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…漁師アトムの航跡… ~ある沖乗り漁師の綴記~

【LEDと漁船】追記!

2009年12月14日 | ブログ

昨日12月13日に放送された TBS  【夢の扉】~NEXT DOOR~

そして、 テレビ朝日系列  【地球号食堂】 

~LED搭載によるエコな漁船が獲る魚(イカ)(サンマ)~

いずれも「光」を使用する「イカ釣り漁船」「サンマ棒受け網漁船」の

集魚灯の役割と、その集魚灯を点灯させて行なう漁の説明、

そして新たにLED(発光ダイオード)を使用した集魚灯と

その開発、普及に尽力なさっている

稲田先生の事が紹介されました!

光に集まる魚の習性を利用しているため、各漁船は集魚灯を

「より明るく」「より魚を集める」という事に重きを置き、

ここ数年の間に、年数の経過している船であっても

補機(発電機)を大きくし、白熱灯の電球も「電力のより大きいもの」

にしてきた経緯があります。

それに伴い、電力容量が大きい電球や高熱に耐性のあるソケット、

ケーブル、そして出力の大きな補機(発電機)などを設備し

電力消費も大きくなり、各油圧漁撈機械への過負荷時

油圧ユニットへの高負荷で操業に支障が出る場合も多かった!

当然燃料消費量も比例する訳で・・・

航海中は主機の他、補機1台の運転で船内の電力を賄い

操業を始める段階でその他の補機を運転、他の発電機を稼動させ

発電量を大きくしていますが、各シーズンそして日々漁模様は変る。

ここ数年は豊漁で短時間操業が多かったが、

シーズンを通して漁が低調に推移し、操業時間が長くなった場合、

それだけ主機、補機共に運転時間が長くなり、

当然 燃料消費も増えます!

昨年の燃料費高騰によって各船が履行している入港予定市場迄の

主機低燃費運転(水揚げ時間まで余裕がある場合)や

入港地休漁時の補機停止、陸電の供給などでの「省エネ」対策も

LED集魚灯導入による「省エネ」がはるかに有効。 

だからといって簡単に集魚灯を新替えできるわけはなく

高いであろう設備投資費とこれまでの集魚灯をLED集魚灯に

替える事で、これまでの倍以上に魚が集まるという事でもない…

(LED導入で確実に漁獲量増加となれば普及は加速するでしょうが)

LED集魚灯の電力消費量は魅力であるが、各々の関係者は

はたして(LED集魚灯で)本当に魚が獲れるのか?

という不安も、設備投資に見合うのかという不安があるはず…

しかし搭載した船は、これまでと同じように漁獲している!

電力消費も小さく、当然 燃料の消費も削減でき、

実際に導入して使用する関係者が不可欠ながら

搭載し、使用した事で新たな発見も、可能性も見つけている…!

LEDに全新替えではないにしても、

部分的に搭載している船もいます…。

研究、実証、データ採取、開発、多くの事に関わる方々には

「御苦労様」を伝えたいです。

漁業の継続にはまだまだ、いろんな問題がありますが

この先の魅力ある漁業へは、コストの削減、「省エネ」も重要!

また、そう遠くない未来に「過剰供給なし」「安定魚価の維持」が

当然の世評になる事を願いながら・・・

まだまだ漁師でいられるように…!

魅力ある漁業で継続される環境をと……。