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…漁師アトムの航跡… ~ある沖乗り漁師の綴記~

【サンマ漁・11 航海目】!

2013年10月02日 | モバイル
9月30日水揚げ後、28日に不慮の水漏れで

焼損してしまった船首にある甲板長艙庫内の

船首側サイドスラスター電磁弁と

海水クーラー付け海水循環ポンプのモーターを交換し、

14時・気仙沼出港。

海水循環ポンプ起動、冷凍機始動、冷水艙冷却。

約50tの冷水造り、氷を使わず冷却するのには海水温度にもよるが、

艙内の水温19℃で最短約10時間を要する。

出港して冷水造りをしていると、またも台風が来ているとの報…

しかもダブルで…!

早くも台風の影響で、うねりが高め…

台風の進路を気にしながら三陸沿岸沿いを北上。

台風シーズンだと云うのに、サンマはなかなか南下しない…。

中層の低水を遊泳して南下しているとは思うが、

沖よりに回遊しているのか? 太平洋岸に回遊して来るのか…?

これまでのデータでは沖より、陸よりがあるが

10月15日頃には、東北・岩手の黒崎沖に浮き、漁場が形成されている!

9月も終わり、いよいよ10月である…!

10月ともなれば、道東沿岸や襟裳岬沖で

南下第一陣の群れの報が聞こえて来るのですが…。

…9月/本船の燃料消費量は154.1kl の補給量に対し、

178.13kl の消費、うち調査中消費量は36.65kl 。

新造船という事で、燃料油の積み込み量や、積み込むタンクも

いろんなパターンでバランスの良い状態を模索、試行錯誤…

今は、船を軽くする為に燃料積み込み量を抑えています。

解禁からの補給量は、230.2kl 消費量は 240.5kl、

調査中消費量は52.98klとなっていて、

漁場が遠い為、燃料費高騰の影響は大きい…!

10月1日・16時S/B。

高めのうねりに雨が強く、時化模様…!

ライトを点灯させ固定、調査しながら主漁場向け!

雨とうねりによる白波・ライトの探照先で時折サンマは跳ねるが

操業できるような群れではない…

目指すポイントには日付けが変わる頃に到着の予定…

気仙沼港からは34時間程の航走時間を要する…。

サロン(食堂)のTV、BS放送の前に乗組員が集い、

台風の進路予想図と情報を見ているが、

さすがに電波が弱くなり、消えたり映ったりのよう…。

エンジンルームの気温30.5℃ 上部機関室は25.5℃、

外気温度も下がり、三陸沿岸と道東沖の季節感はかなり違う。

雨で視界が悪く、操業船の漁り火が見えなかったが、

00時、漁場着と同時に台湾船の赤灯、ロシア船の白熱灯、

日本船のLED灯が見える…!

ほどなく操業開始。

付近を調査・操業を続け、夜明け迄…

夜明け近くから風も強まり、呼応するようにうねりは更に高まった…!

夜明けと共に、漁灯を仕舞い帰途航走。

17時、花咲入港予定!