今朝雨戸をあけると、積雪の上に降り注ぐ牡丹雪、そして春雷に驚かされました。春から冬に逆戻りです。
さて、昨日18日は東京薬科大学薬用植物園を訪問です。
行きかえりの路傍には春の花達が種々咲いていました。
北野街道沿いのフラサバソウは草刈りでほとんど消えており、わずかに残されたものが細々と花を付けていました。逞しい花なので来年にはまた復活するでしょう。
この写真は思いがけず今日薬用植物園に咲いていたフラサバソウです。

人家の石垣にツタバウンラン(蔦葉海蘭):ヨーロッパ原産の帰化植物でオオバコ科ツタバウンラン属の匍匐性の1年草。花期は春から初夏。白花もある。

舗装道路脇にノゲシ(野芥子):別名ハルノノゲシ。キク科ノゲシ属の越年草。葉の基部が茎を抱くようになっているのが特徴で鋸歯は触っても痛くない。

同じくオオアラセイトウ(大紫羅欄花):別名ムラサキハナナ。アブラナ科オオアラセイトウ属の1年草。菜の花と一緒で一面に咲くと綺麗です。

東京薬科大学の石垣にムラサキケマン(紫華鬘):ケシ科キケマン属の越年草。ウスバシロチョウの幼虫の食草として知られる。あとで出てくるエンゴサク(延胡索)とは違い葉に切れ込みが多い。

キランソウ(金瘡小草):シソ科キランソウ属の多年草。地面に這いつくばるように広がる様から地獄の釜の蓋ともいわれる。

この石垣にはタチツボスミレも咲いていました。
人家の植木で樹木の春の花ジンチョウゲとミモザも咲いていました。
ジンチョウゲ(沈丁花):ジンチョウゲ科・属の常緑低木。三大香木の一つ。他は夏のクチナシと秋のキンモクセイ。

ミモザ(アカシア):マメ科オジギソウ・アカシア属の植物の総称。

東京薬科大学ではちょうど卒業式の日にあたり、桜はまだ咲きませんが華やかな袴姿の女学生等で賑やかでした。
その薬用植物園でも春の種々の花々が咲き華やかでした。
一面にキクザキイチゲ(菊咲一華)が咲いていました。前回来たときは白花だけでしたが、今日は中に青色のものも多く混じっており綺麗でした。この花の色は白色が主で薄青色~紫色まで変化が見られるとのことですが、自生のもので青色のものを見たことがありません。ここでは青色のものが見られるのでうれしい。

キクザキイチゲが咲く傍にコシノコバイモ(越の小貝母:ユリ科バイモ属の多年草)が数株咲いていました。山形県から石川県にかけての日本海側、静岡・岐阜・愛知県に生育する珍しい植物です。

カンアオイの仲間ではヒメカンアオイ(姫寒葵:ウマノスズクサ科カンアオイ属で常緑の多年草)だけが咲いていました。日本固有種ですが関東地方には自生が記録されていません。

ユキワリイチゲ(雪割一華)もまだ咲いています。
コセリバオウレン、セリバオウレン、バイカオウレン、キクバオウレンが咲いていましたが、葉の形が他のオウレンとは異なるキクバオウレンだけ取り上げておきます。(バイカオウレンは前回取り上げました。)

セツブンソウは果実になっていました。

オモトの果実もありました。

また、フキの白い花が沢山咲いていました。

同じ種類のフキですが奥の池の傍に咲くフキは葉が赤いフキです。こちらは食べても美味しくないそうです。

菫の仲間ではタチツボスミレ、コスミレのほかサンシキスミレとスイートバイオレットが咲いています。
サンシキスミレ(三色菫):園芸種であるパンジーの原種の一つ。

スイートバイオレット:耐寒性が強く香りが強いスミレ属の多年草。

この他はエンゴサク、オキナグサ、キバナモクセイソウが咲いていました。
エンゴサク(延胡索):ケシ科キケマン属の多年草で関東地方には自生していません。ムラサキケマンと花はそっくりですが、葉には切れ込みがありません。

オキナグサ(翁草):キンポウゲ科オキナグサ属の多年草。自生のものは少ない。

キバナモクセイソウ(黄花木犀草):モクセイソウ科の植物で日本には自生しない。

樹木ではオニシバリ、ナニワズがまだ咲いていますが、新しくミツマタとサンシュユそれにシデコブシが咲いていました。
ミツマタ(三叉):ジンチョウゲ科ミツマタ属の落葉低木。和紙の原料とされる。

サンシュユ(山茱萸):ミズキ科・属の落葉小高木。果実は食べられ薬用等に利用される。

シデコブシ(四手辛夷):モクレン科・属の落葉小高木。

以上