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…漁師アトムの航跡… ~ある沖乗り漁師の綴記~

【19航海目】!

2016年11月05日 | モバイル
11月1日、朝6時・宮古入港。

冷たい雨の中の水揚げ・氷の積み込み後、10時40分宮古出港!

いよいよ11月、漁場が三陸の沖合いに形成されており、漁場が遠く、
季節風は避けて通れない…

10月31日までの燃料消費は、昨年の同時期400.2klに対して
今期は425.8klの消費量となった。

…風が冷たく、初冬のような海上…
強い季節風を左舷に受け、大きなローリングを繰り返しながら沖へ…

21時 S/B。
漁灯を拡げ、甲板を準備し、ライトは点灯せず…
漁撈長による調査航走、乗組員は待機である…。

…季節風は、日付けが変わってから更に強まり、
調査航走に終わり、夜明けより漂泊…。

2日、10時30分・主機始動
風上でパラ泊中だった外国船の
パラシュートアンカーのロープが切れたようで、本船が移動。
午後一からは沖よりに移動し、15時・S/B。



多くの外国船団…
公海を調査…
早くも厳しい寒さ…

季節風は、日没頃から次第に弱まったものの本格的な冬の寒さ…

秋刀魚の群れは薄く…

薄群れを操業しながらの調査…

油圧ポンプ圧力を再度、当初の設定値に戻して、
各切換弁も再調整しながらの操業となったが

船首側の油圧漁撈機械がなかなか回復しない…

…3日・2時頃から、南風が吹き始め、夜明け前には強まった…

僅かな漁獲で夜明けを迎え、漁灯を仕舞い西よりに航走…

南系の風に変わっても寒気の影響で寒い船上…。
ローリングも激しい…

…霜月、本船の11月の漁は寒さと油圧の不調で始まった…

寒さはやむを得ないが、油圧の不調は打開しなければ…!

15時頃には風が西に変わり、向風で陸よりに…

16時30分 S/B。
山陰に夕陽が落ちていく…
陸中沿岸である…。
ポジションが陸よりとなった事とポイント的に山陰に入った事で
西風は山に遮られて、船の揺れはだいぶ良くなったが、

雨が降りだした…
この時期、一雨ごとに風を呼び、冬に近づき
三陸沖は冬海となっていく。

秋刀魚漁は夜間の漁、日没から夜明けまでは、日を追うごとに長くなっても

一晩に数時間しか凪ない事も多くなる…

凪間の漁は、時間勝負ともなる…
トラブルは可能な限り少なくし、漁撈長(漁)の足を引っ張らないように
もっと頑張っていかねば…。

陸中沿岸沿いを北へ、南へと調査航走…!

久しぶりに灯台の灯りを見ながらの操業。

幾羽ものかもめが船と並んで飛んでいる…

まるで、船も飛んでいるよう…

20時頃から操業開始。

付近調査中の船は、本船含め僚船9隻…。

やや纏まった群れも操業し、夜明けより季節風を避ける為、久慈港へ…

7時から15時まで久慈港で風を避けて、再度陸中沿岸沿いを調査。


日没から薄群れを数回操業し、南よりに調査航走…


そして今年も「秋刀魚の寒風干し船上造り」始まりました…!

トドヶ崎沿岸沿いで2回程操業した後、調査しながら女川向け南下…。

5日朝5時30分頃の女川入港予定!