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…漁師アトムの航跡… ~ある沖乗り漁師の綴記~

春霞み!

2007年04月01日 | ブログ

晴れているのに対岸が見えません 「春霞み」です!

200741_001 窓から見える海は

南三陸志津川湾で

対岸は神割崎に至ります。

この湾を通って志津川魚市場に入港する春漁漁船は

約15隻程度です、気仙沼魚市場には約45隻、

宮城県の春漁(イサダ漁船)は約120隻ですので

女川や石巻の魚市場には牡鹿半島周辺の船約60隻が

入港している事になります。

女川方面から出港している船は解禁当初は共に

同じ海区で操業しましたが、最近では同じ海区での

操業がありません、南三陸沿岸のイサダ操業海区は

現在大きく3箇所ほどに分かれています!

北は唐桑半島沿岸~気仙沼大島南沖、

歌津崎沖~神割崎沖、

南は大須崎沿岸~金華山沿岸、というように!

最近は金華山沿岸が一番纏まった漁獲があるようです。

漁模様は日々変わりますので一概には言えませんが

出港した港から近い海区にイサダの魚探反応があれば

その周辺での操業になりますが漁獲が足りず、その後の

時間と共に魚探反応が無くなってしまった場合に

大きく移動する事になります。

その辺は各船主の駆け引きになり、思惑はそれぞれでしょう

イサダ漁船にもソナーが用いられていますが

反応を見つけた後は魚探で判断して投網します。

我々の船のソナーは故障中で、部品を交換すれば直るらしいが

旧式で古いため部品が見つからないようです!

それでも魚探があれば反応は探せます。

宮城県は約15年程前までは今の「中層引き」ではなく

「棒差し」でイサダを漁獲していましたが、茨城県の方々が

行っていた「中層引き」漁法が岩手県に伝わり、その後に

宮城県の船主達が岩手県に行って漁法を研修し、

今に至っています。

10年前に岩手県のイサダ漁に初めて参加した頃は定量が

「500カゴ」その次の年からは「400カゴ」になり

今では「250カゴ」定量で行われているようです。

5シーズン程参加しましたが、魚価の低迷と共に

宮城県での漁に参加するようになりました。

イサダの資源も減少しているようで「400カゴ」定量だと

定量する船は一気に減るでしょうね。

宮城県の今年の漁獲量も半分以上消化したようで

このままだと4月の第2週で終わりそうとの事!

明日も海況が回復せず、早速「浜止め」の連絡が入りました。