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…漁師アトムの航跡… ~ある沖乗り漁師の綴記~

【2021'16航海目】!

2021年11月26日 | モバイル
今期のサンマ漁大型船解禁から3ヶ月目の11月20日・花咲港。
修理を依頼していた安定器が直り、借りていた安定器と交換しテスト点灯
やっと普通に戻り、気が楽になった…。

花咲港での水揚げ後、朝4時30分出港、南下…!

季節風強く、大きなローリングを繰り返しながら前航海の操業海区向け…!

15時30分S/B。
更に南下!
東経147° 北緯40°以南 海水温はだいぶ低くなったが、サンマの南下回遊は活性化しない…
冷たい季節風によって外気温が低く震える寒さ…

調査航走が続くがサンマは見えない…

そんな中、僚船のトラブルが聞こえてきた…!
おおよその見当がついたので、本船内でも操作の周知徹底を伝搬…!

夜明け前には良い凪となったが、操業できるような群れはなく北東側へ航走。

時化予報続きだが時化の合間の日和に懸けて公海の主漁場向け…!

21日・15時S/B。
また季節風が強まった…

つくづく 揺れもなく、静かで、のんびりできる温暖な場に身を置きたい気持ちである…

強まる季節風にサンマも見えず、21時 漁灯を仕舞い北東へ…

かつて、11月下旬に北緯43°を目指した事があっただろうか…?
しかも東経155°の公海…
想定外の展開が続く特異な漁形態…。

これからこの海区は冬海となって漁には適さなくなる!
くれぐれも気を付けて働かないと…

22日・15時S/B。
外国籍船が数十籍いる…
まだ残っている船がいたのか…
若干うねりは高いが、風はなくこの時期にしては凪が良い方だろう…

23日は朝から大時化の予報。
寒さ厳しい中、サンマを追って凪間の調査が続く…!
そんな中、また右舷側のライトが消灯…
修理済みのライト安定器が僅か3日でまた不調となった…
神はまだ、私に安息を与えてはくれない…!

借りていた安定器が良好だっただけに、修理後は安心していたのだが…
遮断器が焼損、固着してしまった…
違う箇所にも不具合があるようだ…。

時間の経過と共にうねりもなくなり良い凪となった。
しかしこれは嵐の前の静けさ…

南よりに調査、21時頃からサンマが見え始めた…!

夜明け前には風が吹く予報…

急ぐ漁撈長、凪間に懸ける思いが操船から伝わる…!
やや纏まった群れを操業開始…!
しかし、そういう時にかぎってトラぶる…。
網を入れる際、船首側のワイヤーがドラムにガッチリと噛んでしまった…。
網を揚げてワイヤーを交換…

強い口調がスピーカー越しに響きわたる…!

凪間に浮いたサンマだ、足が早い…

…またサンマが見えなくなって西よりに調査航走

2時30分頃から風が来た…
薄群れを数回操業、夜明け前には冷たい雨が強く降りだした。
漁灯を仕舞い荒天準備…
南東からの風が強まり、支え…

昼前から夕刻までは南東風の嵐、日没後は風が北西に回り吹き荒れた…!

日付けが変わって、02時S/B。
嵐は去ったがまだうねりが残る公海、若干サンマは見える…
薄群れを数回操業し夜明けより漂泊。

24日・15時S/B。
若干うねりが残ったが風はない…
しかし冷たい雨が降り続く…

15時40分頃から操業開始…!
1回操業・調査航走のパターンで南東側にサンマを追った…!

時間の経過と共にうねりが下がり良い凪となったが冷たい雨は降ったり止んだり…
雨足が強まる時に海面に白波がたつ程風が吹き、雨が止むと風がなく良い凪に… が数回…。

やや纏まった群れもあり、凪間の日和の操業だったが漁獲は伸びなかった…

夜明けより南西側に微速で6時間程航走し漂泊。

25日・15時S/B。
良い凪だったが日没と共に季節風が吹き始めた…!

雨と共に季節風が次第に強まり、漁灯を仕舞い帰途航走。
荒天準備後、花咲向け…

また時化に追われた…
「待てば海路の日和あり」とはならなかった…
帰途航も時化予報だ、やれやれである…。

強い季節風で大きなピッチングを繰り返しながら、船は26日22時頃の入港予定。

Facebookに23日の嵐のピーク前支え中の様子の一部をアップしますが、
乗り物酔いする方は観覧注意です。