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…漁師アトムの航跡… ~ある沖乗り漁師の綴記~

【22航海目】!

2016年11月15日 | モバイル
11月12日、女川港で水揚げ・氷を積み込み、9時30分出港。


2時間程微速で航走し、漂泊…

15時 S/B。
寒さが和らぎ、日没から凪良く調査…



秋刀魚の群れは薄く、各船散らばっての調査航走…

薄群れを操業しながら調査航走が続いた…

夜明け近くに、やや纏まった群れを操業するも僅かな漁獲に終わり
金華山の南南東近海で夜明けより漂泊。

13日、15時 S/B。
日没前から、南へと航走…
18時頃、1回目にやや纏まった群れを操業するも、
薄群れ主体の操業が続いた…

秋刀魚の魚体組成は、お世辞にも良いとは云えなくなった…

金華山の南海区、寒さはなく、むしろ暑いくらい…。
久々に空調を冷房に…
暑くなったり寒くなったり、体調管理には更に注意していかねば…!

夜明けより沖よりに20哩程微速で航走し漂泊。
塩屋崎沖である…

14日・15時 S/B。
良い凪…。

日没から調査も秋刀魚は見えず…
北西側・南西側に調査航走…。

薄群れを数回操業…

22時過ぎの操業前に、船のすぐそばにカジキが現れた…

カジキも秋刀魚を捕食しようと必死だ…!
稀に見るワンシーンだった…。

その頃から雨がパラつき、一時的に豪雨となった…

雨が弱まった頃から南西の風が吹き始め、強まった…。

調査しながら北上…

15日・1時30分、漁灯を仕舞い帰途航走女川向け!

朝4時頃の入港予定。

…ルーキー便り…

乗船からもうすぐ3ヶ月、だいぶいろんな事が出来るようになった…

あどけなさは残るものの、体の使い方も上手になり
機関室内の諸操作もいろいろ出来るようになってきた…。

但し、云われてやる仕事と自分で気付き進んでやる仕事のギャップがあるようだ…

もう少し時間をかけて育てていく…!

素直なので船に慣れるのは、早かった…
あきらかに漁師向きである。

ここから怖いのが、慣れによる怪我!

怪我には注意だぞ、秀斗…!

【21航海目】!

2016年11月12日 | モバイル
時化休みを経て、11月10日朝7時・気仙沼出港。

15時 S/B。
金華山沖、寒さは厳しいものの、凪良く日没をむかえ、南よりに調査!

1回操業しては調査航走のパターンで、南・南へと秋刀魚を追った…。

日付けが変わる頃から反転、北へ北へと調査航走…

やや纏まった漁獲で夜明けとなり、金華山南南東沖で漂泊。

11日、15時 S/B。
東風が次第に強まり、18時を過ぎた頃に
雨と共に風は南に変わり更に強まった…

寒さは和らいだものの、秋刀魚は見えず…

調査しながら北上…

金華山東沖で、薄群れを数回操業した後、西よりに調査航走…

12日朝3時、漁灯を仕舞い女川向け…
04時・女川入港。

【20航海目】!

2016年11月08日 | モバイル
11月6日・12時、気仙沼出港北上!

15時 S/B。

日没後、トドヶ崎灯台付近沿岸沿いから調査。

季節風強く、雪が降ってきそうな寒さ…

薄群れを操業しては調査航走、次第に陸中沿岸を北東よりに…

油圧の調子が良くなり、久々にスムーズな操業となり、
漁撈長も機嫌が良くなった…。

魚体組成が悪くなり、反転トドヶ崎灯台沿岸沿いを南よりに調査。

若干纏まった漁獲で、厳しい寒さの夜明けを迎え、釜石向け…。



7日朝7時・釜石港外にて錨泊…!
季節風を避けた…

15時 S/B 揚錨。
甲板の準備を整えながら、釜石沿岸沿いを調査。

季節風がおさまり、久しぶりに良い凪となり、寒さも和らいだ…。

油圧の調子が回復したのも束の間、
今度はフイッシュポンプのホースが裂けてしまった…
サランラップを使い応急で対処…
やれやれである…。

三陸沿岸沿いから南三陸沿岸、金華山沖まで操業・調査航走を繰り返し…
やや纏まった漁獲で、夜明け少し前に操業を止め

気仙沼向け帰途航走…

8日朝7時頃の入港予定。

【油圧復旧】!

2016年11月06日 | モバイル
11月5日、女川での水揚げ後、時化休みが決まった…!

メーカー立ち会いのもとで海上での操業試運転…。

…結果、新造時の設定圧力では油圧容量が足りなく、
油圧ポンプの圧力をかなり上げなければ改善しない事が解った…

今期の秋刀魚漁前に追加したワイヤープーラー2台分が容量オーバーで

それが時化海操業での負荷によって次第に出力低下につながったよう…

メーカーは、首を縦に振らない中、「鶴の一声」によって
油圧ポンプ圧力をぎりぎりまで上げる事で改善された…

何度か試運転を繰り返して、「鶴」が納得する操業状態まで復旧…!

しかし、その後のリスクはTEAM機関部に来るのだ…。

漁の足を引っ張らないように頑張っていくのに必要な諸々…

そこには当事者にしかわからない、ある意味葛藤がある…

試運転を終え、女川入港、氷の積み込み後に、市場接岸停泊となって

所用で私以外の乗組員全員が石巻へ…

氷艙と冷水冷却が残る私は船に残り、冷却を済ませた後、夕食をとり

油圧復旧によって、一息ついた安堵感で寝台に入り早めの就寝…

6日早朝より、エンジンが冷めなければ出来ないメンテナンス作業。

7時・女川出港、気仙沼廻航。

9時30分、気仙沼入港 時化休みか出港かまだ未定で待機…!

…12時、気仙沼出港「20航海目」!



【19航海目】!

2016年11月05日 | モバイル
11月1日、朝6時・宮古入港。

冷たい雨の中の水揚げ・氷の積み込み後、10時40分宮古出港!

いよいよ11月、漁場が三陸の沖合いに形成されており、漁場が遠く、
季節風は避けて通れない…

10月31日までの燃料消費は、昨年の同時期400.2klに対して
今期は425.8klの消費量となった。

…風が冷たく、初冬のような海上…
強い季節風を左舷に受け、大きなローリングを繰り返しながら沖へ…

21時 S/B。
漁灯を拡げ、甲板を準備し、ライトは点灯せず…
漁撈長による調査航走、乗組員は待機である…。

…季節風は、日付けが変わってから更に強まり、
調査航走に終わり、夜明けより漂泊…。

2日、10時30分・主機始動
風上でパラ泊中だった外国船の
パラシュートアンカーのロープが切れたようで、本船が移動。
午後一からは沖よりに移動し、15時・S/B。



多くの外国船団…
公海を調査…
早くも厳しい寒さ…

季節風は、日没頃から次第に弱まったものの本格的な冬の寒さ…

秋刀魚の群れは薄く…

薄群れを操業しながらの調査…

油圧ポンプ圧力を再度、当初の設定値に戻して、
各切換弁も再調整しながらの操業となったが

船首側の油圧漁撈機械がなかなか回復しない…

…3日・2時頃から、南風が吹き始め、夜明け前には強まった…

僅かな漁獲で夜明けを迎え、漁灯を仕舞い西よりに航走…

南系の風に変わっても寒気の影響で寒い船上…。
ローリングも激しい…

…霜月、本船の11月の漁は寒さと油圧の不調で始まった…

寒さはやむを得ないが、油圧の不調は打開しなければ…!

15時頃には風が西に変わり、向風で陸よりに…

16時30分 S/B。
山陰に夕陽が落ちていく…
陸中沿岸である…。
ポジションが陸よりとなった事とポイント的に山陰に入った事で
西風は山に遮られて、船の揺れはだいぶ良くなったが、

雨が降りだした…
この時期、一雨ごとに風を呼び、冬に近づき
三陸沖は冬海となっていく。

秋刀魚漁は夜間の漁、日没から夜明けまでは、日を追うごとに長くなっても

一晩に数時間しか凪ない事も多くなる…

凪間の漁は、時間勝負ともなる…
トラブルは可能な限り少なくし、漁撈長(漁)の足を引っ張らないように
もっと頑張っていかねば…。

陸中沿岸沿いを北へ、南へと調査航走…!

久しぶりに灯台の灯りを見ながらの操業。

幾羽ものかもめが船と並んで飛んでいる…

まるで、船も飛んでいるよう…

20時頃から操業開始。

付近調査中の船は、本船含め僚船9隻…。

やや纏まった群れも操業し、夜明けより季節風を避ける為、久慈港へ…

7時から15時まで久慈港で風を避けて、再度陸中沿岸沿いを調査。


日没から薄群れを数回操業し、南よりに調査航走…


そして今年も「秋刀魚の寒風干し船上造り」始まりました…!

トドヶ崎沿岸沿いで2回程操業した後、調査しながら女川向け南下…。

5日朝5時30分頃の女川入港予定!