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…漁師アトムの航跡… ~ある沖乗り漁師の綴記~

【サンマ漁・15 航海目】!

2013年10月16日 | モバイル
10月も中旬、ついに季節風が吹き荒れる時季の到来である…!

12日・女川での水揚げ後、季節風が強く、気仙沼廻航。

15時30分・気仙沼入港後、氷を積み込み、網のメンテナンス作業…

時期的な時化海に備えワイヤーの交換も検討したが、

時間が遅くなった為、次の機会に持ち越した…。

13日・7時30分、気仙沼出港。

西風が強く、海面は風波で真っ白…

強い季節風の三陸沿岸を北上、前航海の南下帰航中は南東の風、

今回の沖出し中は西風と、左舷側から波・風を受けて

激しいローリング(横揺れ)を繰り返す…

当直後に過ごす寝室での寝心地は最悪、寝台から落ちそうになり、

横になりながらも体を支え、寝ているのか起きているのか…

津軽海峡沖・まだうねりも残り、季節風は更に強まり微速での航走。

揺れが大きい船上、道東沖までの道程は長い…

凪の良い航海とは疲労回復感が全く異なる…

海で働く者達の宿命ではあるが…

…14日・16時 S/B。

ずいぶん凪にはなったが、うねりが残っている…。

日暮れ前、付近には4隻の漁り火…

ソナーにも、魚群探知機にも、反応がある…!

僚船1隻と他船団の船3隻が同海区で日没と共に操業開始。

早速、大群操業!

次の時化が待ち構えている為、操業はよりスピーディーに!

しかし、網に入ったサンマを入魚する為の氷艙がなかなか空かず…

スピーディーにはいかない…!

目が回るような忙しさである…

なかなか「大獲り」時の作業連係が噛み合わない…!

まだまだ、場慣れ(経験)が少ないメンバーですが、

それでもみんな、必死に頑張り23時・操業終わり!

日付けが替わる頃、南東からの風が吹き始めた…。

「荒天準備」また時化の津軽海峡越えである…

秋刀魚漁・大型船解禁から2ヶ月、

いまだ漁場は遠く、時化が多い…。

踏ん張り時である!

16日・朝5時 気仙沼入港。


【サンマ漁・14 航海目】!

2013年10月12日 | モバイル
八戸沖合いの海区から北上し、8時40分 花咲入港。

水揚げ・氷の積み込みを終え、11時・花咲出港、道東沖の海区向け!

小型サンマ漁船とスライド・花咲港に向けて次々と帰航して行く。

この時間のスライドとは…

まだまだ近場には漁場が形成されていないようだ…

…16時、八戸沖合いの海区から航走、

水揚げせずに北上した各船が漂泊中のポイント着も、

調査のみで沖へ沖へと航走!

花咲出港後から降りだした雨が、日暮れ前からどしゃ降りの雨に…

19時、台湾船数隻が操業中のポイント着。

数回の操業後、僚船3隻と共に更に沖へ…!

いっこうに弱まらないどしゃ降り雨の中、22時頃から操業再開。

道東沖、冷たい大雨の中、操業は続くも、灯付きが悪い…。

日付けが替わり、1時頃からは風も伴いはじめ、時化模様…!

しかし、その頃からサンマの灯付きが良くなった。

風が更に強まり、強風に伴ってうねりも高く大きくなった…

台風崩れの低気圧…

悪天候の中、奮闘、漁獲を纏め、

夜明けより南西側に4時間程微速で航走し、漂泊。

10日・16時S/B 。

時化はおさまり、前夜の大雨があがって秋晴れの天気。

うねりが若干残った道東沖、風が北に変わり、

涼しいを通り越して寒いと感じる程に…。

日暮れから、時間の経過と共に良い凪になったが、

20時過ぎからは霧となり、

久々の濃霧の中で操業開始。

魚体組成は良いが、群れは薄い…

回数操業となったが、漁獲は伸びない…

23時頃から群れが纏まりだし、00時・操業終わり!

久しぶりの良い凪も、次第に波が高くなって来ている…

早速、次の時化が近づいて来ているようだ…

漁灯を仕舞い 「荒天準備」 低気圧に向かっての帰途航走になる!

西へ航走、10時頃から南よりの風が強まった…

陸よりに南下、南東の風がうねりを伴い強くなった。

時化の津軽海峡沖を微速で航走…!

12日・9時頃、女川入港予定。


【サンマ漁・13 航海目】!

2013年10月09日 | モバイル
5日・20時過ぎ、気仙沼入港。

接岸時、操業中に効かなかった船首側サイドスラスタの右旋回が可動した!

操業と航走の合間に行った作業の行程が正解だったよう…

操業の終わりは、右旋回を使わず、そのまま帰途航走となった為…

メーカーの作業担当者が訪船、診てもらいましたが大丈夫だった…

操業中に行う操業以外の作業は、気持ちが落ち着かない…!

出来るものなら、作業は操業時以外の時であってほしいが、

なかなかそうはいかない!

6日は日曜日で市場休み、Fo・Lo系統のメンテナンス、冷水冷却…ets

作業を終えてから、マッサージに…

漁場が近くなり、疲れが溜まる前に身体もメンテナンス。

7日・水揚げ、氷の積み込み後10時・気仙沼出港、Co 80゜

00時・日付けの替わりと同時に漁場着。

なにやら雲行きが怪しい…

南下第一陣の群れが濃かったので、主漁場となり、

本格的な盛漁期として推移すると思ったのですが…

…薄群れを数回操業し、夜明けをむかえ、僅かな漁獲に終わり、北上。

…16時・S/B

久々の良い凪で、昨夜の挽回をと思いながら操業に挑むも、

やはり、群れは薄い…

北上しながら回数操業も漁獲は伸びず…。

日付けが替わってから漁灯を仕舞い、北上帰途航走・花咲向け!

9日・8時半頃入港予定。


【サンマ漁・12 航海目】!

2013年10月05日 | モバイル
10月2日・17時20分、花咲入港!

前航海、9月30日の気仙沼出港後、北上中にスライド・

南下して行った僚船2隻は水揚げ後、北上し、

台風避難で早くも花咲港に入港していました。

我々が接岸した後、故郷の先輩が機関長として乗船している船も

花咲入港、本船に抱かせ、更にもう1隻と、3段付け…

多くの船が花咲港に台風避難である…。

故郷の先輩機関長に挨拶して、気になっていた冷凍機の状態に

アドバイスをいただいた…!

丁度、冷水冷却中だったので、実際の状態を診てもらいながらの

アドバイスは、かなり参考になりました!

ありがたい事です!

3日早朝から水揚げ、水揚げ後は待機となった…

水揚げ後に氷艙を冷却している際にも先輩機関長が訪船、

様子を診てくれた。

同じ集落で生まれ育った先輩…

新造船建造中も、いろいろ聞きに行きましたが、

その都度親身になって教えていただきました。

南三陸の先輩で機関長職の方々は意外と多く、

聞きに行くと、みんな親切に教えてくれる、

いい先輩達に恵まれている事も、ある意味財産だと思う…!

当然、もっともっと勉強する事も大切ですが…。

…7時頃から花咲接岸中の船が動き始めた…

福島・いわき船団が1隻、また1隻と離岸…

漁撈長に主機始動を聞きに行くと、もう少し後でとの事…

隣に抱かせていた2隻、先輩機関長が乗船している船も

主機始動・もやい綱を離し出港して行った。

避難中だった多くの船が次々に出港。

港内が落ち着いてから、本船も主機始動!

根室の知り合いが訪ねて来てくれたのですが、慌ただしい時間と重なり

挨拶しか出来なかったのが残念…。

7時45分・離岸、出港となった…

まだまだうねりが残り、激しいローリングを繰返しながら

道東沖の漁場向け。

夏海が良かった分、最近は時化続き…

雨も今期は多い気がする…。

17時・S/B。

付近に見えるのは僚船3隻。

19時頃から、薄いが魚体組成の良い群れを数回操業し、沖へ!

しかし、サンマが見えなくなり僚船3隻と本船が並んで南下…。

22時頃からは雨が降りだした…

…台風後内地東北各港から出港し、北上してきた僚船数隻が

大群操業中との報…!

八戸沖200哩…!

サンマの南下第一陣。

結局、道東沖へ向けた各船は一斉に南下…。

10月4日夜半より南下、午後3時頃ポイント着。

漁撈長による水温調査・日暮れ前に操業開始も、

カン巻き込みワイヤーがトラブってしまい網を揚げ、ワイヤー交換…

ワイヤー交換後、操業やり直しも、今度は

船首側サイドスラスタが効かなくなった…

先日交換した電磁弁ソレノイドを再度予備と交換したが

片側には回転するが反対側には回転せず…

急遽、昔ながらの押し竹を用意して操業!

昔の船とは船の大きさが違う…

なかなか船から網が拡がらない…

漁撈長は操船に苦労したであろうが、なんとか夜明け前に

操業終わり、帰途航走。

サンマは一気に南下し、主漁場が形成された…

八戸沖東より約200哩から約16時間…

船は5日・20時気仙沼入港。


【サンマ漁・11 航海目】!

2013年10月02日 | モバイル
9月30日水揚げ後、28日に不慮の水漏れで

焼損してしまった船首にある甲板長艙庫内の

船首側サイドスラスター電磁弁と

海水クーラー付け海水循環ポンプのモーターを交換し、

14時・気仙沼出港。

海水循環ポンプ起動、冷凍機始動、冷水艙冷却。

約50tの冷水造り、氷を使わず冷却するのには海水温度にもよるが、

艙内の水温19℃で最短約10時間を要する。

出港して冷水造りをしていると、またも台風が来ているとの報…

しかもダブルで…!

早くも台風の影響で、うねりが高め…

台風の進路を気にしながら三陸沿岸沿いを北上。

台風シーズンだと云うのに、サンマはなかなか南下しない…。

中層の低水を遊泳して南下しているとは思うが、

沖よりに回遊しているのか? 太平洋岸に回遊して来るのか…?

これまでのデータでは沖より、陸よりがあるが

10月15日頃には、東北・岩手の黒崎沖に浮き、漁場が形成されている!

9月も終わり、いよいよ10月である…!

10月ともなれば、道東沿岸や襟裳岬沖で

南下第一陣の群れの報が聞こえて来るのですが…。

…9月/本船の燃料消費量は154.1kl の補給量に対し、

178.13kl の消費、うち調査中消費量は36.65kl 。

新造船という事で、燃料油の積み込み量や、積み込むタンクも

いろんなパターンでバランスの良い状態を模索、試行錯誤…

今は、船を軽くする為に燃料積み込み量を抑えています。

解禁からの補給量は、230.2kl 消費量は 240.5kl、

調査中消費量は52.98klとなっていて、

漁場が遠い為、燃料費高騰の影響は大きい…!

10月1日・16時S/B。

高めのうねりに雨が強く、時化模様…!

ライトを点灯させ固定、調査しながら主漁場向け!

雨とうねりによる白波・ライトの探照先で時折サンマは跳ねるが

操業できるような群れではない…

目指すポイントには日付けが変わる頃に到着の予定…

気仙沼港からは34時間程の航走時間を要する…。

サロン(食堂)のTV、BS放送の前に乗組員が集い、

台風の進路予想図と情報を見ているが、

さすがに電波が弱くなり、消えたり映ったりのよう…。

エンジンルームの気温30.5℃ 上部機関室は25.5℃、

外気温度も下がり、三陸沿岸と道東沖の季節感はかなり違う。

雨で視界が悪く、操業船の漁り火が見えなかったが、

00時、漁場着と同時に台湾船の赤灯、ロシア船の白熱灯、

日本船のLED灯が見える…!

ほどなく操業開始。

付近を調査・操業を続け、夜明け迄…

夜明け近くから風も強まり、呼応するようにうねりは更に高まった…!

夜明けと共に、漁灯を仕舞い帰途航走。

17時、花咲入港予定!