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こちらは、辰巳出版よりタツミムックとして2015年6月に発売された日本懐かし10円ゲーム大全。
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著者は、駄菓子屋ゲーム博物館の館長である岸昭仁氏。この方、テレビやマスコミなどにもよく登場しますので、おなじみだと思います。駄菓子屋やデパートの屋上、寂れた観光施設などに置いてあった、10円玉やコインを使用して遊ぶエレメカ系のゲーム機を集めた一冊。帯の推薦文は、よゐこの有野氏。この本、出る前から、結構あちらこちらで話題になっていました。
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日本懐かし自販機大全が好評だったことから、タツミムックより続編的な位置付けで発売されたみたいです。この他にも、日本カセットテープ大全だとか、日本懐かしアイス大全だとか、シリーズ化する予定のよう。今はネットで情報が簡単に取れますから、雑誌が売れないといわれる時代になっていますが、このようなディープなネタは、ネットだけでは集められません。また、ネット上の情報は、いつかは消えてしまいますので、保管しておきたいというニーズにも合致しているのかもしれません。辰巳出版さん、良い所を突いてきます。
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駄菓子屋ゲームの代名詞といわれる新幹線ゲームの紹介から。貴重な内部の構造まで紹介されています。これ、景品の払い戻しのための機構を動かすために、実は電気使うんですね。岸昭仁氏は、探偵ナイトスクープで子供が新幹線ゲームを自作したいというネタの回にも出演されて、内部構造を解説されていました。
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こちらは、同じく岸昭仁氏が監修を務め、バンダイより2010年に発売された駄菓子屋ゲーム貯金箱。新幹線ゲームを遊べる貯金箱に仕立てています。販売中は2,980円くらいの玩具でしたが、生産中止になってからは10,000円近い値段で取引されている。
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メダルゲームの代名詞、コナミのピカデリーサーカス。こちらはコナミ工業の製造で、レジャック株式会社より販売された。ピカデリーサーカスにも、貯金箱は存在した。コナミ自らの手によって作られているため(株式会社コナミデジタルエンタテインメント 2007年発売)、えらく出来がよい。同じくコナミのメダルゲームである国盗り合戦貯金箱も出る予定で、試作品までお披露目されていたのだが、ピカデリーサーカス貯金箱が思うように売れなかったのか発売中止になってしまった。こちらも、今では10,000円近い値を付けている。
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書籍には、これらの有名なものだけでなく、一般的には見たことも無いようなマイナーなものまで網羅されている。読んだ感想としては、この本も立ち位置的には日本懐かし自動販売機大全と同じような匂いのする一冊だと思います。昔にぎやかだったけど、今は忘れ去れて寂しい場所という共通点がある。
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駄菓子屋ゲーム博物館の館長の手によるものなので、10円ゲームのハード本体や、業務用ゲーム機のカタログなどは、かなり見ごたえがある。これらは歴史(記録)には残らず、じきに埋もれて消えていくものなので、資料として残したいというのが、この本を書かれた動機のようです。考現学的な意味合いからは、時代の風俗資料のひとつとして残す価値があると思うのですが、10円ゲームに特化してまとまった形で残るというのが、特に大きいよう思います。メーカー自体も小さなところが多いので、このような本がなければ、これらの記憶は失われてしまう。
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またゲーム機だけではなく、駄菓子屋、デパートの屋上、行楽地の遊戯施設など、この種のゲームがおかれていた場所も紹介されていて、施設オーナーへのインタビューや著者との対談記事もある。これらの場所も、ゲーム機と同じく、静かに消えていこうとしている。これらの場所は、記憶には残るけれど記録には残らない。それを記録し、保存するための資料という意味でも、たいへん貴重な一冊だと思います。辰巳出版さんには、日本懐かしデパートの屋上大全とか、日本懐かしエレメカ大全とかを期待したい。
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ということで、駄菓子屋好き、デパートの屋上好きだった昔の自分に送りたい一冊、日本懐かし10円ゲーム大全でした。
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これも10円ゲームの代表格、こまやが1981年に発売した山登りゲーム。
参考:日本懐かし10円ゲーム大全/岸昭仁・辰巳出版
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