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…漁師アトムの航跡… ~ある沖乗り漁師の綴記~

【サンマ漁・9 航海目】!

2013年09月25日 | モバイル
20日・気仙沼港での水揚げ後、

甲板の都合により 造船所に上架する事になった…!

それに伴い、船体を浮かせる為、船底のFoタンクから

燃料油 総積み込み量の約半分をパージ船に移送した…。

Fo移送終了後、吉田造船所に上架。

…上架中を利用して機関室内海水ラインのメンテナンス…!

甲板不具合箇所の補修・点検後、21日・17時過ぎ 下架、

燃料油・氷・冷水用の清水・飲料用の清水を積み込み

20時・気仙沼出港。

上架によって全ての機関を停止した為、

再度起動させた各機関を診廻りながら

船は三陸沿岸を北上、漁場向け!

北西の風がやや強い…

22日・16時、S/B 。

風向が北に変わり、向かい風の為、漁灯を拡げる間だけは微速…

甲板準備中は漁場へ急ぐ兼ね合いがあり、FULL !

船首できった波がシャワーのように降りかかる

さすがに道東沖での北系の風は冷たくなった…!

20時・小型船と他国船が操業中の漁場着。

付近を2時間程調査も、操業できる群れがなく、沖へ…!

日付けが変わり、02時過ぎ、大型船数十隻が操業中の海区着。

風はまだ強く、うねりも若干高め…

ほどなく、群れにあたり操業開始。

群れは、やや纏まっている…!

この時間ともなれば、夜明けまで僅かという事で、

操業のスピードもいつも以上に要求されるのがサンマ漁の通例…

しかし、まだサンマ漁の新人達は理解していない部分があり、

切替(状況による次の支度)が噛み合わず、てんやわんや…。

調査航走中から群れに遭遇した時の各々の持ち場での次の行動は

不慮ではない…

各々がシュミレーションしておかねば…

そんな喧騒の夜明け前、クジラが数頭おり、

操業中の船の周りを遊泳、操業しながらのホエールウォッチングは、

上昇したテンションを和らげてくれる…。

夜明けまで数回操業し、若干纏まった漁獲…

夜明けより漂泊。

23日・16時、S/B 。

良い凪になったが、夜明け前の喧騒が嘘のように、

サンマの姿・魚映が無い…

各船、南西側に調査…。

19時過ぎから操業開始。

大主体の魚体組成で割合がいいが、群れは小さい…

数回の操業後、西へ調査移動。

外船は、台湾船10隻とロシア船5隻がおり、

日本船は小型船が多く、大型船は数隻。

群れは薄く、サンマは深い…

…日付けが変わり、月が高くなった頃

群れが固まりだしたようで、1時頃から漁模様が一変…!

各船が近くなり、操業激戦区となった…!

中層で反応が大きく繋がっているようで、漁灯の明かりの下に

サンマの群れが跳ねあがる!

波飛沫と共に躍る銀鱗に胸が高鳴り、テンションも上がる!

大群操業!

数回で一気に漁獲を伸ばしたが、夜明け近い3時頃、灯付きが悪くなった…。

船団から離れ、南東側へ…

東の空が明るみ始めた頃、

残った氷の始末を甲板長と話ていた時、

船の後進によるエンジン音に比例するように、

スクリューによる白波に向かい、船の四方から跳ねて来るサンマ!

サンマ漁師の言い方で「夜明けの一発」!

この大群により、満船となった…!

本船の乗組員は比較的若い人が多いがサンマ漁の経験が浅く、

まだ操業の連携が繋がらないところがありますが、

その分、経験を積む事によって今後の伸びしろがあり、楽しみ。

乗組員みんな元気に頑張っています!

船は24日・夜明けより南下帰途航走、女川向け。

台風の影響か、南東からのうねりが高く、船は横揺れ…

凪悪く帰途航中、25日・14時頃の入港予定!