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…漁師アトムの航跡… ~ある沖乗り漁師の綴記~

【秋刀魚漁・9 航海目】!

2012年09月22日 | モバイル

20日6時・大船渡入港。

まだまだ暑い大船渡港での水揚げ・氷の積み込み後、14時30分・出港!

帰航中のうねりはおさまり、凪良く北上。

三陸沿岸の海水温はまた少し上昇、市場で冷水艙に補給した清水に、

航走しながら取水した海水を海水滅菌装置を通して

海水クーラーで冷却しながら冷水艙に循環させ、冷水を造るのだが、

さすがに取水時の海水温が高いと、なかなか冷えてくれない…!

襟裳岬沖通過時から久々に風向が北北西に変わり、秋風を感じながら

21日13時・漁場着!

15時S/B。

最高の凪、霧もない、広範囲に渡って船が見える…

すぐ傍に、ロシアの秋刀魚漁船(トロール型)が見える…

P1090684

遠くには台湾の秋刀魚漁船も見える、

今期初めて纏まった主漁場が形成されたようです!

西側の水平線が真っ赤に染まる夕焼けと、

東西南北ぐるりと秋刀魚漁船の漁り火…

日没後、船が少なめの南東側に調査航走、

秋刀魚の水(緑がかった濁水)の範囲もかなり広くなったようだ…。

前航海が高いうねりの中での操業だったので、

ライトのガラス面にかかった波しぶきが、ライトの熱で塩状になっている…

操業を終えての帰航準備時は漁灯をしまい、船を早く航海態勢にする為、

ライトには急いでカバーをしてしまう…

次の航海のS/B後、カバーを外してから清水で流し、塩を取り除いてから拭き、

曇りを取った後、駆動部には注油している。

ライトの探照先に明るい光を通し、ライトの駆動部も軽い方が良い。

些細な事ですが、意外と大事…

自分のこだわりである…!

17時30分頃、航走ストップ・後進・ほどなく操業開始!

右舷側ライトを廻している最中に漁労長が窓から顔を出す、

「こまい(小さい)んじゃない?」と私。

「反応がでかいんだ」と漁労長。

「了解」!

そんなわずかなやりとりがあり、

ライトを消して、網に向かう途中に見る魚探には

いい色の反応がでている。

揚網時の赤灯でサンマが跳躍り海面を持ち上げ、

銀鱗に赤が反射して海面に数回、花が咲く…。

大群操業である…!

一回目から慌ただしい操業となったが、二回目には更に網にサンマが入り、

氷艙を開けるのに時間を要した!

10時30分・4回の操業でほぼ満船に…。

魚体組成はイマイチだが、今期初の短時間操業。

その後、南下しながら甲板を整理していると、再び航走ストップ…

船の周りで跳ねるサンマ…

魚体組成がガラリ一変…

漁灯に集まったサンマを見るかぎり、魚体組成が良く、大主体…!

大群操業がこれだったら  とか思いながら、操業再開!

大群操業中には忙しくて造れなかった

スチロール箱への船上手動選別箱詰めサンマを造る作業。

日付けが変わり、01時30分・終わり!

サンマの群れは濃くなってきた!

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各船も漁獲量を伸ばしたと思われる…

いよいよ今期の秋刀魚漁は盛漁期!

道東各港への集中水揚げを防ぐ事と、内地各港の処理能力に合わせる為の

生産調整で、週一回の休漁が決まったらしい…。

船は23日早朝・大船渡入港予定!