THEC64Miniは、Retro Games Ltd.より2018年に発売されたミニゲーム機、復刻タイプのミニパソコン。主に欧州で79,99€(約一万円)くらいで売られています。欧州以外では、北米でも売られており、これは元ネタとなったコモドール64がヒットした地域ということだと思います。日本では、同じ時期に家電メーカーが参加して鳴り物入りで発売されたMSXがホビーパソコンの位置を占めており、コモドール64が普及する余地はありませんでした。
日本では正式販売されてないのですが、代理店みたいに名乗っているところはあって、昨年(2018年)の夏に注文して10月の予定が大幅にずれて2019年1月末にようやく届いた。日本語のマニュアルやベーシックの教本が付くという話だったのですが、どうやらそれも無い模様。届かない覚悟もしていたので、何はともあれ届いて良かった。現時点ではアマゾンなどでも安く扱っており、入手はし易くなっています。
THEC64 Mini – 2018 promo (American English)
コモドール64ということからか64種のゲームを収録。他のミニ復刻機と比べても格段に多い。ただし、日本ではあまり馴染みのないものが多いと思います。逆にいうと、日本では経験しにくい貴重なゲームが多いということでもあり、レトロ洋ゲー好きにはたまらないものがあるのではないでしょうか。
コモドール社は、当時日本ではVIC-1001というパソコンを発売しており、その廉価版をマックスマシーンというホビーパソコンとして売っていた。この元ネタであるコモドール64もそれらの系統のようです。コモドール64は世界で売れに売れ、単一機種としては最も販売台数の多いパーソナルコンピュータということらしいが、前述の様に日本ではアスキーとマイクロソフト、松下電器、ソニーが仕掛けたMSXが強かったため、あまり注目されずに終わってしまった。
外箱の中には中箱が入っている。
本体とジョイスティック。印象としては、想像しているよりそうとう小さい。
外見のキーボードなどはダミー。背面にHDMI経由で720pのHD出力端子、電源用のマイクロUSBポート、側面にUSBキーボードまたはUSB ジョイスティック用の2つのUSBポートと電源スイッチが備わる。
付属物は5言語のマニュアルと1、2メートルのHDMIケーブル&1、2メートルのUSB電源ケーブル(USB電源ハブはなし)。前述の様に日本語マニュアルやベーシック教本が付かないため、プログラムを実際に組んで遊ぶというのは、結構難易度高いのではないでしょうか。世界で一番売れたコンピュータのため、現在でもプログラムマニュアルを手に入れる事自体は可能そうですが。当時の代表的なゲームは内臓されていますので、雰囲気を味わうことはこれだけでも十分出来ると思います。
2016年11月に発売されたニンテンドークラッシックミニ、ニンテンドークラッシックミニスーパーファミコンがこのような復刻ミニゲーム機の火付け役だった。セガのメガドライブミニが控えているけれど、このミニゲーム機ブームもそろそろ落ち着いてきたように思う。
2017年にハル研究所より発売されたPasocomMini MZ-80C。このTHEC64MiniもUSBキーボードを繋いでプログラムを組めるようになっているため、どちらかというとこちらの方に近い。単に懐かしいゲームを収録したゲーム機というだけの作りではない。
こちらは、RaspberryPi用のミニチュアケース X68000 for RaspberryPi 2/3。RaspberryPiにはレトロパイというエミュレータのようなソフトが用意されており、その中にX68000も含まれている。つまり、これとRaspberryPiを用意すれば、自分でPasocomMini X68000が作れるということになる。復刻ミニゲーム機の次には、このようなミニパソコンの復刻が来る様な気がする。
個人的には、PC-8801mkIISR以降、FM-77AV、X1turbo、X68000のミニが欲しい。最近だと電波新聞社の電子工作マガジンで、ベーシックマガジンが復活したりしている。電子工作マガジン編集部によれば、再び別冊での定期刊行を目指しているらしい。プチコンやイチゴジャム等で、ベーシックでのプログラム作成が話題となったため、このような形での復刻ができたみたい。そのようなことも踏まえて、ゲームまで収録したこれらのレトロパソコンが出たら、かなりの話題になり盛り上がることでしょう。
参考:Wiki コモドール64、マックスマシーン、THEC64Mini(英語)、THEC64Miniの公式ページ(英語)、電子工作マガジン/電波新聞社