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…漁師アトムの航跡… ~ある沖乗り漁師の綴記~

【秋刀魚漁・8 航海目】!

2012年09月20日 | モバイル

17日朝6時、大船渡出港

15日に大船渡市場に水揚げした休漁明けの4隻が、

南東からのうねりが若干高めの三陸沿岸を北上。

衛星水温図の表示に冷海水の流入を示す低水温域が

ロシアのチェックポイント付近を通過して南西側に伸びてきた!

日付けが変わり、18日2時30分  S/B。

北上航走中の南東からのうねりは、道東沖にくるにしたがって弱まった。

相変わらずの濃霧の中、

漁灯を出す作業を急ぎ、広げた漁灯順にLEDが点されると

漁灯の光に秋刀魚が見えはじめている…

S/B 完了で船橋右舷のライトに昇る途中にレーダーを見ると、

帰航中の小型船と思われる船影が並んで来ている!

その2哩程先には操業中らしい大型船が2隻、

左舷後方側からは我々と同じく沖出し航走中らしい1隻の船影が確認できた!

と同時に船は減速、後進…!

ライトを点灯、濃霧の海面を勢いよく漁灯の下に秋刀魚が跳ねて来る!

ライトの探照先でも秋刀魚が跳ねる…。

瞬く間に船の周りを秋刀魚が群れる!

大群操業も、秋刀魚を網の中から汲んでいる途中に明るくなり始めた…

夜明けである…!

まわりが白く明るんできた中、秋刀魚は漁灯の下で泳いでいる…

連続で網を入れるも揚網では秋刀魚が入っていない…。

夜明け後、沖よりに1時間程潮昇せして漂泊!

夜明け前に同海域で操業した3隻は、

それぞれ宮古・久慈から休漁明け出港してきた他船団の船でした。

操業した海域は低海水特有の、緑がかった濁水、いよいよ秋刀魚の水が来た!

18日の日暮れ頃から、うねりが高くなってきたが

霧がなく、各船の漁り火がよく見える。

休漁明けで各港から出港してきた船が集まり、久々に周囲の漁り火が賑やか…!

しかし、肝心の秋刀魚が見えない…

南側に調査、濁水が続いている。

20時頃からサンマが見えきたが、様子が違う…

サンマは深いようだ…!

漁労長が群れにのせたであろう船の周りの海面を、

ライトの探照先でゆっくりと大きく叩くと

漁灯の灯りの下の濁水から沸き上がるようにサンマが集まって来る…!

大群操業とまではいかないが、纏まった群れを数回操業している間に、

南東からのうねりが高まり、そして霧もやってきた…

うねりが高くなっての操業は漁労機具にも身体にも負荷が強い…

各持ち場の機具の操作や合図は、より慎重に、トラブらないように注意して!

津軽海峡沖の気象ポイント予報が悪いらしく船首側の魚艙1つには入魚せず、

3時、操業終わり、南下帰途航走

南東からの高いうねりは益々高くなり、

襟裳岬沖からは、やや左舷側からの向かい風が強くなって微速航走…!

船は20日朝、大船渡入港予定。