カメレオンの独り言

当分は漫ろ言の漫ろ歩き、頭に浮かんだ事柄を挿絵と写真と下手な文で綴ります。色々と間違い多いですがご容赦を。

カメレオンの独り言-1658 『夏祭り 汗も滴(したた)るいい男』

2016年07月14日 | 日記





 『天神祭り』 2016年7月14日






何かしら、もう終わったって感じがしないでもないね。此処で今までのように笑って居る場所じゃないって思えるんだよ。

ことの終わりってのはこんなもんだろうね。一度、自由になって考えてみよう。

次にオレの居場所が有るのかないのか考えてみようって思ってる。 「なければ?」 無ければないで探せばいいし諦めもあるよ。





望んでも得ることのできなかったホントの自由の中に身をおいて自分探しの旅に出るんだよ。

新聞配達のおじさんが 「外へ出なあかん、外は愉しいで」って、オレを見抜いたように云うんだよ。

そうだね、たしかに其の通りかも知れないね。 「★★ちゃんは、何も知らん」 そうかねえ? 「口だけや」 半分当たってるね。





おっちゃんはB型か? 「そや」 なるほどね。血に振り回されて生きる人だね。オレは、オレに振り回されて生きるA型だよ。

オレは昔からO型に間違われる。垣根を造らない開放型って見られるんだね。想いはO型、根はA型、根が足元絡んで

想いに素直に生きれない、思考が行く手を阻んで留まるばかりに右に倣わせる。ドアの内と外の違いだね。





でも、もう自由だよ。地に書いた線の上を頑なに歩かなくてもいい。それを自分に言い聞かせてドアを出てみるよ。ママ、こわいっ。




















寝ても覚めても街ん中うろついてる奴ってB型とO型ばかりじゃないのかね? 西洋人ってのは、B型タイプが多いんだね? 

なるほどって頷ける。いずれにしても抗しがたい血の作用ってのが地にあるね。「A型って臆病者が多いんだよ」 

良く言えば慎重、悪く言えば臆病って云うね、オレ、そのままだよ。 弱さを知ってるから慎重で、其れを裏返せば大胆なんだよ。






「どう裏返る?」 思考が無理を越えて停止したときだろうね、ブレーキを失う。「破滅型か?」 お隣同士だよ。

まあ、なんでも下地があって、それを心得て調整して均衡を保つ。それが苦手なのがB型だよ。血液の個性が何にも勝るんだろうね。

A型は問題が起こる前に全力を尽くす、B型は起こってからだね。新聞配達のおじさんを見てると、そんなのを感じるね。






開拓の実践力はB型の真骨頂だろうね、そして敵をつくるのも素晴らしく早い。それをA型ほど悩まない。

「わしとこんなけ長く付き合ってるのは★★ちゃんだけや」って自分で云ってるよ。細工が苦手なようだから人間丸見えだよ。

ゴーイング・マイ・ウェイ、独り身で気甲斐性旺盛なおっちゃん見習って、オレも独りで生きてみたいよ。




















もう、祭りの季節に入ってるんだね。早いねえ~、去年、祭りの話を書いてから一年経ってるのお~? 信じられないねえ。

去年は、たしか祭り見物してたら藤純子みたいなお姐さんが寄ってきて、何やら話して気が合って連れだって歩いたねえ。

「おじさん、また、来年、此処でお会いしましょ」って別れて、もう、一年経ったんだねえ。 「それは、ホンマの話かえ?」






嘘云ってどうする。道行く人たちが、みんな振り向いて見るような綺麗で鉄火風の姐御さんのような女性(ひと)だったよ。

「まるっきり緋牡丹お竜じゃないか」 そうだよっ、あれは、きっと矢野竜子さんだよ。 「なんで、そんなのがおまえと歩く?」

同じ方向へ歩いたら、みんな一緒さ。逆らう訳にはいかんだろ、通行妨害だよ。「違った、なんでおまえと話す?」






誰とでも他愛無く話したい時もあるわいな。 「どんな話をした?」 忘れたねえ、夢うつつだったからねえ、でっへへへ。

汗びっしょりだよ、「なんでや?」 恥ずかしいではないか。湯気が出そうだったよ。浴衣の張りを失うのが嫌でね、参ったよ。

「なんで張りを失う?」 なぁんにも知らんのやなあ、「新聞配達のおっさんの真似か?」 あのおっさんの十八番だよ。




















浴衣のシルエットって肩から袖口まで入った折り目が立っててこそ恰好いいんじゃないか? それが汗で濡れてみろ、デレエ~って

落ちて台無しだよ。ふつう、風を通してサラッとした着流しをシャキッと決めて角帯締めて貝の口に結んでいなせなもんだよ。

今日のオレがそれだよ。濃い目の紺系の生地が男らしい。角帯はやや白地に一筋の線が走ってる。あっさりしてるぜ。






まあ、いうなれば、玄人好みの池部良の風間重吉風のいでたちよ。出来れば筒袖にしてぇところだが、あんまり恰好つけてたら

「おうっ、おっさん、何のつもりやっ?」って絡まれたりすると怖いからね、大人しく袖をぶら下げて素人の世界よ。

「いい男だねえ~」って言い寄られてデレデレ、えへへへが似合ってる。ポッ、ポッ。「なんやねん、そのポッ、ポッて?」 照れてんだよ。






そんなのが、汗で濡れるから、べっとり生地が垂れて見る影ないよ。シルエットの問題だよ。「暑いのはお竜さんも一緒だろ?」

違うんだねえ~何故だろお~? 涼しげな風情なんだよ、団扇を軽~くそよがしてね、「おじさん、暑いわねえ~」って笑ってるよ。

そんな風に見えないんだよ。オレ一人汗かきまくりだよ。夜店の裸電球の明かりが反射して照りまくってんだよ。 「恰好悪い奴やね」






お竜さんは、着物慣れして小粋に決めて崩れないんだね。和服のモデルみたい。襟足が艶めかしいったらあ~りゃしない。ポッ。





















しかし、もう、格好つけなんかしてられないよ。参ったねえ、ちょっと其処らで一息入れませんか? 「恰好つけてるやないか」 一応。

ちょうどいい、道端の灯篭の横手に竹の長椅子が空いてる。ジャリ、ジャリと小粒な砂利道を雪駄が踏む音が映画みたい。「なんでや?」

解らんか? 効果音だよ、感性の鋭さだね。田舎の田吾作には解らん雰囲気造りだよ。囃子の音が響いてる。






チキチンチキチンチキチンドンドン・・・チキチンチキチンチキチンドンドン・・・「この祭りの囃子の音で前の話がぼんやり浮かぶぞ」

実は、オレもだよ、なんか恰好悪かったような自分だったねえ。今回は違うぞ。「おじさん、ちょっと待っててね」 ああ、はあ?

トイレかな? 「そうだっ、おまえは馬鹿だよ、前の時も、いい雰囲気なってるのに、トイレ大丈夫ですか? なんて台無しにしたろ?」






そうだ、そうだったなあ~。「反省も成長もないではないか」 今のは思っただけだよ。「はい、召し上がれ」 

袖口から白い腕を伸ばして差し出す綺麗な手に、ポッ、あ、ありがとう。手と手が触れて、ポッ、ポッポッポッ。

カキ氷を買ってきてくれたよ。みぞれで良かったよ。 「なんでや?」 イチゴなんか零してみろ、浴衣に染みなってガキだよ。






あっ、零しちゃった。冷ったいねえっ。襟の中、胸元へ落ちて胸からツルウ~って臍まで垂れてるよ。なんにもない顔して誤魔化してる。

「こぎゃんして仰山の人さんに囲まれているのにぃ、独りぽっちっておかしいわねえ」 「意味深な台詞にどう応える?」 ホガホガ・・・「?」

口ん中で氷が沁みるんだよ。そふだすね~、ほんな風に感じる時ってあふね。 「喋るなっ」 クスッて笑ってるよ。






「おじさんって、見た目と違って面白かぁ人ですね」 そうですか? 見たままだと思うけどなあ~漫画みたいな男ですよ。

お姐さんは九州のひとですか? 「はい、九州は熊本ですばい」 いいですね、熊本なまりが柔らかい。「田舎もんですばい」」

オレなんか都会生まれの都会育ちだけど、そんなのから置き去り喰らった田舎もんですよ。どっちもつかずの半端もんですよ。























目の先行き交う人たちは、何の苦もなき水鳥のよう。ごちそうさま、おかげで身体が冷えて汗が引いたよ。オッ、袖の線が立ってるね。

ひょっとして記憶形状か? 「安もんの既成浴衣か?」 馬鹿め、仕立てて貰ったんだぜ、いい生地使ってるねえ。

ボンッ、ボンッ、ドッドッーン 「ああ、綺麗」 花火が打ちあがったね。 チキチンチキチンチキチンドンドン・・・ドッドドドーンッ。






あまり喋らないのに一緒に居るだけで気がほっこりして、なんか穏やかになれる人が居る。独りじゃないって思わせてくれるんだね。
























くだらないこと妄想してたら 「★★ちゃ~ん」 おませな中3の女の子が学校から帰ってきて横っちょの椅子に腰かけ 「暑いなあ~」

「★★ちゃん、暑いなあ」 そうやね、今日は早かったね? あれ、返事しないね? 目線がオレを通り越してるね?

「おお~居ったんかあ、早いなあ~」 オレの背中越しに新聞配達のおじさんが戻って来てネコなで声で話しかけてる。






「ほいっ、取っときな」 小遣い差し出してる。オレが中継して渡してやる 「ありがと」 嬉しそうな顔をしない。

このおっさんが嫌いなのか? 別人みたいになって優しくしとるで、ちょっと、気持ち悪いけどな。
 
「★★ちゃん、帰るわ」 と云いながら机の上の飴を欲しがるおじさんに取ってやって渡してる。精一杯のお返しのサービスみたいだね。





「★★ちゃん、帰るわ、バイバイ」 おう。おっちゃんに云うたれよ。すり抜けるように帰って行っちゃったよ。おっちゃんも敏感に悟れよ。
































カメレオンの独り言