。

初めて足を踏み入れたそこは
フリマをやっていて
庶民にとっては排他的なのだと決め付けていた偏見を
崩し去った。

バスの中でバリスタが
一番おいしいコーヒーとして選んだ
シアトルズベストコーヒーが話題になったので
迷い迷い買いにいく。

話題に上がったコーヒーでなく
なぜか、アイスチャイラテを頼むも
おいしくなく。

世界各国出身のたくさんの熊に囲まれて
お茶するのは
御上りさんみたいと思いつつ極楽。

そして、真っ先に魅かれたのは森美術館。

「秘すれば花
 東アジアの現代美術」展。

"THE ELEGANCE OF SILENCE"では表現しつくせない一語。
日本語の文化てやっぱりいいなぁと実感。

で、ココロを奪われたのは
ウ・チチョンの「雨」。

ただの雨粒が見方を変えるだけで
あんなにひと粒ひと粒が個性的で
いとおしい形をしていることに気づく。

「ストーリーテラーズ
 -アートが紡ぐ物語-」では
ジャナン・アルアニの「彼女は言った」が逸品。

5人の女性が首から上だけ
円形に並んで5つの画面に写っている。
解説によると5人とも
同じ英語のセリフを繰り返してるのだが
ひとりひとり微妙に違うセリフが
混じってるらしい。

あたしにはセリフの違いを
聞き分けるほどのヒアリング力はなく、
それでも引力を発する彼女たちの言葉。

表情や感情表現もまちまちで
誰かが発言しているときは
他の4人がそのひとりの発言に耳を傾ける。

時間が足りなくなって
慌しく会社に戻ることになった。

六本木ヒルズの1割も堪能できなく
またわざわざ行きたい場所ではないけれど
森美術館に行けて運がよかった。

感情のヒダヒダがまたひとつ増えた。
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こんな夜にはこんな読書「箱男」

2005-05-02 22:00:47 | こんな夜にはこんな読書
安部公房に無我夢中だ。
「箱男」をチョイス。

「砂の女」以上の凡人を超越した想像力によって
生み出された設定に呆気にとられるも
場面設定の複雑さ、理解不能。

ココロにひっかかった表現を引用。
Dが女教師の排尿を覗こうとするシーンにて、

「しかし便所は出来ることなら下から覗きたい。
 覗いた状況を想像するだけで、
 生きたクリームのうごめきが眼にしたたり込む。」

言葉だけで
子宮が熱くなるほど。

こんな作品を高校生のとき
現国の授業で取り上げ
奥に秘められたものを解説してほしかった。

さすれば
あたしはフランス文学科には
進学しなかっただろう。
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