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ロールプレイングゲームサイド Vol.1は、2014年にマイクロマガジン社より発売された雑誌。ユーゲー、ゲームサイドときて、2010年よりジャンル別ゲーム専門誌になった時に出た一冊。ユーゲー、ゲームサイド誌は、レトロゲームをメインで取り上げていましたが、今回は特にレトロゲームに拘らず、現行の作品、レトロゲーム、同人、ゲームブックなど、RPGというジャンルそのものに特化している。
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この号の特集はメタルマックス。データーイーストより1991年に発売されたゲームということですが、メタルスラッグとごっちゃになるくらい、個人的には思い入れがない。
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ではなぜ、この号を入手したかというとRPG専門誌ということで、国産RPGの歴史が取り上げられていたから。レトロゲームが得意な出版社ということもあって、ドラクエからではなくきちんと国産8ビットパソコンのRPGから追っている。国産初のRPGがいったい何かという問題があって、本格的なRPGは1984年発表のBPSのザ・ブラックオニキスといわれることも多いけれど、83年の時点でRPGの要素を含んだ作品は、光栄のものを初めとして数多く発売されていた。そこら辺りを詳しく掘り下げて解説している。
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国産RPGの大きな流れを示しているだけなので、ひとつひとつの作品の紹介や解説はそれほど多くはない。なので細部はチャレアベ等の当時の資料を参照する必要があります。
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その上で日本では長らくウィザードリィ、ウルティマ、ローグがRPGの源流だという言われ方がされていた。それはドラクエが発売された時に、堀井さんがウィザードリィ、ウルティマを参考にしたと言われていたことの影響が大きいよう思う。海外から日本へとRPGが入って来る際の様子を知るには、当時ログイン等で掲載されていた海外最新RPG事情等を参考にするしかなく、ある意味当時も今も詳しく知る術は無かった。
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第二特集としては、その世界的なコンピュータRPGの源流は何かということを解説している。日本語の記事としては、Wikiであってもウルティマ、ウィザードリィ、ローグ以外のものはほとんど書かれていない。なおかつ当時の状況をあわせて解説した記事は本当に少ないため、これらの記事は資料として貴重だと思います。アメリカでのCPRGの起こりは、教育機関(大学)においてあったネットワーク端末システムPLATOからであったことが詳しく紹介されています。この辺りの事情は、日本ではすっぽりと抜け落ちていることがほとんど。またCPRGが生まれてくるもうひとつの基盤として、TRPGがかなり若者に浸透していたという事情があった。
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日本でのイメージだと、1974年にDungeons & DragonsによりRPGが生み出され、AppleⅡの普及とともにウルティマ、ウィザードリィが登場して、コンピュータRPGの流れが始まったと思いがちですが、電源を使わないボードゲームであるDungeons & Dragonsと、その頃は高価で珍しい機械だったAppleⅡ上で動いていたウィザードリィとでは、2桁くらい売れた数((AD&D1stのみで)700万本と2万4千本)が違っていたそう。それほど圧倒的にD&Dがメジャーだったため、その再現を目指したコンピュータRPGは、想像するより多かったようです。日本ではコンピュータRPGやゲームブックが先に入ってきて、D&Dは85年からと逆だった。しかもTRPGを遊ぶ層は限られていたため、状況がまったく異なります。
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1985年に新和より発売された日本で最初のDungeons & Dragons。そのBOXの色から、通称赤箱と呼ばれている。コンピュータ誌やゲーム雑誌でRPGの元祖という時には、必ずといってよいほどこの赤箱が登場するが、1974年に発売されたOriginal Dungeons & Dragonsは、白い箱に入っていた。日本に初めて登場したのは1983年発売の第4板。つまりDungeons & Dragonsの元祖が赤箱のイメージなのは日本だけということになります。当時は大変なRPGブームであったため20万部~30万部と良く売れたらしい。それでも売れた数が二桁ほどは違うなど、アメリカとは状況が全く異なる。
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Dungeons & Dragonsと並んで有名なホラータイプのRPGクトゥルフの呼び声。最初の版だけBOXタイプで発売されて、以後は書籍タイプとなった。この当時のコンピュータRPGにも様々な影響を与えていた。根強い人気を誇り、現在でも新版が売られている。またSFタイプのTRPGとしてはトラベラー(ホビージャパン/GDW)が有名だった。
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最初期のRPGは高価なBOXタイプがほとんどだったが、ゲームブックからの流れで文庫版として出版されたトンネルズ&トロールズ。価格が1/10程度と手頃だったため普及した。近年でも新たにBOX版が出たり、新装のソロアドベンチャーが発売されるなど根強い支持を受けている。
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こちらは、コンピュータRPGとして大人気だったウィザードリィを、日本でTRPGへと仕立て直したという変り種のウィザードリィRPG。本国以上に受け入れられた、日本でのウィザードリィ人気の凄さを知る貴重な資料のひとつ。
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ということで、日本でも受け入れられたRPGですが、その受け入れられ方やスケールは本国とは全く異なっていた。またコンピュータRPGのウィザードリィやウルティマにしても、唯一それらが先行していた訳ではなく、いくつも発表されていた作品の中のひとつであったというのが正確な様です。その辺りの当時の事情や空気感はもはや知る余地はありませんが、その辺りの事情をほんの少しだけ垣間見せてくれる貴重な資料とは言えそうです。
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参考:ロールプレイングゲームサイド Vol.1(GAMESIDE BOOKS)・マイクロマガジン社、Wiki TRPG、Dungeons & Dragons、ウルティマ、ウィザードリィの項、Koダイヤモンドは砕けない(エコーズAct2)、RPG Reference