blog-atom 2

…漁師アトムの航跡… ~ある沖乗り漁師の綴記~

【48時間休漁】!

2012年09月20日 | ブログ

9月15日・大船渡市場での水揚げ後、48時間の定時休漁。

秋刀魚漁大型船解禁から丁度1ヶ月、まずは水揚げの1つ目の目標クリア…!

漁労機具の中でも、時間がゆるす時にやっておいた方が良い箇所がある。

「秋刀魚棒受け網漁」という漁種のとうり、棒受けを送り出す機具、

網を巻き揚げる機具、数箇所のメンテナンスを済ませてから帰宅の途に…!

大船渡から自宅までの帰路であるが、

陸前高田市の「奇跡の一本松」は、見えなくなった…

県境を越え、気仙沼市に入ると

大津波によって打ち上げられた巻き旋船が1隻だけ、

まだ打ち上げられたままの状態でいるのが見える…!

大震災によって寸断されたままの、JR気仙沼線

(気仙沼駅~登米市陸前柳津駅)間の

鉄道跡は少しずつ改良され、バス専用道路(BRT方式)として

部分的に開通、鉄道の代替えとして機能しています!

瓦礫置場のガレキは少しずつではあるが減ってきている…

しかし、まだ解体されていない建物も多い…

道路脇に停車している自動車を見ると、

宮城・岩手  以外のナンバープレートが多い…!

カメラを手にしている方々も多い…

世の中、連休中という事もあり被災跡を見て廻っているのでしょう…

津波の破壊力を実際に眼に焼き付けて後世に語り継ぐ事も、

ある意味「防災」である…!

津波が到達した場所にもかかわらず、新築中の家があるのも現実…。

岩手県南・宮城県北の現状を目にしながら帰宅。

自宅の庭先から、蝉の鳴き声が聞こえる…

まだまだ残暑が厳しい南三陸…

我が浜では隣の浜と共存しながらの高台移転が進行しつつあります。

偶然にも、御先祖様が残してくれた山林で、子供達の将来の為に

整地しておこうと伐採していた場所が高台移転候補地になった…

移転計画予定の仮図面を見た、

地域の復興の為に協力したい気持ちは強いが、

?が付く事項も多い…

津波後、我が浜の居住地区南端側になってしまった我が家ですが、

養殖施設の資材置場になっていた自宅前の空地にも

家が立つらしく、準備が始まっている。

我が地区もいよいよ、光ファイバー網が整備され、

我が家もついに光通信が出来るようになった。

大震災から 一年半…。

被災地から復興地域へと、多くの方々に支えられながら、

もう一年半である…!

48時間休漁のおかげでいろんな私用を済ます事ができた…

休漁明けは、漁模様の好転が期待できそうな気がする!