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…漁師アトムの航跡… ~ある沖乗り漁師の綴記~

【9航海目】!

2015年09月23日 | モバイル
時化休み後の9月20日朝3時・花咲出港!

サンマ漁大型船解禁から1ヶ月が経過、

依然として簿漁で推移…

時化後に期待しながら、まだうねりの残る道東沿岸から

ロシアのチェックポイント経由漁場向け。

16時S/B。

各船と共に東へと調査範囲を拡げて行き、19℃台の海水温域で

ソナーに小さな反応が映りはじめた。

しかし日没と共に、霧がたちこめ一気に濃霧に…

薄群れを船の周り、漁灯の光の範囲に集めて操業準備も、

魚群探知機のモニターには中層にサンマとは違う反応が…

イワシかサバの類いの反応の為、

操業は網の深度を足ワイヤーで調整し混獲を防いだ…!

それでなくとも薄い群れ…

網に入るサンマは僅かである…

しかも魚体組成もよくない…!

濃霧の中、薄群れを混獲を防ぎながらの回数操業を余儀なく…

日付けが変わると、雨になった…

僅かな漁獲に終わり、夜明けより北側へ4時間程航走し、漂泊。

衛星水温図を見ると19℃台の水温域の北側に低水温域の張り出しの水境がある…

それにしても、ロシアの領海は広すぎる…

緯度を日本から見ると襟裳岬よりも南側まで領海ラインになっている…

日本の本州から遥か東とはいえ…

これも敗戦の傷なのだろうけど…。

21日16時S/B。

日暮れから濃霧時々雨…

漁灯から落ちる雫がLEDの光の色に染まり、

エメラルド等の宝石のように輝き、波に消える。

海面にはLEDの光が反射、澄んだ水色に映える…。

13℃台の水温を調査、例によって薄群れを操業開始!

混獲対象魚もおらず、魚体組成も良くなった!

雨の中、1回操業・調査航走のパターンを繰り返しながらも

夜明け前にやや纏まった漁獲があった!

夜明けより帰途航走、ロシアチェックポイント経由南下女川向け。

…濃霧や雨の操業・調査、夜が明けて漁撈長と顔を合わせると、

目が真っ赤に充血している…!

我々と違い、上部船橋操舵室で船を操船しながら、

ソナー・魚群探知機、レーダー、衛星水温図の各モニター、

ライトの探照先、各船の動き等を目視しながら、サンマを探し、

集中力を切らさずに…!

大変な仕事である事が十二分に伝わる…!

今期は、厳しいロシアコーストガードにも神経を使い…

今年のサンマ漁・北の漁場では各船の漁撈長方々の苦労は

半端ではないのである。

解禁から1ヶ月を経て、傷みはじめた網のメンテナンス

交換作業をしながら、船は凪良く南下中



23日・14時頃の入港予定!