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…漁師アトムの航跡… ~ある沖乗り漁師の綴記~

【11航海目】!

2018年10月10日 | モバイル
2週続けて台風避難、母港での錨泊となった…。

ここ2・3年のサンマ漁は、盛漁期があったのか、なかったのか、わからないような
そんな漁模様で推移してきたが
今期のサンマ漁、どうやら盛漁期入りしたようである…。

10月7日・14時、揚錨気仙沼出港!

西風強く、各船共に微速で北上!

北程 風・うねりが残って、船は大きなローリングを繰り返しながら
チェックポイント向け。

気仙沼港での台風休み中に冷水を造り終えた事で、
航海当直中のリスクは半減、他に集中力を向けれるのは
私に限らず、航海中の当直者もそうであってもらいたい!

8日、昼より冷水を再冷却、航海時間が長くなれば
当然、冷水も温度は上がる…
再冷却が短時間で済むのにこしたことはないのだ。

ただ、この先、漁場が近くなると、
水揚げを終え出港から漁場着までに出来上ががらない事もあるので、
そこは甲板長の協力が必要になってくる…!

14時30分、チェックポイント通過…
反転、ロシア領海ライン際やや南東沖へ…

15時・S/B。
風は止んだが、うねりは残った…

17時過ぎから操業開始、
日付けが変わるまで大きな移動もなく、
付近を回数操業で漁獲を纏めるも、
灯付きが悪くなり、各船一斉に北上!
2時間半程、海区移動…。

数回操業し、朝焼けの東の水平線を右舷に見ながら
数隻の僚船と共にチェックポイント向け。

8時、チェックポイント通過
反転南下帰途航走!

サンマ漁は夜間の漁なので、体内時計の管理も各々必要である…。

操業後の航海は当直順で回る!
どんなに空調が行き届いた船内であっても機関室内は別の空間である…
それでも、私なりに対策は施しているが
操業中にかいた汗が、機関室内の温度で乾いていく…
その過程が睡魔に襲われる時になる…

自身、いろいろ試した結果、「かき氷」が一番睡魔に有効だと解り、
機関室内には常備し、当直者に伝えている。

機関に携わる者は、物事に気を付ける事が特に要求される!

機関室内で久々に怒鳴った!

寝台の警報ベルが鳴り、急いで機関室へ…

…一番当直者が疲れたのか当直中に寝ており、
しかも警報に全く気が付かず、
私が起こしても事態を飲み込めていない…
しかも、当直者の切り替えミスでの警報であった…
論外である…。

新造船、まだ誰も扱っていないマッサラな機関室。
今は状態やクセを掴む最中なのだ!

機関部皆で気を付けて、
こなしていかなければならない時なのだ…!

漁撈長をはじめ、皆でする漁
自身のミスで、この漁の足を引っ張ってはならないのだ…!

そこから眠れない時間を過ごした…

船内、自分だけ疲れる訳ではない、
乗組員皆が同じ状況下で働いているのだ…。

…サンマの漁模様が良化してきた事から

時期的にはそろそろ、陸中沖でもサンマが見える頃であるが…
ここ数年、漁模様が続かない傾向で推移していることから、
凪や風向、海水温、潮の満干、等の条件が揃わないと難しいのかもしれない。



船は女川向け中、10日朝5時過ぎの入港予定。